説明

カラオケ採点システム

【課題】 歌唱を行う利用者の属性に好適に対応した歌唱採点ができ、さらに、年代や性別が異なる複数の利用者がグループとなって、各利用者の歌唱採点結果を競う場合に、利用者の属性に応じて公平な採点を行う。
【解決手段】 予め定められた利用者属性に対応して設定された複数の採点基準を、採点基準管理テーブル34cにて管理する採点基準管理手段37と、カラオケ演奏端末10を利用する利用者を特定するとともに、当該利用者の属性情報を取得して、利用者管理テーブルにて管理する利用者管理手段38と、特定された任意の利用者の属性情報に基づき、当該利用者に対応する採点基準を特定する採点基準特定手段39と、特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、当該利用者のものとして特定された採点基準に従って採点を行う歌唱採点手段40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ採点システムに関するものであり、特に、歌唱者の属性に応じて採点基準を変更可能としたカラオケ採点システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケ演奏装置には歌唱採点機能を有しているものがあり、マイクロホンから入力された歌唱音声と、予め楽曲毎に設定されたリファレンスとを比較して、音程の正確性、発声タイミング、音量の加減等について、歌唱の巧拙を採点することができるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、採点機能付きのカラオケ演奏装置に関する技術が開示されている。特許文献1に記載された技術は、歌唱音声の周波数を採点して基本得点を算出するとともに、歌唱のビブラート、抑揚、声質、タイミング、しゃくりなど他の歌唱要素を採点して付加ポイントを算出する。そして、基本得点に付加ポイントを加算して最終得点を求めるようにしたものである。
【0004】
また、特許文献2には、異なる評価の得点を複数種類表示することが可能なカラオケ演奏装置に関する技術が開示されている。この特許文献2に記載された技術は、歌唱者の歌唱音声が入力されると、歌唱採点機能が働き、歌唱の音高、音量、リズムを点数化する。そして、それぞれ異なる複数の採点基準(歌唱の音高、音量、リズムに対する重み付けが異なる採点基準)に基づいて、歌唱採点機能における採点値を加重平均し、複数の採点結果を導き出すことにより、音程(周波数)重視、リズム重視等のように視点の異なった複数の採点結果を得るようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−107337号公報
【特許文献2】特開平10−161673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リズムやテンポへの追従力、発声可能な音域や音量は、個人差はあるものの、一般的には、年代や性別といった利用者の属性に対応している。また、年齢が歌唱年数に相関する(年齢が高い程、歌唱経験が豊富である)と想定した場合には、歌唱技量も年齢に応じて高くなると考えられる。また、年代や性別が異なる複数の利用者がグループとなって、各利用者の歌唱採点結果を競う場合には、すべての歌唱者を同一の採点基準で採点することが不公平となる場合がある。
【0007】
しかし、従来のカラオケ演奏装置における歌唱採点では、年代や性別といった利用者の属性に何ら考慮を払っておらず、利用者の属性に好適に対応した採点基準の採用が望まれていた。さらに、年代や性別が異なる複数の利用者がグループになって歌唱採点を競う場合には、利用者の属性に応じて有利不利の差が生じてしまい、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさを十分に味わうことができない場合もあった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、歌唱を行う利用者の属性に好適に対応した歌唱採点ができ、さらに、年代や性別が異なる複数の利用者がグループとなって、各利用者の歌唱採点結果を競う場合に、利用者の属性に応じて公平な採点を行うことが可能なカラオケ採点システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のカラオケ採点システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ採点システムは、カラオケ演奏端末において歌唱採点を行う際に、利用者の属性に応じて設定された採点基準を用いて歌唱採点を行うことが可能なカラオケ採点システムであって、採点基準管理手段と、利用者管理手段と、採点基準特定手段と、歌唱採点手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
ここで、採点基準管理手段は、予め定められた利用者属性に対応して設定された複数の採点基準を、採点基準管理テーブルにて管理するための手段である。利用者管理手段は、カラオケ演奏端末を利用する利用者を特定するとともに、当該利用者の属性情報を取得して、利用者管理テーブルにて管理するための手段である。採点基準特定手段は、特定された任意の利用者について、利用者管理テーブルにて管理されている当該利用者の属性情報に基づき、採点基準管理テーブルを参照して当該利用者に対応する採点基準を特定するための手段である。歌唱採点手段は、特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、選択された採点基準に従って採点を行うための手段である。
【0011】
このような構成からなるカラオケ採点システムでは、採点基準管理手段により、予め、年代や性別等に応じてそれぞれ設定された複数の採点基準を、採点基準管理テーブルを用いて管理する。そして、利用者管理手段により、ID媒体等から取得された利用者IDに基づき利用者を特定するとともに、当該利用者の属性情報(年代や性別に関する情報)を取得し、利用者管理テーブルを作成して管理する。
【0012】
また、採点基準特定手段により、採点基準管理テーブルを参照して、特定された利用者の属性に対応する採点基準を特定する。そして、歌唱採点手段により、特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、例えば、当該利用者の歌唱音声と、当該利用者が歌唱する楽曲について予め設定されたリファレンスとを比較し、所定の歌唱区間毎、あるいは音符毎に採点が行われる。この際、当該利用者の属性に対応するものとして選択された採点基準が用いられる。
【0013】
また、上述した構成に加えて、利用者属性に対応して設定された複数の採点基準が、楽曲毎、あるいは所定のカテゴリに応じて分類された楽曲のジャンル毎に個別に設定されていることが好ましい。このような構成からなるカラオケ採点システムでは、楽曲毎あるいはジャンル毎に設定された採点基準管理テーブルを用いて、歌唱採点手段における歌唱採点が行われる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のカラオケ採点システムでは、歌唱を行う利用者の年代(例えば、10代、20代、30代、40代)や性別(男性または女性)といった属性の構成に応じて複数の採点基準を用意し、歌唱採点を行う際に、歌唱を行う利用者の属性に応じて設定された採点基準を用いて歌唱採点を行う。したがって、歌唱を行う利用者の属性に好適に対応した歌唱採点を行うことができ、さらに、年代や性別が異なる複数の利用者がグループとなって、各利用者の歌唱採点結果を競う場合には、利用者の属性に応じて有利不利の差が生じることがなく、利用者の属性に応じて公平な歌唱採点を行うことが可能となる。
【0015】
例えば、リズムやテンポへの追従力に優れ、発声可能な音域が広く、音量も大きい若者が歌唱する場合には、これらを厳しく採点する採点基準を用いる一方、リズムやテンポへの追従力に劣り、発声可能な音域が狭く、音量が小さい老人が歌唱する場合には、これらを甘く採点する採点基準を用いる。また、音量が大きい男性に対しては、音量について厳しく採点する採点基準を用いる一方、音量が小さい女性に対しては、音量について甘く採点する採点基準を用いる。これにより、利用者の年代や性別といった属性に対応した適切な採点基準により歌唱採点を行うことになり、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさを十分に味わうことが可能となる。
【0016】
また、リズムやテンポ、発声しなければならない音域等は、楽曲毎、あるいはジャンル毎に異なるのが一般的である。そこで、楽曲毎、あるいはジャンル毎に採点基準テーブルを設定する構成とした場合には、歌唱を行う利用者の属性にさらに好適に対応した歌唱採点を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムを含むカラオケシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムを適用するカラオケ演奏端末の概略構成を示すブロック図。
【図3】顧客データベースの構成を示す説明図。
【図4】採点基準管理テーブルの構成を示す説明図。
【図5】利用者管理テーブルの構成を示す説明図。
【図6】本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムにおける歌唱採点基準の選択を説明する模式図。
【図7】選曲画面の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<基本構成>
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ採点システムの実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムを含むカラオケシステムの概略構成を示すブロック図、図2は本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムを適用するカラオケ演奏端末の概略構成を示すブロック図である。また、図3は顧客データベースの構成を示す説明図、図4は採点基準管理テーブルの構成を示す説明図、図5は利用者管理テーブルの構成を示す説明図である。
【0019】
本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムを含むカラオケシステムは、図1に示すように、通信ネットワーク12を介して相互に接続されたホスト装置11と複数のカラオケ演奏端末10と、を備えている。通信ネットワーク12は、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネットにより構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0020】
<ホスト装置>
ホスト装置11は、図1に示すように、制御手段51、データ処理手段52、顧客データベース53、送受信部54を備えている。
【0021】
<制御手段/送受信部>
制御手段51は、ホスト装置11を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。送受信部54は、各カラオケ演奏端末10との間でデータの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク12における通信方式の整合性を保つための通信回路やソフトウェアにより構成される。
【0022】
<データ処理手段/顧客データベース>
データ処理手段52は、顧客データベース53にアクセスして、データの抽出、変更、追加を処理するためのプログラムからなる。顧客データベース53は、利用者毎に利用者情報が登録されたデータベースである。この顧客データベース53は、図3に示すように、利用者毎に、利用者ID、氏名、セカンドネーム(例えば愛称)、住所、生年月日及び年齢、性別、職業等が関連付けて構成されている。なお、顧客データベース53に含まれるデータは、図3に示すものに限られず、顧客としての登録年数、カラオケシステムの利用頻度等を含ませてもよい。また、本実施形態では、これらのデータのうち、年齢から導き出される年代及び性別が、利用者の属性情報として利用されるが、顧客データベース53に含まる他のデータを利用者の属性情報としてもよい。
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るカラオケ演奏端末10は、図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、ミキシングアンプ24、マイクロホン25、ディスプレイ装置26を備えている。
【0023】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、ネットワーク送受信手段35、ローカル送受信手段36、採点基準管理手段37、利用者管理手段38、採点基準特定手段39、歌唱採点手段40、予約管理手段41、音楽再生制御手段42、A/Dコンバータ43、映像再生制御手段44を備えている。
【0024】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0025】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33a、利用者管理テーブル33bが記憶されるようになっている。
【0026】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34b、採点基準管理テーブル34cが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34とともに、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0027】
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ格納したデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0028】
<送受信手段>
ネットワーク送受信手段35は、ホスト装置11とカラオケ本体21との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。また、ローカル送受信手段36は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0029】
<採点基準管理手段>
採点基準管理手段37は、予め定められた利用者属性に対応して設定された複数の採点基準を、採点基準管理テーブル34cにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、利用者の属性である年代(年齢)及び性別に対応させて、難易度がそれぞれ異なる採点レベルと、ビブラート、しゃくり、ロングトーン等の歌唱技法の質に対する重み付けとがそれぞれ異なる複数の採点基準を予め用意し、この採点基準に対応する採点基準管理テーブル34cを作成して、採点基準管理手段37により管理する。採点レベルの難易度は、例えば、発声タイミングや音程の一致に関する許容範囲の広狭で設定することができる。なお、採点レベルの段階数や、重み付け対象となる歌唱技法の質については、上述したものに限られず、カラオケシステムの利用者構成等に合わせて、適宜変更して設定することができる。
【0030】
<採点基準管理テーブル>
採点基準管理テーブル34cは、利用者の属性である年代(年齢)及び性別に対応して設定された複数の採点基準により構成されたデータテーブルであり、図4に示すように、採点IDと、採点レベルデータと、重み付け対象項目データと、採点対象となる属性データとを紐付けして構築されている。上述したように、採点レベルの段階数や、重み付け対象となる歌唱技法の質については、他の基準を用いてもよい。
【0031】
また、利用者属性に対応して設定された複数の採点基準は、楽曲毎、あるいは所定のカテゴリに応じて分類された楽曲のジャンル毎に設定することが可能である。この場合には、図4に示すようなデータテーブルが、楽曲毎に作成され、あるいはジャンル毎に作成される。なお、楽曲のジャンルとは、演歌、J−POP、アニメソング、応援歌、韓国曲、中国曲、フォークソング等のように、楽曲を特徴付けるカテゴリのことである。
【0032】
<利用者管理手段>
利用者管理手段38は、カラオケ演奏端末10を利用する利用者を特定するとともに、当該利用者の属性情報を取得して、利用者管理テーブルにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、利用者管理手段38では、カードリーダ22cにより利用者IDが取得された場合に、この利用者IDに基づいて利用者を特定するとともに、顧客データベース53から当該利用者の属性情報を取得し、利用者管理テーブル33bを作成して管理する。取得した利用者IDは、選曲予約や歌唱採点を行う際に利用される。
【0033】
なお、顧客データベース53に登録されていない利用者については、仮の利用者IDを発行するとともに、この利用者IDに紐付けして、利用者属性情報を入力するような構成としてもよい。利用者属性情報の入力は、例えばカラオケリモコン装置22の入力機能を用いて行われる。
【0034】
<利用者管理テーブル>
利用者管理テーブル33bは、利用者管理手段38により管理されるデータテーブルであり、図5に示すように、カードリーダ22cで取得した利用者IDと、顧客データベース53から取得した当該利用者の属性情報とを紐付けしたデータ構造を有している。
【0035】
<予約管理手段>
予約管理手段41は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲され、ローカル送受信手段36を介して受信した楽曲IDを、選曲順に演奏予約待ち行列33aとしてRAM33に格納し、管理するためのプログラムからなる。
【0036】
<採点基準特定手段>
採点基準特定手段39は、特定された任意の利用者について、利用者管理テーブル33bにて管理されている当該利用者の属性情報に基づき、採点基準管理テーブル34cを参照して当該利用者に対応する採点基準を特定するためのプログラムからなる。例えば、図4に示す採点基準管理テーブル34cが構築されており、20代〜40代の男性の歌唱について歌唱採点を行う場合には、採点ID「***A」の採点基準が選択される。採点基準の選択については、後に詳述する。
【0037】
<歌唱採点手段>
歌唱採点手段40は、特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、当該利用者のものとして特定された採点基準に従って採点を行うためのプログラムからなる。すなわち、特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、当該利用者の歌唱音声と楽曲について予め設定されたリファレンスとを比較し、所定の歌唱区間毎、あるいは音符毎に、特定された採点基準を用いて採点を行う。具体的には、歌唱採点では、例えば、マイクロホン25により入力された歌唱者の音声信号から、音程、声量、テンポ等の歌唱評価データを抽出するとともに、この歌唱評価データと演奏楽曲の主旋律等のリファレンス情報とを比較して採点を行う。このような歌唱採点方法については、特開2007−121917号公報等に詳細に記載されている。
【0038】
なお、歌唱採点手段40において、属性情報に応じた採点基準を用いて採点を行うのは、このような機能が選択された場合であり、通常の歌唱採点においては、デフォルト設定された採点基準を用いて採点を行うようになっている。
【0039】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段42は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ24に出力するための電子回路である。ミキシングアンプ24は、マイクロホン25から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段42から送出される演奏音声信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。また、マイクロホン25からの音声入力信号は、A/Dコンバータ43によりデジタル変換され、歌唱採点手段40における採点に使用される。
【0040】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段44は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース34bから抽出した映像データ及び楽曲データベース34aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させてディスプレイ装置26に出力するための電子回路である。
【0041】
<ディスプレイ装置>
ディスプレイ装置26は、カラオケ演奏時の映像、歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0042】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21のローカル送受信手段36に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、カードリーダ22cとして機能するプログラム及び機器、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。
【0043】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏端末10で演奏に供されるカラオケ楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0044】
<カードリーダ>
カードリーダ22cは、任意の利用者がカラオケ演奏端末10を利用する際に、当該利用者の利用者IDを取得するための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、利用者がカラオケ演奏端末10を利用する際に、利用者が所持するID媒体27から利用者IDを取得するようになっている。カードリーダ22cで取得した利用者IDは、RAM33において利用者管理テーブル33bとして記憶され、利用者管理手段38にて管理される。ID媒体27は、例えば非接触型の、IDカード、携帯電話、携帯情報端末等からなり、利用者IDを記憶して、カードリーダ22cとの間でデータの送受信を行うことができるようになっている。
【0045】
<利用者の属性に応じた歌唱採点>
図6は本発明の実施形態に係るカラオケ採点システムにおける歌唱採点基準の選択を説明する模式図である。また、図7は、選曲画面の模式図である。なお、以下の説明では、図6に示すように、それぞれ年代や性別といった属性が異なる複数の利用者a〜fの6人がグループとなって、各利用者の歌唱採点結果を競う場合を想定する。
【0046】
ここで、28歳男性の利用者aがその利用者IDに基づいて特定されると、採点基準管理テーブル34cを参照して、採点ID「***A」の採点基準が選択され、利用者aが歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に使用される。この採点基準では、採点レベルの難易度が一番高い「1」で、ビブラート及びロングトーンに重み付けが行われる。このとき、図7に示すように、選曲画面には、利用者aについての採点基準が表示される。なお、選択された採点基準は利用者管理テーブル33bにて管理される。
【0047】
また、19歳女性の利用者bがその利用者IDに基づいて特定されると、採点基準管理テーブル34cを参照して、採点ID「***C」の採点基準が選択される。この採点基準では、採点レベルの難易度が中間の「3」で、しゃくりに重み付けが行われる。また、72歳女性の利用者fがその利用者IDに基づいて特定されると、採点基準管理テーブル34cを参照して、採点ID「***D」の採点基準が選択される。この採点基準では、採点レベルの難易度が下から3番目の「4」で、ビブラート及びしゃくりに重み付けが行われる。他の利用者c、利用者d、利用者eについても同様にして、性別及び年齢に応じた採点基準が選択される。
【0048】
<他の実施形態>
本発明のカラオケ採点システム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【0049】
また、各カラオケ演奏端末10の構成要素となっている手段であっても、ホスト装置11において一括管理することができる手段等(例えば、採点基準管理手段37、採点基準管理テーブル34c)については、ホスト装置11の構成要素としてもよい。さらに、ホスト装置11と複数のカラオケ演奏端末10とをネットワーク接続し、ホスト装置11において顧客情報を管理する構成となっているが、カラオケ演奏装置をスタンドアロンで運用し、顧客情報の管理は、各カラオケ演奏装置で行うような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 カラオケ演奏端末
11 ホスト装置
12 通信ネットワーク
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
22c カードリーダ
23 スピーカ
24 ミキシングアンプ
25 マイクロホン
26 ディスプレイ装置
27 ID媒体
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
33b 利用者管理テーブル
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
34c 採点基準管理テーブル
35 ネットワーク送受信手段
36 ローカル送受信手段
37 採点基準管理手段
38 利用者管理手段
39 採点基準特定手段
40 歌唱採点手段
41 予約管理手段
42 音楽再生制御手段
43 A/Dコンバータ
44 映像再生制御手段
51 制御手段
52 データ処理手段
53 顧客データベース
54 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ演奏端末において歌唱採点を行う際に、利用者の属性に応じて設定された採点基準を用いて歌唱採点を行うことが可能なカラオケ採点システムであって、
採点基準管理手段と、利用者管理手段と、採点基準特定手段と、歌唱採点手段と、を備え、
前記採点基準管理手段は、予め定められた利用者属性に対応して設定された複数の採点基準を、採点基準管理テーブルにて管理し、
前記利用者管理手段は、前記カラオケ演奏端末を利用する利用者を特定するとともに、当該利用者の属性情報を取得して、利用者管理テーブルにて管理し、
前記採点基準特定手段は、前記特定された任意の利用者について、前記利用者管理テーブルにて管理されている当該利用者の属性情報に基づき、前記採点基準管理テーブルを参照して当該利用者に対応する採点基準を特定し、
前記歌唱採点手段は、前記特定された利用者が歌唱する楽曲について歌唱採点を行う際に、前記特定された採点基準に従って採点を行う、
ことを特徴とするカラオケ採点システム。
【請求項2】
前記利用者属性に対応して設定された複数の採点基準が、楽曲毎に個別に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のカラオケ採点システム。
【請求項3】
前記利用者属性に対応して設定された複数の採点基準が、所定のカテゴリに応じて分類された楽曲のジャンル毎に個別に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のカラオケ採点システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−95437(P2011−95437A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248369(P2009−248369)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】