説明

カラオケ映像表示システム

【課題】 カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置と、それ以外の表示装置で、表示される映像を自動的に異ならせる。
【解決手段】 任意の利用者による選曲時に、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDを取得するテーブルID取得手段22cと、選曲された楽曲の楽曲IDと、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDとを紐付けして予約待ち行列33aにて管理する予約管理手段36と、任意の楽曲が演奏される際に、当該楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置(例えば26a)では、当該楽曲に対応付けられた背景映像を表示させ、それ以外の表示装置(例えば26b,26c)では、当該楽曲とは対応関係を有しない報知映像を表示させる映像再生制御手段38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の顧客用テーブルにそれぞれ対応付けられた複数の表示装置を有し、各顧客用テーブルの利用者が選曲した任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置と、それ以外の表示装置とで、表示される映像を異ならせるようにしたカラオケ映像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケを楽しむための店舗が広く普及している。特に、大型の店舗では複数のテーブルが設置されており、テーブル毎に気のあった仲間同士でグループを形成してカラオケを楽しむことがある。このような大型の店舗では、複数のテーブルが分散して配置されているため、各テーブルからの視認性を考慮して、カラオケの背景映像や歌詞テロップを表示するための表示装置が複数設置されている場合が多い。
【0003】
ところで、自らが所属するグループの利用者が選曲予約したカラオケ楽曲が演奏される場合には、そのグループから視認可能に設置された最寄りの表示装置において、当該カラオケ楽曲の背景映像や歌詞テロップが表示されている必要がある。しかし、他のグループの利用者が選曲予約したカラオケ楽曲が演奏される場合には、必ずしも当該カラオケ楽曲の背景映像や歌詞テロップに関心を寄せるとは限らず、極端な場合には、最寄りの表示装置に表示された背景映像や歌詞テロップを殆ど見ないことがある。このように、複数の表示装置が設置されている店舗では、すべての表示装置において同様に背景映像や歌詞テロップを表示したとしても、その表示自体が無駄になってしまう場合がある。
【0004】
従来、複数の表示装置を備えたカラオケシステムにおいて、歌唱者が視認する表示装置のみに歌詞テロップを表示するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、予め設定された表示装置にのみ歌詞テロップを表示し、その他の表示装置には歌詞テロップを表示しないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−11787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、現在演奏中のカラオケ楽曲の歌唱者が視認可能な位置に設置された最寄りの表示装置では、当該カラオケ楽曲に関連する背景映像や歌詞テロップを表示することにより、カラオケ演奏を楽しむことができる。一方、現在演奏中のカラオケ楽曲とは無関係の利用者にとっては、当該カラオケ楽曲に関連する背景映像や歌詞テロップの表示が煩わしく思え、あるいは全く興味を示さない場合が多い。そこで、現在演奏中のカラオケ楽曲の歌唱者が視認可能な位置に設置された最寄りの表示装置では当該カラオケ楽曲に関連する背景映像や歌詞テロップを表示し、他の表示装置では、現在演奏中のカラオケ楽曲とは関係なく、利用者にとって有用な報知映像を表示できるシステムの開発が望まれていた。
【0007】
なお、上述した特許文献1に記載された技術は、歌唱者以外には歌詞テロップが読み取れないようにして、現在演奏中のカラオケ楽曲を熟知していない歌唱者以外の者が一緒に歌唱することを防止しようとするもので、歌唱者が視認可能な位置に設置された表示装置とそれ以外の表示装置において表示内容を異ならせることはできるが、現在演奏中のカラオケ楽曲の背景映像と、背景映像とは無関係の報知映像とを切り替えることにより、表示装置における表示を効果的に利用しようという思想は示されていない。また、特許文献1に記載された技術は、歌詞テロップが表示される表示装置をいちいち設定しなければならず、表示の切替操作が利用者にとって煩わしいという問題もあった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数の顧客用テーブルにそれぞれ対応付けられた複数の表示装置を有し、各顧客用テーブルの利用者が選曲した任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置と、それ以外の表示装置とで、表示される映像を自動的に異ならせることにより、カラオケ楽曲が演奏される度に、いちいち切替操作を行うことなくカラオケ演奏を十分に楽しむことができるだけではなく、利用者にとって有用な情報を表示することが可能なカラオケ映像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のカラオケ映像表示システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ映像表示システムは、複数の顧客用テーブルにそれぞれ対応付けられた複数の表示装置を有し、各顧客用テーブルの利用者が選曲した任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置と、それ以外の表示装置とで、表示される映像を異ならせるようにしたカラオケ映像表示システムであって、テーブルID取得手段と、予約管理手段と、映像データベースと、映像再生制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、テーブルID取得手段は、任意の利用者が選曲を行う際に、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDを取得するための手段である。予約管理手段は、任意の利用者により選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDと、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDとを紐付けして予約待ち行列にて管理するための手段である。映像データベースは、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、当該カラオケ楽曲の背景映像を表示させ、それ以外の表示装置では、報知映像を表示させるための手段である。
【0011】
このような構成からなるカラオケ映像表示システムでは、カラオケシステムが設置された店舗内に複数の顧客テーブルが設置されており、各顧客テーブルにはそれぞれテーブルIDが付与されている。また、各顧客テーブルを利用している利用者が視認可能な最寄りの位置には、それぞれ表示装置が設置されており、各顧客テーブルには、それぞれ表示装置が対応付けられている。したがって、テーブルIDを特定すると、当該テーブルIDが付与された顧客テーブルに対応付けられた表示装置を特定することができる。
【0012】
本発明のカラオケ映像表示システムでは、テーブルID取得手段の機能により、当該選曲者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDを取得する。また、予約管理手段の機能により、当該選曲者により選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDと、当該選曲者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDとを紐付けして予約待ち行列にて管理する。
【0013】
カラオケシステムを構成するHDD等の記憶装置には、カラオケ楽曲にそれぞれ対応付けられた背景映像データと、カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像データとを格納した映像データベースが記憶されている。そして、予約待ち行列に従って任意のカラオケ楽曲が演奏されると、映像再生制御手段の機能により、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、当該カラオケ楽曲に対応付けられた背景映像を表示させる。一方、それ以外の表示装置では、当該カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像を表示させる。
【0014】
また、上述した構成に加えて、歌詞テロップ表示制御手段をさらに備える構成とすることが可能である。歌詞テロップ表示制御手段は、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、表示される背景映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを重ね合わせて表示させ、それ以外の表示装置では、当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを表示させず、あるいは表示される報知映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを縮小表示して重ね合わせて表示させるための手段である。
【0015】
このような構成からなるカラオケ映像表示システムでは、予約待ち行列に従って任意のカラオケ楽曲が演奏されると、歌詞テロップ表示制御手段の機能により、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、背景映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを重ね合わせて表示させる。一方、それ以外の表示装置では、当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを表示させず、あるいは報知映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを縮小表示して重ね合わせて表示させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のカラオケ映像表示システムでは、現に演奏されているカラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置では、当該カラオケ楽曲に対応した背景映像が表示される。この際、背景映像に歌詞テロップを重ね合わせて表示することができる。一方、それ以外の表示装置では、当該カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像が表示される。この際、報知映像のみを表示したり、あるいは、縮小された歌詞テロップを報知映像に重ね合わせて表示したりすることができる。
【0017】
したがって、現に演奏されているカラオケ楽曲を選曲した利用者及びそのグループでは、カラオケ楽曲が演奏される度に、表示装置に表示される映像の切替操作をいちいち行う必要がなく、最寄りの表示装置において、当該カラオケ楽曲の背景映像や歌詞テロップを自動的に視認することができるので、カラオケ演奏の楽しさを十分に味わうことが可能となる。一方、現に演奏されているカラオケ楽曲を選曲した利用者及びそのグループが利用している顧客テーブルと対応関係にない表示装置では、キャンペーン映像、新曲紹介映像、ニュース映像等の報知映像を視認することができるので、自らとは無関係のカラオケ演奏に関する表示に煩わされることがなく、さらに、表示される報知映像により有用な情報を知らしめることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムを適用したカラオケシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<カラオケ映像表示システム>
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ映像表示システムの実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システム適用したカラオケシステムの構成を示すブロック図、図2は、本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムは、複数の顧客用テーブルにそれぞれ対応付けられた複数の表示装置26a,26b,26cを有しており、各顧客用テーブルの利用者が選曲した任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置(例えば26a)と、それ以外の表示装置(例えば26b,26c)とで、表示される映像を異ならせるようにしたシステムである。
【0021】
このカラオケ映像表示システムは、カラオケシステム10に組み込まれて機能するシステムであり、図2に示すように、主要な構成要素として、テーブルID取得手段22c、予約管理手段36、映像データベース34b、映像再生制御手段38を備えている。また、映像再生制御手段38は、歌詞テロップ表示制御手段38aとしての機能を備えることが可能である。以下、本実施形態のカラオケ映像表示システムについて、カラオケシステム10の構成要素を含めて説明する。
【0022】
<カラオケシステム>
本発明のカラオケ映像表示システムを利用するカラオケシステム10は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、カラオケマイク23、スピーカ24、ミキシングアンプ25、複数の表示装置26a,26b,26cを備えている。
【0023】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、映像再生制御手段38を備えている。
【0024】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0025】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33aが記憶されるようになっている。
【0026】
<予約待ち行列>
予約待ち行列33aは、図2に示すように、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に、楽曲IDとテーブルIDとを紐付けして構成されている。なお、選曲者の利用者IDを取得して、利用者IDを予約待ち行列33aの構成要素として付加してもよい。この場合には、カラオケリモコン装置に利用者IDを取得するための手段を付加して、選曲予約時に利用者IDを取得するようにすればよい。
【0027】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34b、テーブル別ディスプレイ管理リスト34cが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0028】
<楽曲データベース>
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。
【0029】
<映像データベース>
映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納すると共に、カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像を所定数格納したデータベースである。報知映像は、利用者にとって有益と思われる情報を映像化したもので、例えば、キャンペーン映像、新曲紹介映像、ニュース映像等、どのような映像であってもよい。
【0030】
<テーブル別ディスプレイ管理リスト>
テーブル別ディスプレイ管理リスト34cは、図2に示すように、各顧客テーブルのテーブルIDと、当該顧客テーブルの利用者から視認可能な位置に設置された最寄りの表示装置(26a,26b,26cのうちのいずれか1つ)のディスプレイIDとを紐付けして構成したリストデータである。図2に示す例では、9つの顧客テーブルが配置されている店舗において、顧客テーブルを3つのグループに区分し、各ループにそれぞれ表示装置(26a,26b,26cのうちのいずれか1つ)が対応付けられている。
【0031】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0032】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲IDと、選曲予約を行った利用者が利用している顧客テーブルのテーブルIDとを紐付けして、演奏順に並べた演奏予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0033】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ25に出力するための電子回路である。ミキシングアンプ25は、カラオケマイク23から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ24より出力させるための装置である。
【0034】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段38は、基本的には、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース34bから抽出した映像データ及び楽曲データベース34aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置26a,26b,26cに出力するための機能を実現するプログラムからなる。本実施形態では、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置(例えば26a)では、当該カラオケ楽曲に対応付けられた背景映像を表示させ、それ以外の表示装置(例えば26b,26c)では、当該カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像を表示させるための機能が付加されている。
【0035】
また、歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置26a,26b,26cに出力するための機能は、歌詞テロップ表示制御手段38aの機能として実現してもよい。この歌詞テロップ表示制御手段38aは、映像再生制御手段38の構成要素として機能する手段であり、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置(例えば26a)では、表示される背景映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを重ね合わせて表示させ、それ以外の表示装置(例えば26b,26c)では、当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを表示させず、あるいは表示される報知映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを縮小表示して重ね合わせて表示させるためのプログラムからなる。
【0036】
<表示装置>
表示装置26a,26b,26cは、カラオケ楽曲に関連した背景映像、歌詞テロップ、報知映像等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。本発明では、複数の顧客テーブルにそれぞれ対応させて、その利用者が視認可能な最寄りの位置にそれぞれ表示装置(26a,26b,26cのうちのいずれか1つ)が配置されている。なお、複数の顧客テーブルをグループ分けして、各グループにそれぞれ表示装置(26a,26b,26cのうちのいずれか1つ)を対応させるのではなく、複数の顧客テーブルについて、それぞれ別個の表示装置(26a,26b,26cのうちのいずれか1つ)を対応させてもよい。さらに、1つの顧客テーブルについて、複数の表示装置(例えば26a及び26c)を対応させてもよい。
【0037】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、テーブルID取得手段22c、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0038】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケシステムで演奏に供されるカラオケ楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0039】
<テーブルID取得手段>
テーブルID取得手段22cは、任意の利用者が選曲を行う際に、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDを取得するためのプログラム及び電子機器からなる。テーブルID取得手段22cは種々の形態が考えられるが、例えば、利用者がカラオケリモコン装置22の選曲ボタンを操作すると、当該カラオケリモコン装置22が置かれている顧客テーブルに埋め込まれたRFIDモジュール27からテーブルIDデータを読み取り、楽曲IDデータと共にカラオケ本体21に転送する構成とすることができる。
【0040】
また、カラオケリモコン装置22が置かれている顧客テーブルに表示されたバーコードからテーブルIDデータを一旦読み込ませれば、その後に、利用者がカラオケリモコン装置22の選曲ボタンを操作すると、当該テーブルIDデータを楽曲IDデータと共にカラオケ本体21に転送する構成としてもよい。さらに、利用者が顧客テーブルに設定された所定のテーブルID表示を読み取って、カラオケリモコン装置22の入出力表示部(図示せず)に表示されるテンキーやアイコン等を用いて、当該テーブルIDを一旦手入力すれば、その後に、利用者がカラオケリモコン装置22の選曲ボタンを操作すると、当該テーブルIDデータを楽曲IDデータと共にカラオケ本体21に転送する構成としてもよい。
【0041】
<映像表示制御>
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムにおける映像表示制御について説明する。本発明の実施形態に係るカラオケ映像表示システムでは、選曲予約を行う際に、テーブルID取得手段22cの機能により、顧客テーブルのテーブルIDを取得する。続いて、予約管理手段36の機能により、選曲したカラオケ楽曲の楽曲IDと、当該選曲者が利用している顧客テーブルのテーブルIDとを紐付けして、予約待ち行列33aに登録して管理する。なお、予約待ち行列33aでは、演奏順に、楽曲IDとテーブルIDとが紐付けされている。
【0042】
そして、演奏順番が最上位のカラオケ楽曲の演奏を行う際に、映像再生制御手段38の機能により、テーブル別ディスプレイ管理リスト34cを参照して、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDに対応するディスプレイIDと、それ以外のティスプレイIDとを取得する。続いて、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルID(01)を有する顧客テーブルに対応する表示装置26aでは、当該カラオケ楽曲に対応付けられた背景映像を表示させ、それ以外の表示装置26b,26cでは、当該カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像を表示させる。
【0043】
図2に示す例では、予約待ち行列33aにおいて、演奏順番が最上位の楽曲ID「*****a」にはテーブルID「01」が紐付けられているため、テーブル別ディスプレイ管理リスト34cを参照して、テーブルID「01」に紐付けられた表示装置26a(ディスプレイID「A」)では、背景映像に歌詞テロップを重ね合わせて表示し、それ以外の表示装置26b,26c(ディスプレイID「B」及びディスプレイID「C」)では、背景映像ではなく報知映像を表示すると共に、報知映像に縮小サイズの歌詞テロップを重ね合わせて表示し、あるいは、報知映像のみを表示して歌詞テロップは表示しないような制御を行う。
【0044】
<他の実施形態>
本発明のカラオケ映像表示システム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 カラオケシステム
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
22c テーブルID取得手段
23 カラオケマイク
24 スピーカ
25 ミキシングアンプ
26a,26b,26c 表示装置
27 RFIDモジュール
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
34c テーブル別ディスプレイ管理リスト
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 映像再生制御手段
38a 歌詞テロップ表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客用テーブルにそれぞれ対応付けられた複数の表示装置を有し、各顧客用テーブルの利用者が選曲した任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲を選曲した利用者が利用している顧客用テーブルに対応付けられた表示装置と、それ以外の表示装置とで、表示される映像を異ならせるようにしたカラオケ映像表示システムであって、テーブルID取得手段と、予約管理手段と、映像データベースと、映像再生制御手段と、を備え、
前記テーブルID取得手段は、任意の利用者が選曲を行う際に、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDを取得し、
前記予約管理手段は、任意の利用者により選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDと、当該利用者が利用している顧客用テーブルのテーブルIDとを紐付けして予約待ち行列にて管理し、
前記映像データベースは、各カラオケ楽曲にそれぞれ対応付けられた背景映像データと、カラオケ楽曲とは対応関係を有しない報知映像データとを格納し、
前記映像再生制御手段は、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、当該カラオケ楽曲の前記背景映像を表示させ、それ以外の表示装置では、前記報知映像を表示させる、
ことを特徴とするカラオケ映像表示システム。
【請求項2】
歌詞テロップ表示制御手段をさらに備え、
前記歌詞テロップ表示制御手段は、任意のカラオケ楽曲が演奏される際に、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに紐付けられたテーブルIDを有する顧客テーブルに対応する表示装置では、表示される前記背景映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを重ね合わせて表示させ、それ以外の表示装置では、当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを表示させず、あるいは表示される前記報知映像に当該カラオケ楽曲の歌詞テロップを縮小表示して重ね合わせて表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−215223(P2011−215223A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81096(P2010−81096)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】