カラオケ選曲補助システム
【課題】利用者が上手に歌えそうな楽曲を選曲できるようにしたカラオケ選曲補助システムを構築する。
【解決手段】利用者別歌唱履歴管理手段15は、利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルT1に記録し、歌唱者音域算出手段16は、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルT1に記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出し、音域対応楽曲選定手段17は、前記歌唱者音域算出手段16にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【解決手段】利用者別歌唱履歴管理手段15は、利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルT1に記録し、歌唱者音域算出手段16は、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルT1に記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出し、音域対応楽曲選定手段17は、前記歌唱者音域算出手段16にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲を予約する際に、利用者が過去に歌唱した楽曲本来の原曲キーの音域(楽曲音域)を参照して、当該利用者におすすめ曲を表示するためのカラオケ選曲補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置の利用者が楽曲を予約する場合は、楽曲に対応した予約番号(楽曲ID)が記載されている目次本やハンディタイプの電子目次本にて所望の楽曲を選曲し、その楽曲の予約番号をリモコン等にて入力することにより、当該利用者の選曲した楽曲が予約される。
【0003】
しかし、選曲した楽曲の音域が利用者の歌唱音域と合わない場合があり、この場合は、利用者が上手に歌えずに歌唱途中で中止することがある。また、選曲段階で歌唱音域の相違から上手に歌えそうな楽曲が見つからず、さらに、当該利用者の得意とする十八番楽曲リストが作れないこともある。
【0004】
このような対策として、特許文献1では、利用者の音声がマイク入力されると、入力された音声から歌唱者の音域情報を抽出し、抽出した利用者の音域情報とカラオケ装置に記録されている楽曲の音域情報とを比較して、双方の音域情報が合致する楽曲情報を検索して表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−107313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明では、利用者が音域登録ボタンを押下して音域登録画面を表示させ、表示された登録手順に従って音声を発声し、入力された音声を分析して音域情報を作成するため、利用者にとっては手間がかかるものであり、また、音声認識装置などの複雑なシステム構成が必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、利用者毎に記録されている歌唱履歴から当該利用者の歌唱者音域情報を間接的に算出し、算出された歌唱者音域に適応するカラオケ楽曲を推薦することにより、利用者が上手に歌えそうな楽曲を選曲できるようにしたカラオケ選曲補助システムの構築を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を鑑みて、本発明者は、カラオケ装置の利用者が過去に歌唱した楽曲を記録している歌唱履歴から、利用者の歌唱者音域を間接的に算出し、算出された歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較して、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を表示することにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明のカラオケ選曲補助システムを想到した。
【0008】
すなわち、請求項1記載のカラオケ選曲補助システムは、カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(ウ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(エ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(オ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)歌唱採点手段とは、任意の楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、
(ウ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲について、前記歌唱採点手段の採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(エ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(オ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(カ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラオケ選曲補助システムによれば、利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱履歴を利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録し、そのテーブルから当該利用者の歌唱者音域を所定のアルゴリズムで算出し、算出された歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較して、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定し、選定された楽曲を所定のタイミングで表示させることにより、利用者が何ら手間を掛けることなく、上手に歌えそうな楽曲を選定することができ、かつ、従来のような音声認識装置などの複雑なシステム構成が不要であり、利用者が選曲した楽曲を歌唱途中で中止するようなことを防止できるという効果を奏する。
【0011】
さらに、上記構成に歌唱採点手段を加えた場合は、利用者IDが特定された利用者の歌唱採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録し、そのテーブルから当該利用者の歌唱者音域を所定のアルゴリズムで算出するので、当該利用者が実際に上手に歌唱した楽曲を基準として歌唱者音域を算出することができ、より一層、利用者に適応するカラオケ楽曲を選定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るカラオケ楽曲予約システムについて、好適な実施例をあげて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明に関する通信カラオケシステムを示し、主に、サーバであるカラオケホスト装置(H)と通信ネットワークを介して接続された多数の端末装置であるカラオケ演奏装置(以下、単にカラオケ装置という)(G,G,G・・・)からなる。具体的には、先ず、カラオケホスト装置(H)は、一般公衆電話回線やADSLあるいは光通信回線などを利用した通信ネットワークを介して各カラオケ装置(G,G,G・・・)に接続される。例えば、インターネット(Ni)を利用したカラオケ事業者が管理するVPN(Virtual Private Network)を用い、カラオケホスト装置(H)と各カラオケ装置(G,G,G・・・)がルータ(図示省略)を介して接続され、各ルータは、その内蔵するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能によって、各カラオケ装置(G,G,G・・・)にIPアドレスを割り当て、それらのMAC(Media Access Control)アドレスと、このIPアドレスを対応付けしたテーブルを作成して通信処理をしている。
【0014】
図2は、図1に示したカラオケ装置(G)のブロック構成図である。当該カラオケ装置(G)は、中央制御手段(1)と、これに接続されるハードディスクドライブ(以下HDDという)(2)および音楽再生や映像再生などの各種機能手段から構成され、前記中央制御手段(1)は、主としてCPU(3)とROM(4)とRAM(5)ならびに制御処理を行う各手段などから構成される。
【0015】
先ず、通信制御手段(12)は、ADSL回線、ISDN回線、一般回線などのネットワーク通信回線を介して、図1にて説明したカラオケホスト装置(H)との通信を制御するためのものである。
【0016】
次に、音声生成プロセスについて説明する。音源(6)は中央制御手段(1)が実行するシーケンサ(14)の処理によって入力され、デジタルミキサ(7)は音源(6)が発生した複数の楽音信号やカラオケマイク(M)とA/Dコンバータ(9)を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号を適当なバランスでミキシングする。ミキシングされたデジタル音声信号はサウンドシステム(8)に入力される。このサウンドシステム(8)はパワーアンプを備えており、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ(SP)から楽音と歌唱音声信号を放音する。
【0017】
HDD(2)に記録されている楽曲データ(20)には、それぞれの楽曲毎に個別の楽曲IDが付されており、各楽曲IDに対応づけられた映像データ(21)は、MPEG形式にエンコードされており、中央制御手段(1)が実行する背景映像再生手段(図示省略)により再生処理を行い、これを読み出してMPEGデコーダ(10)に入力する。このMPEGデコーダ(10)は入力されたMPEGデータをNTSCの映像に変換して合成回路(11)に入力し、この合成回路(11)は、背景映像の映像信号上にテロップや採点OSDを合成し、合成された映像信号は表示手段であるメインモニタ(D)に表示される。
【0018】
リモコン装置(R)は、楽曲検索機能あるいは楽曲予約機能などを備えた多機能カラオケリモコンであり、一般的にGUI操作パネル(23)が備えられている。該リモコン装置(R)にはフラッシュメモリ(24)が内蔵されており、さらに、IDカードR/W(25)が備えられている。
【0019】
このIDカードR/W(25)は、ICモジュールを搭載した非接触型のIDカード(26)を読み書きする装置であり、利用者がカラオケ装置(G)にログインする際に、利用者ID取得手段として、IDカード(26)に紐付けされた利用者IDを取得して利用者のログインを特定するものである。もちろん、本実施例の他に、例えば、ICモジュールを携帯電話に内蔵させたIC機能付き携帯電話や、近距離無線通信手段であるBluetooth機構を有する携帯電話、あるいはパスワードの入力装置や指紋や声紋などの生体識別機能による機構の利用者ID取得手段を利用しても構わない。なお、利用者のログイン時に取得された利用者IDは、リモコン装置(R)のフラッシュメモリ(24)とカラオケ装置(G)のHDD(2)の双方に格納することができる。
【0020】
また、リモコン装置(R)のフラッシュメモリ(24)には、選曲用の目次データをはじめ所定データを、カラオケ装置(G)から有線や無線によって書き込む。利用者はGUI操作パネル(23)にて所望の楽曲を選曲し、所定の選曲指示操作を行うことにより、選曲された楽曲の楽曲IDが装置の中央制御部(1)に転送される。
【0021】
中央制御部(1)はこの楽曲IDを受け取ると、カラオケ楽曲のリクエストであるとして、演奏予約手段(13)がRAM(5)にある予約待ち行列に当該楽曲IDを登録し、登録された順番にそれぞれの楽曲IDに対応する楽曲データ(20)と映像データ(21)をHDD(2)から取り出して、前述した演奏処理を行う。
【0022】
上記した以外に、中央制御手段(1)には、利用者別歌唱履歴管理手段(15)と歌唱者音域算出手段(16)と、音域対応楽曲選定手段(17)と、音域対応楽曲表示手段(18)と、歌唱採点手段(19)が設けられ、HDD(2)には、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)や利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)、おすすめ楽曲管理テーブル(T3)が記録される。
【0023】
後述するように、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、IDカードR/W(25)にて利用者IDが取得された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録するものであり、歌唱者音域算出手段(16)は、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものである。
【0024】
そして、音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにてメインモニタ(D)に表示させるものである。また、歌唱採点手段(19)は、カラオケシステムが保持する楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、一般的に各楽曲の主旋律データをリファレンスとして利用し、マイクから入力される歌唱音声信号を、この主旋律データと比較することで歌唱力を採点する。歌唱力採点は、通常、音程・音量・リズムの3つの要素について行われ、さらに、これら3つの要素を総合した総合ポイントが算出される。そして、例えば、楽曲の演奏中や演奏終了時に、所定数のフレーズ毎の得点を合算し、平均して総合ポイントを算出し、これを採点結果としている。そして、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、利用者IDが取得され特定された利用者が歌唱した場合、その採点結果として利用者毎に利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録するものである。
【0025】
図3は、カラオケ装置(G)にログインするための利用者ID登録を行う画面である。利用者がカラオケ装置(G)にログインする際には、利用者ID取得手段であるリモコン装置(R)のIDカードR/W(25)に、当該利用者のIDカード(26)を読み取らせることによって、IDカード(26)に紐付けされた利用者IDが取得されて利用者のログインを特定する。
【0026】
利用者がシステムにログインすると、リモコン装置(R)のGUI操作パネル(23)に表示される「お客様メンバーズゲート」画面(30)内に当該利用者の「ゲートボタン」(31a)が形成される。本カラオケ装置(G)に、当該利用者以外に複数の利用者がログインした場合は、同図に示すように、前記「お客様メンバーズゲート」画面(30)内に、ログインしたすべての利用者の「ゲートボタン」(31a〜31d)が形成される。ログインした任意の利用者が、当該利用者の「ゲートボタン」(31a〜31d)を選択すれば、当該利用者の歌唱履歴や登録されている得意な楽曲などが表示され、それらの楽曲あるいは楽曲目録に登録されている任意の楽曲を選曲して予約することができる。
【0027】
利用者のログインが行われると、図2に示した中央制御手段(1)が、取得された利用者IDに基づいて、カラオケホスト装置(H)から当該利用者の歌唱履歴をダウンロードし、前述した利用者別歌唱履歴管理手段(15)によって利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)がHDD(2)に記録される。図4は利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)を示し、この利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)には、当該利用者が今までに歌唱した楽曲名のほかに、各楽曲の原曲キーでの最低音高と最高音高のデータが楽曲IDに紐付けして記録されている。
【0028】
前記歌唱者音域算出手段(16)は、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の歌唱した各楽曲について、所定のアルゴリズムにしたがって歌唱者音域を算出する。
【0029】
上記アルゴリズムは、当該利用者が歌唱したことのある楽曲は、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えている可能性が高く、歌唱履歴楽曲の楽曲音域であれば当該利用者が上手に歌えそうな楽曲であるとみなして、当該利用者の歌唱履歴に基づいてカラオケ楽曲を選定するものであり、いくつかのアルゴリズムを想到することができる。
【0030】
アルゴリズム1:当該利用者の歌唱履歴からすべての歌唱楽曲について、最低音高データの平均値L1AVEと最高音高データの平均値H1AVEを算出し、該最低音高平均値L1AVE〜最高音高平均値H1AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。
【0031】
アルゴリズム2:当該利用者の歌唱履歴からすべての歌唱楽曲について、最低音高の一番低い歌唱楽曲の最低音高データと最高音高の一番高い歌唱楽曲の最高音高データは、当該利用者にとっては歌唱限界の音域の楽曲であると判定して除外し、残りの歌唱楽曲について、最低音高データの平均値L2AVEと最高音高データの平均値H2AVEを算出し、該最低音高平均値L2AVE〜最高音高平均値H2AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。また、この変形例として、最低音高の一番低い歌唱楽曲と最高音高の一番高い歌唱楽曲を除外し、残りの歌唱楽曲について、最低音高の一番低い歌唱者音域LMIN〜最高音高の一番高い歌唱者音域HMAXが当該利用者の歌唱者音域であると判定するようにしてもよい。
【0032】
アルゴリズム3:当該利用者が歌唱する楽曲を採点して、その採点結果が所定の採点値を超えた楽曲を対象に、最低音高の平均値L3AVEと最高音高の平均値H3AVEを算出し、該最低音高平均値L3AVE〜最高音高平均値H3AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。
【0033】
(1)アルゴリズム1にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、例えば、図4に示した利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)のすべての楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出し、その算出結果は、図5に示すように、最低音高平均値L1AVE=35、最高音高平均値H1AVE=98となり、当該利用者の歌唱者音域が35〜98であると判定する。
【0034】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(35〜98)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0035】
図6(a)は本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の中から、いわゆる「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルである。「おすすめ曲」とは、例えば、ランキング上位曲すなわち現在の演奏度数の高い楽曲や、放送や雑誌などで発表されたばかりの新曲などを適宜数まとめたものであり、場合によっては、利用者の歌唱履歴から当該利用者の好みのジャンルなども含めて「おすすめ曲」としてまとめることもできる。
【0036】
該おすすめ楽曲管理テーブルには、おすすめ曲の原曲キーでの最低音高と最高音高のデータが楽曲IDに紐付けして記録されている。前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム1にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(35〜98)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0037】
図6(a)および(b)に示すように、楽曲No.2は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7とNo.10は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo.3、No6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0038】
そして、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させる。例えば、利用者Aがカラオケ装置(G)にログインしたときは、歌唱履歴から利用者Aへの「おすすめ曲」を表示させ、利用者Bがログインしたときは、利用者Bへの「おすすめ曲」を表示させるなどして、それぞれの利用者が上手に歌えそうな楽曲を選曲できるようにする。
【0039】
図7は、前記音域対応楽曲表示手段(18)によってメインモニタ(D)に表示された「おすすめ曲」の画面(34)であり、図5の選定結果で選ばれたおすすめ曲のリストが表示されている。この「おすすめ曲」の中から、当該利用者が歌唱したい楽曲を選択することにより、その楽曲IDを当該利用者IDと紐付けして、予約楽曲として予約待ち行列に登録され、予約の順番にしたがって当該楽曲が演奏される。
【0040】
(2)アルゴリズム2にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、図4に示した利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)の楽曲の中から、最低音高の一番低い歌唱楽曲の最低音高データと最高音高の一番高い歌唱楽曲の最高音高データは、当該利用者にとっては歌唱限界の音域の楽曲であると判定して除外し、残りの歌唱楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出する。
【0041】
すなわち、最低音高の一番低い楽曲No.7の最低音高データと最高音高の一番高い楽曲No.4の最高音高データを除外し、残りの楽曲について、最低音高の平均値L2AVEと最高音高の平均値H2AVEを算出すれば、図8に示すように、最低音高平均値L2AVE=36、最高音高平均値H2AVE=97となり、当該利用者の歌唱者音域が36〜97であると判定する。
【0042】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0043】
図9(a)は「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルであり、前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム2にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0044】
図9(a)および(b)に示すように、楽曲No.2とNo.10は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.3とNo.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0045】
そして、前述したアルゴリズム1にて選定した場合と同様に、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させ、図7に示したのと同様に、選定された楽曲を「おすすめ曲」としてメインモニタ(D)に表示する。
【0046】
(3)アルゴリズム3にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、前述した歌唱採点手段(19)によって当該利用者が歌唱する楽曲を採点し、その採点結果は、利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録されるようにCPU(3)が制御する。この利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)は、例えば、図10に示すように、当該利用者が今までに歌唱した楽曲の採点結果が楽曲IDに紐付けして記録されている。
【0047】
そして、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録されている当該利用者の歌唱した楽曲の中から、前記歌唱採点手段(19)の採点結果が所定の採点値(例えば80点)を超えた楽曲を合格点と評価して、図11に示すように、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録する。
【0048】
前記歌唱者音域算出手段(16)は、図11の利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の歌唱した各楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出し、その算出結果は、図12に示すように、最低音高平均値L3AVE=35、最高音高平均値H3AVE=96となり、当該利用者の歌唱音域が35〜96であると判定する。
【0049】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0050】
図13(a)は「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルであり、前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム3にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(35〜96)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0051】
図13(a)および(b)に示すように、楽曲No.2とNo.10は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜96の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.3とNo.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜96の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0052】
そして、前述したアルゴリズム1またはアルゴリズム2にて選定した場合と同様に、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させ、図7に示したのと同様に、選定された楽曲を「おすすめ曲」としてメインモニタ(D)に表示する。
【0053】
このように、カラオケ楽曲を予約する際に、利用者が過去に歌唱した楽曲の音域を参照して、利用者が何ら手間を賭けることなく、上手に歌えそうな楽曲を選曲することができる。
【0054】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る通信カラオケシステムの概念的構成図。
【図2】図1に示すカラオケ装置のブロック構成図。
【図3】図2のカラオケ装置におけるログイン画面の説明図。
【図4】利用者別歌唱履歴管理テーブルの一例を示す説明図。
【図5】アルゴリズム1による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図6】アルゴリズム1によるおすすめ曲の説明図。
【図7】おすすめ曲画面の説明図。
【図8】アルゴリズム2による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図9】アルゴリズム2によるおすすめ曲の説明図。
【図10】アルゴリズム3による利用者別歌唱採点管理テーブルの説明図。
【図11】アルゴリズム3による利用者別歌唱履歴管理テーブルの説明図。
【図12】アルゴリズム3による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図13】アルゴリズム3によるおすすめ曲の説明図。
【符号の説明】
【0056】
G カラオケ演奏装置
1 中央制御手段
2 ハードディスクドライブ(HDD)
15 利用者別歌唱履歴管理手段
16 歌唱者音域算出手段
17 音域対応楽曲選定手段
18 音域対応楽曲表示手段
19 歌唱採点手段
25 IDカードR/W(利用者ID取得手段)
T1 利用者別歌唱履歴管理テーブル
T2 利用者別歌唱採点管理テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲を予約する際に、利用者が過去に歌唱した楽曲本来の原曲キーの音域(楽曲音域)を参照して、当該利用者におすすめ曲を表示するためのカラオケ選曲補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置の利用者が楽曲を予約する場合は、楽曲に対応した予約番号(楽曲ID)が記載されている目次本やハンディタイプの電子目次本にて所望の楽曲を選曲し、その楽曲の予約番号をリモコン等にて入力することにより、当該利用者の選曲した楽曲が予約される。
【0003】
しかし、選曲した楽曲の音域が利用者の歌唱音域と合わない場合があり、この場合は、利用者が上手に歌えずに歌唱途中で中止することがある。また、選曲段階で歌唱音域の相違から上手に歌えそうな楽曲が見つからず、さらに、当該利用者の得意とする十八番楽曲リストが作れないこともある。
【0004】
このような対策として、特許文献1では、利用者の音声がマイク入力されると、入力された音声から歌唱者の音域情報を抽出し、抽出した利用者の音域情報とカラオケ装置に記録されている楽曲の音域情報とを比較して、双方の音域情報が合致する楽曲情報を検索して表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−107313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明では、利用者が音域登録ボタンを押下して音域登録画面を表示させ、表示された登録手順に従って音声を発声し、入力された音声を分析して音域情報を作成するため、利用者にとっては手間がかかるものであり、また、音声認識装置などの複雑なシステム構成が必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、利用者毎に記録されている歌唱履歴から当該利用者の歌唱者音域情報を間接的に算出し、算出された歌唱者音域に適応するカラオケ楽曲を推薦することにより、利用者が上手に歌えそうな楽曲を選曲できるようにしたカラオケ選曲補助システムの構築を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を鑑みて、本発明者は、カラオケ装置の利用者が過去に歌唱した楽曲を記録している歌唱履歴から、利用者の歌唱者音域を間接的に算出し、算出された歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較して、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を表示することにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明のカラオケ選曲補助システムを想到した。
【0008】
すなわち、請求項1記載のカラオケ選曲補助システムは、カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(ウ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(エ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(オ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)歌唱採点手段とは、任意の楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、
(ウ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲について、前記歌唱採点手段の採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(エ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(オ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(カ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラオケ選曲補助システムによれば、利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱履歴を利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録し、そのテーブルから当該利用者の歌唱者音域を所定のアルゴリズムで算出し、算出された歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較して、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定し、選定された楽曲を所定のタイミングで表示させることにより、利用者が何ら手間を掛けることなく、上手に歌えそうな楽曲を選定することができ、かつ、従来のような音声認識装置などの複雑なシステム構成が不要であり、利用者が選曲した楽曲を歌唱途中で中止するようなことを防止できるという効果を奏する。
【0011】
さらに、上記構成に歌唱採点手段を加えた場合は、利用者IDが特定された利用者の歌唱採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録し、そのテーブルから当該利用者の歌唱者音域を所定のアルゴリズムで算出するので、当該利用者が実際に上手に歌唱した楽曲を基準として歌唱者音域を算出することができ、より一層、利用者に適応するカラオケ楽曲を選定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るカラオケ楽曲予約システムについて、好適な実施例をあげて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明に関する通信カラオケシステムを示し、主に、サーバであるカラオケホスト装置(H)と通信ネットワークを介して接続された多数の端末装置であるカラオケ演奏装置(以下、単にカラオケ装置という)(G,G,G・・・)からなる。具体的には、先ず、カラオケホスト装置(H)は、一般公衆電話回線やADSLあるいは光通信回線などを利用した通信ネットワークを介して各カラオケ装置(G,G,G・・・)に接続される。例えば、インターネット(Ni)を利用したカラオケ事業者が管理するVPN(Virtual Private Network)を用い、カラオケホスト装置(H)と各カラオケ装置(G,G,G・・・)がルータ(図示省略)を介して接続され、各ルータは、その内蔵するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能によって、各カラオケ装置(G,G,G・・・)にIPアドレスを割り当て、それらのMAC(Media Access Control)アドレスと、このIPアドレスを対応付けしたテーブルを作成して通信処理をしている。
【0014】
図2は、図1に示したカラオケ装置(G)のブロック構成図である。当該カラオケ装置(G)は、中央制御手段(1)と、これに接続されるハードディスクドライブ(以下HDDという)(2)および音楽再生や映像再生などの各種機能手段から構成され、前記中央制御手段(1)は、主としてCPU(3)とROM(4)とRAM(5)ならびに制御処理を行う各手段などから構成される。
【0015】
先ず、通信制御手段(12)は、ADSL回線、ISDN回線、一般回線などのネットワーク通信回線を介して、図1にて説明したカラオケホスト装置(H)との通信を制御するためのものである。
【0016】
次に、音声生成プロセスについて説明する。音源(6)は中央制御手段(1)が実行するシーケンサ(14)の処理によって入力され、デジタルミキサ(7)は音源(6)が発生した複数の楽音信号やカラオケマイク(M)とA/Dコンバータ(9)を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号を適当なバランスでミキシングする。ミキシングされたデジタル音声信号はサウンドシステム(8)に入力される。このサウンドシステム(8)はパワーアンプを備えており、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ(SP)から楽音と歌唱音声信号を放音する。
【0017】
HDD(2)に記録されている楽曲データ(20)には、それぞれの楽曲毎に個別の楽曲IDが付されており、各楽曲IDに対応づけられた映像データ(21)は、MPEG形式にエンコードされており、中央制御手段(1)が実行する背景映像再生手段(図示省略)により再生処理を行い、これを読み出してMPEGデコーダ(10)に入力する。このMPEGデコーダ(10)は入力されたMPEGデータをNTSCの映像に変換して合成回路(11)に入力し、この合成回路(11)は、背景映像の映像信号上にテロップや採点OSDを合成し、合成された映像信号は表示手段であるメインモニタ(D)に表示される。
【0018】
リモコン装置(R)は、楽曲検索機能あるいは楽曲予約機能などを備えた多機能カラオケリモコンであり、一般的にGUI操作パネル(23)が備えられている。該リモコン装置(R)にはフラッシュメモリ(24)が内蔵されており、さらに、IDカードR/W(25)が備えられている。
【0019】
このIDカードR/W(25)は、ICモジュールを搭載した非接触型のIDカード(26)を読み書きする装置であり、利用者がカラオケ装置(G)にログインする際に、利用者ID取得手段として、IDカード(26)に紐付けされた利用者IDを取得して利用者のログインを特定するものである。もちろん、本実施例の他に、例えば、ICモジュールを携帯電話に内蔵させたIC機能付き携帯電話や、近距離無線通信手段であるBluetooth機構を有する携帯電話、あるいはパスワードの入力装置や指紋や声紋などの生体識別機能による機構の利用者ID取得手段を利用しても構わない。なお、利用者のログイン時に取得された利用者IDは、リモコン装置(R)のフラッシュメモリ(24)とカラオケ装置(G)のHDD(2)の双方に格納することができる。
【0020】
また、リモコン装置(R)のフラッシュメモリ(24)には、選曲用の目次データをはじめ所定データを、カラオケ装置(G)から有線や無線によって書き込む。利用者はGUI操作パネル(23)にて所望の楽曲を選曲し、所定の選曲指示操作を行うことにより、選曲された楽曲の楽曲IDが装置の中央制御部(1)に転送される。
【0021】
中央制御部(1)はこの楽曲IDを受け取ると、カラオケ楽曲のリクエストであるとして、演奏予約手段(13)がRAM(5)にある予約待ち行列に当該楽曲IDを登録し、登録された順番にそれぞれの楽曲IDに対応する楽曲データ(20)と映像データ(21)をHDD(2)から取り出して、前述した演奏処理を行う。
【0022】
上記した以外に、中央制御手段(1)には、利用者別歌唱履歴管理手段(15)と歌唱者音域算出手段(16)と、音域対応楽曲選定手段(17)と、音域対応楽曲表示手段(18)と、歌唱採点手段(19)が設けられ、HDD(2)には、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)や利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)、おすすめ楽曲管理テーブル(T3)が記録される。
【0023】
後述するように、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、IDカードR/W(25)にて利用者IDが取得された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録するものであり、歌唱者音域算出手段(16)は、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものである。
【0024】
そして、音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにてメインモニタ(D)に表示させるものである。また、歌唱採点手段(19)は、カラオケシステムが保持する楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、一般的に各楽曲の主旋律データをリファレンスとして利用し、マイクから入力される歌唱音声信号を、この主旋律データと比較することで歌唱力を採点する。歌唱力採点は、通常、音程・音量・リズムの3つの要素について行われ、さらに、これら3つの要素を総合した総合ポイントが算出される。そして、例えば、楽曲の演奏中や演奏終了時に、所定数のフレーズ毎の得点を合算し、平均して総合ポイントを算出し、これを採点結果としている。そして、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、利用者IDが取得され特定された利用者が歌唱した場合、その採点結果として利用者毎に利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録するものである。
【0025】
図3は、カラオケ装置(G)にログインするための利用者ID登録を行う画面である。利用者がカラオケ装置(G)にログインする際には、利用者ID取得手段であるリモコン装置(R)のIDカードR/W(25)に、当該利用者のIDカード(26)を読み取らせることによって、IDカード(26)に紐付けされた利用者IDが取得されて利用者のログインを特定する。
【0026】
利用者がシステムにログインすると、リモコン装置(R)のGUI操作パネル(23)に表示される「お客様メンバーズゲート」画面(30)内に当該利用者の「ゲートボタン」(31a)が形成される。本カラオケ装置(G)に、当該利用者以外に複数の利用者がログインした場合は、同図に示すように、前記「お客様メンバーズゲート」画面(30)内に、ログインしたすべての利用者の「ゲートボタン」(31a〜31d)が形成される。ログインした任意の利用者が、当該利用者の「ゲートボタン」(31a〜31d)を選択すれば、当該利用者の歌唱履歴や登録されている得意な楽曲などが表示され、それらの楽曲あるいは楽曲目録に登録されている任意の楽曲を選曲して予約することができる。
【0027】
利用者のログインが行われると、図2に示した中央制御手段(1)が、取得された利用者IDに基づいて、カラオケホスト装置(H)から当該利用者の歌唱履歴をダウンロードし、前述した利用者別歌唱履歴管理手段(15)によって利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)がHDD(2)に記録される。図4は利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)を示し、この利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)には、当該利用者が今までに歌唱した楽曲名のほかに、各楽曲の原曲キーでの最低音高と最高音高のデータが楽曲IDに紐付けして記録されている。
【0028】
前記歌唱者音域算出手段(16)は、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の歌唱した各楽曲について、所定のアルゴリズムにしたがって歌唱者音域を算出する。
【0029】
上記アルゴリズムは、当該利用者が歌唱したことのある楽曲は、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えている可能性が高く、歌唱履歴楽曲の楽曲音域であれば当該利用者が上手に歌えそうな楽曲であるとみなして、当該利用者の歌唱履歴に基づいてカラオケ楽曲を選定するものであり、いくつかのアルゴリズムを想到することができる。
【0030】
アルゴリズム1:当該利用者の歌唱履歴からすべての歌唱楽曲について、最低音高データの平均値L1AVEと最高音高データの平均値H1AVEを算出し、該最低音高平均値L1AVE〜最高音高平均値H1AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。
【0031】
アルゴリズム2:当該利用者の歌唱履歴からすべての歌唱楽曲について、最低音高の一番低い歌唱楽曲の最低音高データと最高音高の一番高い歌唱楽曲の最高音高データは、当該利用者にとっては歌唱限界の音域の楽曲であると判定して除外し、残りの歌唱楽曲について、最低音高データの平均値L2AVEと最高音高データの平均値H2AVEを算出し、該最低音高平均値L2AVE〜最高音高平均値H2AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。また、この変形例として、最低音高の一番低い歌唱楽曲と最高音高の一番高い歌唱楽曲を除外し、残りの歌唱楽曲について、最低音高の一番低い歌唱者音域LMIN〜最高音高の一番高い歌唱者音域HMAXが当該利用者の歌唱者音域であると判定するようにしてもよい。
【0032】
アルゴリズム3:当該利用者が歌唱する楽曲を採点して、その採点結果が所定の採点値を超えた楽曲を対象に、最低音高の平均値L3AVEと最高音高の平均値H3AVEを算出し、該最低音高平均値L3AVE〜最高音高平均値H3AVEが当該利用者の歌唱者音域であると判定する。
【0033】
(1)アルゴリズム1にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、例えば、図4に示した利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)のすべての楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出し、その算出結果は、図5に示すように、最低音高平均値L1AVE=35、最高音高平均値H1AVE=98となり、当該利用者の歌唱者音域が35〜98であると判定する。
【0034】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(35〜98)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0035】
図6(a)は本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の中から、いわゆる「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルである。「おすすめ曲」とは、例えば、ランキング上位曲すなわち現在の演奏度数の高い楽曲や、放送や雑誌などで発表されたばかりの新曲などを適宜数まとめたものであり、場合によっては、利用者の歌唱履歴から当該利用者の好みのジャンルなども含めて「おすすめ曲」としてまとめることもできる。
【0036】
該おすすめ楽曲管理テーブルには、おすすめ曲の原曲キーでの最低音高と最高音高のデータが楽曲IDに紐付けして記録されている。前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム1にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(35〜98)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0037】
図6(a)および(b)に示すように、楽曲No.2は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7とNo.10は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo.3、No6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0038】
そして、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させる。例えば、利用者Aがカラオケ装置(G)にログインしたときは、歌唱履歴から利用者Aへの「おすすめ曲」を表示させ、利用者Bがログインしたときは、利用者Bへの「おすすめ曲」を表示させるなどして、それぞれの利用者が上手に歌えそうな楽曲を選曲できるようにする。
【0039】
図7は、前記音域対応楽曲表示手段(18)によってメインモニタ(D)に表示された「おすすめ曲」の画面(34)であり、図5の選定結果で選ばれたおすすめ曲のリストが表示されている。この「おすすめ曲」の中から、当該利用者が歌唱したい楽曲を選択することにより、その楽曲IDを当該利用者IDと紐付けして、予約楽曲として予約待ち行列に登録され、予約の順番にしたがって当該楽曲が演奏される。
【0040】
(2)アルゴリズム2にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、図4に示した利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)の楽曲の中から、最低音高の一番低い歌唱楽曲の最低音高データと最高音高の一番高い歌唱楽曲の最高音高データは、当該利用者にとっては歌唱限界の音域の楽曲であると判定して除外し、残りの歌唱楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出する。
【0041】
すなわち、最低音高の一番低い楽曲No.7の最低音高データと最高音高の一番高い楽曲No.4の最高音高データを除外し、残りの楽曲について、最低音高の平均値L2AVEと最高音高の平均値H2AVEを算出すれば、図8に示すように、最低音高平均値L2AVE=36、最高音高平均値H2AVE=97となり、当該利用者の歌唱者音域が36〜97であると判定する。
【0042】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0043】
図9(a)は「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルであり、前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム2にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0044】
図9(a)および(b)に示すように、楽曲No.2とNo.10は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.3とNo.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜98の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0045】
そして、前述したアルゴリズム1にて選定した場合と同様に、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させ、図7に示したのと同様に、選定された楽曲を「おすすめ曲」としてメインモニタ(D)に表示する。
【0046】
(3)アルゴリズム3にしたがって歌唱者音域を算出する場合は、前述した歌唱採点手段(19)によって当該利用者が歌唱する楽曲を採点し、その採点結果は、利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録されるようにCPU(3)が制御する。この利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)は、例えば、図10に示すように、当該利用者が今までに歌唱した楽曲の採点結果が楽曲IDに紐付けして記録されている。
【0047】
そして、利用者別歌唱履歴管理手段(15)は、利用者別歌唱採点管理テーブル(T2)に記録されている当該利用者の歌唱した楽曲の中から、前記歌唱採点手段(19)の採点結果が所定の採点値(例えば80点)を超えた楽曲を合格点と評価して、図11に示すように、利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録する。
【0048】
前記歌唱者音域算出手段(16)は、図11の利用者別歌唱履歴管理テーブル(T1)に記録されている当該利用者の歌唱した各楽曲について、各楽曲の原曲キーでの最低音高の平均値と最高音高の平均値を算出し、その算出結果は、図12に示すように、最低音高平均値L3AVE=35、最高音高平均値H3AVE=96となり、当該利用者の歌唱音域が35〜96であると判定する。
【0049】
前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)にて算出された当該利用者の歌唱者音域(36〜97)と、本カラオケ装置(G)に記録されているカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定する。
【0050】
図13(a)は「おすすめ曲」の楽曲管理テーブルであり、前記音域対応楽曲選定手段(17)は、歌唱者音域算出手段(16)が前記アルゴリズム3にしたがって算出した当該利用者の歌唱者音域(35〜96)と、該おすすめ楽曲管理テーブルに記録されているおすすめ曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域の範囲内に含まれる楽曲音域を備えた楽曲を選定する。
【0051】
図13(a)および(b)に示すように、楽曲No.2とNo.10は最低音高および最高音高の双方が当該利用者の歌唱者音域である35〜96の範囲から逸脱しており、楽曲No.4とNo.7は、最低音高が35より小であるから除外し、楽曲No.3とNo.5とNo.8は最高音高が98よりも大であるから除外する。そして、楽曲No.1とNo6 とNo.9の各楽曲については、それぞれの楽曲音域が当該利用者の歌唱者音域である35〜96の範囲内にあるので、当該利用者が上手に歌えそうな楽曲として選定する。
【0052】
そして、前述したアルゴリズム1またはアルゴリズム2にて選定した場合と同様に、前記音域対応楽曲表示手段(18)は、音域対応楽曲選定手段(17)により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させ、図7に示したのと同様に、選定された楽曲を「おすすめ曲」としてメインモニタ(D)に表示する。
【0053】
このように、カラオケ楽曲を予約する際に、利用者が過去に歌唱した楽曲の音域を参照して、利用者が何ら手間を賭けることなく、上手に歌えそうな楽曲を選曲することができる。
【0054】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る通信カラオケシステムの概念的構成図。
【図2】図1に示すカラオケ装置のブロック構成図。
【図3】図2のカラオケ装置におけるログイン画面の説明図。
【図4】利用者別歌唱履歴管理テーブルの一例を示す説明図。
【図5】アルゴリズム1による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図6】アルゴリズム1によるおすすめ曲の説明図。
【図7】おすすめ曲画面の説明図。
【図8】アルゴリズム2による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図9】アルゴリズム2によるおすすめ曲の説明図。
【図10】アルゴリズム3による利用者別歌唱採点管理テーブルの説明図。
【図11】アルゴリズム3による利用者別歌唱履歴管理テーブルの説明図。
【図12】アルゴリズム3による歌唱者音域算出結果テーブルの説明図。
【図13】アルゴリズム3によるおすすめ曲の説明図。
【符号の説明】
【0056】
G カラオケ演奏装置
1 中央制御手段
2 ハードディスクドライブ(HDD)
15 利用者別歌唱履歴管理手段
16 歌唱者音域算出手段
17 音域対応楽曲選定手段
18 音域対応楽曲表示手段
19 歌唱採点手段
25 IDカードR/W(利用者ID取得手段)
T1 利用者別歌唱履歴管理テーブル
T2 利用者別歌唱採点管理テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(ウ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(エ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(オ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、
ことを特徴とするカラオケ選曲補助システム。
【請求項2】
カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)歌唱採点手段とは、任意の楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、
(ウ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲について、前記歌唱採点手段の採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(エ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(オ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(カ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、
ことを特徴とするカラオケ選曲補助システム。
【請求項1】
カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(ウ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(エ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(オ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、
ことを特徴とするカラオケ選曲補助システム。
【請求項2】
カラオケ楽曲の中から利用者に適した楽曲を表示するシステムであって、該システムは利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、利用者別歌唱履歴管理手段と、歌唱者音域算出手段と、音域対応楽曲選定手段と、音域対応楽曲表示手段とを有し、
(ア)利用者ID取得手段とは、利用者IDを取得して利用者を特定するものであり、
(イ)歌唱採点手段とは、任意の楽曲につき、その歌唱者の歌唱力を評価して採点結果を算出するものであり、
(ウ)利用者別歌唱履歴管理手段とは、前記利用者ID取得手段にて特定された利用者の歌唱した楽曲について、前記歌唱採点手段の採点結果が所定採点値を超えた楽曲を利用者毎に利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録するものであり、
(エ)歌唱者音域算出手段とは、前記利用者別歌唱履歴管理テーブルに記録されている当該利用者の各楽曲について、それぞれの原曲キーでの楽曲音域に基づいて、所定のアルゴリズムにて歌唱者音域を算出するものであり、
(オ)音域対応楽曲選定手段とは、前記歌唱者音域算出手段にて算出された利用者の歌唱者音域とカラオケ楽曲の楽曲音域を比較し、当該利用者の歌唱者音域内に含まれる楽曲音域を備えたカラオケ楽曲を選定するものであり、
(カ)音域対応楽曲表示手段とは、前記音域対応楽曲選定手段により選定された楽曲を所定のタイミングにて表示させるものである、
ことを特徴とするカラオケ選曲補助システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−152169(P2008−152169A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342313(P2006−342313)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】
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