説明

カラーディスプレイの色調整装置及び方法

【課題】メモリと、データ制御プロセッサと、画像データプロセッサとを含むカラーディスプレイの色調整装置を提供する。
【解決手段】データ制御プロセッサは、多次元色変換対応テーブルを作成し、メモリに保存して、随時読み出すことが可能である。そして、画像データプロセッサは入力画像の色データを受信し、そして、データ制御プロセッサから多次元色変換対応テーブルを介して色変換を行い、画像の色データを出力し、該多次元色変換対応テーブルを用いて、それぞれの色を独立に変換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーディスプレイの色調整装置及び方法に関し、特に、3次元色変換対応テーブルを利用した色調整装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーディスプレイの色調整装置は、カラーディスプレイの色をもっと豊富に取り揃えるためのものであり、従来の色調整装置は3原色を調整基準としている。
【0003】
1つの色は、3原色を適当な割合で混ぜ合わせて、又はカラーディスプレイにおける異なる諧調から構成される。即ち、いずれの色も、3原色に分解することができるが、異なる諧調を組み合わせてなるものである。カラーディスプレイは、色調整を行う場合、パレットを用いて、1つの原色の諧調を調整すれば良いが、従来において、該原色の諧調が調整された後、全ての画像において、全ての該原色の諧調が、独立に調整されず、同時に調整されてしまっていた。
【0004】
図1は、従来技術のパレット10を示す図である。図1のように、パレットは、(RK,RV)、(GK,GV)、(BK,BV)のように、3種類の対応に分けている。256x256x256のカラーディスプレイのそれぞれの原色は、256諧調であり、パレット10の色は、(Rx,Gx,Bx)を(Ry,Gy,By)に対応させる。全ての色は、(Rx,G1,Bk)を(Ry,G1,Bk)に、(R1,Gx,Bk)を(R1,Gy,Bk)に、(R1,Gk,Bx)を(R1,Gk,By)に対応させる。それぞれ相互に影響される色は256x256個と高いので、1つの対応は3x256x256個の色に影響を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明は、それぞれの色には独立に対応する色があり、色調整を行うとき、それぞれ独立させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の色調整装置は、
メモリと、
該メモリに接続され、3次元色変換対応テーブルである色変換対応テーブルを作成するとともに、該色変換対応テーブルを該メモリに保存するためのデータ制御プロセッサと、
該データ制御プロセッサに接続され、入力画像データを出力画像データに変換して、該入力画像データを利用して、該データ制御プロセッサから該メモリの該色変換対応テーブルを読み出し、該出力画像データを取得するとともに、該画像データ制御プロセッサに転送するための画像データプロセッサと、
を含むことを特徴とする色調整装置である。
【0007】
本発明の他の色調整装置は、
メモリと、
該メモリに接続され、3次元色変換対応テーブルである色変換対応テーブルを作成するとともに、該色変換対応テーブルを該メモリに保存するためのデータ制御プロセッサと、
該データ制御プロセッサに接続され、入力画像データを該データ制御プロセッサに転送し、該データ制御プロセッサは該入力画像データに基づいて該メモリの該色変換対応テーブルを読み出し、出力画像データに変換するための画像データプロセッサと、
を含むことを特徴とする色調整装置である。
【0008】
三次元色対応テーブルは、(インデックスキー,インデックス値)の対応テーブルから構成され、それぞれのインデックスキーを元の色に対応させて、それぞれのインデックス値を調整色に対応させることにより、三次元色対応テーブルから、入力色を出力色に速く変換することができる。
【0009】
本発明の色調整装置の調整方法は、
色変換対応テーブルを作成し、該データ制御プロセッサは、第1の色をインデックスキーとし、第2の色をインデックス値とし、該インデックスキーを利用して、該インデックス値に対応するステップと、
該色変換対応テーブルを保存して、該データ制御プロセッサは、該色変換対応テーブルを該メモリに保存して、随時読み出すステップと、
入力画像データを変換し、該データ制御プロセッサは、入力画像データをインデックスキーとし、該色変換対応テーブルを参照し、該インデックスキーに対応した該インデックス値を取得するステップと、
画像データを出力し、該データ制御プロセッサは該インデックス値に対応した色を取得して出力するステップと、
を含むことを特徴とするカラーディスプレイの色調整方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラーディスプレイの色調整装置及び方法は、それぞれの色には独立に対応する色があり、色調整を行うとき、それぞれの色を独立に変換させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、色の3次元座標を説明する。それぞれの色は、3原色の組合せを分解し、(R,G,B)のように示す。そして、(R,G,B)で3次元座標システムを作成する。256x256x256のカラーディスプレイを例として、それぞれの色は(R,G,B)に示され、且つ、R、G、Bは、いずれも0、1、2・・・255であり、つまり、カラーディスプレイのそれぞれの色は、3次元座標システムの整数ドットに示すことができる。
【0012】
次に、3次元色変換対応テーブルを説明する。色調整を行う場合、入力色を定義域とし、出力色を値域とし、カラーディスプレイの定義域又は値域は、色の三次元座標における整数ドットで示すことができる。定義域におけるドットの対応する色はインデックスキーであり、値域におけるドットの色はインデックス値と呼ばれる。この(インデックスキー,インデックス値)の対応テーブルは、3次元色変換対応テーブルであり、3次元色変換対応テーブルを介して、それぞれの色を独立に変換することができる。
【0013】
図2は、本発明の一実施例におけるカラーディスプレイの色調整装置のシステム構成を示す図である。メモリ112は、データ制御プロセッサ111に接続されて、データ制御プロセッサ111は、3次元色変換対応テーブル(LUTと示す)を作成するとともに、対応テーブルをメモリ112に保存する。これにより、データ制御プロセッサ111は、3次元色変換対応テーブルを随時読み出し、色調整を行うことができる。そして、画像データプロセッサ120もデータ制御プロセッサ111に接続されて、入力画像の色データをデータ制御プロセッサ111に転送し、出力画像の色データを変換し、画像データプロセッサ120に戻してから、最後にディスプレイパネル130に出力する。
【0014】
図3は、本発明の一実施例におけるカラーディスプレイの色調整装置のシステム構成を示す図である。前述した実施例との相違点は、データ制御プロセッサ211の調整される出力画像の色データを直接ディスプレイパネル230に転送して、色調整を完了することである。
【0015】
次に、図3を詳しく説明する。メモリ212がデータ制御プロセッサ211に接続されて、データ制御プロセッサ211を、3次元色変換対応テーブルLUTを作成するとともに、対応テーブルをメモリ212に保存することにより、データ制御プロセッサ211は、3次元色変換対応テーブルを随時読み出し、色調整を行うことができる。そして、画像データプロセッサ220もデータ制御プロセッサ211に接続されて、入力画像の色データをデータ制御プロセッサ211に転送し、出力画像の色データを変換し、ディスプレイパネル230に戻す。
【0016】
図4は、本発明の一実施例による実施ステップの流れを示す図であり、図2(図3)に合わせて、以下のように説明する。
【0017】
ステップS111:3次元色変換対応テーブルを作成し、データ制御プロセッサ111(211)から色を入出力するための対応テーブルを作成する。
【0018】
ステップS112:色変換対応テーブルを保存し、データ制御プロセッサ111(211)から作成される色変換対応テーブルをメモリ112(212)に保存し、データ制御プロセッサ111(211)は対応テーブルの内容を随時読み出す又は修正することが可能である。
【0019】
ステップS121:画像データを変換し、画像データプロセッサ120(220)は入力画像の色データをデータ制御プロセッサ111(211)に転送し、データ制御プロセッサ111(211)は、入力画像の色データを出力画像の色データに変換する。
【0020】
ステップS122:画像データを出力し、データ制御プロセッサ111(211)は出力色データをディスプレイパネル130に転送し、または画像データを画像データプロセッサ120に転送して、ディスプレイパネル230に出力することにより、色変換を完了する。
【0021】
図5は、3次元色変換対応テーブルの構成図である。その構成を説明すると、(CK,CV)は、(インデックスキー,インデックス値)を示し、各CKは(Rx,Gx,Bx)を示し、インデックス値は(Ry,Gy,Bx)を示す。256x256x256のカラーディスプレイを例として、インデックスキーには256x256x256(224=160万)の数値のドット,同じインデックス値にも256x256x256の数値のドットがあるため、1対1の対応ができる。従来の技術は3原色を基準として、そのパレットのいずれかの色には256個の値があるが、インデックスキーには単に3x256個の値があるため、1対1の対応ができない(インデックス値には256x256x256>3x256)。
【0022】
説明の便宜のために、カラーディスプレイのそれぞれの諧調を256階調と仮設したが、これに限ることはない。色調整方法は、3原色ではなく、多次元色である場合、3次元色変換対応テーブルを多次元色変換対応テーブルに調整しても、本発明の範囲を逸脱することはない。
【0023】
以上、本発明の実施例について説明したが、この実施例は、本発明の技術思想と特性を説明するためのものであり、当業者に本発明の内容を理解させるとともにその内容によって実施することができることを目的として、本発明の特許請求の範囲を限定するためのものではない。本発明の特許請求の範囲は、本発明に開示された思想によって作られる均等の変更/改良が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来のパレットを示す図である。
【図2】本発明の一実施例における色調整装置を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における色調整装置を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例における実施ステップの流れを示す図である。
【図5】本発明の他の実施例における色変換対応テーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0025】
10 パレット
100 色変換対応テーブル
111 データ制御プロセッサ
112 メモリ
120 画像データプロセッサ
130 ディスプレイパネル
211 データ制御プロセッサ
212 メモリ
220 画像データプロセッサ
230 ディスプレイパネル
LUT 3次元色変換対応テーブル
S111 色変換対応テーブル作成
S112 色変換対応テーブル保存
S121 画像データ変換
S122 画像データ出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーディスプレイの色調整に適用する色調整装置であって、
メモリと、
該メモリに接続され、3次元色変換対応テーブルである色変換対応テーブルを作成するとともに、該色変換対応テーブルを該メモリに保存するためのデータ制御プロセッサと、
該データ制御プロセッサに接続され、入力画像データを出力画像データに変換して、該入力画像データを利用して、該データ制御プロセッサから該メモリの該色変換対応テーブルを読み出し、該出力画像データを取得するとともに、該画像データ制御プロセッサに転送するための画像データプロセッサと、
を含むことを特徴とする色調整装置。
【請求項2】
該画像データプロセッサに接続され、該出力画像データを表現するためのディスプレイパネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の色調整装置。
【請求項3】
該ディスプレイパネルは、ディスプレイ、テレビ、又はハイビジョンテレビであることを特徴とする請求項2に記載の色調整装置。
【請求項4】
カラーディスプレイの色調整に適用する色調整装置であって、
メモリと、
該メモリに接続され、3次元色変換対応テーブルである色変換対応テーブルを作成するとともに、該色変換対応テーブルを該メモリに保存するためのデータ制御プロセッサと、
該データ制御プロセッサに接続され、入力画像データを該データ制御プロセッサに転送し、該データ制御プロセッサは該入力画像データに基づいて該メモリの該色変換対応テーブルを読み出し、出力画像データに変換するための画像データプロセッサと、
を含むことを特徴とする色調整装置。
【請求項5】
該画像データプロセッサに接続され、該出力画像データを表現するためのディスプレイパネルをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の色調整装置。
【請求項6】
該ディスプレイパネルは、ディスプレイ、テレビ、又はハイビジョンテレビであることを特徴とする請求項5に記載の色調整装置。
【請求項7】
請求項1又は4に記載の色調整装置を用いて行われる色調整方法であって、
色変換対応テーブルを作成し、該データ制御プロセッサは、第1の色をインデックスキーとし、第2の色をインデックス値とし、該インデックスキーを利用して、該インデックス値に対応するステップと、
該色変換対応テーブルを保存して、該データ制御プロセッサは、該色変換対応テーブルを該メモリに保存して、随時読み出すステップと、
入力画像データを変換し、該データ制御プロセッサは、入力画像データをインデックスキーとし、該色変換対応テーブルを参照し、該インデックスキーに対応した該インデックス値を取得するステップと、
画像データを出力し、該データ制御プロセッサは該インデックス値に対応した色を取得して出力するステップと、
を含むことを特徴とするカラーディスプレイの色調整方法。
【請求項8】
該データ制御プロセッサ又は該画像データプロセッサは、該出力画像データを出力することを特徴とする請求項7に記載の色調整方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−293157(P2007−293157A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123109(P2006−123109)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(501348726)全友電腦股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】