説明

カラーフィルター用赤色顔料分散液、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示装置

【課題】カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、該乾燥物を容易に除去することが可能な、顔料分散性に優れたカラーフィルター用赤色顔料分散液、赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルター、並びに液晶表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも赤色顔料と、顔料分散剤と、溶剤とを含有し、顔料分散剤が、下記一般式(I)を含むブロック共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色層を形成するのに用いられるカラーフィルター用赤色顔料分散液、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いたカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、一般的に、透明基板と、透明基板上に形成され、赤、緑、青の三原色の着色パターンからなる着色層と、各着色パターンを区画するように透明基板上に形成された遮光部とを有している。
このような着色層の形成方法としては、例えば、顔料や染料等の着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法が知られている。また、該フォトリソグラフィー法に用いられる着色層用感光性樹脂組成物のカラーフィルター用基板への塗布方法としては、着色層用感光性樹脂組成物が均一な膜厚となるように塗布することが容易であるといった利点から、従来、スピンコート法が用いられてきた。しかし、近年のカラーフィルターの大型化に伴い、カラーフィルター用基板を安定的に回転させること等が困難となるようなプロセス的な問題や塗布する際に振り切られて無駄になる感光性樹脂組成物が多い等のコスト的な問題が生じてきた。
【0003】
そこで、着色層用感光性樹脂組成物のカラーフィルター用基板への塗布方法として、ダイコート法による塗布が検討されている。
しかしながら、カラーフィルター用基板は、各カラーフィルター用基板が塗布可能な単位面積で分割されたシート状であるため、ダイコート法により着色層用感光性樹脂組成物を塗布する場合には、各基板の入れ替えの際に、ダイからの着色層用感光性樹脂組成物の吐出が停止することになる。すなわち、ダイリップの先端は、着色層用感光性樹脂組成物の吐出時には湿潤し、着色層用感光性樹脂組成物の吐出停止時には乾燥することを繰り返すことになる。そのため、ダイリップの先端では着色層用感光性樹脂組成物が乾燥、固化し易すく、ダイリップ先端に着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物が付着すると、続いて基板に着色層用感光性樹脂組成物を塗布した際に、ダイリップの進行方向に対して筋が発生し塗布ムラが生じたり、ダイリップ先端から乾燥物が剥離して基板上に移動し、異物欠陥となるといった問題があった。
【0004】
ダイリップ先端における着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物による塗布ムラ、異物欠陥の問題は、一度乾燥した着色層用感光性樹脂組成物が、該着色層用感光性樹脂組成物中に含まれる溶剤に再度溶解し難い(溶剤再溶解性が低い)ために生じる。
上記問題を解決するために、例えば、特定のアルカリ可溶性樹脂を含む着色層用感光性樹脂組成物や、特定の溶媒を含む着色層用感光性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、いずれの方法であってもダイリップ先端での乾燥物の発生を十分に抑制することができず、更に、一旦付着した乾燥物は容易に除去できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−229014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、更なるカラーフィルターの高コントラスト化の要求が高まっており、このような要求を達成するため、顔料の微細化および分散安定化が求められている。これに対し、顔料分散剤として、例えば、種々の(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位からなるAブロック(溶剤親和部)と、側鎖の三級アミン部位を4級化し4級アンモニウム塩とした(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位からなるBブロック(顔料吸着部)からなるA−Bブロック共重合体が提案されている(例えば、特許文献1)。
上記顔料分散剤は、微細化した顔料に対する分散性及び分散安定性が非常に高い一方で、ダイリップ先端で発生した該顔料分散剤を含む着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性は低い。これは、発明者の検討では、上記顔料分散剤は、Bブロックの4級アンモニウム塩とした部位が、着色層用感光性樹脂組成物に用いられる溶剤に対する溶解性が低いためであると考えられる。
近年は上記顔料の微細化に伴い、必要とされる顔料分散剤量が増加し、その溶剤再溶解性は特に悪化する傾向となっている。
また、顔料の分散性が低く、顔料が凝集するような分散剤を用いてしまうと、コントラストが低下するだけでなく、その顔料の凝集力によって、溶剤再溶解性も悪化してしまう。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、顔料分散性に優れたカラーフィルター用赤色顔料分散液、コントラストが高いカラーフィルターを形成することが可能であり、且つ、カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、該乾燥物を容易に除去することが可能なカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いたカラーフィルター、並びに液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性を低下させる原因が、顔料分散剤にあることを見出した。そして、該顔料分散剤の有する塩形成部位の割合を特定の範囲にすることにより上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液は、少なくとも赤色顔料と、顔料分散剤と、溶剤とを含有し、前記顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有し、さらに前記繰り返し単位(1)の数mのうち5〜35%のアミノ基が、ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成したブロック共重合体であることを特徴とする。
【0009】
【化1】

【0010】
【化2】

【0011】
[式(I)及び式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。]
【0012】
本発明によれば、カラーフィルター用赤色顔料分散液中に顔料分散剤として上記特定の構造を有するブロック共重合体を含有させることにより、顔料の分散性を優れたものとすることができる。
【0013】
また、本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液は、前記顔料分散剤において、前記繰り返し単位(1)の数m及び前記繰り返し単位(2)の数nの総和に対する該繰り返し単位(1)の数mの割合が50モル%以下であることが、顔料分散性の点から好ましい。
【0014】
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液においては、前記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルが、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、及びヨウ化ベンジルからなる群から選択される少なくとも1種であることが、塩形成反応が容易に進行し、かつ生成した塩形成部位が顔料への吸着性に優れているために高い分散性を発現することができると同時に、分散剤の耐熱性や耐アルカリ性、現像時のパターン欠け耐性を高くすることができる点から好ましい。
【0015】
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液においては、前記赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントレッド242からなる群から選択される1種以上を含むことが、カラーフィルターの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。
【0016】
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液においては、前記赤色顔料以外の顔料として、更に、C.I.ピグメントイエロー150もしくはその誘導体顔料、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー139からなる群から選択される1種以上を含むことがカラーフィルターの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。
【0017】
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液においては、前記溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンからなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
【0018】
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、前記本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分及び溶剤を含有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、前記本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液を含むことにより、顔料の分散性に優れるため、コントラストが高いカラーフィルターを形成することができる。また、上記赤色顔料分散液に含まれる顔料分散剤が溶剤に対する溶解性が高く、顔料の分散性に優れるため、上記赤色感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性を向上させることができ、その結果、カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物が発生しにくく、かつダイリップに発生した場合でも次の塗布時に吐出される赤色感光性樹脂組成物中の溶剤に容易に溶解する。また、長時間の乾燥によって強固な乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、溶剤を用いた洗浄により該乾燥物を容易に除去することができる。
【0019】
本発明に係るカラーフィルターは、前記本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とする。
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルターを有することを特徴とする。
本発明によれば、コントラストが高く、塗布ムラ及び異物欠陥の少ない高品質なカラーフィルター、及び該カラーフィルターを備えた液晶表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液は、顔料分散剤として特定の構造を有するブロック共重合体を含有することにより、顔料の分散性を優れたものとすることができる。
また、本発明のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、上記赤色顔料分散液を含有することにより、顔料分散性に優れるため、コントラストが高いカラーフィルターを形成することが可能であり、更に、カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物がダイリップに発生しにくく、かつダイリップに発生した場合でも次の塗布時に吐出される赤色感光性樹脂組成物中の溶剤に容易に溶解する。また、長時間の乾燥によって強固な乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、溶剤を用いた洗浄により該乾燥物を容易に除去することができる。
更に、本発明によれば、コントラストが高く、塗布ムラ及び異物欠陥の少ない高品質なカラーフィルター、及び該カラーフィルターを備えた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示装置について順に説明する。
なお、本発明において、溶剤再溶解性とは、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物が、一旦乾燥物となった後の溶剤への溶解性のことであり、例えば、溶剤再溶解性が低いとは、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物が、一旦乾燥物となると、再度、溶剤へ溶解しにくい状態のことをいう。また、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルのいずれかであることを意味する。
【0023】
1.カラーフィルター用赤色顔料分散液
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液は、少なくとも赤色顔料と、顔料分散剤と、溶剤とを含有し、前記顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有し、さらに前記繰り返し単位(1)の数mのうち5〜35%のアミノ基が、ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成したブロック共重合体であることを特徴とする。
【0024】
【化3】

【0025】
【化4】

【0026】
[式(I)及び式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。]
【0027】
本発明によれば、カラーフィルター用赤色顔料分散液中に顔料分散剤として上記特定の構造を有するブロック共重合体を含有させることにより、顔料の分散性を優れたものとすることができる。
【0028】
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液は、少なくとも顔料と顔料分散剤と溶剤とを含有するものであり、必要に応じて他の化合物を含有しても良いものである。
以下、このような本発明の顔料分散液の各成分について順に詳細に説明する。
【0029】
(顔料分散剤)
本発明に用いられる顔料分散剤は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有し、さらに上記繰り返し単位(1)の数mのうち5〜35%のアミノ基が、ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成したブロック共重合体である。
【0030】
従来、顔料分散剤として、溶剤との可溶性を有するAブロックと、側鎖に4級アンモニウム塩を有するBブロックからなるブロック共重合体を用いることが提案されている。このような顔料分散剤は、Bブロックが4級アンモニウム塩を有することにより、顔料に対する吸着性が強まる一方、Aブロックが溶剤との可溶性を有することにより、溶剤中での顔料の安定化を図ることができ、その結果、顔料の分散性及び分散安定性を優れたものとすることができる。しかしながら、その一方で、ダイリップ先端で発生した上記顔料分散剤を含む着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性は低い。
本発明者らは、上記顔料分散剤の溶剤に対する溶解性を改善することで、着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性を向上させることができることを見出した。
理由は完全に解明できないが、上記顔料分散剤は、着色層用感光性樹脂組成物中に含まれる溶剤に対し不溶性の4級アンモニウム塩を有するため、4級アンモニウム塩を有する部位が顔料に吸着せずに残ると、該感光性樹脂組成物の固形分全体として溶剤に対する溶解性が低下し、該溶剤に対し十分な溶解性が得られなくなると考えられる。また、感光性樹脂組成物が乾燥していく時に、上記顔料分散剤の溶剤可溶性の部位は溶剤が残存している感光性樹脂組成物の内部に向きやすく、溶剤不溶性の4級アンモニウム塩を有する部位は溶剤が無くなっていく感光性樹脂組成物の最表面に並びやすくなり、一度乾燥すると、溶剤には特に再溶解し難くなると考えられる。そのため、ダイリップ先端で発生した着色層用感光性樹脂組成物の乾燥物は、続いて塗布される着色層用感光性樹脂組成物中に含まれる溶剤に対し溶解し難くなると考えられる。
特に、近年の高コントラスト化の要求を満たすために使用される、散乱光を抑えるための、比表面積の大きい微細化顔料においては、安定した分散液を得るために顔料分散剤を過剰に必要とし、感光性樹脂組成物の再溶解性は特に悪化する傾向となっている。
【0031】
本発明者らは、上記観点から、本発明で用いられる顔料分散剤の構造について検討を行った。すなわち、塩形成剤として、ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルを用い、且つ、本発明で用いられる顔料分散剤を構成する上記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)の数mに含まれるアミノ基のうち上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成するアミノ基の割合を特定の範囲に規定することにより、顔料に対する吸着性と溶剤に対する溶解性とのバランスを図ることができる。このように、上記顔料分散剤の有する塩形成部位の数を最適化することにより、該顔料分散剤の顔料分散性と溶剤に対する溶解性を優れたものとすることができる。
従って、本発明の赤色顔料分散液中に顔料分散剤として上記特定の構造を有するブロック共重合体を含有させ、且つ該共重合体が有する塩形成部位の割合を特定の範囲とすることにより、顔料同士の凝集が抑制され顔料分散性を優れたものとしながら、更に、この赤色顔料分散液を本発明の赤色感光性樹脂組成物に含有させることにより、該赤色感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性を優れたものとすることができる。そのため、カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物がダイリップに発生しにくく、かつダイリップに発生した場合でも次の塗布時に吐出される赤色感光性樹脂組成物中の溶剤に容易に溶解する。また、長時間の乾燥によって強固な乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、溶剤を用いた洗浄により該乾燥物を容易に除去することができる。
【0032】
<ブロック共重合体>
上記ブロック共重合体は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有するものである。
上記一般式(I)において、Rは、水素原子又はメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。ここで、炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。これらの中で、メチル基及びエチル基が好ましい。
本発明においては、上記R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0033】
Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、*−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−**又は*−[(CH−O]−(CH−**で示される2価の基である。ここで、*は、エステル結合側の連結部位を表し、**は、アミノ基側の連結部位を表す。また、上記炭素数1〜8のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種へキシレン基、各種オクチレン基などである。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。本発明においては、x、y、及びzが、上記の範囲内にあれば、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液は、顔料の分散性に優れたものになる。
上記Aとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。炭素数が1〜8の範囲内であれば、顔料の分散性を良好に保つことができる。
【0034】
上記一般式(II)において、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rを示す。尚、Rが芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、各種ブテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種オクタデセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
【0035】
上記R及びRは、前記と同じであり、Rは水素原子、あるいは置換基を有してもよい、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。
上記Rで示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記Rのうちの炭素数1〜18のアルキル基、及び炭素数2〜18のアルケニル基は、前記Rで示したとおりである。
上記Rにおいて、x、y及びzは、前記Aで説明したとおりである。
また、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)中のRは、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0036】
本発明において、上記Rとしては、なかでも、後述する溶剤との溶解性に優れたものを用いることが好ましく、具体的には、上記ブロック共重合体を構成する繰り返し単位等によっても異なるが、上記溶剤が、テトラヒドロフラン、トルエン等である場合には、メチル基、エチル基、ベンジル基等を用いることが好ましく、上記溶剤が、ペンタン、ヘキサン等のより極性の低いものである場合には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等を用いることが好ましい。
ここで、上記Rをこのように設定する理由は、上記Rを含む繰り返し単位(2)が、上記溶剤に対する可溶性を有し、上記繰り返し単位(1)のアミノ基と、後述するハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルとが形成する塩形成部位が顔料に対して高い吸着性を有するものであることにより、顔料の分散性及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
さらに、上記Rは、上記ブロック共重合体の分散性能等を妨げない範囲で、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、水素結合形成基等の置換基によって置換されたものとしてもよく、また、上記ブロック共重合体の合成後に、上記置換基を有する化合物と反応させて、上記置換基を付加させてもよい。
【0037】
本発明に用いられるブロック共重合体の分子サイズに関しては、上記繰り返し単位(1)の数mは、3〜200の整数、好ましくは3〜50の整数である。上記繰り返し単位(2)の数nは、10〜200の整数、好ましくは20〜100の整数、より好ましくは20〜70の整数である。本発明においては、m及びnが、それぞれ上記の範囲内にあることにより、溶剤可溶性部位と溶剤不溶性部位が効果的に作用し、本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液を顔料の分散性に優れたものとすることができる。
さらに、上記ブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、500〜20000の範囲内であることが好ましく、1000〜15000の範囲内であることがより好ましく、3000〜12000の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲内であることにより、顔料を均一に分散させる分散初期の顔料に対する濡れ性と分散安定性を両立することが可能となる。
【0038】
なお、上記重量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。測定は、東ソー(株)製のHLC−8120GPCを用い、溶出溶媒を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN−メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、206500、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS−2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK−GEL ALPHA−M×2本(東ソー(株)製)として行われたものである。
【0039】
また、本発明に用いられるブロック共重合体においては、上記繰り返し単位(1)の数mと上記繰り返し単位(2)の数nの総和に対する上記繰り返し単位(1)の数mの割合が50モル%以下であることが好ましく、更に5モル%以上40モル%以下であることが好ましい。上記繰り返し単位(1)の数mの割合が上記範囲内にあることにより、上記繰り返し単位(1)が有するアミノ基が形成する塩形成部位の割合を最適化することができるので、後述する顔料に対する吸着性が良好となり、また、上記繰り返し単位(2)による後述する溶剤との溶解性が高まり、顔料の分散性を優れたものとすることができる。
【0040】
本発明に用いられるブロック共重合体の結合順としては、上記繰り返し単位(1)及び上記繰り返し単位(2)を有し、後述する顔料を安定に分散することができるものであればよく、特に限定されないが、上記繰り返し単位(1)が上記ブロック共重合体の一端のみに結合したものであることが好ましい。すなわち、上記繰り返し単位(1)と、上記繰り返し単位(2)とが、繰り返し単位(1)−繰り返し単位(2)の順で結合したものであってもよく、繰り返し単位(1)−繰り返し単位(2)−繰り返し単位(1)の順で結合したものであってもよく、繰り返し単位(1)−繰り返し単位(2)が繰り返し結合したものであってもよいが、本発明においては、なかでも繰り返し単位(1)−繰り返し単位(2)の順で結合したものが好ましい。その理由は、後述する顔料に対する吸着性に優れ、さらにこのようなブロック共重合体を用いた顔料分散剤同士の凝集を効果的に抑えることができるからである。
【0041】
<ハロゲン化アリル及びハロゲン化アラルキル>
本発明で用いられるハロゲン化アリル及びハロゲン化アラルキルは、前述した一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有するブロック共重合体の繰り返し単位(1)が有するアミノ基と塩を形成する。
本発明においては、上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルを用いることにより、顔料分散剤の生成した塩形成部位が顔料への吸着性に優れているために高い分散性を発現することができると同時に、分散剤の耐熱性や耐アルカリ性、現像時のパターン欠け耐性を高くすることができる。
【0042】
上記ハロゲン化アリルとしては、例えば、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルが挙げられる。また、上記ハロゲン化アラルキルのアラルキル基としては、炭素数7〜18のものが挙げられるが特に限定されない。具体的には、例えば、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、塩化ナフチルメチル、塩化ピリジルメチル、臭化ナフチルメチル、臭化ピリジルメチル等が挙げられる。
中でも、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、及びヨウ化ベンジルからなる群から選択される少なくとも1種であることが塩形成反応のしやすさと、生成した塩形成部位が顔料への吸着性に優れている点、分散剤の耐熱性や耐アルカリ性、現像時のパターン欠け耐性を高くすることができる点から好ましい。
【0043】
上記繰り返し単位(1)の数mのうち5〜35%のアミノ基と、上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルとを反応させ塩を形成することにより、顔料分散剤の顔料に対する吸着性と溶剤に対する溶解性とのバランスを良好にすることができる。この効果は、塩形成部位と塩形成されていないアミノ基を上述の範囲とすることで、顔料の分散性を確保しながら、顔料吸着部位にも溶剤不溶性の塩形成部位が局在化せずに点在しているために、溶剤が乾燥する際に溶剤に不溶部位が感光性樹脂組成物の最表面に並び難くなることで得られると考えられる。
また、上記繰り返し単位(1)の数mのうち上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成するアミノ基の割合は5〜30%であることが好ましく、更に5〜28%であることが好ましい。上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成するアミノ基の割合が5%未満の場合、十分な顔料分散性を得ることができず、35%超過の場合、溶剤に対する溶解性が低下する恐れがある。
【0044】
<顔料分散剤の製造>
本発明において、顔料分散剤として用いるブロック共重合体の製造方法としては、上記の繰り返し単位(1)と、繰り返し単位(2)とを有し、かつ上記繰り返し単位(1)が有するアミノ基と、上記のハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルとが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、上記の繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を公知の重合手段を用いて重合した後、後述する溶剤中に溶解又は分散し、次いで該溶剤中に上記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルを添加し、攪拌することにより顔料分散剤を製造することができる。
上記重合手段としては、上記の繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)を所望の数で重合し、所望の分子量とすることができる手段であればよく、特に限定されず、ビニル基を有する化合物の重合に一般的に用いられる方法を採用することができ、例えばアニオン重合やリビングラジカル重合等を用いることができる。本発明においては、なかでも、「J.Am.Chem.Soc.」105、5706(1983)に開示されているグループトランスファー重合(GTP)のようにリビング的に重合が進行する方法を用いることが好ましい。この方法によると、分子量、分子量分布等を所望の範囲とすることが容易であるので、該顔料分散剤の分散性を均一にすることができる。
【0045】
本発明のカラーフィルター用赤色顔料分散液において、顔料分散剤としては、上記ブロック共重合体を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量としては、後述する顔料を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、顔料100重量部に対して10〜150重量部用いることができる。更に、顔料100重量部に対して15〜45重量部の割合で配合するのが好ましく、特に15〜40重量部の割合で配合するのが好ましい。分散剤の含有量が上記範囲内であれば、分散剤の不溶部位がより局在化しにくくなり、溶剤再溶解性向上の効果がより高くなる。
【0046】
(顔料)
本発明で用いられる顔料としては、赤色顔料を少なくとも含有する。赤色顔料は、カラーフィルターにおける用途や仕様により適宜選択され、必要な色度を達成するために、公知の無機顔料および有機顔料の中から1種または2種以上を混合して用いられる。また、カラーフィルターにおける用途や仕様に必要とされる色度を達成でき、本発明の効果を損なわない限り、他の顔料を更に含有していても良い。
有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
【0047】
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265等が挙げられる。
【0048】
中でも、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントレッド242からなる群から選択される1種以上であることが、カラーフィルターの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。
【0049】
また、本発明に用いる顔料は、更に他の顔料を含んでもよい。他の顔料としては、黄色顔料を含有することが、カラーフィルターの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー150もしくはその誘導体顔料、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー139からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
ここで、C.I.ピグメントイエロー150の誘導体顔料としては、具体的には、少なくとも1種のゲスト化合物のホストとして働く式(1)またはそれの互変異性構造の1つに従うアゾ化合物のモノ、ジ、トリおよびテトラアニオンと金属Li,Cs,Mg,Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb、特に好適にはNa,K,Ca,Sr,Ba,Zn,Fe,Ni,Cu,MnおよびLaに相当する金属錯体を挙げることができる。
【0050】
【化5】

【0051】
[式(1)中、RおよびR’は、独立して、OH、NH、NH−CN、アシルアミノまたはアリールアミノであり、そしてRおよびR’は、独立して、−OHまたは−NHである]
【0052】
これらの誘導体顔料は、特開2001−354869号公報、特開2005−325350号公報、特開2007−25687号公報、特開2007−23287号公報、特開2007−23288号公報、及び特開2008−24927号公報を参照することにより入手可能である。
【0053】
上記黄色顔料の配合量は、顔料全体に対して、3〜50重量%であることが好ましく、更に5〜40重量%であることが好ましい。上記範囲内とすることで、カラーフィルターの仕様に必要とされる赤色の色度を達成しながら、コントラストを向上させることができる。
【0054】
また、本発明に用いられる顔料の分散平均粒径としては、後に製造される感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルターの着色層を形成した場合に、所望の発色が可能なものであれば特に限定されるものではなく、通常、10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、なかでも10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。本発明の顔料分散剤を用いた感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルターの着色層を形成した場合に、輝度、コントラストに優れた着色層とすることができるからである。
ここで本発明の顔料分散液における、分散平均粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している顔料粒子の分散平均粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、顔料分散液に用いられている溶剤で、顔料分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、500倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの分散平均粒径は、体積平均粒径である。
【0055】
顔料は、カラーフィルター用赤色顔料分散液の全量に対して5〜20重量%、更に10〜18重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0056】
(溶剤)
本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液には、顔料を分散させるために溶剤が含まれる。
本発明の顔料分散液に用いる溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中では、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CHOCHCH(CH)OCOCH)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
【0057】
これらの溶剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の顔料分散液は、以上のような溶剤を、当該溶剤を含む顔料分散液の全量に対して、通常は60〜85重量%の割合で用いて調製する。溶剤が少なすぎると、粘度が上昇し、顔料分散性が低下しやすい。また、溶剤が多すぎると、顔料濃度が低下し、樹脂組成物を調製後目標とする色度座標に達成することが困難な場合がある。
【0058】
(その他の成分)
本発明の顔料分散液には、さらに必要に応じて、顔料分散補助樹脂やその他の成分を配合しても良い。
顔料分散補助樹脂としては、例えば後述する感光性バインダー成分で例示されるバインダー樹脂が挙げられる。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0059】
<顔料分散液の製造方法>
本発明の顔料分散液は、上記の顔料と顔料分散剤を溶剤に混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって顔料分散液を調製する。分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
このようにして、顔料粒子の分散性に優れた顔料分散液が得られる。該顔料分散液は、顔料分散性に優れたカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いられる。
【0060】
2.カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、上記本発明に係る赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分及び溶剤を含有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、上記本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液を含むことにより、顔料の分散性に優れるため、コントラストが高いカラーフィルターを形成することができる。また、上記赤色顔料分散液に含まれる顔料分散剤が溶剤に対する溶解性が高く、顔料の分散性に優れるため、上記赤色感光性樹脂組成物の乾燥物の溶剤再溶解性を向上させることができ、その結果、カラーフィルター用基板上にダイコート法により塗布しカラーフィルターの着色層を形成する際に、乾燥物がダイリップに発生した場合であっても、該乾燥物を容易に除去することができる。
【0061】
以下、このような本発明のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物に用いられる成分を説明する。
尚、上記本発明に係るカラーフィルター用赤色顔料分散液に含まれ得る成分については、上記顔料分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0062】
<感光性バインダー成分>
本発明においては、塗膜に充分な強度、耐久性、密着性を付与する点から、基板上に塗工又は転写などによりパターンを形成後、該塗膜を重合反応により硬化させることができる、バインダー成分を用いる。以下に説明する感光性バインダー成分の他に、エポキシ樹脂のような加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分を更に用いてもよい。優れた顔料分散性を有する上記本発明に係る顔料分散液を用いて本発明に係る樹脂組成物を調製するにあたり、その優れた顔料分散性を阻害しないように、適宜バインダー成分を選択する必要がある。
【0063】
感光性バインダー成分には、紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含み、露光部を硬化させて未露光部を溶解除去することにより露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるネガ型の感光性バインダー成分が挙げられる。
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物においては、ネガ型感光性バインダー成分であることが、フォトリソグラフィー法によって既存のプロセスを用いて簡便にパターンを形成できる点から好ましい。
【0064】
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むネガ型感光性バインダー成分は、(i)アルカリ可溶性樹脂、(ii)多官能性モノマー、(iii)光重合開始剤、及び増感剤等を配合して構成される。
【0065】
(i)アルカリ可溶性樹脂
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は側鎖にカルボキシル基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
【0066】
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとエチレン性不飽和モノマーを共重合して得られる。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環は感光性樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
【0067】
また、光重合性官能基を含有する上記アクリル系共重合体としては、上記アクリル系共重合体の一部のカルボキシル基に対し、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−(2,3−エポキシプロピル)ブチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物のエポキシ基を反応させたり、アクリル系共重合体の一部もしくは全部の水酸基に対し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのような1分子中にイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有する化合物のイソシアネート基を反応させて得られる側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体も使用することができる。
【0068】
カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。この場合、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合が5重量%未満では、得られる塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性が低下し、パターン形成が困難になる。また、共重合割合が50重量%を超えると、アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
【0069】
カルボキシル基含有共重合体の好ましい分子量は、好ましくは1,000〜500,000の範囲であり、さらに好ましくは3,000〜200,000である。1,000未満では硬化後のバインダー機能が著しく低下し、500,000を超えるとアルカリ現像液による現像時に、パターン形成が困難となる場合がある。
【0070】
カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0071】
不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0072】
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。
【0073】
(ii)多官能性モノマー
本発明における多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等を挙げることができる。
【0074】
これらの多官能性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのこはく酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0075】
本発明における多官能性モノマーの使用量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下する可能性がある。
【0076】
(iii)光重合開始剤、及び増感剤
ネガ型感光性バインダー成分には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、光重合成を有する重合体や光重合成モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合等)や、各材料の種類を考慮して適宜選択され、特に限定されない。
【0077】
光重合開始剤としては、例えば、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物、オキシムエステル系化合物などが挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0078】
また、本発明においては、必要に応じて、前記光重合開始剤と共に、増感剤および硬化促進剤の群から選ばれる1種以上をさらに併用することもできる。前記増感剤の具体例としては、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。また、前記硬化促進剤の具体例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等の連鎖移動剤を挙げることができる。
【0079】
<その他の成分>
本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、界面活性剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)等を挙げることができる。
【0080】
<感光性樹脂組成物における各成分の配合割合>
顔料は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%の割合で配合する。顔料が少なすぎると、感光性樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜4.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料が多すぎると、感光性樹脂組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またその感光性樹脂組成物中の顔料分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために現像性、耐熱性等の特性も不十分になるおそれがある。尚、本発明において固形分とは、溶剤以外の成分を示すものである。
また、顔料分散剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1〜60重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1重量%未満の場合には、顔料を均一に分散することが困難になる恐れがあり、60重量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
感光性バインダー成分は、これらの合計量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して15〜95重量%、好ましくは25〜80重量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶剤の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶剤を含む上記感光性樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88重量%の範囲内であることが好ましい。上記溶剤の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
【0081】
<感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の製造方法は、予め、上記本発明に係る顔料分散液を準備し、該顔料分散液を用いて調製すれば、特に限定されない。該顔料分散液に、感光性バインダー成分、及びその他の成分を添加して、均一に混合乃至分散させても良い。或いは、感光性バインダー成分、及びその他の成分を溶剤と混合、分散又は溶解した感光性成分溶液を調製して、準備した顔料分散液と感光性成分溶液とを混合し、必要に応じて分散処理を行うことによって、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を製造しても良い。
このようにして得られた本発明のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物全重量に対する固形分濃度は5〜35重量%、好ましくは12〜25重量%である。固形分濃度を上記範囲内とすることにより、所望の色濃度と膜厚が両立した感光性樹脂組成物の膜として塗布することができる。
【0082】
<カラーフィルター用硬化膜>
このようにして得られたカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物は、組成物を支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させた後、該塗膜に光線を所定のパターン状に照射することにより塗膜の一部を選択的に硬化させるなど、露光部と未露光部とで溶解性を変化させた後、アルカリ液で現像することにより、所定パターンの硬化膜が得られる。
【0083】
本発明に係る感光性樹脂組成物の硬化膜を、2枚の偏光板を直交、或いは平行となるように組み合わせて挟んだ時に透過する輝度の比((偏光板平行時の輝度/偏光板直交時の輝度)、本発明において単に「コントラスト」ともいう)は、3000以上であることが好ましく、更に3500以上であることが好ましい。
より具体的には、赤色感光性樹脂組成物としては、C光源を使用して測定したXYZ表色色度図における色度座標(x、y)において、0.645≦x≦0.650の硬化膜を形成した時に、コントラストが3500以上であることが好ましい。
【0084】
なお、本発明における上記コントラストは、より具体的には以下のように測定した場合の値である。
壷坂電機製コントラスト測定装置CT−1(光源:冷陰極間F10ランプ、輝度計:コニカミノルタ製LS−100、分光輝度計:コニカミノルタ製CS−1000T)を用いて、輝度の測定を行う。コントラストは輝度の測定値を用い、以下の式により導き出せる。
コントラスト=平行輝度(cd/m)/直交輝度(cd/m
【0085】
3.カラーフィルター
次に、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、上記カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有するものである。
【0086】
このような本発明のカラーフィルターについて、図を参照して説明する。図1は、本発明のカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、カラーフィルター10は、透明基板1と、該透明基板1上にパターン状に形成され、開口部を有する遮光部2と、該遮光部2の開口部上に形成された着色層3(3R、3G、3B)とを有するものである。
ここで、上記赤色着色層3Rは、上記「2.カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物」の項に記載のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
【0087】
本発明によれば、上記赤色着色層が上記本発明に係るカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであるため、コントラストが高く、塗布ムラ及び異物欠陥の少ない高品質なカラーフィルターを提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルターの各構成について説明する。
【0088】
<着色層>
着色層3は、赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4着色層配置型等の所望の形態で配列されてなり、表示領域を形成する。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
上記着色層の厚さは、通常、0.5〜2.5μm程度とする。
【0089】
本発明に用いられる着色層の形成方法は、透明基板上に、精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。本発明においては、なかでも上記カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を、透明基板上に、ダイコート法によって塗布する塗布工程と、塗布された該感光性樹脂組成物を乾燥させた後、フォトリソグラフィー法により露光および現像を行う露光・現像工程とにより形成する方法が好ましい。
具体的には、先ず、上記本発明に係る赤色感光性樹脂組成物の他、緑色用及び青色用の感光性樹脂組成物を夫々調製する。次に、透明基板1上に、遮光層2を覆うように、ある色、例えば赤色感光性樹脂組成物をダイコート法によって塗布して感光性赤色樹脂層を形成し、赤色パターン用フォトマスクを介して露光を行い、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬化することにより赤色着色層3Rを形成する。その後、緑色用、及び、青色用の感光性樹脂組成物を順次用いて同様にして各色をパターニングして、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを形成する。
【0090】
本発明のカラーフィルターは、上記着色層以外に、通常、透明基板と、遮光部とを少なくとも有するものである。このような透明基板および遮光部としては、一般的なカラーフィルターに使用されるものを用いることができる。
【0091】
本発明のカラーフィルターの製造方法としては、上記カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法によって、上記赤色着色層を形成するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルターの製造方法を用いることができる。
【0092】
4.液晶表示装置
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルターを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルター10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルター10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、上記図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルターが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
【0093】
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定はなく、一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、及びMVA方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
【0094】
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルター及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルターの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルターを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルター及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0096】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
【0097】
(製造例1 分散剤溶液aの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)52.2重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)44.3重量%、塩化ベンジル3.4重量%を加え、温度80℃で15時間反応させることにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が40%となる分散剤溶液aを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、塩化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した塩化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0098】
(製造例2 分散剤溶液bの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)51.8重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)45.6重量%、塩化ベンジル2.6重量%を加え、温度80℃で15時間反応させることにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が30%となる分散剤溶液bを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、塩化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した塩化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0099】
(製造例3 分散剤溶液cの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)51.2重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)47重量%、塩化ベンジル1.8重量%を加え、温度80℃で15時間反応させることにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が20%となる分散剤溶液cを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、塩化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した塩化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0100】
(製造例4 分散剤溶液dの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)50.6重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)48.47重量%、塩化ベンジル0.93重量%を加え、温度80℃で15時間反応させることにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が10%となる分散剤溶液dを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、塩化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した塩化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0101】
(製造例5 分散剤溶液eの調整)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)52.9重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)42.6重量%、臭化ベンジル4.4重量%を加え、室温で2時間攪拌することにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち臭化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が40%となる分散剤溶液eを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、臭化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した臭化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0102】
(製造例6 分散剤溶液fの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)52.3重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)44.3重量%、臭化ベンジル3.4重量%を加え、室温で2時間攪拌することにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち臭化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が30%となる分散剤溶液fを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、臭化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した臭化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0103】
(製造例7 分散剤溶液gの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)50.80重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)48.0重量%、臭化ベンジル1.2重量%を加え、室温で2時間攪拌することにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち臭化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合が10%となる分散剤溶液gを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、臭化ベンジルのピークは確認されず、反応に添加した臭化ベンジルは全て消費されたと判断した。
【0104】
(製造例8 分散剤溶液hの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)51.2重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)47.15重量%を加えて、今強撹拌下、臭化アリル1.73重量%を少しずつ滴下し、全て滴下した後でさらに5分攪拌することにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち臭化アリルと塩形成したアミノ基の割合が20%となる分散剤溶液hを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、臭化アリルのピークは確認されず、反応に添加した臭化アリルは全て消費されたと判断した。
【0105】
(製造例9 分散剤溶液iの調製)
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)49.2重量%に、顔料分散剤(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(1分子中の平均アミノ基数20モル%、固形分60重量%)50.35重量%を加えて、今強撹拌下、臭化アリル0.45重量%を少しずつ滴下し、全て滴下した後でさらに5分攪拌することにより、固形分(不揮発成分)濃度が30重量%、上記分散剤が有するアミノ基のうち臭化アリルと塩形成したアミノ基の割合が5%となる分散剤溶液iを調製した。なお、ガスクロマトグラフィーによって、臭化アリルのピークは確認されず、反応に添加した臭化アリルは全て消費されたと判断した。
【0106】
(実施例1)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径10〜60nm)10重量部に対して、製造例2で調製した分散剤溶液b(固形分30重量%)13.3重量部とアルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)4重量部と、溶剤PGMEA72.7重量部とを混合し、ペイントシェーカーにて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで6時間分散し、赤色顔料分散液Bを得た。なお、分散時のベッセル内のビーズ充填率は50%とした。顔料粒子の分散平均粒径は、顔料分散液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1000倍希釈し、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150を用いて、動的光散乱法により23℃にて測定した。
【0107】
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
上記で得られた赤色顔料分散液B62重量部に、下記バインダー組成物38重量部を添加し、加圧濾過を行って、実施例1のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
<バインダー組成物>
・アルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)):11.0重量部
・4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM450、東亞合成(株)製):8.2重量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):1.0重量部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):2.4重量部
・光増感剤(4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン):0.7重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):76.7重量部
【0108】
(実施例2)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液cを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Cを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0109】
(実施例3)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液dを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Dを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0110】
(実施例4)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液fを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Fを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0111】
(実施例5)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液gを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Gを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Gを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0112】
(実施例6)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液hを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Hを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Hを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0113】
(実施例7)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液iを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Iを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Iを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0114】
(実施例8)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
微細化顔料(C.I.ピグメントイエロー150(PY150:平均一次粒径15〜50nm)10重量部に対して、製造例9で調製した分散剤溶液i(固形分30重量%)13.3重量部とアルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)4重量部と、溶剤PGMEA72.2重量部とを混合し、ペイントシェーカーにて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、黄色顔料分散液Jを得た。なお、分散時のベッセル内のビーズ充填率は50%とした。
次に微細化顔料(C.I.ピグメントレッド177(PR177:平均一次粒径15〜50nm)10重量部に対して、製造例9で調製した分散剤溶液i(固形分30重量%)13.3重量部とアルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)4重量部と、溶剤PGMEA72.2重量部とを混合し、ペイントシェーカーにて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで6時間分散し、赤色顔料分散液Kを得た。なお、分散時のベッセル内のビーズ充填率は50%とした。
また、カラーフィルター用赤色顔料分散液I、J、Kをそれぞれ60重量部、20重量部、20重量部ずつ混合することで赤色顔料分散液Lを得た。混合した顔料粒子の分散平均粒径は、顔料分散液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1000倍希釈し、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150を用いて、動的光散乱法により23℃にて測定した。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Lを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0115】
(比較例1及び2)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
実施例1において、分散剤溶液bの代わりに、分散剤溶液a、eをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液A、Eを得た。
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液A、Eをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0116】
(比較例3)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
微細化顔料(C.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜60nm)10重量部に対して、顔料分散剤(商品名:Disperbyk2000、ビックケミー社製、固形分40重量%、顔料分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合:90%以上)10重量部とアルカリ可溶性樹脂(スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート共重合体(モル比30/40/10/20、酸価:70mgKOH/g、分子量6000)4重量部と、溶剤PGMEA76重量部とを混合し、ペイントシェーカーにて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで6時間分散し、赤色顔料分散液Mを得た。なお、分散時のベッセル内のビーズ充填率は50%とした。顔料粒子の分散平均粒径は、顔料分散液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1000倍希釈し、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150を用いて、動的光散乱法により23℃にて測定した。
【0117】
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Mを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0118】
(比較例4)
(1)カラーフィルター用赤色顔料分散液の調製
比較例2において、顔料分散剤としてDisperbyk2000の代わりに、BYK−LPN6919(商品名)(ビックケミー社製、固形分40重量%、顔料分散剤が有するアミノ基のうち塩化ベンジルと塩形成したアミノ基の割合:0%)を用いた以外は、比較例2と同様にして、カラーフィルター用赤色顔料分散液Nを得た。
【0119】
(2)カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物の調製
実施例1において、赤色顔料分散液Bの代わりに、赤色顔料分散液Nを用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0120】
(評価結果)
<コントラスト>
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。小型アライナーを用いて露光(60mJ)することによって硬化膜(赤色着色層)を得た。乾燥硬化後の膜厚は目標色度x=0.645になるように調整した。
壷坂電機製コントラスト測定装置CT−1、光源:冷陰極間F10ランプ、輝度計:コニカミノルタ製LS−100、分光輝度計:コニカミノルタ製CS−1000Tを用いて、輝度の測定を行った。コントラストは輝度の測定値を用い、以下の式により導き出せる。
コントラスト=平行輝度(cd/m)/直交輝度(cd/m
結果を表1に示す。
【0121】
<溶剤再溶解性>
ダイコート法における塗布ムラ、異物欠陥発生の有無を評価する代替法として、乾燥塗膜の溶剤再溶解性評価を行った。評価方法としては、縦100mm×幅5mmにカットしたガラス基板の縦2cm分に、上記の各感光性樹脂組成物を浸漬し、引き上げたものを23℃、80%RHの恒温恒湿層で乾燥させた。次にその乾燥させた塗膜が付着したガラス基板をPGMEA中に15秒間攪拌しながら浸漬した。このとき、乾燥塗膜の再溶解状態により、下記の3段階で評価した。結果を表1に示す。
・○:浸漬中に乾燥塗膜がすべて溶解した。
・△:15秒間浸漬後も、乾燥塗膜の一部が残った。
・×:15秒間浸漬後も乾燥塗膜がほとんどもしくは全く溶解しなかった。
【0122】
【表1】

【0123】
表1から以下のことが分かる。
本発明の顔料分散剤を用いた実施例1〜8は、顔料分散液における顔料粒子の分散平均粒径が40〜50nmの範囲にあり、顔料分散性が良好であった。また、ポストベーク後のコントラストはいずれも高かった。更に、各実施例で得られた乾燥塗膜を溶剤に浸漬すると、いずれも全て溶解し、優れた溶剤再溶解性を示した。
一方、顔料分散剤が有するアミノ基のうち塩形成剤と塩形成したアミノ基の割合が本発明の範囲外である比較例1〜3は、顔料分散性及びコントラストが実施例と同様に良好であったが、得られた乾燥塗膜を溶剤に15秒間浸漬しても比較例1及び2では、該乾燥塗膜は溶け残りが生じ、比較例3では、該乾燥塗膜は全く溶解しなかった。また、アミノ基を塩化ベンジルと塩形成させない顔料分散剤を用いた比較例4は、得られた乾燥塗膜を溶剤に浸漬すると全て溶解し、優れた溶剤再溶解性を示したが、顔料分散性及びコントラストは実施例に比べて低くかった。
【符号の説明】
【0124】
1 透明基板
2 遮光部
3(3R、3G、3B) 着色層
10 カラーフィルター
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも赤色顔料と、顔料分散剤と、溶剤とを含有し、前記顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(1)と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)とを有し、さらに前記繰り返し単位(1)の数mのうち5〜35%のアミノ基が、ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルと塩を形成したブロック共重合体であることを特徴とするカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【化1】

【化2】

[式(I)及び式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基、フェニル基、ビフェニル基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。mは3〜200の整数、nは10〜200の整数を示す。]
【請求項2】
前記顔料分散剤において、前記繰り返し単位(1)の数m及び前記繰り返し単位(2)の数nの総和に対する該繰り返し単位(1)の数mの割合が50モル%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【請求項3】
前記ハロゲン化アリル及び/又はハロゲン化アラルキルが、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、及びヨウ化ベンジルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【請求項4】
前記赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントレッド242からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【請求項5】
前記赤色顔料以外の顔料として、更に、C.I.ピグメントイエロー150もしくはその誘導体顔料、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー139からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【請求項6】
前記溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液。
【請求項7】
前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカラーフィルター用赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分及び溶剤を含有することを特徴とする、カラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記請求項7に記載のカラーフィルター用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルター。
【請求項9】
前記請求項8に記載のカラーフィルターを有することを特徴とする、液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−75846(P2011−75846A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227383(P2009−227383)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】