説明

カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ、タッチパネル機能付き表示装置および多面付けワーク基板の製造方法

【課題】タッチパネルセンサ部が静電気により損傷するのを防ぐことができるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11の一面11aには、タッチパネルセンサ部10と、導電性を有する除電パターン23とが設けられている。この除電パターン23は、少なくとも部分的に基板11の外縁に達しており、かつ、タッチパネルセンサ部10の電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触していない。また、この除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24を含んでおり、この先細領域24の先端部24aは、保護層22により覆われている。このため、静電気により保護層22が帯電した場合であっても、保護層22の電荷を除電パターン23に逃がすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルセンサ部とカラーフィルタ部とを備えたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサに関する。また本発明は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと表示基板とを備えたタッチパネル機能付き表示装置に関する。また本発明は、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル機能を実現するためのタッチパネルセンサとして、静電容量式のタッチパネルセンサが知られている。容量結合式タッチパネルセンサにおいては、人間の指などの外部導体がタッチパネルセンサに接触(接近)するときに発生する静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における人間の指などの外部導体の位置を検出する。静電容量式タッチパネルセンサには表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている。
【0003】
このようなタッチパネルセンサの形態として、タッチパネルセンサとカラーフィルタとを1つの基板上に形成したカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが知られている。例えば特許文献1において、基板と、基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、基板の他面上に設けられたカラーフィルタ部と、を備えたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが提案されている。
【0004】
ところで、タッチパネルセンサおよびカラーフィルタは、一般に、はじめに基板上に塗工液を塗布し、次に基板上の塗工液を固化して層を形成し、その後、層をエッチングなどの方法を用いて加工することによって製造される。ここで、基板上に塗工液を塗布する工程においては、例えば、支持台上に固定された基板に対して塗工液が塗布される。また、基板上の塗工液を固化させる工程においては、例えば、ホットプレートを用いた加熱により塗工液が固化される。また、エッチング方法としてウェットエッチング法が用いられる場合、加工された層に残る液がエアーナイフにより除去される。
【0005】
基板上にタッチパネルセンサおよびカラーフィルタを製造する際、様々な原因により静電気が発生し得ることが知られている。静電気が発生する原因としては、例えば、支持台またはホットプレートから基板を剥離させる際の剥離帯電や、エアーナイフを用いた液切りの際の摩擦帯電などが挙げられる。このような静電気が放電すると、基板上に形成された層が損傷を受けるおそれがある。
【0006】
静電気に起因する層の損傷を防ぐため、特許文献2において、カラーフィルタのブラックマトリクス層の体積抵抗率を所定値以下にし、これによって、静電気の発生を低減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−160745号公報
【特許文献2】特開2001−147314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造工程においては、一般に、はじめに基板の一面上にタッチパネルセンサ部が形成され、次に基板の他面上にカラーフィルタ部が形成される。一般に、カラーフィルタ部の形成工程においては、基板の一面側を下方に向けた状態で基板が搬送される。このため、基板の搬送の際、基板の一面上に形成されているタッチパネルセンサ部に静電気が発生することが考えられる。このため、基板の一面側に、静電気の発生を抑制するための何らかの機構を設ける必要がある。
【0009】
また、基板の搬送の際にタッチパネルセンサ部に静電気が発生することだけでなく、タッチパネルセンサ部を形成する際にタッチパネルセンサ部の所定の構成要素内に誘電分極が生じ、これによって静電気が発生することも考えられる。例えば、タッチパネルセンサ部の形成工程が、所定の構成要素に対する光硬化工程を含む場合、分子が光によって励起されることに起因して、所定の構成要素の表面と内部で分極が起こることが考えられる。この場合、誘電分極による電荷が放電することにより、タッチパネルセンサ部が損傷することが考えられる。
【0010】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサおよびタッチパネル機能付き表示装置を提供することを目的とする。また本発明は、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、基板と、前記基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、前記基板の他面上に設けられ、複数色の着色層を有するカラーフィルタ部と、を備え、前記タッチパネルセンサ部は、前記基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有し、前記基板の前記一面上に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられており、前記除電パターンは、少なくとも部分的に前記基板の外縁に達しており、かつ、前記電極パターン、前記端子部および前記導電パターンのいずれにも接触しておらず、前記除電パターンは、内方に向かって先細になる先細領域を含み、前記先細領域の先端部は、前記保護層により覆われていることを特徴とするカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサである。
【0012】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記除電パターンの先細領域は、前記基板の外縁から前記保護層まで延び、かつ前記保護層に向かうにつれて先細になっていてもよい。
【0013】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記除電パターンは、前記基板の外縁に達するとともに、部分的に前記外縁に平行に延びる線状領域をさらに含み、各先細領域は、前記線状領域の延びる方向に交差するよう前記線状領域から突出していてもよい。
【0014】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記先細領域の先端部上の前記保護層の厚みは、前記電極パターン上および前記導電パターン上の前記保護層の厚み以下となっている。
【0015】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されていてもよい。この場合、好ましくは、前記除電パターンは、前記x接続部と同一の材料および前記y接続部と同一の材料を積層することにより形成されている。
【0016】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記除電パターンの前記先細領域の前記先端部は、前記x接続部と同一の材料と前記y接続部と同一の材料との間に介在された、前記絶縁層と同一の材料をさらに含んでいてもよい。
【0017】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記タッチパネルセンサ部は、前記保護層上に設けられ、前記基板の法線方向から見て少なくとも前記除電パターンの前記先細領域の先端部に重なる帯電防止膜をさらに有していてもよい。この場合、好ましくは、前記帯電防止膜の表面抵抗は、前記保護層の表面抵抗よりも小さく、かつ前記電極パターンの表面抵抗および前記導電パターンの表面抵抗よりも大きくなっている。
【0018】
第2の本発明は、上記記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの前記カラーフィルタ部側に設けられた表示基板と、を備えたことを特徴とするタッチパネル機能付き表示装置である。
【0019】
第3の本発明は、上記記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが複数割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法において、ワーク基板は一面および他面を有し、多面付けワーク基板の一面および他面は、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが形成される複数のチップ部と、各チップ部を囲む外枠部と、に区画され、多面付けワーク基板の製造方法は、ワーク基板を準備する工程と、ワーク基板の一面上の各チップ部に、前記タッチパネルセンサ部を形成する工程と、
ワーク基板の一面上の各チップ部に、前記除電パターンを形成する工程と、ワーク基板の一面上の外枠部に、各除電パターンに電気的に接続され、導電性を有する外枠除電パターンを形成する工程と、ワーク基板の他面上の各チップ部に前記カラーフィルタ部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする多面付けワーク基板の製造方法である。
【0020】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法において、前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されていてもよい。また、前記タッチパネルセンサ部を形成する工程は、前記ワーク基板の一面上に透明電極材料を設ける工程と、設けられた透明電極材料をパターニングして、前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部を形成する工程と、x方向接続部上に前記絶縁層を形成する工程と、前記ワーク基板の一面上に導電性材料を設ける工程と、設けられた導電性材料をパターニングして、前記y接続部を形成する工程と、を含んでいてもよい。この場合、好ましくは、前記外枠除電パターンおよび前記除電パターンは、前記透明電極材料をパターニングする際に前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部と同時に形成される透明電極材料層と、前記導電性材料をパターニングする際に前記y接続部と同時に前記透明電極材料層上に形成される導電性材料層と、を含んでいる。
【0021】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法において、前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されていてもよい。また、前記タッチパネルセンサ部を形成する工程は、前記ワーク基板の一面上に導電性材料を設ける工程と、
設けられた導電性材料をパターニングして、前記y接続部を形成する工程と、前記y接続部上に前記絶縁層を形成する工程と、前記ワーク基板の一面上に透明電極材料を設ける工程と、
設けられた透明電極材料をパターニングして、前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部を形成する工程と、を含んでいてもよい。この場合、好ましくは、前記外枠除電パターンおよび前記除電パターンは、前記導電性材料をパターニングする際に前記y接続部と同時に形成される導電性材料層と、前記透明電極材料をパターニングする際に前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部と同時に前記導電性材料層上に形成される透明電極材料層と、を含んでいる。
【0022】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法は、各チップ部内に設けられた保護層上に帯電防止膜を形成する工程をさらに備えていてもよい。この場合、好ましくは、前記帯電防止膜の表面抵抗は、前記保護層の表面抵抗よりも小さく、かつ前記電極パターンの表面抵抗および前記導電パターンの表面抵抗よりも大きくなっている。
【発明の効果】
【0023】
第1および第2の本発明によれば、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの基板の一面上には、タッチパネルセンサ部と、導電性を有する除電パターンとが設けられている。この除電パターンは、少なくとも部分的に前記基板の外縁に達しており、かつ、タッチパネルセンサ部の電極パターン、端子部および導電パターンのいずれにも接触していない。また、この除電パターンは、内方に向かって先細になる先細領域を含んでおり、この先細領域の先端部は、保護層により覆われている。このため、静電気により保護層が帯電した場合であっても、保護層の電荷を除電パターンに逃がすことができる。また、内方に向かって先細になる先細領域を用いて除電パターンを構成することにより、保護層の電荷が先細領域の先端部に集まりやすくなっている。このため、保護層の電荷をより確実に除電パターンに逃がすことができる。これによって、保護層の帯電量が大きくなるのを抑制することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、電極パターン、端子部および導電パターンが損傷するのを防ぐことができる。また、仮に放電が生じるとしても、除電パターンを設けることにより、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部ではなく除電パターンにすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。
【0024】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法は、ワーク基板の一面上の各チップ部にタッチパネルセンサ部を形成する工程と、ワーク基板の一面上の各チップ部に導電性を有する除電パターンを形成する工程と、ワーク基板の一面上の外枠部に、各除電パターンに電気的に接続され、導電性を有する外枠除電パターンを設ける工程と、ワーク基板の他面上の各チップ部にカラーフィルタ部を形成する工程と、を備えている。このため、ワーク基板の他面上にカラーフィルタ部を形成する間、ワーク基板に発生し得る静電気を低減することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。また、仮に放電が生じるとしても、除電パターンおよび外枠除電パターンを設けることにより、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部ではなく除電パターンまたは外枠除電パターンにすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本実施の第1の実施の形態におけるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを示す平面図。
【図2A】図2Aは、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをIIA−IIA方向から見た縦断面図。
【図2B】図2Bは、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをIIB−IIB方向から見た縦断面図。
【図2C】図2Cは、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをIIC−IIC方向から見た縦断面図。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態における表示装置を示す縦断面図、図3(b)は、図3(a)の表示装置のカラーフィルタ部を矢印IIIb−IIIbから見た図、図3(c)は、図3(a)の表示装置の表示基板を矢印IIIc−IIIcから見た図。
【図4A】図4Aは、透明電極材料を用いてワーク基板上にx電極単位、y電極単位およびx接続部を形成する工程を示す平面図。
【図4B】図4Bは、図4Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図4C】図4Cは、図4Bのワーク基板をIVC−IVC方向から見た縦断面図。
【図5A】図5Aは、ワーク基板上に絶縁層を形成する工程を示す平面図。
【図5B】図5Bは、図5Aのワーク基板をVB−VB方向から見た縦断面図。
【図6A】図6Aは、導電性材料を用いてワーク基板上に導電パターン,端子部およびy接続部を形成する工程を示す平面図。
【図6B】図6Bは、図6Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図6C】図6Cは、図6Bのワーク基板をVIC−VIC方向から見た縦断面図。
【図7A】図7Aは、ワーク基板上に保護層を形成する工程を示す平面図。
【図7B】図7Bは、図7Aのワーク基板をVIIB−VIIB方向から見た縦断面図。
【図8】図8は、カラーフィルタ部を形成する方法を示す図。
【図9】図9(a)(b)は、ワーク基板が支持台から剥離される様子を示す図。
【図10】図10は、本実施の第1の実施の形態において、除電パターンの形状の変形例を示す図。
【図11A】図11Aは、本実施の第1の実施の形態において、除電パターンの層構成の変形例を示す図。
【図11B】図11Bは、本実施の第1の実施の形態において、除電パターンの層構成のその他の変形例を示す図。
【図11C】図11Cは、本実施の第1の実施の形態において、タッチパネルセンサ部の層構成の変形例を示す図。
【図12A】図12Aは、本実施の第2の実施の形態において、ワーク基板の一面上に形成されたタッチパネルセンサ部を示す平面図。
【図12B】図12Bは、図12Aのワーク基板70をXIIB−XIIB方向から見た縦断面図。
【図13A】図13Aは、本実施の第3の実施の形態におけるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを示す平面図。
【図13B】図13Bは、図13Aのカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをXIIIB−XIIIB方向から見た縦断面図。
【図14A】図14Aは、本実施の第3の実施の形態において、除電パターンの形状の変形例を示す図。
【図14B】図14Bは、図14Aのワーク基板をXIVB−XIVB方向から見た縦断面図。
【図15A】図15Aは、本実施の第4の実施の形態におけるタッチパネルセンサ部を示す平面図。
【図15B】図15Bは、図15Aのタッチパネルセンサ部をXVB−XVB方向から見た縦断面図。
【図16】図16は、本実施の第4の実施の形態において、除電パターンの形状の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1乃至図9(a)(b)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図3(a)(b)(c)により、本実施の形態におけるタッチパネル機能付き表示装置60全体について説明する。なお本実施の形態においては、タッチパネル機能付き表示装置60の例として、タッチパネル機能付き液晶表示装置を示している。しかしながら、これに限定されることはなく、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど、タッチパネル機能を備えたその他の表示装置の場合においても、本願発明を適用することにより、タッチパネル機能付き液晶表示装置の場合と同様の効果を得ることができる。
【0027】
表示装置
図3(a)に示すように、タッチパネル機能付きの表示装置60は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20と、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20に対向するよう設けられたTFT基板(表示基板)50と、を備えている。図3(a)に示すように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、基板11と、基板11の一面11a上に設けられたタッチパネルセンサ部10と、基板11の他面11b上に設けられたカラーフィルタ部30と、を有している。また、TFT基板50は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のカラーフィルタ部30と対向するよう設けられている。すなわち、基板11の他面11b側が表示基板(TFT基板)側となっており、基板11の一面11a側が観察者側となっている。
【0028】
図3(a)に示すように、カラーフィルタ部30とTFT基板50との間には液晶40が充填されており、この液晶40は封止材41により封止されている。なお図示はしないが、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のタッチパネルセンサ部10上には、透光性を有した保護カバーが透明接着剤などを介して設けられていてもよい。保護カバーは、タッチパネルセンサ部10および表示装置60を保護するためのものであり、タッチパネル機能付き表示装置60の入力面(タッチ面、接触面)として機能する。
【0029】
図3(c)は、図3(a)に示す表示装置60のTFT基板50を矢印IIIc−IIIcの方向から見た場合を示す図である。図3(c)に示すように、TFT基板50は、基板51と、液晶40に印加される電圧を制御する複数の透明電極部52と、透明電極部52に制御電圧を印加する配線部53とを有している。このうち各透明電極部52は、各々が表示装置60の単位画素に対応している。
【0030】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ
次に図1乃至図2Cおよび図3(a)(b)を参照して、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20について説明する。上述のように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、基板11と、基板11の一面11a上に設けられたタッチパネルセンサ部10と、基板11の他面11b上に設けられたカラーフィルタ部30と、を有している。
【0031】
基板11は、図1に示すように、4辺から構成される矩形形状を有している。しかしながら、基板11の形状が矩形に限られることはなく、基板11の形状として、多角形や円形などが適宜選択され得る。この基板11の材料は、TFT基板50の発光を外部に取り出すことができ、かつ水分および酸素を効率的に遮断することができる限り特に限定されるものではない。例えば、光透過性、安定性や耐久性等に優れたガラスやポリマー等を使用することができる。
【0032】
カラーフィルタ部
次に図3(a)(b)を参照して、カラーフィルタ部30について説明する。図3(b)は、図3(a)に示す表示装置60のカラーフィルタ部30を矢印IIIb−IIIbの方向から見た場合を示す図である。図3(b)に示すように、カラーフィルタ部30は、基板11と、基板11の他面11b上に設けられたブラックマトリクス層31と、基板11の他面11b上でブラックマトリクス層31間に設けられた複数色の着色層32と、を有している。
【0033】
カラーフィルタ部30のブラックマトリックス層31は、カラーフィルタ部30の法線方向から見て上述したTFT基板50の配線部53に重なり合うよう配置されている。ブラックマトリックス層31としては、遮光性を有する材料からなる層が用いられる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングして形成したもの、および、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングして形成したもの等、遮光性を有するものが用いられ得る。ブラックマトリックス層31の厚さは、要求される遮光性などに応じて適宜調整される。
【0034】
複数色の着色層32は、TFT基板50および液晶40を通った光の色を調整するものであり、少なくとも、赤色着色層、青色着色層および緑色着色層を含んでいる。
このうち赤色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
青色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
緑色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料または染料は、単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
複数色の着色層32が上記の赤色着色層、青色着色層および緑色着色層に限られることは無く、その他の色の着色層、例えば黄色着色層が含まれていてもよい。
【0035】
なお、ブラックマトリクス層31および着色層32と液晶40の間に保護膜(図示せず)が設けられていてもよい。保護膜の材料としては、珪素、アルミニウム、亜鉛またはスズの酸化物または酸窒化物からなる透明材料、あるいはアクリル樹脂等の有機絶縁膜を挙げることができる。また、ブラックマトリクス層31及び着色層32の表面に、画素表示用の共通透明電極(図示せず)が設けられていてもよい。さらに、ブラックマトリクス層31上に、カラーフィルタ部30とTFT基板50との間の空隙を保持するためのスペーサ(図示せず)が設けられていてもよい。
【0036】
タッチパネルセンサ部
次に図1乃至図2Cを参照して、タッチパネルセンサ部10について説明する。図1は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20をタッチパネルセンサ部10側から見た場合を示す平面図である。図2A乃至図2Cはそれぞれ、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20をIIA−IIA方向乃至IIC−IIC方向からそれぞれ見た縦断面図である。
【0037】
タッチパネルセンサ部10は、基板11の一面11a上に所定パターンで設けられた複数の電極パターン13,15と、基板11の一面11a上に設けられた複数の端子部17と、基板11の一面11a上に設けられた複数の導電パターン14,16と、を有している。このうち複数の端子部17は、各々が各電極パターン13,15に一対一で対応するよう設けられている。また複数の導電パターン14,16は、各々が各電極パターン13,15と各端子部17との間を電気的に接続するよう設けられている。また基板11の一面11a上には、各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16を覆う保護層22がさらに設けられている。なお図1においては、説明の便宜上、保護層22が一点鎖線により表されている。
【0038】
タッチパネルセンサ部10において、複数の電極パターン13,15が設けられている領域は、タッチパネルセンサ部10が表示装置60に組み込まれているときに画像が表示される表示領域となっている。一方、複数の導電パターン14,16および端子部17が設けられている領域は、画像が表示されない非表示領域となっている。
【0039】
(電極パターン)
はじめに電極パターン13,15について詳細に説明する。図1に示すように、複数の電極パターン13,15は、x方向に延びる複数のx電極パターン13と、y方向に延びる複数のy電極パターン15とからなっている。このうち各x電極パターン13は、略正方形の形状を有する複数のx電極単位13aと、隣接するx電極単位13a間を接続するx接続部13bと、を含んでいる。同様に、各y電極パターン15は、略正方形の形状を有する複数のy電極単位15aと、隣接するy電極単位15a間を接続するy接続部15bと、を含んでいる。
【0040】
x電極単位13aおよびy電極単位15aの寸法は、タッチパネルセンサ部10によって検知される指又はペン等に対する必要解像度により決定され、例えば5mm×5mmとなっている。なお、x電極単位13aおよびy電極単位15aの形状が正方形に限られることはなく、多角形や円形など様々な形状が適宜選択され得る。またx接続部13bおよびy接続部15bの寸法は、各x電極単位13a間および各y電極単位15a間を低抵抗で接続するよう設定されている。例えば、x接続部13bおよびy接続部15bの幅は5〜200μmの範囲内となっており、x接続部13bおよびy接続部15bの長さは100〜200μmの範囲内となっている。
【0041】
図2Aおよび図2Bに示すように、x接続部13bは、x電極単位13aおよびy電極単位15aと同一平面上に形成されている。一方、y接続部15bは、x電極単位13aおよびy電極単位15aよりも上方に配置されている。また、x接続部13bおよびy接続部15bは、基板11の法線方向から見て互いに重なり合うよう配置されている。さらに、x接続部13bとy接続部15bが接触し、これによってx電極パターン13とy電極パターン15との間が導通するのを防ぐため、x接続部13bとy接続部15bとの間には絶縁層18が介在されている。なお説明の都合上、図1においては絶縁層18の表示を省略している。
【0042】
x電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aはそれぞれ、導電性を有し、かつ透明な透明電極材料から構成されている。透明電極材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物が用いられる。これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
【0043】
一方、y接続部15bは、導電パターン14,16および端子部17の材料と同一の材料を用いて形成される。y接続部15bについては後に詳細に説明する。
【0044】
(導電パターンおよび端子部)
次に導電パターン14,16および端子部17について説明する。図1に示すように、複数の導電パターン14,16は、x電極パターン13と端子部17との間を電気的に接続するx導電パターン14と、y電極パターン15と端子部17との間を電気的に接続するy導電パターン16とからなっている。
【0045】
上述のように、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17はカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の非表示領域に設けられている。このため、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17を構成する導電性材料は、透明性を有していてもよく、若しくは透明性を有していなくてもよい。すなわち、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17の導電性材料として、上述の透明電極材料と同様にITOなどの透明な材料が用いられてもよく、若しくは、上述の透明電極材料より高い電気伝導率を有する金属材料が用いられてもよい。x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17の導電性材料として用いられる金属材料の例としては、アルミニウム、モリブデン、パラジウム、銀、クロム、銅等の金属及びそれらを主成分とする合金、あるいはそれら合金を含む積層体が挙げられる。
【0046】
なお図1においては、端子部17の幅がx導電パターン14およびy導電パターン16の幅よりも大きくなっている例を示したが、これに限られることはない。端子部17が設けられる目的は、導電パターン14,16を介して伝達される電極パターン13,15からの信号を適切に外部に送るための部分を提供することである。本実施の形態において、端子部17は、導電パターン14,16に電気的に接続されており、かつ保護層22によって覆われていない部分として定義される。
【0047】
(y接続部)
次にy接続部15bについて詳述する。上述のように、y接続部15bは、導電パターン14,16および端子部17と同一の導電性材料から形成されている。このため後述するように、y接続部15bを、導電パターン14,16および端子部17と同時に形成することが可能となっている。これによって、y接続部15bと導電パターン14,16および端子部17とが別々の工程で形成される場合に比べて、より少ない工数でタッチパネルセンサ部10を製造することができる。
【0048】
なお、上述においてy接続部15bの幅が5〜200μmの範囲内となっている点について説明したが、y接続部15bの幅は、y接続部15bの材料に応じて設定されてもよい。
すなわち、導電パターン14,16、端子部17およびy接続部15bの導電性材料として、上述の透明電極材料と同様にITOなどの透明な材料が用いられる場合に、y接続部15bの幅が例えば20〜200μmの範囲内となっていてもよい。また、導電パターン14,16、端子部17およびy接続部15bの導電性材料として、上述の透明電極材料より高い電気伝導率を有する金属材料が用いられる場合に、y接続部15bの幅が例えば5〜20μmの範囲内となっていてもよい。
【0049】
導電パターン14,16、端子部17およびy接続部15bの導電性材料として金属材料が用いられる場合、好ましくは、図2A乃至図2Cに示すように、y接続部15bは、基板11の法線方向から見てカラーフィルタ部30のブラックマトリクス層31に重なり合うよう設けられている。このことにより、y接続部15bが透明性を有さない金属材料から形成される場合であっても、y接続部15bによって液晶表示装置60の表示が妨げられるのを防ぐことができる。この場合、x方向におけるブラックマトリクス層31の幅は、基材11の厚さ、x方向におけるy接続部15bの幅、液晶表示装置60の視野角などに応じて適宜設定されるが、例えば5〜100μmの範囲内となっている。
【0050】
(保護層)
次に保護層22について説明する。保護層22は、各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16を外部から保護するための層である。例えば後述するように、基板11の他面11b上にカラーフィルタ部30を設ける際、既に基板11の一面11a上に設けられているタッチパネルセンサ部10の各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16が損傷するのを防ぐための層である。また保護層22は、外部の水分を遮蔽するという役割も担っている。このような保護層22を構成する材料としては、絶縁性を有する材料が用いられ、例えば光硬化性アクリル樹脂が用いられる。
【0051】
次に、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の更なる構成要素について説明する。図1乃至図2Bに示すように、基板11の一面11a上には、導電性を有する複数の除電パターン23がさらに設けられている。以下、除電パターン23について詳細に説明する。
【0052】
除電パターン
各除電パターン23は、図1に示すように、少なくとも部分的に基板11の外縁に達するともに、電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触しないよう設けられている。また、各除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24を含んでおり、この先細領域24の先端部24aは、保護層22により覆われている。ここで「内方に向かって先細になる」とは、タッチパネルセンサ部10の非表示領域から表示領域に向かうにつれて、先細領域24の幅が狭くなることを意味している。
【0053】
この除電パターン23は、静電気により電極パターン13,15および導電パターン14,16が損傷するのを防ぐことを意図して設けられるものである。例えば、このような除電パターン23を設けることにより、保護層22への帯電量を低減させることができると考えられる。また、この除電パターン23をカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の外部に設けられた適切な導電体(図示せず)に接続することにより、保護層22に帯電している電気を、除電パターン23を介して適切に逃がすことができると考えられる。さらに、仮に保護層22の静電気が放電した場合であっても、放電の際の静電気の経路が電極パターン13,15および導電パターン14,16ではなく除電パターン23になることにより、電極パターン13,15および導電パターン14,16を保護することができると考えられる。
【0054】
また上述のように、内方に向かって先細になる先細領域24を用いて除電パターン23を構成することにより、先細領域24をいわゆる避雷針として機能させることができる。従って、保護層22の電荷が先細領域24の先端部24aに集まりやすくなっている。このため、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に逃がすことができる。これによって、保護層22の帯電量が大きくなるのをより確実に抑制することができる。
【0055】
好ましくは、先細領域24の先端部24aの角度θ(図1参照)は、0度よりも大きく、かつ90度以下となるよう設定されている。すなわち、先端部24aの角度θは鋭角または直角となっている。これによって、先細領域24の避雷針としての機能をより高めることができる。
【0056】
次に、除電パターン23の具体的な層構成について説明する。除電パターン23は、除電パターン23のうち少なくとも保護層22に接する部分が導電性を有する限りにおいて、様々な態様により構成され得る。例えば図2Aおよび図2Cに示すように、除電パターン23は、透明電極材料層27および導電性材料層29を含んでいる。また除電パターン23の先細領域24の先端部24aは、透明電極材料層27および導電性材料層29に加えてさらに先端部用絶縁層28を含んでいる。これによって、先細領域24のうち先端部24aをその他の部分に対して上方へ突出させることができる。このことにより、基板11の一面11aと平行な方向だけでなく一面11aと直交する方向においても、先細領域24をいわゆる避雷針として機能させることができる。このため、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に逃がすことができる。これによって、保護層22の帯電量が大きくなるのをより確実に抑制することができる。
【0057】
次に、除電パターン23の各層27,28,29を構成する材料について説明する。透明電極材料層27は、後述するように、上述のx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成する材料と同一の材料から、x電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aと同時に形成される。また先端部用絶縁層28は、上述の絶縁層18を形成する材料と同一の材料から、絶縁層18と同時に形成される。また導電性材料層29は、上述のy接続部15bを形成する材料と同一の材料から、y接続部15bと同時に形成される。これによって、より少ない工数で除電パターン23を形成することが可能となる。
【0058】
好ましくは、先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みは、電極パターン13,15上および導電パターン14,16上の保護層22の厚みと略同一になっている、若しくは、電極パターン13,15上および導電パターン14,16上の保護層22の厚みより小さくなっている。例えば図2Aにおいて、先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みがtで表されており、y接続部15b上の保護層22の厚みがtで表されている。そして好ましくは、先端部24a上の保護層22の厚みtが、y接続部15b上の保護層22の厚みtと略同一になっているか、若しくは、y接続部15b上の保護層22の厚みtより小さくなっている。
【0059】
ところで、先細領域24の先端部24aの透明電極材料層27,先端部用絶縁層28および導電性材料層29は、上述のようにそれぞれ、x電極単位13a,絶縁層18およびy接続部15bと同一の材料からx電極単位13a,絶縁層18およびy接続部15bと同時に形成される。このため、先細領域24の先端部24aの厚みは、x電極単位13a,絶縁層18およびy接続部15bからなる積層体の厚みと略同一となっている。従って一般に、先端部24a上に設けられる保護層22の厚みtは、y接続部15b上に設けられる保護層22の厚みtと略同一になっていると考えられる。
ここで上述のように、先細領域24は、避雷針として機能するのに適切なパターンを有している。このため、厚みtと厚みtとが略同一の場合、保護層22の電荷に起因して仮に放電が生じるとしても、放電の経路を、y接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路にすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部10の電極パターン13,15および導電パターン14,16が損傷するのを防ぐことができる。
【0060】
放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向は、先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みtが、y接続部15b上の保護層22の厚みtより小さくなっている場合により強くなると考えらえる。なぜなら、保護層22の厚みが小さい箇所ほど絶縁体耐圧が小さくなると考えられるからである。従って、好ましくは、先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みtは、y接続部15b上の保護層22の厚みtより小さくなっている。先端部24a上の保護層22の厚みtを、y接続部15b上の保護層22の厚みtより小さくするための具体的な方法については後述する。
【0061】
次に、除電パターン23の形状についてさらに詳細に説明する。上述のように、除電パターン23は、少なくとも部分的に基板11の外縁まで延びている。具体的には、除電パターン23の先細領域24が、基板11の外縁から保護層22まで延びている。このため除電パターン23を、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の外部に設けられた適切な導電体に容易に接続させることができる。例えば後述するように、カラーフィルタ部30の形成工程において、各除電パターン23を外枠除電パターン74(後述)に接続させることができる。
【0062】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20および表示装置60の製造方法について説明する。
【0063】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法
ここでは、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を製造する方法について説明する。
【0064】
はじめに、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられるワーク基板70を準備する。ワーク基板70は、一面70aと他面70bとを有している。またワーク基板70の一面70aおよび他面70bは、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が形成される複数のチップ部71と、各チップ部71を囲む外枠部72と、に区画される。後述する図4A乃至図7Bにおいて、点線で囲まれた部分がチップ部71となっている。
【0065】
後述するように、多面付けワーク基板の製造方法において、はじめに、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にタッチパネルセンサ部10が形成され、次に、ワーク基板70の他面70b上の各チップ部71にカラーフィルタ部30が形成される。そして、必要に応じて各チップ部71を切り出すことにより、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が得られる。この場合、切り出されたワーク基板70が、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11となる。また、ワーク基板70の一面70aは基板11の一面11aに対応しており、ワーク基板70の他面70bは基板11の他面11bに対応している。
なお多面付けワーク基板70から各チップ部71を切り出す前に、多面付けワーク基板70とTFT基板50とが貼り合わされ、液晶セルの組み立てが行われてもよい。この場合、多面付けワーク基板70とTFT基板50とが貼り合わされた組立体から、個別の液晶セルが切り出される。
【0066】
(タッチパネルセンサ部の製造方法)
以下、図4A乃至図7Bを参照して、ワーク基板70の一面70a上にタッチパネルセンサ部10を形成する方法について説明する。
【0067】
[x電極単位,x接続部およびy電極単位の形成工程]
はじめに、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成する工程について、図4A乃至図4Cを参照して説明する。図4Aは、ワーク基板70の一面70aを示す平面図であり、図4Bは、図4Aに示すワーク基板70のチップ部71を拡大して示す図であり、図4Cは、図4Bのワーク基板70をIVC−IVC方向から見た縦断面図である。
【0068】
はじめに、ワーク基板70の一面70a上にITOなどの透明電極材料を設ける。透明電極材料を設けるための方法が特に限定されることはなく、例えばスパッタリングなどの方法が適宜用いられる。
【0069】
次に図4A乃至図4Cに示すように、ワーク基板70の一面70a上に設けられた透明電極材料をパターンニングして、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成する。同時に、図4A乃至図4Cに示すように、チップ部71のうち後に除電パターン23が設けられる部分、および外枠部72に、透明電極材料からなる透明電極材料層27が形成される。
【0070】
透明電極材料をパターンニングする方法は特には限定されず、様々な公知のパターンニング方法を用いることができる。例えばフォトリソグラフィー法を用いることができる。
【0071】
[絶縁層の形成工程]
次に絶縁層18を形成する工程について、図5Aおよび図5Bを参照して説明する。図5Aは、ワーク基板70のチップ部71を拡大して示す図であり、図5Bは、図5Aのワーク基板70をVB−VB方向から見た縦断面図である。
【0072】
はじめに、絶縁層18を形成するための材料、例えばアクリル樹脂をワーク基板70の一面70a上に設け、次に設けられた材料をパターニングする。これによって、図5Aおよび図5Bに示すように、x接続部13b上に絶縁層18が形成される。同時に、図5Aおよび図5Bに示すように、チップ部71のうち後に除電パターン23の先細領域24の先端部24aとなる部分に、絶縁層18の材料と同一の材料からなる先端部用絶縁層28が形成される。
【0073】
[導電パターン、端子部およびy接続部の形成工程]
次に、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にx導電パターン14,y導電パターン16,端子部17およびy接続部15bを形成する工程について、図6A乃至図6Cを参照して説明する。図6Aは、ワーク基板70の一面70aを示す平面図であり、図6Bは、図6Aに示すワーク基板70のチップ部71を拡大して示す図であり、図6Cは、図6Bのワーク基板70をVIC−VIC方向から見た縦断面図である。
【0074】
はじめに、ワーク基板70の一面70a上に導電性材料、例えばアルミニウムなどの金属材料を設ける。導電性材料を設けるための方法が特に限定されることはなく、例えばスパッタリングなどの方法が適宜用いられる。
【0075】
次に図6A乃至図6Cに示すように、ワーク基板70の一面70a上に設けられた導電性材料をパターンニングして、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にx導電パターン14,y導電パターン16,端子部17およびy接続部15bを形成する。同時に、図6A乃至図6Cに示すように、チップ部71のうち後に除電パターン23が設けられる部分、および外枠部72に、導電性材料からなる導電性材料層29が形成される。
これによって、図6Bおよび図6Cに示すように、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71に、透明電極材料層27および導電性材料層29を含む除電パターン23が形成される。この除電パターン23は、図6Bに示すように、チップ部71の外縁に達するとともに、チップ部71の内方に向かうにつれて先細になる先細領域24を含んでいる。また先細領域24の先端部24aは、図6Cに示すように、透明電極材料層27および導電性材料層29に加えてさらに先端部用絶縁層28を含んでいる。このため、先細領域24のうち先端部24aがその他の部分に対して上方へ突出している。
また図6A乃至図6Cに示すように、ワーク基板70の一面70a上の外枠部72に、透明電極材料層27および導電性材料層29を含む外枠除電パターン74が形成される。この外枠除電パターン74は、好ましくは、可能な限り大きな面積を有するようなパターンとして形成される。また外枠除電パターン74は、図6Bおよび図6Cに示すように、各チップ部71の除電パターン23に接続されている。各除電パターン23および外枠除電パターン74は、後述するように、ワーク基板70の一面70a側での帯電量を低減する除電部73として機能する。
【0076】
[保護層の形成工程]
次に保護層22を形成する工程について、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aは、ワーク基板70のチップ部71を拡大して示す図であり、図7Bは、図7Aのワーク基板70をVIIB−VIIB方向から見た縦断面図である。
【0077】
はじめに、保護層22を形成するための材料、例えばアクリル樹脂をワーク基板70の一面70a上に設け、次に設けられた材料をパターニングする。これによって、図7Aおよび図7Bに示すように、各電極パターン13,15および各導電パターン14,16を覆う保護層22が形成される。この際、パターニングは、保護層22が除電パターン23のうち少なくとも先細領域24の先端部24aを覆うよう実施される。このようにして、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にタッチパネルセンサ部10が形成される。
【0078】
ところで図7Aおよび図7Bに示すように、本実施の形態において、保護層22は各チップ部71内にのみ設けられる。すなわち、保護層22は、外枠部72には設けられない。そして外枠部72には、導電性を有する外枠除電パターン74が形成されている。このため、ワーク基板70の一面70a全域にわたって保護層が設けられている場合に比べて、ワーク基板70の一面70a上における保護層22の面積が小さくなっている。このことにより、後述するカラーフィルタ部30の形成工程において、保護層22の帯電量を小さくすることができる。
【0079】
なお保護層22をパターニングする具体的な方法が特に限られることはなく、様々なパターニング方法が適宜用いられる。例えば、上述のように保護層22を構成する材料として光硬化性アクリル樹脂が用いられる場合、パターニング方法としてフォトリソグラフィー法が用いられる。
【0080】
(カラーフィルタ部の製造方法)
次に、図8を参照して、ワーク基板70の他面70b上にカラーフィルタ部30を形成する方法について説明する。図8は、カラーフィルタ部30を形成する際に実施される工程で用いられる装置を示す図である。この装置は、塗布手段81と、乾燥手段82と、プリベーク手段83と、露光・現像手段84と、水切り手段85とを備えている。
【0081】
図8に示すように、はじめにワーク基板70は、複数のタッチパネルセンサ部10が形成された一面70aが下方に向くよう上下反転される。次に図8に示すように、塗布手段81において、ブラックマトリクス層31を構成する材料を含む塗工液がワーク基板70の他面70b上のチップ部71に塗布される。この際、図8に示すように、ワーク基板70は、タッチパネルセンサ部10が形成された一面70aが下方に向けられた状態で、支持台86により吸着支持される。
【0082】
次に図8に示すように、乾燥手段82において、塗工液に含まれる溶剤が減圧乾燥により除去される。なお、ワーク基板70を塗布手段81から乾燥手段82まで搬送する手段として、例えば図8に示すように、回転する搬送ローラー87が用いられる。この場合、ワーク基板70の一面70a上に形成されたタッチパネルセンサ部10が搬送ローラー87に接触しながら、ワーク基板70が搬送ローラー87により搬送される。
【0083】
その後、図8に示すように、プリベーク手段83において、例えばホットプレートを用いることにより、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料が加熱される。これによって、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料の乾燥が進む。次に、露光・現像手段84において、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料がパターニングされる。これによって、他面70b上に、上述の図3(b)に示すような所定のパターンを有するブラックマトリクス層31が形成される。その後、水切り手段85において、ブラックマトリクス層31上に残っている液がエアーナイフにより除去される。
【0084】
次に、ブラックマトリクス層31の間に着色層32を形成する。このようにして、ワーク基板70の他面70b上の各チップ部71にカラーフィルタ部30が形成される。これによって、ワーク基板70の各チップ71にカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が形成される。なお、着色層32を形成する際に実施される工程は、用いられる材料が異なるという点を除いて、上述のブラックマトリクス層31を形成する際に実施される工程と略同一である。従って、着色層32を形成する工程の詳細な説明は省略される。
【0085】
(剥離の際の作用効果)
ところで、塗布手段81などにおいては、図9(a)に示すように、複数の吸着穴88を有する支持台86によってワーク基板70が支持される。ここで図9(b)は、ワーク基板70を支持台86から剥離させようとしている状態を示す図である。この場合、剥離の際の剥離帯電に起因して、タッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電することが考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、ワーク基板70の一面70a上には、保護層22に接続された除電パターン23と、除電パターン23に接続された外枠除電パターン74とが設けられている。このため、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン23および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、ワーク基板70を支持台86から剥離させる際、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0086】
また本実施の形態によれば、上述のように、除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24を含み、先細領域24の先端部24aは、保護層22により覆われている。このため、先細領域24をいわゆる避雷針として機能させることができる。従って、保護層22の電荷が先細領域24の先端部24aに集まりやすくなっている。このことにより、保護層22における帯電量をより確実に低減させることができる。
【0087】
さらに本実施の形態によれば、除電パターン23の先細領域24のうち先端部24aが、その他の部分に対して上方へ突出している。これによって、先細領域24の避雷針としての機能がさらに高められている。従って、保護層22の電荷が先細領域24の先端部24aにより集まりやすくなっており、このことにより、保護層22における帯電量をより確実に低減させることができる。
【0088】
また、ワーク基板70と支持台86との間で仮に放電が生じるとしても、放電は、より面積が大きく、かつ電気抵抗の低い箇所で生じると考えられる。すなわち、ワーク基板70の外枠部72に大面積を有するパターンで設けられ、かつ保護層22により覆われていない外枠除電パターン74において放電が生じると考えられる。このため、仮に放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、タッチパネルセンサ部10ではなく外枠除電パターン74に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0089】
また、仮にタッチパネルセンサ部10の保護層22において放電が生じるとしても、放電は、より電気抵抗の低い経路を通って生じると考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、除電パターン23の先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みtが、電極パターン13,15上および導電パターン14,16上の保護層22の厚みt以下となっている。すなわち、保護層22の厚み方向において、先細領域24の先端部24a上の保護層22の電気抵抗は、極パターン13,15上および導電パターン14,16上の保護層22の電気抵抗よりも小さくなっている。このため、仮に放電が生じるとしても、放電の経路は、電極パターン13,15または導電パターン14,16を通る経路ではなく、除電パターン23の先細領域24の先端部24aを通る経路で生じると考えられる。このため、仮に保護層22において放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、電極パターン13,15または導電パターン14,16ではなく除電パターン23に発生し易いと考えられる。すなわち、除電パターン23を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0090】
またワーク基板70を支持台86から剥離させる際、一般には、ワーク基板70全体が支持台86から同時に剥離されるのではなく、ワーク基板70の一部分が他の部分よりも先に剥離される。例えば、ワーク基板70の端部分(一端部分および一端部分の反対側にある他端部分)が、ワーク基板70の中央部分よりも先に剥離される。若しくは、はじめにワーク基板70の一端部分が剥離され、次にワーク基板70の中央部分が剥離され、最後にワーク基板の他端部分が剥離される。このように時間差を設けてワーク基板70の各部分を剥離することは、剥離帯電を低減することを目的として実施されている。
ここで図9(b)に示すように、ワーク基板70の外縁近傍が最後まで支持台86に接触している場合について考える。この際、仮に静電気の放電が発生する場合、この放電は各タッチパネルセンサ部10の外縁近傍で生じると考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、除電パターン23は、電極パターン13,15や導電パターン14,16よりもタッチパネルセンサ部10の外縁に近い領域に設けられている。このため、仮に静電気の放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、電極パターン13,15や導電パターン14,16ではなく除電パターン23に発生し易いと考えられる。すなわち本実施の形態によれば、時間差を設けてワーク基板70の各部分を剥離することにより、剥離帯電を低減するだけでなく、放電による損傷が除電パターン23において生じ易くすることができる。これによって、電極パターン13,15および導電パターン14,16が損傷するのをより確実に防ぐことができる。
【0091】
好ましくは、ワーク基板70を支持台86から剥離させる際、ワーク基板70の一面70a上の外枠除電パターン74が、適切な手段により接地され、または外部の適切な導電体に接続される。これによって、除電パターン23および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができ、このことにより、保護層22に蓄えられている静電気を除電パターン23および外枠除電パターン74にさらに引き受けさせることが可能となる。これによって、保護層22における帯電量をより低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのをより確実に防ぐことができる。
【0092】
除電パターン23および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすための具体的な手段が特に限定されることはなく、様々な手段が用いられ得る。例えば、ワーク基板70を支持台86から剥離させる手段として、支持台86から上方に突出して支持台86上のワーク基板70を持ち上げるリフトピン(図示せず)が用いられる場合について考える。この場合、導電性を有する材料を用いてリフトピンを構成し、かつリフトピンを接地しておき、そしてリフトピンを除電パターン23または外枠除電パターン74に接触させることにより、除電パターン23および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができる。また、支持台86自体を導電性を有する材料で構成し、かつ支持台86を接地しておくことにより、除電パターン23および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすこともできる。
【0093】
(搬送の際の作用効果)
また回転する搬送ローラー87によってワーク基板70を搬送する場合、搬送ローラー87に起因してタッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電することが考えられる。例えば、搬送ローラー87が空転する際に搬送ローラー87が帯電し、この電気がタッチパネルセンサ部10の保護層22に伝導されることが考えられる。この場合も、上述の剥離帯電の場合と同様に、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン23および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。
【0094】
また、ワーク基板70と搬送ローラー87との間で仮に放電が生じるとしても、放電は、上述の剥離帯電の場合と同様に、外枠除電パターン74または除電パターン23に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74および除電パターン23を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0095】
好ましくは、ワーク基板70を搬送ローラー87によって搬送する際、ワーク基板70の一面70a上の外枠除電パターン74が、適切な手段により接地され、または外部の適切な導電体に接続される。これによって、除電パターン23および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができ、このことにより、保護層22に蓄えられている静電気を除電パターン23および外枠除電パターン74にさらに引き受けさせることが可能となる。これによって、保護層22における帯電量をより低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのをより確実に防ぐことができる。
【0096】
(液切りの際の作用効果)
また水切り手段85においてエアーナイフを用いてワーク基板70上の液を除去する際、エアーナイフによる大気との摩擦帯電によってタッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電することが考えられる。この場合も、上述の剥離帯電の場合と同様に、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン23および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。
【0097】
また、摩擦帯電によって仮に放電が生じるとしても、放電は、上述の剥離帯電の場合と同様に、外枠除電パターン74または除電パターン23に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74および除電パターン23を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0098】
(その他の作用効果)
また、カラーフィルタ部30の形成工程の間ではなく、タッチパネルセンサ部10の形成工程において既に保護層22が帯電していることも考えられる。例えば、タッチパネルセンサ部10の保護層22が光硬化性アクリル樹脂からなる場合、光硬化工程時に分子が光によって励起されることに起因して、保護層22の表面と内部で分極が起こることが考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、ワーク基板70の一面70a上には、除電パターン23と、除電パターン23に接続された外枠除電パターン74とが設けられている。このうち除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24を含み、先細領域24の先端部24aは、保護層22により覆われている。このため、保護層22内部の電荷を除電パターン23の先細領域24の先端部24aに集め、そして外枠除電パターン74に逃がすことができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、タッチパネルセンサ部10の形成工程に起因して保護層22の表面と内部で分極が起こっている場合であっても、放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0099】
表示装置の製造方法
次に、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられた多面付けワーク基板70から、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20を1つ1つ取り出す。この際の具体的な方法が特に限られることはなく、例えば切断によりカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が取り出される。ここで、好ましくは、保護層22は、ワーク基板70の一面70a上において、チップ部71内にのみ設けられている。このため、ワーク基板70の切断の際、保護層22が切断されることはない。すなわち、切断の際に保護層22に過大な力が印加されることはない。これによって、切断の際に保護層22がワーク基板70の一面70a上から剥離されるのを防ぐことができる。
【0100】
取り出されたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、図3(a)(b)(c)に示すように、液晶40およびTFT基板50と組み合わされる。また、必要に応じて、タッチパネルセンサ部10上に保護カバー(図示せず)が透明接着剤などを介して設けられる。このようにして、タッチパネル機能付き表示装置60が製造される。
【0101】
本実施の形態によれば、上述のように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11の一面11aには、タッチパネルセンサ部10と、導電性を有する除電パターン23とが設けられている。この除電パターン23は、少なくとも部分的に基板11の外縁に達しており、かつ、タッチパネルセンサ部10の電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触していない。また、この除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24を含んでおり、この先細領域24の先端部24aは、保護層22により覆われている。このため、静電気により保護層22が帯電した場合であっても、保護層22の電荷を除電パターン23に逃がすことができる。また、内方に向かって先細になる先細領域24を用いて除電パターン23を構成することにより、保護層22の電荷が先細領域24の先端部24aに集まりやすくなっている。このため、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に逃がすことができ、これによって、保護層22の帯電量が大きくなるのを抑制することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16が損傷するのを防ぐことができる。また、仮に放電が生じるとしても、除電パターン23を設けることにより、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部10ではなく除電パターン23にすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0102】
また本実施の形態によれば、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられた多面付けワーク基板70を製造する際、ワーク基板70の一面70a上の外枠部72に、除電パターン23に接続された外枠除電パターン74が設けられている。このため、保護層22の電荷を除電パターン23を介して外枠除電パターン74に引き受けさせることができ、これによって、保護層22の帯電量が大きくなるのを抑制することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16が損傷するのを防ぐことができる。
【0103】
また本実施の形態によれば、除電パターン23および外枠除電パターン74は、透明電極材料をパターニングする際にx電極単位13a、y電極単位15aおよびx接続部15bと同時に形成される透明電極材料層27と、導電性材料をパターニングする際にy接続部15bと同時に透明電極材料層27上に形成される導電性材料層29と、を含んでいる。このため、ワーク基板70にタッチパネルセンサ部10のみを形成する場合の工数と同一の工数で、除電パターン23および外枠除電パターン74からなる除電部73を形成することができる。このことにより、除電部73を含むカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20を簡易に製造することができる。
【0104】
また本実施の形態によれば、除電パターン23の先細領域24の先端部24aは、透明電極材料層27と導電性材料層29との間に介在され、絶縁層18と同時に絶縁層18と同一の材料から形成される先端部用絶縁層28をさらに含んでいる。このため、上方に突出した先端部24aを含む先細領域24からなる除電パターン23を、ワーク基板70にタッチパネルセンサ部10のみを形成する場合の工数と同一の工数で形成することができる。このことにより、避雷針としての機能がより高められた除電部73を含むカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20を簡易に製造することができる。
【0105】
除電パターンの形状の変形例
なお除電パターン23の具体的な形状や数が特に限られることはなく、様々な形状を有する除電パターン23が所望の数だけ設けられ得る。例えば図10に示すように、各除電パターン23は、内方に向かって先細になる複数の先細領域24を含んでいてもよい。これによって、避雷針として機能する部分をより多くすることができ、このことにより、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に集めることができる。
【0106】
除電パターンの層構成の変形例
また本実施の形態によるタッチパネルセンサ部10の形成工程において、はじめにx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aが形成され、次にx接続部13b上に絶縁層18が形成され、その後にy接続部15bが形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11Aに示すように、はじめにy接続部15bを形成し、次にy接続部15b上に絶縁層18を形成し、その後にx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成してもよい。
【0107】
具体的には、はじめに、ワーク基板70の一面70a上に導電性材料を設ける。次に、設けられた導電性材料をパターニングすることによりy接続部15bを形成する。その後、y接続部15b上に絶縁層18を形成する。次に、ワーク基板70の一面70a上に透明電極材料を設ける。その後、設けられた透明電極材料をパターニングすることにより、x電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成する。これによってタッチパネルセンサ部10が形成される。
【0108】
この場合、図11Aに示すように、外枠除電パターン74および除電パターン23は、導電性材料をパターニングする際にy接続部15bと同時に形成される導電性材料層29と、透明電極材料をパターニングする際にx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aと同時に導電性材料層29上に形成される透明電極材料層27と、を含んでいる。また図11Aに示すように、除電パターン23の先細領域24の先端部24aは、透明電極材料層27と導電性材料層29との間に介在され、絶縁層18と同時に絶縁層18と同一の材料から形成される先端部用絶縁層28をさらに含んでいる。
【0109】
除電パターンの層構成のその他の変形例
また本実施の形態において、除電パターン23の先細領域24の先端部24aが、透明電極材料層27と導電性材料層29との間に介在された先端部用絶縁層28を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11Bに示すように、先細領域24の先端部24aが、透明電極材料層27および導電性材料層29のみからなっていてもよい。すなわち、先細領域24のうち先端部24aがその他の部分に対して上方へ突出していていなくてもよい。
また本実施の形態において、外枠除電パターン74および除電パターン23が、透明電極材料層27および導電性材料層29の両方を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、外枠除電パターン74および除電パターン23が透明電極材料層27または導電性材料層29のいずれか一方のみから形成されていてもよい。若しくは、外枠除電パターン74および除電パターン23が、透明電極材料層27または導電性材料層29とは異なるその他の導電性を有する材料から形成されていてもよい。
これらの場合であっても、内方に向かって先細になる先細領域24がいわゆる避雷針として機能することができ、このため、保護層22の電荷を先細領域24の先端部24aに集めることができる。
【0110】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法の変形例
また本実施の形態において、保護層22を形成する際のパターニング方法としてフォトリソグラフィー法が用いられる例を示した。この場合、保護層22のパターニングは、先細領域24の先端部24a上の保護層22の厚みtがy接続部15b上の保護層22の厚みtより小さくなるよう実施されてもよい。
例えば保護層22の材料としてネガ型感光性樹脂材料が用いられる場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分における透過率がy接続部15bに対応する部分における透過率よりも小さくなっているハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により、保護層22のパターニングが実施されてもよい。この場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分に照射される露光光の強度が、y接続部15bに対応する部分に照射される露光光の強度よりも小さくなっている。このため、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtが、y接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくなる。これによって、上述のように、放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向をより強くすることができる。
若しくは保護層22の材料としてポジ型感光性樹脂材料が用いられる場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分における透過率がy接続部15bに対応する部分における透過率よりも大きくなっているハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により、保護層22のパターニングが実施されてもよい。この場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分に照射される露光光の強度が、y接続部15bに対応する部分に照射される露光光の強度よりも大きくなっている。このため、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtが、y接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくなる。これによって、上述のように、放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向をより強くすることができる。
【0111】
なお、通常のフォトマスクは、フォトマスク用透明基材と、フォトマスク用透明基材上に所定パターンで設けられた金属薄膜等の遮光部材と、からなっている。そして通常のフォトマスクは、透過部(フォトマスク用透明基材が露出する部位)と、遮光部(遮光部材が形成された部位)と、を有する2階調のフォトマスクとなっている。一方、上述のハーフトーンマスクは、透過部および遮光部に加え、透過部と遮光部の中間の透過率を有する中間透過率部を有している。このためハーフトーンマスクは、3階調以上の階調を有するフォトマスクとなっている。中間透過率部は、半透過性の薄膜等で形成される。
【0112】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法のその他の変形例
また上述のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法の変形例において、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtをy接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくするため、保護層22のパターニングがハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により実施される例を示した。しかしながら、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtをy接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくするための方法がこれに限られることはない。例えば、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により絶縁層18および先端部用絶縁層28のパターニングを実施することによって、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtをy接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくすることができる。以下、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により絶縁層18および先端部用絶縁層28のパターニングを実施する場合について、図11Cを参照して説明する。なお図11Cにおいて、保護層22の形状は、保護層22を塗布する際の保護層22自体のレベリング効果を考慮して表されている。
【0113】
例えば絶縁層18および先端部用絶縁層28の材料としてネガ型感光性樹脂材料が用いられる場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分における透過率がy接続部15bに対応する部分における透過率よりも大きくなっているハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により、絶縁層18および先端部用絶縁層28のパターニングが実施されてもよい。この場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分に照射される露光光の強度が、y接続部15bに対応する部分に照射される露光光の強度よりも大きくなっている。このため図11Cに示すように、先細領域24の先端部24a上に形成される先端部用絶縁層28の厚みtが、y接続部15b上に形成される絶縁層18の厚みtより大きくなる。その後、先端部用絶縁層28および絶縁層18の上に、導電性材料層29およびy接続部15bが設けられ、さらに保護層22が設けられる。この場合、基板11の一面11aから導電性材料層29の表面(一側の面)までの距離は、基板11の一面11aからy接続部15bの表面(一側の面)までの距離よりも大きくなっている。このため、保護層22自体のレベリング効果により、図11Cに示すように、導電性材料層29上、すなわち先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtが、y接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくなる。これによって、放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向をより強くすることができる。
また図11Cに示すように、基板11の一面11aから保護層22の表面(一側の面)までの距離に関しても、先細領域24の先端部24aにおける距離tの方が、y接続部15bにおける距離tよりも大きくなっている。このため、先細領域24の先端部24a上の保護層22が、他の位置にある保護層22に比べて突出している。このため、カラーフィルタ部30の製造工程において上述のようにワーク基板70を支持台86から剥離させる際、先細領域24の先端部24a上の保護層22が、最後に支持台86から離れる箇所となる。このことにより、剥離の際に放電が生じるとしても、放電の経路が除電パターン23を通る経路となる。これによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0114】
若しくは絶縁層18および先端部用絶縁層28の材料としてポジ型感光性樹脂材料が用いられる場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分における透過率がy接続部15bに対応する部分における透過率よりも小さくなっているハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により、絶縁層18および先端部用絶縁層28のパターニングが実施されてもよい。この場合、先細領域24の先端部24aに対応する部分に照射される露光光の強度が、y接続部15bに対応する部分に照射される露光光の強度よりも小さくなっている。このため図11Cに示すように、先細領域24の先端部24a上に形成される先端部用絶縁層28の厚みtが、y接続部15b上に形成される絶縁層18の厚みtより大きくなる。これによって、保護層22自体のレベリング効果により、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtを、y接続部15b上に形成される保護層22の厚みtより小さくすることができる。このことにより、放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向をより強くすることができる。
【0115】
なお本変形例においても、上述のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法の変形例の場合と同様に、保護層22のパターニングがハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法により実施されてもよい。これによって、先細領域24の先端部24a上に形成される保護層22の厚みtを、y接続部15b上に形成される保護層22の厚みtよりさらに小さくすることができる。このことにより、放電の経路がy接続部15bを通る経路ではなく除電パターン23を通る経路になるという傾向をさらに強くすることができる。
【0116】
第2の実施の形態
次に図12Aおよび図12Bを参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。ここで図12Aは、本実施の第2の実施の形態において、ワーク基板上に形成されたタッチパネルセンサ部を示す平面図であり、図12Bは、図12Aのワーク基板をXIIB−XIIB方向から見た縦断面図である。
【0117】
図12Aおよび図12Bに示す第2の実施の形態は、タッチパネルセンサ部の保護層上に帯電防止膜が設けられている点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と略同一である。図12Aおよび図12Bに示す第2の実施の形態において、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0118】
図12Aおよび図12Bに示すように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のタッチパネルセンサ部10は、保護層22上に設けられた透明な帯電防止膜22aをさらに有している。この帯電防止膜22aは、例えば図12Aに示すように、保護層22全体を覆うベタ層として形成されている。しかしながら、帯電防止膜22aの形状が図12Aに示す形状に限られることはない。帯電防止膜22aは、基板11の法線方向から見て少なくとも除電パターン23の先細領域24の先端部24aに重なるよう設けられていればよい。
【0119】
帯電防止膜22aの表面抵抗は、保護層22の表面抵抗よりも小さく、かつ電極パターン13,15およびx導電パターン14,16の表面抵抗よりも大きくなっている。このような帯電防止膜22aを設けることにより、電極パターン13,15および導電パターン14,16を通る信号を乱すことなく、保護層22に帯電している電荷の水平方向、すなわち保護層22の表面に平行な方向における移動を促進することができる。例えば、保護層22の表面の中央近傍に存在する電荷を、帯電防止膜22aを介して除電パターン23近傍まで移動させ、そして電荷を除電パターン23に逃がすことができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0120】
各層の表面抵抗の値についてより具体的に説明する。保護層22の表面抵抗は、例えば1014Ω/□以上となっており、またx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aの表面抵抗は、例えば10Ω/□以下となっている。一方、帯電防止膜22aの表面抵抗は、例えば10〜1013Ω/□の範囲内となっている。そして、帯電防止膜22aは、その表面抵抗の値が上記の範囲内となるよう、その厚みおよび材料が適切に選択される。例えば帯電防止膜22aの材料として、金属または金属酸化物または有機化合物の導電性微粒子を含むアクリル樹脂が用いられ得る。
【0121】
なお本実施の形態において、除電パターン23および外枠除電パターン74の具体的な層構成が図12Bに示す例に限られることはなく、図11Aまたは図11Bに示す第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、除電パターン23および外枠除電パターン74を様々な層で形成することができる。
【0122】
第3の実施の形態
次に図13Aおよび図13Bを参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。ここで図13Aは、本実施の第3の実施の形態におけるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを示す平面図であり、図13Bは、図13Aのカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをXIIIB−XIIIB方向から見た縦断面図である。
【0123】
図13Aおよび図13Bに示す第3の実施の形態は、タッチパネルセンサ部の除電パターンが線状領域を含む点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と略同一である。図13Aおよび図13Bに示す第3の実施の形態において、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0124】
図13Aおよび図13Bに示すように、除電パターン23は、内方に向かって先細になる先細領域24に加えて、線状領域25をさらに含んでいる。この線状領域25は、図13Aに示すように、その全域にわたって基板11の外縁に達するとともに、基板11の外縁に平行に延びるものである。この場合、各先細領域24は、図13Aに示すように、線状領域25の延びる方向に交差するよう線状領域25から突出している。ここで「線状領域25の延びる方向に交差する」とは、線状領域25の延びる方向と、先細領域24の突出方向とが平行でないことを意味している。例えば図13Aに示す例においては、線状領域25の延びる方向と、先細領域24の突出方向とが直交している。
【0125】
図示はしないが、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の製造工程において、図13Aに示す線状領域25は、全域にわたってワーク基板70の外枠部72に形成される外枠除電パターン74に接続されている。このため、保護層22に帯電している電荷をより低い電気抵抗で外枠除電パターン74側へ逃がすことができる。このことにより、静電気の放電によって電極パターン13,15、端子部17、導電パターン14,16および保護層22が損傷するのをより確実に防ぐことができる。
【0126】
除電パターンの形状の変形例
なお本実施の形態において、線状領域25が、その全域にわたって基板11の外縁に達する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、線状領域25が少なくともその一部において基板11の外縁(チップ部71の外縁)に達していればよい。
【0127】
図14Aは、本実施の形態の変形例において、ワーク基板70の一面70aに形成されたタッチパネルセンサ部10、除電パターン23および外枠除電パターン74を示す図であり、図14Bは、図14Aのワーク基板70をXIVB−XIVB方向から見た縦断面図である。図14Aおよび図14Bに示す例においては、除電パターン23の線状領域25の端部のみが、矩形状の基板11(チップ部71)の外縁に達し、そして外枠部72の外枠除電パターン74に接続されている。これによって、保護層22に帯電している電荷を、除電パターン23を介して外枠除電パターン74に逃がすことができる。なお図14Aおよび図14Bに示す例においては、除電パターン23は、線状領域25から内方に突出する先細領域24に加えて、線状領域25から外方に突出する先細領域24をさらに含んでいる。そして、各先細領域24は保護層22により覆われている。これによって、避雷針として機能する部分をより多くすることができ、このことにより、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に集めることができる。また本実施の形態によれば、線状領域25のパターンの引き回しを適宜設計することにより、導電パターン14,16にノイズが重畳されるのを抑制する効果を除電パターン23に持たせることもできる。
【0128】
なお本実施の形態および変形例において、除電パターン23および外枠除電パターン74の具体的な層構成が図13Bまたは図14Bに示す例に限られることはなく、図11Aまたは図11Bに示す第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、除電パターン23および外枠除電パターン74を様々な層で形成することができる。
【0129】
また本実施の形態および変形例において、線状領域25が直線状に延びる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、線状領域25が、曲線状に延びる部分を含んでいてもよい。
【0130】
第4の実施の形態
次に図15Aおよび図15Bを参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。ここで図15Aは、本実施の第4の実施の形態におけるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを示す平面図であり、図15Bは、図15Aのカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをXVB−XVB方向から見た縦断面図である。
【0131】
図15Aおよび図15Bに示す第4の実施の形態は、タッチパネルセンサ部の除電パターンが狭幅領域を含む点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と略同一である。図15Aおよび図15Bに示す第4の実施の形態において、図1乃至図11Bに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0132】
各除電パターン23は、図15Aに示すように、少なくとも部分的に基板11(チップ部71)の外縁に達するともに、電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触しないよう設けられている。また、各除電パターン23は、内方に向かって延びる狭幅領域26を含んでおり、この狭幅領域26の先端部26aは、保護層22により覆われている。ここで「内方に向かって延びる」とは、タッチパネルセンサ部10の非表示領域から表示領域に向かって狭幅領域26が延びていることを意味している。
【0133】
ここで本実施の形態の背景について説明する。本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の製造工程において、タッチパネルセンサ部10の保護層22に生じる静電気に起因する放電は、保護層22により覆われているパターンのうち、より幅の狭いパターンにおいて生じやすいことが見いだされた。ここで、従来のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のタッチパネルセンサ部10において、最も幅の狭いパターンは、例えば図15Aおよび図15Bに示すy接続部15bとなっている。
【0134】
保護層22に生じる静電気に起因する放電がより幅の狭いパターンにおいて生じやすいことの原因としては、様々なことが考えられる。例えば、パターンの幅が狭いほど、パターンが避雷針として機能し、電荷を集めやすくなることが考えられる。
【0135】
このような背景に基づいて、本実施の形態においては、上述の除電パターン23の狭幅領域26を、最も狭い幅を有するパターンとして形成している。例えば、除電パターン23の狭幅領域26の幅wは、y接続部15bの幅wよりも小さくなっている。具体的には、y接続部15bの幅wが10〜20μmの範囲内となっている場合、狭幅領域26の幅wは5〜20μmの範囲内となっている。これによって、仮に保護層22の静電気の放電が生じる場合であっても、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部10ではなく除電パターン23にすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0136】
除電パターンの形状の変形例
なお除電パターン23の具体的な形状が特に限られることはない。本実施の形態において、各除電パターン23は、少なくとも部分的に基板11(チップ部71)の外縁に達するともに、内方に向かって延びる少なくとも1つの狭幅領域26を含んでいればよい。また、設けられる除電パターン23の数が特に限られることもない。例えば図16に示すように、各除電パターン23が、多数の狭幅領域26を結合することにより形成されていてもよい。これによって、避雷針として機能する部分をより多くすることができ、このことにより、保護層22の電荷をより確実に除電パターン23に集めることができる。
【0137】
また本実施の形態において、除電パターン23の狭幅領域26の幅が、y接続部15bの幅よりも小さくなっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、電極パターン13,15または導電パターン14,16の構成に応じて、狭幅領域26の幅が適宜設定される。例えば図11Aに示す第1の実施の形態の変形例のように、x接続部13bがy接続部15bよりも上方に配置されている場合、除電パターン23の狭幅領域26の幅が、y接続部15bの幅よりも小さくなるよう設定されてもよい。
【符号の説明】
【0138】
10 タッチパネルセンサ部
11 基板
11a 基板の一面
11b 基板の他面
13 x電極パターン
13a x電極単位
13b x接続部
14 x導電パターン
15 y電極パターン
15a y電極単位
15b y接続部
16 y導電パターン
17 端子部
18 絶縁層
20 カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ
22 保護層
22a 帯電防止膜
23 除電パターン
24 先細領域
24a 先端部
25 線状領域
26 狭幅領域
26a 先端部
27 透明電極材料層
28 先端部用絶縁層
29 導電性材料層
30 カラーフィルタ部
31 ブラックマトリクス層
32 着色層
40 液晶
41 封止材
50 TFT基板
51 基板
52 透明電極部
53 配線部
60 表示装置
70 ワーク基板
70a ワーク基板の一面
70b ワーク基板の他面
71 チップ部
72 外枠部
73 除電部
74 外枠除電パターン
81 塗布手段
82 乾燥手段
83 プリベーク手段
84 露光・現像手段
85 水切り手段
86 支持台
87 搬送ローラー
88 吸着穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、
前記基板の他面上に設けられ、複数色の着色層を有するカラーフィルタ部と、を備え、
前記タッチパネルセンサ部は、前記基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有し、
前記基板の前記一面上に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられており、
前記除電パターンは、少なくとも部分的に前記基板の外縁に達しており、かつ、前記電極パターン、前記端子部および前記導電パターンのいずれにも接触しておらず、
前記除電パターンは、内方に向かって先細になる先細領域を含み、
前記先細領域の先端部は、前記保護層により覆われている
ことを特徴とするカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項2】
前記除電パターンの先細領域は、前記基板の外縁から前記保護層まで延び、かつ前記保護層に向かうにつれて先細になっている
ことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項3】
前記除電パターンは、前記基板の外縁に達するとともに、部分的に前記外縁に平行に延びる線状領域をさらに含み、
各先細領域は、前記線状領域の延びる方向に交差するよう前記線状領域から突出している
ことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項4】
前記先細領域の先端部上の前記保護層の厚みは、前記電極パターン上および前記導電パターン上の前記保護層の厚み以下となっている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項5】
前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、
前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、
前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されており、
前記除電パターンは、前記x接続部と同一の材料および前記y接続部と同一の材料を積層することにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項6】
前記除電パターンの前記先細領域の前記先端部は、前記x接続部と同一の材料と前記y接続部と同一の材料との間に介在された、前記絶縁層と同一の材料をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項7】
前記タッチパネルセンサ部は、前記保護層上に設けられ、前記基板の法線方向から見て少なくとも前記除電パターンの前記先細領域の先端部に重なる帯電防止膜をさらに有し、
前記帯電防止膜の表面抵抗は、前記保護層の表面抵抗よりも小さく、かつ前記電極パターンの表面抵抗および前記導電パターンの表面抵抗よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと、
前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの前記カラーフィルタ部側に設けられた表示基板と、を備えた
ことを特徴とするタッチパネル機能付き表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが複数割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法において、
ワーク基板は一面および他面を有し、多面付けワーク基板の一面および他面は、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが形成される複数のチップ部と、各チップ部を囲む外枠部と、に区画され、
多面付けワーク基板の製造方法は、
ワーク基板を準備する工程と、
ワーク基板の一面上の各チップ部に、前記タッチパネルセンサ部を形成する工程と、
ワーク基板の一面上の各チップ部に、前記除電パターンを形成する工程と、
ワーク基板の一面上の外枠部に、各除電パターンに電気的に接続され、導電性を有する外枠除電パターンを形成する工程と、
ワーク基板の他面上の各チップ部に前記カラーフィルタ部を形成する工程と、を備えた
ことを特徴とする多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項10】
前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、
前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、
前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されており、
前記タッチパネルセンサ部を形成する工程は、
前記ワーク基板の一面上に透明電極材料を設ける工程と、
設けられた透明電極材料をパターニングして、前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部を形成する工程と、
x方向接続部上に前記絶縁層を形成する工程と、
前記ワーク基板の一面上に導電性材料を設ける工程と、
設けられた導電性材料をパターニングして、前記y接続部を形成する工程と、を含み、
前記外枠除電パターンおよび前記除電パターンは、前記透明電極材料をパターニングする際に前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部と同時に形成される透明電極材料層と、前記導電性材料をパターニングする際に前記y接続部と同時に前記透明電極材料層上に形成される導電性材料層と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項11】
前記電極パターンは、x方向にx接続部を介して接続された複数のx電極単位と、x電極単位間に位置し、y方向にy接続部を介して接続された複数のy電極単位と、を有し、
前記x接続部および前記y接続部は、前記基材の法線方向から見て重なり合うよう配置されており、
前記x接続部と前記y接続部との間には、絶縁層が介在されており、
前記タッチパネルセンサ部を形成する工程は、
前記ワーク基板の一面上に導電性材料を設ける工程と、
設けられた導電性材料をパターニングして、前記y接続部を形成する工程と、前記y接続部上に前記絶縁層を形成する工程と、
前記ワーク基板の一面上に透明電極材料を設ける工程と、
設けられた透明電極材料をパターニングして、前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部を形成する工程と、を含み、
前記外枠除電パターンおよび前記除電パターンは、前記導電性材料をパターニングする際に前記y接続部と同時に形成される導電性材料層と、前記透明電極材料をパターニングする際に前記x電極単位、前記y電極単位および前記x接続部と同時に前記導電性材料層上に形成される透明電極材料層と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項12】
前記除電パターンの前記先細領域の前記先端部は、前記透明電極材料層と前記導電性材料層との間に介在され、前記絶縁層と同時に前記絶縁層と同一の材料から形成される先端部用絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項10または11に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項13】
各チップ部内に設けられた保護層上に帯電防止膜を形成する工程をさらに備え、
前記帯電防止膜の表面抵抗は、前記保護層の表面抵抗よりも小さく、かつ前記電極パターンの表面抵抗および前記導電パターンの表面抵抗よりも大きくなっていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の多面付けワーク基板の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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