説明

カラーフィルタ基板およびその製造装置

【課題】 高精細で高分解能の画素を備えていて解像度が極めて高く、更にコストも低廉なカラーフィルタ基板を提供し、このカラーフィルタ基板を簡単にかつ低コストに製造することのできるカラーフィルタ基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 カラーフィルタ基板4は透明基板2の上面にカラーフィルタ3が熱転写方式によって形成されており、カラーフィルタ基板の製造装置10は透明基板2の上面に対してカラーフィルタ3を熱転写する熱転写手段14、15を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ基板およびその製造装置に係り、特に熱転写方式によって製造されるカラーフィルタ基板およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示素子用のカラーフィルタ基板は液晶表示素子をカラー化するための部材であり、ガラスあるいは透明樹脂等の透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色からなる色画素を着色して形成されている。また、必要に応じて各色画素の間に黒色のブラックマトリクスを形成している。
【0003】
従来においては、これらの色画素やブラックマトリクスを、フォトリソ方式やインクジェット方式によって製造していた(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平05−027115号公報
【特許文献2】特開平05−273407号公報
【特許文献3】特開平09−043414号公報
【特許文献4】特開平10−104415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、色画素やブラックマトリクスをフォトリソ方式やインクジェット方式によって製造する場合においては、インクジェット方式では各色のインクが交じり合わない様に隔壁を形成したり、表面張力によってインク厚が均一になりにくいという課題があった。また、フォトリソ方式は工程管理が複雑であって、製造コストが非常に高いという不都合があった。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、本発明は均一で高性能なカラーフィルタ基板を簡単にかつ低コストに製造することのできるカラーフィルタ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係るカラーフィルタ基板の特徴は、透明基板の上面にカラーフィルタが熱転写方式によって形成されている点にある。
【0008】
本発明のカラーフィルタ基板によれば、ドット密度の高い発熱素子をもってカラーフィルタを透明基板上に熱転写して形成することができ、高精細で信頼性の高いカラーフィルターをカラーフィルタを安価に提供することができる。
【0009】
また、本発明に係る他のカラーフィルタ基板の特徴は、熱転写方式が中間転写方式である点にある。
【0010】
本発明の他のカラーフィルタ基板によれば、中間転写体に予め形成したカラーフィルタを透明基板に転写することができ、より信頼性の高いカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0011】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の特徴は、前記カラーフィルタは、前記透明基板の上面に形成されるインク層と、当該インク層の上面に形成されるオーバーコート層とによって形成されている点にある。
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板によれば、カラーフィルタが透明基板の上面に形成されるインク層と、当該インク層の上面に形成されるオーバーコート層を同時にに形成できるという点にある。
【0012】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の特徴は、インク層が色画素を形成する画素用インクとブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス用インクとのうち少なくとも画素用インクからなる点にある。
【0013】
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板によれば、カラーフィルタを形成するインク層を色画素を形成する画素用インクとブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス用インクの画素用インク若しくはさらにブラックマトリクス用インクを加えて形成することができるので、より高精細なインク層を備えたカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0014】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の特徴は、インクが耐熱性インクである点にある。
【0015】
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板によれば、熱転写によってインクを転写する際にインクの組成が変化しないので、より高精細なインク層を備えたカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0016】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の特徴は、透明基板がガラス基板または樹脂基板である点にある。
【0017】
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板によれば、透明基板としてガラス基板または樹脂基板を用いたカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0018】
また、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造装置の特徴は、透明基板の上面に対してカラーフィルタを熱転写する熱転写手段を有する点にある。
【0019】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、ドット密度の高い発熱素子をもってカラーフィルタを透明基板上に熱転写して形成することができ、高精細で高分解能の画素を備えていて信頼性が高く、更にコストも低廉なカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0020】
また、本発明に係る他のカラーフィルタ基板の製造装置の特徴は、カラーフィルタを形成する素材を中間転写体に熱転写形成する第1熱転写手段と、中間転写体に形成されたカラーフィルタを透明基板の上面に熱転写する第2熱転写手段とを有する点にある。
【0021】
本発明の他のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、第1熱転写手段によって中間転写体に予め形成したカラーフィルタを第2熱転写手段によって透明基板に転写することができ、より高精細なカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0022】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の製造装置の特徴は、第1熱転写手段がカラーフィルタを形成する素材を中間転写体に熱転写形成するヘッドユニットを中間転写体の搬送方向に複数設けて形成されている点にある。
【0023】
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、複数のヘッドユニットによりカラーフィルタを形成する素材を中間転写体に順に熱転写形成することができ、より高精細なカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0024】
また、本発明に係るさらに他のカラーフィルタ基板の製造装置の特徴は、ヘッドユニットは、カラーフィルタを形成するオーバーコート層とインク層のうち少なくともインク層を中間転写体に形成されているオーバーコート層となる剥離受容層の上に熱転写形成するものである点にある。
【0025】
本発明さらにの他のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、中間転写体に形成されているオーバーコート層となる剥離受容層の上にヘッドユニットによってカラーフィルタを形成するオーバーコート層とインク層のうち少なくともインク層を熱転写形成することができ、より高精細なカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0026】
また、本発明に係さらにる他のカラーフィルタ基板の製造装置の特徴は、熱転写手段は、並列配置された複数の発熱素子の並列方向に対する直行方向に延びる形状に前記カラーフィルタを形成する点にある。
【0027】
本発明のさらに他のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、並列配置された複数の発熱素子によってカラーフィルタを発熱素子の並列方向に対する直行方向に延びる形状に形成することができ、より高精細な複数のカラーフィルタ基板を発熱素子の並列方向に対する直行方向に延びる列方向に列単位で形成することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上述べたように、本発明に係るカラーフィルタ基板によれば、高精細で高分解能の画素を備えていて信頼性が高く、更にコストも低廉なカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0029】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置によれば、高精細で高分解能の画素を備えていて信頼性の高いカラーフィルタ基板を簡単にかつ低コストに製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係るカラーフィルタ基板およびその製造装置の実施形態を図1から図5を参照して説明する。
【0031】
図1から図4は本発明のカラーフィルタ基板の実施形態を示し、図5は本発明のカラーフィルタ基板の製造装置の実施形態を示している。
【0032】
本実施形態においては、カラーフィルタ基板を図1から図 に示すように形成するようにしている。
【0033】
具体的には、図1(a)に示すように、大きな矩形状のマザー基板1を形成する透明基板の1例としてのガラス基板2の上面に複数のカラーフィルタ3をm行×n列(本実施形態においては6行×6列)の状態に整列させて形成し、その後にマザー基板1を個別の複数のカラーフィルタ基板4に切断分離して、同図(b)のような1個のカラーフィルタ基板4を形成するものである。
【0034】
各カラーフィルタ基板4は、例えば図1(b)の拡大部分断面図を示す図2および図2の部分拡大平面を示す図3に示すように、ガラス基板2の上面にカラーフィルタ3が形成されており、このカラーフィルタ3はガラス基板2の上面にインク層5を熱転写形成し、さらにインク層5の上にオーバーコート層6を熱転写形成することにより形成される。このインク層5は色画素を形成する赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色からなる画素用インク7R、7G、7B、更にはブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス用インク7BKを用いて形成される。図2および図3の実施形態はインク層5として画素用インク7R、7G、7Bを列方向に延びるように形成した例である。この場合、各画素用インク7R、7G、7Bを熱転写するために設けたサーマルヘッド8R、8G、8Bの発熱素子9を部分的に発熱させて、ガラス基板2を列方向に相対移動させて、並列配置されている複数の発熱素子9によってカラーフィルタ3のインク層5を発熱素子9の並列方向に対する直行方向(列方向)に延びる形状に形成するようにしている。
【0035】
ブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス用インク7BKを用いる場合には、例えば図4に示すように、各画素用インク7R、7G、7Bを複数の発熱素子8(例えば3個)連続して発熱させ形成し、隣接する部分の1箇所にブラックマトリクス用インク7BKをそれぞれ形成するとよい。
【0036】
なお、図2から図4の実施形態においては、インク層5を形成する画素用インク7R、7G、7B等を、列方向に延びるように形成しているが、各画素用インク7R、7G、7B等を行方向に延びるように発熱素子9を発熱させるようにして形成してもよい。
【0037】
次に、図5により本実施形態のカラーフィルタ基板の製造装置を説明する。
【0038】
本実施形態のカラーフィルタ基板の製造装置10は図4に示す各画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKを用いてカラーフィルタ基板4を製造する場合を示す構成図である。
【0039】
本実施形態の製造装置10は、中間転写方式によってカラーフィルタ3をガラス基板2に転写して、カラーフィルタ基板4を形成するものである。
【0040】
中間転写に供される中間転写体11は、送り出しロール12にロール状に巻回されており、その送り出しロール12から送り出されて途中のロール状の中間転写用プラテン13に巻回されている間に第1熱転写手段14部分を通り、その後第2熱転写手段15部分を経て、巻き取りロール16に巻き取られるように形成されている。この中間転写体11は例えばダラシン紙コンデンサ紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等のポリエステル等からなる樹脂製フィルムによって形成されており、その表面(中間転写用プラテン13の径方向外側となる面)にはガラス基板2に転写されるとオーバーコート層6となる剥離受容層17(図5において、中間転写体11の一部分にのみ図示)が予め積層されている。この剥離受容層17の素材は例えば熱硬化性のエポキシ樹脂・アクリル樹脂などである。また、中間転写体11の幅は、マザー基板1の幅(m行方向の長さ)と同等に形成されている。中間転写用プラテン13の周囲にはカラーフィルタ3のインク層5を中間転写体11の剥離受容層17の表面に順に転写する第1熱転写手段14としての4個の第1ヘッドユニット18R、第2ヘッドユニット18G、第3ヘッドユニット18B、第4ヘッドユニット18BKが、中間転写体11の搬送方向に並列するように順次配置されている。
【0041】
各ヘッドユニット18R、18G、18B、18BKには、それぞれ異なる色彩の画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKが塗布されたインクリボン19(構成が同一のため同一符号を用いる。以下同じ)を有している。各インク7R、7G、7B、7BKは、第1熱転写手段14および第2熱転写手段15部分における熱転写温度(最高約250℃程度)に耐えるために耐熱インクにより形成されており、また、第2熱転写手段15部分におけるオーバーコートすることによる平滑性を確保するために1〜5μmの厚さに形成されている。各インクリボン19は、それぞれ一対のインクリボンロール20に巻回されており、複数のリボンガイドローラ21に案内されながら、それぞれ画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKの塗布面が中間転写体11に対向して搬送されるように配設されている。
【0042】
さらに、各ヘッドユニット18R、18G、18B、18BKは、それぞれサーマルヘッド8R、8G、8B、8BKを有しており、中間転写体1の搬送方向と直行方向に配置されている。各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKは、1個のカラーフィルタ3の幅寸法に対応する長さ(m行方向の長さ)に形成されており、各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKにおける各インクリボン19に対向する位置には、カラーフィルタ3の幅寸法に対応するような複数の発熱素子9がライン状に並列配置されている。本実施形態においては、各発熱素子9の幅寸法を25μmとして、約1000dpiの高精細配置とされている。
【0043】
第2熱転写手段15は、ガラス基板2を狭持する加熱ロール22と圧着ロール23とにより形成されている。一方の加熱ロール22は下方からガラス基板2を通して中間熱転写体11に形成されているカラーフィルタ3部分を加熱するものである。他方の圧着ロール23はカラーフィルタ3部分をガラス基板2に熱転写するための圧力を付与するものである。
【0044】
次に、本実施形態によるカラーフィルタ基板4の製造装置10の作用、即ちカラーフィルタ基板4の製造方法を説明する。
【0045】
第1熱転写手段14に対して図4に示すパターンのカラーフィルタ3を形成する記録データが入力されると、まず、中間転写体11の搬送を開始させると同時に、各ヘッドユニット18R、18G、18B、18BKの各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKをダウンさせて、各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKと中間転写用プラテン13とを中間転写体11および各インクリボン19を介して圧接させる。そして、各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKの所定の発熱素子9(本実施形態においては図4の画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKの配置に対応する発熱素子9)を発熱させて中間転写体112上の剥離受容層17の表面の所定部分に画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKを転写する。
【0046】
さらに説明すると、3個の画素用インク7R、1個のブラックマトリクス用インク7BK、3個の画素用インク7G、1個のブラックマトリクス用インク7BK、3個の画素用インク7B、1個のブラックマトリクス用インク7BKの行方向の配列を繰り返すように各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKの発熱素子9を発熱させる。これにより画素用インク7R、7G、7Bおよびブラックマトリクス用インク7BKを用いたインク層5が1個のカラーフィルタ3の列方向に連続形成される。各インク7R、7G、7B、7BKのカラーフィルタ3としての印刷開始位置の頭出しは図示しないセンサによって位置合わせをすることによって各発熱素子9に通電することにより行われる。1個分のカラーフィルタ3の列方向の長さのインク層5の形成が終了すると、次のカラーフィルタ3の印刷開始まで各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKを所定時間アップさせて印刷を注しし、その後次のカラーフィルタ3の印刷開始位置において再度各サーマルヘッド8R、8G、8B、8BKをダウンさせて同様にしてインク層5の形成を行う。
【0047】
また、各インク7R、7G、7B、7BKの熱転写に際して、1個のインクを剥離受容層17に熱転写した後に所定の乾燥時間経過後に隣のインクを熱転写させる場合には、1個のインクをカラーフィルタ3の列方向の全長に亘って剥離受容層17に熱転写させ、その後中間転写体11を逆回転させて元に戻し、次に隣のインクをカラーフィルタ3の列方向の全長に亘って剥離受容層17に熱転写させるようにして形成するとよい。図4のパターンのカラーフィルタ3を形成する場合には、はじめに3個の画素用インク7R、7G、7Bをブラックマトリクス用インク7BKの部分を除いて同時に熱転写し、その後にブラックマトリクス用インク7BKを熱転写するとよい。
【0048】
このようにして中間転写体11の剥離受容層17の表面に形成されたインク層5が第2熱転写手段15の位置まで進行すると、加熱ロール22と圧着ロール23とによってガラス基板2、インク層5、剥離受容層17および中間熱転写体11が所定圧力をもって狭持されるとともに約250℃に加熱される。これによりインク層5がガラス基板2の上面に溶着着され、剥離受容層17を形成する熱硬化性の樹脂がアニール処理を施されることにより熱硬化される。その後、第2熱転写手段16の下流側に配置されている図示しない剥離手段部分において、熱硬化された剥離受容層17が中間熱転写体11より剥離されてガラス基板2の上面にカラーフィルタ3として転写され。中間熱転写体11より剥離された剥離受容層17はオーバーコート層6となる。このオーバーコート層6は、中間熱転写体11の表面の平滑性を転写されてその表面が極めて粗度の低い平滑性を備えたものとなる。これにより、ガラス基板2の上面にカラーフィルタ3が形成されたカラーフィルタ基板4が得られる。
【0049】
このようにして形成されるカラーフィルタ3をマザー基板1の1列分の個数をガラス基板2の上面にカラーフィルタ3の列方向に順に形成する。
【0050】
1列分の個数のカラーフィルタ3を形成した後には、ガラス基板2と製造装置10とを次の隣の列のカラーフィルタ3の位置まで相対移動させる。その後に、次の列のカラーフィルタ3を前記と同様にして形成する。
【0051】
このようにして全ての列のカラーフィルタ3をガラス基板2に形成することによりマザー基板1が形成される。
【0052】
その後、マザー基板1をカラーフィルタ3の列行方向に切断分離することにより1個単位のカラーフィルタ基板4が製造される。
【0053】
このようにして形成されたカラーフィルタ基板4は、サーマルヘッド8の発熱素子9の大きさを例えば25μmピッチ角の小さいサイズに形成してインク層5を熱転写によって形成することができるので、高精細で高分解能の画素を備えていて解像度が極めて高く、更にコストも低廉なカラーフィルタ基板となる。
【0054】
本発明のカラーフィルタ基板の製造装置10によれば、高精細で高分解能の画素を備えていて解像度が極めて高いカラーフィルタ基板4を簡単にかつ低コストに製造することができる。
【0055】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0056】
例えば、剥離受容層17を中間熱転写体11に予め形成しておくものに代えて、剥離受容層17もヘッドユニットによって他のインクと同様にして中間熱転写体16に印刷するようにしてもよい。また、ブラックマトリクス用インク7BKを他の画素用インク7R、7G、7Bの前に剥離受容層17に熱転写さえるようにしてもよい。
【0057】
また、中間転写体を前記実施例の樹脂フイルムに代えて、中間転写用プラテン13そのものを中間転写体として用いてもよい。この場合には、剥離受容層17を中間転写用プラテン13にヘッドユニットを用いて熱転写するようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は本発明に係るカラーフィルタ基板を多数形成したマザー基板を示す平面図、(b)は1個のカラーフィルタの平面図
【図2】図1(b)の2−2線に沿った拡大部分断面図
【図3】本発明に係るカラーフィルタのパターンの1例とサーマルヘッドの関係を示す部分平面図
【図4】本発明に係るカラーフィルタのパターンの他の例を示す図3と同様の図
【図5】本発明に係るカラーフィルタ基板の製造装置の1実施形態を示す構成図
【符号の説明】
【0059】
1 マザー基板
2 ガラス基板
3 カラーフィルタ
4 カラーフィルタ基板
5 インク層
6 オーバーコート層
10 カラーフィルタ基板の製造装置
11 中間熱転写体
14 第1熱転写手段
15 第2熱転写手段
17 剥離受容層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板の上面にカラーフィルタが熱転写方式によって形成されていることを特徴とするカラーフィルタ基板。
【請求項2】
前記熱転写方式は、中間転写方式であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項3】
前記カラーフィルタは、前記透明基板の上面に形成されるインク層と、当該インク層の上面に形成されるオーバーコート層とによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項4】
前記インク層は、色画素を形成する画素用インクとブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス用インクとのうち少なくとも画素用インクからなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項5】
前記インクは、耐熱性インクであることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項6】
前記透明基板は、ガラス基板または樹脂基板であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項7】
透明基板の上面に対してカラーフィルタを熱転写する熱転写手段を有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造装置。
【請求項8】
前記カラーフィルタを形成する素材を中間転写体に熱転写形成する第1熱転写手段と、前記中間転写体に形成された前記カラーフィルタを前記透明基板の上面に熱転写する第2熱転写手段とを有することを特徴とする請求項7に記載のカラーフィルタ基板の製造装置。
【請求項9】
前記第1熱転写手段は、前記カラーフィルタを形成する素材を前記中間転写体に熱転写形成するヘッドユニットを前記中間転写体の搬送方向に複数設けて形成されていることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ基板の製造装置。
【請求項10】
前記ヘッドユニットは、前記カラーフィルタを形成するオーバーコート層とインク層のうち少なくとも前記インク層を前記中間転写体に形成されている前記オーバーコート層となる剥離受容層の上に熱転写形成するものであることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタ基板の製造装置。
【請求項11】
熱転写手段は、並列配置された複数の発熱素子の並列方向に対する直行方向に延びる形状に前記カラーフィルタを形成することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のカラーフィルタ基板の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−33927(P2007−33927A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217781(P2005−217781)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】