説明

カルバート部材

【課題】搬入が容易なプレキャスト部材を提供する。
【解決手段】一対の側面部材21,22の載置下面25,26を底面部材13の載置上面16に積み重ねる。一対の側面部材21,22の載置上面27,28に上面部材41の載置下面43,44を重ね合わせて橋渡しする。一対の側面部材21,22が自立する。プレキャスト部材11を設置した際に、側面部材21,22および上面部材41を吊り下げ支持する必要が無い。側面部材21,22および上面部材41をずらして搬入できる。側面部材21,22および上面部材41の搬入を容易にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の側面部材を有するカルバート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のカルバート部材としては、断面円弧状の側面部材としてのアーチ壁部の下部に底版脚部が一体的に設けられ、これらアーチ脚部が底版脚部にて自立可能に構成されている。そして、一対のアーチ壁部の上部同士を当接させた状態で設置してから、これらアーチ壁部の底版脚部間に現場打ちでコンクリートを打設するなどして底版部を形成することでカルバートを構築する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−193545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のカルバート部材は、一対のアーチ壁部の上部同士を当接させて設置する構成である。したがって、これらアーチ壁部の設置時の高さ寸法を、これらアーチ壁部を搬入する場所の高さ寸法に略等しくする必要があるから、これらアーチ壁部の搬入が容易ではないという問題を有している。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、搬入が容易なカルバート部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のカルバート部材は、断面円弧状の一対の側面部材と、これら一対の側面部材の円弧状の円弧の中心側を対向させた状態で、前記一対の側面部材の間に載置され前記一対の側面部材を自立させる断面円弧状の上面部材とを具備したものである。
【0006】
請求項2記載のカルバート部材は、請求項1記載のカルバート部材において、一対の側面部材は、これら一対の側面部材の幅方向の上面部材が載置される側の側縁に、これら一対の側面部材の中心側に向けて下方に傾斜した設置面が形成され、上面部材は、この上面部材の幅方向の両側縁に、この上面部材の内側に向けて下方に傾斜した載置面が形成されているものである。
【0007】
請求項3記載のカルバート部材は、請求項1または2記載のカルバート部材において、一対の側面部材が載置される載置部が幅方向の両側縁にそれぞれ設けられ、これら載置部に前記一対の側面部材を設置させる略板状の底面部材を具備したものである。
【0008】
請求項4記載のカルバート部材は、請求項3記載のカルバート部材において、一対の側面部材は、これら一対の側面部材の幅方向の底面部材の設置部に設置される側の側縁に、これら一対の側面部材の中心側に向けて上方に傾斜した載置面が形成され、底面部材は、この底面部材の載置部に、この底面部材の内側に向けて上方に傾斜した設置面が形成されているものである。
【0009】
請求項5記載のカルバート部材は、請求項1ないし4いずれか記載のカルバート部材において、一対の側面部材および上面部材は、これら一対の側面部材および上面部材の外側面を対応させた内側面を有する管体内に設置されるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のカルバート部材によれば、一対の側面部材の円弧状の円弧の中心側を対向させた状態で、これら一対の側面部材の間に上面部材を載置することにより、これら一対の側面部材が自立する。したがって、これら一対の側面部材および上面部材を設置した状態で、これら一対の側面部材および上面部材を保持したり位置決めしたりする必要がなくなり、これら一対の側面部材および上面部材をずらして搬入できるから、これら一対の側面部材および上面部材の搬入を容易にできる。
【0011】
請求項2記載のカルバート部材によれば、請求項1記載のカルバート部材の効果に加え、一対の側面部材の設置面および上面部材の載置面のそれぞれが中心側または内側に向けて下方に傾斜している。したがって、一対の側面部材の設置面に上面部材の載置面を載置させて設置し、この上面部材を一対の側面部材間に載置した際に、この上面部材の自重にて一対の側面部材が内側に倒れることを防止できるので、これら一対の側面部材の自立を容易にできる。
【0012】
請求項3記載のカルバート部材によれば、請求項1または2記載のカルバート部材の効果に加え、底面部材の載置部に一対の側面部材を載置させ、これら一対の側面部材の間に上面部材を載置することにより、一対の側面部材が自立するので、底面部材を用いても一対の側面部材を自立できる。
【0013】
請求項4記載のカルバート部材によれば、請求項3記載のカルバート部材の効果に加え、一対の側面部材の載置面および底面部材の設置面のそれぞれが中心側または内側に向けて上方に傾斜している。したがって、例えば管体内に底面部材を設置し、この底面部材の設置面に一対の側面部材の載置面を載置し、これら一対の側面部材の間に上面部材を載置した際に、これら一対の側面部材が管体の内側面に押し付けられる。よって、上面部材および各側面部材の自重にて一対の側面部材が内側に倒れることを防止できるので、例えば管体内に設置した底面部材上に一対の側面部材を載置する場合であっても、これら一対の側面部材の自立を容易にできる。
【0014】
請求項5記載のカルバート部材によれば、請求項1ないし4いずれか記載のカルバート部材の効果に加え、一対の側面部材および上面部材を管体内に設置することにより、一対の側面部材が管体内に押し付けられる。よって、これら一対の側面部材が内側に倒れることを防止できるので、これら一対の側面部材の管体内での自立を容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図4において、1は管体としての函渠で、この函渠1は地中に既設されて縦断面略馬蹄形状の細長筒状に形成された管渠、すなわちトンネルである。ここで、この函渠1は、この函渠1の底面を形成する幅方向断面凹弧状のインバート部としての底部2を備えている。この底部2は、この底部2の内側に位置している内側面3を有しており、この内側面3は、長手方向に沿った幅方向断面凹弧状に形成されている。
【0017】
さらに、この底部2の両側には、函渠1の上面および側面を形成する幅方向断面円弧状の周面部4が、この底部2の長手方向に沿って形成されている。この周面部4は、底部2の幅方向の曲率半径より小さな曲率半径を有する幅方向断面逆U字状に形成されている。すなわち、この周面部4は、この周面部4のうち高さ方向の中央部が幅方向に向けて最も拡幅した略円形状であるである馬蹄形状に形成されている。また、この周面部4は、この周面部4の幅方向の一端部が底部2の幅方向の一端部に一体的に連結され、この周面部4の幅方向の他端部が底部2の幅方向の他端部に一体的に連結されている。そして、この周面部4は、この周面部4の幅方向の一端部から、この周面部4の幅方向の他端部までに亘って周方向に向けて連続した円弧面状に形成されている。
【0018】
また、この周面部4の内側には、幅方向断面逆U字状の内側面5が形成されており、この内側面5は、この内側面5のうちの上側中央の幅方向における約3分の1の領域を構成する内面上部6と、この内面上部6に連続しこの内面上部6の両側の周方向における約3分の1ずつの領域を構成する一対の内面側部7,8とで形成されている。さらに、これら内面上部6および内面側部7,8は、図1、図2および図4に示すように、周面部4の周方向に向けて連続した円弧状に形成されている。
【0019】
そして、この函渠1の内部には、この函渠1内に搬入されて、この函渠1の底部2の内側面3および周面部4の内側面5のそれぞれを周方向に亘って覆って、この函渠1を補修および補強して更生させる補修部材としてのカルバート部材であるプレキャスト部材11が挿入される。このプレキャスト部材11は、函渠更生体としてのボックスカルバートであって、例えば鉄筋コンクリートやプレストレスコンクリート等のコンクリートなどにて幅方向断面が函渠1に対応した縦断面略円形に形成されている。すなわち、このプレキャスト部材11は、函渠1の内側面3,5の形状と略同形の外側面12を有する形状に形成されている。さらに、このプレキャスト部材11は、このプレキャスト部材11の奥行き方向の長さが所定の長さ寸法、例えば1000mm程度の長さ寸法に形成されている。
【0020】
具体的に、このプレキャスト部材11は、函渠1の底部2の内側面3上に設置されてこの内側面3を覆う底面部材13を備えている。この底面部材13は、函渠1の内側面3,5のうち、この函渠1の底部2の内側面3に対応した幅方向断面円弧状である円弧面状の外側面14を有しており、幅方向に亘って一定の厚さに形成されている。さらに、この外側面14の幅方向の両側部には、函渠1の内側面3,5のうち、この函渠1の周面部4の内面側部7,8の下端縁に対応して上方に向けて屈曲した幅方向断面円弧状である円弧状の外縁面15が形成されている。
【0021】
また、この底面部材13の幅方向の側縁である各外縁面15の縁部には、内側から外側に向けて下方に傾斜した載置部としての設置面である平坦な載置上面16がそれぞれ形成されている。これら載置上面16は、底面部材13の幅方向の端面であって、これら載置上面16が設けられている部分の底面部材13の法線方向に沿った平坦面に形成されている。具体的に、これら載置上面16は、函渠1の周面部4の内側面5のうちの、底面部材13の外縁面15の先端部が対向する位置の法線方向に沿って傾斜している。さらに、この底面部材13の外側面14の反対側である円弧状の中心側には、補修後の函渠1の底部となる幅方向断面凹弧状である円弧状の内側面17が形成されている。
【0022】
ここで、この底面部材13の奥行き方向の中心部には、この底面部材13の厚さ方向に向けて貫通した貫通孔18が形成されている。この貫通孔18は、図示しないグライトホースを挿入するためのものである。さらに、このグラウトホースは、底面部材13の外側面14と函渠1の内側面3,5との間に、液状のセメントペーストやモルタルなどの図示しないグラフトを注入するためのものである。
【0023】
一方、この底面部材13の上部には、函渠1の周面部4の一対の内面側部7,8に対向して設置され、これら一対の内面側部7,8の内側面5を覆う断面円弧状の一対の側面部材21,22が積み重ねられて設置される。これら一対の側面部材21,22は、函渠1の内側面3,5のうち、この函渠1の水平方向である幅方向に位置した一対の内面側部7,8の内側面5に対応した幅方向断面円弧状である円弧面状の外側面23,24を有しており、底面部材13の厚さ寸法に等しい一定の厚さ寸法に幅方向に亘って形成されている。また、これら外側面23,24は、函渠1の周面部4のうち、この周面部4の幅方向の両側部の約3分の1の領域、すなわち内面側部7,8を覆うことができるように形成されている。
【0024】
ここで、函渠1の水平方向とは、この函渠1が傾けられて設置され、地表面に対して傾斜している場合などであっても、この函渠1の底部2の内側面3の幅方向の両側縁のそれぞれを通過する方向に対して水平な方向をいう。
【0025】
さらに、これら一対の側面部材21,22の外側面23,24の幅方向の一側縁である下側縁には、底面部材13の載置上面16に対応した形状であって、この載置上面16上に側面部材21,22を積み重ねて設置可能にさせる載置面としての載置下面25,26がそれぞれ設けられている。これら載置下面25,26は、一対の側面部材21,22の幅方向の側部のうち底面部材13の載置上面16に設置される側に設けられており、これら載置下面25,26が設けられている部分の各側面部材21,22の法線方向に沿った平坦面に形成されている。したがって、これら載置下面25,26は、各側面部材21,22の内側面29,30側から外側面23,24側に向けて下方に傾斜している。さらに、これら載置下面25,26は、函渠1の周面部4の内側面5のうちの一対の側面部材21,22の外側面23,24の下端縁が対向する位置の法線方向に沿って傾斜している。
【0026】
また、これら一対の側面部材21,22の外側面23,24の幅方向の他側縁である上側縁には、これら一対の側面部材21,22を自立させた状態で、これら各側面部材21,22の外側面23,24側から内側面29,30側に向けて下方に傾斜した設置面としての平坦な載置上面27,28が形成されている。これら載置上面27,28は、一対の側面部材21,22の幅方向の側部のうちの底面部材13に設置される側の反対側に設けられている。さらに、これら一対の側面部材21,22の外側面23,24の反対側である円弧状の中心側には、補修後の函渠1の側面部となる幅方向断面円弧状の内側面29,30が形成されている。
【0027】
また、これら一対の側面部材21,22の上部には、函渠1の周面部4の内面上部6に対向して設置され、この内面上部6の内側面5を覆う断面円弧状の上面部材41が積み重ねられて設置される。この上面部材41は、函渠1の内側面3,5のうち、この函渠1の内面上部6の内側面5に対応した幅方向断面円弧状である円弧面状の外側面42を有しており、底面部材13および一対の側面部材21,22それぞれの厚さ寸法に等しい一定の厚さ寸法に幅方向に亘って形成されている。さらに、この外側面42は、函渠1の周面部4のうち、一対の側面部材21,22にて覆われる間の部分である周面部4の約3分の1の領域を覆うように形成されている。すなわち、この外側面42は、函渠1の周面部4のうち、この周面部4の上部に位置している内面上部6の内側面5を覆うように形成されている。
【0028】
さらに、この上面部材41の外側面42の幅方向の両側縁には、一対の側面部材21,22それぞれの内側面29,30を互いに対向させて向かい合わせた状態で、これら一対の側面部材21,22の載置上面27,28に対応した形状の載置面としての載置下面43,44がそれぞれ設けられている。これら載置下面43,44は、一対の側面部材21,22のそれぞれを底面部材13上に積み重ねた状態で、これら一対の側面部材21,22の載置上面27,28上に上面部材41を橋渡しさせて積み重ねて設置させて、これら一対の側面部材21,22を自立させる。具体的に、これら載置下面43,44は、上面部材41の外側面42側から内側面45側に向けて下方に傾斜した平坦面として形成されている。
【0029】
また、この上面部材41の奥行き方向の中心部には、グラウトホースを挿入するための貫通孔18が設けられている。さらに、この上面部材41の外側面42の反対側である円弧状の中心側には、補修後の函渠1の上部となる幅方向断面円弧状の内側面45が形成されている。
【0030】
一方、プレキャスト部材11の底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれは、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41それぞれの函渠1内への搬入および据え付けを容易にさせる保持装置としての搬入据付手段であるフレーム体51にて取り外し可能に連結されている。このフレーム体51は、プレキャスト部材11の底面部材13の内側面17に幅方向に亘って取り外し可能に取り付けられる底部フレーム52を備えている。この底部フレーム52は、この底部フレーム52と底面部材13の内側面17との間に所定の間隔を空けて緩衝部材としてのシート状のゴムパッド53を挟んだ状態で、例えばボルトなどにて底面部材13の内側面17に幅方向に亘って取り外し可能に固定されている。ここで、このゴムパッド53は、例えば10mmほどの厚さ寸法に形成されている。また、底部フレーム52は、この底部フレーム52の長手方向を底面部材13の内側面17の幅方向に沿った円弧状に湾曲させて形成されている。さらに、この底部フレーム52は、この底部フレーム52の長手方向の両端部が底面部材13の内側面17の幅方向の両端縁に位置するように形成されている。
【0031】
さらに、この底部フレーム52の内側には、この底部フレーム52の長手方向の両端部に両端部が連結された直線状の長手方向を有する基礎フレーム54が取り付けられている。この基礎フレーム54は、この基礎フレーム54の長手方向を底部フレーム52の湾曲した長手方向に沿わせた状態で、この底部フレーム52に取り付けられている。
【0032】
また、この底部フレーム52の長手方向の両端部は、プレキャスト部材11の一対の側面部材21,22の内側面29,30に幅方向に亘って取り外し可能に取り付けられる一対の側部フレーム55,56の長手方向の一端部である下端部に回動可能に連結されている。これら一対の側部フレーム55,56は、これら一対の側部フレーム55,56の下端部が、底部フレーム52に対して上下方向、すなわち垂直方向に沿って回動可能に連結されている。
【0033】
また、これら一対の側部フレーム55,56は、これら一対の側部フレーム55,56と各側面部材21,22の内側面29,30との間に所定の間隔を空けてゴムパッド53を挟んだ状態で、例えばボルトなどにて各側面部材21,22の内側面29,30に幅方向に亘って取り外し可能に固定される。したがって、これら一対の側部フレーム55,56は、一対の側面部材21,22それぞれの幅方向の下端縁を、底部フレーム52に取り付けられている底面部材13の幅方向の両側縁に対して上下方向に回動可能に保持する。
【0034】
そして、これら一対の側部フレーム55,56は、これら一対の側部フレーム55,56それぞれの長手方向を各側面部材21,22の内側面29,30の幅方向に沿った円弧状に湾曲させて形成されている。また、これら一対の側部フレーム55,56は、これら一対の側部フレーム55,56の長手方向の他端部である上端部が各側面部材21,22の内側面29,30の幅方向の他端部である上端部までに亘って位置するように形成されている。
【0035】
さらに、これら一対の側部フレーム55,56の長手方向の中心部には、伸縮可能な伸縮手段としての油圧シリンダ57,58の一端部が上下方向である垂直方向に向けて回動可能にそれぞれ連結されている。これら油圧シリンダ57,58は、例えば400mmほどの伸縮幅、すなわちストロークを有するように形成されており、函渠1内に予め設置させたコンプレッサAに接続されて、これら油圧シリンダ57,58が伸縮操作される。さらに、これら油圧シリンダ57,58の他端部は、基礎フレーム54の長手方向の中心部から、この長手方向の両端側に向けて所定の間隔ほど等間隔に離間させた位置に上下方向である垂直方向に向けて回動可能にそれぞれ連結されている。
【0036】
また、この基礎フレーム54のうち油圧シリンダ57,58の他端部が連結されている部分の間には、上下方向に沿った直線状の長手方向を有する一対の縦フレーム61,62が並設されている。これら縦フレーム61,62は、基礎フレーム54の長手方向に直交する長手方向を有しており、これら縦フレーム61,62の長手方向の一端部である下端部が底部フレーム52の長手方向の中心部から等間隔に離間させた位置に連結されて固定されている。これら縦フレーム61,62は、函渠1の内側面3,5の上下方向の高さ寸法より小さな長さ寸法に形成されている。
【0037】
さらに、これら縦フレーム61,62の長手方向の他端部である上端側には、これら縦フレーム61,62間を橋渡すように連結させる連結フレーム63が取り付けられている。この連結フレーム63は、一対の縦フレーム61,62の長手方向に直交する長手方向を有している。そして、この連結フレーム63上の長手方向の中心部には、昇降可能な昇降手段としての油圧シリンダ64が取り付けられている。この油圧シリンダ64は、例えば100mmほどの昇降幅、すなわちストロークを有するように形成されており、函渠1内に予め設置させたコンプレッサAに接続されて、この油圧シリンダ64が昇降操作される。さらに、この油圧シリンダ64の上端部には、上部フレーム65の幅方向の中心部が連結されて固定されている。
【0038】
この上部フレーム65は、プレキャスト部材11の上面部材41の内側面45に幅方向に亘って取り外し可能に取り付けられる。そして、この上部フレーム65は、この上部フレーム65と上面部材41の内側面45との間に所定の間隔を空けてシート状のゴムパッド53を挟んだ状態で、例えばボルトなどにて上面部材41の内側面45に幅方向に亘って取り外し可能に固定される。また、この上部フレーム65は、この上部フレーム65の長手方向を上面部材41の内側面45の幅方向に沿った円弧状に湾曲させて形成されている。さらに、この上部フレーム65は、この上部フレーム65の長手方向の両端部が上面部材41の内側面45の幅方向の両端縁より内側に位置するように形成されている。
【0039】
さらに、一対の縦フレーム61,62の長手方向の中間部は、これら縦フレーム61,62の長手方向に直交する長手方向を有する吊上フレーム66が取り付けられている。この吊上フレーム66は、この吊上フレーム66の長手方向の中心部が、一対の縦フレーム61,62に連結されて固定されている。また、この吊上フレーム66は、一対の側部フレーム55,56のそれぞれを内側に向けて回動させた状態で、これら一対の側部フレーム55,56の内側面が吊上フレーム66の両端部に接触しないように、基礎フレーム54の長さ寸法より小さな長さ寸法に形成されている。さらに、この吊上フレーム66は、この吊上フレーム66の長手方向を、基礎フレーム54の長手方向に沿わせた状態で取り付けられている。
【0040】
そして、この吊上フレーム66の下端部には、側面視矩形枠状の係止部としての一対のリフトケース67,68が取り付けられている。これら一対のリフトケース67,68は、吊上フレーム66の長手方向の中心部から、この長手方向の両端側に向けて等間隔に離間させた位置に取り付けられている。すなわち、これら一対のリフトケース67,68は、図3に示す作業機械としてのフォークリフトBの前面に取り付けられ上下方向に昇降可能な一対のフォークCが挿入される挿入係止穴である。
【0041】
ここで、このフォークリフトBは、函渠1内の底部2の内側面3上を走行できるように構成されている。そして、このフォークリフトBの前側上部には、このフォークリフトBを運転操作するための運転席Dが設けられており、この運転席Dの前側に上下方向に沿った長手方向を有する一対のマストEが前後方向に揺動可能に取り付けられている。さらに、これら一対のマストEには、一対のフォークCが上下方向に向けて移動可能、すなわち昇降可能に取り付けられている。
【0042】
次に、上記一実施の形態の補修方法を図5を参照しながら説明する。
【0043】
まず、立て坑形成工程として、補修が必要な既設の函渠1の所定位置に図示しない立て坑を形成する。この後、この函渠1の立て坑に近接した地表面に図示しないクレーンを設置する(ステップ1)。
【0044】
そして、コンプレッサ搬入工程として、このクレーンにてコンプレッサAを吊り上げ、このコンプレッサAを立て坑から函渠1内へ搬入する。この後、このコンプレッサAを人力にて押して函渠1内の所定位置である据付開始位置の近傍へ移動する(ステップ2)。
【0045】
この後、フォークリフト搬入工程として、フォークリフトBをクレーンにて吊り上げて、このフォークリフトBを立て坑から函渠1内へ搬入して、このフォークリフトを函渠1内の底部2の内側面3上に走行可能に設置する(ステップ3)。
【0046】
次いで、搬入準備工程として、プレキャスト部材11のプレキャスト部材11の一対の側面部材21,22の内側面29,30を互いに向かい合わせつつ、これら一対の側面部材21,22の内側面29,30に底面部材13および上面部材41それぞれの内側面17,45を向かい合わせた状態となるように、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれが底部フレーム52、一対の側部フレーム55,56および上部フレーム65のそれぞれに取り付けられて保持された所定数のフレーム体51を準備する(ステップ4)。
【0047】
このとき、これらフレーム体51の油圧シリンダ57,58を図示しないコンプレッサにて縮退操作して、図2に示すように、一対の側部フレーム55,56のそれぞれを対向する側である内側に向けて回動させて折り曲げ操作して、これら一対の側部フレーム55,56に固定されている一対の側面部材21,22の間隔を、函渠1内の水平方向の幅寸法より小さな間隔寸法にする。
【0048】
この後、このフレーム体51の油圧シリンダ64をコンプレッサにて縮退操作して、上部フレーム65を下方に移動させて、この上部フレーム65を一対の側部フレーム55,56上に位置させるとともに、この上部フレーム65に固定されている上面部材41と底面部材13との間隔を、函渠1内の高さ寸法より小さな間隔寸法して、このフレーム体51を函渠1内に搬入可能な状態にする。
【0049】
すなわち、プレキャスト部材11の一対の側面部材21,22それぞれの外側面23,24は、函渠1の内側面5のうちの水平方向の対向する部分に対応した円弧状に形成されている。また、このプレキャスト部材11の底面部材13の外側面14は、函渠1の内側面3のうちの一対の側面部材21,22の外側面23,24を対応させた部分の間の下部に対応した円弧状に形成されている。さらに、このプレキャスト部材11の上面部材41の外側面42は、函渠1内側面5のうちの一対の側面部材21,22の外側面23,24を対応させた部分の間の上部に対応した円弧状に形成されている。
【0050】
この状態で、搬入工程として、このフレーム体51をクレーンにて吊り上げて、このフレーム体51を立て坑から函渠1内へ挿入してから、このフレーム体51の底部フレーム52に取り付けられている底面部材13の高さ位置を函渠1の底部2の内側面3より上方に移動させた状態で、この函渠1内でフレーム体51を搬送し、この函渠1内の底部2の内側面3上に設置する(ステップ5)。
【0051】
次いで、搬送工程として、この函渠1内に予め設置したフォークリフトBを運転操作して、このフォークリフトBの一対のフォークCを、フレーム体51の一対のリフトケース67,68に挿入して係止させてから、これらフォークCを昇操作させて、フレーム体51を函渠1の底部2の内側面3上から吊り上げる。
【0052】
この状態で、図3に示すように、このフォークリフトBを運転して函渠1の底部2の内側面3上を走行させて、このフォークリフトBのフォークCにて吊り上げたフレーム体51を、このフレーム体51に取り付けられているプレキャスト部材11の設置位置へ移動して搬送する(ステップ6)。
【0053】
次いで、底部設置工程として、このフォークリフトBのフォークCを降操作させて、このフォークCが各リフトケース67,68に挿入されたフレーム体51に取り付けられているプレキャスト部材11の底面部材13を下方に移動させて、この底面部材13を函渠1の底部2の内側面3上に設置して、このプレキャスト部材11の底面部材13を、函渠1の底部2の内側面3上に設置して据え付ける(ステップ7)。
【0054】
この後、上部設置工程として、このフォークリフトBを運転して後方に移動させて、このフォークリフトBの一対のフォークCをフレーム体51のリフトケース67,68から抜く。
【0055】
さらに、函渠1内に予め搬入したコンプレッサAを、フレーム体51の油圧シリンダ64に接続して伸張操作して、このフレーム体51の上部フレーム65を上方に移動させ、図4に示すように、この上部フレーム65に取り付けられている上面部材41と底面部材13との間隔寸法を大きくしていき、この上面部材41の外側面42を函渠1の周面部4の内面上部6の内側面5に対向させて被覆して、この上面部材41を、函渠1の周面部4の内面上部6の内側面5に設置して据え付ける(ステップ8)。
【0056】
この状態で、側部設置工程として、このコンプレッサAを、フレーム体51の油圧シリンダ57,58に接続して伸張操作して、このフレーム体51の各側部フレーム55,56のそれぞれを函渠1側である外側に向けて回動させて、これら各側部フレーム55,56に取り付けられている各側面部材21,22の間隔寸法を搬送工程時の間隔寸法より大きくしていく。
【0057】
そして、図1に示すように、これら各側面部材21,22の外側面23,24を、函渠1の周面部4の各内面側部7,8の内側面5に対向させて被覆して、これら側面部材21,22を、函渠1の周面部4の内面側部7,8の内側面5に設置して据え付ける(ステップ9)。
【0058】
このとき、これら側面部材21,22の各載置下面25,26が底面部材13の各載置上面16に重ね合わされて積み重ねられるとともに、これら側面部材21,22の各載置上面27,28が上面部材41の各載置下面43,44に重ね合わされて積み重ねられ、この上面部材41が一対の側面部材21,22の載置上面27,28間に橋渡しされるように設置されて、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41が函渠1の内側面3,5に押し付けられつつ、この函渠1内で自立した状態に設置される。
【0059】
この状態で、フレーム取外工程として、フレーム体51の底部フレーム52、一対の側部フレーム55,56および上部フレーム65のそれぞれを、底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれから取り外す。
【0060】
次いで、このフレーム体51の各油圧シリンダ57,58,64のそれぞれを順次縮退操作して、一対の側部フレーム55,56を内側に回動させてから、上部フレーム65を下方に移動させる(ステップ10)。
【0061】
この後、フレーム搬出工程として、このフレーム体51をフォークリフトBにて移動させて、このフレーム体51を函渠1内から搬出させ、このフレーム体51が取り付けられていたプレキャスト部材11のみが函渠1内の所定の位置に設置される(ステップ11)。
【0062】
次いで、連続工程として、このプレキャスト部材11とは別個のプレキャスト部材11も同様に、上記ステップ5ないしステップ11の搬入および据え付け操作をして、函渠1内に設置されているプレキャスト部材11に連続して設置させて据え付けるとともに、これらプレキャスト部材11からフレーム体51を取り外して函渠1内から搬出する(ステップ12)。
【0063】
そして、グラウト注入工程として、この函渠1内に所定数のプレキャスト部材11が連続して据え付けられた状態で、これら各プレキャスト部材11の貫通孔18にグラウトホースを挿入し、これらグラウトホースからプレキャスト部材11の底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41それぞれの外側面14,23,24,42と函渠1の内側面3,5との間にグラウトを注入して、これらの底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれを函渠1の内側面3,5に一体化させて固定する(ステップ13)。
【0064】
この後、搬出工程として、この函渠1内からフォークリフトBやコンプレッサAを搬出してから(ステップ14)、立て坑閉鎖工程として、この函渠1に形成した立て坑を閉じて(ステップ15)、この函渠1の補修作業を完了する(ステップ16)。
【0065】
上述したように、上記一実施の形態によれば、函渠1の内側面3,5を被覆して補修するためのプレキャスト部材11を、底面部材13と、一対の側面部材21,22と、上面部材41とに分割して形成した。このことから、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41をフレーム体51にて連結させて、一対の側面部材21,22の間隔寸法を、函渠1の幅寸法より小さくするとともに、底面部材13と上面部材41との間隔寸法を、函渠1内の高さ寸法より小さくすることにより、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれを一度に函渠1内に搬入できる。したがって、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41にて構成されたプレキャスト部材11の函渠1内への搬送作業を容易にできる。
【0066】
また、このプレキャスト部材11の底面部材13上に設置したフレーム体51の一対の側部フレーム55,56を回動可能とし、これら一対の側部フレーム55,56に側面部材21,22を取り外し可能に固定させ、このフレーム体51の昇降可能な上部フレーム65に上面部材41を取り外し可能に固定させて、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれをフレーム体51にて取り外し可能に連結させた。
【0067】
この結果、このフレーム体51の一対の側部フレーム55,56を内側に回動させるとともに、このフレーム体51の上部フレーム65を下方に移動させるだけで、このフレーム体51とともに底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれの相対的な位置関係を保持しつつ、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41を一度に函渠1内に搬入できる。
【0068】
さらに、この函渠1内にフレーム体51を搬入してから、このフレーム体51の一対の側部フレーム55,56を外側に向けて回動させることにより、これら一対の側部フレーム55,56に固定されている側面部材21,22のそれぞれを函渠1の周面部4の各内面側部7,8の内側面5に設置できる。また、このフレーム体51の上部フレーム65を上方に移動させることにより、この上部フレーム65に固定されている上面部材41を函渠1の周面部4の内面上部6の内側面5に設置できる。
【0069】
したがって、底面部材13を函渠1内の所定位置に設置する作業と、このフレーム体51の一対の側部フレーム55,56の回動操作と、このフレーム体51の上部フレーム65の昇操作とによって、プレキャスト部材11の底面部材13を函渠1の底部2の内側面3上に設置できるとともに、このプレキャスト部材11の一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれを函渠1の周面部4の内側面5を覆うように設置できる。よって、これら一対の側面部材21,22および上面部材41それぞれの函渠1の内側面5への設置作業を容易にできる。
【0070】
以上から、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41にて構成されたプレキャスト部材11の函渠1内への搬入作業を容易にできるとともに、このプレキャスト部材11の函渠1の内側面3,5への設置作業を容易にできる。
【0071】
また、フレーム体51の上部フレーム65を上方に移動させてから、このフレーム体51の一対の側部フレーム55,56を外側に向けて回動させた際に、これら一対の側部フレーム55,56に固定されている各側面部材21,22の載置下面25,26のそれぞれが、底面部材13の載置上面16に重ね合わされて設置されて積み重ねられるとともに、これら側面部材21,22の載置上面27,28のそれぞれが、上面部材41の各載置下面43,44に重ね合わされて設置されて、この上面部材41が一対の側面部材21,22の載置上面27,28間に橋渡しされて設置されて、一対の側面部材が自立する。
【0072】
よって、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれを函渠1内の所定位置に設置して、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれで、この函渠1の内側面3,5を被覆させた際に、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41にて構成されたプレキャスト部材11が自立し、このプレキャスト部材11が自立した状態で函渠1内に設置される。
【0073】
したがって、この函渠1内にプレキャスト部材11を据え付けた際に、このプレキャスト部材11の一対の側面部材21,22および上面部材41などを函渠1内で仮り固定したり位置決めしたりするために吊り下げ支持などする必要が無くなる。よって、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41を予め組み立てることなどなく、ずらして一度に函渠1内に搬送できるとともに、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41にて構成されたプレキャスト部材11の函渠1内での設置作業をさらに容易にできる。
【0074】
さらに、このプレキャスト部材11の一対の側面部材21,22の載置上面27,28および上面部材41の載置下面43,44のそれぞれを、これら一対の側面部材21,22および上面部材41それぞれの外側面23,24,42側から内側面29,30,45側に向けて下方に傾斜した平坦面とした。この結果、底面部材13上に一対の側面部材21,22を設置してから、これら一対の側面部材21,22の各載置上面27,28に上面部材41の載置下面43,44を載置させて設置し、この上面部材41を一対の側面部材21,22間に橋渡しさせて設置した際に、この上面部材41の自重によって各側面部材21,22の載置上面27,28に外側に向いた力が掛かる。
【0075】
このことから、この上面部材41の自重に基いて、これら一対の側面部材21,22を函渠1の内側面5に押し付けることができ、各側面部材21,22が内側面29,30側に倒れることを防止できる。また同時に、各側面部材21,22の自重に基づく、これら各側面部材21,22の内側面29,30側への倒れ込みを上面部材41の自重で防止できるから、これら各側面部材21,22の内側面29,30側への倒れ込みを効率よく防止でき、これら一対の側面部材21,22の自立をより容易にできる。
【0076】
また、これら一対の側面部材21,22の載置下面25,26および底面部材13の載置上面16のそれぞれを、これら底面部材13および一対の側面部材21,22それぞれの内側面17,29,30側から外側面14,23,24側に向けて下方に傾斜した平坦面とした。この結果、これら一対の側面部材21,22の載置下面25,26を底面部材13の載置上面16に載置させて設置してから、これら一対の側面部材21,22の間に上面部材41を橋渡しさせて設置した際に、これら一対の側面部材21,22の下端部である載置下面25,26に、外側に向いた力が掛かる。
【0077】
したがって、これら上面部材41および側面部材21,22の自重に基いて、これら一対の側面部材21,22を函渠1の内側面5に押し付けることができ、これら各側面部材21,22が内側面29,30側に倒れることを防止できる。このため、これら各側面部材21,22の内側面29,30側への倒れ込みを効率よく防止でき、これら一対の側面部材21,22の自立をより容易にできる。よって、プレキャスト部材11を自立させた状態が確保しやすくできるので、このプレキャスト部材11を自立させる作業をより容易にできる。
【0078】
なお、上記一実施の形態では、縦断面略円形の既設の函渠1について説明したが、この函渠1の縦断面の形状については特に限定されず、円形以外の正方形や長方形などの縦断面形状であっても対応させて用いることができる。
【0079】
また、フレーム体51にて底面部材13に一対の側面部材21,22を回動可能に連結させ、この底面部材13に昇降可能に上面部材41を連結させたが、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41の相対的な位置関係を保持した状態で、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41のそれぞれを一度に函渠1内に搬入して設置できる構成であれば、これら底面部材13、一対の側面部材21,22および上面部材41がどのような構成で連結されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明のカルバート部材の設置状態を示す説明図である。
【図2】同上カルバート部材の搬入状態を示す説明図である。
【図3】同上カルバート部材の搬入状態を示す説明図である。
【図4】同上カルバート部材の設置状態を示す説明図である。
【図5】同上カルバート部材を用いた補修方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1 管体としての函渠
3,5 内側面
11 カルバート部材としてのプレキャスト部材
13 底面部材
16 載置部としての設置面である載置上面
21,22 側面部材
23,24 外側面
25,26 載置面としての載置下面
27,28 設置面としての載置上面
29,30 内側面
41 上面部材
42 外側面
43,44 載置面としての載置下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円弧状の一対の側面部材と、
これら一対の側面部材の円弧状の円弧の中心側を対向させた状態で、前記一対の側面部材の間に載置され前記一対の側面部材を自立させる断面円弧状の上面部材と
を具備したことを特徴としたカルバート部材。
【請求項2】
一対の側面部材は、これら一対の側面部材の幅方向の上面部材が載置される側の側縁に、これら一対の側面部材の中心側に向けて下方に傾斜した設置面が形成され、
上面部材は、この上面部材の幅方向の両側縁に、この上面部材の内側に向けて下方に傾斜した載置面が形成されている
ことを特徴とした請求項1記載のカルバート部材。
【請求項3】
一対の側面部材が載置される載置部が幅方向の両側縁にそれぞれ設けられ、これら載置部に前記一対の側面部材を設置させる略板状の底面部材を具備した
ことを特徴とした請求項1または2記載のカルバート部材。
【請求項4】
一対の側面部材は、これら一対の側面部材の幅方向の底面部材の設置部に設置される側の側縁に、これら一対の側面部材の中心側に向けて上方に傾斜した載置面が形成され、
底面部材は、この底面部材の載置部に、この底面部材の内側に向けて上方に傾斜した設置面が形成されている
ことを特徴とした請求項3記載のカルバート部材。
【請求項5】
一対の側面部材および上面部材は、これら一対の側面部材および上面部材の外側面を対応させた内側面を有する管体内に設置される
ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載のカルバート部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−169595(P2008−169595A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2991(P2007−2991)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(391034499)鶴見コンクリート株式会社 (15)
【Fターム(参考)】