説明

カーテンボックス

【課題】 所謂”24時間換気”に対応できる充分な換気効率を確保し得る一方、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室内の美観を保持し得るカーテンボックスを提供する。
【解決手段】 カーテンボックスA1では、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレール2の両側に仕切板3(ここでは、左仕切板3a、右仕切板3b)で隔てられた換気用区画4(ここでは、左換気用区画4a、右換気用区画4b)を形成し、この換気用区画4の内面5である、換気用区画4の〔天井側〕底面5aに換気口6(ここでは、左換気口6a、右換気口6b)を有するので、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、所謂”24時間換気”に対応可能な換気の実現に寄与し得るカーテンボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
所謂シックハウス防止等の観点から、今般の建築基準法の改正により、原則として全ての新築住宅に所謂”24時間換気”が義務づけられることとなり、現在、新築住宅の各居室に給排気システムを設けることが必要となっている。
【0003】
一方、かかる”24時間換気”に対応するためには、以下の(1)、(2)の2つの給排気方法が考えられる。すなわち、
(1)壁、天井に貫通穴を開けて各室毎の換気を実施する。
(2)ドアにアンダーカットを設け、居室間をつなげてまとめて給排気する。
というものである。
【0004】
他方、かかる給排気方法にもそれぞれ、以下のような問題点がある。すなわち、給排気方法(1)では、居室内の各所に貫通穴を多数、形成する必要があり、美観的にも、機能的にも不都合である一方、給排気方法(2)では、ドア下からの隙間風、光漏れ等の問題が発生し易いからである。
【0005】
かかる問題に対処する方策の一つとして、居室内に後付けで設置する内装住宅設備等に換気口を設置する方法等が例示できる。
【0006】
例えば、特開平6−185882号公報には、カーテンボックス内に組込み可能で、建物の内/外壁の穴開け等の負担を軽減した熱交換換気扇が、開示されている。しかし、この熱交換換気扇の二つの換気口が、相互に近接配置されており、給排気効率の観点から、また、給排気に伴って、カーテンボックス内のカーテンが揺れること等も危惧され、未だ改善の余地を残すものであるとも考えられる。
【特許文献1】特開平6−185882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、所謂”24時間換気”に対応できる充分な換気効率を確保し得る一方、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室内の美観を十全に保持し得るカーテンボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のカーテンボックスにあっては、下方に開口を有し、カーテンレールを収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレールの両側に仕切板で隔てられた換気用区画を形成し、前記換気用区画の内面に換気口を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に係る発明のカーテンボックスにあっては、請求項1記載のカーテンボックスにおいて、前記換気口を前記換気用区画の底面に有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に係る発明のカーテンボックスにあっては、請求項1記載のカーテンボックスにおいて、前記換気口を前記換気用区画の内側面に有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のカーテンボックスでは、下方に開口を有し、カーテンレールを収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレールの両側に仕切板で隔てられた換気用区画を形成し、前記換気用区画の内面に換気口を有するので、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室内の美観を十全に保持し得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本願発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、本願発明のカーテンボックスは、下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。ここで、図1は、本願発明の第1の実施形態に係るカーテンボックスA1の構成の要部を概略的に示すもので、(a)は、底面図、(b)は、(a)のX‐X‘線における断面図、(c)は、設置の様子を模式的に示す断面図(左換気用区画4aを縦断する面における)である。一方、図2は、本願発明の第2の実施形態に係るカーテンボックスA2の構成の要部を概略的に示すもので、(a)は、底面図、(b)は、(a)のY‐Y‘線における断面図、(c)は、設置の様子を模式的に示す断面図(左換気用区画4aを縦断する面における)である。
【0013】
すなわち、図1に示すように、本願発明の第1の実施形態に係るカーテンボックスA1は、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスである。さらに、カーテンレール2の両側に仕切板3(ここでは、左仕切板3a、右仕切板3b)で隔てられた換気用区画4(ここでは、左換気用区画4a、右換気用区画4b)を形成し、この換気用区画4の内面5である、換気用区画4の〔天井側〕底面5aに換気口6(ここでは、左換気口6a、右換気口6b)を有するものである。
【0014】
本実施形態においては、換気口6は、カーテンボックスA1の背後の窓ドア7上方の外壁8を貫通するダクト9を経由して、屋外10側に設置された換気カバー11に接続されている。このように、本実施形態では、住宅に対する穴開け等を必要最小限に抑えつつ、所謂”24時間換気”に対応できる換気システムの構築に寄与し得ることとなる。
【0015】
また、本実施形態においては、換気口6を、換気用区画4の内面5である〔天井側〕底面5aに設けているので、換気口6が居室12内での通常の生活では直接、目視され難く、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。
【0016】
さらに、換気口6を、カーテンレール2とは、仕切板3で隔離された換気用区画4の底面5a(内面5)に設けているので、カーテンボックスA1を使用する際、カーテンレール2に吊着するカーテンが仕切板3で換気用区画4と隔離される結果、換気用区画4内部における換気の際の気流に直接触れないため、給排気に伴ってカーテンボックス内のカーテンが揺れる等の不都合も効果的に回避し得ることとなる。
【0017】
このように、本実施形態のカーテンボックスA1では、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレール2の両側に仕切板3で隔てられた換気用区画4を形成し、この換気用区画4の内面5である、換気用区画4の〔天井側〕底面5aに換気口6を有するので、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。
【0018】
一方、図2に示すように、本願発明の第2の実施形態に係るカーテンボックスA2は、上記第1の実施形態と同様に、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスであって、カーテンレール2の両側に仕切板3(ここでは、左仕切板3a、右仕切板3b)で隔てられた換気用区画4(ここでは、左換気用区画4a、右換気用区画4b)を形成し、この換気用区画4の内面5である、換気用区画4の〔窓ドア7側の〕内側面5bに換気口6(ここでは、左換気口6c、右換気口6d)を有するものである。
【0019】
本実施形態においても、上記本願発明の第1の実施形態と同様に、換気口6は、カーテンボックスA2の背後の窓ドア7上方の外壁8を貫通するダクト9を経由して、屋外10側に設置された換気カバー11に接続されている。このように、本実施形態では、住宅に対する穴開け等を必要最小限に抑えつつ、所謂”24時間換気”に対応できる換気システムの構築に寄与し得ることとなる。
【0020】
また、本実施形態においては、換気口6を、換気用区画4の内面5である〔窓ドア7側の〕内側面5bに設けているので、換気口6が居室12内での通常の生活では直接、目視され難く、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。
【0021】
さらに、換気口6を、カーテンレール2とは、仕切板3で隔離された換気用区画4の〔窓ドア7側の〕内側面5b(内面5)に設けているので、上記第1の実施形態と同様に、カーテンボックスA2を使用する際、カーテンレール2に吊着するカーテンが換気の際の気流に直接触れないので、給排気に伴ってカーテンボックス内のカーテンが揺れる等の不都合も効果的に回避し得ることとなる。
【0022】
このように、本実施形態のカーテンボックスA2では、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレール2の両側に仕切板3で隔てられた換気用区画4を形成し、この換気用区画4の内面5である、換気用区画4の〔窓ドア7側の〕内側面5bに換気口6を有するので、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。なお、本実施形態のカーテンボックスA2では、換気用区画4の〔窓ドア7側の〕内側面5bに換気口6を有する構成としたが、換気口6を配設する部位は、換気用区画4の内面5であれば、〔窓ドア7側の〕内側面5bのみに限定されず、他の内側面でもよく、また、上記第1の実施形態のように、底面〔天井側〕5aでもよく、上記課題解決に寄与する限りにおいて何ら制約のないことはいうまでもない。
【0023】
以上のように、本願発明のカーテンボックスでは、下方に開口1を有し、カーテンレール2を収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレール2の両側に仕切板3で隔てられた換気用区画4を形成し、この換気用区画4の内面5に換気口6を有するので、住宅に対する穴開け等の負担を軽減でき、且つ、居室12内の美観を十全に保持し得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係るカーテンボックスA1の構成の要部を概略的に示すもので、(a)は、底面図、(b)は、(a)のX‐X‘線における断面図、(c)は、設置の様子を模式的に示す断面図(左換気用区画4aを縦断する面における)である。
【図2】本願発明の第2の実施形態に係るカーテンボックスA2の構成の要部を概略的に示すもので、(a)は、底面図、(b)は、(a)のY‐Y‘線における断面図、(c)は、設置の様子を模式的に示す断面図(左換気用区画4aを縦断する面における)である。
【符号の説明】
【0025】
1 開口
2 カーテンレール
3 仕切板
3a 左仕切板
3b 右仕切板
4 換気用区画
4a 左換気用区画
4b 右換気用区画
5 内面(換気用区画4)
5a 底面〔天井側〕(内面5)
5b 内側面〔窓ドア7側〕(内面5)
6 換気口
6a 左換気口(底面5a)
6b 右換気口(底面5a)
6c 左換気口(内側面5b)
6d 右換気口(内側面5b)
7 窓ドア
8 外壁
9 ダクト
10 屋外
11 換気カバー
12 居室
13 天井裏
A カーテンボックス
A1 カーテンボックス
A2 カーテンボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開口を有し、カーテンレールを収納し得る略箱型形状のカーテンボックスにおいて、前記カーテンレールの両側に仕切板で隔てられた換気用区画を形成し、前記換気用区画の内面に換気口を有することを特徴とするカーテンボックス。
【請求項2】
前記換気口を前記換気用区画の底面に有することを特徴とする請求項1記載のカーテンボックス。
【請求項3】
前記換気口を前記換気用区画の内側面に有することを特徴とする請求項1記載のカーテンボックス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−34367(P2006−34367A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214841(P2004−214841)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】