説明

カーテンレールのカバー装置、シーリング、及びカーテンレールの組立体

【課題】施工性のよいカーテンレールのカバー装置、シーリング、及びカーテンレールの組立体を提供する。
【解決手段】壁部にブラケット13を介して支持されるカーテンレール1と、同カーテンレール1の上部を覆うシーリング30とを備えるカーテンレールのカバー装置において、カーテンレール1の上部に上方に向かって立ち上がる支持片12aを備え、シーリング30は、壁部側の第1の縁部が壁部と、壁部の反対側に設けられる第2の縁部が支持片12aと、それぞれ当接した状態で、これら壁部及び支持片12aの協働で保持されることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンレールの上部に設けられて遮光性及び断熱性を高めるカーテンレールのカバー装置、シーリング、及びカーテンレールの組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンレールの上部を覆って遮光性及び防音性を高めるカーテンレールのカバー装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。特許文献1のカバー装置は、断面L字状とされたカバー本体と、これの両端部に取り付けられるエンドカバーとにより構成されている。エンドカバーは、住宅の壁部に複数のブラケットを介して支持される2本のカーテンレールの両端部に取り付けられる。カバー本体は、カーテンレールの上方に位置するようにエンドカバーに取り付けられる。カーテンレールは、カバー本体に収容される。こうして、カバー装置は、2本のカーテンレールと壁部との間における遮光性及び防音性を高めている。また、特許文献2のように、カーテンレールとこれの上部を覆うカバー本体とを一体化したものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平8−942号公報
【特許文献2】実公平5−7982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のカバー装置では、断面L字状に形成されているカバー本体の室内側の部分が、カーテンレールの室内側の面の前方に位置している。すなわち、カバー本体の室内側の部分とカーテンレールの室内側の面との間には、空間が存在する。このため、カバー本体が大型化してしまい、このカバー装置をカーテンレールに取り付ける際の施工性が悪い。特許文献2のカバー装置においては、カーテンレールとカバー本体とが一体であることから、カーテンレールごと取外しする必要がある。このため、施工性が悪い。従って、部屋内側面意匠をユーザーの嗜好に合わせて選択・取替えることが困難となる。さらに言えば、ブラケットをスライドブロックによるワンタッチ嵌合にしようとすると前掛け部に保持した状態でレールを部屋外側に傾斜した状態から水平の状態に回転させながら取り付けなければならないためブラケット上部に当たらないよう前板を高くする必要があり高くしてしまうとブラケット上方に大きい空間がないと取り付けることさえもできない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクトで施工性のよいカーテンレールのカバー装置、シーリング、及びカーテンレールの組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、壁部にブラケットを介して支持されるカーテンレールと、同カーテンレールの上部を覆うシーリングとを備えるカーテンレールのカバー装置において、前記カーテンレールの上部に上方に向かって立ち上がる支持片を備え、前記シーリングは、前記壁部側の第1の縁部が前記壁部と、前記壁部の反対側に設けられる第2の縁部が前記支持片と、それぞれ当接した状態で、これら前記壁部及び前記支持片の協働で保持されることを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、シーリングは、カーテンレールの支持片と壁部とによって協働で保持される。すなわち、シーリングは、カーテンレールとは独立しているため、同カーテンレールの形状への依存が小さい。このため、シーリングの大型化が抑制されている。従って、このカーテンレールのカバー装置を取り付けるときの施工性がよい。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記ブラケットは、前記カーテンレールを保持する保持部を備え、前記カーテンレールは、前記支持片に連続して前記壁部側へ延びる延設片と、同延設片の下側において前記保持部に保持されるブラケットかかり部とを備え、前記延設片の前記壁部側への突出長は、前記ブラケットかかり部が前記保持部に支持された状態で前記ブラケットに対し前記壁部側に傾斜した状態から、先の支持された部分を支点として回動して前記カーテンレールと前記ブラケットとが取り付け状態となるまで、前記延設片が前記ブラケットの上面に対し干渉しない長さに設定したことを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、カーテンレールをブラケットに取り付けつときに延設片は、ブラケットの上面と干渉しない。これにより、カーテンレールをブラケットにとりつけるときの作業性がよい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記ブラケットかかり部は、前記支持片に連続して前記壁部側へ延びて規制され、前記シーリングは、前記第2の縁部が前記延設片と前記ブラケットかかり部との間に収容されながら、前記第2の縁部を支点にして前記第1の縁部を前記カーテンレールの上方から前記カーテンレールに向かって変位させることにより、前記壁部及び前記支持片の協働で保持されることを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、シーリングの第2の縁部の上側には、延設片が設けられている。このため、第2の縁部の上方への変位が規制される。これにより、シーリングが上方へ変位して外れてしまうことが抑制される。また、カーテンレールと延設片との間に収容した第2の縁部を支点にしてシーリングを回動させるという容易な方法でシーリングをカーテンレールに取り付けることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載のカーテンレールのカバー装置において、前記シーリングは、条を備えることを要旨とする。
同構成によれば、シーリングの長手方向における剛性が高まる。これにより、支持片と壁部との間に取り付けやすくなる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記カーテンレールは、前記壁部側の第1のレールと、同第1のレールよりも前記壁部から離れた側に設けられる第2のレールとにより構成され、前記ブラケットは、その下部において前記第1及び第2のレールを支持するとともに、前記第2のレールを支持する位置の上面が、前記第1のレールを支持する位置の上面と比較して低く形成され、前記条は、前記ブラケットにおける前記第2のレールを支持する位置の上面と当接することを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、シーリングは、条を介してブラケットの上面に支持される。従って、シーリングの荷重の一部は、直接ブラケットにかかる。これにより、第2のレールにかかる負荷が小さくなる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記カーテンレールの両端部に取り付けられて、同端部を隠すとともに前記壁部側に延びるサイドカバーを備え、前記シーリングは、前記カーテンレールの長手方向の長さと等しく形成され、同シーリングにおける長手方向の縁部は、前記サイドカバーと当接することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、シーリングとサイドカバーとの間における遮光性及び断熱性が高まる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記ブラケットに取り付けられるとともに、その上部に取付凸部を有するアダプタを備え、前記シーリングの下面には、前記取付凸部に支持される取付溝が形成されることを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、シーリングは、アダプタを介してブラケットに支持される。これにより、シーリングの位置決めがしやすくなる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7うちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記カーテンレールの長手方向からみたときの前記シーリングの形状は、波形であることを要旨とする。
【0018】
同構成によれば、シーリングの長手方向における剛性が高まる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記シーリングは、前記壁部に向かうにつれて徐々に板厚が薄くなることを要旨とする。
【0019】
板厚が薄くなっている部分は、弾性変形しやすい。従って、同構成によれば、シーリングと壁部とが密着しやすい。これにより、シーリングと壁部との間における遮光性及び断熱性が高まる。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記シーリングは、硬質部と、同硬質部よりも板厚が薄く設定されるとともに、同硬質部よりも前記壁部側に設けられる軟質部とからなることを要旨とする。
【0021】
同構成によれば、シーリングの剛性が高まるとともに、シーリングと壁部との間における遮光性及び断熱性が高まる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、前記シーリングは、押出材であることを要旨とする。
【0022】
同構成によれば、シーリングが軽量となり、カーテンレールへかかる荷重が小さくなる。
請求項12に記載の発明は、壁部にブラケットを介して支持される2つのカーテンレールの上部を覆うシーリングにおいて、前記ブラケットは、前記壁部側の前記カーテンレールの支持位置の上面が、前記壁部から離れた側の前記カーテンレールの支持位置の上面に対し高くなるように形成されており、前記シーリングの下面には、複数の条が一体形成されるとともに、同条の下側への突出長は、前記壁部側が短く、前記壁部から離れた側が長く形成されることを要旨とする。
【0023】
同構成によれば、シーリングに一体形成される複数の条の下側への突出長は、ブラケットの形状に沿ってその設定されている。このため、複数の条は、ブラケットの上面と当接する。これにより、シーリングの荷重は、複数の条からブラケット全体に分散される。従って、ブラケットにかかる負荷が軽減される。
【0024】
請求項13に記載の発明は、壁部にブラケットを介して支持されるカーテンレールと、前記カーテンレールの両端部に接続されるとともに、前記壁部側に延びる2つのサイドカバーと、前記カーテンレールの上部に連続して上方に向かって立ち上がるとともに、前記壁部から離れた側の面が意匠面とされた支持片と、前記カーテンレールの上部を覆うとともに、前記壁部、前記2つのサイドカバー、及び前記支持片によって周囲が囲まれるシーリングを備えることを要旨とする。
【0025】
同構成によれば、意匠性に優れたカーテンレールの組立体を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、施工性のよいカーテンレールのカバー装置、シーリング、及びカーテンレールの組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態におけるカーテンレール及びカバー装置の分解斜視図。
【図2】本実施形態におけるカーテンレール及びカバー装置の斜視図。
【図3】本実施形態におけるカーテンレール及びカバー装置の側面図。
【図4】本実施形態におけるカーテンレールをブラケットに取り付けるときの側面図。
【図5】本実施形態の別例におけるカーテンレール及びカバー装置の側面図。
【図6】本実施形態の別例におけるシーリング及びブラケットの斜視図。
【図7】本実施形態の別例におけるシーリング及びブラケットの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化したカーテンレールのカバー装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
第2のレール12の室内側の端部には、上方に延びて壁部と並行に突出形成された支持片12aと、これの上端部に連続するとともに壁部側へ延びる延設片12cと、同延設片12cの下側において支持片12aに連続して壁部側へ延びるブラケットかかり12dとが設けられている。この延設片12cの突出長は第1の保持部15に取り付ける際に、図4に示すように、室内側に引っ掛けて傾けたときにおいてブラケット13上面には当たらない長さとされている。この支持片12aの室内側の面は意匠面12bとされている。意匠面12bは、その上下端部において見切りが形成されている。意匠面12bには、見切りの間において例えば木目オレフィンシート18が貼着されている。このシート18と同じのものがサイドカバー20の正面(室内側の面)から側面(左側及び右側の面)にかけて貼着される。従って、第2のレール12の意匠面12b及びサイドカバー20は、意匠的な統一感をもたらす。また、サイドカバーにも同様の上下前後に見切りを設けている。なお、支持片12aは後述するシーリング30と協働してカーテンレールのカバー装置を構成する。
【0029】
図1に示すように、第1及び第2のレール11,12の両端部にはサイドカバー20が取り付けられる。詳述すると、サイドカバー20は、第1及び第2のレール11,12の端部を連続して覆うカバー本体21と、これの内側面に設けられて第1及び第2のレール11,12の各端部に嵌合される2つのレール取着部21a,21bとを備えている。また、サイドカバー20は、同じく内側面に設けられてカバー本体21のレール取着部21a,21bよりも壁部側に取付部21cを備えている。この取付部21cには、カーテン生地を吊下支持するためのリターンホルダ22が取り付けられる。
【0030】
図1に示すように、第1及び第2のレール11,12の上部を覆うシーリング30は、常温において弾性変形が可能とされた樹脂材料の押出材である。このシーリング30の左右方向(長手方向)の長さは第1及び第2のレール11,12の長手方向の長さと同等に、室内外方向(短手方向)の長さはブラケット13よりも若干長く設定されている。図3に示すように、シーリング30は、長手方向から見たときの形状が凸と凹とが交互に連続する波形とされた硬質部31と、これに連続して同じく側面形状が壁部側に向かうにつれて徐々に上方に向かって反るように形成された第1の縁部としての軟質部32とを備えて構成されている。硬質部31は室内側、軟質部32は壁部側とされている。
【0031】
軟質部32の板厚は、硬質部31の板厚に比べ薄く、且つ、壁部側に向かうにつれて徐々に薄く設定されている。このため、軟質部32は、壁部に沿って弾性変形しやすい。なお、軟質部32は、薄く、且つ軟らかく形成されているため、刃物等で切り欠き等を形成することが容易である。
【0032】
硬質部31は、第2の縁部としての密着片33、4つの条34、及び取付溝35を備えている。密着片33は、硬質部31の最室内側において下方に向かって突設されている。この密着片33の突出長は、第2のレール12における延設片12cと、ブラケットかかり12dとの間の距離より僅かに短く設定されている。これにより図5のように傾斜した状態でも密着辺33は延設片12cとブラケットかかり12dとのとの間に入る。4つの条34は、硬質部31の下面において密着片33よりも壁部側に突設されている。4つの条34のうちの3つの条34a,34b,34cの下方向の突出長は、ブラケット13の上面における室内側と壁部側との高さの差と等しく設定されている。取付溝35は、硬質部31の下面において3つの条34a,34b,34cよりも壁部側に設けられている。また、4つの条34のうちの1つの条34dは、取付溝35のさらに壁部側における軟質部32との境目に設けられている。この条34dの下方向への突出長は、波形に形成された硬質部34の下方へ向かって凸となる部分の突出長と同じ長さとされている。これら密着片33、4つの条34、及び取付溝35は、シーリング30の長手方向(左右方向)に延設されている。すなわち、取付溝35は、下方に開口するレール状とされており、次に述べるアダプタ40の取り付け可能とされている。なお、取付溝35は、上下方向への弾性変形が可能なスナップフィットとされている。また、本例における取付溝35と密着片33との距離は、ブラケット13に支持された第2のレール12における取付部13aと支持片12aとの距離と等しく設定されている。なお、シーリング30の上面は意匠面とされている。
【0033】
図1に示すように、アダプタ40は、コの字状に形成された取付脚41と、これの上部に突設される取付片42とを備えている。取付片42の上部には、取付溝35に取り付けられる取付凸部43が形成されている。図3に示すように、取付凸部43は、室内外方向に向かって拡開した後折り返されて上に向かって徐々に先鋭となる形状とされている。取付脚41は左右方向への弾性変形が可能なスナップフィットとされている。
【0034】
このように構成されたシーリング30は、アダプタ40を介してカーテンレール1を支持するブラケット13に取り付けられる。
図1において、ブラケット13の上方において、取付脚41の位置を取付部13aに合わせて、アダプタ40を下方に向かって移動させる。すると、取付脚41は、ブラケット13によって左右方向に弾性変形させられる。そして、取付脚41は、取付部13aまで到達すると、スナップフィットによってブラケット13を狭持する。こうして、アダプタ40がブラケット13に取り付けられる。
【0035】
次に、アダプタ40の上方において、取付溝35の位置を取付片42(取付凸部43)に合わせてシーリング30を下方に向かって移動させる。このとき、シーリング30の密着片33は、第2のレール12における延設片12cと、ブラケットかかり12dとの間に入り込ませる。すると、取付溝35は、取付凸部43によって上下方向に弾性変形させられる。そして、取付溝35は、取付凸部43の下部まで到達すると、スナップフィットによって取付凸部43を支持する。こうして、シーリング30は、アダプタ40に取り付けられるとともに、図2に示すように、第1及び第2のレール11,12の上方を覆う。また、シーリング30の左右方向における長さは、第1及び第2のレール11,12の長手方向の長さと等しいので、シーリング30の両端部は、サイドカバー20と当接する。
【0036】
次に、ブラケット13に取り付けられたシーリング30の作用について説明する。
ブラケット13に取り付けられたシーリング30は、第1及び第2のレール11,12の上方を覆う。これにより、第1及び第2のレール11,12の間から光が漏れたり、熱が外部と交換されたりすることを抑制する。すなわち、シーリング30は、遮光効果及び断熱効果を高める。また、第1及び第2のレール11,12の上部やこれに吊下支持されるカーテンの上部に埃や塵が堆積することを抑制する。
【0037】
また、取付溝35と密着片33との距離は、ブラケット13に支持された第2のレール12における取付部13aと支持片12aとの距離と等しく設定されているため、シーリング30がカーテンレール1に取り付けられると、密着片33の室内側の面と支持片12aの壁部側の面とが密着する。さらに密着片33の上側の面と、支持片12aの壁部側へ折れ曲がっている部分の下面とが密着する。すなわち、この両者間における空間が形成されなくなる。これにより、意匠面12bと、シーリング30の上面に形成される意匠面との段差が小さくなるので、両意匠面による一体感を感じやすくなる。
【0038】
さらに、シーリング30の室内外方向の長さはブラケット13よりも若干長く設定されている。従って、シーリング30がカーテンレール1に取り付けられると、軟質部32が壁部と当接、且つ密着する。これにより、軟質部32と壁部との間における遮光効果及び断熱効果が高まる。
【0039】
また、本例のカーテンレール1には、サイドカバー20が取り付けられ、そのサイドカバー20には、リターンホルダ22が取り付けられている。このため、第1及び第2のレール11,12の長手方向は、リターンホルダ22によって折り返されるカーテンによって遮光性及び断熱性が高められている。従って、このカーテンレール1にシーリング30を取り付けたことにより、これらの効果が更に高まる。
【0040】
なお、シーリング30の硬質部31は、断面波形に形成されている。このため、長手方向への剛性が高まるので、硬質部31における板厚を薄くすることができる。これにより、シーリング30の重量を抑制することができ、ひいては、ブラケット13への負荷を抑制することができる。しかも、この点において、本例のシーリング30には、4つの条34が長手方向に亘って形成されている。このため、先の長手方向への剛性がさらに高められている。従って、さらに硬質部31における板厚を薄くすることができる。
【0041】
また、軟質部32は、薄く、且つ軟らかく形成されている。このため、本例では、図3に示すように、軟質部32に切り欠き32aを設けた。この切り欠き32aが設けられる位置は、ブラケット13における壁部とのビス止め位置と対応する位置とした。これにより、軟質部32は、ブラケット13の位置によらず、壁部と密着する。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)壁部に取り付けられたブラケット13に支持される第2のレール12の室内側の端部に上方に延びる支持片12aを設けた。また、ブラケット13にアダプタ40を介して支持されるシーリング30の室内外方向の長さを壁部と支持片12aとの距離よりも若干長く設定した。これにより、シーリング30をブラケット13に取り付けたとき、このシーリング30は、支持片12aと壁部との間に挟持される。このようにシーリング30は、第2のレール12とは独立している。従って、シーリング30を取り付けるときの施工性がよい。また、シーリング30をカーテンレール1に後付するときの施工性もよい。
【0043】
(2)シーリング30にブラケット13の上面における室内側と壁部側との高さの差と等しく設定された条34を設けた。これにより、シーリング30をブラケット13に取り付けたとき条34はブラケット13の上面に当接する。このため、シーリング30の荷重は条34を介してブラケット13にかかる。従って、シーリング30の荷重を壁部と協働して支持していた第2のレール12にかかる負荷が小さくなる。
【0044】
(3)カーテンレール1の両端部に、サイドカバー20を取り付けた。さらに、サイドカバー20に、リターンホルダ22が取り付けた。これにより、第2のレール12のランナー2に吊下支持されるカーテンは、リターンホルダ22によって折り返される。すなわち、左右方向の空間が折り返されたカーテンによって覆われる。このため、遮光効果及び断熱効果が高まる。
【0045】
(4)シーリング30の硬質部31における左右方向から見た形状を波形とした。これにより、シーリングの長手方向における曲げ剛性が高まる。従って、一般的に長尺となるシーリング30のブラケット13への取り付けが容易となる。
【0046】
(5)シーリング30の仮面に設けられる4つの条34の突出長を、ブラケット13の上面と当接するように設定した。これにより、シーリング30の荷重は、4つの条34からブラケット13に分散される。これにより、ブラケット13にかかる負荷が軽減される。
【0047】
(6)シーリング30の周囲を、壁部、2つのサイドカバー20、支持片12aで囲うようにした。これにより、見た目のよい意匠性に優れたカーテンレールの組立体を提供することができる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態おいて、アダプタ40を省略することができる。シーリング30の室内外方向における長さは、壁部と支持片12aとの長さよりも若干長く形成されている。従って、シーリング30は、壁部と支持片12aとの間に挟持される。すなわち、アダプタ40を省略してもシーリング30の密着片33と支持片12aとの密着は維持される。このため、このように構成しても、シーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。なお、このときは、シーリング30に取付溝35を形成しなくてもよい。
【0049】
・上記実施形態では、シーリング30は、アダプタ40を介してブラケット13に取り付けられたが、アダプタを介して第1のレール11に取り付けられてもよい。また、アダプタ40は省略してもよい。この場合、シーリング30は、密着片33を延設片12cとブラケットかかり12dとの間に位置させるとともに、同延設片12cを支点として軟質部32側を下側へ向けて回動させる。シーリング30の短手方向(室内側方向)の長さは、壁部と支持片12aとの間の距離より若干長く形成されているので、軟質部32が下側へ変位するのに伴い、同軟質部32は、壁部と当接する。そして、軟質部32は、壁部に沿って弾性変形する。この弾性変形により、シーリング30には、室内側へ向かって変位しようとする力が働くので、同シーリング30は、壁部と支持片12aとの間で挟持される。このように構成してもシーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0050】
・上記実施形態において、条34は省略してもよい。このように構成してもシーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
・上記実施形態において、ブラケット13における第2のレール12の取り付け位置上面の高さは第1のレール11の取り付け位置上面の高さよりも低く設定されていたが、同じ高さでもよいし、反対に、第1のレール11の取り付け位置上面の高さが高くてもよい。この場合、第2のレール12の支持片12aの上方への突出高さが、第1のレール11の取り付け位置上面よりも高ければよい。このように構成してもシーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0051】
・上記実施形態において、サイドカバー20は省略してもよい。このように構成してもシーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
・上記実施形態において、シーリング30の左右方向の長さは、第1及び第2のレール11,12の長手方向の長さと等しくなくてもよい。このように構成してもシーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。なお、シーリング30の左右方向の両端部とサイドカバー20とが当接していれば、両者の間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
・上記実施形態において、シーリング30は、波形に形成されていなくてもよい。例えば、面一に形成されていたとしても、シーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0052】
・上記実施形態において、シーリング30の板厚は、壁部に向かうにつれて薄くならなくてもよい。このように構成しても、シーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0053】
・上記実施形態では、シーリング30は、板厚の厚い硬質部31とこれの板厚よりも薄い板厚の軟質部32とにより構成されたが、厚さは均一であってもよい。このように構成しても、シーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0054】
・上記実施形態では、シーリング30は押出形成されたが、形成方法はこれに限らない。例えば、引出形成やプレス形成であってもよい。このようにしても、シーリング30と支持片12aとの間における遮光効果及び断熱効果は高まる。
【0055】
・上記実施形態では、取付溝35はスナップフィットとしたが、スナップフィットでなくてもよい。すなわち、取付溝35は弾性変形不能としてもよい。この場合、アダプタ40の取付凸部42を取付溝35に長手方向に沿ってスライドさせることにより、この両者を取り付け、その後、アダプタ40をブラケット13に取り付ける。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
・上記実施形態において、切り欠き32aに代えて図6に示すように覆部を設けてもよい。また、切り欠き32aは設けなくてもよい。この場合、図7に示すように、軟質部32がブラケット13の壁部へのビス止め位置を覆う。このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0057】
1…カーテンレール、11…第1のレール、12…第2のレール、12a…支持片、13…ブラケット、20…サイドカバー、30…シーリング、31…硬質部、32…軟質部、33…密着片、34…条、35…取付溝、40…アダプタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部にブラケットを介して支持されるカーテンレールと、同カーテンレールの上部を覆うシーリングとを備えるカーテンレールのカバー装置において、
前記カーテンレールの上部に上方に向かって立ち上がる支持片を備え、
前記シーリングは、前記壁部側の第1の縁部が前記壁部と、前記壁部の反対側に設けられる第2の縁部が前記支持片と、それぞれ当接した状態で、これら前記壁部及び前記支持片の協働で保持されることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記ブラケットは、前記カーテンレールを保持する保持部を備え、
前記カーテンレールは、前記支持片に連続して前記壁部側へ延びる延設片と、同延設片の下側において前記保持部に保持されるブラケットかかり部とを備え、
前記延設片の前記壁部側への突出長は、前記ブラケットかかり部が前記保持部に支持された状態で前記ブラケットに対し前記壁部側に傾斜した状態から、先の支持された部分を支点として回動して前記カーテンレールと前記ブラケットとが取り付け状態となるまで、前記延設片が前記ブラケットの上面に対し干渉しない長さに設定したことを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記ブラケットかかり部は、前記支持片に連続して前記壁部側へ延びて規制され、
前記シーリングは、前記第2の縁部が前記延設片と前記ブラケットかかり部との間に収容されながら、前記第2の縁部を支点にして前記第1の縁部を前記カーテンレールの上方から前記カーテンレールに向かって変位させることにより、前記壁部及び前記支持片の協働で保持されることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記シーリングは、条を備えることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項5】
請求項4に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記カーテンレールは、前記壁部側の第1のレールと、同第1のレールよりも前記壁部から離れた側に設けられる第2のレールとにより構成され、
前記ブラケットは、その下部において前記第1及び第2のレールを支持するとともに、前記第2のレールを支持する位置の上面が、前記第1のレールを支持する位置の上面と比較して低く形成され、
前記条は、前記ブラケットにおける前記第2のレールを支持する位置の上面と当接することを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記カーテンレールの両端部に取り付けられて、同端部を隠すとともに前記壁部側に延びるサイドカバーを備え、
前記シーリングは、前記カーテンレールの長手方向の長さと等しく形成され、同シーリングにおける長手方向の縁部は、前記サイドカバーと当接することを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記ブラケットに取り付けられるとともに、その上部に取付凸部を有するアダプタを備え、
前記シーリングの下面には、前記取付凸部に支持される取付溝が形成されることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項8】
請求項1〜7うちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記カーテンレールの長手方向からみたときの前記シーリングの形状は、波形であることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記シーリングは、前記壁部に向かうにつれて徐々に板厚が薄くなることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記シーリングは、硬質部と、同硬質部よりも板厚が薄く設定されるとともに、同硬質部よりも前記壁部側に設けられる軟質部とからなることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のカーテンレールのカバー装置において、
前記シーリングは、押出材であることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項12】
壁部にブラケットを介して支持される2つのカーテンレールの上部を覆うシーリングにおいて、
前記ブラケットは、前記壁部側の前記カーテンレールの支持位置の上面が、前記壁部から離れた側の前記カーテンレールの支持位置の上面に対し高くなるように形成されており、
前記シーリングの下面には、複数の条が一体形成されるとともに、同条の下側への突出長は、前記壁部側が短く、前記壁部から離れた側が長く形成されることを特徴とするカーテンレールのカバー装置。
【請求項13】
壁部にブラケットを介して支持されるカーテンレールと、
前記カーテンレールの両端部に接続されるとともに、前記壁部側に延びる2つのサイドカバーと、
前記カーテンレールの上部に連続して上方に向かって立ち上がるとともに、前記壁部から離れた側の面が意匠面とされた支持片と、
前記カーテンレールの上部を覆うとともに、前記壁部、前記2つのサイドカバー、及び前記支持片によって周囲が囲まれるシーリングを備えるカーテンレールの組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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