説明

カーテンレール用ブラケット

【課題】
天井面への直接取付、壁面への引き上げ取付、壁面への持ち上げ取付が可能なカーテンレール用ブラケットであって、荷重が大きくても曲げ変形のおそれがないものを提供する。
【解決手段】
定着ネジ通し孔が穿設された水平板部と、水平板部に取り付けられるカーテンレール支持部と、水平板部の後端から垂直に下降する垂直板部とを備える本体と、壁面に当接する両側板部と本体垂直板部に重合する垂直板部とを備える壁面用プレートとからなるカーテンレール用ブラケットにおいて、本体垂直板部には、固定ネジ孔を設け、壁面用プレート垂直板部には、固定ネジ孔と連通可能な2つの上下に並ぶネジ通し孔を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体を天井面に取り付けすることも、壁面用プレートを介して本体を壁面に持ち上げ取り付けすることも、引き上げ取り付けすることも可能なカーテンレール用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本体を天井面に取り付けすることも、壁面用プレートを介して壁面に持ち上げ取り付けすることも、引き上げ取り付けすることも可能なカーテンレール用ブラケットは、実用新案登録第3079314号公報により公知である。このブラケットは、本体とアングル形の壁面用プレートからなり、壁面用プレートの水平板部は、壁面用プレートの垂直板部が本体後端から垂下又は起立するように、本体の水平なアームに脱着自在にネジ止めされるる。垂直板部が本体後端から垂下するとき、ブラケットは、本体の天井面直接取付、又は壁面持ち上げ取付が可能であり、垂直板部が本体後端から起立するとき、ブラケットは、本体の壁面引き上げ取付が可能となる。しかし、この公知ブラケットは、壁面用プレートの水平板部が平板状であるため、荷重が大きいと、曲げ変形してカーテンレールの高さが変わるという問題がある。
【特許文献1】実用新案登録第3079314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、その課題は、本体を天井面に直接取付することも、壁面用プレートを介して壁面に持ち上げ取付することも、引き上げ取付することも可能なカーテンレール用ブラケットであって、壁面に取り付けるとき、荷重が大きくても曲げ変形しないものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、定着ネジ通し孔が穿設された水平板部と、水平板部に取り付けられるカーテンレール支持部と、水平板部の後端から垂直に下降する垂直板部とを備える本体と、壁面に当接する両側板部と本体垂直板部に重合する垂直板部とを備える壁面用プレートとからなるカーテンレール用ブラケットにおいて、本体垂直板部には、固定ネジ孔を設け、壁面用プレート垂直板部には、固定ネジ孔と連通可能な2つの上下に並ぶネジ通し孔を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のブラケットは、本体から壁面用プレートを外して本体水平板部の定着ネジ通し孔に定着ネジを通すと、本体の天井面直接取付が可能となる。壁面用プレートの上側のネジ通し孔に固定ネジを通して壁面用プレートを本体から垂下するように本体に固定し、本体の定着ネジ通し孔に定着ネジを通すと、本体の天井面取付が、壁面プレートの下側のネジ通し孔に定着ネジを通すと、本体の壁面持ち上げ取付がそれぞれ可能となる。壁面用プレートの下側のネジ通し孔に固定ネジを通して壁面用プレートを本体から起立するように本体に固定し、壁面プレートの上側のネジ通し孔に定着ネジを通すと、本体の壁面引き上げ取付が可能となる。本体を壁面に取り付けたとき、壁面と当接する壁面用プレートの両側板部が補強となり、壁面用プレートの曲げ変形を規制するから、荷重が大きくても、カーテンレールの高さが変わるおそれはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ブラケットの本体に水平板部を挟む両側板部を設け、その両側板部に本体垂直板部から後方に突出する後端部を一体に形成し、その後端部に壁面用プレート両側板部を上下摺動自在に嵌合させることにより、壁面用プレートの2つのネジ通し孔の一方と本体の固定ネジ孔とを連通させる作業を容易にすることが好ましい。このとき、2つの上下に並ぶネジ通し孔を連続して1つの長孔にすると、固定ネジを少し弛めるだけで、壁面用プレートを本体垂直板部に沿って上下摺動させることができる。
【0007】
壁面用プレートの2つのネジ通し孔は、一方を固定ネジ専用通し孔に、他方を定着ネジ専用通し孔とすることができる。この場合、固定ネジを弛めた状態で、壁面用プレートを本体垂直板部の後面上において固定ネジ孔と連通するネジ通し孔を中心に半回転させることができるように、固定ネジを長目にして本体垂直板部の前面から本体両側板部の後端部前後幅よりも長く前方に突出させることが好ましい。
【0008】
本発明のブラケットは、定着ネジ通し孔が穿設された水平板部と、水平板部に取り付けられるカーテンレール支持部と、水平板部を挟む両側板部とを備える2つの同様な本体を結合して形成することも可能である。この場合、2つの本体は、水平板部同士が相互に直交し、それぞれの水平板部に対してカーテンレール支持部が同じ回転方向に位置するように、水平板部の後端部同士を接合する。この2つの本体からなるブラケットは、一方の本体の定着ネジ通し孔に定着ネジを通すことにより、本体の天井面直接取付と壁面引き上げ取付が可能となり、他方の本体の定着ネジ通し孔に定着ネジを逆方向に通すことにより、本体の壁面持ち上げ取付が可能となる。
【実施例】
【0009】
本発明のブラケットを図面に示す実施例1に基づいて説明する。図1及び図2は、実施例1の本体の壁面引き上げ取付を示す側断面図及び底面図、図3及び図4は実施例1の本体の壁面持ち上げ取付及び天井面直接取付をそれぞれ示す側面図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、ブラケット1は、本体2と、本体2とは別体の壁面用プレート3とからなる。本体2の水平板部4には天井面に固定するための定着ねじを通す定着ネジ通し孔5が穿設される。本体2の後端から垂下する垂直板部6には固定ネジ孔7が設けられる。本体2の水平板部4と垂直板部6を両側から挟む両側板部8が設けられ、水平板部4には止めねじ9を介してカーテンレール支持部10が取り付けられる。
【0011】
壁面用プレート3は、本体2の垂直板部6の後面に重合する垂直板部11と壁面17に当接する両側板部12を備える。壁面用プレート3の垂直板部11には固定ネジ孔7と連通可能な2つのネジ通し孔13、14が上下に穿設される。本体両側板部8は本体垂直板部6から後方に突出して後端部19を形成し、その後端部19は壁面用プレート3の両側板部12に上下摺動自在に内嵌する。
【0012】
図1のブラケット1は、壁面用プレート3の上側のネジ通し孔13に通した定着ネジ15により壁面17に定着し、壁面用プレート3の下側のネジ通し孔14に通した固定ネジ16により本体2が壁面用プレート3に固定される。このとき、壁面用プレート3が壁面に沿って本体2から起立するから、ブラケット1の本体2は壁面17に引き上げ取付される。
【0013】
壁面用プレート3を本体垂直板部6の後面に沿って下方に摺動し、固定ネジ16を上側のネジ通し孔13に通して本体の固定ネジ孔7に締め付け、定着ネジ15を下側のネジ通し孔14に通して壁面17に定着すると、図3に示すように、壁面用プレート3が壁面17に沿って本体2から垂下するから、ブラケット1の本体2は、定着ネジ15により壁面17に持ち上げ取付される。
【0014】
本体2の水平板部4の定着ネジ通し孔5に通した定着ネジ15を介して本体2を天井面18に定着すると、図4に示すように、ブラケット1の本体2は、定着ネジ15により天井面18に直接取付される。このとき、鎖線で示すように、壁面用プレート3は取り外しても良い。このように、実施例1は、固定ネジ16を外すと本体の取付方式を変更することができる。
【0015】
次に、実施例2を図面に基づいて説明する。図5及び図6は、実施例2の側断面図及び後面図、図7は、固定ネジを弛めた状態を示す底面図である。
【0016】
図5に示すように、実施例2のブラケット1aは、固定ネジ16aを除くと、実施例1と全く同じである。固定ネジ16aは、実施例1のものよりも長く、本体2の垂直板部6の前面からその後端部の前後幅より長く前方に突出する。
【0017】
図7に示すように、固定ネジ16aを弛めて壁面用プレート3の側板部12を本体2の
後端部19よりも後方にずらせると、図6に矢印で示すように、壁面用プレート3は固定ネジ16aを中心に回動可能となる。そこで、壁面用プレート3を本体から起立させて固定ネジ16aを締め付け固定すると、本体は引き上げ取付となり、壁面用プレート3を本体から垂下させて固定ネジ16aを締め付け固定すると、本体は持ち上げ取付となる。このように、実施例2は、固定ネジ16aを弛めて壁面用プレート3を回すことにより、本体の取付方式を変更することができる。
【0018】
次に、実施例3を図面に基づいて説明する。図8及び図9は、実施例3の側断面図及び後面図である。
【0019】
図8及び図9に示すように、実施例3のブラケット1bは、壁面用プレート3bのネジ通し孔13bを除くと、実施例1と全く同じである。ネジ通し孔13bは、上下に延長する長孔であり、壁面の定着ネジ孔と本体の固定ネジ孔の双方に連通する。
【0020】
固定ネジ16を少し弛めると、壁面用プレート3bは本体の垂直板部に沿って上下に摺動可能となる。そこで、壁面用プレート3bを本体から起立させて固定ネジ16を締め付け固定すると、本体は引き上げ取付となり、壁面用プレート3bを本体から垂下させて固定ネジ16を締め付け固定すると、本体は持ち上げ取付となる。このように、実施例2は、固定ネジ16を少し弛めて壁面用プレート3bを上下摺動することにより、本体の取付方式を変更することができる。
【0021】
次に、実施例4のブラケットを図面に基づいて説明する。図10は、実施例4の壁面引き上げ取付を示す側断面図、図11及び図12は、実施例4の壁面持ち上げ取付及び天井面取付をそれぞれ示す側面図である。
【0022】
図10に示すように、ブラケット1cは、定着ネジ通し孔5cが穿設された水平板部4cと、水平板部4cに止めねじ9cを介して取り付けられるカーテンレール支持部10cと、水平板部4cを挟む両側板部8cとを備える2つの本体2cが結合したものである。2つの本体2cは、水平板部4cが相互に直交し、それぞれの水平板部4cに対してカーテンレール支持部10cが同じ回転方向に位置するように、水平板部4cの後端部同士が接合する。一方の本体2cの定着ネジ通し孔5cに定着ネジ15を通して本体2cを壁面17に定着すると、ブラケット1cは、他方の本体2cを壁面に引き上げ取付する状態となる。
【0023】
図11に示すように、他方の本体2cの定着ネジ通し孔に定着ネジ15を逆方向に通して本体2cを壁面17に定着すると、ブラケット1cは、一方の本体2cを壁面に引き上げ取付する状態となる。図12に示すように、一方の本体2cの定着ネジ通し孔に定着ネジ15を通して本体2cを天井面18に定着すると、ブラケット1cは、一方の本体2cを天井面に直接取付する状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明実施例1のブラケットの壁面引き上げ取付を示す側断面図、
【図2】実施例1の底面図、
【図3】実施例1の壁面持ち上げ取付を示す側面図、
【図4】実施例1の天井面取付を示す側面図、
【図5】実施例2の側断面図、
【図6】実施例2の後面図、
【図7】実施例2の固定ネジを弛めた状態を示す底面図、
【図8】実施例3の側断面図、
【図9】実施例3の後面図、
【図10】実施例4の壁面持ち上げ取付を示す側面図、
【図11】実施例4の壁面引き上げ取付を示す側面図、
【図12】実施例4の天井面取付を示す側面図。
【符号の説明】
【0025】
1、1a、1b、1c:ブラケット
2、2c:本体
3、3b:壁面用プレート
4、4c:水平板部
5、5c:定着ネジ通し孔
6:垂直板部
7:固定ネジ孔
8、8c:側板部
9、9c:止めねじ
10、10c:カーテンレール支持部
11:垂直板部
12:側板部
13、13b:ネジ通し孔
14:ネジ通し孔
15:定着ネジ
16、16a:固定ネジ
17:壁面
18:天井面
19:後端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着ネジ通し孔が穿設された水平板部と、前記水平板部に取り付けられるカーテンレール支持部と、前記水平板部の後端から垂直に下降する垂直板部とを備える本体と、壁面に当接する両側板部と前記本体垂直板部に重合する垂直板部とを備える壁面用プレートとからなるカーテンレール用ブラケットにおいて、前記本体垂直板部は、固定ネジ孔を備え、前記壁面用プレート垂直板部は、前記固定ネジ孔と連通可能な2つの上下に並ぶネジ通し孔を備えることを特徴としてなるカーテンレール用ブラケット。
【請求項2】
本体は、水平板部を挟む両側板部を備え、前記本体両側板部は、本体垂直板部から後方に突出する後端部を有し、前記後端部は、前記壁面用プレート両側板部と上下摺動自在に嵌合することを特徴としてなる請求項1に記載のカーテンレール用ブラケット。
【請求項3】
壁面用プレートを本体に固定する固定ネジは、本体垂直板部の前面から本体両側板部の後端部前後幅よりも前方に長く突出することを特徴としてなる請求項2に記載のカーテンレール用ブラケット。
【請求項4】
2つの上下に並ぶネジ通し孔は1つの長孔であることを特徴としてなる請求項1又は2に記載のカーテンレール用ブラケット。
【請求項5】
定着ネジ通し孔が穿設された水平板部と、前記水平板部に取り付けられるカーテンレール支持部と、前記水平板部を挟む両側板部とを備える2つの本体を結合してなるカーテンレール用ブラケットにおいて、前記水平板部は、相互に直交し、それぞれの水平板部に対してカーテンレール支持部が同じ回転方向に位置するように、後端部同士が接合することを特徴としてなるカーテンレール用ブラケット。



















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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