説明

カーテン用ウェイト部材

【課題】重さを確保しながら、検針機において磁気センサに反応しないカーテン用ウェイトを提供する。
【解決手段】カーテンの裾部内に取り付けられたカーテン用ウェイト部材100であって、カーテンの吊り方向に応じて配された棒線材110と、棒線材110を被覆しかつ棒線材の周囲を取り囲んで熱融着した繊維素材130からなり、上記棒線材110が純度98.5%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜3.0mmからなり、カーテンの吊り方向Xに応じて延びる往路部111及びカーテンの吊り方向Xに応じて延びる復路部112を有し、棒線材110の往路部111及び復路部112の同一方向の各先端部113、114にU字状に曲がった構造のU字状部115を有し、棒線材110の往路部111及び復路部112の反対方向の各先端部116、117は自由端部にしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製後の縫い針残留検査において検出装置が誤動作しないカーテン用ウェイト部材に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテン200には、吊り下げたカーテン生地の襞やウェーブ形状を美しく保つために、カーテン生地201の裾部202に、各種のウェイト203が取り付けられている。例えば、レースカーテン用のウェイトとしては、レースカーテンの優美なウェーブを保つために、多数のペレットを布製のチューブ内に所定間隔で収納した屈曲自在のウェイトテープが用いられている(特許文献2)。そして横35mm以下、縦120mm以下であることが要望されている。
【0003】
従来、このウェイト部材として、ステンレス鋼の金属材やPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル系樹脂やセラミックスなどのカーテン用ウェイト部材が提供されている(特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−245193号公報
【特許文献2】特開2003−180510号公報
【特許文献3】特開2006−141730号公報
【0005】
しかし特許文献1は、ステンレス鋼製のウェイトを採用すると、縫い針が残留していなくても、磁気センサがステンレス鋼製ウェイトの磁性に反応して、検針機の縫い針検出信号を誤審し出力してしまう。PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル系樹脂やセラミックスではこの点ないが、重量やコスト面で支障があり、問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、本発明は、ウェイトとしての重さを確保しながら、検針機において磁気センサに反応しないカーテン用ウェイトを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
本発明は、カーテンの裾部内に取り付けられたカーテン用ウェイト部材であって、
カーテンの裾部内に取り付けられたカーテン用ウェイト部材であって、
カーテンの吊り方向に応じて配された棒線材と、棒線材を被覆しかつ棒線材の周囲を取り囲んで熱融着した繊維素材からなり、
上記棒線材が純度98.5%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜3.0mmからなり、カーテンの吊り方向に応じて延びる往路部及びカーテンの吊り方向に応じて延びる復路部を有し、棒線材の往路部及び復路部の同一方向の各先端部にU字状に曲がった構造のU字状部を有し、棒線材の往路部及び復路部の反対方向の各先端部は自由端部にしている
カーテン用ウェイト部材である。
【0008】
特に、カーテン用ウェイト部材の全体が横35mm以下、縦120mm以下であることが好ましく、上記棒線材が99.99%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜2.8mmからなることが好ましい。また上記棒線材が99.99%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜2.8mmからなるもので、折り曲げ加工していることが好ましい。
【0009】
また好ましい態様は、上記U字状部を有する棒線材がA線材とB線材の2つあり、A線材のU字状部とB線材のU字状部が互いに反対の方向にあって、かつ互い違いにA線材の往路部とB線材の復路部及びA線材の復路部とB線材の往路部とが、延びる方向に沿って接触しているのカーテン用ウェイト部材である。
【0010】
また好ましい態様は、棒線材はU字状部の断面方向のU字径が往路部及び復路部の断面方向の寸法より大きいカーテン用ウェイト部材である。なおこの場合、上記U字状部を有する棒線材がA線材とB線材の2つあり、A線材のU字状部とB線材のU字状部が互いに反対の方向にあって、A線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、B線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、かつA線材の往路部とB線材の復路部が延びる方向に沿って接触していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
これにより、本発明は、横35mm以下、縦120mm以下に収まり、かつカーテンのウェイトとしての重さを確保しながら、検針機において磁気センサに反応しないカーテン用ウェイトを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本願発明に係るカーテン用ウェイト部材の一実施態様を示す一部切欠断面図である。カーテン用ウェイト部材100はカーテン200の裾部202内に取り付けられて用いられる。カーテン用ウェイト部材100は、通常、横35mm以下、縦120mm以下に収まるように配置される。
【0013】
カーテン用ウェイト部材100は、カーテンの吊り方向Xに応じて配された棒線材110と、棒線材110を被覆しかつ棒線材の周囲を取り囲んで熱融着した不織布からなる合成繊維素材130からなっている。
【0014】
上記棒線材110は、純度98.5%の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜3.0mmからなっている。純度98.5%の亜鉛線は線材に加工する最低の純度で、好ましくは99.99%以上が本実施形態に最適であり、99.995%以上の電気亜鉛が好ましい。なお、亜鉛のダイカストは検針機において磁気センサに反応するので好ましくない。また上記棒線材110の断面方向の線径が最大5mm以下、好ましくは4mm以下のものが、亜鉛線を曲げ加工できるため好ましく、最小1.3mmのものが保形性の点で好ましい。
【0015】
上記棒線材110は、カーテンの吊り方向に応じて延びる往路部111及びカーテンの吊り方向に応じて延びる復路部112を有し、棒線材の往路部111及び復路部112の同一方向の各先端部113、114にU字状に曲がった構造のU字状部115を有し、棒線材の往路部111及び復路部112の反対方向の各先端部116、117は自由端部にしている。
【0016】
この棒線材110は検針機において磁気センサに反応しない。これに対して、切断されたステンレス鋼線からなるウェイトとしてみると磁気センサに反応する。また亜鉛材を用いてダイキャストのカーテン用ウェイトをつくってみると、磁気センサに反応する。またステンレス鋼材のダイキャストからなるウェイトとしてみると磁気センサに反応する。
【0017】
この棒線材をA線材118とした場合、このA線材118のU字状部115とB線材119のU字状部120が互いに反対の方向にあって、かつ互い違いにA線材118の往路部111とB線材119の復路部121、B線材119の復路部121とA線材118の復路部112、A線材118の復路部112とB線材119の往路部122が互い違いに延びる方向に向かって延びている。
【0018】
この棒線材は通常1つあたり5〜7gであり、2つは10〜15gである。この棒線材1個は折り曲げ加工して得られる。
【0019】
また棒線材130は図示の通り、U字状部131の断面方向のU字径Lが往路部132及び復路部133の断面方向の寸法lより大きい棒線材としても差し支えない。この場合、曲げ加工により得られる。
【0020】
なおこの線材の場合、1個でもよいが、2個の場合であって、上記U字状部を有する棒線材がA線材とB線材の2つあり、A線材のU字状部とB線材のU字状部が互いに反対の方向にあって、A線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、B線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、かつA線材の往路部とB線材の復路部が延びる方向に沿って接触している棒線材であれば、好ましい。この重さも通常10〜15gである。
【0021】
このように、純度98.5%以上、好ましくは純度99.99%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜5mmからなる棒線材を曲げ加工した棒線材を用いたウェイト部材は、カーテンのウェイトとしての重さを確保しながら、検針機において磁気センサに反応しないものである。
【実施例】
【0022】
表1に示す組成にて、純度99.9985%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が3mmからなる棒線材を曲げ加工して実施例を作成した。
【0023】
【表1】

【0024】
次に、検針機(株式会社ハシマ製の磁気誘導方式コンベア検針機「HN−650C」)にウェイト部材を検針した。その結果、カーテン縫製後の縫い針残留検査において検出装置が誤動作しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本願発明に係るレースカーテン用ウェイト部材の一実施態様を示す一部切欠正面図である。
【図2】図2は同左側面図である。
【図3】図3は本願発明に係る厚地カーテン用ウェイト部材の他実施態様を示す一部切欠正面図である。
【図4】図4は同左側面図である。
【図5】図5は本願発明に係るカーテン用ウェイト部材に用いられる棒線材の一態様を示す正面図である。
【図6】図6は本願発明に係るカーテン用ウェイト部材に用いられる棒線材の他の態様を示す正面図である。
【図7】図7はカーテンの裾部内に取り付けられたカーテン用ウェイト部材を示す斜視図である。
【0026】
100 カーテン用ウェイト部材
110 棒線材
130 合成繊維素材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンの裾部内に取り付けられたカーテン用ウェイト部材であって、
カーテンの吊り方向に応じて配された棒線材と、棒線材を被覆しかつ棒線材の周囲を取り囲んで熱融着した繊維素材からなり、
上記棒線材が純度98.5%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜3.0mmからなり、カーテンの吊り方向に応じて延びる往路部及びカーテンの吊り方向に応じて延びる復路部を有し、棒線材の往路部及び復路部の同一方向の各先端部にU字状に曲がった構造のU字状部を有し、棒線材の往路部及び復路部の反対方向の各先端部は自由端部にしている
カーテン用ウェイト部材。
【請求項2】
全体が横35mm以下、縦120mm以下であるカーテン用ウェイト部材であって、
上記棒線材が純度99.99%以上の亜鉛からなる比重7.14の亜鉛線で、断面方向の線径が1.3〜2.8mmからなる請求項1記載のカーテン用ウェイト部材。
【請求項3】
上記U字状部を有する棒線材がA線材とB線材の2つあり、A線材のU字状部とB線材のU字状部が互いに反対の方向にあって、かつ互い違いにA線材の往路部とB線材の復路部及びA線材の復路部とB線材の往路部とが、延びる方向に沿って接触している請求項1又は2記載のカーテン用ウェイト部材。
【請求項4】
棒線材は、U字状部の断面方向のU字径が往路部及び復路部の断面方向の寸法より大きい請求項1記載のカーテン用ウェイト部材。
【請求項5】
上記U字状部を有する棒線材がA線材とB線材の2つあり、A線材のU字状部とB線材のU字状部が互いに反対の方向にあって、A線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、B線材の往路部と復路部が互いに接触しておらず、かつA線材の往路部とB線材の復路部が延びる方向に沿って接触している請求項3記載のカーテン用ウェイト部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−213647(P2009−213647A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59828(P2008−59828)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000147132)ユニテックパロマ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】