説明

カートリッジザイズで可能となるコード化されたカートリッジホルダ及び締結具

薬物送達デバイス(100)と一緒に使用するためのコード化されたカートリッジホルダ(200、300)が提供される。カートリッジホルダ(200、300)は、部分的に、カートリッジ(120)の長さ又はカートリッジ(120)の直径に基づいて操作可能になる締結具(212、216、308、310、402、404)を含む。一つの実施態様において、カートリッジホルダ(200、300)は、薬物送達デバイス(100)に連結される。カートリッジホルダ(200、300)は、第一のブロッキング機能(202、204)を含む。薬物送達デバイス(100)は、第二のブロッキング機能(210)を含むカートリッジ検出器(206、208、210)を含有する。この機能(210)は、カートリッジ(120)がカートリッジ検出器(206、208、210)に作用するとき、カートリッジホルダ(200、300)の第一のブロッキング機能(202、204)と係合するためのピン(210)であってもよい。カートリッジホルダ(200、300)は、更に、第二のブロッキング機能(210)が第一のブロッキング機能(202、204)と係合するとき、カートリッジホルダ(200、300)を薬物送達デバイス(100)にのみ締結するように構成された締結機構を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、リザーバを、特に、薬剤を含むリザーバを対象にしている。特に、本開示は、一般的に、非所望のリザーバの交差使用を阻止するために、カートリッジホルダと一緒に使用することを意図したカートリッジ、例えば、正しいサイズを有するカートリッジにより可能となるコード化されたカートリッジホルダ及び締結具を対象にしている。ほんの一例として、そのような薬剤リザーバは、アンプル、カートリッジ、バイアル、又はポーチを含んでもよく、そして医療送達デバイスと一緒に使用してもよい。典型的な医療送達デバイスは、注射器、ペン形注射器、ポンプ、吸入器、又は少なくとも一つの薬剤を含む少なくとも一つのリザーバを必要とするその他同様の注射器若しくは注入デバイスを含むが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
アンプル、カートリッジ、又はバイアルなどの薬剤リザーバは、一般的に知られている。そのようなリザーバは、特に、患者により自己投与し得る薬剤のために使用される。例えば、インスリンに関しては、糖尿病を病む患者は、ペン形注射器を経由して注射するか、又はポンプを経由して注入するために、ある量のインスリンを必要とし得る。ある公知の再使用可能なペン形薬物送達デバイスに関しては、患者はカートリッジホルダの近位端内にインスリンを含むカートリッジを装填する(load)。カートリッジを正しく装填した後、使用者は、その後、 薬剤の用量を選択することを要求され得る。反復用量が、カートリッジから投与され得る。薬物送達デバイスが再使用可能なデバイスを含むところでは、カートリッジが空のとき、カートリッジホルダが薬物送達デバイスからの連結を断ち、そして空のカートリッジが除去され、そして新しいカートリッジに代替し得る。そのようなカートリッジの大半の供給者は、使用者に空のカートリッジを適切に廃棄することを薦める。薬物送達デバイスが使い捨てデバイスを含むところでは、カートリッジが空のとき、使用者は全デバイスの廃棄を薦められる。
【0003】
そのような空のカートリッジの除去、及び再装填を必要とする公知の自己投与システムは、ある限界を有する。例えば、ある一般的に公知のシステムにおいて、使用者は、薬物送達デバイスなしで、又は間違ったカートリッジの交差使用を阻止する機構を有するカートリッジなしで、送達システム内に新しいカートリッジを単に装填するだけかもしれない。即ち、薬物送達デバイスは、カートリッジ内に含まれる薬剤が本当に患者により投与されるべき正しいタイプの薬剤であるかどうかを決定するための機構を持たない。あるいは、ある公知の薬物送達デバイスは、カートリッジ内の正しいタイプの薬剤がその特定の薬物送達システムと一緒に使用されるべきかどうかを決定するための機構を提示しない。糖尿病を病む年長者のようなある年長者は、手先の器用さに制限があるかもしれないことを考えれば、この潜在的な問題は悪化するかもしれない。長時間作用形インスリンの代わりに、短時間作用形インスリンなどの薬剤の可能性のある間違った用量を投与することは、障害を与え、又は死に至らせるかもしれないので、間違った薬剤を識別することは非常に重要である。
【0004】
幾つかの薬物送達デバイス又はシステムは、使用者又は介護人に、薬物送達デバイスと一緒に使用するための正しいカートリッジを選択することを支援するためにカラーコーディングスキームを使用してもよい。しかし、そのようなカラーコーディングスキームは、ある使用者に対して、特に、弱視力又は色覚異常に病んでいるそれらの使用者に対して難題をもたらす。これは、糖尿病を病む患者において広くまん延している状況である。
【0005】
そのように、使用者が薬物送達デバイス内に間違った薬剤タイプを充填する潜在的なリスクを減少させるための、使用者、医療提供者、介護者、規制当局、及び医療デバイス供給者からの強い要望がある。また、従って、そのような薬物送達デバイスからの間違った薬剤(又は、薬剤の間違った濃度)を投与するリスクを減少させる要望もある。
【0006】
従って、非所望のカートリッジの交差使用を防ぐために、その薬剤タイプに対して、カートリッジを物理的に取扱い、機械的にコード化し、そしてカートリッジ上に、又はそれと一緒に提供される取扱い又はコード化機能を受け取り、又は作用するのみの、薬物送達デバイス、例えば、注射デバイスを設計するための一般的な必要性が存在する。同様に、また、医療送達デバイスに、特定の薬剤を含むが、一方、非所望のカートリッジの交差使用を阻止する公認されたカートリッジを使用させることを可能にする特定のカートリッジのための一般的な必要性が存在する。
【0007】
また、カートリッジが非公認の薬剤又は薬物送達デバイスと一緒に使用できることに妥協できないために改ざんすることが困難である特定のカートリッジを提供するための一般的な必要性は存在する。そのようなカートリッジは、改ざんすることが困難であるかもしれないので、それらは、また、偽造のリスク、即ち、不規則に偽造薬剤を運ぶ生成物を提供することが偽造者にとって困難になるリスクを低下させるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明により解決されるべき課題は、使用者に対する安全性が改良された薬剤リザーバ及び薬物送達システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の目的のために、長さ又は直径などのカートリッジの寸法は、特定薬物又は薬剤を示し得る。カートリッジホルダは、薬物送達デバイスに連結され得る(例えば、挿入される)。 カートリッジ又は薬剤がデバイスに対して正しい場合(即ち、カートリッジが正しい寸法を有する場合)、カートリッジホルダは適切に固定され、即ち、薬物送達デバイスに締結される。特に、締結機構は、適切に機能することを可能にし、又は許可される。締結機構は、カートリッジホルダをデバイスと締結するために、カートリッジにより、そして、特に、カートリッジとカートリッジホルダ、又は薬物送達デバイスの部分との機械的相互作用により、可能になり得る。他方、カートリッジ又は薬剤が薬物送達デバイスに対して間違っている場合(即ち、カートリッジが間違った寸法を有する場合)、締結機構は機能を適切に実施することが不可能になる。それにより、カートリッジホルダは、デバイスに適切に固定できない。それ故、このシステムは、適切なカートリッジのみが正しい薬物送達デバイスと一緒に使用できることを確実にする。
【0010】
一つの態様によると、薬物送達デバイス、例えば、ペン形薬物送達デバイスと一緒に使用するためのカートリッジホルダが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジ、例えば、ガラスカートリッジを受け入れるように構成された内部孔を含み得る。カートリッジホルダは、更に、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するように構成された締結機構を含み得る。締結機構は、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するための薬物送達デバイスの第二の締結具と係合するように構成された第一の締結具を含み得る。例として、第一の締結具は、ピン、タブ、又はねじ溝を含んでもよい。第二の締結具は、第一の締結具と係合可能な対応する機構を含み得る。締結機構は、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに確実に締結するための好適ないかなる手段も含み得る。
【0011】
締結機構は、カートリッジホルダ内に収容されたカートリッジとの機械的相互作用による薬物送達デバイスの部分とカートリッジホルダの内の少なくとも一つの弾性変形が、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結することを可能にするように構成され得る。特に、締結機構は、薬物送達デバイスと一緒に使用する意図を有するカートリッジのみが、特に、正しい寸法、例えば、正しい長さ又は直径を有するカートリッジのみがカートリッジホルダに収容される場合、締結が可能であるように構成され得る。それ故、カートリッジホルダの薬物送達デバイスへの締結が、間違った寸法、例えば、間違った長さ又は直径を有するカートリッジでは出来なくなる。
【0012】
カートリッジホルダは、収容されたカートリッジがカートリッジホルダの締結機構として作用するように構成され得る。特に、カートリッジは、締結機構の部分に作用し得、それにより締結機構の部分は弾性的に変形する。例として、カートリッジは、締結機構上のその近位端で作動し得る。弾性的な変形は、締結機構の、そして特に、第一の締結具とデバイスの対応する第二の締結具との係合が可能となるような第一の締結具の正しい構成をもたらす。例として、締結機構は、内側に面する(facing)ばねアーム又は第一の締結具を含む楕円リングを含み得る。ばねアーム又は楕円リングを変形することにより、第一の締結具は、締結具が薬物送達デバイスの第二の締結具と係合するために正しい位置にあるように半径方向の外側に押してもよい。
【0013】
カートリッジホルダは、正しいカートリッジがカートリッジホルダに収容される場合、薬物送達デバイスの第二のブロッキング機能と係合するように構成された第一のブロッキング機能を含み得る。例として、第一のブロッキング機能は、ノッチ又はピンを含んでもよい。第二のブロッキング機能は、対応するデザインを有し得る。薬物送達デバイスの部分の弾性変形に基づき、第一のブロッキング機能は、第二のブロッキング機能と係合することが可能であり、それにより、カートリッジホルダの薬物送達デバイスへの締結が可能となる。特に、薬物送達デバイスは、カートリッジ検出器を含んでもよく、ここで、正しいカートリッジによるカートリッジ検出器の部分の弾性変形に基づき、薬物送達デバイスへのカートリッジホルダの締結が可能となる。ここで、カートリッジの近位端は、カートリッジ検出器に作用し得る。カートリッジ検出器は、弾性部材、例えば、カートリッジにより弾性変形されたスプリングを含み得る。カートリッジ検出器は、第二のブロッキング機能を含み得る。正しいカートリッジによるカートリッジ検出器の部分の弾性変形により、第一のブロッキング機能と係合するために、第二のブロッキング機能は、正しい位置、例えば、正しい軸方向の位置に入り得る。間違ったカートリッジがカートリッジホルダに収容される場合、第二のブロッキング機能は、第一のブロッキング機能との係合が不可能になるように正しい位置に入り得る。別の実施態様において、カートリッジは、第一と第二のブロッキング機能の係合を可能にするためにカートリッジホルダの部分を変形し得る。
【0014】
特定の実施態様によると、薬物送達デバイスと一緒に使用するためのカートリッジホルダが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジを受け入れるように構成された内部孔、及びカートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するように構成された締結機構を含む。締結機構は、カートリッジホルダ内に収容されたカートリッジとの機械的相互作用による、薬物送達デバイス及びカートリッジホルダの部分の少なくとも一つの弾性変形が、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結することを可能にするように構成される。
【0015】
特定の実施態様によると、薬物送達デバイスと一緒に使用するためのカートリッジホルダが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジを受け入れるように構成される内部孔、及びカートリッジの近位端により可能となる締結機構を含む。締結機構は、少なくとも一つの内側に面するばねアームを含む。
【0016】
更に、特定の実施態様によると、薬物送達デバイスと一緒に使用するためのカートリッジホルダが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジを受け入れるように構成された内部孔、及びカートリッジの近位端で可能となる締結機構を含む。特に、締結機構は、カートリッジの近位端及び締結機構の機械的相互作用により可能となり得る。締結機構は楕円リングを含み得る。
【0017】
更なる態様によると、カートリッジホルダと一緒に使用するための薬物送達デバイスが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジを収納し得て、そして薬物送達デバイスを固定し得る。薬物送達デバイスは、カートリッジホルダを受け入れるように構成された内部孔を含み得る。カートリッジホルダは、上記の通り、いかなる構造的、又は機能的特性を含んでもよい。特に、カートリッジホルダは、締結機構を含み得る。カートリッジホルダは、更に、第一のブロッキング機能を含み得る。カートリッジ検出器は、カートリッジがカートリッジ検出器に作用するとき、送達デバイスの内部孔に位置してもよく、そして第一のブロッキング機能と係合するための第二のブロッキング機能を含み得る。薬物送達デバイスは、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するためにカートリッジホルダの締結機構と相互作用するように構成された締結機構を含み得る。ここで、締結は、第二のブロッキング機能が第一のブロッキング機能と係合するときのみ、可能となり得る。
【0018】
特定の実施態様によると、カートリッジホルダと一緒に使用するための薬物送達デバイスが提供される。カートリッジホルダはこの開示で記載の通り、いかなる機能的及び構造的特性を含んでもよい。カートリッジホルダは、カートリッジを収納し、そして薬物送達デバイスに取り付けるように構成される。薬物送達デバイスは、カートリッジホルダが正しいカートリッジを収納するとき、カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するために、カートリッジホルダの締結機構と相互作用するように構成されたデバイス締結機構を含む。
【0019】
特定の実施態様によると、カートリッジホルダと一緒に使用するための薬物送達デバイスが提供される。カートリッジホルダは、カートリッジを収納し、そして薬物送達デバイスに取り付けるように構成される。薬物送達デバイスは、カートリッジホルダを受け入れるように構成された内部孔を含む。カートリッジホルダは、第一のブロッキング機能を含む。更にその上、薬物送達デバイスは、カートリッジの部分がカートリッジ検出器に作用するとき、第一のブロッキング機能と係合するための第二のブロッキング機能を含む内部孔内に位置するカートリッジ検出器を含む。
【0020】
更なる態様によると、カートリッジホルダを薬物送達デバイス内に固定するための方法が開示される。方法はカートリッジを含むカートリッジホルダを提供するステップを含み、ここで、カートリッジホルダは、第一のブロッキング機能を有する。方法は、更に、カートリッジの部分が、第一のブロッキング機能を第二のブロッキング機能と合わせるために、薬物送達デバイス内に位置するカートリッジ検出器に作用するために、第二のブロッキング機能を有する薬物送達デバイスを提供すること、及びカートリッジホルダを薬物送達デバイスに連結することを含む。第一のブロッキング機能は、カートリッジホルダの部分であってもよく、そして第二のブロッキング機能は、薬物送達デバイスの部分であってもよい。特に、第二のブロッキング機能は、上記の通り、カートリッジ検出器の部分であってもよい。方法は、更に、第二のブロッキング機能が第一のブロッキング機能と係合できるように、カートリッジホルダを回転させる工程を含む。ここで、第一のブロッキング機能が第二のブロッキング機能と合わせるとき、回転のみが可能となり得る。カートリッジホルダの回転、並びに第一及び第二のブロッキング機能の係合により、カートリッジホルダのデバイスへの締結が可能となる。方法は、更に、締結機構によるカートリッジホルダの薬物送達デバイスへの締結を含む。
【0021】
本発明の様々な態様のこれら、並びに、その他の利点は、添付の図面を適切に参照して、次の詳細な記述を読むことにより当業者には明白になるであろう。
【0022】
発明の範囲は、特許請求範囲の内容で定義される。発明は特定の実施態様に限定されず、異なった実施態様のエレメントのいかなる組合せも含む。更にその上、発明は、特許請求項のいかなる組合せ、及び請求項で開示された機能のいかなる組合せも含む。
【0023】
典型的な実施態様は、図面を参照して本明細書で記載される:
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】典型的なペン形薬物送達デバイスを図示する。
【図1B】典型的な薬剤カートリッジを図示する。
【図2】カートリッジザイズにより可能となる締結機構を含むコード化されたカートリッジホルダを図示する。
【図3】薬物送達デバイス内に挿入される図2のカートリッジホルダの断面図を図示する。
【図4】図2の薬物送達デバイス内に締結された正しいカートリッジの断面図を図示する。
【図5】図2の薬物送達デバイス内に置かれた間違ったカートリッジの拡大図を図示する。
【図6】カートリッジサイズで可能となった締結機構を含むコード化されたカートリッジホルダの別の実施態様を図示する。
【図7】図6の薬物送達デバイス内に置かれた間違ったカートリッジの拡大図を図示する。
【図8】カートリッジサイズで可能となった締結機構を含むコード化されたコード化されたカートリッジホルダの、尚、別の実施態様を図示する。
【図9】図8の薬物送達デバイス内に置かれた間違ったカートリッジの拡大図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1Aを参照して、ペン形注射器の形状における薬物送達デバイス100が示される。薬物送達デバイス100は、用量設定機構102、カートリッジホルダ104及び取り外し可能なキャップ106を含む。カートリッジホルダ104の近位端105及び用量設定機構102の遠位端103は、取り外し可能に共に固定される。ペン形注射器は、再使用可能又は使い捨てペン形注射器であってもよい。注射器は再使用可能なデバイスを含むところでは、カートリッジホルダ104及び用量設定機構は取り外し可能に一緒に連結される。使い捨てデバイスにおいて、それらは恒久的に一緒に連結される。図1Aにおいて、用量設定機構102は、用量が注射されるとき、回転するねじ付きピストンロッドのようなピストンロッド109を含む。
【0026】
事前に設定された用量を注射するために、両端が同じ形のニードルアセンブリ(図示されていない)は、カートリッジホルダ104の遠位端108に取り付けられる。好ましくは、ホルダ104の遠位端108は、ニードルアセンブリがホルダの遠位端108に取り外し可能に取り付けられ得るようにねじ山121(又は、スナップロック、スナップフィット、フォームフィット、又はバイオネットロック機構などの好適な連結機構)を含む。薬物送達デバイス100が使用されないとき、取り外し可能なキャップ106は、カートリッジホルダ104上に解除可能に保持できる。
【0027】
カートリッジホルダ104で定義される内部カートリッジキャビティ111は、ガラスカートリッジ120のようなカートリッジを確実に受け取り、及び保持するように寸法を決められ(dimensioned)、構成される。図1Bは、図1Aで示された薬物送達デバイス100と一緒に使用され得るカートリッジ120の透視図を図示する。一般的に、カートリッジ120はガラスで作られ、そして、遠位端130から近位端132へ伸びる略管状のバレル122を含む。カートリッジ120は、薬物送達デバイス100の内部孔101内へ挿入され得る。
【0028】
遠位端130において、カートリッジ120は、小さい直径のネック126を含み、ここで、このネック126は、バレル122のショルダ131から遠位的に突出する。好ましくは、小さい直径のネック126は、ネック126の最遠位端のその周囲で円周状に伸び、そして開口部127を画成する大直径の環状ビーズ124を備えている。穿孔可能なシール又はセプタム133は、金属スリーブ又はフェルールにより開口部127を横切って確実に保持される。
【0029】
薬剤125は、カートリッジ120内に事前充填され、そして、穿孔可能なシール133、フェルール、及びストッパ128により、部分的に、このカートリッジ120内に保持される。ストッパ128は、バレル122の内部管状壁と摺動性の液密係合にある。用量の注射又は用量の投与の間、ストッパ128に作用する軸方向に向いた力は、薬剤125をカートリッジ120からカートリッジホルダ104の遠位端130に取り付けられた両端が同じ形の針を通して、そして注射サイトへ放出させる。そのような軸方向の力は、用量設定部材102と連携して作用するピストンロッド109により提供され得る。
【0030】
カートリッジホルダキャビティ111を定義するカートリッジホルダ104の部分は、図1AのD1134で示す通り実質的に一様な直径である。この直径D1134は、好ましくは、カートリッジ120の直径D2136より若干大きい。カートリッジホルダ104の内部は、カートリッジ120がカートリッジホルダ104内を動くことを阻止するように寸法が決められた内側の環状部分又は停止部を含む。このようにして、カートリッジ120がカートリッジホルダ104のキャビティ111内に装填され、そしてカートリッジホルダ104が、その後、用量設定部材102と連結するとき、カートリッジ120は、カートリッジホルダキャビティ111内に確実に保持されるであろう。カートリッジホルダ104は、また、薬物送達デバイス100内にカートリッジホルダ104を固定するための締結機構を含み得て、それは、以下により詳細に記述される。
【0031】
多くの用量の薬剤125は、カートリッジ120から投与され得る。好ましくは、カートリッジ120は、一日当たり一回又はそれ以上の頻度で投与されなければならないタイプの薬剤を含む。そのような薬剤の一つがインスリンである。
【0032】
用量設定機構102は、用量設定器117を用量設定機構102の近位端において含む。一つの好ましい配置において、用量設定器117は、用量を設定するために回転する。この設定用量を投与するために、使用者は、カートリッジホルダ104の遠位端上に両端が同じ形の針を含むニードルアセンブリを取り付ける。このようにして、ニードルアセンブリがカートリッジ120のシール133を穿孔し、従って、薬剤125と液体連結になる。使用者は、設定用量を注射するために用量設定器117を押す。同様の用量設定及び用量投与手法は、カートリッジ120中の薬剤125が消費され、そしてその後、新しいカートリッジが、薬物送達デバイス100に装填されなければならなくなるまで続く。空のカートリッジ120を交換するために、使用者は、用量設定機構102からカートリッジホルダ104を取り除くことを求められる。
【0033】
例示的な実施態様に準拠して、カートリッジホルダ104のようなカートリッジホルダは、所定のカートリッジホルダが意図した薬物送達デバイスにのみ連結され、そして逆もまた真であり得るように、送達デバイスにコード化され得る。図2はコード化されたカートリッジホルダ200の第一の配置を示す。このコード化されたカートリッジホルダ200は、薬物送達デバイス100のような薬物送達デバイスに連結され得る。例えば、カートリッジホルダ200は、同様にコード化部分を有する薬物送達デバイスに取り付けられ得る。この同様にコード化された部分は、例えば、カートリッジ200の正しい長さ、及び/又は、直径によってのみ可能となるロッキング機構、及び/又は、締結機構であってもよい。 コード化されたカートリッジ200は、図1Aの薬物送達デバイスと同様に、薬物送達デバイスと一緒に使用することを意図しているが、コード化されたカートリッジ200と一緒に使用するための好ましい薬物送達デバイスは、若干改良された内部キャビティを有するであろう。
【0034】
図2は、薬物送達デバイス100のコード化されたカートリッジホルダ200の第一の配置を図示する。この配置において、カートリッジの長さは、特定の薬物又は薬剤を示す。カートリッジ120のような特定長さのカートリッジは、コード化されたカートリッジホルダ200内に挿入され、それは、その後、薬物送達デバイス100内へ挿入される。カートリッジ120又は薬物がデバイス100に対して正しい場合、カートリッジホルダ200は、締結具212、216のような締結機構により薬物送達デバイス100に適切に固定される。しかし、カートリッジ120又は薬剤がデバイス100に対して正しくない場合(例えば、カートリッジ120が短すぎる、又は長すぎる、又は幅が広すぎる場合)、締結機構は、適切に機能することができず、そしてカートリッジホルダ200が、薬物送達デバイス100に適切に固定できない。それ故、このシステムは、適切なカートリッジ120又は薬剤(即ち、適切なサイズのカートリッジ)は、正しい送達デバイス100にのみ締結され得ることを確実にする。
【0035】
コード化されたカートリッジホルダ200は、第一のブロッキング機能202、204を含み得る。第一のブロッキング機能202、204は、正しい長さのカートリッジ120、及び、その結果、正しい薬物又は薬剤が薬物送達デバイス100と一緒に使用されることを確実にするために、第二のブロッキング機能210と係合し得る。第一のブロッキング機能202、204は、カートリッジホルダ200の近位端205に位置するスロット202を含み得る。スロット202は、更に、図2で示す通り、スロット202に垂直に配置されたノッチ204を含み得る。ノッチ204は、正しい長さのカートリッジ120が薬物送達デバイス100内に挿入されるとき、薬物送達デバイス100の内部孔101内に位置する第二のブロッキング機能210を保持し得る。第二のブロッキング機能210は、ピン210を含み得る。ノッチ204は、カートリッジホルダ200を回転することを可能にし、そして、ピン210がスロット202を通して走行するとき、薬物送達デバイス100内の場所に位置することを可能にする。
【0036】
スロット202及びノッチ204が、カートリッジホルダ200内に示されるが、それらは薬物送達デバイス100上に位置できることは当然である。同様に、ピン210は、カートリッジホルダ200上に位置し得る。あるいは、一つ又はそれ以上のスロット202は、カートリッジホルダ200、及び薬物送達デバイス100上の一つ又はそれ以上のノッチ204上にあり得る。
【0037】
再び図2を参照して、薬物送達デバイス100の遠位端103は、その内部孔101内に位置するカートリッジ検出器206を含み得る。第二のブロッキング機能210は、カートリッジ検出器206上に位置し得る。検出器206は、スプリングプレート206であり得る。スプリングプレート206は、スプリング208、又はその他いかなる好適な付勢デバイスを含んでもよい。スプリングプレート206は、薬物送達デバイス100の内部孔101の縦軸100に沿って可動である。スプリングプレート206は、正しい長さのカートリッジ120がカートリッジホルダ200内に挿入されるとき、カートリッジ120により作動し得る。スプリングプレート206は、また、用量精度を改良するために、カートリッジ120をカートリッジホルダ200に対して付勢し得る。
【0038】
コード化されたカートリッジホルダ200は、更に、少なくとも一つの締結機構212、214を含み得る。締結機構212、214は、第二のブロッキング機能210が第一のブロッキング機能202、204と係合するとき、可能となり、それは、正しい長さのカートリッジ120が薬物送達デバイス100内に挿入されたことを表示する。締結機構212、214は、例えば、バイオネット締結機構であってもよい。あるいは、締結機構は、スナップロック、スナップフィット、フォームフィットなどのいかなる好適な締結機構であってもよい。締結機構212、214は、カートリッジホルダ200の近位端205近辺に位置するピン212のような第一の締結具212、及び薬物送達デバイス100の遠位端103近辺に位置する対応するねじ溝214であり得る第二の締結具214を含み得る。好ましい実施態様において、第二の締結機構216、218は、カートリッジホルダ104を薬物送達デバイス100により確実に締結するためにカートリッジホルダ200上に含まれ得る。第二の締結機構216、218は、第二のピン216及び第二の対応するねじ溝218を含み得る。
【0039】
図3及び4で示す通りの操作において、カートリッジホルダ200が、初めに、薬物送達デバイス100内に挿入されるとき、カートリッジ120の近位端は、薬物送達デバイス100の内部孔において、スプリンプレート206と接触する。カートリッジ120のこの近位端は、このプレート206を薬物送達デバイス100の縦軸に沿って動かすために、スプリングプレート206に対して押す。薬剤カートリッジ120がこの特定の薬物送達デバイス100に対して正しい長さを有する場合、スプリングプレート206上のピン210は、カートリッジホルダ104においてスロット202と心合わせをおこない、そして、それがノッチ204と一致するまで動く。カートリッジホルダ200は、その後、ピン210がノッチ204に沿って摺動するために回転し得る。ピン210がノッチ204に沿って摺動するので、締結機構212、214、216、218のピン212、216が、また、対応するねじ溝214、218と係合する。カートリッジホルダ200は、その結果、薬物送達デバイス100に適切に締結される。薬剤カートリッジ120が短すぎ、又は長すぎで、従って、その特定の薬物送達デバイス100に対して正しいカートリッジ120でない場合、ピン210はノッチ204と適切に心合わせができないであろう。そのようにして、ピン212、216は、薬物送達デバイス100上のねじ溝214、218とは係合しないであろう。その結果、カートリッジホルダ200は、図5で示す通り、回転できず、又は薬物送達デバイス100に締結できないであろう。
【0040】
開示されたコード化カートリッジホルダシステムの一つの利点は、それが所定の薬物送達デバイスに対して短すぎるか、又は長すぎるカートリッジの組立てを阻止し、それにより、患者による間違ったタイプの薬剤の偶然の摂取を防止することである。
【0041】
図6及び7は、図1Bで図示されたカートリッジ120などのカートリッジと一緒に使用するためのコード化されたカートリッジホルダ300の第二の配置を示し、それは図1Aで図示された薬物送達デバイス100のようなペン形薬物送達デバイスと一緒に使用し得る。図2〜5で図示されたコード化されたカートリッジホルダ200と同様に、このカートリッジの構成は、図1Aで図示されたカートリッジホルダ104と同様に、カートリッジホルダ300内に挿入されたカートリッジ120を含み、カートリッジ120のサイズは、特定の薬剤を指示する。
【0042】
コード化されたカートリッジホルダ300は、カートリッジ120を受け入れるように構成された内部孔302を含む。カートリッジホルダ300は、更に、カートリッジ120の近位端132と相互作用する締結機構304、306を含む。このようにして、正しく寸法が決められたカートリッジ120が、カートリッジホルダ300内に置かれるとき、それは締結機構304で締結され得る。従って、間違った寸法のカートリッジ120がカートリッジホルダ300内に挿入される場合、ホルダ300は、薬物送達デバイス100に連結できない。
【0043】
締結機構304、306は、 少なくとも一つの内側のばねアーム304を含む。図6で示す好ましい実施態様において、締結機構304、306は、二つの内側のばねアーム304、306を含む。実施態様は二つのアーム304、306を示すが、いかなる数のアームを使用してもよい。内側のばねアーム304、306は、カートリッジホルダ300の部分として成形され得るが、又はそれらは分離した構成部品であってもよい。内側のばねアーム304、306は、それぞれ外側に突起するピン308、310を含み得る。
【0044】
カートリッジの長さにより薬剤をコード化するのと同様に、この実施態様は、また、カートリッジの直径によりコード化を可能にする。例えば、カートリッジ120の直径が大きすぎる場合、カートリッジはホルダ300に嵌入しないであろう。更に、カートリッジ120の直径が小さすぎる場合、締結機構304、306は、可能となるかも知れず、それ故、カートリッジホルダを薬物送達デバイス100に固定できないかもしれない。
【0045】
操作において、カートリッジ120がカートリッジホルダ300内に挿入されるとき、内側のばねアーム304、306は、それらが締結機能として作用し得るように、カートリッジ120の近位端132により外側に押される。外側に突起するピン308、310は、その後、図2で示す通り、カートリッジホルダ300を薬物送達デバイス100に確実に締結するために、薬物送達デバイス100上の対応するねじ溝と嵌合し得る。
【0046】
カートリッジが長すぎる場合、それは、締結中に薬物送達デバイス100と干渉し得る。カートリッジ120が、図7で示すように短すぎる場合、内側に伸びるばねアーム304、306の外側に突起するピン308、310は、曝されず、従って、薬物送達デバイス上のねじ溝214、218のような対応するねじ溝と嵌合できない。
【0047】
適切な強度を確保するために、内側のばねアーム304、306は、半径方向において可撓性であり得るが、軸方向では相対的に剛性であり得る。あるいは、内側のばねアームは、軸方向で支持され得る。
【0048】
いかなる好適な締結機構も、カートリッジホルダ300を薬物送達デバイスに、例えば、ねじ山、ねじ溝若しくは他のバイオネットに続くピン、又はスナップフィットで固定するために使用できるのは当然である。
【0049】
一つの実施態様において、スロット(図示されていない)は、カートリッジ120(例えば、間違った短いカートリッジ120)を取り除くために接近できるようにするために、カートリッジホルダ300において形成され得る。あるいは、分離した取り外しツールは、薬物送達デバイス100で供給できる。
【0050】
そのようなコード化されたカートリッジ配置の一利点は、それが特定の薬物送達デバイスに対して短すぎるか、又は長すぎるカートリッジ120の使用を阻止し、又はカートリッジの直径が大きすぎるか、又は小さすぎるところでは、それにより、患者により間違ったタイプの薬剤の偶発的な摂取を阻止することである。
【0051】
図8及び9は、図1Aで図示されたペン形薬物送達デバイス100のような薬物送達デバイスと一緒に使用され得るカートリッジ120と一緒に使用するためのカートリッジホルダ104と同様のコード化されたカートリッジホルダの、尚、別の配置を図示する。この実施態様において、楕円リング400は、カートリッジホルダを薬物送達デバイス100に締結するための締結機構として作用するためにカートリッジホルダ(図示されていない)内に取り付けられ得る。楕円リング400は、一つ又はそれ以上の外側に突出するタブ402、404を含み得る。これらのタブ402、404は、薬物送達デバイス100上の図2に示すねじ溝214、218などの対応するねじ溝と係合し得る。いかなる好適な締結機構も、突出タブの代わりに、例えば、ねじ山、ねじ溝若しくは他のバイオネットに続くピン、又はスナップフィットでカートリッジホルダを薬物送達デバイス100に固定するために使用できるのは当然である。
【0052】
操作において、カートリッジ120を図1A及び1Bで図示されたカートリッジホルダ104への挿入などの、正しいカートリッジをカートリッジホルダ内に挿入している間、カートリッジは、楕円リング400を円形に変形させ、それにより締結機構、突出タブ402、404を図8で示す通り外側に突起することを可能にする。突出タブ402、404は、その後、カートリッジ120及びカートリッジホルダ104を薬物送達デバイス100に確実に締結するために、図2で示すねじ溝214、216のような対応するねじ溝を薬物送達デバイス100上で係合し得る。
【0053】
図9で示す通り、カートリッジ120が薬物送達デバイス100に対して間違っている場合(例えば、カートリッジ120が短すぎる場合)、楕円リング400は、円形に強制的に変形されず、そして突出タブ402、404は、対応するねじ溝と係合しないであろう。短すぎるカートリッジ120のような間違ったカートリッジ120を取り除くために、使用者は楕円をその主軸上に圧縮してもよい。
【0054】
開示されたコーディングシステムは、多くの利点をもたらす。例えば、開示されたコード化されたカートリッジホルダの配置は、使用者に、薬剤間を区別することを支援し、それにより、送達デバイスは、デバイスが意図する薬剤と一緒に使用できることのみを確実にすることに役立つ。
【0055】
開示されたコード化されたカートリッジホルダは、また、使用者に一つ又はそれ以上の次の作動:カートリッジを間違ったカートリッジホルダ内に完全に挿入すること、又はカートリッジ、及び/又は、カートリッジホルダを間違った用量設定機構に取り付けることを完結する、ことを阻止する。
【0056】
開示されたカートリッジホルダが多くの部品を必要とせず、そしてコストに効率的な手法で製造できるので、開示されたコード化されたカートリッジホルダは、また、低コストのコーディング機構をもたらす。その上、カートリッジホルダと使用し得る薬物送達デバイスの間に多くの異なったカートリッジホルダコーディング構成が存在する。結果として、開示されたコーディングスキームで以って、多くの薬剤が互いに区別することができる。また、開示されたコーディングスキームで以って、使用者が異なったカートリッジのために設計されたカートリッジホルダ内に間違ったホルダを装填しようと試みる場合、使用者は薬物送達デバイスの組立プロセスの初期段階で警告されるであろう。
【0057】
また、開示されたシステムは、使い捨てのカートリッジホルダ又は使い捨てのデバイスを挿入するとき、製造中に、間違いを防ぐために使用できる。間違った薬剤(及び、その結果、間違ったコード化カートリッジホルダ)で以って、使用者は、組立プロセスの初期段階で警告される。
【0058】
本発明の典型的な実施態様を説明した。しかし、当業者なら、変化及び改変は、特許請求範囲で定義される本発明の真の範囲及び精神から外れることなく、これらの配置に対して実施し得ることを理解するであろう。
【0059】
参照番号
100:薬物送達デバイス;
101:内部孔;
102:用量設定機構;
103:デバイスの遠位端;
104:カートリッジホルダ;
105:カートリッジホルダの近位端;
106:取り外し可能なキャップ;
108:カートリッジホルダの遠位端;
109:ピストンロッド;
101:内部孔;
111:カートリッジホルダのキャビティ;
117:用量設定器;
120:カートリッジ;
121;ねじ山;
122:管状バレル;
124:環状ビーズ;
125:薬剤;
126:ネック;
127:開口部;
128:ストッパ;
130:遠位端;
131:ショルダ;
132:カートリッジの近位端;
133:シール/セプタム;
124:直径D1
136:直径D2
200:コード化されたカートリッジホルダ;
202:第一のブロッキング機能のスロット;
204:第一のブロッキング機能のノッチ;
205:カートリッジホルダの近位端;
206:カートリッジ検出器のばね板;
208:スプリング;
210:第二のブロッキング機能のピン;
212、216:締結機構のピン;
214、218:締結機構のねじ溝;
300:コード化されたカートリッジホルダ;
302:内部孔;
304、306:締結機構のばねアーム;
308、310:突起ピン;
400:楕円リング;
402、404:締結機構の突出タブ;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスと一緒に使用するためのカートリッジホルダであって、カートリッジホルダは:
カートリッジ(120)を受けるように構成される内部孔(101);
カートリッジホルダ(200、300)を薬物送達デバイス(100)に締結するように構成された締結機構;
を、含んでなり、
ここで、締結機構は、カートリッジホルダ(200、300)に収容されたカートリッジ(120)と機械的相互作用することにより、薬物送達デバイス(100)及びカートリッジホルダ(200、300)の一部の内の少なくとも一つの弾性変形が、カートリッジホルダ(200、300)を薬物送達デバイス(100)に締結することを可能にするように構成される、上記カートリッジホルダ。
【請求項2】
カートリッジホルダ(200、300)の薬物送達デバイス(100)への締結が、間違った長さ又は直径の少なくとも一つを有するカートリッジ(120)により使用不可となるように構成された、請求項1に記載のカートリッジホルダ。
【請求項3】
正しいカートリッジ(120)がカートリッジホルダ(200、300)に収容される場合、薬物送達デバイス(100)の第二のブロッキング機能(210)と係合するよう構成される第一のブロッキング機能(202、204)が、薬物送達デバイス(100)の一部の弾性変形時に第二のブロッキング機能(210)と係合することが可能となり、それにより、 カートリッジホルダ(200、300)の薬物送達デバイス(100)への締結を可能とするように構成された、該第一のブロッキング機能(202、204)を更に含んでなる、請求項1又は2に記載のカートリッジホルダ。
【請求項4】
カートリッジホルダ(200、300)の締結が、カートリッジ(120)により締結機構の一部を弾性変形することにより可能となる、請求項1又は2に記載のカートリッジホルダ。
【請求項5】
締結機構が、薬物送達デバイス(100)にカートリッジホルダ(200、300)を締結するための薬物送達デバイス(100)の第二の締結具(214、218)と機械的に係合するように構成された第一の締結具(212、216、308、310、402、404)を含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ。
【請求項6】
第一の締結具(212、216、308、310、402、404)が、ピン、タブ及び溝の少なくとも一つを含む、請求項5に記載のカートリッジホルダ。
【請求項7】
正しいカートリッジ(120)が、カートリッジホルダ(200、300)に収容される場合、弾性的変形が、デバイス(100)の第一の締結具(212、216、308、310、402、404)の第二の締結具(214、218)との係合が可能となるように、第一の締結具(212、216、308、310、402、404)及び第二の締結具(214、218)の少なくとも一つの正しい構成をもたらす、請求項5又は6のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ。
【請求項8】
締結機構が、内側に向くばねアーム(304、306)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ。
【請求項9】
締結機構が楕円リング(400)を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ。
【請求項10】
締結機構は、第一の締結具(212、216、308、310、402、404)が薬物送達デバイス(100)上の第二の締結具(214、218)と係合するための正しい位置にあるような、カートリッジホルダ(200、300)に収納された正しいカートリッジ(120)の部分により、第一の締結具(212、216、308、310、402、404)が半径方向外側に押し出されるように構成される、請求項5〜9のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ。
【請求項11】
カートリッジホルダ(200、300)がカートリッジ(120)を収容し、そして、薬物送達デバイス(100)に取り付けられるように構成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載されたカートリッジホルダと一緒に使用するための薬物送達デバイス(100)であって:カートリッジホルダ(200、300)が正しいカートリッジ(120)を収容するとき、カートリッジホルダ(200、300)を薬物送達デバイス(100)に締結するためのカートリッジホルダ(200、300)の締結機構と相互作用するよう構成されたデバイス締結機構を含んでなる、上記薬物送達デバイス。
【請求項12】
薬物送達デバイス(100)が、正しいカートリッジ(120)との機械的相互作用によるカートリッジ検出器(206、208、219)の一部の弾性変形により、カートリッジホルダ(200、300)の薬物送達デバイス(100)との締結が可能であるように構成された、カートリッジ(120)と機械的相互作用するためのカートリッジ検出器(206、208、210)を含む、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
カートリッジ検出器(206、208、210)が、カートリッジホルダ(200、300)の第一のブロッキング機能(202、204)と係合するための第二のブロッキング機能(210)を含み、ここで、締結機構によるカートリッジホルダ(200、300)の薬物送達デバイス(100)への締結が、第一及び第二のブロッキング機能(202、204、210)の係合により可能となる、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
カートリッジホルダを薬物送達デバイスに締結するための方法であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジホルダ(200、300)を備える工程;請求項12又は13に記載の薬物送達デバイス(100)を備える工程;カートリッジ(120)の部分が薬物送達デバイス(100)内に位置するカートリッジ検出器(206、208、210)に作用して、第一のブロッキング機能(202、204)を第二のブロッキング機能(210)と合わせるように、カートリッジホルダ(200、300)を薬物送達デバイス(100)に連結する工程;
を含んでなる、上記方法。
【請求項15】
第二のブロッキング機能(210)が、第一のブロッキング機能(202、204)と係合し、ここで、カートリッジホルダ(200、300)をデバイス(100)に締結することが可能となるように、カートリッジホルダ(200、300)を回転させる工程を、更に含んでなる、請求項14に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517819(P2013−517819A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549365(P2012−549365)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050799
【国際公開番号】WO2011/089207
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】