説明

カートリッジ収納型ホログラム記録媒体及びカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置

【課題】カートリッジ収納型ホログラム記録媒体を小さくすることが可能となると共に、発生する迷光を抑制して記録信号のノイズ低下及び記録容量低下を抑制することが可能な、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】円盤状のディスク型ホログラム記録媒体4と、該ディスク型ホログラム記録媒体4を内部に回転自在に収納すると共に、外光が内部に入らないように遮光された筐体2と、ディスク型ホログラム記録媒体4の表面及び裏面に、投射光が入射または出射可能に筐体2に設けられた筐体開口部5と、ディスク型ホログラム記録媒体4に対して、投射光を用いて書込または読取を行うときに筐体開口部5を開き、それ以外のときに該筐体開口部5を閉じるシャッター3とを備えて、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム技術を用いて情報を記録及び再生するのに用いられるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体、及び、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホログラム技術を利用して大容量の情報を記録および再生するホログラム記録再生装置が提案されている。ホログラム記録再生装置では、情報を含んだ信号光と情報を含まない参照光とを同一のレーザ光から生成して、これらをホログラム記録媒体の同一箇所に照射する。
【0003】
すると、ホログラム記録媒体上では信号光と参照光とが干渉することにより、照射箇所に回折格子(ホログラム)が形成されると共に、これが媒体に記録される。即ち、モノマーで形成されているホログラム記録媒体が、回折格子の形成によりポリマー化することで、媒体への記録が行われる。
【0004】
このようにして記録されたホログラムに、参照光のみを照射すると、回折光(再生光)が発生する。この再生光は、記録時の信号光が持っていた情報を含んでいる。そこで、受光素子がこの再生光を受光することにより、情報を再生することができる。
【0005】
上記のホログラム記録媒体では、このホログラム記録媒体に多くの情報を記録するために、多重記録と呼ばれる手法が用いられる。この多重記録とは、ホログラム記録媒体の同一箇所(または、互いに重なり合う領域)に、複数のホログラムを重ねて記録する方法である。この多重記録の方式としては、角度多重、シフト多重、回転多重、波長多重といった種々の方式が提案されている。
【0006】
上記のような記録を行うのに用いられるホログラム記録媒体では、このホログラム記録媒体の記録層となる感光材料に、より多くの情報を記録できるようにするべく、開発が進められている。
【0007】
このホログラム記録媒体に対しては、このホログラム記録媒体の記録層は感光性があるので、未記録の状態で可搬性を持たせるために、遮光性のあるカートリッジに収納する必要があり、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
特許文献1には、ホログラム記録媒体として、記録媒体をカートリッジに収納し、記録時に信号光と参照光を入射させる窓を、カートリッジの表面に設けると共に、再生時に再生光を出射させる窓を、カートリッジの裏面に設けた構成のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−302220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述したように、特許文献1に記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、信号光及び参照光をカートリッジに入射させるためにカートリッジの表面に窓を設けている。
【0011】
しかし、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、これらの参照光及び信号光の入射角度が、上記の記録媒体に対して大きい場合、この窓の形状を大きくする必要がある。
【0012】
そのため、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、このディスク型ホログラム記録媒体を収容するカートリッジの外形を、ディスク型ホログラム記録媒体の外形に対して、かなり大きくする必要があり、外形が大きくなってディスク型ホログラム記録媒体の取扱に対する利便性が損なわれる問題が生じる。
【0013】
また、カートリッジの表面に設けた窓の形状が大きくなることから、記録時に入射した信号光、若しくは、参照光が媒体表面や媒体内で反射して生じる不要光が、カートリッジ筐体内で迷光となり、この迷光により、モノマーで形成されているホログラム記録媒体が無駄にポリマー化するモノマーの無駄な消費が生じることになる。
【0014】
そのため、このようなモノマーの消費により、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、記録の品質が低下し、再生信号のノイズ増加や記録容量の低下を引き起こす原因となる。
【0015】
そこで、この発明は、上記のような状況に対処するためになされたものであって、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体を小さくすることが可能となると共に、発生する迷光を抑制して記録信号のノイズ低下及び記録容量低下を抑制することが可能な、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体、及び、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
最初に、本発明のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体について説明する。本発明のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体は、円盤状のディスク型ホログラム記録媒体と、筐体と、筐体開口部と、シャッターとを備えることを特徴としている。
【0017】
即ち、上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、筐体は、該ディスク型ホログラム記録媒体を内部に回転自在に収納している。また、この筐体は、外光が内部に入らないように遮光されている。筐体開口部は、筐体に設けられており、ディスク型ホログラム記録媒体の表面及び裏面に、投射光が入射または出射可能に形成されている。
【0018】
また、上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体では、投射光を用いて書込または読取を行うときに筐体開口部を開き、それ以外のときに該筐体開口部を閉じるシャッターを備えている。
【0019】
そして、シャッターは、ディスク型ホログラム記録媒体に対して、投射光を用いて書込または読取を行うときに筐体開口部を開き、それ以外のときに該筐体開口部を閉じる機能を備えている。
【0020】
そのため、書込または読取を行わないときは、このシャッターにより、筐体開口部を閉じることができるので、筐体内への入射光を抑制することができる。従って、書込の際のモノマーの無駄な消費を抑制することができ、記録信号のノイズ低下、及び、記録容量低下を抑制することができる。
【0021】
上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、筐体開口部は、ディスク型ホログラム記録媒体の半径方向に沿って形成するのが、好適である。また、筐体開口部は、ディスク型ホログラム記録媒体の外周端まで、投射光が到達可能に形成するのが、好適である。
【0022】
上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体によれば、筐体開口部は、ディスク型ホログラム記録媒体の外周端まで、投射光が到達可能に形成されている。そのため、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録容量を増加することができる。
【0023】
また、ディスク型ホログラム記録媒体を収容する筐体であるカートリッジを小さくすることができ、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の取扱に対する利便性を向上することができる。
【0024】
また、小型化により、筐体の剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。
【0025】
また、上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、筐体開口部は、該筐体開口部の外縁端を開放して形成するようにしてもよい。このようにすることにより、ディスク型ホログラム記録媒体を収容する筐体であるカートリッジの形状がシンプルになり、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の形成コスト低下を、図ることができる。
【0026】
或いは、上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の筐体の外縁端に、該外縁端に沿って筐体開口部を閉塞する筐体架橋桟を形成するようにしてもよい。このようにすることにより、筐体の剛性が向上し、筐体の厚みを薄くすることができる。また、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。
【0027】
また、上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、シャッターを次のように形成するのが好適である。即ち、シャッターは、筐体の外縁端に沿ってスライド可能に筐体開口部を覆って該筐体開口部を閉じる構成とする。
【0028】
また、このシャッターには、筐体開口部の全体を外部に露出可能なシャッター開口部を備え、このシャッター開口部が筐体開口部の全体を外部に露出させるようにシャッターをスライドさせることで、筐体開口部を開くようにするのである。
【0029】
このようにすることにより、シャッターの構成をシンプルにすることができると共に、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の筐体開口部の開閉を、スムースに行うことができる。
【0030】
上記のシャッターに関し、シャッター開口部を、該シャッター開口部の外縁端が開放するようにして形成してもよい。このようにすることにより、ディスク型ホログラム記録媒体を収容する筐体のシャッターの形状がシンプルになり、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の形成コスト低下を、図ることができる。
【0031】
また、上記のシャッターを備えたカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、シャッターの外縁端に、該外縁端に沿ってシャッター開口部を閉塞するシャッター架橋桟を形成するようにしてもよい。
【0032】
このようにすることにより、シャッターの剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。
【0033】
次に、本発明のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置について説明する。本発明のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置は、上述したいずれかのカートリッジ収納型ホログラム記録媒体に、投射光を用いて書込または読取を行うカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置である。
【0034】
上記のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置は、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に書込を行うのに使用される投射光である参照光及び信号光の光軸の、書込の際の軌跡が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の半径方向と一致するように形成されている。
【0035】
このため、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置は、ディスク型ホログラム記録媒体の半径方向に沿って形成された筐体開口部を備えているディスク型ホログラム記録媒体への書込や読取を、スムースに行うことができる。
【0036】
また、上述したいずれかのカートリッジ収納型ホログラム記録媒体に、投射光を用いて書込または読取を行う本発明のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置を、次のように、構成することができる。
【0037】
即ち、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に書込を行うのに使用される投射光の1つである参照光は、該参照光の光軸が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の外周側から内周側へ向くように、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に照射されるようにして、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置を形成するのである。
【0038】
このようにすることにより、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の読取を行うときに用いられる共役ミラーを、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の内周側に配置することができる。従って、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体は、投射光を用いて書込または読取を行うときに筐体開口部を開き、それ以外のときに該筐体開口部を閉じるシャッターを備えている。
【0040】
そのため、書込または読取を行わないときは、このシャッターにより、筐体開口部を閉じることができるので、筐体内に迷光が発生するのを、抑制することができる。従って、書込の際のモノマーの無駄な消費を抑制することができ、記録信号のノイズ低下、及び、記録容量低下を、抑制することができる。
【0041】
また、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の筐体開口部は、ディスク型ホログラム記録媒体の外周端まで、投射光が到達可能に形成されているので、ディスク型ホログラム記録媒体を収容する筐体であるカートリッジを小さくすることができる。
【0042】
そのため、記録媒体の記録容量を増加することができると共に、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の取扱に対する利便性が向上する。また、小型化により、筐体の剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを低減することができる。
【0043】
また、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の外縁端に、該外縁端に沿って筐体開口部を閉塞する筐体架橋桟が形成されているので、筐体の剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを低減することができる。
【0044】
また、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターは、筐体開口部の全体を露出可能なシャッター開口部を備えており、このシャッターの外縁端に、該外縁端に沿ってシャッター開口部を閉塞するシャッター架橋桟が形成されている。
【0045】
そのため、シャッターの剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の表面の外観を示した斜視図である。
【図2】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の裏面の外観を示した斜視図である。
【図3】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のディスク型ホログラム記録媒体の断面図である。
【図4】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のディスク型ホログラム記録媒体の表面を上から見た平面図である。
【図5】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターを外した状態における、(a)はその表面を示した正面図、(b)はその側面図、そして、(c)はその裏面を示した背面図である。
【図6】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のカートリッジの斜視図である。
【図7】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターにおける、(a)はその表面を示した正面図、(b)はその側面図、そして、(c)はその裏面を示した背面図である。
【図8】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターの斜視図である。
【図9】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターを開いた状態における表面から見た斜視図である。
【図10】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターを開いた状態における裏面から見た斜視図である。
【図11】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置に備えられているキャリッジにカートリッジ収納型ホログラム記録媒体を搭載した状態を示した斜視図である。
【図12】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置の光学系機構の構成及び動作を示した説明図(その1)である。
【図13】本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置の光学系機構の構成及び動作を示した説明図(その2)である。
【図14】図12の部分拡大図である。
【図15】図13の部分拡大図である。
【図16】本実施の形態における他の例(その1)のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のカートリッジの斜視図である。
【図17】本実施の形態における他の例(その1)のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターが開いた状態のカートリッジ開口部付近の拡大斜視図である。
【図18】本実施の形態における他の例(その2)のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターの斜視図である。
【図19】本実施の形態における他の例(その2)のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体のシャッターが開いた状態のカートリッジ開口部付近の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
次に、本発明の実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体、及び、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置について、図面に基づき詳細に説明する。
【0048】
カートリッジ収納型ホログラム記録媒体は、ホログラム技術を利用して大容量の情報を書込、及び、読取するための媒体である、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体に対する情報を書込、及び、読取は、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置により行われる。
【0049】
最初に、本発明の実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体について説明する。図1は、本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の表面の外観を示した斜視図、図2は、その裏面の外観を示した斜視図である。
【0050】
図1、図2において、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1は、方形で板状のカートリッジ2と、このカートリッジ2に内蔵されている円盤状のディスク型ホログラム記録媒体4と、カートリッジ2に、スライド自在に取り付けられているシャッター3とで構成されている。
【0051】
図3は、ディスク型ホログラム記録媒体4の断面図、図4は、ディスク型ホログラム記録媒体4の表面を上から見た平面図である。図3、図4において、ディスク型ホログラム記録媒体4は、上述したように円盤状であり、円盤状の透明基板4a,4bと、これらの透明基板4a,4b間に狭持された円盤状の記録媒体4c、及び、中心部に、磁性材料で形成された円柱状のハブ4dとで構成されている。
【0052】
このディスク型ホログラム記録媒体4を構成する上記の透明基板4a,4b、及び、記録媒体4cの厚みは、例えば、透明基板4a,4bが、1mm、記録媒体4cが、1.5mmである。
【0053】
図5は、シャッター3を外した状態のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1を示した3面図で、(a)は、その表面を示した正面図、(b)は、その側面図、そして、(c)は、その裏面を示した背面図である。また、図6は、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のカートリッジ2を示した斜視図である。
【0054】
図5、図6において、カートリッジ2は、上述したように、4辺を備えた方形の板状であり、内部に、ディスク型ホログラム記録媒体4を収納する空間が形成され、この内部には、上述したように、ディスク型ホログラム記録媒体4が、回転可能に収容されている。また、このディスク型ホログラム記録媒体4が収容されている内部空間には、外光が入らないように、カートリッジ2は、遮光されて形成されている。
【0055】
また、カートリッジ2は、上記の4辺の内の1辺の中央部から、この4辺に隣接する2辺に平行に、カートリッジ2の中心に至るスリット状のカートリッジ開口部(前述の筐体開口部)5が、形成されている。
【0056】
そのため、このスリット状のカートリッジ開口部5におけるスリットの長手方向は、カートリッジ2の内部空間に収容されている円盤状のディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向と一致する。即ち、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のカートリッジ開口部5は、円盤状のディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向に沿って形成されている。このスリットの幅は、例えば、3mmである。
【0057】
また、このカートリッジ開口部5は、上述したように、スリット状であり、従って、このカートリッジ開口部5の外縁端は開放された状態である。そのため、後述するように、ディスク型ホログラム記録媒体4が記録再生装置に装着された際に、このカートリッジ開口部5のカートリッジ表面開口面5aから入射する参照光、或いは、信号光を、ディスク型ホログラム記録媒体4の外周端まで、到達させることができる。
【0058】
また、カートリッジ2には、カートリッジ開口部5の奥におけるカートリッジ2の裏面の中央部付近に、円形のカートリッジ円状開口面5aが形成されている。このカートリッジ円状開口面5aに、ディスク型ホログラム記録媒体4の中心に形成された円柱状のハブ4dの裏面側が挿入されており、これにより、カートリッジ円状開口面5aが、回転軸となる円柱状のハブ4dの回転軸ガイドの役割を果たす。この仕組により、ディスク型ホログラム記録媒体4が、回転可能となる。
【0059】
図7は、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のシャッター3を示した3面図で、(a)は、その表面を示した正面図、(b)は、その側面図、そして、(c)は、その裏面を示した背面図である。また、図8は、このシャッター3を示した斜視図である。
【0060】
図7、図8において、シャッター3は、薄板をコ字形に折り曲げて形成されており、4辺を備えた方形状をしている。このシャッター3は、上述したように、金属の板を折り曲げて形成しているが、このほか、成形品で構成してもよい。
【0061】
このシャッター3は、カートリッジ2のカートリッジ開口部5が設けられている側の外縁端に沿って、スライド可能に形成されている。即ち、シャッター3の側面の裏面が、カートリッジ2の側面の表面に接しており、シャッター3は、カートリッジ2の側面上を、このカートリッジ2の側面に沿ってスライドする。
【0062】
このシャッター3は、上記のカートリッジ2と同様に、上記の4辺の内の1辺の中央部から、この4辺に隣接する2辺に平行に、カートリッジ2の中心に至るスリット状のシャッター開口部6が、形成されている。
【0063】
このスリット状のシャッター開口部6は、このシャッター開口部6がカートリッジ開口部5と重なった状態下では、カートリッジ開口部5の全体を外部に露出可能なように、形成されている。
【0064】
そのため、このスリット状のシャッター開口部6におけるスリットの向きは、カートリッジ2の内部空間に収容されている円盤状のディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向と平行である。また、このスリットの幅は、カートリッジ開口部5の幅よりも多少広く、例えば、4mmである。
【0065】
また、シャッター3には、カートリッジ2と同様、シャッター開口部6の奥におけるシャッター3の裏面の中央部付近に、円形のシャッター裏面開口面6aが形成されている。このシャッター円状開口面6aは、このシャッター円状開口面6aの円状開口面の直径が、カートリッジ円状開口面5aの直径よりも多少大きくなるように形成されている。
【0066】
上記のシャッター円状開口面6aは、シャッター開口部6がカートリッジ開口部5と重なった状態下では、カートリッジ円状開口面5aと重なった状態である。従って、この状態下では、ディスク型ホログラム記録媒体4の中心に形成された円柱状のハブ4dの裏面が、図10に示すように、カートリッジ円状開口面5a、及び、シャッター円状開口面6aを介して外部に露出している。しかし、通常は、カートリッジ円状開口面5aは、図2に示すように、シャッター3の裏面で覆われている。
【0067】
上記のシャッター3は、図1、図2に示すように、シャッター3が、カートリッジ開口部5の全体、及び、カートリッジ円状開口面5aを覆う位置に通常存在するように、図示されていないバネで付勢されて、カートリッジ2に装着されている。
【0068】
カートリッジ開口部5がシャッター3により覆われて、カートリッジ開口部5が閉じられている図1、図2に示す状態から、図9、図10に示すように、矢印の方向にシャッター3をスライドさせると、シャッター3は、シャッター開口部6がカートリッジ開口部5と重なった状態で停止するように、シャッター3がカートリッジ2に装着されている。
【0069】
このシャッター3がスライドして、シャッター開口部6がカートリッジ開口部5と重なった状態では、上述したように、カートリッジ開口部5の全体、及び、カートリッジ円状開口面5aが、外部に露出された状態となる。
【0070】
また、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1は、後述するように、ディスク型ホログラム記録媒体4が記録再生装置に装着されて、シャッター3が開いた状態で使用される際には、上述したように、ディスク型ホログラム記録媒体4の中心に形成された円柱状のハブ4dの裏面が、カートリッジ円状開口面5a、及び、シャッター円状開口面6aを介して外部に露出している。
【0071】
そこで、この外部に露出しているディスク型ホログラム記録媒体4のハブ4dの裏面が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置に備えられている回転駆動機構に備えられているマグネットにより吸着されることで、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の内部に収容されているディスク型ホログラム記録媒体4が、回転する。
【0072】
次に、本発明の実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置(以下、記録再生装置と称する)について説明する。図11は、記録再生装置10に備えられているキャリッジ41に、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1を搭載した状態を示した斜視図である。この図11は、キャリッジ41を底面側から見た状態を示している。
【0073】
図11において、キャリッジ41は、相対面するフォーク端部41aを前部の両側端とする凹部41bを備えた水平な板状をしている。この凹部41bの奥中央には、回転駆動機構42が備えられている。この回転駆動機構42は、図示しないモータが内蔵されており、このモータの回転軸の上面にはマグネットが備えられている。
【0074】
上記の記録再生装置10において、上述したカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1は、キャリッジ41の上面に載置されて、図示しない固定機構により、キャリッジ41に固定される。
【0075】
この固定が行われると同時に、図示しないシャッター駆動機構により、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のシャッター3がスライドされて開かれ、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1が、図9、図10に示す状態になると共に、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4のハブ4dの裏面が、回転駆動機構42のモータの回転軸のマグネットに吸着される。この状態で、回転駆動機構42のモータが回転することにより、ディスク型ホログラム記録媒体4が回転する。
【0076】
また、上記のキャリッジ41の凹部41bの上方及び下方には、記録再生装置10の後述する光学系機構11が装着される。そして、この光学系機構11から発射される投射光が、ディスク型ホログラム記録媒体4のカートリッジ開口部5、及び、シャッター開口部6を介して、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4に、投射される。
【0077】
また、キャリッジ41は、光学系機構11に対して、カートリッジ2のカートリッジ開口部5のスリットの長手方向と同じ方向、即ち、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向に沿って、このディスク型ホログラム記録媒体4の内周側から外周側に向かって移動する。
【0078】
図12、図13は、記録再生装置10の光学系機構11の構成、及び、動作を示した説明図である。この内、図12は、記録時、即ち、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に書込を行う場合を示した説明図であり、図13は、再生時、即ち、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1から読取を行う場合を示した説明図である。
【0079】
記録再生装置10の光学系機構11は、図12、図13に示すように、レーザ光源20、コリメータ部21、記録シャッター22、ビーム分離部23、偏向ミラー24、リレーレンズ25、偏光ビームスプリッター(PBS)26、アパーチャー27、対物レンズ28、共役ミラー29、撮像素子30、及び、反射型液晶空間変調素子31で、構成されている。
【0080】
尚、図12、図13では、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4のみを記載している。しかし、実際には、ディスク型ホログラム記録媒体4は、ディスク型ホログラム記録媒体4のカートリッジ2の内部に内蔵されていると共に、ディスク型ホログラム記録媒体4は、記録再生装置10のキャリッジ41に載置されて移動される。
【0081】
また、図12、図13では、これらの図に向かって左方向が、ディスク型ホログラム記録媒体4の外周側であり、向かって右方向が内周側である。従って、図12、図13では、ディスク型ホログラム記録媒体4は、右から左へ向かって移動する。
【0082】
次に、記録再生装置10の光学系機構11における記録、即ち、書込を行う場合について説明する。この書込を行う場合は、参照光RLと信号光SLが、光学系機構11から発射される上述した投射光である。
【0083】
図12において、レーザ光源20から出射された光は、記録シャッター22を含むコリメータ部21により、平行光となる。この平行光は、ビーム分離部23により参照光RLと信号光SLに分離される。
【0084】
参照光RLは偏向ミラー24に反射され、リレーレンズ25を透過してディスク型ホログラム記録媒体4に照射される。上記の偏向ミラー24は角度可変であり、記録時及び再生時に駆動される。
【0085】
ビーム分離部23を直進してこのビーム分離部23から出射された信号光SLは、ビーム径を拡大され、偏光ビームスプリッター(PBS)26を透過して、反射型液晶空間変調素子31に入射する。
【0086】
反射型液晶空間変調素子31は、信号光SLを空間変調させる。この反射型液晶空間変調素子31から反射された光は、PBS26により反射され、アパーチャー27を通過して対物レンズ28に集光され、ディスク型ホログラム記録媒体4に照射される。
【0087】
そして、上記の信号光SLと参照光RLは、ディスク型ホログラム記録媒体4内において重なり、その結果として干渉縞が発生し、この干渉縞の光強度成分は、ディスク型ホログラム記録媒体4に、ホログラムとして記録される。
【0088】
また、ディスク型ホログラム記録媒体4に照射する出射ビームの量を、記録シャッター22により可変すると共に、偏向ミラー24により角度の異なる参照光RLを照射することで、ディスク型ホログラム記録媒体4内に、ホログラムを多重記録することができる。
【0089】
次に、記録再生装置10の光学系機構11における再生、即ち、読取を行う場合について説明する。この読取を行う場合は、参照光CRLが、光学系機構11から発射される上述した投射光である。尚、上記の説明と重なる部分については、説明を省略している。
【0090】
図13において、レーザ光源20から出射された光は、ビーム分離部23により、参照光CRLのみが分離される。分離された参照光CRLは、偏向ミラー24で反射され、リレーレンズ25を透過して、ディスク型ホログラム記録媒体4に照射される。
【0091】
そして、このディスク型ホログラム記録媒体4を透過した光は、1/4波長板29aが装着された共役ミラー29により、反射され、ディスク型ホログラム記録媒体4に再度照射される。
【0092】
この再度ディスク型ホログラム記録媒体4に照射された光により、再生信号を含む再生光CLが、対物レンズ28を透過して、撮像素子36に結像する。この場合に、偏向ミラー24により、ディスク型ホログラム記録媒体4へ入射する角度を可変すると共に、共役ミラー29の角度を可変することにより、記録した全ての信号を再生することができる。
【0093】
次に、上述した記録時及び再生時の状態について、さらに詳しく説明する。まず、記録時において、図14は、記録時の状態を示した図12における参照光RL及び信号光SLが照射されるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の付近を、拡大した部分拡大図である。
【0094】
図14において、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に対する参照光RL、及び、信号光SLの光軸の相対的な移動軌跡は、ディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向と、カートリッジ2におけるカートリッジ開口部5のスリットの長手方向、及び、シャッター3におけるシャッター開口部6のスリットの長手方向に平行な方向と、略一致する。
【0095】
また、参照光RLは、例えば、ビーム径がφ2mmであり、ディスク型ホログラム記録媒体4に対して、例えば、入射角度40°〜70°の範囲で、偏向角度を変化させて書込を行う。
【0096】
また、信号光SLは、ビーム径φ19mmで、開口率NAが0.6の対物レンズ28により集光され、ディスク型ホログラム記録媒体4に対して、光軸の入射角55°で入射する。このとき共役ミラー29は、参照光RL、及び、信号光SLに照射されないような位置に退避している。
図15は、再生時の状態を示した図13における参照光CRLが照射されるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の付近を、拡大した部分拡大図である。図15において、参照光CRLは、例えば、ビーム径φ2mmであり、記録時の入射角度が40°〜70°の近傍となるよう、ディスク型ホログラム記録媒体4に入射させ、共役ミラー29により反射させた光を、再度、ディスク型ホログラム記録媒体4に入射させる。
【0097】
このディスク型ホログラム記録媒体4に再度入射した光は、ディスク型ホログラム記録媒体4から再生光CLが射出され、この放射された再生光CLが、対物レンズ28に入射して、前記撮像素子36に入射する。
【0098】
上記の図12〜図15から分かるように、記録再生装置10の光学系機構11において、参照光RL、或いは、参照光CRLは、これらの光軸が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4の、外周側から内周側へ向くように、光学系機構11が配置されている。
【0099】
そこで、この光学系機構11では、共役ミラー29は、図12〜図15に示すように、ディスク型ホログラム記録媒体4内周側に配置されている。
【0100】
上述したカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1によれば、投射光を用いて書込または読取を行うときに、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のカートリッジ2におけるカートリッジ開口部5を開き、それ以外のときに、該カートリッジ開口部5を閉じるシャッター3を備えている。
【0101】
そのため、書込または読取を行わないときは、このシャッター3により、カートリッジ開口部5を閉じることができるので、カートリッジ2内に迷光が発生するのを抑制することができる。従って、書込の際のモノマーの無駄な消費を抑制することができ、記録信号のノイズ低下、及び、記録容量低下を抑制することができる。
【0102】
また、カートリッジ開口部5は、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4の外周端まで、投射光が到達可能に形成されている。そのため、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の記録容量を増加することができる。
【0103】
また、ディスク型ホログラム記録媒体4を収容する筐体であるカートリッジ2を小さくすることができ、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の取扱に対する利便性を向上することができる。
【0104】
また、小型化により、カートリッジ2の剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体4の振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。
【0105】
また、カートリッジ開口部5は、このカートリッジ開口部5の外縁端を開放して形成しているので、ディスク型ホログラム記録媒体を収容する筐体であるカートリッジの形状がシンプルになり、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の形成コスト低下を、図ることができる。
【0106】
また、シャッター3は、カートリッジ2の外縁端に沿ってスライド可能にカートリッジ開口部5を覆ってこのカートリッジ開口部5を閉じる構成としている。また、このシャッター3には、カートリッジ開口部5の全体を外部に露出可能なシャッター開口部6を備え、このシャッター開口部6がカートリッジ開口部5の全体を外部に露出させるようにシャッター3をスライドさせることで、カートリッジ開口部5を開くようにしている。
【0107】
そのため、シャッター3の構成をシンプルにすることができると共に、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1のカートリッジ開口部5の開閉を、スムースに行うことができる。
【0108】
また、上述した記録再生装置10によれば、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に書込を行うのに使用される投射光である参照光RL及び信号光SLの光軸の書込の際の軌跡が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の半径方向と一致するように、記録再生装置10が形成されている。
【0109】
このため、この記録再生装置10は、ディスク型ホログラム記録媒体4の半径方向に沿って形成されたカートリッジ開口部5を備えているディスク型ホログラム記録媒体4への書込や読取を、スムースに行うことができる。
【0110】
また、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に書込を行うのに使用される投射光の1つである参照光RLは、該参照光RLの光軸が、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の外周側から内周側へ向くように、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に照射されるようにして、記録再生装置10が形成されている。
【0111】
そのため、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の読取を行うときに用いられる共役ミラー29を、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1の内周側に配置することが可能となっている。従って、記録再生装置10を、小型化することができる。
【0112】
上記の本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1では、上述したように、共役ミラー29は、図12〜図15に示すように、ディスク型ホログラム記録媒体4の内周側に配置されているが、ディスク型ホログラム記録媒体4外周側に配置するようにしてもよい。
【0113】
また、上記の本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1において、カートリッジ2に、次のような対処を施すようにしてもよい。図16は、この対処が施されたカートリッジ2Aの斜視図、図17は、この対処が施されたカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Aにおけるシャッター3が開いた状態のカートリッジ開口部5A付近の拡大斜視図である。
【0114】
図16、図17において、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Aには、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Aのカートリッジ2Aの外縁端に、この外縁端に沿ってカートリッジ開口部5Aを閉塞するカートリッジ架橋桟(前述の筐体架橋桟)5bを形成している。
【0115】
このカートリッジ架橋桟5bは、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4に対する参照光RL、参照光CRL、及び、信号光SLの投射や、ディスク型ホログラム記録媒体4からの再生光CLの出射を妨げないように、カートリッジ2Aの外縁端に形成されている。
【0116】
このカートリッジ架橋桟5bにより、カートリッジ2Aの剛性が向上し、カートリッジ21全体の厚みを薄くすることができる。また、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体1Aの振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。
【0117】
また、上記の本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1において、シャッター3に、次のような対処を施すようにしてもよい。図18は、この対処が施されたシャッター3Aの斜視図、図19は、この対処が施されたカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Bにおけるシャッター3Aが開いた状態のカートリッジ開口部5付近の拡大斜視図である。
【0118】
図18、図19において、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Bには、このカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1Bのシャッター開口部6Aの外縁端に、この外縁端に沿ってシャッター開口部6Aを閉塞するシャッター架橋桟6bを形成している。
【0119】
このシャッター架橋桟6bは、上述したカートリッジ架橋桟5bと同様、カートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に内蔵されているディスク型ホログラム記録媒体4に対する参照光RL、参照光CRL、及び、信号光SLの投射や、ディスク型ホログラム記録媒体4からの再生光CLの出射を妨げないように、シャッター3Bの外縁端に形成されている。
【0120】
このシャッター架橋桟6bにより、シャッター3Aの剛性が向上し、耐振動性を向上することができる。これにより、ディスク型ホログラム記録媒体1Bの振動を抑制することができ、この振動により発生する記録信号の干渉縞の揺らぎを、低減することができる。また、カートリッジ2全体の厚みを薄くすることができる。
【0121】
上述したカートリッジ2Aに施された対処、及び、シャッター3Aに施された対処は、上記の本実施の形態におけるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体1に対して、双方を一緒に反映するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 カートリッジ収納型ホログラム記録媒体
1A カートリッジ収納型ホログラム記録媒体
1B カートリッジ収納型ホログラム記録媒体
2 カートリッジ
2A カートリッジ
3 シャッター
3A シャッター
4 ディスク型ホログラム記録媒体
4a 透明基板
4b 透明基板
4c 記録媒体
4d ハブ
5 カートリッジ開口部
5A カートリッジ開口部
5a カートリッジ円状開口面
5b カートリッジ架橋桟
6 シャッター開口部
6A シャッター開口部
6a シャッター円状開口面
6b シャッター架橋桟
10 記録再生装置
11 光学系機構
20 レーザ光源
21 コリメータ部
22 記録シャッター
23 ビーム分離部
24 偏向ミラー
25 リレーレンズ
26 偏光ビームスプリッター(PBS)
27 アパーチャー
28 対物レンズ
29 共役ミラー
29a 1/4波長板
30 撮像素子
31 反射型液晶空間変調素子
41 キャリッジ
41a フォーク端部
41b 凹部
42 回転駆動機構
RL 参照光
SL 信号光
CR L参照光
CL 再生光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状のディスク型ホログラム記録媒体と、
該ディスク型ホログラム記録媒体を内部に回転自在に収納しており、外光が内部に入らないように遮光された筐体と、
前記ディスク型ホログラム記録媒体の表面及び裏面に、投射光が入射または出射可能に前記筐体に設けられた筐体開口部と、
前記ディスク型ホログラム記録媒体に対して、前記投射光を用いて書込または読取を行うときに前記筐体開口部を開き、それ以外のときに該筐体開口部を閉じるシャッターと、を備えることを特徴とするカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項2】
請求項1記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記筐体開口部は、前記ディスク型ホログラム記録媒体の半径方向に沿って形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項3】
請求項1または2記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記筐体開口部は、前記ディスク型ホログラム記録媒体の外周端まで、前記投射光が到達可能に形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記筐体開口部は、該筐体開口部の外縁端が開放されて形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記筐体の外縁端に、該外縁端に沿って前記筐体開口部を閉塞する筐体架橋桟が形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記シャッターは、
前記筐体の前記外縁端に沿ってスライド可能に前記筐体開口部を覆って該筐体開口部を閉じており、
前記筐体開口部の全体を外部に露出可能なシャッター開口部を備え、該シャッター開口部が前記筐体開口部の全体を外部に露出させるように前記シャッターをスライドさせることで、前記筐体開口部を開くカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項7】
請求項6記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記シャッター開口部は、該シャッター開口部の外縁端が開放されて形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項8】
請求項6記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体において、
前記シャッターの外縁端に、該外縁端に沿って前記シャッター開口部を閉塞するシャッター架橋桟が形成されているカートリッジ収納型ホログラム記録媒体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体に、前記投射光を用いて書込または読取を行うカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置であって、
前記カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に書込を行うのに使用される前記投射光である参照光及び信号光の光軸の、前記書込の際の軌跡が、前記カートリッジ収納型ホログラム記録媒体のディスク型ホログラム記録媒体の半径方向と一致するカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項記載のカートリッジ収納型ホログラム記録媒体に、前記投射光を用いて書込または読取を行うカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置であって、
前記カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に書込を行うのに使用される前記投射光の1つである参照光は、該参照光の光軸が、前記カートリッジ収納型ホログラム記録媒体の外周側から内周側へ向くように、前記カートリッジ収納型ホログラム記録媒体に照射されるカートリッジ収納型ホログラム記録媒体の記録再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−238306(P2010−238306A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85816(P2009−85816)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】