説明

カートリッジ型媒体保持機構

媒体に印刷するプリンタに使用するための媒体カートリッジ(18)が開示される。媒体カートリッジは、出口通路(50)を有するカートリッジハウジング(30)を含む。媒体カートリッジは長い媒体(40)を有し、媒体の端(48)は出口通路から延びる。媒体カートリッジは、挟み位置と開放位置を有する保持アーム(62)をさらに含む。挟み位置において、保持アームは出口通路にある媒体にぶつかって、媒体が出口通路を通り抜けるのを防止する。開放位置において、保持アームは媒体が出口通路を通ることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2008年11月10日出願の米国仮特許出願第61/113,124号明細書の優先権を主張し、同仮出願の開示の全体を参照により本願に援用する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当せず。
【0003】
発明の背景
本発明は、プリンタ用カートリッジに関する。特に、本発明は、カートリッジがプリンタに装填されていないときにカートリッジ内における媒体の不要な移動を防止するための保持機構に関する。
【背景技術】
【0004】
携帯プリンタは、可搬性と移動性とが重視される印刷用途に使用される。このような携帯プリンタの多くは、媒体のロールを収容するカートリッジを収容するように設計されている。この媒体は、たとえば、文書、パッケージおよびその他に貼付する裏面接着ラベルであってもよい。
【0005】
カートリッジの形態の媒体を提供することによって、多くの利点が得られる。1つの利点は、媒体をカートリッジハウジングの内部で保護できることである。これによって、プリンタが乱暴に扱われたり、苛酷な環境で操作されたりしたときに、媒体が損傷を受けるリスクが低下する。別の利点は、カートリッジの構造により、媒体をプリンタに装填しやすくなるかもしれないことである。一般に、ほとんどの携帯プリンタの大きさが小さく、媒体を装填する必要のある領域が狭いことを考えると、使用者が印刷ヘッドとプラテンローラの間に媒体を手で通すことは難しい。カートリッジは、カートリッジをプリンタの中に装填している間、自動的に印刷ヘッドとプラテンローラの間に媒体がセットされるように設計することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カートリッジ内に媒体を保管することで、問題も発生する。一般に、カートリッジ内の媒体はロール状に巻き取られ、媒体の自由端はカートリッジの出口端から延在されている。自由端がカートリッジ内に引き込まれると、通常、この自由端には手が届かず、そのカートリッジは使用できなくなる。自由端がカートリッジの外に出ていても、媒体が、媒体の自由端を案内する媒体ガイドのいずれかから外れて引き出されることがありうる。自由端が印刷ヘッドとプラテンとを通過するように適正に案内されないと、媒体が不適正に装填またはフィードされ、プリンタ詰まりの原因となりうる。
【0007】
上記の問題の1つの解決策として、カートリッジに使い捨ての接着性搬送用タブが設けられてきた。このタブは、カートリッジがプリンタ内に装填されて、タブが取り外されるまで、カートリッジ内の媒体が正方向または逆方向にフィードされるのを防止する。しかしながら、タブが取り外されると、カートリッジをプリンタ内に入れたままにして、媒体の張力を保持しなければならない。したがって、この解決策では、プリンタ間でカートリッジを入れ替えることや、印刷する媒体の種類を変えるためにプリンタ内でカートリッジを切り替えることに対応できない。
【0008】
上記の問題の別の解決策として、カートリッジ内に媒体のための長い経路を設け、媒体が巻き戻るのを摩擦により防止してきた。しかしながら、長い経路を設けると、カートリッジの設置面が大型化し、媒体を送るのにより大きな力が必要となる。これにより、媒体送りが非効率的となり、第一に、プリンタを小型化できるという利点がある程度損なわれる。
【0009】
したがって、カートリッジがプリンタに装填されていないときに、長い媒体の、カートリッジから延びる自由端の移動を防止するための改善された方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
媒体に印刷するプリンタに使用するための媒体カートリッジが開示される。媒体カートリッジには、出口通路を有するカートリッジハウジングが設けられている。媒体カートリッジは長い媒体を有し、その端部は出口通路が延在されている。また、媒体カートリッジには、挟み位置と開放位置とを有する保持アームが設けられている。挟み位置において、保持アームは出口通路にある媒体と衝突し、媒体が出口通路を通過するのを防止する。開放位置において、保持アームは媒体が出口通路を通り抜けるのを許容する。
【0011】
媒体カートリッジの1つの形態によれば、カートリッジハウジングから外側に延在された突起が設けられてもよい。突起はプリンタの係合構造と係合可能とされ、媒体カートリッジがプリンタの中に装填されたときに、保持アームを挟み位置から開放位置に移動させてもよい。突起は、保持アームと一体に形成されてもよい。保持アームは、カートリッジハウジングとは別体に形成されてもよい。
【0012】
媒体カートリッジの別の形態によれば、挟み位置にあるとき、保持アームとカートリッジハウジングの一部との両方が媒体と接触してもよい。
【0013】
媒体カートリッジのまた別の形態によれば、挟み位置にあるとき、保持アームは媒体に接触して媒体の経路を回旋状にしてもよい。
【0014】
カートリッジを着脱自在に収容するように適合されたプリンタにおいて使用するための、媒体保持機構を有するカートリッジもまた開示される。カートリッジハウジングは、長い媒体を格納する。長い媒体の少なくとも一部分は、カートリッジハウジングの出口通路から延在されている。付勢機構は、保持アーム部をカートリッジハウジングの一部に向かって付勢する。媒体は、保持アーム部とカートリッジハウジングの上記部分との間に延在されている。
【0015】
カートリッジの1つの態様によれば、保持アーム部は、保持アーム部が付勢機構によってカートリッジハウジングの上記部分に向かって駆動され、媒体に接触する挟み位置と、保持アーム部がカートリッジハウジングの上記部分から遠ざかるように移動されて、媒体を解放する開放位置とを有していてもよい。カートリッジがカートリッジを収容するように適合されたプリンタに挿入されるとき、保持アーム部の突起がプリンタによって駆動され、保持アーム部を開放位置に移動させてもよい。挟み位置において、媒体は保持アーム部とカートリッジハウジングの上記部分の間に挟まれてもよい。挟み位置において、媒体は、保持アーム部とカートリッジの上記部分によって、所定の位置に摩擦により保持されてもよい。挟み位置において、保持アーム部は媒体に接触し、媒体のための回旋状の案内経路を形成してもよい。
【0016】
カートリッジの別の態様によれば、付勢機構は、ばねで構成されてもよい。
【0017】
カートリッジのまた別の態様によれば、保持アーム部は、カートリッジハウジングとは別に形成されてもよい。保持アーム部は、少なくとも部分的にカートリッジハウジングの外側にあってもよい。
【0018】
カートリッジの1つの態様によれば、カートリッジは熱転写式プリンタ用とされてもよい。
【0019】
カートリッジの別の態様によれば、カートリッジハウジングは少なくとも2つのケース部分で構成されてもよい。
【0020】
カートリッジのまた別の態様によれば、保持アーム部は回転軸を中心に回転自在であってもよく、付勢機構は、保持アーム部をカートリッジハウジングの一部分に向かって回転により付勢してもよい。
【0021】
カートリッジのさらに別の態様によれば、カートリッジには、出口通路から延びる長い媒体を案内する媒体ガイドが設けられている。
【0022】
このように、開示されている媒体カートリッジとこれに関連する保持機構により、カートリッジがプリンタに装填されていないときに、長い媒体の自由端の移動を防止するための改善された方法が提供される。カートリッジがプリンタに挿入される前、またはカートリッジがプリンタから取り出されたときに、保持機構が媒体の移動を防止する。しかしなから、カートリッジがプリンタに挿入されると、保持機構は媒体がフィードされるのを許容する。この設計では、長い媒体の自由端がカートリッジハウジングの中に巻き戻って、そのカートリッジが使用不能となる、ということが起こりにくい。さらに、保持機構は、長い媒体の端部を媒体ガイドの中に保持するのに役立ち、カートリッジをプリンタに挿入している間、媒体は印刷ヘッドとプラテンローラとの間を適正に通り抜けるようにされる。これによって、印刷中または送り中に媒体が詰まる危険性が低下する。
【0023】
本発明の上記およびさらにその他の利点は、詳細な説明と図面から明らかとなるであろう。以下は単なる本発明の好ましい実施形態の説明である。本発明の全範囲を知るには、特許請求範囲を参照するべきであり、好ましい実施形態を特許請求の範囲の中の唯一の実施形態とすることは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】カートリッジがその中にセットされた状態の携帯プリンタの斜視図である。
【図2】カートリッジがプリンタから取り外されている、図1の携帯プリンタの分解斜視図である。
【図3】カートリッジの分解図である。
【図4】図2の線4−4に沿って切った、保持アームが挟み位置にある状態のカートリッジの断面図である。
【図5】図5は、図1の線5−5に沿って切った、プリンタの係合表面によって保持アームが開放位置に移動された、プリンタの中のカートリッジの断面図である(図5aは、図5の線5A−5Aに沿って切った、突起とプリンタの間の相互作用を示す詳細な断面図である)。
【図6】上側ハウジングを外して、カートリッジの出口通路を現し、よりよく見えるようにした、カートリッジの斜視図である。
【図7】付勢機構が緊張状態のばねで構成された、カートリッジの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず図1と図2を参照すると、携帯プリンタ10が示されている。携帯プリンタ10は、本体部12とヘッド部14を有している。本体部12は、データを入力し、携帯プリンタ10を操作するためのキーパッド16を含む。携帯プリンタ10の本体部12の側面には1対のボタン24がある。好ましくは、1対のボタン24は、携帯プリンタ10の両側に位置付けられて、1対のボタン24を、(両側から挟む動作により、)本体部12に向かって、およびそれと同時に相互に向かって駆動することができるようになっている。
【0026】
ヘッド部14は、カートリッジ18を収容するように構成されている。カートリッジ18は、携帯プリンタ10のヘッド部14の格納部22の中に着脱自在に受けられる。携帯プリンタ10の回転ロック23は、格納部22の中のカートリッジ18を保持するのに使用される。
【0027】
次に図3から図6を参照すると、カートリッジ18の各種の構成部を見ることができる。図3において最もよく示されているように、カートリッジ18は、たとえば、裏面接着ラベル等の印刷媒体40のロール20を格納する。また、カートリッジ18は、相互に結合される上側ハウジング32と下側ハウジング34とで構成されたカートリッジハウジング30を有している。しかしながら、別の形態において、カートリッジハウジング30は単体であってもよく、また2つより多い部分で構成されてもよい。カートリッジハウジング30は、ロール20およびその他、カートリッジ18の各種の内部部品を支持しており、これについては後述する。
【0028】
一般に、カートリッジ18は、該カートリッジ18が格納部22に装填されると、携帯プリンタ10の正面から見た場合に、2つの側を有している。左側部分36では、下側ハウジング34に形成されたスプール38が印刷媒体40のロール20を支持している。右側部分42には2つのスプール44が設けられており、その間にインクリボン46がかかっている。印刷媒体40は、スプール38の周辺に巻かれ、印刷媒体40の自由端48は、ロール20からカートリッジ18の右側部分42に向かって延びている。自由端48は、左側部分36と右側部分42との間に位置付けられた出口通路50から延びている。
【0029】
自由端48は、出口通路50を通った後、カートリッジ18の最も右側の媒体ガイド52から延びる。出口通路50と媒体ガイド52との間の距離にわたり、ロール20の自由端48とインクリボン46は、相互にほぼ平行に走っている。
【0030】
カートリッジ18に形成されたガイドタブ58は、出口通路50と媒体ガイド52の間の長さのうち、サーマル印刷ヘッド54より手前の一部分にわたって延びている。ガイドタブ58は、インクリボン46が2つのスプール44の間を通過する際、その経路を画定するのに役立ち、また、出口通路50と媒体ガイド52の間で印刷媒体40を案内するものとされている。
【0031】
図5において最もよく見えるように、カートリッジ18が携帯プリンタ10の中に受けられると、印刷媒体40の自由端48の一部分とインクリボン46は、印刷媒体40が出口通路50から媒体ガイド52へと延びる際、サーマル印刷ヘッド54とプラテンローラ56の間を通り抜ける。ガイドタブ58の端と媒体ガイド52の間のギャップに、印刷媒体40に印刷するためのサーマル印刷ヘッド54がセットされるのに十分な空間が設けられている。
【0032】
また、カートリッジ18の底部には、識別プレート60が設けられてもよい。識別プレート60は導電性表面を有していてもよく、これは、携帯プリンタ10の格納部22の中の接点までの電気経路を選択的に提供する。識別プレート60によって形成される電気経路から得られる接点の電気接続性に応じて、カートリッジ18の異なる特徴的構成が携帯プリンタ10に表示されてもよい(たとえば、媒体種別、媒体長、インク種別、カートリッジのプリンタとの適合性など)。
【0033】
しかしながら、最も注目すべき点として、カートリッジ18には、保持アーム62が設けられている。図示した形態において、保持アーム62は、ロール20と同軸の回転軸A−Aを中心として回転自在のハブ64を有している。ハブ64には、カートリッジハウジング30から外側に延びる突起66と、ピンチフィンガ68と、図示した形態においては圧縮ばね72とされている付勢機構と係合するハブ付勢面70とが設けられている。
【0034】
ピンチフィンガ68は、ハブ64の周辺から軸方向に下方に延び、ピンチフィンガ68がカートリッジハウジング30の一部分とともに出口通路50の一部分を形成するようになっている。図の実施形態において、印刷媒体40のための出口通路50は、片側がピンチフィンガ68によって、および反対側が下側ハウジング34の縁辺74によって画定されている。
【0035】
保持アーム62は、付勢機構(ばね72)によって挟み位置に向かって付勢されている。図示した形態において、ばね72は、保持アーム62のハブ付勢面70と上側ハウジング32のハウジング付勢面76の間で圧縮されている。ばね72が延びようとすると、それがハブ付勢面70をハウジング付勢面76から遠ざかるように駆動する。これが今度は、保持アーム62に時計回り方向の(カートリッジ18の正面から見た場合)トルクをかける。このようにかけられたトルクにより、保持アーム62のピンチフィンガ68は下側ハウジング34の縁辺74に向かって駆動され、これによって、カートリッジハウジング30と保持アーム62の間で出口通路50から延びる印刷媒体40を「挟む」、またはこれにぶつかる。
【0036】
挟み位置において、保持アーム62は、印刷媒体40が出口通路50を通過するのを防止する。挟むことで印刷媒体40を摩擦により捕捉し、ロール20の巻き戻りによって印刷媒体40が逆方向にフィードされるのを防止する。
【0037】
次に、図5を参照すると、カートリッジ18を携帯プリンタ10の格納部22の中に装填している間、カートリッジハウジング30の外側の突起66は携帯プリンタ10の壁またはその他の係合構造と係合している。この係合によって、保持アーム62が回転し、印刷媒体40の自由端48が解放される。
【0038】
好ましくは、図5Aにおいて最もよく見えるように、突起66はテーパ付形状を有し、携帯プリンタ10への装填中に、突起66が格納部22の壁に引っかかるようになっている。突起66のテーパ付形状によって、突起66は、突起66が格納部22に刺し込まれると回転する。
【0039】
装填中に引き起こされる保持アーム62の回転によって、保持アーム62は開放位置に移動する。開放位置では、ピンチフィンガ68は下側ハウジング34の縁辺74から遠ざかり、あるいは縁辺74から分離される。これによって、印刷媒体40はカートリッジ18の出口通路50を通って移動することができる。この状態で、印刷媒体40は、ロール20から引っ張られ、印刷され、携帯プリンタ10の排出スロット26から送られてもよい。
【0040】
印刷媒体40が排出スロット26から送られた後、1対のボタン24を押して、切断機構28を駆動してもよい。切断機構28は印刷媒体40を切断して、印刷媒体40の、携帯プリンタ10の排出スロット26から延びている部分をロール20の残りから切り離す。
【0041】
したがって、カートリッジ18は、印刷媒体40の送りを選択的に可能にし、または防止する保持機構を有する。送られるか、送られないかは、カートリッジ18が携帯プリンタ10の中に装填されたか否かによって決まる。
【0042】
カートリッジ18が携帯プリンタ10に装填されていないと、保持機構は、印刷媒体40の送りが防止されるように付勢される。たとえば、カートリッジを使用する前、または別の種類の印刷媒体を入れるために、途中まで使用したカートリッジを取り出した後などがこの場合であり得る。
【0043】
保持アーム62は印刷媒体40を挟んでいるように示されているが、保持アーム62は、別の何からの方法で印刷媒体40の移動を防止することもできよう。たとえば、保持アーム62は、印刷媒体40の案内経路を回旋(渦巻き)状として、フィードしづらくしてもよい。
【0044】
保持アームは、カートリッジハウジングとは別体に形成されているように示されているが、保持アームはまた、カートリッジハウジングの少なくとも一部分と一体に形成することもできよう。いくつかの形態において、付勢機構は、カートリッジハウジングの少なくとも一部と一体的に形成してもよい。これが当てはまる場合、付勢機構は、弾性変形を通じて、挟み位置から開放位置に移動することもできよう。
【0045】
さらに、付勢機構は圧縮ばねとして示されているが、付勢機構は別の形態であってもよい。たとえば、図7を参照すると、引張ばね78を使って、保持アーム62を挟み位置に向かって回転させている。
【0046】
さらに、保持アームは突起とピンチフィンガを有する回転自在のハブとして示されているが、その他の形態の保持アームも想定できる。たとえば、回転ではなく、保持アームの、印刷媒体を挟む部分または印刷媒体にぶつかる部分は、直線方向に駆動されてもよい。さらに、保持アームは、一体的に形成された構成要素の代わりに、各種の構成要素のアセンブリであってもよい。
【0047】
突起は、格納部の壁と相互作用して、装填中にカートリッジを挟み位置から開放位置に移動させるようなテーパ付形状を有するように示されているが、これらの構成要素のその他の構成および構成要素間のその他の種類の相互作用も想定できる。たとえば、突起はほぼ垂直な面を有し、これが装填中、格納部の壁の傾斜表面と相互作用して、突起および、したがって保持アームを移動させてもよい。
【0048】
これまで、印刷媒体40のロールについて説明したが、長い媒体は、さまざまな形状をとることもできよう。たとえば、媒体は前後に折り返し、折り目にミシン目があるものとすることができよう。カートリッジ18の中での媒体供給の形状に関係なく、長い媒体の少なくとも一部分は、印刷のためにカートリッジハウジング30の出口通路50から延びるべきである。
【0049】
これらの好ましい実施形態に対する多くの改良や変更が当業者にとって明らかになり、これらは本発明の精神と範囲の中に含まれるであろう。そのため、本発明は、上述の実施形態に限定されるべきではない。本発明の全範囲を確認するには、以下の特許請求範囲を参照するべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、カートリッジがプリンタ内に装填されていないときに、印刷媒体の逆送りを回避するための保持機構を有するカートリッジを提供する。
【符号の説明】
【0051】
10 携帯プリンタ
12 本体部
14 ヘッド部
16 キーパッド
18 カートリッジ
20 ロール
22 格納部
23 回転ロック
24 ボタン
26 排出スロット
28 切断機構
30 カートリッジハウジング
32 上側ハウジング
34 下側ハウジング
36 左側部分
38 スプール
40 印刷媒体
42 右側部分
44 スプール
46 インクリボン
48 自由端
50 出口通路
52 媒体ガイド
54 サーマル印刷ヘッド
56 プラテンローラ
58 ガイドタブ
60 識別プレート
62 保持アーム
64 ハブ
66 突起
68 ピンチフィンガ
70 ハブ付勢面
72 圧縮ばね(付勢機構)
74 縁辺
76 ハウジング付勢面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口通路を有するカートリッジハウジングと前記出口通路から延在された端部を有する長い媒体と、を備えた、媒体に印刷するプリンタにおいて使用するための媒体カートリッジにおいて、
(イ)前記カートリッジハウジングには、前記長い媒体の端部を挟む挟み位置と該長い媒体の端部を開放する開放位置とを有する保持アームが設けられ、かつ、
(ロ)前記保持アームが、前記挟み位置で前記出口通路内にある前記媒体にぶつかって該媒体が該出口通路を通過することを防止するとともに、前記開放位置で前記媒体が前記出口通路を通過することを許容するように、構成されている
ことを特徴とする媒体カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジハウジングには、該カートリッジハウジングから外側に延在され、前記プリンタ上の係合構造と係合可能とされ、かつ、前記媒体カートリッジが前記プリンタ内に装填されたときに前記保持アームを前記挟み位置から前記開放位置へ移動させるように構成された、突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の媒体カートリッジ。
【請求項3】
前記突起が、前記保持アームと一体的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の媒体カートリッジ。
【請求項4】
前記保持アームが、前記カートリッジハウジングと別体に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の媒体カートリッジ。
【請求項5】
前記挟み位置における前記保持アームと前記カートリッジハウジングの一部分との両方が、前記媒体と接触されていることを特徴とする請求項1に記載の媒体カートリッジ。
【請求項6】
前記挟み位置における前記保持アームが、前記媒体に接触されて、該媒体の経路が回旋状とされていることを特徴とする請求項1に記載の媒体カートリッジ。
【請求項7】
長い媒体が収容されたカートリッジハウジングと、前記カートリッジハウジングに設けられた保持アーム部と、前記保持アーム部を前記カートリッジハウジングの一部分に向かって付勢する付勢機構と、を有するカートリッジを着脱自在に収容するプリンタにおいて使用するためのカートリッジであって、
(イ)前記媒体が、前記保持アーム部と前記カートリッジハウジングの前記部分との間に延在され、
(ロ)前記長い媒体の少なくとも一部分が前記カートリッジハウジングの出口通路から延在され、かつ、
(ハ)前記保持アームには、前記カートリッジハウジングの外側に延在された突起が設けられている
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項8】
前記保持アーム部が、該保持アーム部が前記付勢機構によって前記カートリッジハウジングの前記部分に向かって駆動されて前記媒体と接触される挟み位置と、該保持アーム部が前記カートリッジハウジングの前記部分から遠ざかるように移動されて前記媒体を開放する開放位置と、を有していることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジが該カートリッジを収容するように構成された前記プリンタに挿入されたときに、前記保持アーム部の突起が前記プリンタによって駆動されて、該保持アーム部の突起によって、前記保持アームが前記開放位置に移動されるように、構成されていることを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記挟み位置における前記媒体が、前記保持アーム部と前記カートリッジハウジングの前記部分との間に挟まれていることを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記挟み位置における前記媒体が、前記保持アーム部と前記カートリッジの前記部分とによって所定の位置に摩擦により保持されていることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記挟み位置における前記保持アーム部が前記媒体と接触されて、該媒体のための回旋状案内経路が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記付勢機構が、ばねで構成されていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記保持アーム部が、前記カートリッジハウジングと別体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記保持アーム部が、少なくとも部分的に前記カートリッジハウジングの外側に設けられていることを特徴とする請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記カートリッジが、熱転写式プリンタ用とされていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記カートリッジハウジングには、少なくとも2つのケース部分が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記保持アーム部が、回転軸を中心に回転自在とされ、かつ、前記付勢機構が、前記保持アーム部を前記カートリッジハウジングの一部分に向かって回転させて、該保持アーム部を付勢させるように、構成されていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記カートリッジには、前記出口通路から延在された前記長い媒体を案内するための媒体ガイドが設けられていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−508127(P2012−508127A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535683(P2011−535683)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/063530
【国際公開番号】WO2010/054182
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(500407190)ブレイディー ワールドワイド インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】Brady Worldwide, Inc.
【住所又は居所原語表記】2221 West Camden Road, Milwaukee, WI 53209, USA
【Fターム(参考)】