説明

カードゲーム装置用のカードテーブル及びそのカードテーブルを備えたカードゲーム装置

【課題】カードテーブル上におけるゲームカードの配置変えを、カードを目視することなく可能とするカードテーブル等を提供する。
【解決手段】カードテーブル(1)の本体を形成する基盤(11)の上面の少なくとも一部に、ゲームカード(C1,C2)が載置されるべき複数の区画(11-1〜11-12)の境界線に沿って突起(11a〜11d)若しくは凹溝(11e)を形成し、又は、頂部が基盤(11)の上面から突出するよう上方向へ向けてスプリング付勢されたストッパ(11f)を設け、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤(11)の表面に沿って動かし、上記突起(11a〜11d)若しくは凹溝(11e)、又はストッパ(11f)を越えて、隣接する区画へ移動可能なように構成したこと、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤーによってカードテーブル上に置かれた1枚若しくは複数枚のゲームカードに記録されたゲームデータや、カードテーブル上のゲームカードの配置等をゲーム内容に反映させてゲームを行うカードゲーム装置装置用のカードテーブルの改良及びそのカードテーブルを備えたカードゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレイヤーが所持するゲームカードが載置されるカードテーブルと、カードテーブル上に載置されたゲームカードのゲームデータを読み取るカードリーダーと、プレイヤーにより操作されるゲーム操作部と、ゲームの進展状況を示す映像を表示するディスプレイ装置と、カードリーダーにより読み取られたゲームデータ、ゲームカードの配置及びゲーム入力装置の操作信号とに応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果により上記ディスプレイ装置に所要の映像を表示するゲーム演算装置と、を具備するカードゲーム装置は、例えば下記特許文献1〜3において開示されており、ゲームセンター等でも広く楽しまれている。
【0003】
しかしながら、カードテーブル上にゲームカードを置いたり、カードテーブル上での位置を変更する等のカード操作を行う場合には、カードを目視し、置くべき位置を目で確認しながら、その作業を行う必要があった。
そのため、ゲームの進展状況を示すディスプレイ装置の表示に集中できなかったり、ゲーム操作部の操作ボタンの操作を間違えたりするなどの問題があった。
また、これらのカードゲーム装置に設けられるカードテーブルは、透明なガラス製又はプラスチック製であるため、静電気等によりゲームカードがテーブル面に貼り付き、手指では簡単に取り上げることができない場合も多く、カード操作に手間取り、ゲームの進行が阻害されるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2008−043545号公報
【特許文献2】特開2008−125972号公報
【特許文献3】特願2007−013353号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、カード操作のためにカードを目視する必要がなく、これにより、ディスプレイ装置の表示やゲーム操作部の操作に集中でき、ゲーム本来の面白さを享受することのできるカードゲーム装置用のカードテーブル及びそのカードテーブルを備えたカードゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、
プレイヤーが所持するゲームカードが載置される複数の区画を有するカードテーブルと、カードテーブルの各区画に載置されたゲームカードのゲームデータを読み取るカードリーダーと、プレイヤーにより操作されるゲーム操作部と、ゲームの進展状況を示す映像を表示するディスプレイ装置と、カードリーダーにより読み取られたゲームデータ、ゲームカードの配置及びゲーム入力装置の操作信号とに応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果により上記ディスプレイ装置に所要の映像を表示するゲーム演算装置とを具備するカードゲーム装置用のカードテーブルであって、
カードテーブルの本体を形成する基盤の上面の少なくとも一部に、ゲームカードが載置されるべき複数の区画の境界線に沿って突起又は凹溝を形成し、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤の表面に沿って動かし、上記突起又は凹溝を越えて、隣接する区画へ移動可能なよう構成したこと、
を特徴とする上記のカードテーブルによって達成できる。
【0007】
或いはまた、カードテーブルの本体を形成する基盤の上面の少なくとも一部に、ゲームカードが載置されるべき複数の区画の境界線に沿って、頂部が基盤の上面から突出するよう上方向へ向けてスプリング付勢されたストッパを設け、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤の表面に沿って動かし、上記ストッパを越えて、隣接する区画へ移動可能なよう構成したこと、
を特徴とするカードテーブルによっても達成できる。
【発明の効果】
【0008】
上記の如き構成であると、カードテーブル上に置かれたゲームカードを、カードテーブル上の他の区画に移動させるときは、カードを目視しなくても、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤の表面上を滑らせるように動かし、上記突起や凹溝、ストッパを越えて、隣接する区画へ移動させることが可能であり、その際、突起や凹溝、ストッパを越えるときに、その感触がカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを新たな正規の位置に配置することが可能となるものである。
そのため、カード操作のためにカードを目視する必要がなく、これにより、ディスプレイ装置の表示やゲーム操作部の操作に集中でき、ゲーム本来の面白さを味わうことのできるカードゲーム装置用のカードテーブル及びそのカードテーブルを備えたカードゲーム装置を提供し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るカードテーブルを備えたカードゲーム装置の一実施例の外観斜視図、
図2は、本発明に係るカードテーブルを模式的に示す平面図、
図3は、本発明に係るカードテーブルの一実施例を示す斜視図及び断面図、
図4は、本発明に係るカードテーブルのもう一つの実施例を示す斜視図及び断面図、
図5は、本発明に係るカードテーブルの更にもう一つの実施例を示す断面図、
図6は、本発明に係るカードテーブルの更にもう一つの実施例を示す断面図である。
なお、図3及び図4中において、(B)図は、(A)図中のb−b線に沿った断面図である。
【0010】
まず、図1〜図3に示す実施例について説明する。
図1〜図3中、1はカードテーブル、2,2はカードリーダー、3はゲーム操作部、31a,31aは操作ボタン、31bはジョイスティック、4はディスプレイ装置、5はスピーカー、100はこれらを備えたカードゲーム装置、C1,C2はゲームカードである。
【0011】
図1に示すように、本発明に係るカードゲーム装置100の筐体には、ゲームカードC1,C2を載せてゲームを行うカードテーブル1や、ゲーム操作部3、液晶パネル等から成るディスプレイ装置4、スピーカー5、等々が設けられている。
カードテーブル1上に置かれるゲームカードC1,C2には、各カードに特有のゲームデータが記録されており、ゲーム展開のための情報として利用されるようになっている。
ゲーム操作部3は、プレイヤーがゲームを行なうために操作する操作ボタン31a,31aやジョイスティック31b等々の入力装置から構成されている。図示した実施例においては、1台のカードゲーム機で2人のプレイヤーが対戦プレイ可能なように、ゲーム操作部3が2組設けられている。
ディスプレイ装置4は、ゲームの進行を示す画像や、ゲーム操作方法、ゲーム結果等々の各種情報を表示するためのものである。
スピーカー5は、各種効果音やプレイヤーへの音声指示を行なうものである。
【0012】
また、図3に示すように、カードテーブル1の下面には、カードリーダー2,2が設けられ、カードテーブル上に置かれたゲームカードC1,C2に記録された各種データを読み取るようになっている。
即ち、ゲームカードC1,C2に各種データがQRコード等のパターンによって表示されている場合には、カードテーブルの基盤11は透明なアクリル板やガラス板で作製され、基盤11の下面に設けたカードリーダー2,2でこれを読み取るようになっている。
また、ゲームカードC1,C2にRFID(Radio Frequency Identification)チップが内蔵され、そのチップに各種データが記録されている場合には、カードテーブルの基盤11は不透明なプラスチック板等でもよく、当該チップから発信される電波による情報をカードリーダー2,2で受信し、ゲーム情報として利用するものである。
また、カードゲーム装置の筐体内部のプレイヤーから見えない箇所には、CPU等から成るゲーム演算装置が備えられ、カードリーダー2,2により読み取られたゲームデータ、ゲームカードの配置(当該ゲームカードを読み取ったカードリーダー自身の識別記号から、当該ゲームカードがどの区画に置かれているかが知られる。)及びゲーム操作部3からの操作信号とに応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果により上記ディスプレイ装置に所要の映像を表示するようになっている。
【0013】
本発明に係るカードテーブル1の基盤11は、図2及び図3に示すように、ゲームカードC1,C2が載置される複数の区画11-1〜11-12を有し、各区画上に置かれたゲームカードに記録されているデータを、カードリーダー2,2によってそれぞれ読み取るようになっている。
図3に示した実施例においては、これら複数の区画11-1〜11-12の境界線に沿って縦向きの波状の突起11a,11aと、横向きの波状の突起11b,11bとが形成されている。
プレイヤーは、手指によりゲームカードC1,C2を基盤11の表面上を滑らせるように動かし、突起11a又は11bを乗り越えて、隣接する区画へ移動させることができ、その際、各突起を乗り越えるときに、その感触がゲームカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを所望の区画の正規の位置に移動させることが可能となるものである。
なお、図では、突起11a及び11bを分かりやすくするために、直線的な角張った輪郭で描いてあるが、実際には、ゲームカードが抵抗なく乗り越えられるように、丸味のある曲線により形成するものである。
【0014】
図4に示した実施例においては、ゲームカードを載置すべき複数の区画の境界線に沿って縦向きの山状の突起11c,11cと、横向きの山状の突起11d,11dとを形成したものである。
プレイヤーは、手指によりゲームカードC1,C2を基盤11の表面に沿って動かし、突起11c又は11dを乗り越えて、隣接する区画へ移動させることができ、その際、各突起を乗り越えるときに、その感触がゲームカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを所望の区画の正規の位置に移動させることが可能となるものである。
【0015】
図5に示した実施例においては、ゲームカードを載置すべき複数の区画11-1〜11-12の境界線に沿って凹溝11e,11eを形成したものである。
プレイヤーは、手指によりゲームカードC1,C2を基盤11の表面に沿って動かし、凹溝11eを跨いで、隣接する区画へ移動させることができ、その際、各凹溝を渡り過ぎるときに、その感触がゲームカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを所望の区画の正規の位置に移動させることが可能となるものである。
【0016】
図6に示した実施例は、ゲームカードを載置すべき複数の区画の境界線に沿って、スプリング11g,11gによって上方向へ向けて付勢された丸棒状又はボール状のストッパ11f,11fを設けたものである。ストッパ11f,11fの頂部は、基盤11の上面から若干突出するようになっている。
プレイヤーは、手指によりゲームカードC1,C2を基盤11の表面に沿って動かし、ストッパ11f,11fの頂部を乗り越えて、隣接する区画へ移動させることができ、その際、各ストッパを乗り越えるときに、その感触がゲームカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを所望の区画の正規の位置に移動させることが可能となるものである。
【0017】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、突起や凹溝、ストッパの形状や長さ、数、配置等は適宜設計変更可能であり、また、本発明のカードテーブルを備えたカードゲーム装置の形態も各種各様のものが可能であり、従って、本発明はその目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は上記の如く構成されから、カードテーブル上に置かれたゲームカードを、カードテーブル上の他の区画に移動させるときは、カードを目視しなくても、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤の表面に沿って滑るように動かし、上記突起や凹溝、ストッパを越えて、隣接する区画へ移動させることが可能であり、その際、突起や凹溝、ストッパを越えるときに、その感触がカードを介して手指に伝わるので、それを目安にしてカードを新たな正規の位置に移動させることが可能となるものである。
そのため、カード操作のためにカードを目視する必要がなく、これにより、ディスプレイ装置の表示やゲーム操作部の操作に集中でき、ゲーム本来の面白さを享受することのできるカードゲーム装置用のカードテーブル及びそのカードテーブルを備えたカードゲーム装置を提供し得るものであるから、ゲーム機産業の発達に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るカードテーブルを備えたカードゲーム装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】本発明に係るカードテーブルを模式的に示す平面図である。
【図3】本発明に係るカードテーブルの一実施例を示す斜視図及び断面図である。
【図4】本発明に係るカードテーブルのもう一つの実施例を示す斜視図及び断面図である。
【図5】本発明に係るカードテーブルの更にもう一つの実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係るカードテーブルの更にもう一つの実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 カードテーブル
11 基盤
11-1〜11-12 区画
11a〜11d 突起
11e 凹溝
11f ストッパ
11g スプリング
2 カードリーダー
3 ゲーム操作部
31a 操作ボタン
31b ジョイスティック
4 ディスプレイ装置
5 スピーカー
100 カードゲーム装置
C1,C2 ゲームカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーが所持するゲームカード(C1,C2)が載置される複数の区画(11-1〜11-12)を有するカードテーブル(1)と、カードテーブルの各区画に載置されたゲームカードのゲームデータを読み取るカードリーダー(2,2)と、プレイヤーにより操作されるゲーム操作部(3)と、ゲームの進展状況を示す映像を表示するディスプレイ装置(4)と、カードリーダー(2,2)により読み取られたゲームデータ、ゲームカードの配置及びゲーム入力装置の操作信号とに応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果により上記ディスプレイ装置に所要の映像を表示するゲーム演算装置とを具備するカードゲーム装置用のカードテーブル(1)であって、
カードテーブル(1)の本体を形成する基盤(11)の上面の少なくとも一部に、ゲームカード(C1,C2)が載置されるべき複数の区画(11-1〜11-12)の境界線に沿って突起(11a〜11d)又は凹溝(11e)を形成し、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤(11)の表面に沿って動かし、上記突起(11a〜11d)又は凹溝(11e)を越えて、隣接する区画へ移動可能なよう構成したこと、
を特徴とする上記のカードテーブル(1)。
【請求項2】
プレイヤーが所持するゲームカード(C1,C2)が載置される複数の区画(11-1〜11-12)を有するカードテーブル(1)と、カードテーブルの各区画に載置されたゲームカードのゲームデータを読み取るカードリーダー(2,2)と、プレイヤーにより操作されるゲーム操作部(3)と、ゲームの進展状況を示す映像を表示するディスプレイ装置(4)と、カードリーダー(2,2)により読み取られたゲームデータ、ゲームカードの配置及びゲーム入力装置の操作信号とに応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果により上記ディスプレイ装置に所要の映像を表示するゲーム演算装置とを具備するカードゲーム装置用のカードテーブル(1)であって、
カードテーブル(1)の本体を形成する基盤(11)の上面の少なくとも一部に、ゲームカード(C1,C2)が載置されるべき複数の区画(11-1〜11-12)の境界線に沿って、頂部が基盤(11)の上面から突出するよう上方向へ向けてスプリング付勢されたストッパ(11f)を設け、プレイヤーの手指によりゲームカードを基盤(11)の表面に沿って動かし、上記ストッパ(11f)を越えて、隣接する区画へ移動可能なよう構成したこと、
を特徴とする上記のカードテーブル(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカードテーブル(1)を備えたカードゲーム装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−4923(P2010−4923A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164260(P2008−164260)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】