カードリーダ
【課題】カードの取り込みと排出を自動で確実に行いつつ、カードを搬送する各部とカードの破損を防止することができるカードリーダを提供する。
【解決手段】一側面にカード1を先端から挿入する挿入口2aが設けられ、内部に挿入口2aと連続してカード1を収容する収容部2bが設けられたケース2と、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を収容部2bに収容する第1の所定位置と挿入口2aから突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構10とを備える。
【解決手段】一側面にカード1を先端から挿入する挿入口2aが設けられ、内部に挿入口2aと連続してカード1を収容する収容部2bが設けられたケース2と、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を収容部2bに収容する第1の所定位置と挿入口2aから突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にカードリーダは、情報を記録したカードを内部に取り込んで、カードに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行い、その後カードを外部へ排出する。カードリーダには、カードの取り込みと排出を手動で行うもの(例えば下記の特許文献4、5参照)と自動で行うものとがある。カードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダは、手動で行うカードリーダよりも高級感があるという点でユーザに好まれている。
【0003】
ATM(自動取引装置)等の自動機には、一般にカードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダが搭載されている。このカードリーダのカード搬送方式として、図7Aに示すようなローラ搬送方式や、図8Aに示すようなベルト搬送方式がある。ローラ搬送方式は、一対のローラ51でカード1を挟持して、各ローラ51をモータ等の駆動力で回転させることにより、カード1を往復搬送する。ベルト搬送方式は、一対のベルト52でカード1を挟持して、各ベルト52が架かる各プーリー53をモータ等の駆動力で回転させることにより、カード1を往復搬送する。ローラ51やベルト52やプーリー53は、カード1の厚み方向の両側に配置され、図7Bおよび図8Bに示すようにカード1の磁気ストライプが設けられる領域1aとエンボス文字が施される領域1bとを避けた中央付近に接する。これは、カード1とローラ51やベルト52の接触面積を広くするため、カード1が挟持部分にかかる力のモーメントにより傾くのを防止するため、ローラ51やベルト52の接触により磁気ストライプが汚れるのを防止するため、および磁気ストライプからの情報の読み取り時にローラ51やベルト52のエンボス文字への接触によりジッタが大きくなるのを防止するため等である。この他、DVD等のディスクの搬送方式として、図9Aおよび図9Bに示すようなトレイ搬送方式がある。トレイ搬送方式は、装置の本体54に対して薄板状のトレイ55を出し入れして、トレイ55上に載せられたディスク60を往復搬送する。トレイ搬送方式は、カードの搬送にも応用可能である。
【0004】
ローラ搬送方式やベルト搬送方式では、図7Bおよび図8Bに示すようにローラ51やベルト52がカード1の中央付近にあるIC接点領域1cに所定の圧力で接触するため、IC接点領域1cの付近に内蔵されるICチップが破損し易く、ICチップとIC接点とを接続するボンディングワイヤが断線し易いという問題がある。トレイ搬送方式をカードの搬送に応用した場合は、本体54からトレイ55を突出させて、ユーザがカードをトレイ55上に載せるという作業が必要になるので、突出させたトレイ55が破損し易く、トレイ55へのカードの載せ方が悪くて正常に搬送できない等の不具合が生じ易いという問題がある。
【0005】
一方、カード発行装置には、下記の特許文献1〜3に開示されているようなカードを繰り出して搬送する機構が採用されている。特許文献1、2の機構では、1つの爪をホッパーの最下部にあるカードの一方の端部に引っ掛けて、スクリューシャフトやリンクチェーン等で爪を移動させることにより、カードを1枚ずつホッパーから繰り出して搬送する。特許文献3の機構では、2つの爪をホッパーの最前部にあるカードの両端部にそれぞれ引っかけて、カードを挟持し、ベルトとプーリー等で各爪を移動させることにより、カードを1枚ずつホッパーから繰り出して搬送する。
【0006】
特許文献1、2の機構をカードリーダに適用した場合は、カードを爪が引っ掛かっている側へ搬送することができないので、カードの取り込みと排出の両方を自動で行うことができないという問題がある。特許文献3の機構をカードリーダに適用した場合は、爪でカードを挟持するために、少なくとも一方の爪をカードリーダ内から突出させなければならないので、突出させた爪等の部分が破損し易いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−87626号公報
【特許文献2】特許第3169532号公報
【特許文献3】実公平1−11472号公報
【特許文献4】特開2005−266993号公報
【特許文献5】特開2005−322100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するものであって、その目的とするところは、カードの取り込みと排出を自動で確実に行いつつ、カードを搬送する各部とカードの破損を防止することができるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るカードリーダでは、一側面にカードを先端から挿入する挿入口が設けられ、内部に挿入口と連続してカードを収容する収容部が設けられたケースと、ケース内において、挿入口からのカードの挿入に連動してカードの端部を挟持し、該挟持状態のままカードを収容部に収容する第1の所定位置と挿入口から突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カードを挿入口から挿入することで、挟持搬送機構がケース内でカードの端部を挟持して、該挟持状態のままカードを収容部内の第1の所定位置と挿入口から突出する第2の所定位置とへ往復搬送するので、カードの取り込みと排出を自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構がケース外へ突出しないので、挟持搬送機構の各部の損傷を防止することができる。さらに、一般にIC接点領域のないカードの端部を挟持搬送機構で挟持するので、カードのIC接点やICチップやボンディングワイヤが破損するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1A〜図3は、第1実施形態に係るカードリーダ101を示す図である。詳しくは、図1A〜図1Cは、カードリーダ101の内部を上方から見た状態を示している。図2A〜図2Cは、カードリーダ101の内部を長手方向の側方から見た状態を示している。図3は、カードリーダ101を短手方向の側方から見た状態を示している。カードリーダ101は、図示しない上位装置の制御により、接触式のICカードに対して情報の読み取りまたは書き込みの処理を行うICカードリーダから成る。
【0012】
カードリーダ101のケース2の一側面には、カード1を先端から挿入する挿入口2aが設けられている。ケース2の内部には、挿入口2aと連続してカード2を収容する収容部2bが設けられている。カード1の挿入方向(図1A等で左方向)と厚み方向(図2A等で上下方向)とに対して垂直な方向の収容部2bの幅は、図1B等に示すようにカード1の短手方向(図1B等で上下方向)の幅より若干大きくなっている。挿入口2aは、収容部2bから離れるに連れて幅が広くなっている。挿入口2aと収容部2bの高さは、図2A等に示すように同等であり、カード1のエンボス文字が施された領域1bの厚みより若干大きくなっている。このため、カード1を挿入口2aと収容部2bへスムーズに通過させることができる。ケース2の内部には、図1A等に示すように挟持搬送機構10と手動排出機構20とが設けられている。
【0013】
挟持搬送機構10は、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の先端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を、収容部2bに完全に収容する第1の所定位置(図1Cおよび図2Cに図示)と、挿入口2aから突出させる第2の所定位置(図2Aに二点鎖線で図示)とへ往復搬送する。挟持搬送機構10は、スライダ3、梁6、ばね7、スライドカム9、リードスクリュー11、ガイドシャフト12、モータ13、ギヤ14a〜14c、マイクロスイッチ15a、15bから構成されている。
【0014】
リードスクリュー11は、図1A等に示すようにカード1の挿入方向と平行でかつ回転可能にケース2に支持されている。リードスクリュー11には、スライダ3の一方の端部が係合されている。スライダ3の一方の端部には、弾性を有する爪3aが設けられていて、該爪3aはリードスクリュー11のねじ溝に係合されている。リードスクリュー11は回転することで、カード1の挿入方向と平行にスライダ3を往復移動させる。ガイドシャフト12は、リードスクリュー11から所定の間隔をおいてカード1の挿入方向と平行にケース2に支持されている。ガイドシャフト12には、スライダ3の他方の端部が係合されている。ガイドシャフト12は、カード1の挿入方向と平行なスライダ3の往復移動を案内する。
【0015】
スライダ3は、図2A等に示すように収容部2bに高さ方向から対面しつつカード1の挿入方向と平行に往復移動する。スライダ3の中央には、孔3bが設けられている。孔3b内には、コネクタ4と板ばね5とが設けられている。コネクタ4には、複数の接触子4aが設けられている。接触子4aのリード部は、FPC16の一方の端部の収容部2b側の面にはんだ付けされている。板ばね5の一方の端部はスライダ3に固定されている。板ばね5の他方の端部の収容部2b側の面には、FPC16の一方の端部の収容部2bと反対側の面が固定されている。コネクタ4は、FPC16を介して板ばね5に支持されている。接触子4aの接点部は、コネクタ4とスライダ3から突出している。FPC16の他方の端部は、上位装置に接続されている。カード1の挿入方向と平行な板ばね5の両端部は、図1A等に示すようにスライダ3の側方へ突出している。
【0016】
スライダ3の挿入口2aと反対側の端部には、図2A等に示すように凸部3cが設けられている。凸部3cは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。凸部3cの挿入口2a側の根元には、突起3dが設けられている。突起3dは、挿入口2a側の面が凸部3cの先端へ向かって傾斜するような台形状に形成されている。凸部3cの先端には、梁6の一方の端部が軸6aを介して回転可能に支持されている。梁6の他方の端部は、挿入口2a側へ向かって延びている。梁6の他方の端部の収容部2b側の面には、摩擦係数が高いゴムや合成樹脂等の滑り止め部材8が取り付けられている。梁6は、スライダ3と収容部2bに高さ方向から対面している。軸6aには、ねじりばねから成るばね7が取り付けられている。ばね7の一方の端部は凸部3cに引っ掛けられていて、他方の端部は、梁6に引っ掛けられている。ばね7は、梁6がスライダ3と収容部2bから離れる方向(図2A等で時計回り)へ回転するような力を梁6に付加している。このため、図2Aで梁6の他方の端部は、ケース2に接している。
【0017】
ケース2内の中央には、図1Aおよび図2A等に示すようにスライドカム9が挿入口2aから所定の間隔をおいてカード1の挿入方向と平行に設けられている。スライドカム9は、収容部2bの奥まで延びている。スライドカム9は、挿入口2a側の面が挿入口2aの反対側と収容部2bへ向かって傾斜するような台形状に形成されている。スライドカム9は、梁6と接触して、図2B等に示すように梁6をスライダ3と収容部2bに近づく方向(反時計回り)へ回転させて、スライダ3と平行にし、該平行な姿勢を維持する。ケース2内の挿入口2aと反対側には、突起17が設けられている。突起17は、挿入口2a側の面が挿入口2aの反対側と収容部2bへ向かって傾斜するような台形状に形成されている。突起17は、スライダ3の側方へ突出する板ばね5の両端部と接触して、図2C等に示すように板ばね5を収容部2bに近づく方向に撓ませる。
【0018】
ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図1A等に示すようにモータ13が設けられている。モータ13は駆動源である。モータ13の回転軸には、ギヤ14aが設けられている。リードスクリュー11の挿入口2aと反対側の端部には、ギヤ14bが設けられている。ギヤ14cは、ギヤ14a、14bに噛み合うように回転可能に設けられている。ギヤ14a〜14cは、モータ13の駆動力をリードスクリュー11へ伝達する。モータ13、ギヤ14a〜14c、リードスクリュー11、およびガイドシャフト12は、スライダ3をカード1の挿入方向と平行に往復駆動する駆動手段である。ケース2内の挿入口2aと反対側には、マイクロスイッチ15aが設けられている。マイクロスイッチ15aは、図1Cに示すようにアクチュエータがスライダ3の挿入口2aと反対側の端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。ケース2内の挿入口2a側の一方の側部には、マイクロスイッチ15bが設けられている。マイクロスイッチ15bは、図1Bに示すようにアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。マイクロスイッチ15a、15bの切り替わり信号は、図示しないリード線を通して、上位装置へ入力される。マイクロスイッチ15aは、第1の検知手段であり、マイクロスイッチ15bは、第2の検知手段である。
【0019】
手動排出機構20は、ケース2内において、手動で作動し、収容部2bに収容されたカード1の先端部を押して、該カード1を挿入口2aから突出させて排出する。手動排出機構20は、レバー21、バー22、およびコイルばね25から構成されている。レバー21は、中央部が軸23を介してケース2に回転可能に支持されている。レバー21は、収容部2bにスライダ3と反対側の高さ方向から対面している。レバー21の一方の端部には、爪21aが設けられている。爪21aは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。レバー21の他方の端部には、バー22の一方の端部が軸24を介して回転可能に支持されている。バー22は、他方の端部が挿入口2aの直ぐ内側まで延びていて、挿入口2aから外部へは突出しない。コイルばね25の一方の端部は、レバー21の他方の端部に引っ掛けられている。コイルばね25の他方の端部は、ケース2に設けられた突起26に引っ掛けられている。コイルばね25は、レバー21の他方の端部を挿入口2aと反対側へ引っ張るような力をレバー21に付加している。
【0020】
カード1を挿入していないときは、カードリーダ101の各部は図1Aおよび図2Aに示すような状態にある。この状態において、カード1を挿入口2aから収容部2b内に挿入して行くと、カード1の先端が、突起3dの傾斜面に案内されて、図2Aに二点差線で示すように凸部3cに接触する。そして、凸部3cがカード1の先端に押されて、スライダ3がカード1の挿入方向へ移動する。このため、梁6が、図2Bに示すようにスライドカム9に接触して乗り上げ、ばね7の力に抗して収容部2bに近づく方向へ回転し、カード1の先端部の中央が梁6と突起3dにより挟持される。梁6のカード1と接触する位置には、滑り止め部材8が設けられている。カード1の梁6と突起3dに挟持される位置は、図1Bにクロスハッチングで示すように、カード1のIC接点1dが設けられる領域1cと磁気ストライプが設けられる領域1aとエンボス文字が設けられる領域1bから外れた先端部の中央位置である。
【0021】
カード1が梁6と突起3dとで挟持されたとき、マイクロスイッチ15bのアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されて、マイクロスイッチ15bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が挿入口2aから挿入されて梁6と突起3dとで挟持されたことを検知し、モータ13を正転駆動させる。これにより、モータ13の駆動力がギヤ14a〜14cによりリードスクリュー11に伝達されて、リードスクリュー11が一方向へ回転し、スライダ3が挿入口2aと反対側へ移動して、カード1が梁6と突起3dとで挟持された状態のまま搬送されて行く。しばらくすると、スライダ3がマイクロスイッチ15bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15bがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されて、レバー21がコイルばね25の力に抗して反時計回りに回転して行き、バー22が挿入口2aに近づいて行く。さらに、スライダ3から突出する板ばね5の両端部が突起17に接触して、板ばね5が弾性変形して収容部2bに近づく方向に撓み、コネクタ4の接触子4aがカード1に近づいて行く。
【0022】
そして、図1Cおよび図2Cに示すようにカード1が収容部2bに完全に収容される第1の所定位置まで搬送されると、マイクロスイッチ15aのアクチュエータがスライダ3の挿入口2aと反対側の端部に押されて、マイクロスイッチ15aがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15aから上記切り替わり信号を受けると、カード1が第1の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ13の正転駆動を停止させる。これにより、リードスクリュー11の回転、スライダ3の移動、およびカード1の搬送がそれぞれ停止され、カード1がケース2内に取り込まれた状態となる。このとき、図1Cに示すようにレバー21の爪21aがカード1の先端に引っ掛かり、バー22が挿入口2aに最も近づく。また、板ばね5が突起17に乗り上げて、図2Cに示すように板ばね5とコネクタ4が収容部2bに最も近づき、接触子4aがカード1のIC接点1dに所定の圧力で接触する。
【0023】
この後、上位装置が接触子4aとカード1のIC接点1dを介して、カード1に内蔵された図示しないICチップに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行う。情報の処理が終了すると、上位装置はモータ13を逆転駆動させる。これにより、リードスクリュー11が他方向へ回転し、スライダ3が挿入口2a側へ移動して、挟持状態のカード1が搬送されて行く。この際、スライダ3がマイクロスイッチ15aのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15aがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されなくなって、レバー21がコイルばね25の力により時計回りに回転し、レバー21とバー22が図1B等に示す元の位置に戻る。さらに、図1Bおよび図2B等に示すように板ばね5が突起17から離間して撓まなくなり、コネクタ4の接触子4aがカード1から離間する。さらに、マイクロスイッチ15bのアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されて、マイクロスイッチ15bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。
【0024】
そして、図2Aに二点鎖線で示すようにカード1が挿入口2aから突出する第2の所定位置まで搬送されると、図1Aに示すようにスライダ3がマイクロスイッチ15bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15bがON状態からOFF態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が上記第2の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ13の逆転駆動を停止させる。これにより、リードスクリュー11の回転、スライダ3の移動、およびカード1の搬送がそれぞれ停止され、カード1が挿入口2aからケース2外へ排出された状態になる。また、図2Aに示すように梁6がスライドカム9から離間して、ばね7の力により収容部2bから離れる方向へ回転し、カード1から梁6と滑り止め部材8が離れて、カード1の挟持が解除され、カード1を挿入口2aから容易に抜き取り可能な状態になる。
【0025】
一方、図1Cおよび図2Cに示すようにカード1がケース2内に取り込まれた状態で、カードリーダ101への電力供給が停止されて、カード1を搬送できなくなった場合等は、特殊な治具を挿入口2aからケース2内に挿入して、該治具でバー22の挿入口2a側の端部を押す。これにより、レバー21の他方の端部がバー22に押されて、レバー21が時計方向へ回転し、カード1の先端が爪21aで挿入口2a側へ押されて、カード1が挿入口2aから突出し、抜き取り可能な状態になる。
【0026】
上記第1実施形態のカードリーダ101によると、カード1を挿入口2aから挿入することで、挟持搬送機構10がケース2内でカード1の先端部の中央を挟持して、該挟持状態のままカード1を収容部2b内の第1の所定位置と第2の所定位置とへ往復搬送するので、カード1のケース2内への取り込みとケース2外への排出とを自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構10がケース2外へ突出しないので、挟持搬送機構10の各部の損傷を防止することができる。また、挟持搬送機構10でカード1のIC接点領域1cと磁気ストライプ領域1aとエンボス文字領域1bから外れた先端部を挟持するので、カード1のIC接点1d、ICチップ、IC接点1dとICチップを接続するボンディングワイヤ、磁気ストライプ、およびエンボス文字の破損、損傷、および汚れを防止することができる。
【0027】
また、図7Aや図8A等の従来のカード搬送方式では、カード1の厚み方向の両側にローラ51やベルト52やプーリー53をカード1に対して垂直な面内で回転するように設けて、ローラ51やベルト52でカード1を厚み方向から挟持するので、カード1の厚み方向と平行な高さ方向の寸法を小さくできないという問題がある。然るに、上記実施形態によると、カード1の厚み方向の一方側に薄板状のスライダ3と突起3dを設け、他方側に薄板状の梁6とスライドカム9を設けて、突起3dと梁6とでカード1の先端部を厚み方向から挟持するので、カードリーダ101の高さ方向の寸法を小さくして、薄型化を図ることができる。
【0028】
また、突起3dと梁6とでカード1の先端部を挟持するので、カード1のエンボス文字がスライダ3、突起3d、および梁6に接触して、カード1が厚み方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の先端部の中央を突起3dと梁6とで挟持するので、カード1の挟持部分にかかる力のモーメントが小さくなり、カード1が挿入方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の先端部を挟持する梁6の端部に、摩擦係数が高い滑り止め部材8を設けているので、カード1が搬送時に滑って挟持されなくなるのを防止することができる。
【0029】
また、特許文献3の機構では、カードを挟持するために、ベルトとプーリー等を駆動して、爪を移動させるので、消費電力が多くなるという問題がある。然るに、上記実施形態によると、挿入口2aからのカード1の挿入に連動して、突起3dと梁6とでカード1の先端部を挟持するので、挟持のためにモータ13を駆動する必要がなく、消費電力を減少させることができる。
【0030】
また、マイクロスイッチ15a、15bの検知結果に応じて、モータ13、ギヤ14a〜14c、およびリードスクリュー11を駆動して、スライダ3をカード1の挿入方向へ平行移動させ、挿入口2aから挿入されて挟持したカード1を第1の所定位置まで確実に搬送して、ケース2内に取り込むことができる。また、スライダ3をカード1の排出方向(図1A等で右方向)へ平行駆動させ、挟持したカード1を第1の所定位置から第2の所定位置まで確実に搬送して、ケース2外に排出し、カード1の挟持を解除して、カード1を抜き取り易くすることができる。さらに、カード1を取り込んだ状態で電力供給が停止されて、自動搬送できなくなった場合等に、手動排出機構20を手動で作動させて、カード1を挿入口2aから突出させて排出することができる。
【0031】
図4A〜図6は、第2実施形態に係るカードリーダ102を示す図である。詳しくは、図4A〜図4Cは、カードリーダ102の内部を上方から見た状態を示している。図5A〜図5Cは、カードリーダ102の内部を長手方向の側方から見た状態を示している。図6は、カードリーダ102を短手方向の側方から見た状態を示している。図4A〜図6中、図1A〜図3と同一部分または対応する部分には、便宜上同一符号を付している。カードリーダ102は、図示しない上位装置の制御により、接触式のICカードに対して情報の読み取りまたは書き込みの処理を行うICカードリーダから成る。
【0032】
カードリーダ102のケース2内には、図4A等に示すように挟持搬送機構30と手動排出機構20が設けられている。挟持搬送機構30は、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の両端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を、収容部2bに完全に収容される第1の所定位置(図4Cおよび図5Cに図示)と、挿入口2aから突出する第2の所定位置(図4Bおよび図5Bに図示)とへ往復搬送する。詳しくは、挟持搬送機構30は、ローラ31a、31b、プーリー32a、32b、ベルト33、モータ34、ギヤ35a、35b、36a、36b、37a、37b、マイクロスイッチ38a、38bから構成されている。
【0033】
一対のローラ31a、31bは、カード1の挿入方向と平行な両端面に対面する収容部2bの両側部に、挿入口2aから同一の所定の間隔をおいて回転可能に設けられている。ローラ31a、31bの軸39は、収容部2bの高さ方向および挿入口2aから挿入されたカード1の厚み方向と平行になっている。ローラ31a、31bの周面は、挿入口2aから挿入されたカード1の挿入方向と平行な両側端面に接するようになっている。ローラ31a、31bの周面には、摩擦係数が高いゴムや合成樹脂等の滑り止め部材40が取り付けられている。ローラ31a、31bの上方には、図6等に示すようにギヤ36a、36bがローラ31a、31bと同軸かつ一体で回転可能に設けられている。ギヤ36a、36bの間には、ギヤ37a、37bが回転可能に設けられている。ギヤ36aとギヤ37aは噛み合っていて、ギヤ36bとギヤ37bは噛み合っていて、ギヤ37aとギヤ37bは噛み合っている。
【0034】
一方のローラ31aの下方には、プーリー32aがローラ31aと同軸かつ一体で回転可能に設けられている。ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図4A等に示すようにプーリー32bがプーリー32aから所定の間隔をおいて回転可能に設けられている。プーリー32a、32bには、ベルト33が架けられている。プーリー32bの上方には、図5A等に示すようにギヤ35bがプーリー32bと同軸で回転可能に設けられている。プーリー32bの挿入口2aと反対側には、モータ34が設けられている。モータ34は駆動源であり、ステッピングモータから成る。モータ34の回転軸には、ギヤ35aが設けられている。ギヤ35aとギヤ35bは噛み合っている。
【0035】
ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33は、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達する。そして、ギヤ36a、37a、37bは、モータ34の駆動力をギヤ36bとローラ31bへ伝達する。ローラ31a、31b、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33は、モータ34の駆動力により一方向と他方向の両方へ回転する。ギヤ36a、37a、37b、36bは、ローラ31bをローラ31aと同期させつつ異なる方向へ回転させる。モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33は駆動手段である。
【0036】
ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図4C等に示すようにマイクロスイッチ38aが設けられている。マイクロスイッチ38aは、アクチュエータがカード1の先端に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。ケース2内の挿入口2a側の他方の側部には、マイクロスイッチ38bが設けられている。マイクロスイッチ38bは、アクチュエータがカード1の一方の側端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。マイクロスイッチ38a、38bの切り替わり信号は、図示しないリード線を通して、上位装置へ入力される。マイクロスイッチ38aは、第1の検知手段であり、マイクロスイッチ38bは、第2の検知手段である。
【0037】
ケース2内の挿入口2aと反対側の中央には、スライダ41が設けられている。スライダ41は、図5A等に示すように収容部2bに高さ方向から対面しつつカード1の挿入方向と平行に往復移動可能にケース2に支持されている。スライダ41の挿入口2aと反対側の端部には、爪41aが設けられている。爪41aは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。スライダ41の挿入口2aと反対側の両側端部には、図4A等に示すようにコイルばね43の一方の端部が引っ掛けられている。コイルばね43の他方の端部は、ケース2に設けられた突起44に引っ掛けられている。コイルばね43は、スライダ41が図4Aおよび図5Aに示す位置に留まるような力をスライダ41に付加している。
【0038】
スライダ41の一方の端部の収容部2b側の面には、板ばね42の一方の端部が固定されている。板ばね42の他方の端部の収容部2b側の面には、FPC16の一方の端部の収容部2bと反対側の面が固定されている。FPC16の一方の端部の収容部2b側の面には、コネクタ4が設けられている。コネクタ4の接触子4aのリード部は、FPC16の一方の端部の収容部2b側の面にはんだ付けされている。コネクタ4は、FPC16を介して板ばね42に支持されている。接触子4aの接点部は、コネクタ4から突出していて、収容部2bには入り込んでいない。ケース2内の挿入口2aと反対側には、図4A等に示すように突起17が設けられている。突起17は、板ばね42の両側端部と接触して、図5Cに示すように板ばね42を収容部2bに近づく方向に撓ませる。
【0039】
カード1を挿入していないときは、カードリーダ102の各部は図4Aおよび図5Aに示すような状態にある。この状態において、カード1を挿入口2aから収容部2b内に挿入して行くと、図4Aに二点差線で示すようにマイクロスイッチ38bのアクチュエータがカード1の一方の側端部に押されて、マイクロスイッチ38bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が挿入口2aから挿入されたことを検知し、モータ34を正転駆動させる。これにより、ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33が回転して、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達し、プーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aが図4Aで時計回りに回転する。同時に、ギヤ37a、37bが回転して、モータ34の駆動力をギヤ36aからギヤ36bとローラ31bへ伝達し、ギヤ36bとローラ31bが図4Aで反時計回りに回転する。
【0040】
そして、図4Bおよび図5Bに示すようにカード1がローラ31a、31bの間に挿入されると、カード1の両側端面がローラ31a、31bにより挟持される。このカード1のローラ31a、31bに挟持される位置は、図4Bに示すようにカード1のIC接点領域1c、磁気ストライプ領域1a、およびエンボス文字領域1bから外れている。カード1はローラ31a、31bにより挟持されると直ぐに、その挟持状態のまま挿入口2aと反対側へ搬送されて行く。しばらくすると、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されて、レバー21がコイルばね25の力に抗して反時計回りに回転して行き、バー22が挿入口2aに近づいて行く。また、スライダ41の爪41aがカード1の先端に押されて、スライダ41と板ばね42がコイルばね43の力に抗して挿入口2aと反対側へ平行移動して行く。このとき、板ばね42が突起17に接触して弾性変形し、収容部2bに近づく方向に撓んで、コネクタ4の接触子4aがカード1に近づいて行く。
【0041】
そして、モータ34が所定ステップ数正転駆動すると、図4Cおよび図5Cに示すようにカード1が収容部2bに完全に収容される第1の所定位置まで搬送され、マイクロスイッチ38aのアクチュエータがカード1の先端に押されて、マイクロスイッチ38aがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38aから上記切り替わり信号を受けると、カード1が第1の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ34の正転駆動を停止させる。これにより、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、ベルト33、ローラ31a、31bの回転とカード1の搬送が停止され、カード1がケース2内に取り込まれた状態となる。このとき、図4Cに示すようにレバー21の爪21aがカード1の先端に引っ掛かり、バー22が挿入口2aに最も近づく。また、板ばね42が突起17に乗り上げて、図5Cに示すように板ばね42とコネクタ4が収容部2bに最も近づき、接触子4aがカード1のIC接点1dに所定の圧力で接触する。
【0042】
この後、上位装置が接触子4aとIC接点1dを介して、カード1のICチップに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行う。情報の処理が終了すると、上位装置はモータ34を逆転駆動させる。これにより、ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33が回転して、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達し、プーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aが図4Cで反時計回りに回転する。同時に、ギヤ37a、37bが回転して、モータ34の駆動力をギヤ36aからギヤ36bとローラ31bへ伝達し、ギヤ36bとローラ31bが図4Cで時計回りに回転する。そして、ローラ31a、31bにより挟持されたカード1が挿入口2a側へ搬送されて行く。この際、カード1がマイクロスイッチ38aのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ38aがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されなくなって、レバー21がコイルばね25の力により時計回りに回転し、レバー21とバー22が図4B等に示す元の位置に戻る。さらに、スライダ41の爪41aがカード1に押されなくなって、スライダ41と板ばね42がコイルばね43の力により挿入口2a側へ平行移動して、図4Bおよび図5B等に示すように元の位置に戻る。このとき、板ばね42が突起17から離間して撓まなくなり、コネクタ4の接触子4aがカード1から離間する。
【0043】
そして、モータ34が所定ステップ数逆転駆動すると、図4Bおよび図5Bに示すようにカード1が挿入口2aから突出する第2の位置まで搬送され、上位装置がこのようにカード1が搬送されたことを検知し、モータ34の逆転駆動を停止させる。これにより、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、ベルト33、ローラ31a、31bの回転とカード1の搬送が停止され、カード1がケース2外へ排出された状態となる。このとき、カード1は両側端面をローラ31a、31bに挟持されたままで、挿入口2aから飛び出さず、挿入口2aから抜き取り可能な状態である。カード1が挿入口2aから抜き取られる際には、カード1がマイクロスイッチ38bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ38bがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が抜き取られたことを検知する。
【0044】
一方、図4Cおよび図5Cに示すようにカード1を取り込んだ状態で、カードリーダ102への電源供給が停止して、カード1を搬送できなくなった場合等は、特殊な治具で挿入口2aからバー22の端部を押すことで、レバー21が時計方向へ回転して、カード1の先端が爪21aで押されて、カード1が挿入口2aから突出し、抜き取り可能な状態になる。
【0045】
上記第2実施形態のカードリーダ102によると、カード1を挿入口2aから挿入することで、挟持搬送機構30がケース2内でカード1の両側端面を挟持して、該挟持状態のままカード1を収容部2b内の第1の所定位置と第2の所定位置とへ往復搬送するので、カード1のケース2内への取り込みとケース2外への排出とを自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構30がケース2外へ突出しないので、挟持搬送機構30の各部の損傷を防止することができる。また、挟持搬送機構30でカード1のIC接点領域1cと磁気ストライプ領域1aとエンボス文字領域1bから外れた両側端面を挟持するので、カード1のIC接点1d、ICチップ、ボンディングワイヤ、磁気ストライプ、およびエンボス文字の破損、損傷、および汚れを防止することができる。
【0046】
また、ローラ31a、31bを収容部2bの両側部に軸39がカード1の厚み方向と平行になるように設けて、ローラ31a、31bの周面でカード1の両側端面を挟持するので、カードリーダ102の高さ方向の寸法を小さくして、薄型化を図ることができる。また、モータ34の駆動力を伝達するプーリー32a、32b、ベルト33、およびギヤ36a〜37bをカード1の厚み方向の両側にローラ31a、31bと平行に設けているので、ローラ31a、31b、プーリー32a、32b、ベルト33、およびギヤ36a〜37bを薄くすることで、カードリーダ102の薄型化を一層図ることができる。
【0047】
また、ローラ31a、31bの周面でカード1の両側端面を挿入方向に対して垂直に挟持するので、カード1のエンボス文字がローラ31a、31bに接触して、カード1が厚み方向に対して傾くのを防止することができる。また、モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33により、ローラ31a、31bを同期させて異なる方向へ回転駆動するので、カード1の挟持部分にかかる力のモーメントが小さくなり、カード1が挿入方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の両側端面を挟持するローラ31a、31bの周面に、摩擦係数が高い滑り止め部材40を設けているので、カード1が搬送時に滑って挟持されなくなるのを防止することができる。また、挿入口2aからのカード1の挿入に連動して、ローラ31a、31bでカード1を挟持するので、挟持のためにモータ34を駆動する必要がなく、消費電力を減少させることができる。
【0048】
また、マイクロスイッチ38a、38bの検知結果とモータ34の駆動ステップ数に応じて、モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33を駆動して、ローラ31a、31bを回転させるので、挿入口2aから挿入されて挟持したカード1を第1の所定位置まで確実に搬送して、ケース2内に取り込むことができる。また、取り込んだカード1を第1の所定位置から第2の所定位置まで確実に搬送して、ケース2外に排出することができる。また、カード1をケース2外に排出したときに、ローラ31a、31bで挟持して、飛び出さないようにすることで、カード1を挿入口2aから安全に抜き取ることができる。さらに、カード1を取り込んだ状態で電力供給が停止されて、自動搬送できなくなった場合等に、手動排出機構20を手動で作動させて、カード1を挿入口2aから突出させて排出することができる。
【0049】
本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、カード1の挿入、挟持、または搬送状態をマイクロスイッチ15a、15b、38a、38bの出力やモータ34の駆動ステップ数により検知した例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばフォトセンサまたはエンコーダ等のセンサを用いて、これらの出力からカードの挿入、挟持、または搬送状態を検知するようにしてもよい。また、センサとモータの少なくとも一方を複数または1つだけ用いて、カードの挿入、挟持、および搬送状態を検知するようにしてもよい。つまり、検知手段としては、カードの挿入、挟持、または搬送状態を検知できるものであればよい。
【0050】
また、第1実施形態では、モータ13とギヤ14a、14bとリードスクリュー11とガイドシャフト12により、スライダ3を平行往復駆動させた例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばリードスクリュー11に代えて、プーリーとベルトまたはリンクチェーンとスプロケット等を用いたり、ガイドシャフト12に代えて、レールを用いたりして、スライダ3を平行往復駆動させるようにしてもよい。つまり、駆動手段としては、スライダ3をカード1の挿入方向と平行に往復駆動できるものであればよい。
【0051】
また、第2実施形態では、モータ34とギヤ35a〜37bとプーリー32a、32bとベルト33により、ローラ31a、31bを回転駆動させた例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばプーリー32a、32bとベルト33に代えて、リンクチェーンとスプロケットまたは複数のギヤ等を用いたり、ギヤ36a、37a、37bに代えて、プーリーとベルトとギヤまたはリンクチェーンとスプロケットギヤ等を用いたりして、ローラ31a、31bを回転駆動させるようにしてもよい。つまり、駆動手段としては、ローラ31a、31bを同期させて異なる方向へ回転駆動できるものであればよい。
【0052】
さらに、以上の実施形態では、接触式のICカード専用のICカードリーダに本発明を適用したが、本発明はこれ以外にも、例えばIC接点と磁気ストライプの両方が設けられた磁気ICカード等に対して情報の処理を行えるように、IC接点ユニットと磁気ヘッドとを内部に備えたカードリーダに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図1C】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2A】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2B】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2C】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4C】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5A】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5B】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5C】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図7A】従来のローラ搬送方式を示す図である。
【図7B】従来のローラ搬送方式を示す図である。
【図8A】従来のベルト搬送方式を示す図である。
【図8B】従来のベルト搬送方式を示す図である。
【図9A】従来のディスク搬送方式を示す図である。
【図9B】従来のディスク搬送方式を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 カード
1a 磁気ストライプ領域
1b エンボス文字領域
1c IC接点領域
2 ケース
2a 挿入口
2b 収容部
3 スライダ
3c 凸部
3d 突起
6 梁
7 ばね
8、40 滑り止め部材
9 スライドカム
10、30 挟持搬送機構
11 リードスクリュー
12 ガイドシャフト
13、34 モータ
14a〜14c、35a、35b、36a、36b、37a、37b ギヤ
15a、15b、38a、38b マイクロスイッチ
20 手動排出機構
31a、31b ローラ
32a、32b プーリー
33 ベルト
39 軸
101、102 カードリーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にカードリーダは、情報を記録したカードを内部に取り込んで、カードに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行い、その後カードを外部へ排出する。カードリーダには、カードの取り込みと排出を手動で行うもの(例えば下記の特許文献4、5参照)と自動で行うものとがある。カードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダは、手動で行うカードリーダよりも高級感があるという点でユーザに好まれている。
【0003】
ATM(自動取引装置)等の自動機には、一般にカードの取り込みと排出を自動で行うカードリーダが搭載されている。このカードリーダのカード搬送方式として、図7Aに示すようなローラ搬送方式や、図8Aに示すようなベルト搬送方式がある。ローラ搬送方式は、一対のローラ51でカード1を挟持して、各ローラ51をモータ等の駆動力で回転させることにより、カード1を往復搬送する。ベルト搬送方式は、一対のベルト52でカード1を挟持して、各ベルト52が架かる各プーリー53をモータ等の駆動力で回転させることにより、カード1を往復搬送する。ローラ51やベルト52やプーリー53は、カード1の厚み方向の両側に配置され、図7Bおよび図8Bに示すようにカード1の磁気ストライプが設けられる領域1aとエンボス文字が施される領域1bとを避けた中央付近に接する。これは、カード1とローラ51やベルト52の接触面積を広くするため、カード1が挟持部分にかかる力のモーメントにより傾くのを防止するため、ローラ51やベルト52の接触により磁気ストライプが汚れるのを防止するため、および磁気ストライプからの情報の読み取り時にローラ51やベルト52のエンボス文字への接触によりジッタが大きくなるのを防止するため等である。この他、DVD等のディスクの搬送方式として、図9Aおよび図9Bに示すようなトレイ搬送方式がある。トレイ搬送方式は、装置の本体54に対して薄板状のトレイ55を出し入れして、トレイ55上に載せられたディスク60を往復搬送する。トレイ搬送方式は、カードの搬送にも応用可能である。
【0004】
ローラ搬送方式やベルト搬送方式では、図7Bおよび図8Bに示すようにローラ51やベルト52がカード1の中央付近にあるIC接点領域1cに所定の圧力で接触するため、IC接点領域1cの付近に内蔵されるICチップが破損し易く、ICチップとIC接点とを接続するボンディングワイヤが断線し易いという問題がある。トレイ搬送方式をカードの搬送に応用した場合は、本体54からトレイ55を突出させて、ユーザがカードをトレイ55上に載せるという作業が必要になるので、突出させたトレイ55が破損し易く、トレイ55へのカードの載せ方が悪くて正常に搬送できない等の不具合が生じ易いという問題がある。
【0005】
一方、カード発行装置には、下記の特許文献1〜3に開示されているようなカードを繰り出して搬送する機構が採用されている。特許文献1、2の機構では、1つの爪をホッパーの最下部にあるカードの一方の端部に引っ掛けて、スクリューシャフトやリンクチェーン等で爪を移動させることにより、カードを1枚ずつホッパーから繰り出して搬送する。特許文献3の機構では、2つの爪をホッパーの最前部にあるカードの両端部にそれぞれ引っかけて、カードを挟持し、ベルトとプーリー等で各爪を移動させることにより、カードを1枚ずつホッパーから繰り出して搬送する。
【0006】
特許文献1、2の機構をカードリーダに適用した場合は、カードを爪が引っ掛かっている側へ搬送することができないので、カードの取り込みと排出の両方を自動で行うことができないという問題がある。特許文献3の機構をカードリーダに適用した場合は、爪でカードを挟持するために、少なくとも一方の爪をカードリーダ内から突出させなければならないので、突出させた爪等の部分が破損し易いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−87626号公報
【特許文献2】特許第3169532号公報
【特許文献3】実公平1−11472号公報
【特許文献4】特開2005−266993号公報
【特許文献5】特開2005−322100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するものであって、その目的とするところは、カードの取り込みと排出を自動で確実に行いつつ、カードを搬送する各部とカードの破損を防止することができるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るカードリーダでは、一側面にカードを先端から挿入する挿入口が設けられ、内部に挿入口と連続してカードを収容する収容部が設けられたケースと、ケース内において、挿入口からのカードの挿入に連動してカードの端部を挟持し、該挟持状態のままカードを収容部に収容する第1の所定位置と挿入口から突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カードを挿入口から挿入することで、挟持搬送機構がケース内でカードの端部を挟持して、該挟持状態のままカードを収容部内の第1の所定位置と挿入口から突出する第2の所定位置とへ往復搬送するので、カードの取り込みと排出を自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構がケース外へ突出しないので、挟持搬送機構の各部の損傷を防止することができる。さらに、一般にIC接点領域のないカードの端部を挟持搬送機構で挟持するので、カードのIC接点やICチップやボンディングワイヤが破損するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1A〜図3は、第1実施形態に係るカードリーダ101を示す図である。詳しくは、図1A〜図1Cは、カードリーダ101の内部を上方から見た状態を示している。図2A〜図2Cは、カードリーダ101の内部を長手方向の側方から見た状態を示している。図3は、カードリーダ101を短手方向の側方から見た状態を示している。カードリーダ101は、図示しない上位装置の制御により、接触式のICカードに対して情報の読み取りまたは書き込みの処理を行うICカードリーダから成る。
【0012】
カードリーダ101のケース2の一側面には、カード1を先端から挿入する挿入口2aが設けられている。ケース2の内部には、挿入口2aと連続してカード2を収容する収容部2bが設けられている。カード1の挿入方向(図1A等で左方向)と厚み方向(図2A等で上下方向)とに対して垂直な方向の収容部2bの幅は、図1B等に示すようにカード1の短手方向(図1B等で上下方向)の幅より若干大きくなっている。挿入口2aは、収容部2bから離れるに連れて幅が広くなっている。挿入口2aと収容部2bの高さは、図2A等に示すように同等であり、カード1のエンボス文字が施された領域1bの厚みより若干大きくなっている。このため、カード1を挿入口2aと収容部2bへスムーズに通過させることができる。ケース2の内部には、図1A等に示すように挟持搬送機構10と手動排出機構20とが設けられている。
【0013】
挟持搬送機構10は、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の先端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を、収容部2bに完全に収容する第1の所定位置(図1Cおよび図2Cに図示)と、挿入口2aから突出させる第2の所定位置(図2Aに二点鎖線で図示)とへ往復搬送する。挟持搬送機構10は、スライダ3、梁6、ばね7、スライドカム9、リードスクリュー11、ガイドシャフト12、モータ13、ギヤ14a〜14c、マイクロスイッチ15a、15bから構成されている。
【0014】
リードスクリュー11は、図1A等に示すようにカード1の挿入方向と平行でかつ回転可能にケース2に支持されている。リードスクリュー11には、スライダ3の一方の端部が係合されている。スライダ3の一方の端部には、弾性を有する爪3aが設けられていて、該爪3aはリードスクリュー11のねじ溝に係合されている。リードスクリュー11は回転することで、カード1の挿入方向と平行にスライダ3を往復移動させる。ガイドシャフト12は、リードスクリュー11から所定の間隔をおいてカード1の挿入方向と平行にケース2に支持されている。ガイドシャフト12には、スライダ3の他方の端部が係合されている。ガイドシャフト12は、カード1の挿入方向と平行なスライダ3の往復移動を案内する。
【0015】
スライダ3は、図2A等に示すように収容部2bに高さ方向から対面しつつカード1の挿入方向と平行に往復移動する。スライダ3の中央には、孔3bが設けられている。孔3b内には、コネクタ4と板ばね5とが設けられている。コネクタ4には、複数の接触子4aが設けられている。接触子4aのリード部は、FPC16の一方の端部の収容部2b側の面にはんだ付けされている。板ばね5の一方の端部はスライダ3に固定されている。板ばね5の他方の端部の収容部2b側の面には、FPC16の一方の端部の収容部2bと反対側の面が固定されている。コネクタ4は、FPC16を介して板ばね5に支持されている。接触子4aの接点部は、コネクタ4とスライダ3から突出している。FPC16の他方の端部は、上位装置に接続されている。カード1の挿入方向と平行な板ばね5の両端部は、図1A等に示すようにスライダ3の側方へ突出している。
【0016】
スライダ3の挿入口2aと反対側の端部には、図2A等に示すように凸部3cが設けられている。凸部3cは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。凸部3cの挿入口2a側の根元には、突起3dが設けられている。突起3dは、挿入口2a側の面が凸部3cの先端へ向かって傾斜するような台形状に形成されている。凸部3cの先端には、梁6の一方の端部が軸6aを介して回転可能に支持されている。梁6の他方の端部は、挿入口2a側へ向かって延びている。梁6の他方の端部の収容部2b側の面には、摩擦係数が高いゴムや合成樹脂等の滑り止め部材8が取り付けられている。梁6は、スライダ3と収容部2bに高さ方向から対面している。軸6aには、ねじりばねから成るばね7が取り付けられている。ばね7の一方の端部は凸部3cに引っ掛けられていて、他方の端部は、梁6に引っ掛けられている。ばね7は、梁6がスライダ3と収容部2bから離れる方向(図2A等で時計回り)へ回転するような力を梁6に付加している。このため、図2Aで梁6の他方の端部は、ケース2に接している。
【0017】
ケース2内の中央には、図1Aおよび図2A等に示すようにスライドカム9が挿入口2aから所定の間隔をおいてカード1の挿入方向と平行に設けられている。スライドカム9は、収容部2bの奥まで延びている。スライドカム9は、挿入口2a側の面が挿入口2aの反対側と収容部2bへ向かって傾斜するような台形状に形成されている。スライドカム9は、梁6と接触して、図2B等に示すように梁6をスライダ3と収容部2bに近づく方向(反時計回り)へ回転させて、スライダ3と平行にし、該平行な姿勢を維持する。ケース2内の挿入口2aと反対側には、突起17が設けられている。突起17は、挿入口2a側の面が挿入口2aの反対側と収容部2bへ向かって傾斜するような台形状に形成されている。突起17は、スライダ3の側方へ突出する板ばね5の両端部と接触して、図2C等に示すように板ばね5を収容部2bに近づく方向に撓ませる。
【0018】
ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図1A等に示すようにモータ13が設けられている。モータ13は駆動源である。モータ13の回転軸には、ギヤ14aが設けられている。リードスクリュー11の挿入口2aと反対側の端部には、ギヤ14bが設けられている。ギヤ14cは、ギヤ14a、14bに噛み合うように回転可能に設けられている。ギヤ14a〜14cは、モータ13の駆動力をリードスクリュー11へ伝達する。モータ13、ギヤ14a〜14c、リードスクリュー11、およびガイドシャフト12は、スライダ3をカード1の挿入方向と平行に往復駆動する駆動手段である。ケース2内の挿入口2aと反対側には、マイクロスイッチ15aが設けられている。マイクロスイッチ15aは、図1Cに示すようにアクチュエータがスライダ3の挿入口2aと反対側の端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。ケース2内の挿入口2a側の一方の側部には、マイクロスイッチ15bが設けられている。マイクロスイッチ15bは、図1Bに示すようにアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。マイクロスイッチ15a、15bの切り替わり信号は、図示しないリード線を通して、上位装置へ入力される。マイクロスイッチ15aは、第1の検知手段であり、マイクロスイッチ15bは、第2の検知手段である。
【0019】
手動排出機構20は、ケース2内において、手動で作動し、収容部2bに収容されたカード1の先端部を押して、該カード1を挿入口2aから突出させて排出する。手動排出機構20は、レバー21、バー22、およびコイルばね25から構成されている。レバー21は、中央部が軸23を介してケース2に回転可能に支持されている。レバー21は、収容部2bにスライダ3と反対側の高さ方向から対面している。レバー21の一方の端部には、爪21aが設けられている。爪21aは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。レバー21の他方の端部には、バー22の一方の端部が軸24を介して回転可能に支持されている。バー22は、他方の端部が挿入口2aの直ぐ内側まで延びていて、挿入口2aから外部へは突出しない。コイルばね25の一方の端部は、レバー21の他方の端部に引っ掛けられている。コイルばね25の他方の端部は、ケース2に設けられた突起26に引っ掛けられている。コイルばね25は、レバー21の他方の端部を挿入口2aと反対側へ引っ張るような力をレバー21に付加している。
【0020】
カード1を挿入していないときは、カードリーダ101の各部は図1Aおよび図2Aに示すような状態にある。この状態において、カード1を挿入口2aから収容部2b内に挿入して行くと、カード1の先端が、突起3dの傾斜面に案内されて、図2Aに二点差線で示すように凸部3cに接触する。そして、凸部3cがカード1の先端に押されて、スライダ3がカード1の挿入方向へ移動する。このため、梁6が、図2Bに示すようにスライドカム9に接触して乗り上げ、ばね7の力に抗して収容部2bに近づく方向へ回転し、カード1の先端部の中央が梁6と突起3dにより挟持される。梁6のカード1と接触する位置には、滑り止め部材8が設けられている。カード1の梁6と突起3dに挟持される位置は、図1Bにクロスハッチングで示すように、カード1のIC接点1dが設けられる領域1cと磁気ストライプが設けられる領域1aとエンボス文字が設けられる領域1bから外れた先端部の中央位置である。
【0021】
カード1が梁6と突起3dとで挟持されたとき、マイクロスイッチ15bのアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されて、マイクロスイッチ15bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が挿入口2aから挿入されて梁6と突起3dとで挟持されたことを検知し、モータ13を正転駆動させる。これにより、モータ13の駆動力がギヤ14a〜14cによりリードスクリュー11に伝達されて、リードスクリュー11が一方向へ回転し、スライダ3が挿入口2aと反対側へ移動して、カード1が梁6と突起3dとで挟持された状態のまま搬送されて行く。しばらくすると、スライダ3がマイクロスイッチ15bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15bがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されて、レバー21がコイルばね25の力に抗して反時計回りに回転して行き、バー22が挿入口2aに近づいて行く。さらに、スライダ3から突出する板ばね5の両端部が突起17に接触して、板ばね5が弾性変形して収容部2bに近づく方向に撓み、コネクタ4の接触子4aがカード1に近づいて行く。
【0022】
そして、図1Cおよび図2Cに示すようにカード1が収容部2bに完全に収容される第1の所定位置まで搬送されると、マイクロスイッチ15aのアクチュエータがスライダ3の挿入口2aと反対側の端部に押されて、マイクロスイッチ15aがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15aから上記切り替わり信号を受けると、カード1が第1の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ13の正転駆動を停止させる。これにより、リードスクリュー11の回転、スライダ3の移動、およびカード1の搬送がそれぞれ停止され、カード1がケース2内に取り込まれた状態となる。このとき、図1Cに示すようにレバー21の爪21aがカード1の先端に引っ掛かり、バー22が挿入口2aに最も近づく。また、板ばね5が突起17に乗り上げて、図2Cに示すように板ばね5とコネクタ4が収容部2bに最も近づき、接触子4aがカード1のIC接点1dに所定の圧力で接触する。
【0023】
この後、上位装置が接触子4aとカード1のIC接点1dを介して、カード1に内蔵された図示しないICチップに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行う。情報の処理が終了すると、上位装置はモータ13を逆転駆動させる。これにより、リードスクリュー11が他方向へ回転し、スライダ3が挿入口2a側へ移動して、挟持状態のカード1が搬送されて行く。この際、スライダ3がマイクロスイッチ15aのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15aがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されなくなって、レバー21がコイルばね25の力により時計回りに回転し、レバー21とバー22が図1B等に示す元の位置に戻る。さらに、図1Bおよび図2B等に示すように板ばね5が突起17から離間して撓まなくなり、コネクタ4の接触子4aがカード1から離間する。さらに、マイクロスイッチ15bのアクチュエータがスライダ3のリードスクリュー11側の端部に押されて、マイクロスイッチ15bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。
【0024】
そして、図2Aに二点鎖線で示すようにカード1が挿入口2aから突出する第2の所定位置まで搬送されると、図1Aに示すようにスライダ3がマイクロスイッチ15bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ15bがON状態からOFF態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ15bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が上記第2の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ13の逆転駆動を停止させる。これにより、リードスクリュー11の回転、スライダ3の移動、およびカード1の搬送がそれぞれ停止され、カード1が挿入口2aからケース2外へ排出された状態になる。また、図2Aに示すように梁6がスライドカム9から離間して、ばね7の力により収容部2bから離れる方向へ回転し、カード1から梁6と滑り止め部材8が離れて、カード1の挟持が解除され、カード1を挿入口2aから容易に抜き取り可能な状態になる。
【0025】
一方、図1Cおよび図2Cに示すようにカード1がケース2内に取り込まれた状態で、カードリーダ101への電力供給が停止されて、カード1を搬送できなくなった場合等は、特殊な治具を挿入口2aからケース2内に挿入して、該治具でバー22の挿入口2a側の端部を押す。これにより、レバー21の他方の端部がバー22に押されて、レバー21が時計方向へ回転し、カード1の先端が爪21aで挿入口2a側へ押されて、カード1が挿入口2aから突出し、抜き取り可能な状態になる。
【0026】
上記第1実施形態のカードリーダ101によると、カード1を挿入口2aから挿入することで、挟持搬送機構10がケース2内でカード1の先端部の中央を挟持して、該挟持状態のままカード1を収容部2b内の第1の所定位置と第2の所定位置とへ往復搬送するので、カード1のケース2内への取り込みとケース2外への排出とを自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構10がケース2外へ突出しないので、挟持搬送機構10の各部の損傷を防止することができる。また、挟持搬送機構10でカード1のIC接点領域1cと磁気ストライプ領域1aとエンボス文字領域1bから外れた先端部を挟持するので、カード1のIC接点1d、ICチップ、IC接点1dとICチップを接続するボンディングワイヤ、磁気ストライプ、およびエンボス文字の破損、損傷、および汚れを防止することができる。
【0027】
また、図7Aや図8A等の従来のカード搬送方式では、カード1の厚み方向の両側にローラ51やベルト52やプーリー53をカード1に対して垂直な面内で回転するように設けて、ローラ51やベルト52でカード1を厚み方向から挟持するので、カード1の厚み方向と平行な高さ方向の寸法を小さくできないという問題がある。然るに、上記実施形態によると、カード1の厚み方向の一方側に薄板状のスライダ3と突起3dを設け、他方側に薄板状の梁6とスライドカム9を設けて、突起3dと梁6とでカード1の先端部を厚み方向から挟持するので、カードリーダ101の高さ方向の寸法を小さくして、薄型化を図ることができる。
【0028】
また、突起3dと梁6とでカード1の先端部を挟持するので、カード1のエンボス文字がスライダ3、突起3d、および梁6に接触して、カード1が厚み方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の先端部の中央を突起3dと梁6とで挟持するので、カード1の挟持部分にかかる力のモーメントが小さくなり、カード1が挿入方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の先端部を挟持する梁6の端部に、摩擦係数が高い滑り止め部材8を設けているので、カード1が搬送時に滑って挟持されなくなるのを防止することができる。
【0029】
また、特許文献3の機構では、カードを挟持するために、ベルトとプーリー等を駆動して、爪を移動させるので、消費電力が多くなるという問題がある。然るに、上記実施形態によると、挿入口2aからのカード1の挿入に連動して、突起3dと梁6とでカード1の先端部を挟持するので、挟持のためにモータ13を駆動する必要がなく、消費電力を減少させることができる。
【0030】
また、マイクロスイッチ15a、15bの検知結果に応じて、モータ13、ギヤ14a〜14c、およびリードスクリュー11を駆動して、スライダ3をカード1の挿入方向へ平行移動させ、挿入口2aから挿入されて挟持したカード1を第1の所定位置まで確実に搬送して、ケース2内に取り込むことができる。また、スライダ3をカード1の排出方向(図1A等で右方向)へ平行駆動させ、挟持したカード1を第1の所定位置から第2の所定位置まで確実に搬送して、ケース2外に排出し、カード1の挟持を解除して、カード1を抜き取り易くすることができる。さらに、カード1を取り込んだ状態で電力供給が停止されて、自動搬送できなくなった場合等に、手動排出機構20を手動で作動させて、カード1を挿入口2aから突出させて排出することができる。
【0031】
図4A〜図6は、第2実施形態に係るカードリーダ102を示す図である。詳しくは、図4A〜図4Cは、カードリーダ102の内部を上方から見た状態を示している。図5A〜図5Cは、カードリーダ102の内部を長手方向の側方から見た状態を示している。図6は、カードリーダ102を短手方向の側方から見た状態を示している。図4A〜図6中、図1A〜図3と同一部分または対応する部分には、便宜上同一符号を付している。カードリーダ102は、図示しない上位装置の制御により、接触式のICカードに対して情報の読み取りまたは書き込みの処理を行うICカードリーダから成る。
【0032】
カードリーダ102のケース2内には、図4A等に示すように挟持搬送機構30と手動排出機構20が設けられている。挟持搬送機構30は、ケース2内において、挿入口2aからのカード1の挿入に連動してカード1の両端部を挟持し、該挟持状態のままカード1を、収容部2bに完全に収容される第1の所定位置(図4Cおよび図5Cに図示)と、挿入口2aから突出する第2の所定位置(図4Bおよび図5Bに図示)とへ往復搬送する。詳しくは、挟持搬送機構30は、ローラ31a、31b、プーリー32a、32b、ベルト33、モータ34、ギヤ35a、35b、36a、36b、37a、37b、マイクロスイッチ38a、38bから構成されている。
【0033】
一対のローラ31a、31bは、カード1の挿入方向と平行な両端面に対面する収容部2bの両側部に、挿入口2aから同一の所定の間隔をおいて回転可能に設けられている。ローラ31a、31bの軸39は、収容部2bの高さ方向および挿入口2aから挿入されたカード1の厚み方向と平行になっている。ローラ31a、31bの周面は、挿入口2aから挿入されたカード1の挿入方向と平行な両側端面に接するようになっている。ローラ31a、31bの周面には、摩擦係数が高いゴムや合成樹脂等の滑り止め部材40が取り付けられている。ローラ31a、31bの上方には、図6等に示すようにギヤ36a、36bがローラ31a、31bと同軸かつ一体で回転可能に設けられている。ギヤ36a、36bの間には、ギヤ37a、37bが回転可能に設けられている。ギヤ36aとギヤ37aは噛み合っていて、ギヤ36bとギヤ37bは噛み合っていて、ギヤ37aとギヤ37bは噛み合っている。
【0034】
一方のローラ31aの下方には、プーリー32aがローラ31aと同軸かつ一体で回転可能に設けられている。ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図4A等に示すようにプーリー32bがプーリー32aから所定の間隔をおいて回転可能に設けられている。プーリー32a、32bには、ベルト33が架けられている。プーリー32bの上方には、図5A等に示すようにギヤ35bがプーリー32bと同軸で回転可能に設けられている。プーリー32bの挿入口2aと反対側には、モータ34が設けられている。モータ34は駆動源であり、ステッピングモータから成る。モータ34の回転軸には、ギヤ35aが設けられている。ギヤ35aとギヤ35bは噛み合っている。
【0035】
ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33は、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達する。そして、ギヤ36a、37a、37bは、モータ34の駆動力をギヤ36bとローラ31bへ伝達する。ローラ31a、31b、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33は、モータ34の駆動力により一方向と他方向の両方へ回転する。ギヤ36a、37a、37b、36bは、ローラ31bをローラ31aと同期させつつ異なる方向へ回転させる。モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33は駆動手段である。
【0036】
ケース2内の挿入口2aと反対側の一方の側部には、図4C等に示すようにマイクロスイッチ38aが設けられている。マイクロスイッチ38aは、アクチュエータがカード1の先端に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。ケース2内の挿入口2a側の他方の側部には、マイクロスイッチ38bが設けられている。マイクロスイッチ38bは、アクチュエータがカード1の一方の側端部に押されることで、OFF状態からON状態に切り替わる。マイクロスイッチ38a、38bの切り替わり信号は、図示しないリード線を通して、上位装置へ入力される。マイクロスイッチ38aは、第1の検知手段であり、マイクロスイッチ38bは、第2の検知手段である。
【0037】
ケース2内の挿入口2aと反対側の中央には、スライダ41が設けられている。スライダ41は、図5A等に示すように収容部2bに高さ方向から対面しつつカード1の挿入方向と平行に往復移動可能にケース2に支持されている。スライダ41の挿入口2aと反対側の端部には、爪41aが設けられている。爪41aは、収容部2bの中央を高さ方向に通り抜けている。スライダ41の挿入口2aと反対側の両側端部には、図4A等に示すようにコイルばね43の一方の端部が引っ掛けられている。コイルばね43の他方の端部は、ケース2に設けられた突起44に引っ掛けられている。コイルばね43は、スライダ41が図4Aおよび図5Aに示す位置に留まるような力をスライダ41に付加している。
【0038】
スライダ41の一方の端部の収容部2b側の面には、板ばね42の一方の端部が固定されている。板ばね42の他方の端部の収容部2b側の面には、FPC16の一方の端部の収容部2bと反対側の面が固定されている。FPC16の一方の端部の収容部2b側の面には、コネクタ4が設けられている。コネクタ4の接触子4aのリード部は、FPC16の一方の端部の収容部2b側の面にはんだ付けされている。コネクタ4は、FPC16を介して板ばね42に支持されている。接触子4aの接点部は、コネクタ4から突出していて、収容部2bには入り込んでいない。ケース2内の挿入口2aと反対側には、図4A等に示すように突起17が設けられている。突起17は、板ばね42の両側端部と接触して、図5Cに示すように板ばね42を収容部2bに近づく方向に撓ませる。
【0039】
カード1を挿入していないときは、カードリーダ102の各部は図4Aおよび図5Aに示すような状態にある。この状態において、カード1を挿入口2aから収容部2b内に挿入して行くと、図4Aに二点差線で示すようにマイクロスイッチ38bのアクチュエータがカード1の一方の側端部に押されて、マイクロスイッチ38bがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が挿入口2aから挿入されたことを検知し、モータ34を正転駆動させる。これにより、ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33が回転して、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達し、プーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aが図4Aで時計回りに回転する。同時に、ギヤ37a、37bが回転して、モータ34の駆動力をギヤ36aからギヤ36bとローラ31bへ伝達し、ギヤ36bとローラ31bが図4Aで反時計回りに回転する。
【0040】
そして、図4Bおよび図5Bに示すようにカード1がローラ31a、31bの間に挿入されると、カード1の両側端面がローラ31a、31bにより挟持される。このカード1のローラ31a、31bに挟持される位置は、図4Bに示すようにカード1のIC接点領域1c、磁気ストライプ領域1a、およびエンボス文字領域1bから外れている。カード1はローラ31a、31bにより挟持されると直ぐに、その挟持状態のまま挿入口2aと反対側へ搬送されて行く。しばらくすると、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されて、レバー21がコイルばね25の力に抗して反時計回りに回転して行き、バー22が挿入口2aに近づいて行く。また、スライダ41の爪41aがカード1の先端に押されて、スライダ41と板ばね42がコイルばね43の力に抗して挿入口2aと反対側へ平行移動して行く。このとき、板ばね42が突起17に接触して弾性変形し、収容部2bに近づく方向に撓んで、コネクタ4の接触子4aがカード1に近づいて行く。
【0041】
そして、モータ34が所定ステップ数正転駆動すると、図4Cおよび図5Cに示すようにカード1が収容部2bに完全に収容される第1の所定位置まで搬送され、マイクロスイッチ38aのアクチュエータがカード1の先端に押されて、マイクロスイッチ38aがOFF状態からON状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38aから上記切り替わり信号を受けると、カード1が第1の所定位置まで搬送されたことを検知し、モータ34の正転駆動を停止させる。これにより、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、ベルト33、ローラ31a、31bの回転とカード1の搬送が停止され、カード1がケース2内に取り込まれた状態となる。このとき、図4Cに示すようにレバー21の爪21aがカード1の先端に引っ掛かり、バー22が挿入口2aに最も近づく。また、板ばね42が突起17に乗り上げて、図5Cに示すように板ばね42とコネクタ4が収容部2bに最も近づき、接触子4aがカード1のIC接点1dに所定の圧力で接触する。
【0042】
この後、上位装置が接触子4aとIC接点1dを介して、カード1のICチップに対して情報の読み取りや書き込みの処理を行う。情報の処理が終了すると、上位装置はモータ34を逆転駆動させる。これにより、ギヤ35a、35b、プーリー32b、およびベルト33が回転して、モータ34の駆動力をプーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aへ伝達し、プーリー32a、ギヤ36a、およびローラ31aが図4Cで反時計回りに回転する。同時に、ギヤ37a、37bが回転して、モータ34の駆動力をギヤ36aからギヤ36bとローラ31bへ伝達し、ギヤ36bとローラ31bが図4Cで時計回りに回転する。そして、ローラ31a、31bにより挟持されたカード1が挿入口2a側へ搬送されて行く。この際、カード1がマイクロスイッチ38aのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ38aがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。また、レバー21の爪21aがカード1の先端に押されなくなって、レバー21がコイルばね25の力により時計回りに回転し、レバー21とバー22が図4B等に示す元の位置に戻る。さらに、スライダ41の爪41aがカード1に押されなくなって、スライダ41と板ばね42がコイルばね43の力により挿入口2a側へ平行移動して、図4Bおよび図5B等に示すように元の位置に戻る。このとき、板ばね42が突起17から離間して撓まなくなり、コネクタ4の接触子4aがカード1から離間する。
【0043】
そして、モータ34が所定ステップ数逆転駆動すると、図4Bおよび図5Bに示すようにカード1が挿入口2aから突出する第2の位置まで搬送され、上位装置がこのようにカード1が搬送されたことを検知し、モータ34の逆転駆動を停止させる。これにより、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、ベルト33、ローラ31a、31bの回転とカード1の搬送が停止され、カード1がケース2外へ排出された状態となる。このとき、カード1は両側端面をローラ31a、31bに挟持されたままで、挿入口2aから飛び出さず、挿入口2aから抜き取り可能な状態である。カード1が挿入口2aから抜き取られる際には、カード1がマイクロスイッチ38bのアクチュエータから離間して、マイクロスイッチ38bがON状態からOFF状態に切り替わり、該切り替わり信号が上位装置に入力される。上位装置は、マイクロスイッチ38bから上記切り替わり信号を受けると、カード1が抜き取られたことを検知する。
【0044】
一方、図4Cおよび図5Cに示すようにカード1を取り込んだ状態で、カードリーダ102への電源供給が停止して、カード1を搬送できなくなった場合等は、特殊な治具で挿入口2aからバー22の端部を押すことで、レバー21が時計方向へ回転して、カード1の先端が爪21aで押されて、カード1が挿入口2aから突出し、抜き取り可能な状態になる。
【0045】
上記第2実施形態のカードリーダ102によると、カード1を挿入口2aから挿入することで、挟持搬送機構30がケース2内でカード1の両側端面を挟持して、該挟持状態のままカード1を収容部2b内の第1の所定位置と第2の所定位置とへ往復搬送するので、カード1のケース2内への取り込みとケース2外への排出とを自動で確実に行うことができる。また、挟持搬送機構30がケース2外へ突出しないので、挟持搬送機構30の各部の損傷を防止することができる。また、挟持搬送機構30でカード1のIC接点領域1cと磁気ストライプ領域1aとエンボス文字領域1bから外れた両側端面を挟持するので、カード1のIC接点1d、ICチップ、ボンディングワイヤ、磁気ストライプ、およびエンボス文字の破損、損傷、および汚れを防止することができる。
【0046】
また、ローラ31a、31bを収容部2bの両側部に軸39がカード1の厚み方向と平行になるように設けて、ローラ31a、31bの周面でカード1の両側端面を挟持するので、カードリーダ102の高さ方向の寸法を小さくして、薄型化を図ることができる。また、モータ34の駆動力を伝達するプーリー32a、32b、ベルト33、およびギヤ36a〜37bをカード1の厚み方向の両側にローラ31a、31bと平行に設けているので、ローラ31a、31b、プーリー32a、32b、ベルト33、およびギヤ36a〜37bを薄くすることで、カードリーダ102の薄型化を一層図ることができる。
【0047】
また、ローラ31a、31bの周面でカード1の両側端面を挿入方向に対して垂直に挟持するので、カード1のエンボス文字がローラ31a、31bに接触して、カード1が厚み方向に対して傾くのを防止することができる。また、モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33により、ローラ31a、31bを同期させて異なる方向へ回転駆動するので、カード1の挟持部分にかかる力のモーメントが小さくなり、カード1が挿入方向に対して傾くのを防止することができる。また、カード1の両側端面を挟持するローラ31a、31bの周面に、摩擦係数が高い滑り止め部材40を設けているので、カード1が搬送時に滑って挟持されなくなるのを防止することができる。また、挿入口2aからのカード1の挿入に連動して、ローラ31a、31bでカード1を挟持するので、挟持のためにモータ34を駆動する必要がなく、消費電力を減少させることができる。
【0048】
また、マイクロスイッチ38a、38bの検知結果とモータ34の駆動ステップ数に応じて、モータ34、ギヤ35a〜37b、プーリー32a、32b、およびベルト33を駆動して、ローラ31a、31bを回転させるので、挿入口2aから挿入されて挟持したカード1を第1の所定位置まで確実に搬送して、ケース2内に取り込むことができる。また、取り込んだカード1を第1の所定位置から第2の所定位置まで確実に搬送して、ケース2外に排出することができる。また、カード1をケース2外に排出したときに、ローラ31a、31bで挟持して、飛び出さないようにすることで、カード1を挿入口2aから安全に抜き取ることができる。さらに、カード1を取り込んだ状態で電力供給が停止されて、自動搬送できなくなった場合等に、手動排出機構20を手動で作動させて、カード1を挿入口2aから突出させて排出することができる。
【0049】
本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、カード1の挿入、挟持、または搬送状態をマイクロスイッチ15a、15b、38a、38bの出力やモータ34の駆動ステップ数により検知した例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばフォトセンサまたはエンコーダ等のセンサを用いて、これらの出力からカードの挿入、挟持、または搬送状態を検知するようにしてもよい。また、センサとモータの少なくとも一方を複数または1つだけ用いて、カードの挿入、挟持、および搬送状態を検知するようにしてもよい。つまり、検知手段としては、カードの挿入、挟持、または搬送状態を検知できるものであればよい。
【0050】
また、第1実施形態では、モータ13とギヤ14a、14bとリードスクリュー11とガイドシャフト12により、スライダ3を平行往復駆動させた例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばリードスクリュー11に代えて、プーリーとベルトまたはリンクチェーンとスプロケット等を用いたり、ガイドシャフト12に代えて、レールを用いたりして、スライダ3を平行往復駆動させるようにしてもよい。つまり、駆動手段としては、スライダ3をカード1の挿入方向と平行に往復駆動できるものであればよい。
【0051】
また、第2実施形態では、モータ34とギヤ35a〜37bとプーリー32a、32bとベルト33により、ローラ31a、31bを回転駆動させた例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばプーリー32a、32bとベルト33に代えて、リンクチェーンとスプロケットまたは複数のギヤ等を用いたり、ギヤ36a、37a、37bに代えて、プーリーとベルトとギヤまたはリンクチェーンとスプロケットギヤ等を用いたりして、ローラ31a、31bを回転駆動させるようにしてもよい。つまり、駆動手段としては、ローラ31a、31bを同期させて異なる方向へ回転駆動できるものであればよい。
【0052】
さらに、以上の実施形態では、接触式のICカード専用のICカードリーダに本発明を適用したが、本発明はこれ以外にも、例えばIC接点と磁気ストライプの両方が設けられた磁気ICカード等に対して情報の処理を行えるように、IC接点ユニットと磁気ヘッドとを内部に備えたカードリーダに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図1C】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2A】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2B】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図2C】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図4C】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5A】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5B】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図5C】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るカードリーダを示す図である。
【図7A】従来のローラ搬送方式を示す図である。
【図7B】従来のローラ搬送方式を示す図である。
【図8A】従来のベルト搬送方式を示す図である。
【図8B】従来のベルト搬送方式を示す図である。
【図9A】従来のディスク搬送方式を示す図である。
【図9B】従来のディスク搬送方式を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 カード
1a 磁気ストライプ領域
1b エンボス文字領域
1c IC接点領域
2 ケース
2a 挿入口
2b 収容部
3 スライダ
3c 凸部
3d 突起
6 梁
7 ばね
8、40 滑り止め部材
9 スライドカム
10、30 挟持搬送機構
11 リードスクリュー
12 ガイドシャフト
13、34 モータ
14a〜14c、35a、35b、36a、36b、37a、37b ギヤ
15a、15b、38a、38b マイクロスイッチ
20 手動排出機構
31a、31b ローラ
32a、32b プーリー
33 ベルト
39 軸
101、102 カードリーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面にカードを先端から挿入する挿入口が設けられ、内部に前記挿入口と連続してカードを収容する収容部が設けられたケースと、
前記ケース内において、前記挿入口からのカードの挿入に連動してカードの端部を挟持し、該挟持状態のままカードを前記収容部に収容する第1の所定位置と前記挿入口から突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
請求項1に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、カードのIC接点、磁気ストライプ、およびエンボス文字が設けられる領域以外の端部を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構のカードの端部を挟持する部分に、摩擦係数が高い滑り止め部材を設けたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記収容部に高さ方向から対面しかつカードの挿入方向と平行に移動可能に設けられたスライダと、
前記スライダの前記挿入口と反対側の端部に設けられ、前記収容部の中央を高さ方向に通り抜ける凸部と、
前記凸部の前記挿入口側の根元に設けられ、前記挿入口側の面が前記凸部の先端へ向かって傾斜する台形状の突起と、
一方の端部が前記凸部の先端に回転可能に支持され、他方の端部が前記挿入口側へ向かって延びかつ前記スライダと前記収容部に高さ方向から対面する梁と、
前記梁が前記スライダと前記収容部から離れる方向へ回転するような力を前記梁に付加するばねと、
前記挿入口から所定の間隔をおいて前記挿入方向と平行に前記ケースに設けられ、前記梁と接触して、前記梁を前記スライダと前記収容部に近づく方向へ回転させて、該姿勢を維持するスライドカムと、を備え、
前記挿入口から挿入されたカードの先端に前記凸部が押されて、前記スライダが前記挿入方向へ移動することにより、前記梁が前記スライドカムに接触して前記ばねの力に抗して回転し、前記梁と前記突起とでカードの先端部の中央を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項5】
請求項4に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記スライダをカードの挿入方向と平行に往復駆動する駆動手段と、
カードが前記第1の所定位置まで搬送されたことを検知する第1の検知手段と、
カードが前記挿入口から挿入されて前記梁と前記突起とで挟持されたことおよびカードが前記第1の所定位置から前記第2の所定位置まで搬送されて前記カードの挟持が解除されたことを検知する第2の検知手段と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、カードの挿入方向と平行な両側端面に対面する前記収容部の両側部に前記挿入口から同一の所定の間隔をおいて回転可能に設けられ、軸が前記収容部の高さ方向と平行でかつ周面がカードの前記両側端面に接する一対のローラを備え、
カードが前記挿入口から前記一対のローラの間に挿入されることにより、前記一対のローラでカードの前記両側端面を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項7】
請求項6に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記一対のローラを一方向と他方向の両方に同期させつつ方向を異ならせて所定量回転駆動する駆動手段と、
カードが前記第1の所定位置まで搬送されたことを検知する第1の検知手段と、
カードが前記挿入口から挿入されたことを検知する第2の検知手段と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記ケース内において、手動で作動し、前記収容部に収容されたカードの先端部を押して、該カードを前記挿入口から突出させて排出する手動排出機構を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項1】
一側面にカードを先端から挿入する挿入口が設けられ、内部に前記挿入口と連続してカードを収容する収容部が設けられたケースと、
前記ケース内において、前記挿入口からのカードの挿入に連動してカードの端部を挟持し、該挟持状態のままカードを前記収容部に収容する第1の所定位置と前記挿入口から突出させる第2の所定位置とへ往復搬送する挟持搬送機構と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
請求項1に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、カードのIC接点、磁気ストライプ、およびエンボス文字が設けられる領域以外の端部を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構のカードの端部を挟持する部分に、摩擦係数が高い滑り止め部材を設けたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記収容部に高さ方向から対面しかつカードの挿入方向と平行に移動可能に設けられたスライダと、
前記スライダの前記挿入口と反対側の端部に設けられ、前記収容部の中央を高さ方向に通り抜ける凸部と、
前記凸部の前記挿入口側の根元に設けられ、前記挿入口側の面が前記凸部の先端へ向かって傾斜する台形状の突起と、
一方の端部が前記凸部の先端に回転可能に支持され、他方の端部が前記挿入口側へ向かって延びかつ前記スライダと前記収容部に高さ方向から対面する梁と、
前記梁が前記スライダと前記収容部から離れる方向へ回転するような力を前記梁に付加するばねと、
前記挿入口から所定の間隔をおいて前記挿入方向と平行に前記ケースに設けられ、前記梁と接触して、前記梁を前記スライダと前記収容部に近づく方向へ回転させて、該姿勢を維持するスライドカムと、を備え、
前記挿入口から挿入されたカードの先端に前記凸部が押されて、前記スライダが前記挿入方向へ移動することにより、前記梁が前記スライドカムに接触して前記ばねの力に抗して回転し、前記梁と前記突起とでカードの先端部の中央を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項5】
請求項4に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記スライダをカードの挿入方向と平行に往復駆動する駆動手段と、
カードが前記第1の所定位置まで搬送されたことを検知する第1の検知手段と、
カードが前記挿入口から挿入されて前記梁と前記突起とで挟持されたことおよびカードが前記第1の所定位置から前記第2の所定位置まで搬送されて前記カードの挟持が解除されたことを検知する第2の検知手段と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、カードの挿入方向と平行な両側端面に対面する前記収容部の両側部に前記挿入口から同一の所定の間隔をおいて回転可能に設けられ、軸が前記収容部の高さ方向と平行でかつ周面がカードの前記両側端面に接する一対のローラを備え、
カードが前記挿入口から前記一対のローラの間に挿入されることにより、前記一対のローラでカードの前記両側端面を挟持することを特徴とするカードリーダ。
【請求項7】
請求項6に記載のカードリーダにおいて、
前記挟持搬送機構は、
前記一対のローラを一方向と他方向の両方に同期させつつ方向を異ならせて所定量回転駆動する駆動手段と、
カードが前記第1の所定位置まで搬送されたことを検知する第1の検知手段と、
カードが前記挿入口から挿入されたことを検知する第2の検知手段と、を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のカードリーダにおいて、
前記ケース内において、手動で作動し、前記収容部に収容されたカードの先端部を押して、該カードを前記挿入口から突出させて排出する手動排出機構を備えたことを特徴とするカードリーダ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2008−152492(P2008−152492A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339238(P2006−339238)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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