説明

カード使用明細照合システム及びこれに使用されるカード使用明細顧客控シート

【課題】 カード使用明細顧客控シート(2)に印刷されているカード使用明細データを迅速且つ確実にカード管理システム(22)に記憶されているカード使用明細データと照合することを可能にする。
【解決手段】 カード使用明細顧客控シート(2)に、カード使用明細データを目視にて読み取ることができる文字及び数字として印刷することに加えて、カード使用明細データをバーコード(4)として印刷し、照合作業の際にはかかるバーコードを機械的に読み取ることができるようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードの如きカードを使用して遂行される決済について、カード管理会社が管理するカード管理システムに記憶されているカード使用明細とカード会員が使用毎に受け取るカード使用明細顧客控シートに記載されているカード使用明細とが合致しているか否を照合するためのカード使用明細照合システム、及びかかるシステムに使用されるカード使用明細顧客控シートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在においてはクレジットカードの如きカードを使用する決済様式が広く普及しているが、かような決済様式を利用する場合には、関係者のミスによる誤りの発生の有無と共に不正使用の発生の有無を随時チェックすることが重要である。通常、カード会員がカードを使用して決済する場合、カード会員にはカード使用明細顧客控シート(所謂customers copy)が渡される。かかるカード使用明細顧客シートには、カード管理会社名、使用加盟店名、会員番号、使用日、支払い様式(一括又は分割)、決済承認番号及び支払い金額等の所要明細が視覚認識できる文字及び数字として印刷されている。また、カード会員には、カード管理会社から例えば1ケ月である所定期間毎に所定期間中における使用明細が印刷されたカード使用明細リストが送付される。従って、カード会員は、自身が保持しているカード使用明細顧客控シートとカード管理会社から送付されたカード使用明細リストとを照合することによって、関係者のミスによる誤りの発生の有無及び不正使用の発生の有無をチェックすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然るに、複数枚のカード使用明細顧客控シートに印刷されているカード使用明細データを順次にカード使用明細リストに印刷されているカード使用明細データと視覚的に照合する作業は、特にカード使用明細顧客控シートが多数枚である場合、相当煩雑である。
【0004】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、カード使用明細顧客控シートに印刷されているカード使用明細データを迅速且つ確実にカード管理システムに記憶されているカード使用明細データと照合することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討の結果、カード会員に渡されるカード使用明細顧客控シートに、カード使用明細データを目視にて読み取ることができる文字及び数字として印刷することに加えて、カード使用明細データをバーコードとして印刷し、照合作業の際にはかかるバーコードを機械的に読み取ることができるようになすことによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0006】
即ち、本発明の一局面によれば、上記主たる技術的課題を達成するカード使用明細照合システムとして、カード使用明細顧客控シートに印刷されている、カード使用明細データを示すバーコードを読み取るためのバーコード読み取り手段と、該バーコード読み取り手段が読み取ったデータを記憶するための記憶手段と、通信回線を介してカード管理システムに接続され、該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データにアクセスするための通信手段と、該記憶手段に記憶されているデータと該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データとを照合する照合手段と、該照合手段による照合結果を表示するための表示手段とを具備する、カード使用明細照合システムが提供される。
【0007】
本発明の他の局面によれば、上記主たる技術的課題を達成するカード使用明細照合システムとして、カード使用明細顧客控シートに印刷されている、カード使用明細データを示すバーコードを読み取るためのバーコード読み取り手段と、該バーコード読み取り手段が読み取ったデータを記憶するための記憶手段と、通信回線を介してカード管理システムに接続され、該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データとの照合のために該記憶手段に記憶されているデータを該カード管理システムに送信するための通信手段とを具備する、カード使用明細照合システムが提供される。
【0008】
本発明の更に他の局面によれば、上記主たる技術的課題を達成するためのカード使用明細顧客控シートとして、カード使用明細データが、文字及び数字として印刷されていると共にバーコードで印刷されている、カード使用明細顧客控シートが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カード使用明細顧客控シートに印刷されているバーコードを読み取り、読み取ったデータをカード管理システムに記憶されているカード使用明細データと自動的に照合することができる。カード会員が遂行すべき作業は、カード使用明細顧客控シートに印刷されているバーコードを読み取り手段によって読み取るための作業のみである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適実施形態について更に詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に従って印刷されたカード使用明細顧客控シートの典型例を図示している。全体を番号2で示すカード使用明細顧客控シートには、カード管理会社名、伝票番号、加盟店名(カード決済店名)、カードを使用した会員の会員番号、カード使用日、支払い様式(例えば一括払いか分割払い)、カード決済承認番号及び支払い金額等の所要明細が、目視によって読み取り可能な文字及び数字として印刷されている。カード使用明細顧客控シート2には、更に、所要明細を示すバーコ−ド4も印刷されていることが重要である。かかるバーコード4は通常の一次元バーコード或いは二次元バーコードでよい。バーコード4が示す使用明細データは、文字及び数字で印刷された使用明細の全てを含んでいることは必ずしも必要ではなく、特定の使用明細のみ、例えばカード管理会社、加盟店、会員番号、使用日及び支払い金額のみ、でもよい。バーコード4を簡潔なものにするために、所望ならば、例えば伝票番号のみを示すバーコードを印刷することもできる。カード使用明細顧客控シート2が印刷される際には、加盟店及び/又は管理会社用のカード使用明細シートも印刷されるが、所望ならばこれらのシートにもバーコードを印刷することもできる。
【0012】
図2には本発明に従って構成されたカード使用明細照合システムの好適実施形態が簡略に図示されている。図示のシステムは、通常のパーソナルコンピュータでよいコンピュータ6と、かかるコンピュータ6に接続されたバーコード読み取り手段8及び表示手段10を含んでいる。コンピュータ6は処理手段12、第一の記憶手段14、第二の記憶手段16及び通信手段18を含んでいる。通信手段18はインターネット或いは通常の電話回線でよい回線20を介して、カード管理会社が管理しているカード管理システム22に選択的に接続される。バーコード読み取り手段8は周知の適宜の形態のものでよい。表示手段10は液晶式或いはCRT式の表示手段でよい。
【0013】
図1及び図2と共に図3を参照して、カード使用明細照合プロセスの一例について説明すると、ステップn−1においては、バーコード読み取り手段8を使用して照合すべき複数枚のカード使用明細顧客控シート2に印刷されているバーコード4を次々に読み取り、読み取ったデータをコンピュータ6の第一の記憶手段14に記憶する。次いで、ステップn−2においては、コンピュータ6に内蔵されている通信手段18を作動せしめて回線20を介してカード管理システム22に接続し、カード管理システム22に記憶されているカード使用明細データにアクセスする。カード管理システム22に記憶されているデータに不正にアクセスするのを防止するために、特定の会員がカード管理システムに記憶されている自身のカード使用明細データにアクセスする際には、これに先立って会員番号或いはその他のIDデータを入力することが必要であるようになすのが好適である。カード管理システム22に記憶されているカード使用明細データにアクセスできると、かかるデータを回線を介して受信してコンピュータ6に内蔵されている第二の記憶手段16に記憶する。次いで、ステップn−3においては、第一の記憶手段14に記憶したデータ、即ち複数枚のカード使用明細顧客控シート2に印刷されているバーコード4を次々に読み取って記憶したデータと、第二の記憶手段16に記憶されているデータ、即ちカード管理システム22から入手して記憶したデータとを照合する。かかる照合は処理手段12によって自動的に遂行される。ステップn−4において、照合の結果を表示手段10に表示する。照合するデータが合致している場合には誤り及び/又は不正がないことが確認され、照合するデータが合致しない場合には誤り及び/又は不正が存在することになる。図3に図示するプロセスにおいては、カード管理システム22に記憶されているデータにアクセスした後にかかるデータを入手して第二の記憶手段16に記憶し、しかる後に照合を遂行しているが、所望ならばカード管理システム22にアクセスした後に、第一の記憶手段14に記憶されているデータを回線20を介して直接的にカード管理システム22に記憶されているデータと照合することもできる。或いは、カード使用明細顧客控シート2に印刷されているバーコード4を次々に読み取る前に、カード管理システム22に記憶されているデータを回線20を介して受信して第二の記憶手段16に記憶しておくこともできる。
【0014】
図4はカード使用明細照合プロセスの他の形態を示している。図1及び図2と共に図4を参照して説明すると、図4に示すプロセスにおいては、ステップm−1において、上述したプロセスの場合と同様に、複数枚のカード使用明細顧客控シート2に印刷されているバーコード4を次々に読み取り、読み取ったデータをコンピュータ6の第一の記憶手段14に記憶する。次いで、ステップm−2においては、コンピュータ6の通信手段18を作動せしめてカード管理システム22に接続し、第一の記憶手段14に記憶されているデータを回線20を介してカード管理システム22に送信する。次いで、ステップm−3においては、カード管理スシテム22側において送信されたデータ、即ち複数枚のカード使用明細顧客控シート2に印刷されているバーコード4を次々に読み取って記憶したデータとカード管理システム22に記憶されているカード使用明細データとを照合する。しかる後に、ステップm−4において、照合の結果をカード管理システム22が回線20を介してコンピュータ6に返信し、かかる照合結果が表示手段10に表示される。カード管理システム22における照合の結果は、所望ならば回線20を介して返信することに代えて或いはこれに加えて、照合結果を文字及び数字で印刷した印刷物を郵送することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に従って印刷されたカード使用明細顧客控シートの典型例を示す簡略図。
【図2】本発明に従って構成されたカード使用明細照合システムの好適実施形態を示すブロック線図。
【図3】カード使用明細照合プロセスの一例を示すフローチャート。
【図4】カード使用明細照合プロセスの他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0016】
2:カード使用明細顧客控シート
4:バーコード
6:コンピュータ
8:バーコード読み取り手段
10:表示手段
12:処理手段
14:第一の記憶手段
16:第二の記憶手段
18:通信手段
20:回線
22:カード管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード使用明細顧客控シートに印刷されている、カード使用明細データを示すバーコードを読み取るためのバーコード読み取り手段と、該バーコード読み取り手段が読み取ったデータを記憶するための記憶手段と、通信回線を介してカード管理システムに接続され、該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データにアクセスするための通信手段と、該記憶手段に記憶されているデータと該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データとを照合する照合手段と、該照合手段による照合結果を表示するための表示手段とを具備する、カード使用明細照合システム。
【請求項2】
カード使用明細顧客控シートに印刷されている、カード使用明細データを示すバーコードを読み取るためのバーコード読み取り手段と、該バーコード読み取り手段が読み取ったデータを記憶するための記憶手段と、通信回線を介してカード管理システムに接続され、該カード管理システムに記憶されているカード使用明細データとの照合のために該記憶手段に記憶されているデータを該カード管理システムに送信するための通信手段とを具備する、カード使用明細照合システム。
【請求項3】
カード使用明細データが、文字及び数字として印刷されていると共にバーコードで印刷されている、カード使用明細顧客控シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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