説明

カード処理システム、カード処理方法

【課題】有料道路のETCシステムにプリペイド方式のICカードを利用できるようにする上で不正行為を防止しつつ利用者の利便性向上を図る。
【解決手段】有料道路の入口料金所に、進入する車両に搭載された車載器との無線通信により入口処理を行うETC用アンテナ21aと、このETC用アンテナ21aでの入口処理で入口ETC処理エラーが発生した場合、ICカードとの無線通信を行うことにより上記のエラーケース[1]〜[4]に応じて入口処理を行うアンテナユニット11a,11bおよび制御装置19とを備える。出口料金所には、ETC用アンテナ31とアンテナユニット35a,35bを備える。ETCの車載器を搭載した車両が入口料金所に進入する際に、車載器にICカードが未挿入であっても、アンテナユニット11a,11bおよび制御装置19による非接触ICカード処理で入口処理を完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有料道路の通行料金をプリペイド方式のICカードで支払うためのカード処理システム、カード処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、広く市場に出回っている磁気カード式プリペイドカード(以下磁気カードと称す)は、無記名で手軽に入手でき、利用者にとっては利便性が高く、有料道路などで従来型料金収受システムとして広く利用されている。
【0003】
また、有料道路には、無線式自動料金収受(ETC)システムが導入されている。このETCシステムは、車両に車載器を搭載し、この車載器にETCカードを装着することで、車載器が料金所に設置されたアンテナと無線通信を行い、入口処理あるいは出口処理を行うので、料金所をほぼノンストップで通過することができる。
【0004】
一方、近年では、鉄道などの交通機関において、自動改札機と微弱電波で無線通信する機能を備えた非接触型ICカードが利用されており、駅の改札口での混雑緩和に貢献している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような中、有料道路においても磁気カードからICカードへ、さらにICカードについてはETCカードと非接触型ICカードとの共用化が必至であり、この場合、以下のような問題がある。
【0006】
すなわち、従来型料金収受システムである磁気カード式プリペイドカードは、金額情報等のデータの不正な書換に対するリスクを常に背負っており、セキュリティの強化が強く望まれる。
【0007】
また、無線式自動料金収受(ETC)システムは、従来型料金収受システムとの混在運用であり、従来型料金収受システムのスループットが低いことによる悪影響を受けて、料金所におけるETC車のスループットが上がらず、渋滞を大幅に緩和するまでには至らず、利用者の利便性がよくなっているとは言い難い。また、万一、ETC処理でエラーが発生した場合、更なるスループットの低下を招くため、利用者の利便性が悪化する恐れもある。
【0008】
また、微弱電波を利用した非接触型ICカードは、カード単体での利用が可能であることから、ETCのように車載器とのセット契約とは異なり、有料道路内に進入した車両どうしでICカードを交換するなどの不正行為が行われる恐れがある。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、車載器とのインターフェース機能とカード単体による無線通信機能とを持たせたICカードを有料道路で利用する上で、不正を防止しつつ利用者の利便性向上を図ることのできるカード処理システム、カード処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、このカード処理システムは、有料道路に進入する車両に搭載された車載器との無線通信により入口処理を行う第1無線処理手段と、前記第1無線処理手段による入口処理で異常終了した場合、前記車載器に装着されるべきICカードとの無線通信により入口処理を行う第2無線処理手段と、前記第2無線処理手段による入口処理で入口情報が記憶されたICカードが前記車載器に装着された場合、前記車載器と前記ICカードにそれぞれ記憶されている車載器固有情報を突合せ確認する突合せ確認手段と、前記突合せ確認手段により互いの車載器固有情報が整合した場合に、前記ICカードに記憶されている入口情報を車載器に記憶する手段とを具備したことを特徴としている。
【0011】
このカード処理システムは、有料道路に進入する車両に搭載され、ICカードが装着された車載器との無線通信、あるいは前記ICカードとの無線通信により入口処理を行う無線処理手段と、前記無線通信手段による入口処理で前記車載器側に取得された入口情報が記憶されたICカードが前記車載器から抜き取られ、前記車載器に再装着された場合、前記車載器および前記ICカードにそれぞれ記憶されているべき車載器固有情報と前記入口情報とを突合せ確認する突合せ確認手段と、前記突合せ確認手段により互いの車載器固有情報および入口情報の少なくとも一方が不整合の場合、不正の可能性がある旨を前記ICカードおよび前記車載器の少なくとも一方に記憶する手段とを具備したことを特徴としている。
【0012】
このカード処理システムは、有料道路から退出する車両に搭載された車載器と無線通信することで出口処理を行う第1無線処理手段と、前記第1無線処理手段による出口処理で異常終了した場合、前記車載器に装着されるべきICカードとの無線通信により前記ICカードから情報を取得する第2無線処理手段と、前記第2無線処理手段による出口処理で、前記ICカードから得られた情報と、前記第1無線処理手段による出口処理で異常終了するまでに前記車載器から取得された情報とを照合して出口処理可能か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により処理可能と判定された場合、得られた情報から車種確定を行い出口処理を行う出口処理手段と、前記出口処理手段による出口処理結果の情報と前記第1無線処理手段による出口処理の際に異常終了した履歴情報を前記ICカードに記憶する手段とを具備したことを特徴としている。
【0013】
このカード処理システムは、有料道路に進入する車両に搭載され、ICカードが装着されるべき車載器と無線通信することで入口または出口の処理を行う第1無線処理手段と、前記第1無線処理手段による入口または出口の処理で車載器固有情報が得られたもののカード個別情報が得られなかった場合、前記ICカードの利用者にカード未挿入を通知する手段と、前記車載器に装着されるべきICカードとの無線通信により入口または出口の処理を行う第2無線処理手段と、ICカードが前記車載器に装着された場合、前記車載器および前記ICカードにそれぞれ記憶されている車載器固有情報を突合せ確認する突合せ確認手段と、前記突合せ確認手段による確認結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告する手段とを具備したことを特徴としている。
【0014】
このカード処理システムは、車両に搭載された車載器にICカードが装填されたことを検知する検知手段と、前記検知手段により前記車載器に前記ICカードが装填されたことが検知された場合、前記車載器に記憶されている車載器固有情報を前記ICカードに記憶すると共に、前記ICカードに記憶されているカード個別情報を前記車載器に記憶する手段と、有料道路に進入する前記車両の車載器から抜き取られたICカードとの無線通信により入口処理を行う入口無線処理手段と、入口処理後に前記ICカードが前記車載器に再装填された場合、前記ICカードに記憶された車載器固有情報と前記車載器に記憶されている車載器固有情報との突合せ確認を行う突合せ確認手段と、前記突合せ確認手段による確認結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告する手段とを具備したことを特徴としている。
【0015】
このカード処理システムは、電気接点と無線通信用のアンテナとを有するICカードと前記電気接点を通じて通信を行うことで接点不良を検知する検知手段と、前記検知手段により接点不良が検知された場合、前記アンテナを通じて前記ICカードに記憶されている情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記ICカードの情報を上位のホストコンピュータに送信し照会を依頼する手段と、前記ICカードの情報の照会依頼に対して前記ホストコンピュータより整合したことの回答があった場合、前記ICカードの情報を新規カードに書き込み再発行を行う手段とを具備したことを特徴としている。
【0016】
このカード処理方法は、有料道路に進入する車両に搭載された車載器と第1無線処理手段との無線通信により入口処理を行うステップと、入口処理が異常終了した場合、前記車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信により入口処理を行うステップと、前記第2無線処理手段による入口処理で入口情報が記憶されたICカードが前記車載器に装着された場合、前記車載器と前記ICカードにそれぞれ記憶されている車載器固有情報を突合せ確認するステップと、互いの車載器固有情報が整合した場合に、前記ICカードに記憶されている入口情報を車載器に記憶するステップとを有することを特徴としている。
【0017】
このカード処理方法は、有料道路に進入する車両に搭載され、ICカードが装着された車載器との無線通信、あるいは前記ICカードと無線処理手段との無線通信により入口処理を行うステップと、前記無線通信手段による入口処理で前記車載器側に取得された入口情報が記憶されたICカードが前記車載器から抜き取られ、前記車載器に再装着された場合、前記車載器およびICカードにそれぞれ記憶されているべき車載器固有情報と前記入口情報とを突合せ確認するステップと、この突合せ確認の結果、互いの車載器固有情報および入口情報のうち少なくとも一方が不整合の場合、不正の可能性がある旨を前記ICカードおよび前記車載器の少なくとも一方に記憶するステップとを有することを特徴としている。
【0018】
このカード処理方法は、有料道路から退出する車両に搭載された車載器と第1無線処理手段との無線通信により出口処理を行うステップと、前記第1無線処理手段による出口処理で異常終了した場合、前記車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信により前記ICカードから情報を取得するステップと、前記第2無線処理手段による出口処理で、前記ICカードから得られた情報と、前記第1無線処理手段による出口処理で異常終了するまでに前記車載器から取得された情報とを照合して出口処理可能か否かを判定するステップと、この判定により処理可能と判定された場合、得られた情報から車種確定を行い出口処理を行うステップと、出口処理結果の情報と前記第1無線処理手段による出口処理の際に異常終了した履歴情報を前記ICカードに記憶するステップとを有することを特徴としている。
【0019】
このカード処理方法は、有料道路に進入する車両に搭載され、ICカードが装着されるべき車載器と第1無線処理手段との無線通信により入口または出口の処理を行うステップと、前記第1無線処理手段による入口または出口の処理で車載器固有情報が得られたもののカード個別情報が得られなかった場合、前記ICカードの利用者にカード未挿入を通知するステップと、前記車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信により入口または出口の処理を行うステップと、前記ICカードが前記車載器に装着された場合、前記車載器および前記ICカードにそれぞれ記憶されている車載器固有情報を突合せ確認するステップと、この突合せ確認の結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告するステップとを有することを特徴としている。
【0020】
このカード処理方法は、車両に搭載された車載器にICカードが装填されたことを検知するステップと、前記車載器に前記ICカードが装填されたことが検知された場合、前記車載器に記憶されている車載器固有情報を前記ICカードに記憶すると共に、前記ICカードに記憶されているカード個別情報を前記車載器に記憶するステップと、有料道路に進入する前記車両の車載器から抜き取られたICカードと入口無線処理手段との無線通信により入口処理を行うステップと、入口処理後に前記ICカードが前記車載器に再装填された場合、前記ICカードに記憶された車載器固有情報と前記車載器に記憶されている車載器固有情報との突合せ確認を行うステップと、この突合せ確認の結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告するステップとを有することを特徴としている。
【0021】
このカード処理方法は、電気接点と無線通信用のアンテナとを有するICカードと前記電気接点を通じて通信を行うことで接点不良を検知するステップと、接点不良が検知された場合、前記アンテナを通じて前記ICカードに記憶されている情報を読み取るステップと、読み取った前記ICカードの情報を上位のホストコンピュータに送信し照会を依頼するステップと、前記ICカードの情報の照会依頼に対して前記ホストコンピュータより整合したことの回答があった場合、前記ICカードの情報を新規カードに書き込み再発行を行うステップとを有することを特徴としている。
【0022】
この発明では、有料道路の入口に進入する車両の車載器と第1無線処理手段との無線通信により入口処理を行い、この入口処理が異常終了した場合、車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信により入口処理を行う。そして、第2無線処理手段による入口処理で入口情報が記憶されたICカードが車載器に装着された場合、車載器とICカードにそれぞれ記憶されている車載器固有情報を突合せ確認し、互いの車載器固有情報が整合した場合に、ICカードに記憶されている入口情報を車載器に記憶する。つまり、第1無線処理手段による処理エラーを第2無線処理手段がバックアップする形で処理を行うので、車載器にICカードを装着し忘れた場合や、車載器とICカードとの接点不良などのエラーが発生した場合でも入口処理を完了できるようになる。
【0023】
この発明では、有料道路に進入する車両に搭載された車載器あるいはICカードと無線処理手段とが無線通信により入口処理を行った後に、ICカードが車載器から抜き取られ、車載器に再装着された場合(ICカードが抜き差しされた場合)、車載器およびICカードにそれぞれ記憶されているべき車載器固有情報と入口情報とを突合せ確認し、互いの車載器固有情報および入口情報の少なくとも一方が不整合の場合、不正の可能性がある旨をICカードおよび前記車載器の少なくとも一方に記憶するので、有料道路内で他の車両との間でICカードを交換するなどといった不正行為を出口処理の際に検出および発見できるようになる。
【0024】
この発明の場合、有料道路を利用した車両が有料道路から退出する際に、車両に搭載された車載器と第1無線処理手段との無線通信により出口処理を行い、この出口処理で異常終了した場合、車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信によりICカードから情報を取得し、このICカードから得られた情報と、第1無線処理手段による出口処理で異常終了するまでに車載器から取得された情報とを照合して出口処理可能か否かを判定し、この判定により処理可能と判定された場合、得られた情報から車種確定を行い出口処理を行い、出口処理結果の情報と異常終了の履歴情報とをICカードに記憶するので、出口に進入する際に車載器にICカードを装着し忘れた場合や、車載器とICカードとの接点不良などのエラーが発生した場合でも出口処理を完了できるようになる。また、異常終了の履歴情報をICカードに記憶しておくことで、エラー原因を追究し、対処できるようになる。
【0025】
この発明の場合、有料道路に進入する車両に搭載された車載器と第1無線処理手段との無線通信により入口処理を行ったときに、車載器固有情報が得られたもののカード個別情報が得られなかった場合、ICカードの利用者にカード未挿入を通知し、車載器に装着されるべきICカードと第2無線処理手段との無線通信により入口処理を行う。そして、第2無線処理手段による入口処理で入口情報が記憶されたICカードが車載器に装着された場合、車載器から車載器固有情報を読み取り、ICカードに記憶されている車載器固有情報とを突合せ確認し、この突合せ確認の結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告するので、ICカードを装着し忘れて有料道路に進入した車両の利用者が、有料道路内で異なるICカードを車載器に装着してしまった場合の誤りや、他の車両との間で悪意をもってICカードを交換するなどといった不正行為を防止できる。
【0026】
この発明では、車両に搭載された車載器にICカードが装填されたことを検知された場合、車載器に記憶されている車載器固有情報をICカードに記憶すると共に、ICカードに記憶されているカード個別情報を車載器に記憶して互いの情報の同期を取り、有料道路に進入する車両の車載器からICカードが抜き取られて、そのICカードと入口無線処理手段との無線通信により入口処理が行われ、入口処理後にICカードが車載器に再装填された場合、ICカードに記憶された車載器固有情報と前記車載器に記憶されている車載器固有情報との突合せ確認を行い、この突合せ確認の結果、互いの車載器固有情報が不整合の場合、不正の可能性がある旨を警告する。つまり車載器にICカードが装填(セット)されたときと有料道路内に車両が進入したときとで、ICカードと車載器の情報の整合性を確認することで、例えば車載器付きレンタカーなどでICカードの利用が可能になり、ICカードの利用用途が広がり、利用者の利便性を向上することができる。
【0027】
この発明では、電気接点と無線通信用のアンテナとを有するICカードと電気接点を通じて通信を行うことで接点不良を検知した場合、アンテナを通じてICカードに記憶されている情報を読み取り、読み取ったICカードの情報を上位のホストコンピュータに送信し照会を依頼し、この照会依頼に対してホストコンピュータより整合したことの回答があった場合、ICカードの情報を新規カードに書き込み再発行を行うので、例えば有料道路の最寄の料金所などでICカードの再発行を行えるようになり、利用者の利便性を向上することができる。
【0028】
この結果、車載器とのインターフェース機能とカード単体による無線通信機能とを持たせたICカードを有料道路で利用可能にする上で、不正行為を防止しつつ利用者の利便性向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、有料道路の料金所に進入する車両に搭載された車載器が無線処理する際に異常終了した場合、ICカードによる無線通信でシステム側が情報を取得し、異常終了時のエラーケースに応じて情報の突合せ確認を行った上で入口および出口の処理を行うので、例えばICカードが車載器に未装着の場合でも出入口の処理が可能になり、利用者の利便性を向上することかできる。
【0030】
また、ICカードが車載器から抜かれて再挿入される際には、互いの車載器固有情報の突合せ確認を行うので、車両どうしのICカードの交換などによる不正行為を検出できるようになる。
【0031】
この結果、車載器とのインターフェース機能とカード単体による無線通信機能とを持たせてICカードを有料道路で利用する上で、不正を防止しつつ利用者の利便性向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るカード処理システムの一つの実施の形態である有料道路の料金収受システムを示す図、図2は図1の料金収受システムの入口システムの構成を示す図、図3は図2の入口システムにおける機器概略配置図、図4はICカードの構成を示す図、図5は出口システムの構成を示す図、図6は図5の出口システムにおける機器概略配置図、図7は出口システムの屋外アンテナユニットの構成を示す図である。
【0033】
図1に示すように、この実施形態の料金収受システムは、有料道路の入口に設置される、入口ETCシステム1、入口従来型料金収受システム3、入口非接触ICカードシステム5などからなる入口システムと、有料道路の出口に設置される、出口ETCシステム2、出口従来型料金収受システム4、出口非接触ICカードシステム6などからなる出口システムと、これら入口システムおよび出口システムと通信回線8を介して接続された上位システムのホストコンピュータ9(以下上位ホスト9と称す)とから構成されている。
【0034】
入口従来型料金収受システム3は、簡易車種自動判別、通行券の発行、入口車線の開閉制御などを行うシステムである。入口非接触ICカードシステム5は、微弱電波によるICカードとの無線通信(非接触型ICカード処理)で入口処理するシステムである。
【0035】
出口従来型料金収受システム4は、車両のドライバーから収受員が受け取った通行券の情報に基づく出口処理(料金収受処理)を行うシステムである。出口非接触ICカードシステム6は、微弱電波によるICカードとの無線通信(非接触型ICカード処理)で出口処理(料金収受処理)を行うシステムである。
【0036】
上位ホスト9は、有料道路の出口において車線内および車線外で出口処理を行った結果と、入口でカード処理した入口情報とを通信回線8から受信し、互いの情報を照合し、差異が確認されたICカードを不正カードとして自身のデータベースのICカードの情報に登録し有料道路の入口もしくは出口に配信する機能を有している。
【0037】
この他、不正カードの情報は、有料道路の入口および出口に配信してもよい。また、上位ホスト9は、料金所に設置されたカード処理装置30から受信されたICカードの情報の照会依頼に対して自身のデータベースを検索し、データベース内に利用可能なICカードとして登録されているカード情報とICカードの情報とが整合した場合にはその旨を依頼元へ回答する。
【0038】
図2,図3に示すように、入口システムは、アンテナユニット11a,11b、車種判別装置12、通行券自動発行装置13、左ハンドル車用通行券自動発行装置14(以下左ハンドル車用発券装置14と称す)、路側表示装置15、発進検知装置16、発進制御装置17、制御装置19、ETC用アンテナ21a,21b、ETC車線制御装置20、ETC車両検知装置22a〜22dなどを有している。
【0039】
アンテナユニット11aは、車線の右側の路側部に立設された棒状の筐体部を有している。筐体部は、車線内に進入した車両を一旦停車させた運転者が窓から手を伸ばして届く路側部の位置(車両進行方向右側)に配置されている。
【0040】
この筐体部には、上段、中段、下段にそれぞれアンテナ部と表示部が配設されている。上段のアンテナ部、表示部は、大型車、バス等の座席が比較的高い車両のためのものである。中段のアンテナ部、表示部は、ワンボックスカー等の高さの車両のためのものである。
【0041】
下段のアンテナ部、表示部は、乗用車、軽自動車、バイク等の比較的座席が低い車両のためのものである。各表示部は、制御装置19によって選択されたアンテナ部のカード処理機能(無線通信機能)が有効なときに点灯、点滅、あるいはメッセージ表示を行う。メッセージとは例えば「ICカードをこの位置にかざしてください。」、「前の車両の処理が済むまで少しお待ちください」等といったものである。
【0042】
このアンテナユニット11aでは、3段のアンテナ部の中の少なくとも一つの所定の範囲内に無線通信可能なICカードが近付けられると、当該アンテナ部が無線通信によりICカードからカード情報を取得し、取得したカード情報が正常な場合に車両情報、車種情報および入口情報などを無線通信でICカードに記録する。所定範囲内とは、この場合、例えば数10cm以内の範囲である。なお、近付けられるとは、例えばタッチ(当接)する、あるいはかざす(近接)等の行為が含まれる。
【0043】
アンテナユニット11bは、車線の左側の路側部に立設された棒状の筐体部を有している。筐体部には、アンテナユニット11aの下段とほぼ同じ高さの位置にアンテナ部、表示部が配設されている。アンテナ部、表示部は、左ハンドル車の運転者が窓から手を伸ばして届く位置に配置されている。表示部は、アンテナ部のカード処理機能(無線通信機能)が有効なときに点灯、点滅、あるいはメッセージ表示を行う。
【0044】
つまり、アンテナユニット11bは、アンテナユニット11aと車線を介してほぼ対向する路側部の位置(車両進行方向左側)に配置されており、左ハンドル車の運転者用に少なくとも一つ(この場合、下段の位置の高さで1つ)設けた第2アンテナ部の位置に近付けられたICカードと第2アンテナ部が無線通信することでICカードからカード情報を取得しカード情報が正常な場合に車両情報、車種情報および入口情報を無線通信でICカードに記録する。
【0045】
車種判別装置12は、車線に進入してきた車両を検知すると共に進入車両の軸数・車高・車長・ナンバープレート等の車両情報を取得し、取得した車両情報から車両の車種を判別する。ここでの車種とは、料金収受のために有料道路の運営側で区分した車両の種類であり、例えば大型、大型特殊、中型、小型、軽自動車などである。通行券自動発行装置13は、ICカードに対する入口処理にエラーが発生する等して入口処理が正常に終了しなかった場合に進入車両の車種に応じた通行券を発行する。
【0046】
左ハンドル車用発券装置14は、通行券自動発行装置13と車線を介してほぼ対向する路側部の位置に配置されており、左ハンドルの車両の運転者に対して通行券を発行する。路側表示装置15は、処理状況および誘導内容を表示して車両の運転者に車両の誘導内容を通知する。発進検知装置16は、車両の運転者が通行券を受け取るか、あるいはICカードにて入口処理を行った後、車両が発進を始めて車線から退出するのを検知する。
【0047】
発進制御装置17は、入口処理の結果に応じて車両の通過を許可あるいは阻止するためのものである。制御装置19は、上記アンテナユニット11a,11bを含む各装置と通信線で接続されており、個々の装置から情報を取得し、アンテナユニット11a,11bを利用した入口処理および路側の各機器の制御(アンテナユニット11a,11bのカード処理機能を有効/無効にする制御、通行券自動発行装置13および左ハンドル車用発券装置14に対する通行券発行制御、発進制御装置17の開閉制御等)を行う。
【0048】
なお、上記入口システムと出口システムは、対距離課金制のシステムの構成例であるが、均一料金制のシステムでは、有料道路の入口あるいは出口のいずれか一方において料金を徴収するための収受処理を行うため、上記出口システムと同様に機器構成が入口システムに導入される。均一料金制のシステムとは有料道路の入口あるいは出口のいずれか一方で均一の料金を一括して徴収する形態のシステムである。
【0049】
通行券自動発行装置13には、鉛直方向(異なる高さ)に複数の発券部が配置されている。この通行券自動発行装置13の複数の発券部を第1通行券発行部という。各発券部は、制御装置19の制御により、通行券を発行し、場合によっては発行した通行券を一時退避し、その後、完全収納したり再発行する機能を有している。「場合によって」とは、ICカードがいずれかのアンテナ部にかざされた場合、あるいはアンテナ部にかざされたICカードの処理が正常に終了しなかった場合等である。
【0050】
左ハンドル車用発券装置14には、通行券自動発行装置13の下段の発券部と同じ高さの位置に発券部が配設されている。この左ハンドル車用発券装置14の発券部を第2通行券発行部という。
【0051】
発券部は、制御装置19の制御により、通行券を発行し、場合によっては発行した通行券を一時退避し、その後、完全収納したり再発行する機能を有している。
つまり、通行券自動発行装置13の各発券部とアンテナユニット11aの各アンテナ部とは、それぞれが対応し近傍位置に配置されており、左ハンドル車用発券装置14の発券部とアンテナユニット11bのアンテナ部とが対応し近傍位置に配置されている。
【0052】
それぞれの発券部とアンテナ部との対応関係は、LAN等の通信の場合はアドレス管理テーブルで互いの対応関係を管理する。これ以外に、通信線の系統を分けて物理的な配線で対応関係を管理しても良い。
【0053】
ETC用アンテナ21aは、車両に搭載された車載器との無線通信により車載器および車載器にセットされたICカードの情報を取得し、ICカードの情報が正しい場合に入口情報を車載器に送信し車載器のICカードに書き込む。
【0054】
ETC車両検知装置22aは、車種判別装置12近傍に車線をまたぐように配置され、車線に進入した車両を検知してETC車線制御装置20に通知する。ETC車線制御装置20は、ETC車両検知装置22aにより車両の進入が検知されると、ETC用アンテナ21aに対して電波の発信を指示し、ETC用アンテナ21aと車載器との通信が開始される。ETC車両検知装置22bは、ETC用アンテナ21aの通信領域の終端位置に車線をまたぐように配置され、ETC用アンテナ21aの通信領域から車両が退出するのを検知してETC車線制御装置20に通知する。
【0055】
ETC車線制御装置20は、ETC車両検知装置22bによりETC用アンテナ21aの通信領域から車両の退出が検知されると、ETC用アンテナ21aに対して電波の発信を停止する指示を行い、ETC用アンテナ21aによる無線通信が終了される。
【0056】
ETC車線制御装置20は、ETC路側機器の入口処理を制御する。ETC車両検知装置22cは、入口車線のほぼ中央部に車線をまたぐように配置され、この位置を通過する車両を検知しETC車線制御装置20に通知する。ETC車両検知装置22dは、入口車線の車両退出口(終端部)に車線をまたぐように配置され、この位置を通過する車両を検知しETC車線制御装置20に通知する。
【0057】
図4に示すように、この料金収受システムで使用されるICカードは、カードに内蔵された半導体メモリと演算部などからなるICチップ51と、カード表面に設けられた接触型用IC端子52と、カード周縁部に形成された非接触型IC用アンテナ53とを有している。
【0058】
ICチップ51の半導体メモリには、カードID番号等のカード個別情報(固定情報)と、プリペイド金額(残額)情報および利用履歴情報等の可変情報がカード情報として記憶されている。利用履歴情報には、入口処理の際に特定された車両のナンバープレート番号等の車両情報、判別された車両の車種情報、入口情報等が含まれている。
【0059】
また、半導体メモリには、演算部を動作させるソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアは演算部に読み込まれて、ICカードが車載器にセットされたとき、当該車載器固有情報とICカード内へ記録された車載器固有情報との突合せ確認を行い、整合性が確認できた場合は、ICカードのメモリから車載器のメモリへ入口情報を書き込み(コピーし)、車載器とICカードとの記憶内容を一致させる処理を行う。カード表面には、このICカードを目視で特定できるようにカード個別のカードID番号が印字されている。
【0060】
接触型用IC端子52はこのICカードがETCの車載器にセットされたときに車載器と通信を行うための端子である。
【0061】
非接触型IC用アンテナ53は、上記アンテナユニット11a,11bのアンテナ部と無線通信を行うためのアンテナであり、アンテナユニット11a,11bのアンテナ部から発信された電波を受けて通信を行う。
【0062】
つまり、このICカードには、内部の基材に設けられた無線タグと呼ばれるICチップ51と、カード処理装置30とのインターフェース(電気接点)としての接触型用IC端子52と、基材への導体のパターニング(銅箔の印刷配線等)で形成されたアンテナ(非接触型IC用アンテナ53)とが取り付けられている。
【0063】
図5,図6に示すように、出口システムは、アンテナユニット35a,35b、車種判別装置32、ICカードの処理状況(引去り金額や引去り後の残額等)の表示およびICカードによる処理を促すための表示等を行う路側表示装置23、通行券等を処理すると共に係員に対する表示や係員が入力操作を行う紙葉類処理装置24、利用証明書等を発行する領収書発行装置25、発進検知装置26、発進制御装置27、ETC用接触式ICカードの処理装置(読み取りおよび書き込み装置(リーダライタ:R/W)であるカード処理装置30、このカード処理装置30を介してICカードの情報を取得し料金収受に関する処理を行うと共に各路側機器の制御を行う制御モジュール28を内蔵した制御装置29、ETC用アンテナ31、ETC車両検知装置33a、33b、ETC車線制御装置39などから構成されている。
【0064】
車種判別装置22は、有料道路を通行し出口の車線(出口レーン)に進入してきた車両(有料道路から退出する車両)を検知すると共にその車両の軸数・車高・車長・ナンバープレート番号等の車両情報を取得し、取得した車両情報から車両の車種を判別する。
【0065】
ここでの車種とは、料金収受のために有料道路の運営側で区分した車両の種類であり、例えば大型、大型特殊、中型、小型、軽自動車などである。カード処理装置30は、ICカードの接触型用IC端子52とのインターフェース(接触型IC用端子)を備えており、ICカードが挿入され、互いの端子が接続されると、通信を開始してICカードに記憶されている情報に基づいて料金収受処理を行う。
【0066】
また、カード処理装置30には、アンテナユニット11a,11bと同様の無線通信機能、つまり装置表面にICカードをかざす、あるいはタッチすることでICカードとの無線通信によりICカードから情報を読み取り、処理結果を書き込む機能が設けられている。この無線通信機能は、例えば数10cm程度の通信範囲の電波を発信し、発信した電波とICカード側の非接触型IC用アンテナ53との共振により、ICカードのICチップ51に対する情報の読み取り処理、書き込み処理、書き込み情報の確認処理等を行う。
【0067】
制御装置29の制御モジュール28は、半導体メモリなどの一部であり、ICカードおよび車両に関する処理、係員ブース36内の各機器あるいは路側の各機器の制御を行うための制御プログラムが記憶されている。なお、制御モジュール28そのものをソフトウェアとしてもよい。
【0068】
制御装置29は制御モジュール28の処理を実行し有料道路の利用に関する処理(出口処理等)および上記各装置の制御を行う。制御モジュール28には、予め出口情報(料金所番号、レーン番号、自料金所と他料金所との料金情報(料金テーブル)等)が記憶されている。
【0069】
制御モジュール28(あるいは紙葉類処理装置24等)は、有料道路から退出する車両のICカードあるいは通行券に記憶(記録)されている入口情報と出口情報とから通行料金(利用料金)を算出し収受する。
【0070】
ETC用アンテナ31は、車両に搭載された車載器との無線通信により車載器および車載器にセットされたICカードの情報を取得する。また、ETC用アンテナ31は、ETCにより料金収受処理した結果のデータを車載器に送信して車載器とICカードに記憶する。
【0071】
ETC車両検知装置33aは、車種判別装置32近傍に車線をまたぐように配置され、車線に進入した車両を検知してETC車線制御装置39に通知する。ETC車線制御装置39は、ETC車両検知装置33aにより車両の進入が検知されると、ETC用アンテナ31の電波の発信を指示し、ETC用アンテナ31と車載器との通信が開始される。
【0072】
ETC車両検知装置33bは、ETC用アンテナ31の通信領域の終端位置に車線をまたぐように配置され、ETC用アンテナ31の通信領域から車両が退出するのを検知してETC車線制御装置39に通知する。
【0073】
ETC車線制御装置39は、ETC車両検知装置33bによりETC用アンテナ31の通信領域から車両の退出が検知されると、ETC用アンテナ31の電波の発信を停止する指示を行い、ETC用アンテナ31による無線通信のETC処理が終了される。
【0074】
図7に示すように、係員ブース36の外部に設置されたアンテナユニット35a,35bは、本体筐体部41a、野外筐体部41bを通信線で接続した筐体部、制御部43、電源部44、アンテナ部46、表示部47などから構成されている。
【0075】
本体筐体部41aは、制御装置29内に配置されており、制御部43、電源部44が収納されている。制御部43は、制御装置29の制御モジュール28と接続(インターフェース)されている。
【0076】
制御部43は、この装置全体を統括制御すると共に、制御モジュール28と通信することで処理対象のICカードに対するカード処理を行う。電源部44は装置各部に電源を供給する。野外筐体部41bにはアンテナ部46、表示部47が収容されている。
【0077】
アンテナ部46はICカードと無線通信を行う。表示部47はICカードの利用に関する表示と、処理状況、エラー内容などを表示する。
【0078】
なお、ここに示したアンテナユニット35a,35bの配置構成は、単なる一例であり、設置条件によっては、野外筐体部にすべての構成を配置しても良く、各筐体内の構成の組合せを変えてもよい。例えばアンテナ部46を、制御部43・表示部47等を含む本体から分離して、アンテナ部46と表示部47をそれぞれ別個の位置(屋外)に配置してもよい。
【0079】
アンテナユニット35aは、車線の右側の路側部に立設された棒状の野外筐体部41bを有している。野外筐体部41bには、上段、中段、下段にそれぞれアンテナ部46、表示部47が配設されている。
【0080】
上段のアンテナ部46、表示部47は、大型車、バス等の座席が比較的高い車両のためのものである。中段のアンテナ部46、表示部47は、ワンボックスカー等の高さの車両のためのものである。
【0081】
下段のアンテナ部46、表示部47は、乗用車、軽自動車、バイク等の比較的座席が低い車両のためのものである。各表示部47は、制御装置29によって選択されたアンテナ部46のカード処理機能(無線通信機能)が有効なときに点灯、点滅、あるいはメッセージ表示を行う。メッセージとは、例えば「ICカードをこの位置にかざしてください。」、「前の車両の処理が済むまで少しお待ちください」等といった案内である。
【0082】
アンテナユニット35bは、車線の左側の路側部に立設された棒状の野外筐体部41bを有している。野外筐体部41bには、アンテナユニット35aの下段とほぼ同じ高さの位置にアンテナ部46、表示部47が配設されている。アンテナ部46、表示部47は、左ハンドル車の運転者が窓から手を伸ばして届く位置に配置されている。表示部47は、アンテナ部46のカード処理機能(無線通信機能)が有効なときに点灯、点滅、あるいはメッセージ表示を行う。
【0083】
なお、各アンテナ部46のカード処理機能(無線通信機能)を有効あるいは無効とする上では、通常はすべてのアンテナ部46を停止させておいて、車種判別装置32により車両が判別されたときに、その車両の車種に応じた位置のアンテナ部46のみを動作させる方法と、予めすべてのアンテナ部46を動作させておき、車種判別装置32により車両が判別されたときに、その車両の車種に応じた位置のアンテナ部46以外のものの動作を停止(無線通信機能をoff)する方法などがある。
【0084】
以下、図8〜図15を参照してこの料金収受システムの動作を説明する。
まず、図8のフローチャートを参照してこの料金収受システムにおける入口処理動作を説明する。
【0085】
有料道路の入口である料金所において、車両に関する入口処理、例えばICカードに入口情報を書き込む処理等を行うための車線、つまり入口レーンに車両が進入すると、車種判別装置12とETC車両検知装置22aにより車両の進入が検知され(S101)、ETC車線制御装置20に通知される。すると、ETC車線制御装置20は、ETC用アンテナ21aに通信開始を指示し、ETC用アンテナ21aによる無線通信が開始され、車両にETCの車載器が搭載されているか否かの確認(ETC車載器搭載有無確認)が行われる(S102)。
【0086】
ETC車載器搭載有無確認の結果、車載器が搭載されており、無線処理可能な車両(以下ETC車と称す)であった場合、ETC用アンテナ21aでETC入口処理が行われる。
【0087】
これと共に、車種判別装置12では、進入車両の軸数・車高・車長・ナンバープレート等の車両情報から車種が判別され(S103)、制御装置19に通知される。
ETC処理がエラーとなると(異常終了すると)(S105のNG)、その旨がETC車線制御装置20から制御装置19へ通知されるので、制御装置19は、エラー処理として、非接触型ICカード処理を行う(S106)。
【0088】
ETC処理の正常・異常に関わらず、ICカードでは、演算部が車載器から当該車両に関する車両情報(車両番号など)と車載器固有情報(車載器IDなど)を取得すると共に、車載器に対して半導体メモリに記憶されているICカード個別情報(カードIDなど)を送信し(S104)、車載器のメモリに記憶する。また、入口車線におけるETC処理が正常終了してETC用アンテナ21aから車載器に受信された入口情報が車載器のメモリに記憶される(S105)。
【0089】
ETC処理が正常終了した場合(S105のOK)、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を開放制御すると共に、路側表示装置15に通行可の旨を表示させる(S107)。
【0090】
ETC用アンテナ21aから車載器に受信されメモリに記憶された入口情報は、ICカードの演算部が取得してICチップ51(の半導体メモリ)に記憶する(S108)。
発進制御装置17が開放したことで、車両が車線を通過してETC車両検知装置22dあるいは発進検知装置16により当該車両が検知されると、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を閉動作させ、車線を閉鎖する(S109)。
【0091】
続いて、図9を参照して、車両に対するETC処理でエラーが発生した場合の入口処理について説明する。
【0092】
入口車線に車両が進入してきたことがETC車両検知装置22aにより検知されると(S201)、ETC用アンテナ21aによる無線通信の開始で、進入車両にETC車載器が搭載しているか否かの判定を行い、ETC車であった場合、ETC用アンテナ21aでETCの入口処理を行うと共に、車種判別装置12によって進入車両の軸数・車高・車長・ナンバープレート等の車両情報から車種が判別される。
【0093】
ここで、ETC処理にエラーが発生しETC入口処理が異常終了した場合、ETC車線制御装置20は、路側表示装置15に、非接触ICカード処理を行うための誘導表示を行う(S202)。また、ETC車線制御装置20から制御装置19へエラー発生の旨が通知される。
【0094】
路側表示装置15の誘導表示を見た車両のドライバーである利用者は、車両を非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット21aあるいはアンテナユニット21bいずれかの位置に車両を進めて停車させる。そして、ドライバーが、車載器からICカードを抜き取り、ICカードを窓越しに該当アンテナユニット、例えばアンテナユニット21aなどに翳すと、アンテナユニット21aがICカードと無線通信を開始し、非接触ICカードとしての機能を生かした入口処理が実行される(S203)。
【0095】
アンテナユニット21aとICカードとの無線通信が正常に行われると(S204のYes)、ICカード内では、演算部がETC処理エラーの内容を確認する(S205)。
【0096】
ETC処理エラーには、
[1]車載器固有情報読取正常、ETC読取正常、ETC書込異常
[2]車載器固有情報読取異常、ETC読取正常、ETC書込異常
[3]車載器固有情報読取正常、ETC読取異常、ETC書込異常
[4]車載器固有情報読取異常、ETC読取異常、ETC書込異常
の4つのエラーケースがある。
【0097】
例えば車載器固有情報等の読取処理は正常に行えたものの、入口情報等の書込処理を正しく行えなかった、というようなエラーケース[1]の場合(S205のYes)、アンテナユニット21aから当該ICカードに、入口情報に加えて、ETC用アンテナ21aでのETC書込処理が異常となった旨を示すETC入口処理結果情報、車載器固有情報、および、車種判別情報が送信されるので、ICカードでは、これらの情報を演算部がICチップ51(の半導体メモリ)に記録する。これと共に、演算部は半導体メモリに非接触ICカードとして利用した旨を含む利用履歴情報を記録する(S206)。なお、ICカードの演算部は、ICカードが車載器に再装着されると、車載器に対してICカードの個別情報(カードIDなど)を送信する。
【0098】
続いて、車両のドライバーによりICカードが車載器に再度挿入されると(S207)、ICカード内では、演算部が車載器のメモリに記憶されているエラー内容を確認する(S208)。
【0099】
この確認の結果、この場合、エラーケース[1]なので、エラーケース[4]ではなく(S208のNo)、演算部は、初めのETC用アンテナ21aによるETC処理の際に読み取った車載器固有情報と、車載器に再挿入したときに車載器のメモリから読み出した車載器固有情報との突合せ確認を行う(S209)。
この突合せ確認の結果、整合性確認できた場合(整合)、演算部は、非接触ICカード処理によってICカードに記録された入口情報や通行履歴情報を車載器に送信する(S210)。
【0100】
なお、一連のICカード処理が終了すると、制御装置19は、その旨をETC車線制御装置20に通知するので、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を開放制御すると共に、路側表示装置15に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置16あるいはETC車両検知装置22dによって、当該車両の発進が検知されると(S211)、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0101】
一方、車載器情報の読取処理およびETC読取処理の少なくとも一つが正しく行えなかった、というようなエラーケース[2],[3],[4]の場合(S205のNo)、アンテナユニット21aからICカードに、入口情報に加えて、ETC用アンテナ21aでのETC読取処理が異常となった旨を示すETC入口処理結果、および車種判別装置による車種判別結果の情報(車種判別情報)が送信されるので、これらの情報が演算部によってICチップ51(の半導体メモリ)に記録される。これと共に、演算部は、非接触ICカードとして利用した旨を含む利用履歴情報を半導体メモリに記録する(S212)。この場合、車載器固有情報が得られない。
【0102】
そして、車両のドライバーによりICカードが車載器に再度挿入されると(S207)、ICカード内では、演算部が車載器のメモリに記憶されているエラー内容を確認する(S208)。
【0103】
この確認の結果、エラーケース[2],[3]の場合、つまりエラーケース[4]ではない場合(S208のNo)、演算部は、初めのETC用アンテナ21aによるETC処理の際に読み取った車載器固有情報と、車載器に再挿入したときに車載器のメモリから読み出した車載器固有情報との突合せ確認を行う(S209)。
この突合せ確認の結果、整合性確認できた場合(整合)、演算部は、非接触ICカード処理によってICカードに記録された入口情報や通行履歴情報を車載器に送信する(S210)。
【0104】
なお、一連のICカード処理が終了すると、制御装置19は、その旨をETC車線制御装置20に通知するので、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を開放制御すると共に、路側表示装置15に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置16あるいはETC車両検知装置22dによって、当該車両の発進が検知されると(S211)、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0105】
上記ステップS208におけるエラー内容確認の結果、車載器情報の読取処理およびETC読取処理が共に正しく行えなかった、というようなエラーケース[4]の場合(S208のYes)、ICカードでは、演算部が、入口処理で読み取った車種判別情報と、再挿入した車載器の固有情報との突合せ確認を行い、整合性確認できた場合(整合)、非接触ICカード処理によってICカードに記録された入口情報や通行履歴情報を車載器に送信する(S210)。
【0106】
その後、一連のカード処理が終了すると、制御装置19は、その旨をETC車線制御装置20に通知するので、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を開放制御すると共に、路側表示装置15に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置16あるいはETC車両検知装置22dによって、当該車両の発進が検知されると(S211)、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0107】
また、ETC処理にエラーが発生したことで、ICカードを非接触ICカードとして利用したにも関わらず、非接触ICカード処理でもエラーとなった場合(S204のNo)、制御装置19は、該当する通行券自動発行装置13あるいは左ハンドル車用発券装置14に通行券発行を指示し当該車両に通行券を発行させ(S214)、通行券の抜き取りを検知した後、その旨をETC車線制御装置20に通知するので、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を開放制御すると共に、路側表示装置15に通行可の旨を表示させる。
【0108】
その後、発進検知装置16あるいはETC車両検知装置22dによって、当該車両の発進が検知されると(S211)、ETC車線制御装置20は、発進制御装置17を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0109】
続いて、図10のフローチャートを参照して、ICカードを車載器から抜き差しした場合の処理について説明する。
【0110】
入口処理が終了した車両の車載器において(S301)、利用者がICカードを一旦抜き取り、再度差し込むと(S302)、ICカードでは、接触型用IC端子52からの電源供給が演算部によって検知される。
【0111】
すると、ICカードでは、演算部が車載器から車載器固有情報の再読み取りを行うと共に、当該車載器のメモリに記録されている入口処理情報(カード個別情報、入口処理した車載器固有情報、入口車種判別情報、入口情報等)を読み取る(S303)。
【0112】
読取処理後、演算部は、入口処理において、ICカード内の半導体メモリに記録された入口処理情報と、当該車載器から読み取った入口処理情報、および再挿入時に読み取った車載器固有情報との突合せ確認を行う(S304)。
【0113】
この突合せ確認の結果、整合性があることが確認できると(S304の整合)、演算部は、処理を正常終了する(S305)。
【0114】
また、突合せ確認の結果、不整合が確認できた場合(S304の不整合)、演算部は、不正の可能性があるものと判定して(S306)、不整合の旨、および不整合の内容を、ICカード内の半導体メモリに記録すると共に、再挿入された車載器に送信し、同内容を車載器のメモリに記憶する(S307)。
【0115】
次に、図11のフローチャートを参照してこの料金収受システの出口処理について説明する。
【0116】
この料金収受システムでは、出口料金所の車線(出口レーン)に車両が進入し、ETC車両検知装置33aによって進入車両が検知されると(S401)、ETC車線制御装置39がETC用アンテナ31で進入車両にETC車載器が搭載しているか否かの判定(ETC車載器の有無確認)を行う(S402)。
【0117】
ETC車載器の有無確認の結果、車両にETC車載器が搭載されている場合、つまり車両がETC車であった場合、ETC車線制御装置39は、ETC車載器から取得されたデータを基に今回の入口処理以降における不整合記録の有無を確認する(S403)。
不整合記録の有無確認の結果、不整合記録があった場合(S403のYes)、ETC車線制御装置39は、係員処理と判定し(S404)、その旨の表示を路側表示装置23に行う。
【0118】
また、不整合記録の有無確認の結果、不整合記録が無かった場合(S403のNo)、ETC用アンテナ31でのETC出口処理と車種判別処理を行う(S405)。
ETC用アンテナ31でのETC出口処理が正常に終了すると(S405のOK)、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を開放制御すると共に、路側表示装置23に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置26あるいはETC車両検知装置33bによって、当該車両の発進が検知されると(S406)、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0119】
また、ETC用アンテナ31でのETC出口処理でエラーが発生した場合(S405のNG)、ETC車線制御装置39は、エラーの内容を確認した上でETC出口異常処理と非接触型ICカード処理への誘導を行う(S407)。
【0120】
ETC出口処理エラーには、
[1]ETC読取正常、ETC書込異常
[2]ETC読取正常、ETC書込異常、入口車載器不明
[3]ETC読取異常、ETC書込異常
の3つのエラーケースがある。
【0121】
これらの中のいずれかのETC出口処理エラーが発生すると、ETC車線制御装置39は、路側表示装置23に、非接触ICカード処理を行うための誘導表示を行う。また、ETC車線制御装置39から制御装置29へエラー発生の旨が通知される。
【0122】
路側表示装置23の誘導表示を見た車両のドライバーである利用者は、車両を非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット35aあるいはアンテナユニット35bのいずれかの位置に車両を進めて停車させる。そして、ドライバーが、車載器からICカードを抜き取り、ICカードを窓越しに該当アンテナユニット、例えばアンテナユニット35aなどに翳すと、アンテナユニット35aがICカードと無線通信を開始し、非接触ICカードとしての機能を生かした出口処理が実行される(S408)。
【0123】
アンテナユニット35aとICカードとの無線通信が正常に行われると、制御装置29が、ETC処理エラーの内容を確認する(S409)。この処理はICカード内の演算部が行ってもよい。
【0124】
ETC出口処理エラーが、例えば入口情報や車載器固有情報等のETC読取処理は正常に行えたものの、出口における記録処理を正しく行えなかった、というエラーケース[1]の場合(S409の[1])、制御装置29は、ICカードの半導体メモリから読み出した入口情報および車載器固有情報と、ETC出口読取結果との突合せ確認(照合)を行う(S410)。
【0125】
突合せ確認の結果(照合結果)がNGの場合(S411のNo)、制御装置29は、係員処理とし(S414)、その旨の表示を路側表示装置23およびアンテナユニット35a近傍の表示部に表示する。
【0126】
また、突合せ確認の結果(照合結果)がOKの場合(S411のYes)、制御装置29は、車載器固有情報より確定した車種に基づき出口処理を行い(S412)、入口から出口までの通行料金を収受する。また、制御装置29は、アンテナユニット35aを制御して、アンテナユニット35aから当該ICカードのICチップ51(半導体メモリ)に、ETC用アンテナ31(出口アンテナ)でのETC処理が異常となった旨、および非接触ICカードとして利用した旨の利用履歴が記憶される(S413)。
【0127】
料金収受後、制御装置29は、ETC車線制御装置39にその旨を通知するので、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を開放制御すると共に、路側表示装置23に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置26によって、当該車両の発進が検知されると(S406)、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を閉動作させて車線を閉鎖する。
【0128】
また、上記ステップS409の判定処理で、ETC出口処理エラーが、例えばETC読取処理は正常に行えたものの、出口における記録処理を正しく行えなかった場合で、かつ入口処理で車載器固有情報を正しく読み取れなかったという、エラーケース[2]の場合(S409の[2])、制御装置29の制御モジュール28は、ICカードの半導体メモリからアンテナユニット35aが無線通信で読み出した入口情報および入口車種判別情報と、当該車両の車載器固有情報(ETC出口読取結果)との突合せ確認(照合)を行い(S415)、突合せ確認の結果(照合結果)がOKであれば(S416のOK)、それを係員ブース36内に設置された紙葉類処理装置24に表示すると共に次の操作(確定入力など)を促す(S417)。
【0129】
係員が、紙葉類処理装置24の表示内容、および当該車両を目視確認し、その車種を確かめ、整合性が確認できた場合、紙葉類処理装置24の確定ボタンなどを操作して確定入力すると(S418)、制御装置29の制御モジュール28は、徴収料金を確定して、アンテナユニット35aによる出口処理を行うことで、有料道路の通行料金を収受する。
【0130】
また、当該ICカードには、出口のETC用アンテナ31でのETC処理が異常となった旨、および、当該ICカードを非接触ICカードとして利用した旨が利用履歴として記録される(S413)。
【0131】
また、整合性確認できなかった場合は、制御装置29の制御モジュール28は、出口処理を中止し、ICカード交換等の不正の可能性があるもの判定して、紙葉類処理装置24の表示画面に警告のメッセージを表示あるいはスピーカなどから警報を発して警告を行う。また、不正の可能性がある場合は、その旨がICカードの半導体メモリに利用履歴として記憶される。
【0132】
さらに、上記ステップS409の判定処理で、ETC出口処理エラーが、例えば入口情報や車載器固有情報等の読取処理を正しく行えなかったという、エラーケース[3]の場合(S409の[3])、ETC車線制御装置39から制御装置29へエラー発生の旨が通知される。ETC車線制御装置39は、路側表示装置23に、非接触ICカード処理を行うための誘導表示を行う。
【0133】
路側表示装置23の誘導表示を見た車両のドライバーである利用者が、ICカードを車載器から抜き取り、非接触ICカードとしての機能を生かし、アンテナユニット35aなどに翳すと、アンテナユニット35aは、ICカードとの無線通信を開始し、ICカード内に記録された入口情報・車載器固有情報、および、入口での車種判別情報等の読み取りを行い、それを制御装置29に通知する。
【0134】
制御装置29の制御モジュール28は、ICカードから読み取った入口での車種判別情報等と出口における車種判別情報とICカードの半導体メモリに記録されていた車載器固有情報との突合せ確認を行い(S419)、この突合せ確認の結果がOKであれば(S416のYes)、エラーケース[2]と同様に、その内容を係員ブース36内に設置された紙葉類処理装置24に表示する(S417)。
【0135】
係員は、紙葉類処理装置24の表示内容、および当該車両の車種を目視確認し、整合性が確認できた場合、確定入力するので(S418)、確定入力により、制御モジュール28は、収受すべき料金を確定し、アンテナユニット35aによる出口処理を行い、該当する通行料金を収受する。
【0136】
また、整合性確認できなかった場合、制御モジュール28は、出口処理を中止し、ICカード交換等の不正の可能性があるものと判定して、警告を発する。なお、当該ICカードには、出口のETC用アンテナ31でのETC処理が異常となった旨、および、非接触ICカードとして利用した旨が利用履歴として記憶される(S413)。また、不正の可能性がある場合は、その旨が記憶される。
【0137】
ICカードを非接触ICカードとして利用したにも関わらず、非接触ICカード処理でもエラーとなった場合(S411のNo、S416のNo)、あるいは入口で通行券が発行されている場合などは、当該ICカードの係員処理を行う(S414)。
係員処理を行う場合、利用者は、当該ICカードを係員に手渡す。通行券がある場合は通行券も合わせて係員に手渡す。
【0138】
係員は、当該ICカードを係員ブース36内に設置されたETC用ICカード(接触式ICカードの)の読み取りおよび書き込み機能を有するICカード処理装置30で出口処理を行う。なお、通行券については、紙葉類処理装置24にかけて処理を行う。
【0139】
次に、図12、図13のフローチャートを参照して、車載器にICカードが挿入されていなかった場合にETC処理ができないため、それを補うためのバックアップ動作について説明する。図12は入口処理を示すフローチャート、図13は出口処理を示すフローチャートである。
【0140】
まず、図12のフローチャートを参照して入口処理を説明する。
有料道路の入口料金所の車線(入口レーン)において、ETC車両検知装置22aにより車両の進入が検知されると、ETC用アンテナ21aによる無線通信にて、ETC入口処理が行われる。また、車種判別装置12により車種判別処理が行われる。このとき、車載器にICカードが装着されていなければ、車載器から車載器固有情報が読み取れるものの、カード個別情報が全く読み取れないという自体が生じる。
【0141】
このような場合、ETC車線制御装置20は、車載器にICカードが未挿着状態であるものと判定し、路側表示装置23などの表示手段にその旨のメッセージを表示して、ICカードが未挿着である旨を利用者に通知し、ICカードの装着を促すとともに、ICカードが車載器に装着されていた場合でも車載器側のICカード用接点の障害なども想定されるため、ICカードを、非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット11aあるいはアンテナユニット11bに翳すよう誘導するメッセージを路側表示装置に表示させて(S505)、利用者にICカードをアンテナユニット11a,11bに翳すことを促す。
【0142】
続いて、当該車両の利用者により、ICカードが、例えばアンテナユニット11aなどに翳されると、アンテナユニット11aは、ICカードとの無線通信を行い(S506)、ICカードに対し、入口情報と共に、車載器とのETC通信により既に取得されていた車載器固有情報を記録する(S507)。
【0143】
入口処理終了後、有料道路内でICカードが車載器に挿入されないまま出口に到達した場合は(S508の無)、カード未挿入時の出口処理となる(S509)。
【0144】
また、有料道路内で利用者がICカードを車載器に挿入し、車載器からの電源供給、通信要求信号検知などでICカードの演算部がカード装着を検知した場合(S508の有)、ICカードの演算部は、当該車載器固有情報とICカードの半導体メモリに記録されていた車載器固有情報との突合せ確認を行い(S510)、整合性が確認できた場合(S510の整合)、演算部は、半導体メモリから車載器のメモリへ入口情報を送ることで記憶(コピー)し(S511)、車載器とICカードのメモリの内容を一致させておくことで、出口においては通常の出口処理が可能となる(S512)。なお突合せ確認の結果、整合性が確認できなかった場合(S510の不整合)、演算部は、ICカード交換等の不正の可能性があるもの判定して、不正警告を行う(S513)。
【0145】
この際、不正の可能性がある旨の情報がICカードの半導体メモリに利用履歴として記憶される。そして、次に出口処理が開始される際に、出口処理を中止するよう要求する旨の情報を車載器からETC用アンテナ31あるいはアンテナユニット35a,35bへ送信させる。
【0146】
続いて図13のフローチャートを参照して出口処理を説明する。有料道路の出口料金所の車線(出口レーン)において、ETC車両検知装置33aによって車両の進入が検知されると(S601)、ETC用アンテナ31による無線通信が開始されて、ETC車線制御装置39に通知される。
【0147】
すると、ETC車線制御装置39は、ETC用アンテナ31に通信開始を指示し、ETC用アンテナ31による無線通信が開始され、車両にETCの車載器が搭載されているか否かの確認(ETC車載器搭載有無確認)が行われる(S602)。
【0148】
ETC車載器搭載有無確認の結果、ETC車載器が車両に搭載されていることが確認できると、ETC用アンテナ31は、ETC出口処理を行う(S603)。また、車種判別装置32により車種判別処理が行われる。このとき、車載器にICカードが装着されていなければ、車載器固有情報は読み取れるものの、カード個別情報が全く読み取れないというETC入口処理同様の自体が生じる(S604)。
【0149】
このような場合、ETC車線制御装置39は、車載器にICカードが未挿着状態であるものと判定し、路側表示装置23などの表示手段にメッセージを表示して、ICカードが未挿着である旨を利用者に通知し、ICカードの装着を促すとともに、車載器側のICカード用接点の障害の場合は、ICカードを非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット35a,35bのいずれかに翳すように誘導(案内)するメッセージを路側表示装置23に表示して利用者にICカードをアンテナユニット35a,35bに翳すことを促す(S605)。
【0150】
この誘導(案内)により、当該車両の利用者により、ICカードが、例えばアンテナユニット35aなどに翳されると、アンテナユニット35aは、ICカードとの無線通信を行うことで(S606)、出口処理のための情報をICカードから読み出して(S607)、それを制御装置29に渡す。制御装置29の制御モジュール28は、アンテナユニット35aからの入口におけるICカード個別情報と、この出口におけるICカード個別情報と車載器固有情報との比較(突合せ確認)を行う(S608)。
【0151】
この比較結果(突合せ確認の結果)、入口におけるICカード個別情報と車載器固有情報と、出口におけるICカード個別情報と車載器固有情報とが不整合であった場合(S608の不整合)、制御モジュール28は、不正の可能性があると判定して、警告を発して、出口処理を中止する(S609)。
【0152】
一方、出口においても、車載器にICカードが未挿入であった場合、ETC用アンテナ31は、車載器のメモリに記憶されていた車載器固有情報の読み取りを行う。続いて、当該車両の利用者によりICカードがアンテナユニット35aに翳されると、アンテナユニット35aは、ICカードから入口情報およびICカード内に記録された車載器固有情報を読み取り制御装置29に渡す。
【0153】
制御装置29の制御モジュール28は、アンテナユニット35aから渡された(ICカードに記憶されていた)車載器固有情報とETC用アンテナ31が車載器から受信した当該車両の車載器固有情報との突合せ確認(比較)を行い(S608)、整合性確認できた場合(S608の整合)、アンテナユニット35aと当該ICカードとの間の無線通信で料金収受処理を実行する(S610)。
【0154】
料金収受処理後、制御装置29は、ETC車線制御装置39にその旨を通知するので、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を開放制御すると共に、路側表示装置23に通行可の旨を表示させる。その後、発進検知装置26によって、当該車両の発進が検知されると(S611)、ETC車線制御装置39は、発進制御装置27を閉動作させて車線を閉鎖する。なお、互いの車載器固有情報が不整合であった場合、制御モジュール28は、不正の可能性があるとして、処理を中止する(S609)。
【0155】
次に、図14のフローチャートを参照して、この料金収受システムにおいて、ETCのICカードとセットではない車載器を搭載した車両(車載器付レンタカーなど)を利用可能にする処理について説明する。
【0156】
有料道路に進入する前の車載器付レンタカー(車両)において、ICカードを車載器に装填すると、当該ICカードでは、演算部が、ICカードの装填を検知して(S701)、車載器から車載器固有情報を読み取り半導体メモリに記録する。また、演算部は、ICカードの半導体メモリに記憶されているカード個別情報を車載器へ送り、車載器のメモリに記憶する(S702)。
【0157】
そして、当該車載器付レンタカー(車両)のドライバーが、車両を走行させて、有料道路に入る場合、車載器付レンタカー(車両)が入口料金所の入口レーンに進入すると(S703)、当該ICカードを車載器から抜き取り、非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット11a,11bのいずれかに翳す。この場合、ICカードが例えばアンテナユニット11aに翳されたものとする。
すると、アンテナユニット11aは、当該ICカードとの無線通信を行うことで(S704)、入口処理を行う(S705)。
【0158】
ここでの入口処理とは、具体的には、アンテナユニット11aがICカードとの無線通信によりICカードからカード個別情報、車載器固有情報、および利用可能残額などを取得して制御装置19に渡し、制御装置19が車載器固有情報から車両の車種を特定して、特定した車両の車種情報、入口の通過時刻情報、入口ゲート番号などを入口情報としてアンテナユニット11aからICカードに送り記憶する非接触ICカード処理である。
【0159】
入口処理の後、車両のドライバーは、当該ICカードを車載器に再度挿入する。ICカードが車載器に挿入されると、ICカードでは、演算部が車載器のメモリから車載器固有情報を読み出して、ICカードの半導体メモリに記憶されていた車載器固有情報と車載器の車載器固有情報との突合せ確認を行う(S706)。
【0160】
この突合せ確認の結果、不整合を確認された場合(S706の不整合)、演算部は、出口処理の際に警告を発する情報を車載器に送り車載器のメモリに記憶するので(S707)、出口における当該ICカードの処理が禁止される。なお、不整合が確認された時点で車載器の表示部あるいはスピーカ(発音部)から警告を発するようにしてもよい。
突合せ確認の結果、互いの情報が整合した場合(S706の整合)、演算部は、処理を終了する。
【0161】
入口料金所から有料道路に進入した車載器付レンタカー(車両)が、有料道路を走行して、ある出口料金所から退出するために、出口料金所の出口レーンに進入すると、ドライバーは、当該ICカードを車載器から抜き取り、非接触ICカード用アンテナであるアンテナユニット35a,35bのいずれかに翳す。この場合、例えばアンテナユニット35aなどにICカードが翳されたものとする。
【0162】
アンテナユニット35aは、当該ICカードとの無線通信を行い(S708)、制御装置29の制御モジュール28が出口処理を実行する(S709)。
【0163】
具体的には、アンテナユニット35aは、ICカードからカード個別情報、車載器固有情報、入口情報、および利用可能残額などを読み取り、それを制御装置29に渡し、制御装置29の制御モジュール28は、アンテナユニット35aから渡されたICカードのカード個別情報、車載器固有情報、入口情報、および利用可能残額などと自身に設定されている料金テーブルとから収受すべき料金を算出し、利用可能残額から料金を引去り、引去り後の金額を記録する。料金テーブルには自料金所と他料金所間の区間料金が設定されている。
【0164】
なお、この例は、予めICカードに課金額をチャージしておくプリペイドタイプのICカードを利用した例であるが、クレジット機能等の付いた後納カードを使用する場合は、入口及び出口で読み取ったカード個別情報を基に、当該ICカードの口座から、後日、利用料金の引去りを行う。
【0165】
次に、図15のフローチャートを参照して、接点不良等の障害によるICカードの再発行処理について説明する。
【0166】
ICカードの接触型用IC端子52の接点不良等になると、ICカードの半導体メモリに記録されている情報の読み取り処理および書き込み処理(R/W処理)が行えず、ICカードが接触型ICカードとして利用できなくなる。
この場合、有料道路の最寄の料金所の事務所、あるいは出口料金所の係員ブース36に行き、そこに設置されたカード処理装置30にてICカードの再発行処理を行う。
【0167】
この場合、カード処理装置30には、アンテナユニット11a,11b,35a35bなどと同様の非接触ICカード用アンテナと通常の接触型IC用のカードスロットが設けられており、ICカードをカードスロットに挿入すると、カード処理装置30のCPUは、まず、ICカードとの接触型での情報読み取り動作と書き込み処理を実行し、いずれかの処理が不可能な場合に、カード接点不良と判定し(S801)、ICカードを排出すると共にエラー表示を行う。
【0168】
ICカードの不具合が検知されると、次に、カード処理装置30の操作部にて再発行の操作を行い、カードスロットから排出されたICカードを非接触ICカード用アンテナに翳す。
【0169】
すると、非接触ICカード用アンテナによって、ICカードの半導体メモリに記憶されていた情報が読み取られ(S802)、CPUに渡される。
カード処理装置30のCPUは、ICカードの情報を受け取ると、上位ホスト9に対して通信回線8を通じて当該ICカードの情報照会を依頼する(S803)。
【0170】
上位ホスト9における当該ICカードの情報照会結果、不整合となるか、あるいは問題ありという結果が返信されてくると(S803の不整合等の問題あり)、カード処理装置30のCPUは、警告を発すると共に、再発行処理を中断する(S804)。
【0171】
一方、上位ホスト9における当該ICカードの情報照会結果、整合という結果が返信されてくると(S803の整合)、カード処理装置30のCPUは、新規の再発行用ICカード(新規カード)の挿入を促すメッセージを表示する。
【0172】
新規カードがカードスロットに挿入されると、カード処理装置30のCPUは、新規カードに対して、再発行元のICカードから読み取った情報を書き込み(S805)、情報の載せ替えを行い、読み取り確認してOKとなると(S806)、カードスロットより新規カードを排出してICカードの再発行を行う。なお、再発行元のICカードについては、ICチップ51の破壊あるいは今後のカード利用を不可能にするデータ(フラグ)を書き込むなどして廃棄処理を行う(S807)。
【0173】
その後、カード処理装置30のCPUは、上位ホスト9に対して再発行情報を送信し(S808)、上位ホスト9側のデータベースのデータを更新させる。
【0174】
なお、再発行処理を行う端末、つまりカード処理装置30は出口料金所だけに限らず、有料道路の入口料金所、サービスエリア、パーキングエリアなどに設置してもよい。
【0175】
このようにこの実施形態の料金収受システムによれば、有料道路の入口料金所に、進入する車両に搭載された車載器との無線通信により入口処理を行う第1無線処理手段としてのETC用アンテナ21aと、ETC用アンテナ21aでの入口処理で異常終了(入口ETC処理エラーが発生)した場合、車載器に装着されるべきICカードとの無線通信を行うことにより、エラーケース[1]〜[4]に応じて入口処理を行うアンテナユニット11a,11bおよび制御装置19とを備え、出口料金所には、ETC用アンテナ31とアンテナユニット35a,35bを備えたことで、ETCの車載器を搭載した車両が有料道路の入口料金所に進入する際に、車載器にICカードが未挿入であっても、アンテナユニット11a,11bおよび制御装置19による非接触ICカード処理で入口処理を完了し、出口料金所において、ICカードが挿入されていればETC用アンテナ31にてETC出口処理を行い、出口料金所でもICカード未挿入の状態が続いていたとしても、アンテナユニット35a,35bおよび制御装置29にて非接触ICカード処理を行うことで料金収受処理を完了できるようになり、ETC利用者の利便性を向上することかできる。
【0176】
また、入口処理実行後、ICカードを車載器から抜き差しした場合、ICカードのCPUは、車載器固有情報の再読み取りを行うと共に、当該車載器に記録されている入口処理情報(カード個別情報、入口処理した車載器固有情報、入口車種判別情報、入口情報等)を読み取り、読取処理後、入口処理において、ICカードの半導体メモリに記録されていた入口処理情報と、当該車載器のメモリから読み取った入口処理情報および再挿入時に読み取った車載器固有情報との突合せ確認を行い、不整合が確認できた場合は、不正の可能性があるものとして不整合の旨、および不整合の内容をICカード内に記録すると共に、再挿入された車載器のメモリに送り記憶するので、出口料金所での料金収受の際に不整合の内容がシステム側に送信および通知されるので、不正行為があった場合はそのときに発見することができる。
【0177】
さらに、ETC登録外の車載器を搭載した車両、例えば車載器付きレンタカーなどのように、ETCのICカードとセットで無い車載器を搭載した車両が有料道路を利用する場合、ICカードが車載器にセットされたときに、車載器に記憶されている車載器固有情報をICカード内の演算部が読み込み半導体メモリに記憶し、車両が入口料金所に進入する際に、アンテナユニット11aなどがICカードとの無線通信により、車載器からICカードに記憶した車載器固有情報を取得し、車両の車種を特定して非接触ICカード処理を実行することにより、係員による車種入力がなくとも、当該ICカードを利用した入口処理を行うことができる。これにより、処理時間を短縮することができる。また、車載器付きレンタカーなどでICカードの利用が可能になるので、ETCの無線通信機能と非接触ICカードの無線通信機能とを合わせ持つ双方インターフェースのICカードの利用用途が広がり、利用者の利便性を向上することができる。
【0178】
また、ETC用として利用しているICカードの接触型用IC端子52の接触不良などが生じ接触式ICカードとしては利用できない場合に、料金所に設置したカード処理装置30の非接触ICカード用アンテナを介してICカード内の情報を読み取り、読み取ったICカードの情報を上位ホスト9に送信し照会を依頼し、この照会依頼に対して上位ホスト9より整合の回答があった場合に、再発行用の新規カードに、ICカード情報を載せ換えてICカードの再発行を行うので、例えば有料道路の最寄の料金所などでICカードの再発行を行えるようになり、利用者の利便性を向上することができる。
【0179】
すなわち、本実施形態の料金収受システムによれば、有料道路の料金収受システムの一つの料金支払手段として採用している無記名・無期限・使い捨ての磁気式プリペイドカードシステムの利便性を継承しつつセキュリティを向上した非接触(無線式)のプリペイドICカードシステムを、既に導入されているETCシステムをバックアップする形で有料道路に導入し、有料道路内におけるICカードの交換などといった不正行為を防止しつつ利用者の利便性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態の料金収受システムの構成を示す図。
【図2】図1の料金収受システムの入口システムの構成を示す図。
【図3】図2の入口システムの機器配置図。
【図4】ICカードの構成を示す図。
【図5】図1の料金収受システムの出口システムの構成を示す図。
【図6】図5の出口システムの機器配置図。
【図7】出口システムの屋外アンテナユニット(アンテナユニット35a,35b)の構成を示す図。
【図8】この実施形態の料金収受システムの入口処理動作を示すフローチャート。
【図9】車両に対するETC入口処理でエラーが発生した場合の入口処理動作を示すフローチャート。
【図10】ICカードを車載器から抜き差しした場合の処理を示すフローチャート。
【図11】この実施形態の料金収受システムの出口処理を示すフローチャート。
【図12】車載器にICカードが挿入されていなかった場合の入口におけるバックアップ処理動作を示すフローチャート。
【図13】車載器にICカードが挿入されていなかった場合の出口におけるバックアップ処理動作を示すフローチャート。
【図14】この料金収受システムにおいて、車載器付レンタカーを利用可能にする処理を示すフローチャート。
【図15】接点不良等の障害によるICカードの再発行処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0181】
1…入口ETCシステム、2…出口ETCシステム、3…入口従来型料金収受システム、4…出口従来型料金収受システム、5…入口非接触ICカードシステム係員ブース、6…出口非接触ICカードシステム、8…通信回線、9…上位ホスト、11a,11b…アンテナユニット、12…車種判別装置、13…通行券自動発行装置、14…左ハンドル車用通行券自動発行装置(左ハンドル車用発券装置)、15…路側表示装置、16…発進検知装置、17…発進制御装置、19…制御装置、20…ETC車線制御装置、21a,21b…ETC用アンテナ、22a〜22d…ETC車両検知装置、23…路側表示装置、24…紙葉類処理装置、25…領収書発行装置、26…発進検知装置、27…発進制御装置、27a,27b…阻止棒、28…制御モジュール、29…制御装置、30…カード処理装置、31…ETC用アンテナ、32…車種判別装置、33a,33b…ETC車両検知装置、39…ETC車線制御装置、41a…本体筐体部、41b…野外筐体部、43…制御部、44…電源部、46…アンテナ部、47…表示部、51…ICチップ、52…接触型用IC端子、53…非接触型IC用アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接点と無線通信用のアンテナとを有するICカードと前記電気接点を通じて通信を行うことで接点不良を検知する検知手段と、
前記検知手段により接点不良が検知された場合、前記アンテナを通じて前記ICカードに記憶されている情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記ICカードの情報を上位のホストコンピュータに送信し照会を依頼する手段と、
前記ICカードの情報の照会依頼に対して前記ホストコンピュータより整合したことの回答があった場合、前記ICカードの情報を新規カードに書き込み再発行を行う手段と
を具備したことを特徴とするカード処理システム。
【請求項2】
電気接点と無線通信用のアンテナとを有するICカードと前記電気接点を通じて通信を行うことで接点不良を検知するステップと、
接点不良が検知された場合、前記アンテナを通じて前記ICカードに記憶されている情報を読み取るステップと、
読み取った前記ICカードの情報を上位のホストコンピュータに送信し照会を依頼するステップと、
前記ICカードの情報の照会依頼に対して前記ホストコンピュータより整合したことの回答があった場合、前記ICカードの情報を新規カードに書き込み再発行を行うステップと
を有することを特徴とするカード処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−139797(P2006−139797A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369261(P2005−369261)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【分割の表示】特願2002−260227(P2002−260227)の分割
【原出願日】平成14年9月5日(2002.9.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】