説明

カード情報管理装置

【課題】 利便性が高いカード情報管理装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、被管理人の組織名、氏名、及びその他の情報が記載されたカードの情報を管理するカード情報管理装置に関する。そして、カードに記載された情報を撮像する手段と、撮像された情報を文字認識する手段と、認識された文字の内、組織名及び/又は氏名を抽出する手段と、抽出された組織名及び/又は氏名に基づき上記被管理人をリスト化する手段と、作成されたリストと上記撮像手段により撮像されたデータとを紐付けて記憶する手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカード情報管理装置に関し、例えば、定形サイズが定まっているカード(名刺、葉書、メモカードなど)に記載されている情報を取り込んで管理する場合に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、名刺の情報を取り込んで管理する装置が種々提案されているが、その中には、名刺情報の取込みを撮像カメラやラインスキャナによる撮像で行う装置がある。特許文献1〜特許文献5にはそれぞれ、そのような装置が記載されている。
【0003】
特許文献1には、名刺の画像情報を取得できるカメラ付き筐体折畳み形携帯電話機が記載されている。このカメラ付き筐体折畳み形携帯電話機においては、上筐体と下筐体の開閉角度をヒンジ部に設けられた開閉角度マーキングに合わせ、かつ、上筐体に回動自在に取り付けられたカメラの方向を上筐体に設けられたカメラ方向マーキングに合わせることにより、カメラを適切な焦点距離及び画角をもって下筐体の上面に置かれた名刺に正対させて撮像する。
【0004】
特許文献2には、パソコンに装着できるPCカードが取り付いた撮像カメラを収容する、概ね上蓋及び下蓋でなる収容ケースが記載されている。この収容ケースの下蓋には、PCカードがパソコンに装着されている撮像カメラを固定する固定部と、名刺を固定する固定部とが設けられている。そして、固定された名刺を固定された撮像カメラで撮像することにより、名刺画像をパソコンに入力させる。
【0005】
特許文献3には、名刺の撮像モードを有するデジタルカメラが記載されている。名刺の撮像時には、常時はデジタルカメラ本体に仕舞われている4本の支柱を取り出す。そして、4本の支柱の先端で規定されている領域に名刺を置いて撮像することにより、名刺画像を得る。
【0006】
特許文献4には、名刺の読取り機能を有する携帯電話機が記載されている。携帯電話機の左右の側面の一方には名刺を挿入するスリットが設けられ、他方には名刺を排出するスリットが設けられ、内部には、挿入用スリットから挿入された名刺を排出用スリットに移動させるローラと、移動中の名刺を読取るラインセンサとが設けられている。すなわち、挿入用スリットから排出用スリットへ連通している通路に沿って移動している名刺を、ラインセンサが繰り返し読取ることにより名刺画像を得ている。
【0007】
特許文献5に記載の名刺情報の管理システムでは、名刺に記載された情報をOCR(Optical Character Reader)処理により取り込み、OCR処理で取り込んだ内容をユーザに提示して校正させることにより、OCR処理による誤認識を補完している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−45317号公報
【特許文献2】特開平10−173968号公報
【特許文献3】特開2000−10184号公報
【特許文献4】特開2002−11793号公報
【特許文献5】特開2007−183754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のようなカード情報管理装置は、撮像したデータをOCR手段によって文字認識し、認識した情報に基づいてデータを管理する(いわゆるリスト管理)。
【0010】
しかしながら、OCR手段は、そもそも100%の精度は望めず、また、撮像のゆがみや台形補正などによっても読み取り精度が落ちてしまう。
【0011】
そして、一般に、カード情報管理装置によって管理された情報に基づき相手先(被管理人)に電話したり電子メールを送信したりするが、カード情報管理装置に格納された情報が100%正確でないと、所望の相手先と連絡をとることができない。特に重要な情報について連絡をとる場合には相手の連絡先を間違えるわけにはいかないため、間違えた情報によって被管理人を管理している可能性のある従来のカード情報管理装置は、実用に耐え得ないものと言わざるを得なかった。
【0012】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、利便性が高いカード情報管理装置を提供しようとしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係るカード情報管理装置は、被管理人の組織名、氏名、及びその他の情報が記載された名刺やハガキなどのカードの情報を管理するもので、下記の手段を備える。
【0014】
・カードに記載された情報を撮像する撮像手段。
【0015】
・撮像手段により撮像された情報を文字認識するOCR手段。
【0016】
・OCR手段により認識された文字の内、組織名及び氏名を抽出する抽出手段。当該抽出手段は、公知の手段を採用でき、例えば組織名を抽出する場合には「株式会社」や「学校法人」「財団法人」等のキーフレーズに連続する文字列から抽出する手段を採用できる。
【0017】
・抽出手段により抽出された組織名及び/又は氏名に基づき被管理人をリスト化するリスト化手段。
【0018】
・リスト化手段により作成されたリストと撮像手段により撮像されたデータ(撮像データ)とを紐付けて記憶する撮像データ記憶手段。
【0019】
すなわち、以上のカード情報管理装置は、撮像手段によりカード情報を撮像してOCR手段により文字情報とした後、会社名や学校名などの組織名と、氏名のいずれか若しくは両方を抽出し、組織名及び/又は氏名のリストを作成する。そして当該リストと撮像データ(例えば名刺を撮像した画像データ)とを紐づけて記憶・管理する。
【0020】
電話番号や電子メールアドレスなどは、数字の羅列やアルファベットの羅列などであり、文字列に意味がなかったり規則性が薄かったりする。そのため、これらの情報は、OCRによる読み取りミスがあった場合に、利用者がミスに気づきにくく、誤った情報がリスト化されてしまう危険性が高い。このことが、従来のカード情報管理装置が実用に耐え得なかった大きな理由である。
【0021】
一方、上記カード情報管理装置は、利用者がOCRの読み取りミスに気づきにくい情報ではなく、組織名や氏名などのOCRの読み取りミスに気づきやすい情報のみに基づいて情報を管理するため、極めて正確なリストを作成することができる。
【0022】
そして、組織名や氏名以外の情報は、撮像手段により読み取ったデータによって管理しているため、OCRによる読み取りミスが生じる余地はないため、極めて正確なカード管理を実現している。
【0023】
また、上記カード情報管理装置において、抽出手段を、電話番号やFAX番号、電子メールアドレス、webサイトのURL、画像などをそれらの特徴(例えば電話番号であれば数字が羅列する文字列、URLであればアルファベットが羅列する文字列)からこれらの文字列を判別し、これらの文字列以外の部分の文字列を採用するという手段にすることもできる。
【0024】
すなわち、OCRされた情報の内、数字の羅列やアルファベットの羅列、「@」の有無、「http;//」の有無等の特徴に基づいて氏名や組織名以外の情報を省いた中から氏名や組織名の情報を抽出するようにすれば、これらの情報を極めて精度よく抽出することが可能となる。
【0025】
上記カード情報管理装置は、さらに、以下の手段を備えていてもよい。
【0026】
・選択手段:リスト化手段により作成されたリストから任意の被管理人を選択する、例えば十字キーを備えた手段、タッチパネルを用いた手段。
【0027】
・撮像データ提示手段:選択手段により選択された被管理人について、撮像データ記憶手段に記憶された撮像データを画像表示したり印刷したりして利用者に提示する手段。
【0028】
これにより、利用者は、正確な情報を容易に取り出すことが可能となる。
【0029】
上記カード情報管理装置は、また、以下の手段を備えていてもよい。
【0030】
・一覧表示手段:撮像データ記憶手段に記憶された撮像データを、リスト化手段により作成されたリストに従って一覧表示する。例えば当該リストにおいて所定の組織に所属する被管理人のデータのみを画像表示したり、あいうえお順にプリントアウトしたりする。なお、一覧表示方法は公知の各種の表示方法を採用することができ、一画面・一枚の書類に対象となるデータを全て表示する方法に限定されず、例えば一画面に順次データを表示していく手法を採用することもできる。
【0031】
・詳細表示手段:一覧表示手段により表示されたデータの中から選択された任意のデータについて詳細表示する手段。例えば、ディスプレイをタッチパネル式とし利用者に選択されたデータがあった場合に当該データを拡大表示するような手段としたり、十字キーによってデータ選択コマンドを移動させて利用者に選択されたデータがあった場合に当該データを拡大表示するような手段としたりすることができる。
【0032】
以上の構成によっても、利用者は、正確な情報を容易に取り出すことが可能となる。
【0033】
なお、リストからの選択と撮像データからの選択を組み合わせた選択方法も当然採用できる。例えば、リストから組織名を選択した後、画像データを一覧表示するという選択方法を採用することもできる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、利便性が高いカード情報管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施形態に係る名刺情報取込管理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る名刺情報取込管理装置の外観を示す六面図である。
【図3】第1の実施形態に係る撮像カメラ部の構成例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態におけるストッパ近傍の詳細を示す部分斜視図である。
【図5】第1の実施形態において保持名刺の前後方向の位置を規定すると共に、名刺を前傾して保持することとした理由の説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る名刺情報取込管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施形態に係る名刺情報取込管理装置が名刺情報を取り込む際の動作をユーザの操作と共に示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施形態に係る名刺情報データベースのデータ構造について示した説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る名刺情報を構成する名刺画像データの例について示した説明図である。
【図10】第1の実施形態に係る名刺情報登録処理における制御部の処理について示したフローチャートである。
【図11】第1の実施形態に係る名刺情報取込管理装置が撮像する名刺の例について示した説明図である。
【図12】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する登録内容確認画面の例について示した説明図(1)である。
【図13】第1の実施形態に係る名刺情報データベースの更新内容について示した説明図(1)である。
【図14】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する登録内容確認画面の例について示した説明図(2)である。
【図15】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する重複名刺確認画面の例について示した説明図である。
【図16】第1の実施形態に係る名刺情報データベースの更新内容について示した説明図(2)である。
【図17】第1の実施形態に係る名刺情報検索処理における制御部の処理について示したフローチャートである。
【図18】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する会社名選択画面の例について示した説明図である。
【図19】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する氏名選択画面の例について示した説明図である。
【図20】第1の実施形態に係るディスプレイで表示する名刺画像表示画面の例について示した説明図である。
【図21】第2の実施形態に係る名刺情報取込管理装置の電気的構成について示したブロック図である。
【図22】第2の実施形態に係る名刺情報取込管理装置でバックアップデータを作成する際に、制御部が行う処理について示したフローチャートである。
【図23】第2の実施形態に係るバックアップモード選択画面の例について示した説明図である。
【図24】第2の実施形態に係るバックアップデータ展開処理において、制御部が行う処理について示したフローチャート(1)である。
【図25】第2の実施形態に係るバックアップデータ展開処理において、制御部が行う処理について示したフローチャート(2)である。
【図26】第2の実施形態に係るディスプレイで表示する展開モード選択画面について示した説明図である。
【図27】第2の実施形態に係るバックアップデータの内容の例について示した説明図である。
【図28】第2の実施形態に係るディスプレイで表示する部分重複名刺確認画面の例について示した説明図である。
【図29】第2の実施形態に係る名刺情報データベースの更新内容について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるカード情報管理装置を、名刺情報取込管理装置に適用した第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0037】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)名刺情報取込管理装置の全体構成について
以下、本発明によるカード情報取込装置を名刺情報取込管理装置に適用した一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、実施形態の名刺情報取込管理装置の外観を示す斜視図であり、情報の取込み対象である名刺をセッティング(保持)している状態を示している。図2は、実施形態の名刺情報取込管理装置の外観を示す六面図である。以下では、図2の六面図での上下左右前後などに従って、「上下左右前後」、「手前、「奥」の方向に言及することとする。
【0039】
図1及び図2において、実施形態の名刺情報取込管理装置1は、概ね、標準的な名刺サイズ(普通型4号;55×91mm)より一回り大きい矩形に、1cm程度の厚みを持たせた筐体形状を有する。名刺情報取込管理装置1(主に、上面)には、ディスプレイ2、キー操作部3、撮像カメラ部4、名刺保持部5などが設けられている。
【0040】
ディスプレイ2には、例えば、白色表示時の照度を変更できる、バックライト付液晶ディスプレイやOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイを適用する。ディスプレイ2の表示面2aは、画面表示領域と、1、2行程度の属性表示用のツールバー領域とに分けられる。画面表示領域は、撮像されたり検索されたりした名刺画像が表示されたり、名刺情報を登録したり検索したりするための各種のメニュー画面やガイダンス画面など(以下、これらをまとめてメニュー画面と呼ぶ)が表示されたりするものである。このような画面表示領域の手前には、属性(例えばコントラスト)と、その属性を変化させるキーの種類との対応や、電池の残容量や、マイクロSDカードなどの記録媒体の装着有無などを表示する上述した属性表示用のツールバー領域が設けられている。ディスプレイ2の表示面2aは、例えば、標準的な名刺サイズの名刺の縦横とほぼ同様な縦横比を有し、左右方向の長さを前後方向の長さより長く選定している。この表示面2aの長手方向(左右方向)の長さは、例えば、撮像カメラ部4における焦点距離に応じて選定されている。若しくは、この表示面2aの長手方向の長さに応じて、撮像カメラ部4における焦点距離が選定されている。ここで、撮像カメラ部4における後述する撮像カメラ30(図3参照)がカラー用であれば、ディスプレイ2としてカラー用を適用すれば良く、撮像カメラ30がモノクロ用であれば、ディスプレイ2としてモノクロ用を適用すれば良い。以下では、登録する名刺画像はカラー画像であってディスプレイ2としてカラー用を適用しているとして説明する。
【0041】
キー操作部3は、ユーザが操作する各種のキーを配置したものであり、撮像カメラ部4と共に、当該名刺情報取込管理装置1の右側に設けられている。この実施形態の場合、キー操作部3は、上下左右に係る4種類の移動キー20U、20D、20R、20L、選択・決定キー21、プラスキー22、マイナスキー23、メニューキー24、バックキー25、電源スイッチ26及びキーロックキー27を有している。移動キー20U、20D、20R、20L、選択・決定キー21、プラスキー22、マイナスキー23、メニューキー24及びバックキー25は、名刺情報取込管理装置1の上面に設けられ、電源スイッチ26及びキーロックキー27は、名刺情報取込管理装置1の右側面に設けられている。
【0042】
移動キー20U、20D、20R、20Lは、種々の機能で利用され、その機能は移動に係る機能に限定されない。移動キー20U、20D、20R、20Lは、例えば、メニュー画面上の各種アイコンやタブのうち、その時点で選択候補対象となっている(すなわち、フォーカスされている)アイコン又はタブを、上下左右に隣接するアイコン又はタブに切り替えることを指示する際に利用される。また、移動キー20U、20D、20R、20Lは、例えば、メニュー画面で表示された50音配列を利用した検索文字列の入力動作などでは、カーソル移動キーとして利用される。さらに、例えば、名刺画像が画面表示領域に表示されている際には、左右の移動キー20R、20Lがコントラスト調整に利用され、上下の移動キー20U、20Dが明るさ調整に利用される。
【0043】
なお、この明細書において、用語「フォーカス」はアイコン又はタブの選択に関連して用い、用語「焦点」は撮像カメラ部4に関連して用いている。
【0044】
選択・決定キー21は、主として、種々の項目の選択や決定に用いられる。選択・決定キー21は、例えば、フォーカス(選択)されているアイコン、タブ、キー、フィールド、チェックボックス等のオブジェクトの選択を決定し、そのオブジェクトに割り当てられている機能を起動(実行)させる際に利用される。また、選択・決定キー21は、文字列入力動作などではカーソルが位置している漢字候補の選択の決定など、カーソルに関連する選択、実行などに利用される。以下において、ディスプレイ2上に表示(配置)されたいずれかのオブジェクトがフォーカス(選択)された状態で、選択・決定キー21が押下されることを、そのオブジェクトの「実行」と呼ぶものとする。
【0045】
プラスキー22及びマイナスキー23は、主として、2値若しくは2種類の変化が可能な属性項目の属性変化に利用される。例えば、プラスキー22は、ディスプレイ2に表示されている名刺画像の全体又は一部を拡大させることを指示し、マイナスキー23は、ディスプレイ2に表示されている名刺画像の全体又は一部を縮小させることを指示するように利用される。この実施形態の場合、撮像カメラ部4として光学的なズーム機能を備えていないものを適用しており(但し、撮像カメラ部4として光学的なズーム機能やオートフォーカス機能を備えたものは本発明の他の実施形態となる)、名刺画像のズーム機能を画像処理により提供し得るようにしており、プラスキー22及びマイナスキー23は画像処理によるズームを指示する際に利用される。また例えば、プラスキー22は後述する連続撮像をオンにし、マイナスキー23は連続撮像をオフにするように利用される。
【0046】
メニューキー24は、新たなメニュー画面の表示(例えば、ポップアップ表示)を指示するものであり、バックキー25は、現在表示されているメニュー画面へ遷移させた元のメニュー画面に表示を戻すことを指示するものである。その他、メニューキー24は、処理の段階を1段階進めるために用いられ、バックキー25は、処理の段階を1段階戻すために用いられる。
【0047】
電源スイッチ26は、例えば、自動復帰型のプッシュスイッチでなり、当該名刺情報取込管理装置1の電源のオン又はオフを指示するものである。
【0048】
キーロックキー27は、例えば、スライドにより第1又は第2の位置を取り得るものであり、第1の位置にあるときには、後述する制御部(図6参照)は、移動キー20U、20D、20R、20L、選択・決定キー21、プラスキー22、マイナスキー23、メニューキー24、バックキー25及び電源スイッチ26の操作を有効として扱い、第2の位置にあるときには、後述する制御部が、移動キー20U、20D、20R、20L、選択・決定キー21、プラスキー22、マイナスキー23、メニューキー24、バックキー25及び電源スイッチ26の操作を無効として扱う。
【0049】
図3は、撮像カメラ部4の構成例を示す説明図であり、図3(A)は当該名刺情報取込管理装置1を保管したり携帯したりする際の状態(以下、収容状態と呼ぶ)を示し、図3(B)は撮像を実行し得る状態(以下、突出状態と呼ぶ)を示している。
【0050】
図3において、小型の撮像カメラ(例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサでなる)30は、対物レンズ(若しくは対物レンズ群)31と共に、筒体(以下では、角筒体として説明する)32に収められている。撮像カメラ30は、静止画用、動画用のいずれであっても良いが、以下では、撮像カメラ30が動画用であるとして説明する。
【0051】
筒体32における右上部には、回動軸33が設けられており、筒体32は、この回動軸33を中心として回動し得るようになされている。回動軸33は、筒体32を貫通しているものであっても良く、また、筒体32の手前側の側面と奥側の側面に垂設されたものであっても良い。図示は省略しているが、当該名刺情報取込管理装置1の本体側には、回動軸33を回動自在に受け入れる軸受け部が設けられている。
【0052】
撮像カメラ部4の収容状態から突出状態への変換時に、筒体32に回動力を付与するばね部材34が設けられている。ばね部材34は、つる巻きばね、板ばねなど、いずれの形式のものであっても良い。ばね部材34は、例えば、名刺情報取込管理装置1の外郭を構成する筐体の内部下面に一端が固定され、上方に付勢力を働かせて筒体32をその下面から上方に移動させようとするものであるが、筒体32の回動軸33が軸受け部に受け入れられているため、回動軸33を中心として筒体32を回動させる。撮像カメラ部4の突出状態から収容状態への変化では、ばね部材34は、筒体32の下面で押圧させて付勢力を蓄勢する。
【0053】
筒体32の手前側の側面又は奥側の側面の少なくとも一方には位置規制用突起35が固着されている。この位置規制用突起35は、撮像カメラ部4の突出状態においては、名刺情報取込管理装置1の外郭を構成する筐体の内部上面に接してばね部材34の付勢力に抗して、筒体32を突出状態の所定位置に位置させる。筐体の内部には、位置規制用突起35を係止し得る爪部材36が設けられている。爪部材36は、図示しない案内部などに沿って、左右方向にスライド可能なものとなっている。爪部材36は、図1や図2に描かれているスライドレバー37と連結されており、スライドレバー37の移動に伴って、左右方向にスライドする。爪部材36は、つる巻きばねなどでなるばね部材38の一端に取り付けられており、このばね部材38の他端は、例えば、筐体の内部右側面に取り付けられている。撮像カメラ部4の収容状態では、爪部材36の爪36aが位置規制用突起35を係止している。爪部材36の爪36aの上部形状は、位置規制用突起35が上方から下方に移動しながら接した際には、爪部材36を左方向に移動させる力が働くような形状になっている。
【0054】
図3では省略しているが、少なくとも、撮像カメラ部4が突出状態にあることを検知する撮像可能検知センサ(後述する図6の符号58参照)が設けられている。このセンサとして、筒体32が突出状態になることでアクチュエータが移動するリミットスイッチや、筒体32が突出状態になることで光線を授受できるようになるフォトカプラなどを適用することができる。
【0055】
図3(A)に示す撮像カメラ部4の収容状態において、スライドレバー37がユーザの指によって左方向にスライドされると、スライドレバー37に連結されている爪部材36も左方向に移動する。これにより、爪部材36の爪36aと位置規制用突起35との係止状態が解放され、ばね部材34の付勢力により、回動軸33を中心として筒体32が時計回りに回動する。位置規制用突起35が、筐体の内部上面に接したときに回動が終了し、筒体32が突出状態の所定位置に位置するようになる。筒体32の突出を確認すると、ユーザはスライドレバー37から指を離す。このとき、ばね部材38の引っ張り力により、爪部材36が右方向に移動するが、このときには、位置規制用突起35は筐体の内部上面に接しているので、爪部材36の爪36aと係止することはない。
【0056】
図3(B)に示す撮像カメラ部4の突出状態において、ユーザが筒体32の上面を押圧すると、回動軸33を中心として筒体32が反時計回りに回動していく。この回動により、位置規制用突起35が下方に移動して爪部材36の爪36aの上部に接触するようになると、上部面がカム面として機能して爪部材36を左方向に移動させながら、位置規制用突起35はさらに下降する。この下降によって、位置規制用突起35が爪部材36の爪36aより低い位置になると、ばね部材38の引っ張り力により、爪部材36が右方向に移動し、爪部材36の爪36aが位置規制用突起35と係止する。このような係止状態になると、ユーザが筐体32の上面への押圧を止めても、係止状態、すなわち、収容状態を継続させる。
【0057】
名刺保持部5は、撮像カメラ部4による撮像対象の名刺を保持する部分であり、ディスプレイ2を挟んで、撮像カメラ部4の反対側に設けられている。今日では、名刺の大半が横書きであり、ディスプレイ2の表示面2aの形状は、横書きの名刺画像が見易くなることを考慮して選定されている。一方、撮像カメラ部4における焦点距離が短い場合、撮像された名刺画像の品質が低下し易いので(例えば、歪曲ひずみ)、撮像カメラ部4及び名刺保持部5を、ディスプレイ2の表示面2aの長手方向に沿って、ディスプレイ2の表示面2aを挟むように配置させている。
【0058】
名刺保持部5は、図1に示す固定壁面41と可動壁面部材42の可動壁面42aとで、名刺6の一方の長辺近傍を挟み込むことによって名刺6を保持する。固定壁面41の方が可動壁面部材42の可動壁面42aよりディスプレイ2に寄っている。可動壁面部材42は、左右方向にスライド可能なものである。左方向への移動は、名刺情報取込管理装置1の外郭を構成する筐体内部に設けられたばね部材(図示せず)の右方向への付勢力を超えた外力の印加により可能であり、外力が解放された際の右方向への移動は、図示しないばね部材の右方向への付勢力による。上述した付勢力が印加されている挟み込みによる保持方式により、厚みが一様でない多種多様な名刺を保持することが可能となり、また、厚みが薄いなど単独では姿勢を維持することができない名刺を取り付けた台紙を保持することが可能となる。さらに、名刺を挟み込んだ幅が後述するように狭くても(例えば、1.5mm程度)、安定した名刺の保持が可能となる。
【0059】
上述した台紙として、例えば、背景紙と透明表紙とを1辺で連結し、これらの間に名刺を挟み込むものを適用できる。台紙は、薄い名刺に対応できるだけでなく、透けて撮像品質を低下させる名刺にも背景紙の色選定により対応できるものであり、外形が矩形でないため立設し難い名刺にも対応できるものである。
【0060】
上述とは異なり、ディスプレイ2寄りに可動壁面を設け、ディスプレイ2の遠くに固定壁面を設けるようにしても良く、両壁面共に可動壁面とするようにしても良い。但し、このようにした場合、僅かではあるが、名刺の厚みによって、名刺表面と撮像カメラ部4との距離が変化するので、名刺表面と撮像カメラ部4との距離が変化しない、固定壁面41の方をディスプレイ2寄りにした上述した配置の方が好ましい。
【0061】
この実施形態では、登録対象の名刺6を横置きで立設するものを示したが、縦置きで立設させることを基本として装置を構成しても良いことは勿論である。また、横置きで立設させる場合において、下辺の全部分を挟むように、名刺情報取込管理装置1の前後方向の長さが選定されていても良い。
【0062】
この実施形態の場合、突出状態での撮像カメラ部4の仰角(撮像カメラ部4の光軸と名刺情報取込管理装置1の上面とのなす角)を抑えるため、名刺6の長辺側を挟み込む側の辺としている。上述したように、名刺情報取込管理装置1の前後方向の長さを規定するディスプレイ2の前後方向の長さは、標準的な名刺サイズの名刺の短辺側の長さに近い長さである。そのため、仮に、標準的な名刺サイズの名刺を保持しようとする場合、挟み込まれる辺であってもその辺の一部は挟み込まれない。このような挟み込まれない部分をユーザに委ねた場合、ユーザによって、また、同じユーザであっても時期によって、挟み込み方が変化し、撮像品質が低下することをあり得る。
【0063】
そこで、この実施形態の場合、名刺情報取込管理装置1の外郭を構成する筐体の奥側の側面近傍に、名刺6の奥側の辺を当接させるストッパ43を設けることとし、仮に、標準的な名刺サイズの名刺を挟持する場合には、図1に示すように、挟み込まれる辺の手前側が挟み込まれない部分になるようにしている。
【0064】
固定壁面41と、可動壁面部材42の可動壁面42aとは平行面であるが、これらの固定壁面41と可動壁面42aとは、名刺6を、撮像カメラ部4側に前傾させて保持するように平行面が選定されている。ここで、可動壁面部材42の可動壁面42aの高さを固定壁面41の高さより高くしている。これは、第1に、仮に保持されている名刺6の上端に逆方向の力が働いてもその力が解放されたときに所定の前傾に復帰し易くするためであり、第2に、挟み込まれて撮像カメラ部4側から見えなくなっている名刺部分を極力少なくするためである。固定壁面41の幅、言い換えると、固定壁面41によって見えなくなる部分の幅を例えば1.5mm程度に選定し、可動壁面42aの幅を例えば2.5mm程度に選定する。名刺の大半は、文字列のレイアウトを考慮して端に近い文字でも、端から1.5mm以上離れて位置されている。このような現実を考慮し、固定壁面41の幅を定めている。
【0065】
図4は、ストッパ43近傍の詳細を示す部分斜視図である。図4は、固定壁面41と可動壁面42aとが最大限離間した状態を示している。
【0066】
ストッパ43は、可動壁面42aに向かって固定壁面41から突出している板状凸部43aと、この板状凸部43aと係合する、可動壁面42aから可動壁面部材42の内方に向かっている凹部43bとを有する。板状凸部43aの上面は、例えば、名刺情報取込管理装置1におけるディスプレイ2が設けられている側の上面と連続している。以上のような板状凸部43a及び凹部43bでストッパ43を構成することにより、種々の厚みの名刺6や、名刺を保持した台紙の奥側の辺縁が確実に当接し、名刺6や台紙を前後方向に確実に位置決めすることができる。可動壁面部材42の可動壁面42aの高さを固定壁面41の高さより高くしていることにより、上述したストッパ43の構造を適用することが可能となっている。
【0067】
固定壁面41と可動壁面42aとが接触している状態においても、名刺6や台紙の縁部の停止位置をユーザが認識し得るように、板状凸部43aの延長上の、ディスプレイ2が設けられている側の上面には小さな半球状のマーカ44が設けられている。
【0068】
図4とは逆に、可動壁面42aに板状凸部43aを設け、固定壁面41に凹部43bを設けるようにしても良い。また、板状凸部43aとして機能する部材として、1本又は複数本の棒部材を適用することもできる。但し、固定壁面41の幅(高さ)は1.5mm程度であり、このような固定壁面41に設ける棒状部材はかなり細くなり、信頼性が低いので、実施形態のように板状部材を適用することが好ましい。
【0069】
図5は、保持名刺6の前後方向の位置を規定すると共に、名刺6を前傾して保持することとした理由の説明図である。
【0070】
図5において、1点鎖線AXは撮像カメラ部4の光軸を表している。名刺6の前傾角度は、撮像カメラ部4の光軸AXが名刺6に直角に交わるように選定されている。また、撮像カメラ部4の前後方向の位置は、光軸AXが名刺6に交わる点Pが名刺6の前後方向(長手方向)の長さAを2分する線上にあるように選定されている。さらに、撮像カメラ部4の突出状態での仰角は、光軸AXが名刺6に交わる点が名刺6の上下方向(短手方向)の長さ(若しくはそれより保持のために挟み込まれている長さを減じた長さ)Bを2分する線上にあるように選定されている。
【0071】
撮像カメラ部4の焦点距離(対物レンズ31の焦点距離)は、保持されている名刺6の画像が撮像カメラ30の受光面上に結像するように選定されている。
【0072】
図1及び図2において、後述する名刺情報データベースを構成する記録媒体(例えば、マイクロSDカード)を着脱する際の蓋部7や電源のオンオフ状態などを示すインジケータ(例えば、LED素子でなる)8なども、名刺情報取込管理装置1の外部から見える位置に設けられている。
【0073】
図6は、実施形態の名刺情報取込管理装置1の電気的構成を示すブロック図であり、既述した図面との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0074】
図6において、CPUを中心に構成されている制御部50には、システムバス(図示せず)を介してプログラムメモリ51、ワークメモリ52、入出力インタフェース53が接続されている。入出力インタフェース53には、上述したディスプレイ2を駆動するディスプレイドライバ54、上述した撮像カメラ30を駆動するカメラドライバ55、上述したキー操作部3、上述したインジケータ8を駆動するLEDドライバ56、名刺情報データベース57、各種センサ58が接続されている。
【0075】
プログラムメモリ51は、例えば、1又は複数個のROMチップでなり、プログラムメモリ51には、各種の処理プログラム(名刺情報取込管理プログラムを含む)や、処理プログラムが利用する固定データが格納されている。名刺情報取込管理プログラムには、例えば、撮影された名刺の情報を登録するプログラム(後述する図10参照)や、登録されている名刺情報の中から、ユーザに所望の名刺情報を検出させるプログラム(後述する図17)が含まれている。また、プログラムメモリ51には、例えば、表示するガイダンスやメッセージのデータや、ツールバーに表示するアイコンデータや、文字入力モードで文字を選択させる50音の一覧表示用データなどの固定データが格納されている。
【0076】
ワークメモリ52は、1又は複数個のRAMチップやフラッシュメモリチップなどでなり、制御部50がプログラムメモリ51に格納されているいずれかの処理プログラムを実行する際に作業エリアとして用いるものであり、また、ユーザ入力に係る固定データ等も格納するものである。ワークメモリ52には、ディスプレイ2に表示させる表示画像を格納する表示バッファや、撮像カメラ30による撮像画像をバッファリングする撮像画像バッファや、検索時のキーワードを格納するキーワードバッファや、検索時に名刺情報データベース57から取り出した名刺情報を格納する検索情報バッファなどが、実行する処理プログラムなどによって適宜設定される。
【0077】
名刺情報データベース57は、例えば、マイクロSDカードを着脱可能であってマイクロSDカードの装着時にマイクロSDカードをアクセスできるカードアダプタ部と、マイクロSDカードとでなる。名刺情報データベース57としてHDD(ハードディスクドライブ装置)を適用しても良いが、マイクロSDカード用のカードアダプタ部と、マイクロSDカードとで名刺情報データベース57を構成した方が、当該名刺情報取込管理装置1を小形、薄型にできて好ましい。また、マイクロSDカードを適用することにより、名刺情報データベース57の容量をユーザが選択したり変更したりすることができる。なお、記録媒体はマイクロSDカードに限定されず、また、着脱できずに装置に固定的に設けられているものであっても良い。名刺情報データベース57の1レコードは、例えば、登録日時と、名刺における法人名などの組織名(部署などの下位の組織名部分を含めるか否かは任意とする。)と、その組織名の読みと、名刺における氏名と、その氏名の読みと、少なくとも表面の名刺画像(例えば、裏面の名刺画像を登録情報に含めるか否かを任意事項とする)とでなっている。なお、名刺情報データベース57の詳細構成については後述する。
【0078】
名刺情報データベース57に格納する情報として、部署、電話番号、FAX番号、eメールアドレス、URL等を含めないようにしたのは、第1に、これらの文字は比較的小さな文字サイズの文字で記載されているため、OCRでの認識精度が低くなり易いためであり(特に、数字が他の数字に誤認識された場合、表示されても誤認識されたことをユーザが気付かないことが多い)、第2に、データベース容量の有効利用のためであり、第3に、必要ならば名刺画像そのものから確認できるためである。
【0079】
制御部50に検知信号を与える各種センサ58としては、例えば、撮像カメラ部4が突出状態にあるか収容状態にあるかを検出する撮像可能検知センサを挙げることができる。なお、マイクロSDカードの装着有無は、例えば、マイクロSDカード用のカードアダプタ部が判断しているが、装着有無を検知する専用のセンサを設けるようにしても良い。
【0080】
制御部50は、キー操作部3や各種センサ58からの入力信号やそのときの処理段階に応じて定まるプログラムメモリ51内の処理プログラムを、ワークメモリ52を利用しながら、また、必要ならばプログラムメモリ51やワークメモリ52に格納されている固定データを適宜用いて処理するものであり、その処理状況や処理結果等をディスプレイ2に表示させたり、名刺情報データベース57をアクセスしたりするものである。なお、制御部50には日時などを計時するタイマも設けられている。
【0081】
(A−1−2)名刺情報データベースの構造について
次に、名刺情報データベース57の構造について説明する。
【0082】
図8は、名刺情報データベース57のデータ構造例について示した説明図である。
【0083】
名刺情報データベース57には、名刺に記載された情報に基づく名刺情報が1又は複数格納されている。
【0084】
図8に示すように、名刺情報データベース57には、各名刺情報について、会社名、会社名読み、氏名、氏名読み、名刺画像データ、登録日時の項目の情報が格納されている。また、図8では、名刺情報データベース57の内容を、1行で1つの名刺情報を表すテーブル形式で図示しており、5つの名刺情報L101〜L105が表されている。
【0085】
「会社名」は、当該名刺情報が示す人物の組織名を示す項目である。
【0086】
「会社名読み」は、当該名刺情報の「会社名」に対応する読みを示す項目である。
【0087】
「氏名」は、当該名刺情報が示す人物の氏名を示す項目である。なお「氏名」の項目に登録される情報は、当該名刺情報が示す人物の氏名の一部(例えば、「氏」(ラストネーム)又は「名」(ファーストネーム)の一方だけ)であっても良い。この明細書において、氏名の一部だけを抜き出したものについても「氏名」と呼ぶものとする。
【0088】
「氏名読み」は、当該名刺情報の「氏名」に対応する読みを示す項目である。
【0089】
「名刺画像データ」は、当該名刺情報が示す人物の名刺の画像データ、すなわち、当該名刺情報の元となる名刺の画像データを示す項目である。
【0090】
図9は、名刺情報を構成する名刺画像データの例について示した説明図である。
【0091】
図8では、説明を簡易にするため、例えば、名刺情報L101の名刺画像データの項目に、「名刺画像データG11」と図示しているが、実際には、図9に示すような「画像データG11」に対応する画像データが格納されているものとする。
【0092】
図9では、名刺画像データの項目には、名刺画像データを直接格納する例について示したが、名刺画像データの項目に、名刺画像データにアクセスするための情報(例えば、名刺画像データを格納したファイル名やリンク先の情報)のみを格納し、名刺画像データの実体は別のファイルに格納するようにしても良い。このように、名刺情報データベース57において、名刺画像データを格納する形式については限定されないものである。
【0093】
「登録日時」は、当該名刺情報を登録した日時を示す情報(タイムスタンプ)である。
【0094】
図8に示すように、名刺情報データベース57では、少なくとも、名刺に記載された会社名及び氏名を、ユーザが名刺情報を検索する際のキー情報として格納し、キー情報以外の情報(例えば、部署、電話番号、FAX番号、eメールアドレス、URL等)については、名刺画像データとして格納している。言い換えると、名刺情報データベース57では、キー情報がリスト化されており、そのリスト上のキー情報のそれぞれに、少なくとも名刺画像データが紐付けられた構造になっている。
【0095】
したがって、名刺情報取込管理装置1では、ユーザは、名刺情報データベース57に文字情報として登録されていない情報については、名刺画像データにより確認することができる。例えば、ユーザが、名刺情報データベース57に登録された名刺情報が示す人物について、電話番号の情報を確認したい場合には、名刺情報取込管理装置1を操作して、会社名及び氏名を手がかりに、所望の名刺情報を選択し、その名刺情報の名刺画像をディスプレイ2に表示させる。
【0096】
名刺情報取込管理装置1は、ユーザの操作に応じて撮像カメラ30で撮像した名刺画像について、名刺情報として名刺情報データベース57に登録する際には、撮像した名刺画像データから、少なくとも会社名(組織名)及び氏名について、読取り処理を行う。そして、名刺情報取込管理装置1では、撮像した名刺画像データ及び、読取った情報に基づいて名刺情報データベース57の各項目の情報が登録される。
【0097】
名刺情報取込管理装置1では、ユーザの操作に応じて、名刺情報データベース57の各名刺情報を分類して保存する。ここでは、例として、ユーザがよく閲覧する名刺情報を、ユーザの操作に応じて、名刺情報データベース57で「活用名刺」として分類して登録し、ユーザがあまり閲覧しない名刺情報を、ユーザの操作に応じて名刺情報データベース57で「倉庫名刺」として分類して登録するものとする。さらに、名刺情報取込管理装置1では、名刺情報データベース57上でユーザが任意に作成したフォルダ(以下、「マイフォルダ」という)に分類して名刺情報を登録することができるものとする。
【0098】
図8では、名刺情報データベース57に格納される情報の項目に、キー情報以外の項目として、「会社名読み」、「氏名読み」、及び「登録日時」を含めているが、これらの一部又は全部を省略するようにしても良い。また、図8に記載されている情報以外の項目について追加するようにしても良い。例えば、名刺情報データベース57に格納される情報の項目に、ユーザが任意の内容を入力することができる「メモ欄」等を設けるようにしても良い。
【0099】
また、図8では、名刺画像データの項目に登録される名刺画像データは、一つだけであるが、複数登録するようにしても良い。例えば、名刺の表面と裏面の名刺画像データを登録する場合には、2つの名刺画像データを登録するようにしても良い。
【0100】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の名刺情報取込管理装置1の動作を説明する。
【0101】
(A−2−1)名刺情報登録処理
まず、第1の実施形態の名刺情報取込管理装置1が名刺情報を取り込む際の動作をユーザの操作と共に、図7のシーケンス図をも参照しながら説明する。以下では、名刺情報取込管理装置1の電源がオフで、撮像カメラ部4が収容状態にあり、かつ、マイクロSDカードが装着されている状態からの動作を説明する。
【0102】
ユーザは、新たな名刺を入手し、その名刺情報を登録したくなった場合には、電源スイッチ26をオン操作し、名刺情報取込管理装置1の電源をオンとする(S1)。
【0103】
これにより、名刺情報取込管理装置1の制御部50は電源オン時の処理プログラムを実行する(S2)。撮像カメラ部4が収容状態にあり、かつ、マイクロSDカードが装着されているので、制御部50は、例えば、名刺情報を登録する場合には名刺を所定位置にセッティングさせて撮像カメラ部4を突出状態に変化させること、既に登録済の名刺情報を検索する場合には所定のキーを操作することを求めるメニュー画面をディスプレイ2に表示させる。なお、電源オン時にマイクロSDカードが装着されていない場合には、当初の表示内容は、マイクロSDカードの装着を促すものとなる。また、電源オン時点で既に撮像カメラ部4が突出状態にあれば、制御部50は、名刺情報の登録モードが選択されたとして扱う。また、ユーザは、後述するようにして登録対象の名刺を撮像カメラ部4の読取位置に位置決めした後に、電源スイッチ26をオン操作するようにしても良い。
【0104】
名刺情報を登録する場合には名刺を所定位置にセッティングさせて撮像カメラ部4を突出状態に変化させること、既に登録済の名刺情報を検索する場合には所定のキーを操作することを求めるメニュー画面が表示されたとき、ユーザは、名刺情報の登録を望んでいるので、登録対象の名刺6の所定位置へのセッティングと、撮像カメラ部4の突出状態への変化操作とを行う(S3)。名刺6の所定位置へのセッティングと、撮像カメラ部4の突出状態への変化操作とはいずれを先に行っても良いものである。
【0105】
例えば、一方の手で可動壁面部材42を左方に移動させて可動壁面42aと固定壁面41とを開いて隙間を作り、その状態で、他方の手で、登録対象の名刺6の一辺を隙間の底部に当接させ、その状態でストッパ43に当たるまで名刺6を後方に移動させ、ストッパ43に当たったときに、可動壁面部材42から一方の手を離し、可動壁面部材42をホームポジションに復帰させるように移動させ、これにより、可動壁面42aと固定壁面41とで、登録対象の名刺6の下辺を部分的に挟み込んで、名刺6を所定位置へセッティングする。ユーザは、薄い名刺や、背景が透けている名刺や、標準的な名刺サイズより小さい名刺などについては、適宜、台紙に取り付けた上で名刺情報取込管理装置1にセッティングする。なお、縦書き名刺も、横書き名刺と同様に、長辺が上下に平行になるように横置きでセッティングさせる。この際、縦書きでの上側の位置を横置でどちらのサイドに向けるかを、所定位置へのセッティングを求める表示画像でユーザに通知する。例えば、縦書きでの上側の位置が、撮像カメラ部4から見て左側に位置するように横置きにセッティングさせる。縦書き名刺での横置きでの向きを1種類とすることにより、OCR機能による処理を簡単なものとすることができる。すなわち、縦書きでの上側の位置が、撮像カメラ部4から見て左側に位置しているのか、右側に位置しているのかをOCR時に判別することが不要となる。
【0106】
撮像カメラ部4を突出状態へ変化させるには、一方の手の指によって、上述したようにスライドレバー37を左方に移動させた後、指を離せば良い。
【0107】
撮像カメラ部4を突出状態へ変化させることを、この実施形態の場合、その直前の動作モードを問わず、名刺情報の登録モードに移行させたことを意味するようにしている。
【0108】
制御部50は、撮像可能検知センサからの検知信号により撮像カメラ部4が突出状態へ変化したことを認識すると、撮像カメラ30を起動し、撮像カメラ30が得た動画の撮像画像を登録候補画像としてディスプレイ2に表示させる(S4)。このような登録候補画像の表示では、手前側のツールバー領域に、プラスキー22又はマイナスキー23の操作によって画像を拡大/縮小できることや、左移動キー20L又は右移動キー20Rの操作によって画像のコントラストを変化(高低)できることも表示する。ユーザは、適宜、電話番号やeメールアドレスやURLなどが小さくても拡大した場合に十分に認識できることを確認したり、文字部分と背景部分とのコントラストを調整したりする。ここで、表示している名刺画像を前後左右に移動できる機能をも持たせるようにしても良い。
【0109】
表示されている登録候補画像を登録画像として決定したユーザは、選択・決定キー21を操作する(S5)。
【0110】
このとき、制御部50は、撮像カメラ30に静止画撮像を実行させ、得られた名刺画像を表示させ、その後、所定時間だけ経過してから、この名刺画像を使用するか否かをユーザに問い合わせる(S6)。この際の静止画撮像では、制御部50は、ディスプレイ2の表示面2aの全面を最大照度にして白色表示させ、そのようなディスプレイ2の白色表示で照明された名刺6を撮像カメラ30で撮像させる。全面を白色表示させることにより、例えば、太陽光や室内光がセッティングされている名刺6の裏面から表面へ向かっていて、薄い名刺などの名刺6を透過するいわゆる逆光状態になっていても、その逆光状態を緩和して高品質の名刺画像を取り込むことができるようになり、また、太陽光や室内光による照明では不十分な場合にも高品質の名刺画像を取り込むことができるようになる。
【0111】
ユーザが、静止画撮像された名刺画像の使用を求めると(S7)、制御部50は、その名刺画像に対するOCRを実施し、組織名及び氏名の文字列を得るとともに、組織名及び氏名の読みを決定し、組織名及び氏名の文字列、組織名及び氏名の読み、並びに、名刺画像のサムネイルを含む確認画像をディスプレイ2に表示させる(S8)。
【0112】
表示された確認画像に納得したユーザは、最終的に登録を指示し(S9)、制御部50は、名刺情報データベース57に今回の名刺情報を格納した後、登録した旨のメッセージを所定時間だけ表示し、その後、静止画撮像の前の表示画面に戻る(S10)。
【0113】
以上では、登録まで最短コースの流れを示したが、バックキーの操作によって、直前の処理段階に戻すこともでき、また、登録へ向かう選択を否定することによっても直前の処理段階に戻すこともできる。さらに、組織名、氏名や、その読みを修正させるようなことも可能である。
【0114】
次に、名刺情報取込管理装置1において、撮像された名刺画像に基づく名刺情報を、名刺情報データベース57に登録する「名刺情報登録処理」の動作(上述のステップS8及びステップS9に相当する動作)の詳細について説明する。
【0115】
図10は、名刺情報登録処理における制御部50の処理について示したフローチャートである。
【0116】
なお、ここでは、名刺情報データベース57の初期内容が、図8の内容になっているものとして以降の説明を行う。
【0117】
まず、名刺情報取込管理装置1では、上述のステップS1〜ステップS7の動作により、撮像カメラ30により、新規登録用の名刺の名刺画像が撮像されたものとする(S101)。
【0118】
図11は、名刺情報取込管理装置1が撮像する名刺の例について示した説明図である。
【0119】
名刺情報取込管理装置1では、新規登録用の名刺の会社名及び氏名と一致する名刺情報(以下、「重複名刺情報」という)が、名刺情報データベース57に登録されている場合と、登録されていない場合とで処理が異なる。そのため、ここでは、既に名刺情報データベース57に登録されている名刺情報と、会社名及び氏名が一致する名刺(図11(a)に示す名刺)について登録する場合と、名刺情報データベース57に会社名及び氏名が一致する名刺情報が無い名刺(図11(b)に示す名刺)について登録する場合とに分けて説明を行う。ここでは、まず、上述のステップS101で、図11(a)に示す名刺が撮像された場合の処理について説明し、その後、図11(b)に示す名刺が撮像された場合の処理について説明する。
【0120】
上述のステップS101で、図11(a)の名刺の名刺画像が撮像されると、制御部50は、その名刺画像から文字認識を行い、会社名(組織名)及び氏名を認識する(S102)。
【0121】
ステップS102において、制御部50が名刺画像から会社名(組織名)及び氏名を認識する処理については、例えば、既存のOCR処理等を適用することができる。制御部50が名刺画像から会社名(組織名)及び氏名を認識する処理としては、例えば、組織の種類を示すキーフレーズに連続する文字列から抽出するようにしても良い。組織の種類を示す部分の表記としては、例えば、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、NPO法人、社団法人、財団法人、医療法人、学校法人、管理組合法人、社会福祉法人、宗教法人などがある。
【0122】
また、制御部50が名刺画像から会社名(組織名)及び氏名を認識する処理としては、例えば、電話番号やFAX番号、電子メールアドレス、webサイトのURL、画像などをそれらの特徴(例えば電話番号であれば数字が羅列する文字列、URLであればアルファベットが羅列する文字列)からこれらの文字列を判別し、これらの文字列以外の部分の文字列を会社名及び氏名を認識するようにしても良い。すなわち、制御部50が名刺画像からからOCRした情報の内、数字の羅列やアルファベットの羅列、「@」の有無、「http;//」の有無等の特徴に基づいて氏名や組織名以外の情報を省いた中から氏名や組織名の情報を抽出するようにすれば、これらの情報を極めて精度よく抽出することが可能となる。
【0123】
次に、制御部50は、認識した会社名、氏名等を表示し、登録する名刺情報の内容を、ユーザに確認及び修正させる「登録内容確認画面」を、ディスプレイ2に表示させる(S103)。
【0124】
図12は、図11(a)に示す名刺に基づく名刺情報を登録する際の、登録内容確認画面の例について示した説明図である。
【0125】
登録内容確認画面には、図12に示すように、撮像した名刺画像を表示するフィールドF101、氏名を表示するフィールドF102、氏名読みを表示するフィールドF103、会社名を表示するフィールドF104、及び会社名読みを表示するフィールドF105が配置されている。
【0126】
氏名を表示するフィールドF102には、ステップS102で認識された氏名が表示される。
【0127】
会社名を表示するフィールドF104には、ステップS102で認識された会社名(組織名)に基づく内容が表示される。また、フィールドF104には、ステップS102で認識された会社名(組織名)の内容から、組織の種類を示す部分については省略するものとする。例えば、図11(a)に示す名刺に記載された会社名(組織名)は、「井○企画株式会社」となっているが、図12でフィールドF104に表示されている内容は「井○企画」となっている。
【0128】
フィールドF103、F105には、それぞれ、フィールドF102、F104に対応する読みが表示されるが、最初に表示される内容は、例えば、制御部50がフィールドF102、F104の内容から推定した内容としても良い。制御部50がフィールドF102、F104の内容の読みを推定する処理については、例えば、既存の仮名漢字変換の逆変換処理(漢字等を仮名に変換する処理)を適用するようにしても良い。
【0129】
登録内容確認画面では、フィールドF102〜F105のいずれかのフィールドが、ユーザの操作により実行(フォーカス及び選択・決定キー21の押下)されると、制御部50は、例えば、ソフトウェアキーボード等を、ディスプレイ2に表示させ、当該フィールドの内容をユーザに編集させる。そして、ユーザの操作により「登録」と表示されたキーK101が実行されると、制御部50は、次のステップS104の処理に進む。ここでは、図12の内容で、ユーザの操作によりキーK101が実行されたものとして、以降の説明を行う。
【0130】
登録内容確認画面でキーK101が実行されると、制御部50は、名刺情報データベース57に登録された名刺情報から、フィールドF104に表示された会社名、及び、フィールドF102に表示された氏名と一致する名刺情報重複名刺情報を検索する(S105)。ステップS105において、制御部50により、名刺情報データベース57から重複名刺情報が検出されなかった場合には、後述するステップS106の処理に進み、重複名刺情報が検出された場合には後述するステップS107の処理に進む。
【0131】
ここでは、フィールドF104に表示された会社名は「井○企画」、フィールドF102に表示された氏名は「高橋 ×夫」であり(図12)、名刺情報データベース57に登録された名刺情報(図8)には、会社名及び氏名が一致するものは無い。したがって、この場合、上述のステップS105では、制御部50により、名刺情報データベース57から重複名刺情報が検出されない。
【0132】
ステップS105において、重複名刺情報が検出されなかったと判定された場合には、制御部50は、登録内容確認画面で確認したフィールドF101〜F105の内容の名刺情報を、名刺情報データベース57に追加登録して(S106)、名刺情報登録処理を終了する。
【0133】
図13は、名刺情報データベース57に、新たな名刺情報が追加登録された様子について示した説明図である。
【0134】
図13では、名刺情報データベース57に、上述の図8の内容に加えて、上述の図12の内容の名刺情報L106が追加登録されている。
【0135】
次に、上述のステップS101で撮像された新規登録用の名刺の会社名及び氏名が、既に名刺情報データベース57に登録されている名刺情報と一致する場合の制御部50の処理について説明する。ここでは、上述のステップS101で、図11(b)に示す新規登録用の名刺が撮像されたものとして以降の説明を行う。
【0136】
制御部50は、上述のステップS101で撮像された図11(b)の名刺画像から、上述のステップS102により会社名及び氏名を認識し、上述のステップS103により「登録内容確認画面」を、ディスプレイ2に表示させる。
【0137】
図14は、図11(b)の名刺画像から認識した内容に基づいた登録内容確認画面について示した説明図である。そして、ここでは、図14の内容で、ユーザの操作によりキーK101が実行されたものとして、以降の説明を行う。
【0138】
登録内容確認画面でキーK101が実行されると、制御部50は、上述のステップS105により名刺情報データベース57における重複名刺情報の有無を判定する。ここでは、フィールドF104に表示された会社名は「井○企画」、フィールドF102に表示された氏名は「山田 ○郎」であり、名刺情報データベース57に登録された名刺情報(図8)のうち、名刺情報L101が、重複名刺情報として検出される。したがって、この場合、上述のステップS105では、制御部50により、名刺情報データベース57から重複名刺情報が検出されたと判定される。
【0139】
上述のステップS105において、重複名刺情報が検出されたと判定された場合には、制御部50は、ユーザに、登録内容確認画面で確認した名刺情報、及び重複名刺情報に関する処理を選択させる「重複名刺確認画面」をディスプレイ2に表示させる(S107)。
【0140】
図15は、重複名刺確認画面の例について示した説明図である。
【0141】
図15に示す重複名刺確認画面では、名刺情報データベース57に登録された重複名刺情報の名刺画像を表示するフィールドF201、上述のステップS101で撮像した名刺画像を表示するフィールドF202、「上書き」と表示されたキーK201、「別で追加」と表示されたキーK202、「画像差替」と表示されたキーK203、及び「スキップ」と表示されたキーK204が配置されている。
【0142】
次に、制御部50は、重複名刺確認画面で、ユーザの操作により実行(選択)されたキーを判定する(S108)。そして、制御部50は、重複名刺確認画面で実行されたキーに応じて、登録内容確認画面で確認した情報、及び重複名刺情報に関する処理内容を決定し、後述するステップS109〜S112のいずれかの処理を行って、名刺情報登録処理を終了する。
【0143】
重複名刺確認画面で、「別で追加」と表示されたキーK202が実行された場合には、制御部50は、登録内容確認画面で確認したフィールドF101〜F105の内容の名刺情報を、名刺情報データベース57に追加登録する(S109)。
【0144】
重複名刺確認画面で、「上書き」と表示されたキーK201が実行された場合には、制御部50は、登録内容確認画面で確認したフィールドF101〜F105の内容の名刺情報を、重複名刺情報として検出された名刺情報L101に上書き登録する(S110)。
【0145】
重複名刺確認画面で、「画像差替」と表示されたキーK203が実行された場合には、制御部50は、ステップS101で撮像した図11(b)の名刺画像のデータを、重複名刺情報として検出された名刺情報L101の名刺画像データと差替えて登録する(S111)。
【0146】
重複名刺確認画面で、「スキップ」と表示されたキーK204が実行された場合には、制御部50は、特に名刺情報の登録を行わずにスキップする(S112)。
【0147】
図16は、重複名刺確認画面で実行されたキーに応じて更新される名刺情報データベース57の内容について示した説明図である。
【0148】
図16(a)は、上述のステップS109の処理により、名刺情報データベース57に、登録内容確認画面で確認したフィールドF101〜F105の内容の名刺情報が追加登録された場合について示している。図16(a)では、名刺情報データベース57に、上述の図8の内容に加えて、上述の図14の内容の名刺情報L106が追加登録されている。
【0149】
図16(b)は、上述のステップS111の処理により、重複名刺情報として検出された名刺情報L101の名刺画像データが、新たに撮像した名刺画像データ(図11(b)の名刺画像)と差替えられた場合の、名刺情報データベース57の内容について示している。図16(b)では、名刺情報L101の名刺画像データの項目が、「名刺画像データG16」(図11(b)の名刺の名刺画像データ)に更新されている。さらに、図16(b)では、名刺情報L101の登録日時が、名刺画像データを差し替えた時点を示す内容に変更されている。
【0150】
上述のステップS110の処理により、登録内容確認画面で確認したフィールドF101〜F105の内容が、重複名刺情報として検出された名刺情報L101に上書き登録されると、この例の場合は、名刺情報データベース57の内容は結果として、上述の図16(b)と同じ内容となる。
【0151】
(A−2−2)名刺情報検索処理
次に、名刺情報取込管理装置1において、ユーザに名刺情報データベース57に格納された名刺情報から所望の名刺情報を検索させ、検出された名刺情報の名刺画像をディスプレイ2に表示させる「名刺情報検索処理」の動作について説明する。
【0152】
図17は、名刺情報検索処理における制御部50の処理について示したフローチャートである。
【0153】
制御部50が名刺情報検索処理を開始させる契機は限定されないものであり、例えば、名刺情報取込管理装置1の起動時であっても良いし、ユーザのメニュー操作やキー操作等に応じて開始させるようにしても良い。
【0154】
制御部50は、名刺情報検索処理を開始すると、まず、ユーザに会社名を選択させるための「会社名選択画面」を表示させる(S201)。
【0155】
図18は、会社名選択画面の例について示した説明図である。
【0156】
図18に示すように、会社名選択画面には、それぞれ「あ」〜「わ」、「英数」が表示されたタブT101〜T111が配置されている。制御部50は、会社名選択画面で実行されるタブに応じて、名刺情報データベース57に格納された名刺情報から会社名のリストを作成し、会社名のリストをタブの下欄に表示する。
【0157】
図18に示す会社名選択画面の例では、初期状態で「あ」の文字が付されたタブT101が起動されており、タブT101の下欄には、読みが「あ行」ではじまる会社名が表示されたキーが配置されている。図18の例では、タブT101の下欄に、会社名「井○企画」と表示されたキーK301と、会社名「小×商事」と表示されたキーK302とが配置されている。なお、会社名選択画面では、例えば、「か」が表示されたタブT102が実行された場合には、タブT102の下欄に、読みが「か行」ではじまる会社名のリストが表示されることになる。
【0158】
そして、会社名選択画面で、ユーザの操作により、いずれかの会社名のキーが実行されると(S202)、制御部50は、名刺情報データベース57から、実行されたキーに表示されている会社名の名刺情報を検索する(S203)。なお、ここでは、ステップS202において、会社名「井○企画」が表示されたキーK301が実行されたものとして、以降の説明を行う。
【0159】
次に、制御部50は、検出した名刺情報の氏名のリストから、ユーザにいずれかの氏名を選択させる「氏名選択画面」を、ディスプレイ2に表示させる(S204)。
【0160】
図19は、氏名選択画面の例について示した説明図である。
【0161】
図19の例では、氏名選択画面に、氏名「佐藤 ○子」が表示されたキーK401、氏名「山田 ○郎」が表示されたキーK402、及び氏名「山本 ×子」が表示されたキーK403が配置されている。なお、図19に示す氏名選択画面では、氏名をリスト表示する形式で表示しているが、各名刺情報の名刺画像を縮小表示するサムネイル形式で表示するようにしても良い。なお、氏名選択画面において、サムネイル形式で表示する際には、サムネイルに氏名を付して表示するようにしても良い。
【0162】
次に、氏名選択画面で、ユーザの操作により、いずれかの氏名のキーが実行されると(S205)、制御部50は、名刺情報データベース57から、実行されたキーに表示された氏名の名刺画像データを表示する「名刺画像表示画面」を、ディスプレイ2に表示させる(S206)。
【0163】
図20は、名刺画像表示画面の例について示した説明図である。
【0164】
ここでは、ステップS205において、氏名「山田 ○郎」が表示されたキーK402が選択(フォーカス)されたものとする。そして、ステップS206では、図20に示すように、ステップS205で選択された名刺情報の名刺画像が、ディスプレイ2に表示される。また、図20の名刺画像表示画面では、名刺画像と共に、会社名「井○企画」及び氏名「山田 ○郎」も表示している。
【0165】
なお、図17に示す名刺情報検索処理では、まず会社名をユーザに選択させて、表示する氏名のリストの絞込みを行っているが、最初から氏名のリストを表示して、ユーザに名刺情報を検索させるようにしても良い。また、名刺情報検索処理で、名刺情報データベース57で名刺情報が分類されているフォルダ(例えば、上述の「活用名刺」、「倉庫名刺」、「枚フォルダ」等)の名称をユーザに選択させて、表示する氏名のリストの絞込みを行うようにしても良い。このように、名刺情報取込管理装置1の名刺情報検索処理では、ユーザに名刺情報の検索をさせる際の絞込みの方法は限定されないものである。
【0166】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0167】
(A−3−1)第1の実施形態によれば、名刺画像を取り込む対象の名刺を、その下辺に位置する長辺の一部を2つの壁面で挟み込んでセッティングするようにしたので、名刺を安定に立設することができる。このように安定に設定されている名刺に対し、左右方向に距離を置いて撮像カメラの指向性を向ければ良い。言い換えると、名刺を撮像するための構成要素は高さ方向には存在せず、名刺情報取込管理装置を薄型化することができる。
【0168】
また、第1の実施形態によれば、名刺を撮像カメラ部側に前傾して立設させ、その前傾状態において、撮像カメラ部の光軸が、標準的な名刺サイズの名刺の中心に直角に交わるようにしているので、撮像品質を高めることができる。すなわち、撮像された名刺画像の輪郭が台形になることはないのでそれを矩形に補正するようなことを不要にでき、また、仮に、名刺サイズが標準的な名刺サイズではなくて撮像された名刺画像の輪郭が台形になったとしても、矩形からの相違はごく僅かであり、画像処理による矩形への補正も少しの補正で済むことができる。
【0169】
ここで、装置の後側面の近傍に設けたストッパによって名刺の立設位置を一定にすることができ、精度の高い名刺撮像を行うことができる。
【0170】
名刺を立設させる2つの壁面のうち、一方の壁面が左右に移動し得る可動壁面であって他方の固定壁面との間隔を変化することができるので、種々の厚みの名刺を安定して立設することができ、また、名刺を取り付けた台紙をも安定して立設することができる。台紙を利用可能としたことにより、名刺サイズが標準的な名刺サイズからかなり異なっている名刺や、名刺の輪郭が矩形ではない名刺や、名刺の背景が透明になっている名刺などの変形名刺も、撮像対象とすることができるようになる。
【0171】
装置の後側面の近傍に設けたストッパは、固定壁面から突出している板状凸部と、その板状凸部に係合する可動壁面部に設けられた凹部とを備え、固定壁面と可動壁面部の可動壁面とが最大限離れたときでも、その隙間を渡るように板状凸部を設けているので、可動壁面の開き具合によらずに名刺の奥側位置を正しく規制することができる。
【0172】
(A−3−2)第1の実施形態によれば、撮像カメラ部は突出状態と収容状態のいずれかをとることができ、撮像時に突出状態にすれば良い。これにより、名刺情報取込管理装置を小形、薄型化することができる。また、撮像カメラ部を収容状態にすれば、名刺情報取込管理装置を衣服のポケットに入れ、又は、カバンに入れて持ち運ぶのに都合が良い。
【0173】
名刺のセッティングは可動壁面部を移動させて2つの壁面に挟むことででき、撮像カメラ部の突出状態への変化はスライドレバーを1回操作することででき、撮像可能状態へのセッティングが非常に容易である。なお、名刺情報取込管理装置を使用しない状態に戻すには、名刺が立設されていればそれを上方に引き上げて抜取り(可動壁面の移動を伴っても良い)、撮像カメラ部が突出状態にあれば撮像カメラ部の上面に下方への力を加えて収容状態に変化させ、電源スイッチをオフ操作すれば良く(これらの3種類の操作順序は問わない)、戻す際の操作も容易になっている。
【0174】
(A−3−3)第1の実施形態によれば、ディスプレイとして白色表示時の照度を変更できるものを適用し、登録用の撮像時にはディスプレイを照明手段として利用するようにしたので、逆光に対する画像処理を不要にでき、また、ストロボランプなどの暗い環境下に対応する構成要素を不要にできる。
【0175】
(A−3−4)第1の実施形態によれば、撮像カメラ部の突出状態では名刺の撮像前であっても、撮像カメラ部及び名刺保持部間に設けられたディスプレイにその時点の名刺画像を表示するようにしたので、登録される名刺画像を精度良く推測しながら登録のための撮像を起動することができ、無駄な撮像を少なくすることができる。因みに、特許文献1に記載のようなディスプレイが下向きに傾いた状態では候補画像を表示しても見難い。また、特許文献2に記載のような撮像を行う箇所から離れているパソコン上に候補画像を表示しても、候補画像で発見した気に入らない事項に対する修正操作などを簡単に実行できない。例えば、候補画像を見て、室内光の方向を考慮して装置の向きを変える場合、実施形態の装置では、撮像カメラ部及び名刺保持部間にディスプレイが設けられているので容易にできるが、特許文献2の記載技術ではパソコンに表示された候補画像を見て撮像装置の固定装置の向きを調整し、その後、再びパソコンの画像を見、必要ならばこれら装置を繰り返すこととなり、操作は煩雑になってしまう。
【0176】
(A−3−5)名刺情報データベース57では、ユーザに名刺情報を検索させる最低限のキー情報(会社名及び氏名)以外で名刺に記載された情報は、名刺画像データにより記憶している。これにより、名刺情報取込管理装置1では、名刺画像から名刺情報を読み込んだ際、誤認識されているかユーザが判別しやすい情報のみでリスト管理しているため極めて正確なリスト管理が可能となる。また、これらの情報以外は文字変換せずに画像データのまま管理するため、誤認識されているか否かユーザが判別しにくい情報についても正確に把握することが可能となり、正確な名刺情報を登録することができる。
【0177】
一方、従来技術では、登録する情報は、全て名刺画像から文字認識した情報で構成されている。すなわち、従来技術では、データベースに記憶させる情報は、全て名刺画像から文字認識した情報で構成されているため、誤認識が発生しやすかった。名刺の電話番号等は小さい文字で記載されているため、誤認識が発生しやすいということもあった。また、電話番号やファクシミリ番号は数字の羅列であって意味がないため、URLや電子メールアドレスはある程度は意味があるがアルファベットの羅列であるため、それぞれ誤認識が発生した場合にユーザが誤認識であることを認識することが困難であった。
【0178】
一方、氏名や組織名は、意味のある文字列であるため、誤認識が発生しているかユーザが容易に認識できる。
【0179】
名刺情報取込管理装置1では、以上の人間の特性に鑑み、OCRの誤認識をユーザが気づきやすい情報にのみ基づいて情報を整理し(リスト化し)、その他の情報についてはOCRした情報ではなく撮像して作成した画像データによってユーザに提示することとしたため、極めて正確なリスト管理と極めて正確な情報提示を極めて簡易に実現している。
【0180】
(A−3−6)名刺情報取込管理装置1では、上述の通り、新規に名刺情報を登録する際に、既に会社名及び氏名が重複する重複名刺情報が登録されている場合、重複名刺確認画面(図15)により、ユーザに登録処理の内容を選択させている。これにより、例えば、ユーザが同じ人から過去に名刺をもらっていた場合には、新しくもらった名刺について、名刺画像データだけを差し替えて登録したり、登録を中止したりすること等を選択することができる。重複名刺確認画面(図15)を用いない場合、新規にユーザが登録しようとする名刺を全て登録してしまうと、同じ人からもらった名刺の名刺情報が複数登録されてしまうことになる。同じ人からもらった名刺の名刺情報が複数登録されてしまい、さらに、名刺情報ごとに名刺に記載された連絡先等が異なっていると、ユーザはどの名刺情報が最新のものなのかを確認する必要がある。しかし、第1の実施形態の名刺情報取込管理装置1のように、重複名刺確認画面(図15)を用いて、ユーザに確認させることにより、同じ人からもらった名刺の名刺情報が重複して登録されることを防ぐことができる。
【0181】
(A−3−7)名刺情報取込管理装置1では、名刺情報の会社名については、組織の種類を示す部分については省略して登録している。これにより、例えば、「株式会社」が頭に付されている会社名について、すべて読みが「か」で始まることとなること等を回避し、ユーザの検索操作をしやすくしている。また、法人や組織等の種類を示す部分については省略して、ディスプレイ2に表示することにより、表示スペースを効率よく利用し、より多くの会社名を表示したりすること等の効果を奏する。
【0182】
(B)第2の実施形態
次に、本発明によるカード情報管理装置を、名刺情報取込管理装置に適用した第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0183】
(B−1)第2の実施形態の構成
図21は、第2の実施形態の名刺情報取込管理装置1Aの電気的構成について示したブロック図である。
【0184】
なお、第2の実施形態の名刺情報取込管理装置1Aのハードウェア構成については、第1の実施形態と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0185】
第2の実施形態の名刺情報取込管理装置1Aでは、名刺情報データベース57に格納されたデータの一部又は全部を有するバックアップデータを格納するバックアップデータ格納部59が備えられている点で、第1の実施形態と異なる。なお、バックアップデータ格納部59に格納されるバックアップデータの数は限定されないものである。
【0186】
バックアップデータ格納部59(バックアップデータを記録する記録領域)は、名刺情報データベース57と同じ記録媒体(マイクロSDカード)に設定されているものとする。なお、バックアップデータ格納部59を設定する記録領域は、名刺情報データベース57と別個の記録媒体であっても良い。
【0187】
また、名刺情報取込管理装置1Aでは、プログラムメモリ51に格納されるカードデータ管理プログラムに、バックアップデータの作成及び展開処理を行うプログラムが追加されている点で、第1の実施形態と異なっている。名刺情報取込管理装置1Aのその他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0188】
以下、第2の実施形態の名刺情報取込管理装置1Aについて、第1の実施形態との差異を説明する。
【0189】
バックアップデータには、ユーザの操作に応じて、名刺情報データベース57の名刺情報の一部又は全部が格納される。例えば、バックアップデータには、会社名単位、名刺情報単位等で、ユーザの操作により選択された名刺情報だけを格納するようにしても良い。
【0190】
また、それぞれのバックアップデータのデータ形式は限定されないものであるが、ここでは例として、バックアップデータは一つのファイルとして生成されるものとする。例えば、バックアップデータが記録されたマイクロSDカードの内容をパソコン等で閲覧すると、それぞれのバックアップデータが、一つのファイルとして表示されることになる。そして、パソコン上で、マイクロSDカードからバックアップデータを読み込んで保存したり、パソコン上で保存されているバックアップデータを、マイクロSDカードに書き込んだりすることができる。すなわち、複数の名刺情報取込管理装置1A間で、マイクロSDカード等の記録媒体により、バックアップデータのやりとりをすることができる。
【0191】
また、名刺情報取込管理装置1Aでは、ユーザの操作に応じて、名刺情報データベース57に、バックアップデータの内容を展開することができる。名刺情報取込管理装置1Aでは、例えば、名刺情報データベース57の内容をバックアップデータの内容に全て変更したり、名刺情報データベース57の内容と、バックアップデータの内容とを統合したりすることができる。
【0192】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の名刺情報取込管理装置1の動作を説明する。
【0193】
(B−2−1)バックアップデータの作成
まず、名刺情報取込管理装置1Aにおいて、ユーザの操作に応じてバックアップデータを新たに作成する処理について説明する。
【0194】
図22は、名刺情報取込管理装置1Aでバックアップデータを作成する際に、制御部50が行う処理について示したフローチャートである。
【0195】
制御部50がバックアップデータ作成を開始させる契機は限定されないものであり、例えば、ユーザのメニュー操作やキー操作等に応じて開始させるようにしても良い。
【0196】
制御部50は、バックアップデータ作成処理を開始すると、まず、ユーザにバックアップデータ作成のモードを選択させる「バックアップモード選択画面」を、ディスプレイ2に表示させる(S301)。なお、ユーザにバックアップデータ作成のモードを選択させずに、予め設定されたモードを適用するようにしても良い。
【0197】
図23は、バックアップモード選択画面の内容例について示した説明図である。
【0198】
図23では、バックアップモード選択画面には、「全てのデータのバックアップ」と表示されたキーK501、「活用名刺のバックアップ」と表示されたキーK502、「倉庫名刺のバックアップ」と表示されたキーK503、「名刺を選択してバックアップ」と表示されたキーK504、及び「会社ごとにバックアップ」と表示されたキーK505とが配置されている。
【0199】
次に、制御部50は、バックアップモード選択画面で、ユーザの操作により実行(選択)されたキーが判定され(S302)、実行されたキーに応じてバックアップデータを作成するモードを決定する。
【0200】
バックアップモード選択画面で、ユーザの操作により、「全てのデータのバックアップ」と表示されたキーK501が実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57の全ての名刺情報を格納したバックアップデータを新たに作成して、バックアップデータ格納部59に格納し(S303)、バックアップデータ作成処理を終了する。
【0201】
一方、バックアップモード選択画面で、キーK502〜K505のいずれかが実行された場合には、制御部50は、実行されたキーに応じた名刺情報を名刺情報データベース57から抽出する(S304)。
【0202】
バックアップモード選択画面で、「活用名刺のバックアップ」と表示されたキーK502が、実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57上で活用名刺として分類されている名刺情報を抽出する。
【0203】
バックアップモード選択画面で、「倉庫名刺のバックアップ」と表示されたキーK503が実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57上で倉庫名刺として分類されている名刺情報を抽出する。
【0204】
バックアップモード選択画面で、「名刺を選択してバックアップ」と表示されたキーK504が実行された場合には、制御部50は、まず、ユーザにバックアップデータに格納する名刺情報を選択させる画面をディスプレイ2に表示させる。そして、制御部50は、ユーザの操作に応じて選択された名刺情報を名刺情報データベース57から抽出する。ユーザに名刺情報を選択させる画面では、例えば、上述の名刺情報検索処理と同様に、名刺情報をリスト形式又はサムネイル形式で表示し、1又は複数の名刺情報をユーザに選択させるようにしても良い。
【0205】
バックアップモード選択画面で、「会社ごとにバックアップ」と表示されたキーK505が実行された場合には、制御部50は、まず、ユーザにバックアップ対象となる会社名を選択させる画面をディスプレイ2に表示させる。そして、制御部50は、ユーザの操作に応じて選択された会社名の名刺情報を名刺情報データベース57から抽出する。ユーザに会社名を選択させる画面では、例えば、上述の名刺情報検索処理と同様に、会社名をリスト表示し、1又は複数の会社名をユーザに選択させるようにしても良い。なお、ユーザが任意に選択したリスト(マイリスト)ごとにバックアップできるようにしてもよい。
【0206】
上述のステップS304で名刺情報の抽出処理が終了すると、制御部50は、抽出した名刺情報を格納したバックアップデータを新たに作成して、バックアップデータ格納部59に格納し(S305)、バックアップデータ作成処理を終了する。
【0207】
(B−2−2)バックアップデータ展開処理
次に、名刺情報取込管理装置1Aにおいて、ユーザの操作に応じて、バックアップデータ格納部59に格納されたバックアップデータを、名刺情報データベース57に展開する処理について説明する。
【0208】
図24、図25は、名刺情報取込管理装置1Aで、バックアップデータを、名刺情報データベース57に展開する際に、制御部50が行う処理について示したフローチャートである。
【0209】
制御部50がバックアップデータ展開処理を開始させる契機は限定されないものであり、例えば、ユーザのメニュー操作やキー操作等に応じて開始させるようにしても良い。
【0210】
なお、ここでは、名刺情報データベース57の初期内容が、上述の図8の内容になっているものとして以降の説明を行う。
【0211】
制御部50は、バックアップデータ展開処理を開始すると、まず、ユーザにバックアップデータ展開処理のモードを選択させる「展開モード選択画面」を、ディスプレイ2に表示させる(S401)。なお、ユーザにバックアップデータ展開処理のモードを選択させずに、予め設定されたモードを適用するようにしても良い。
【0212】
図26は、展開モード選択画面の内容例について示した説明図である。
【0213】
図26では、バックアップモード選択画面に、「データの書き換え」と表示されたキーK601、及び「名刺の追加」と表示されたキーK602とが配置されている。
【0214】
制御部50では、展開モード選択画面で、ユーザの操作により実行(選択)されたキーが判定され、実行されたキーに応じて、バックアップデータ展開処理のモードが決定される。
【0215】
展開モード選択画面で、「データの書き換え」と表示されたキーK601が実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57の内容を、全てバックアップデータの内容に書き換える「データ書換モード」で、バックアップデータ展開処理を行うことを決定する。
【0216】
一方、展開モード選択画面で、「名刺の追加」と表示されたキーK602が実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57に、バックアップデータの名刺情報を統合する「名刺追加モード」で、バックアップデータ展開処理を行うことを決定する。
【0217】
そして、バックアップデータ展開処理のモードが決定すると、制御部50は、展開するバックアップデータを、ユーザに選択させる画面を、ディスプレイ2に表示させる(S402)。バックアップデータをユーザに選択させる画面では、例えば、バックアップデータ格納部59に格納されたバックアップデータのファイル名をリスト表示し、ユーザによりいずれかのファイル名を選択させるようにしても良い。
【0218】
図27は、展開するバックアップデータに格納されている内容について示した説明図である。
【0219】
ここでは、ステップS402で選択されたバックアップデータには、図27に示す名刺情報が登録されているものとして、以降の説明を行う。
【0220】
展開するバックアップデータが選択されると、制御部50は、上述のステップS401で決定されたバックアップデータ展開処理のモードを確認する(S403)。
【0221】
ステップS403で、バックアップデータを展開するモードが「データ書換モード」であると確認された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57の内容を、上述のステップS402で選択されたバックアップデータの内容に全て書き換えて(S404)バックアップデータ展開処理を終了する。
【0222】
一方、上述ステップS403で、バックアップデータを展開するモードが「名刺追加モード」であると確認された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57の内容とバックアップデータの内容とを比較する。そして、制御部50は、会社名及び氏名が重複するが、それ以外で不一致となる項目がある名刺情報(以下、「部分重複名刺情報」という)を検索する(S405)。
【0223】
部分重複名刺情報としては、例えば、会社名及び氏名は一致するが、名刺画像データのサイズや登録日時が不一致となる名刺情報等が挙げられる。ここでは、上述の通り、名刺情報データベース57の内容は上述の図8のようになっており、展開するバックアップデータの内容は、上述の図27のようになっている。この場合、名刺情報データベース57の名刺情報L101と、バックアップデータの名刺情報L205とは、会社名及び氏名は一致するが、少なくとも登録日時は異なっている。よって、部分重複名刺情報としては、名刺情報データベース57(図8)の名刺情報L101と、バックアップデータ(図27)の名刺情報L205の組が検出される。
【0224】
上述のステップS405で、部分重複名刺情報が検出された場合には、制御部50は、部分重複名刺情報に関する処理内容をユーザに選択させ、ユーザの選択に応じた処理を行う(S406)。なお、ステップS406の処理の詳細については後述する。
【0225】
上述のステップS405で、部分重複名刺情報が検出されなかった場合、又は上述のステップS406の処理が終了すると、制御部50は、名刺情報データベース57の内容とバックアップデータの内容とを比較する。そして、制御部50は、バックアップデータの名刺情報のうち、名刺情報データベース57に登録されている全ての名刺情報と、少なくとも会社名又は氏名が異なっている名刺情報(以下、「不一致名刺情報」という)を検索する(S407)。
【0226】
名刺情報データベース57(図8)の名刺情報と、バックアップデータ(図27)の名刺情報を比較すると、バックアップデータ(図27)の名刺情報L206と、会社名及び氏名が一致する名刺情報は、名刺情報データベース57(図8)には存在しない。よって、不一致名刺情報としては、バックアップデータ(図27)の名刺情報L206が検出される。
【0227】
上述のステップS407で、不一致名刺情報が検出された場合には、制御部50は、バックアップデータから検出された不一致名刺情報を、名刺情報データベース57に追加して(S408)、バックアップデータ展開処理を終了する。一方、上述のステップS407で、不一致名刺情報が検出されなかった場合には、制御部50は、そのままバックアップデータ展開処理を終了する。
【0228】
このように、制御部50は、「名刺追加モード」バックアップデータ展開処理を行う場合、名刺情報データベース57とバックアップデータとで、全ての項目が一致する名刺情報(以下、「完全一致名刺情報」という)については、何の処理も行わずスキップすることになる。
【0229】
次に、上述のステップS406で、制御部50が、部分重複名刺情報に関する処理内容をユーザに選択させ、ユーザの選択に応じて行う処理について、図25のフローチャートを用いて説明する。
【0230】
制御部50は、まず、上述のステップS405で検出された部分重複名刺情報のうち一組の部分重複名刺情報を選択し、選択した一組の部分名刺情報に関する処理内容をユーザに選択させる「部分重複名刺確認画面」をディスプレイ2に表示させる(S501)。
【0231】
図28は、「部分重複名刺確認画面」の例について示した説明図である。
【0232】
図28に示す重複名刺確認画面では、名刺情報データベース57側の部分重複名刺情報の名刺画像を表示するフィールドF301、バックアップデータ側の部分重複名刺情報の名刺画像を表示するフィールドF302、「上書き」と表示されたキーK701、「別で追加」と表示されたキーK702、「画像差替」と表示されたキーK703、「スキップ」と表示されたキーK704、及び「以降全て」と表示されたチェックボックスC101が配置されている。
【0233】
制御部50は、部分重複名刺確認画面で、ユーザの操作により実行(選択)されたキーを判定する(S502)。そして、制御部50は、部分重複名刺確認画面で実行されたキーに応じて、重複名刺情報に関する処理内容を決定し、後述するステップS503〜S506のいずれかの処理を行う
部分重複名刺確認画面で、「別で追加」と表示されたキーK702が実行された場合には、制御部50は、バックアップデータ側の部分重複名刺情報(フィールドF302で表示された名刺画像の名刺情報)を、名刺情報データベース57に追加登録(S503)して、次のステップ(後述するステップS507)に進む。
【0234】
部分重複名刺確認画面で、「上書き」と表示されたキーK701が実行された場合には、制御部50は、バックアップデータ側の部分重複名刺情報を、名刺情報データベース57側の部分重複名刺情報に上書き登録して(S504)、次のステップ(後述するステップS507)に進む。
【0235】
部分重複名刺確認画面で、「画像差替」と表示されたキーK703が実行された場合には、制御部50は、名刺情報データベース57側の部分重複名刺情報の名刺画像データを、バックアップデータ側の部分重複名刺情報の名刺画像データに差し替えて登録し(S505)、次のステップ(後述するステップS507)に進む。
【0236】
部分重複名刺確認画面で、「スキップ」と表示されたキーK704が実行された場合には、制御部50は、上述のステップS501で選択した一組の部分重複名刺情報について、処理をスキップし(S506)、次のステップ(後述するステップS507)に進む。
【0237】
上述のステップS503〜S506のいずれかの処理が完了すると、制御部50は、上述のステップS405で検出された部分重複名刺情報のうち、まだ部分重複名刺確認画面により未処理の部分重複名刺情報の有無を判定する(S507)。
【0238】
ステップS507で、未処理の部分重複名刺情報があると判定された場合には、制御部50は、上述のステップS501に戻り、未処理の部分重複名刺情報について同様の処理を行う。一方、ステップS507で、未処理の部分重複名刺情報がない(すなわち、全て処理済み)と判定された場合には、制御部50は、上述のステップS406の処理を完了し、次のステップS407の処理に移行する。
【0239】
なお、上述のステップS501の部分重複名刺確認画面で、「以降全て」と表示されたチェックボックスC101が実行され、チェックが入れられた後に、キーK701〜K704のいずれかのキーが実行された場合には、以降に選択される予定の重複名刺情報について全て同じ処理を行うものとする。すなわち、この場合、以降に選択される予定の重複名刺情報について、部分重複名刺確認画面をユーザに提示することなく、同様の処理を行い、上述のステップS406の処理を完了することになる。
【0240】
図29は、部分重複名刺確認画面で実行されたキーに応じて更新される名刺情報データベース57の内容の例について示した説明図である。
【0241】
図29では、部分重複名刺情報として、名刺情報データベース57側(図8)の名刺情報L101と、バックアップデータ側(図27)の名刺情報L206の組が検出された場合の名刺情報データベース57の更新内容について示している。
【0242】
図29(a)は、上述のステップS503の処理により、名刺情報データベース57に、バックアップデータ側の部分重複名刺情報が追加登録された場合について示している。図29(a)では、名刺情報データベース57(図8)に、バックアップデータ側(図27)の名刺情報L206が追加登録されている。
【0243】
図29(b)は、上述のステップS504の処理により、名刺情報データベース57側(図8)の名刺情報L101の名刺画像データが、バックアップデータ側(図27)の名刺情報L206の名刺画像データと差替えられた場合の、名刺情報データベース57の内容について示している。図29(b)では、名刺情報L101の名刺画像データの項目が、「名刺画像データG16」(名刺情報L206の名刺画像データ)に変更されている。さらに、図29(b)では、名刺情報L101の登録日時が、名刺情報L206の名刺画像データと同じ日時に変更されている。
【0244】
上述のステップS505の処理により、バックアップデータ側(図27)の名刺情報L206の内容が、名刺情報データベース57側(図8)の名刺情報L101に上書き登録されると、名刺情報データベース57の内容は、結果として上述の図29(b)と同じ内容となる。
【0245】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0246】
(B−3−1)名刺情報取込管理装置1Aでは、名刺追加モードでバックアップデータ展開処理を行う際に、部分重複名刺情報について、ユーザに部分重複名刺確認画面(図28)を提示して、処理内容を選択させている。これにより、名刺情報取込管理装置1Aでは、名刺追加モードでバックアップデータ展開処理を行う際に、名刺情報データベース57上に、同じ人の名刺に基づく名刺情報が、重複して登録されることを回避し、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0247】
(B−3−2)名刺情報取込管理装置1Aでは、名刺追加モードでバックアップデータ展開処理を行う際に、会社名又は氏名が異なる不一致名刺については、ユーザに確認せずにそのまま名刺情報データベース57に登録している。また、名刺情報取込管理装置1Aでは、会社名及び氏名だけでなく、その他の項目のデータも一致する完全一致名刺情報についてはスキップしている。これにより、名刺情報取込管理装置1Aでは、部分重複名刺情報以外の名刺情報については、ユーザへの確認を求めないので、ユーザの負担を軽減することができる。例えば、あるユーザが、別のユーザにより別装置で作成されたバックアップデータをもらい、名刺追加モードでバックアップデータ展開処理を行う場合に、まだ自分が登録していない人の名刺だけを少ない操作で追加登録することができる。
【0248】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0249】
(C−1)上記の各実施形態では、撮像カメラ部が回動することで突出状態と収容状態の2状態間で変化できるものを示したが、スライドによって、突出状態と収容状態の2状態間で変化できるようにしても良い。
【0250】
また、上記の各実施形態では、全体が1枚の平板状で構成されている名刺情報取込管理装置を示したが、撮像カメラ部及び名刺保持部が上記の各実施形態と同様な技術思想に従っているものであれば、全体構成はこれに限定されるものではない。例えば、携帯電話や電子手帳などで採用されているような2つ折り構成を適用しても良い。この場合に、各種のキーが配置されている下蓋側に撮像カメラ部及び名刺保持部を設けるようにすれば良い。
【0251】
さらに、上記の各実施形態では、名刺情報の管理機能(OCR機能、登録機能、検索機能)をも備えた装置を示したが、名刺画像の撮像機能(取込機能)だけを備えた装置に、本発明を適用することができる。このような場合には、名刺情報の管理機能(OCR機能、登録機能、検索機能)を、ケーブル接続された、若しくは、インターネットなどのネットワークを介して接続された外部のパソコンやサーバなどが備えていれば良い。
【0252】
上記の各実施形態では、横書き名刺も縦書き名刺も横置きで立設させるものを示したが、横書き名刺を横置きで立設させ、縦書き名刺を縦置きで立設させるようにして撮像させるようにしても良い。例えば、このような場合、横書き名刺と縦書き名刺とで撮像カメラ部の突出量を変化させると共に、奥側の辺の位置を規制するストッパとして前後方向に移動でき、横書き名刺用の位置と縦書き名刺用の位置とを取り得るものを適用するようにすれば良い。
【0253】
また、上記の各実施形態では、ディスプレイは表示機能しかない備えないものであったが、タッチパネル機能を備えたディスプレイを適用して、表示と入力を行うようにしても良い。
【0254】
上記の各実施形態では、カードが名刺の場合を示したが、他の種類のカード用の装置に対して本発明を適用することができる。例えば、葉書きやレシピ用カードや学習カード(例えば単語帳カード)などのカード情報取込装置に本発明を適用することができる。また、カードではないが、定形の封筒、出金伝票などの表面、裏面情報を取り込むような場合にも本発明を適用することができる(特許請求の範囲の「カード」の用語は、このような表面若しくは裏面の情報に意味があるカードと同様に取り扱うことができる封筒などを含むものとする)。
【0255】
(C−2)上記の各実施形態では、名刺情報取込管理装置で、名刺を一枚撮像するごとに、その名刺画像から会社名及び氏名を認識して登録処理をしているが(図10参照)、撮像だけを複数枚の名刺に繰り返した後(但し、上限枚数は設定されている)、各名刺画像に対するOCR及び名刺情報の格納を繰り返し実行する、連続撮像による登録を行うようにしても良い。例えば、上述の図10のフローチャートで、ステップS101の名刺の撮像する処理を、連続で複数回実行し、その後、撮像した名刺の画像データについて一枚ずつ、ステップS102〜S112の処理を行うようにしても良い。
【0256】
これにより、ユーザは、一度に大量の名刺を登録する場合に、名刺の撮像と登録処理の操作を交互に行わずに、連続して同じ操作を行うことができるため、利便性が向上する。
【0257】
(C−3)上記の各実施形態では、本発明のカード情報管理装置を、名刺に記載された情報等をカメラ等により取り込む名刺情報取込管理装置に適用した例について説明したが、名刺に記載された情報を取り込む構成(撮像カメラ等)を省略するようにしても良い。すなわち、本発明のカード情報管理装置を、名刺情報データベースに格納された名刺情報を閲覧するだけの装置として構築するようにしても良い。
【0258】
(C−4)上記の各実施形態では、名刺情報データベースに、キー情報として、「会社名」及び「氏名」の項目の情報を必ず入力するようにしているが、いずれか一方の項目を、名刺情報データベースから省略するようにしても良い。この場合、ユーザには、「会社名」又は「氏名」のいずれかの項目だけをキー情報(手がかり)として、名刺情報を選択させることになる。
【0259】
(C−5)第2の実施形態では、バックアップデータの展開処理において、部分重複名刺情報が検出された場合には、重複名刺情報に関する処理内容をユーザに選択させているが、ユーザに選択させずに、全て予め設定された同じ処理を行うようにしても良い。例えば、名刺情報取込管理装置で、部分重複名刺情報については、データベースへの登録を行わずにスキップしたり、別個の名刺情報として登録するようにしても良い。
【0260】
(C−6)上記の各実施形態では、本発明のカード情報管理装置を、名刺に基づく情報を管理する名刺情報取込管理装置に適用した例について説明したが、本発明のカード情報管理装置が管理する情報は、名刺以外で人物の情報が記載されたカードに基づく情報であっても良い。名刺以外で人物の情報が記載されたカードとしては、例えば、葉書や封筒等の郵便物や、人物の情報が記載されたメモカード等が挙げられる。
【0261】
(C−7)上記の各実施形態では、本発明のカード情報管理装置(名刺情報取込管理装置)は、図1、図2に示すハードウェアに、カード情報管理プログラム(名刺情報取込管理)を、インストールすることにより構築されているが、本発明のカード情報管理装置の構築に用いるハードウェアは上述のものに限定されない。すなわち、上述の図6に相当する電気的構成(機能的構成)を備える他の情報処理装置(例えば、パソコン、携帯電話端末等)に、カード情報管理プログラムをインストールして、本発明のカード情報管理装置を構築するようにしても良い。
【0262】
(C−8)上記の各実施形態では、名刺情報の名刺画像データ等当該名刺情報に係る人物の詳細情報を出力する手段(撮像データ提示手段)として、ディスプレイに表示出力する構成(上述の図20参照)について説明したが、その他にも、ディスク装置等の記憶装置に記憶させたり、プリンタ等の印刷装置に印刷出力させたりする構成としてもよく、出力方法は限定されないものである。
【0263】
(C−9)第1の実施形態では、名刺情報取込管理装置1は、ユーザに選択されたいずれかの名刺情報の名刺画像をディスプレイ2に表示出力する例(上述の図20参照)について説明したが、ユーザに複数の名刺情報を選択させて、複数の名刺情報のデータ(名刺画像データ等)の一覧を出力(出力方法は限定されない)するようにしても良い。例えば、上述の図18の画面等を用いて、ユーザにいずれかの会社名を選択させ、選択された会社名の名刺情報(すなわち、選択された会社名の会社に所属する被管理人の名刺情報)のデータ(名刺画像データ等)の一覧を出力するようにしても良い。
【0264】
また、選択された複数の名刺情報のデータを一覧出力する際には、名刺画像等をあいうえお順に出力するようにしても良い。これによりユーザは、なお、一覧出力の形式は公知の各種の表示方法を採用することができ、例えば、一画面(又は、一枚の書類)に対象となる名刺情報のデータを全て出力するようにしても良いし、一画面(又は、一枚の書類)に1又は複数のデータを順次出力していくようにしても良い。
【0265】
さらに、選択された複数の名刺情報のデータを、ディスプレイに一覧表示した場合に、一覧からユーザの操作により選択(例えば、操作キーやタッチパネルの操作により選択)された任意のデータについて詳細表示(拡大表示)するようにしても良い。例えば、タッチパネルディスプレイに、選択された複数の名刺情報のデータを一覧表示した場合に、ユーザのタッチパネル操作により選択された名刺情報のデータ(名刺画像データ等)を拡大表示するようにしても良い。また、タッチパネルに対応していないディスプレイに、選択された複数の名刺情報のデータを一覧表示した場合には、操作キー(十字キー等)によってデータ選択コマンドを移動させてユーザに選択されたデータがあった場合に当該データを拡大表示するようにしても良い。
【符号の説明】
【0266】
1…名刺情報取込管理装置、2…ディスプレイ、3…キー操作部、4…撮像カメラ部、5…名刺保持部、30…撮像カメラ、41…固定壁面、42…可動壁面部材、42a…可動壁面、43…ストッパ、43a…板状凸部、43b…凹部、50…制御部、51…プログラムメモリ、52…ワークメモリ、53…入出力インタフェース、54…ディスプレイドライバ、55…カメラドライバ、57…名刺情報データベース、58…各種センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理人の組織名、氏名、及びその他の情報が記載されたカードの情報を管理するカード情報管理装置において、
カードに記載された情報を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段により撮像された情報を文字認識するOCR手段と、
上記OCR手段により認識された文字の内、組織名及び/又は氏名を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された組織名及び/又は氏名に基づき上記被管理人をリスト化するリスト化手段と、
上記リスト化手段により作成されたリストと上記撮像手段により撮像されたデータとを紐付けて記憶する撮像データ記憶手段と、
を有することを特徴とするカード管理装置。
【請求項2】
上記抽出手段は、上記カードに含まれる文字の内、電話番号やファクシミリ番号、電子メールアドレスなどの組織名及び/又は氏名以外の文字列を認識し、これらの文字列以外の文字列の中から組織名及び/又は氏名の文字列を抽出することを特徴とする請求項1に記載のカード情報管理装置。
【請求項3】
上記リスト化手段により作成されたリストから任意の被管理人を選択する選択手段と、
上記選択手段により選択された被管理人について、上記撮像データ記憶手段に記憶された撮像データを提示する撮像データ提示手段とをさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のカード情報管理装置。
【請求項4】
上記撮像データ記憶手段に記憶された撮像データを、上記リスト化手段により作成されたリストに基づいて一覧表示する一覧表示手段と、
上記一覧表示手段により表示されたデータの中から選択された任意のデータについて詳細表示する詳細表示手段とをさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のカード情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−8733(P2012−8733A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143082(P2010−143082)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000129437)株式会社キングジム (241)
【Fターム(参考)】