説明

カーボンナノチューブの連続的な表面処理方法及び装置

【課題】カーボンナノチューブの連続的な表面処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】下記の化学式1のニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ溶液及び硝酸形成酸化剤が含まれたカーボンナノチューブ混合液を50〜400atmの亜臨界水または超臨界水条件で処理し、表面が官能基化された生成物が製造されて、強酸または強塩基の使用を排除し、ニトロ化合物を使用して、亜臨界水または超臨界水条件でカーボンナノチューブを連続的に表面処理する方法及び装置。[化学式1]R−(NO)(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブの連続的な表面処理方法及び装置に関し、具体的に、分散性を向上させるために、ニトロ化合物酸化剤を使用して、亜臨界水(subcritical water)または超臨界水(supercritical water)条件で処理するカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(Carbon nanotube;以下、CNT)は、1991年、その構造が初めて発見されて、これに関する合成と物性、そして応用に関する研究が活発に行われている。また、CNTは、電気放電時、Fe、Ni、Coなどのような遷移金属を添加すると生成されることが確認されて、本格的な研究は、1996年レーザー蒸発法により相当量の試料を作り出し始めた時から始まった。このようなCNTは、グラファイト(Graphite)面がナノ大きさの直径で丸く巻かれた、中の空いたチューブ形態であって、この際、グラファイト面が巻かれる角度及び構造によって、電気的特性が導体または半導体などになる。また、CNTは、グラファイト壁の数によって、単層カーボンナノチューブ(Single-walled carbon nanotube; SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(Double-walled carbon nanotube; DWCNT)、薄い多層カーボンナノチューブ(Thin multi-walled carbon nanotube)、多層カーボンナノチューブ(Multi-walled carbon nanotube;MWCNT)、束型カーボンナノチューブ(Roped carbon nanotube)に区分される。
【0003】
特に、CNTは、機械的強度及び弾性度に優れており、化学的に安定して、環境親和性を有しており、電気的に導体及び半導体性を有しているだけではなく、直径が1nm〜数十nmであり、長さが数μm〜数十μmであって、縦横比が約1,000であって既存のいかなる物質よりも大きい。また、比表面積が非常に大きくて、次世代情報電子素材、高効率エネルギー素材、高機能性複合素材、新環境素材などの分野で21世紀をリードする尖端新素材として脚光を浴びている。
【0004】
しかしながら、CNTが有している多様な長所にもかかわらず、凝集現象が大きくて、表面の疎水性(hydrophobic)が大きいため、他の媒質との混合特性が非常に劣悪であるばかりか、水を始めとした有機溶剤類に対する溶解性もない。したがって、CNTの長所をいかしながら、多様な用途に活用幅を広めるためには、多様な媒質との相溶性を増大させて、分散効率を良子にできる方法が必要である。CNTの相溶性を増大させる技術としては、表面に別途の特性を付与できる官能基置換技術として、大韓民国特許第450029号のように、真空及び不活性ガス雰囲気で水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウムのような強塩基でCNTの比表面積を増加させるか、大韓民国特許公開第2001−102598号、第2005−9711号または第2007−114553号のように、強酸や強塩基を使用して処理する方法などがある。
【0005】
しかし、上記の技術の場合、硝酸、硫酸などの強酸や水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような強塩基を使用するため、環境的に有害で、取り扱いが容易ではなく、反応器の腐食を誘発する可能性がある。また、使用した酸と塩基を洗浄する過程などの付加工程が伴われるか、有害な多量の廃棄物が発生する。また、反応時間が長くて、処理量が制限的であるため、効率が低く、表面に酸素以外の官能基を付与するためには、別途の工程を適用しなければならないため、たくさんの費用と時間がかかってしまう。
【0006】
また、大韓民国特許公開第2005−16640号において、一つ以上の炭素の液体炭化水素前駆体または炭素原子、窒素原子及び選択的に水素原子及び/または酸素のような他の化学元素の原子から構成される一つ以上の炭素及び窒素の液体化合物前駆体、及び選択的に一つ以上の触媒金属の金属化合物前駆体を含む液体を反応チャンバー内で熱分解することにより、カーボンナノチューブまたは窒素添加されたカーボンナノチューブを製造する方法が提案された。しかし、前記窒素添加されたカーボンナノチューブの製造時、触媒として金属化合物前駆体が含まれて、反応後の触媒処理が煩わしくて、二ドル−タイプバルブ(Needle type valve)の使用により、特定装置を導入しなければならない煩雑さがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許第450029号
【特許文献2】韓国特許公開第2001−102598号
【特許文献3】韓国特許公開第2005−9711号
【特許文献4】韓国特許公開第2007−114553号
【特許文献5】韓国特許公開第2005−16640号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような問題点を解決するために、本発明の目的は、強酸または強塩基の使用を排除し、ニトロ化合物を使用して、亜臨界水または超臨界水条件でカーボンナノチューブを連続的に表面処理する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、下記の化学式1のニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ溶液及び硝酸形成酸化剤が含まれたカーボンナノチューブ混合液を、50〜400atmの亜臨界水または超臨界水条件で処理し、表面が官能基化された生成物(functionalized product)を製造する、カーボンナノチューブの連続的な表面処理(functionalizing)方法を提供する。
[化学式1]
R−(NO)
(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)
【0010】
また、本発明は、上記の方法により連続的に表面が官能基化されたカーボンナノチューブを提供する。
【0011】
また、本発明は、前記化学式1のニトロ化合物、カーボンナノチューブ及び溶媒が混合されて、カーボンナノチューブ溶液が製造されて高圧注入される混合・注入槽と、前記混合・注入槽で製造されたカーボンナノチューブ溶液が100〜370℃に予熱される予熱槽と、前記予熱槽を経たカーボンナノチューブ溶液が、反応槽の前端で50〜400atmの圧力で注入される硝酸形成酸化剤と混合されてカーボンナノチューブ混合液となり、50〜400atmの圧力で注入されて、50〜400atmで処理される亜臨界水または超臨界水状態の表面処理反応槽と、前記表面処理反応槽を経て表面が官能基化された生成物が、200〜300℃の温度でクェンチングと同時にpH調節されるクェンチング及びpH調節槽と、前記クェンチング及びpH調節された生成物を0〜100℃に冷却して、1〜10atmに減圧する冷却・減圧槽と、前記冷却・減圧槽を経て生成物が回収される生成物貯蔵槽とを含むカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置を提供する。
【0012】
以下、添付の図面を参照し、本発明の好ましい一実施例を詳細に説明する。図面において、同一な構成要素または部品には、同一な符号を付する。本発明の説明において、係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にすることを避けるために省く。
【0013】
本明細書で使用される、程度を示す用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有な製造及び物質許容誤差が提示される時、その数値でまたはその数値に近接した意味で使用されて、本発明の理解を助けるために正確なあるいは絶対的な数値が言及された開示内容を、非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0014】
図1は、本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置工程図である。図1を参照すると、本発明のカーボンナノチューブは、a)混合段階S100;b)予熱段階S200;c)表面処理段階S300;d)クェンチング及びpH調節段階S400;e)冷却・減圧段階S500;及びf)生成物回収段階S600;を含むカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法を提供して、前記e)段階の冷却・減圧後、表面が官能基化された生成物をろ過するg)ろ過段階S510をさらに含むことができて、前記f)段階の生成物を分散させるh)分散段階S610をさらに含むことができる。
【0015】
図2は、本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置工程図である。図2を参照すると、本発明の連続的な表面処理装置工程は、混合槽100、予熱槽110、表面処理反応槽130、クェンチング及びpH調節槽140、冷却・減圧槽150、生成物貯蔵槽170が含まれる。
【0016】
本発明は、下記の化学式1のニトロ化合物、カーボンナノチューブ(CNT)、及び溶媒が含まれたカーボンナノチューブ溶液を混合して、高圧注入する混合・注入槽100から予熱槽110に注入し、100〜370℃に予熱して、表面処理反応槽130の前端から50乃至400atmの圧力で注入される硝酸形成酸化剤を投入して、前記ニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ溶液及び硝酸形成酸化剤が含まれたカーボンナノチューブ混合液を、50〜400atmの亜臨界水または超臨界水条件の表面処理反応槽130で処理して、クェンチング及びpH調節槽140でクェンチング及び中和させるカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法を提供する。
【0017】
まず、a)下記の化学式1のニトロ化合物、カーボンナノチューブ(Carbon nanotube;CNT)及び溶媒を混合・注入槽100に投入して、循環ポンプ11への混合を通じて、ニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ(CNT)溶液が製造される混合段階S100が行われる。
[化学式1]
R−(NO)
(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)
【0018】
前記ニトロ化合物は、ニトロメタン、ニトロエタン、またはニトロプロパンがさらに好ましい。
【0019】
前記ニトロ化合物は、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液内のCNTに対するモル比で0.0001乃至1モル比として含まれて、前記ニトロ化合物が0.0001モル比未満の場合、カーボンナノチューブの表面処理時、酸化効果が低くて、分散性が改善されない恐れがあり、1モル比を超過すると、超過分だけの表面処理効果が大きくならないため、原料の無駄使いが招来される。
【0020】
前記CNTは、単層(Single-walled)、二層(Double-walled)、薄い多層(Thin multi-walled)、多層(Multi-walled)、束型(Roped)及びこれらの混合物からなる群から選択されて使用されることが好ましい。
【0021】
また、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液に含まれる溶媒は、水、脂肪族アルコール、二酸化炭素及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
【0022】
前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液には、CNTが、前記溶媒100重量部を基準に0.0001乃至10重量部で含まれて製造でき、0.001乃至3重量部で含まれることがさらに好ましい。前記CNTが0.0001重量部未満である場合、CNTの回収量があまりにも少なくなり、10重量部を超過する場合、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液の粘度上昇により、以後の予熱器110への高圧注入が困難である。
【0023】
b)前記製造されたニトロ化合物が含有されたCNT溶液が、CNT溶液高圧注入ポンプ12を通じて、50〜400atmの圧力で予熱槽110に投入されて予熱される予熱段階S200が行われる。前記予熱段階S200は、前記CNT溶液を前記予熱槽100で100〜370℃に予熱させる段階であって、これは、前記CNT溶液を、後述する亜臨界水または超臨界水条件で処理する前に、予め予熱して、後述する表面処理反応槽130の温度を一定に維持するためである。
【0024】
したがって、前記予熱槽110の前端に熱交換器13を設けて、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液を予熱させる役割をして、この熱交換器13は、後述する亜臨界水または超臨界水条件で表面が官能基化された生成物を最終的に冷却させる前に、1次に温度を下げて、以後の冷却時に消費されるエネルギーの損失を防止する役割をする。前記温度が100℃未満である場合、以後の臨界条件で温度をさらに高く上げることになり、エネルギー損失の防止効果がなく、370℃を超過すると、予熱の効果ではない、それ以上の温度を上げるにかかるエネルギーの損失が却って増加するようになり、熱交換器の設置の効果が無くなってしまう。
【0025】
前記高圧注入ポンプを通じて、ニトロ化合物が含有されたCNT溶液を予熱槽110に注入時、圧力が50atm未満であると、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液を、予熱槽110または後述する表面処理反応槽130に注入することが難しく、400atmを超過すると、余計に高い圧力のため、エネルギー損失が招来されて、CNT表面を処理する側面では、表面処理される程度がそれ以上向上しない。
【0026】
c)前記予熱段階を経たニトロ化合物が含有されたCNT溶液は、酸化剤高圧注入ポンプ14を通じて50〜400atmの圧力で投入される硝酸形成酸化剤と接触して、表面処理反応槽130の前端で、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液と硝酸形成酸化剤とが混合されて、連続的に連結された表面処理反応槽130に移送され、50〜400atmの亜臨界水または超臨界水条件でカーボンナノチューブの表面処理段階S300が行われて、表面処理反応生成物が形成できる。
【0027】
前記硝酸形成酸化剤は、酸素、空気、オゾン、過酸化水素及びこれらの混合物から選択できて、前記CNT溶液中のニトロ化合物に対するモル比で0.001モル比乃至10モル比として含まれる。前記硝酸形成酸化剤とニトロ化合物が混合された後、表面処理反応槽130で瞬間的に生成される硝酸によって、CNTが酸化されて極性として表面処理されて、CNTの分散性が増加するようになる。したがって、前記硝酸形成酸化剤が、ニトロ化合物に対するモル比で0.001モル比未満に注入されると、ニトロ化合物が硝酸に転換される程度が低く、表面処理程度が低くなり、分散性が改善されず、10モル比を超過すると、過度なる酸化反応により、CNTの損傷が招来される。また、前記亜臨界水または超臨界水条件時の混合液の温度が100乃至600℃であることが好ましい。
【0028】
前記亜臨界水条件の圧力は、50〜260atmであることが好ましく、60atm乃至260atmであることがさらに好ましい。また、温度は、100乃至380℃であることが好ましく、200〜350℃であることがさらに好ましい。この際の処理時間は、1分乃至30分間行われることが好ましく、5分乃至15分間行われることがさらに好ましい。
【0029】
一方、上記の超臨界水条件は、150乃至400atmであることが好ましく、210乃至300atmであることがさらに好ましい。また、温度は、350乃至600℃であることが好ましく、370乃至500℃であることがさらに好ましい。この際の処理時間は、1分乃至30分間行われることが好ましく、5分乃至15分間行われることがさらに好ましい。
【0030】
前記表面処理反応槽130におけるCNT混合液は、前記亜臨界水または超臨界水条件でニトロ化合物と硝酸形成酸化剤が反応して、瞬間的に硝酸を形成し、表面処理が行われる。ここで、硝酸形成酸化剤として酸素が使用されることがさらに好ましい。ニトロ化合物と酸素との酸化反応式を下記に示す。
[反応式1]
NO2n+1+(3n+1/2)O→HNO+nCO+nH
前記反応式1は、ニトロアルキル化合物1モルと(3n+1/2)モルの酸素が反応して、亜臨界水または超臨界水条件で1モルの硝酸が形成される反応式の例を表現した。
【0031】
前記亜臨界水または超臨界水条件では、前記ニトロ化合物が含有されたCNT溶液及び前記硝酸形成酸化剤を含むCNT混合液が完璧に混合されて、瞬間的に生成された硝酸がCNT混合液に固まっているCNT粒子間に高い拡散速度で素早く浸透して、CNT表面が均一に酸化できるようにする。したがって、前記亜臨界水または超臨界水状態で前記酸化剤の浸透力がよくなり、酸化反応がよりさらに均一に且つ迅速に行われて、表面処理効果が増進する。前記亜臨界水または超臨界水条件は、表面処理程度の調節のための選択条件であって、水に対する温度または圧力条件を意味する。
【0032】
したがって、前記表面処理時、前記圧力が50atmまたは温度が100℃未満の場合、酸化反応速度が遅くて、表面処理がよくなされず、分散度が低下して、圧力が400atmまたは温度が600℃を超過すると、圧力を上げるためのエネルギー損失が招来されて、また、反応器の腐食及びCNTの損傷を招来する可能性がある。
【0033】
特に、亜臨界水条件で表面が官能基化されたCNTの場合、水あるいは有機溶剤における分散度がさらに高い特性を示して、超臨界水条件の場合、亜臨界水条件より少ない量のニトロ化合物及び硝酸形成酸化剤を使用しても、表面処理が亜臨界水程度の効果を示す。
【0034】
d)前記表面が官能基化された生成物に、クェンチング(Quenching;急冷)及びpH調節段階S400がクェンチング及びpH調節槽140で行われるが、これは、前記形成された硝酸により、前記表面が官能基化された生成物が酸性化された場合、300℃乃至400℃の温度で以後腐食が増加するため(参考文献 J.of Supercritical Fluids 29(2004) 1-29)、200℃乃至300℃でクェンチングして、且つ、放流時に廃水処理問題があるため、表面が官能基化された生成物のpHが5.6乃至8.0の範囲になるようにpHを調節する必要がある。
【0035】
前記pH調節剤は、酸性化状態を中和できる塩基性化合物であれば、何でも可能であるが、アンモニア水、水酸化ナトリウム、重炭酸カルシウム、水酸化カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択して、前記のpH範囲になるように調節することが好ましい。
【0036】
前記pH調節剤は、前記表面処理反応槽130の後端のクェンチング及びpH調節槽140に注入されて、200〜300℃の温度で前記表面が官能基化された生成物をクェンチングさせると同時に、pHを調節するためにpH調節剤が注入されるようになるが、これは、pH調節剤高圧注入ポンプ15により注入される。
【0037】
その後、前記予熱器110の前端に設けられてCNT溶液の予熱に使用されていた熱交換器13の熱源は、前記クェンチング及びpH調節槽140から排出されて表面処理及びpHが調節された生成物を100乃至200℃になるように1次冷却する時に再使用されて、エネルギー損失を防止することができる。
【0038】
e)前記表面処理段階を経て表面が官能基化された生成物には、0〜100℃に冷却及び1〜10atmに減圧する冷却・減圧段階S500が施される。
【0039】
前記表面が官能基化された生成物を前記熱交換器13による1次冷却後、冷却装置16を通じて0〜100℃に冷却する段階を行う。前記冷却温度は、20乃至50℃に調節することがさらに好ましい。
【0040】
前記冷却装置16で冷却された生成物を冷却・減圧槽150に移送して、1〜10atmに減圧する段階が行われるが、前記減圧は、まず上記の冷却された状態をそのまま維持したまま、まず、冷却・減圧槽150においてキャピラリー減圧装置で10乃至100atmに減圧して、圧力調節装置17で1〜10atmに最終減圧する。
【0041】
f)前記冷却・減圧を経た生成物は、最終的に生成物貯蔵槽170で生成物を回収する段階が行われる。したがって、本発明の表面が官能基化されたカーボンナノチューブ溶液が完成して、生成物回収段階S600が行われる。
【0042】
g)前記生成物の回収は、溶液状のまま利用可能であるが、粉末としての使用のための回収も可能であるが、粉末形態のCNT回収のために、前記e)冷却・減圧段階後、前記生成物を高圧ろ過させるろ過段階S510がさらに含まれる。
【0043】
図3は、本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブのろ過装置が含まれた連続的な表面処理装置工程図である。図3を参照すると、粉末状態の表面が官能基化されたカーボンナノチューブ生成物を得るために、前記図2の装置で前記表面処理されて冷却された生成物をろ過させるために、0.001乃至10μm空隙を有する高圧フィルターが並列に連結されて、スイッチング方式で運転されるろ過槽210、230をさらに含むことができ、前記ろ過槽210、230を通じて、ろ過液211、231と表面が官能基化されたCNTろ過生成物213、233とに分離排出されて、前記ろ過液211、231は、ろ過圧力調節装置21を通じて、常温、常圧状態に減圧されて、ろ過液貯蔵槽300に移送されて処理される。前記ろ過槽210、230は、必要容量によって、一つ以上並列に設置可能である。
【0044】
具体的に、表面されたCNT溶液が前記並列に連結されたろ過槽210、230で表面が官能基化されたCNTろ過生成物とろ過液とに分離される時、前記ろ過槽210に圧力がかかると、バルブを閉めてろ過槽230を開けて、前記表面処理されて冷却された生成物をろ過させて、これと同時に、ろ過槽210内の表面が官能基化されたCNTろ過生成物213を回収して、ろ過液211は、ろ過液貯蔵槽300に移送されて、処理される。
【0045】
上記と同一な方法により、ろ過槽230に圧力がかかると、バルブを閉めて、ろ過槽210に交替し、これを開けて、連続的に表面処理されて冷却された生成物をろ過させて、ろ過槽230内の表面が官能基化されたCNTろ過生成物233が回収されて、ろ過液231は、ろ過液貯蔵槽300に移送されて処理される過程を繰り返し、交互にスイッチング方式でろ過させることにより、連続的に表面処理を行う。
【0046】
したがって、前記ろ過槽210、230を経て分離排出される前記ろ過液211、231は、前記硝酸形成により酸性化された場合、表面処理反応槽130の後端のクェンチング及びpH調節槽140でpH調節剤が添加されて、pHが5.6乃至8.0に調節されて処理されるため、公知のCOD濃度が放流水の基準を満足し、2次処理無しにそのまま放流可能である。
【0047】
h)また、前記表面処理されて冷却・減圧された生成物またはろ過段階を通じてろ過されて表面が官能基化されたCNTろ過生成物は、分散段階S610をさらに含むことができる。
【0048】
具体的に、前記表面処理されて、f)段階の冷却・減圧段階を経た液状の生成物またはg)段階を経てろ過生成物として得られた表面が官能基化されたCNT、即ち、回収された生成物は、h)前記生成物を分散させる段階をさらに含むことができる。
【0049】
前記分散は、超音波、ホモジナイザー、フルイダイザー、パルバライザー、ビーズミル、ペイントシェーカーからなる群から選択できる。
【0050】
ここで、前記回収された生成物は、分散溶媒である水または有機溶剤に分散され得るが、分散溶媒100重量部を基準に、0.00001乃至10重量部で含まれる。
【0051】
前記有機溶剤は、アルコール、ケトン、アミン、アルキルハロゲン、エーテル、フラン、硫黄含有溶剤、ハイドロカーボン及びこれらの混合物からなる群から選択でき、前記分散溶媒に分散された生成物の含量が0.00001未満の場合、表面処理による分散性向上効果が測り難く、10重量部を超過すると、分散過程における粘度の上昇により、効果的な分散が難しい。
【発明の効果】
【0052】
上述のように、本発明のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法は、ニトロ化合物を使用して、亜臨界水または超臨界水条件で別途の追加工程無しに連続的に表面処理されて、反応の容易性が提供される効果がある。
【0053】
また、ニトロ化合物と硝酸形成酸化剤の反応により酸性の反応液が製造されても、中和させる別途の工程無しに、処理工程中にpH調節剤を投入して中和させるため、工程の短縮効果があって、排出溶液をそのまま放流しても、環境的に無害な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブの連続的な表面処理工程図である。
【図2】本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置工程図である。
【図3】本発明の好ましい一実施例に係わるカーボンナノチューブのろ過装置が含まれた連続的な表面処理装置工程図である。
【図4】本発明の実施例1及び比較例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブの赤外線分光スペクトルの結果である。
【図5】本発明の実施例1及び比較例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブのラマンスペクトルの結果である。
【図6】本発明の実施例1及び比較例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブのアルコール性有機溶剤系分散状態である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、実施例を通じて、さらに詳細に説明する。
【0056】
(実施例1)
混合・注入槽100に多層カーボンナノチューブ10gと蒸留水977.8gを入れた後、攪拌しながらニトロメタン12.2g(0.2M)を添加し、循環ポンプ11で循環させて、ニトロ化合物が含有されたCNT溶液を製造した。前記CNT溶液がCNT溶液高圧注入ポンプ12により30g/minの流速で予熱槽110に投入された後、CNT溶液は、熱交換器13を通じて220乃至260℃の温度に予熱される。その後、245乃至252atmで圧縮された気相状態の酸素が反応槽130の前端で0.4g/minの流速で前記CNT溶液と混合されたCNT混合液を形成する。
【0057】
前記CNT混合液が330乃至360℃の温度及び230atm乃至250atmの亜臨界水状態の表面処理反応槽130に注入されて、前記CNT混合液中のニトロメタンと酸素が反応し、反応式1の反応経路を通って瞬間的に硝酸が形成されつつ、CNTが表面処理される。
[反応式1]
NOCH+2O→HNO+CO+H
【0058】
前記表面処理反応器130の後端にクェンチング及びpH調節のためにアンモニア水をpH調節剤高圧注入ポンプ15により、0.23g/minの流速でクェンチング及びpH調節槽140に注入する。注入されたアンモニア水と表面が官能基化された生成物とがぶつかり合って、200乃至250℃の温度にクェンチングされると同時に、pH7となる。
【0059】
前記表面処理されて、クェンチング及びpH調節された生成物は、再び熱交換器13に移送されて、170℃に1次冷却後、再び冷却装置15を通じて26℃の温度に冷却された後、冷却・減圧槽150で2atmに減圧され、液体状態の表面が官能基化されたカーボンナノチューブ生成物が製造されて、生成物貯蔵槽170に貯蔵される。連続的に表面が官能基化された9.0gの生成物を得た。
【0060】
(実施例2)
実施例1と同様に表面処理を行った後、図2のろ過槽が含まれた連続的な表面処理装置を使用して、0.001乃至10μmの空隙を有する高圧フィルターを使用してろ過することにより、9.0gの表面が官能基化されたCNT生成物を得た。
【0061】
(実施例3)
350乃至370℃の温度で予熱させて、温度400乃至450℃、圧力230乃至250atmの超臨界水状態で反応をして表面処理を行ったことを除いては、前記実施例1と同様に表面処理し、8.9gの生成物を得た。
【0062】
(比較例1)
ニトロメタン及び硝酸形成酸化剤を投入せず、実施例1と同様に反応を行った。
【0063】
(比較例2)
ニトロメタン及び硝酸形成酸化剤を投入せず、実施例2と同様に反応を行った。
【0064】
*試験方法
1.赤外線分光器(FT-IR spectroscopy)
Varian社の4100モデルを使用して、分析用試料は、真空乾燥オーブンで水分を乾燥した後、カリウムブロマイド(KBr)と混合して、すりばちで攪拌した後、タブレット(tablet)を製造して測定した。
【0065】
図4は、本発明の実施例1及び比較例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブの赤外線分光スペクトル結果である。図4を参照すると、比較例1に比べて、表面が官能基化された機能基のピークが現れたことから、表面処理がなされたことを確認することができる。前記測定結果で得られた表面が官能基化された構造は、ヒドロキシ、アルコール基、カルボキシル酸基、ケトン基、エーテル基、CH−sp3、ニトロ基である。
【0066】
2.ラマン分光器(RAMAN spectroscopy)
Jobin-Yvon社のLABMAN HRモデルであって、800mm focal length monochromatorとアルゴンイオンレーザー514.532nm波長の光源を使用する装置を使用した。試料は、真空乾燥オーブンで水分を乾燥させた粉末を使用した。
【0067】
図5は、本発明の実施例1及び比較例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブのラマンスペクトルの結果である。図5を参照すると、比較例1に比べ、1580cm-1付近(Gピーク)で実施例1のピーク変化を示したことから、表面が酸化されたことを確認することができる。変化されたピークは、1620cm-1ピーク(D’ピーク)で現れる。ラマンスペクトルで1580cm-1ピークと変化された1620cm-1ピークの比率[R=D’ピーク面積(AD’)/Gピーク面積(A)]を計算して、CNT表面処理程度を見計らった。
【0068】
【表1】

【0069】
前記表1において、前記表面が官能基化されたカーボンナノチューブの表面処理程度が、ラマン分光器で0.010≦AD’/A≦0.50であり、XPSで0.1≦01s、atm%≦30.0atm%または0≦N1s、atm%≦30atm%範囲で測定されたが、比較例1及び2の場合は、酸素または窒素の特定ピークが現れなかったことを確認した。
【0070】
図6は、本発明の実施例1に係わる、表面が官能基化されたカーボンナノチューブのアルコール性有機溶剤における分散状態である。図6を参照すると、比較例1で分散効果が全く現れず、CNTが沈積して溶媒と分離されているが、実施例1の場合、実施例1で得られた表面が官能基化されたカーボンナノチューブを、エチルアルコール100重量部を基準に、1重量部添加して分散させた形態である。実施例1の表面が官能基化されたカーボンナノチューブは、沈積することなく、分散溶媒に均一に分散されていることから、表面処理により分散状態が改善されたことを確認することができる。
【0071】
以上説明した本発明は、上述の実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱することなく様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0072】
11 循環ポンプ
12 CNT高圧注入ポンプ
13 熱交換器
14 酸化剤高圧注入ポンプ
15 pH調節剤高圧注入ポンプ
16 冷却装置
17 圧力調節装置
21 ろ過圧力調節装置
100 混合・注入槽
110 予熱槽
130 表面処理反応槽
140 クェンチング及びpH調節槽
150 冷却・減圧槽
170 生成物貯蔵槽
210、230 ろ過槽
211、231 ろ過液
213、233 表面が官能基化されたCNTろ過生成物
300 ろ過液貯蔵槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1のニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ溶液及び硝酸形成酸化剤が含まれたカーボンナノチューブ混合液を、50〜400atmの亜臨界水または超臨界水条件で処理して、表面が官能基化された生成物を製造する、カーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
[化学式1]
R−(NO)
(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ混合液は、50〜400atmの圧力において、亜臨界水または超臨界水条件で注入されることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項3】
前記亜臨界水または超臨界水条件における温度が100〜600℃であることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項4】
前記硝酸形成酸化剤は、酸素、空気、オゾン、過酸化水素及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項5】
前記硝酸形成酸化剤は、前記ニトロ化合物に対して0.001モル比乃至10モル比で含まれることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項6】
前記化学式1のニトロ化合物が含有されたカーボンナノチューブ溶液は、カーボンナノチューブ、化学式1のニトロ化合物及び溶媒を混合して製造されたカーボンナノチューブ溶液であることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
[化学式1]
R−(NO)
(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)
【請求項7】
前記溶媒は、水、脂肪族アルコール、二酸化炭素及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項8】
前記ニトロ化合物は、前記カーボンナノチューブ溶液内のカーボンナノチューブに対して、0.0001モル比乃至1モル比で含まれることを特徴とする、請求項6に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブが、前記溶媒100重量部を基準に0.0001乃至10重量部で含まれることを特徴とする、請求項6に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項10】
前記カーボンナノチューブ溶液は、表面処理前に100〜370℃に予熱されたものであることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項11】
前記表面が官能基化された生成物に、pH調節剤でクェンチング及びpH調節段階を施すことを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項12】
前記pH調節剤は、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、重炭酸カルシウム水溶液、水酸化カリウム水溶液及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項13】
前記pH調節剤は、反応器の後端に高圧注入されることを特徴とする、請求項12に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項14】
前記クェンチング及びpH調節された生成物を0〜100℃に冷却及び1〜10atmに減圧する冷却・減圧段階と、
前記冷却・減圧を経た生成物の回収段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項15】
前記冷却・減圧段階を経た後、表面が官能基化された生成物をろ過するろ過段階をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項16】
前記生成物の回収段階を経て回収された生成物を分散溶媒に分散させる分散段階をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項17】
前記分散溶媒は、水、アルコール、ケトン、アミン、アルキルハロゲン、エーテル、フラン、硫黄含有溶剤、ハイドロカーボン及びこれらの混合物からなる群から選択された分散溶媒であることを特徴とする、請求項16に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項18】
前記分散は、超音波、ホモジナイザー、フルイダイザー、パルバライザー、ビーズミル、ペイントシェーカーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項19】
前記生成物が、分散溶媒100重量部を基準に0.0001乃至10重量部で含まれることを特徴とする、請求項16に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項20】
前記カーボンナノチューブは、単一壁 (Single-walled)、二重壁 (Double-walled)、薄い多重壁 (Thin multi-walled)、多重壁 (Multi-walled)、束型(Roped)及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法により連続的に表面が官能基化されたカーボンナノチューブ。
【請求項22】
前記表面が官能基化されたカーボンナノチューブの表面処理程度が、ラマン分光器で0.010≦AD’/A≦0.50であり、XPSで0.1≦O1s、atm%≦30.0atm%または0≦N1s、atm%≦30atm%であることを特徴とする、請求項21に記載の連続的に表面が官能基化されたカーボンナノチューブ。
【請求項23】
化学式1のニトロ化合物、カーボンナノチューブ及び溶媒が混合されて、カーボンナノチューブ溶液が製造される混合槽と、
前記混合・注入槽で製造されたカーボンナノチューブ溶液が100〜370℃に予熱される予熱槽と、
前記予熱槽を経たカーボンナノチューブ溶液が、反応器の前端で50〜400atmの圧力で注入される酸化剤と混合されてカーボンナノチューブ混合液となり、50〜400atmの圧力で注入されて、50〜400atmで処理される亜臨界水または超臨界水状態の表面処理反応槽と、
前記表面処理反応槽を経て表面が官能基化された生成物が、100〜300℃の温度でクェンチングと同時にpH調節されるクェンチング及びpH調節槽と、
前記クェンチング及びpH調節された生成物を0〜100℃に冷却して、1〜10atmに減圧する冷却・減圧槽と、
前記冷却・減圧槽を経て生成物が回収される生成物貯蔵槽と、を含むカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置。
[化学式1]
R−(NO)
(式中、Rは、C1〜C7のアルキル基、またはC6〜C20のアリール基であって、x及びyは、互いに独立した、1〜3の整数である)
【請求項24】
前記予熱槽の前端に熱交換器が備えられて、前記熱交換器は、カーボンナノチューブ混合液と表面が官能基化された生成物とを熱交換することを特徴とする、請求項23に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置。
【請求項25】
前記冷却・減圧槽内の減圧装置としては、キャピラリー減圧装置が使用されることを特徴とする、請求項23に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置。
【請求項26】
前記冷却・減圧槽を経た生成物がろ過されるように、0.001乃至10μmの空隙を有する高圧フィルターが並列に連結されて、スイッチング方式で運転されるろ過槽がさらに含まれることを特徴とする、請求項23に記載のカーボンナノチューブの連続的な表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263226(P2009−263226A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105310(P2009−105310)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(595137310)ハンファ ケミカル コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】