ガイドピン刺入用テンプレート
【課題】ガイドピンを骨の内部に挿入する前にその適正な挿入ポイントや挿入角度を正確に求めることができ、患者に大きな負担を与えることなく骨内の適正な位置、角度にガイドピンを容易に挿入することができるガイドピン刺入テンプレートを提供する。
【解決手段】骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレート1であって、骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材2と、一端部が基準部材2に接続し、基準部材2に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材3と、角度表示部材3の前記一端部から角度表示部材3とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材4とを備えるガイドピン刺入用テンプレート1。
【解決手段】骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレート1であって、骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材2と、一端部が基準部材2に接続し、基準部材2に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材3と、角度表示部材3の前記一端部から角度表示部材3とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材4とを備えるガイドピン刺入用テンプレート1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の骨折の治療において、骨接合インプラントを骨内に挿入する際の案内として使用するためのガイドピンを、あらかじめ骨折部位の適正な位置、角度に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
大腿骨頸部骨折などの治療には、骨接合インプラントを骨の内部に挿入し、この挿入した状態で固定することにより、骨折部を固定、補強することが行われている。具体的には、まず、図16(a)に示すように、骨幹部10の上端部近傍の皮膚を人体側方から切開し、この切開部を介して側方からアングルガイド11を骨幹部10の上端部の所定の位置に設置する。この状態から、X線照射画像を見ながら、アングルガイド11の挿入孔12から、先端部に雄ネジ部を有するガイドピン13を、ハンドドリルなどにより回転させながら、骨頭部14の内部の所定の位置までねじ込む。
【0003】
次に、ガイドピン13を挿入したまま、アングルガイド11を取り外す。そして、図16(b)に示すように、先端部に雄ネジ部を有するラグスクリュー15(骨接合インプラント)を、骨幹部10の側方に固定するためのチューブプレート16の軸支孔16aに通す。ラグスクリュー15は、ガイドピン13よりも大径に設定されるとともに、その内部にガイドピン13を通すことができるように筒状に形成されたものである。また、チューブプレート16は、略板状の本体部16bと、ラグスクリュー15を支持する軸支部16cとを備えており、これら本体部16bの延びる方向と、軸支部16cの延びる方向との交わる角θが、例えば135度、145度とあらかじめ設定されて構成されている。
【0004】
次いで、ラグスクリュー15の先端の挿入孔15aから、上記骨内に入れられたままのガイドピン13の後端部を挿入させて、ラグスクリュー15を、ガイドピン13の先端部に向けて押し進め、所定の位置まで送り込む。そして、レンチ17を用いて、ラグスクリュー15を、その先端が骨頭部14内の所定の位置に到達するまでねじ込む。そして、ラグスクリュー15をねじ込んだ状態のまま、ガイドピン13を取り外す。
【0005】
その後、図16(c)に示すように、押し込み器具としてのインパクター18を用いて、チューブプレート16の軸支部16cを骨内に挿入させて、本体部16bが骨幹部10にぴったりと接触するまで、チューブプレート16を押し込む。この状態で、図16(d)に示すように、本体部16bの所定の軸支孔16aおよび取付孔16dにネジ19を挿入して、チューブプレート16およびラグスクリュー15をしっかりと固定する。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。これら処置によれば、骨頭部14
が骨幹部10に固定、補強され、骨折部を適正に接合させることができる。
【0006】
ここで、上述のように、チューブプレート16の本体部16bの延びる方向と、軸支部16cの延びる方向との交わる角θが、あらかじめ決められていることから、ラグスクリュー15を案内するガイドピン13についても、そのガイドピン13の挿入時の長さ方向と骨幹部10の骨軸方向との交わる角が正確に角θと一致するとともに、ガイドピン13が骨頭部14の挿入予定位置を通るように、ガイドピン13を所定の挿入ポイントから所定の角度に正確に挿入する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−339727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の処置では、ガイドピン13の挿入を、X線照射画像を見ながら勘や経験などを頼りに行わなければならないため、その挿入を一回で正確に行うのは極めて困難であるという問題がある。また、ガイドピン13は、アングルガイド11を用いて骨内部に挿入されるが、この挿入過程において、骨幹部10の表面に設置されたアングルガイド11が傾いたことに気づかず、ガイドピン13の挿入作業を継続してしまうという問題もあった。
【0009】
上記問題が存在する結果、ガイドピン13が骨頭部14の挿入予定位置からズレたり、角θからズレてしまうことが多く、このようなときにはガイドピン13を一端抜いてから改めて挿入し直さなければならないため、患者に過大な負担を与えてしまうという問題があった。さらに、ガイドピン13の挿入前にアングルガイド11を体内に挿入する必要があるため、患者の皮膚の広い範囲を切開しなければならず、患者に大きな負担を与えてしまうと共に、大きな手術跡が残るという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ガイドピンを骨の内部に挿入する前にその適正な挿入ポイントや挿入角度を正確に求めることができ、患者に大きな負担を与えることなく骨内の適正な位置、角度にガイドピンを容易に挿入することができるガイドピン刺入テンプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記目的は、骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートであって、骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材と、一端部が前記基準部材に接続し、前記基準部材に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材と、前記角度表示部材の前記一端部から前記角度表示部材とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材とを備えるガイドピン刺入用テンプレートにより達成される。
【0012】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレートにおいて、前記基準部材、前記角度表示部材及び前記挿入案内部材は、骨に挿入されるガイドピンを形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記基準部材、前記角度表示部材及び挿入案内部材は、チタン合金製であることが好ましい。
【0014】
また、前記角度表示部材は、骨の内部に挿入される骨接合インプラントのサイズ確認用のインプラント選定手段を備えていることが好ましい。
【0015】
また、前記インプラント選定手段は、前記角度表示部材の側縁に形成される凹凸部であることが好ましい。
【0016】
また、前記角度表示部材の前記一端部から前記基準部材とは反対側に突出する棒状のツバ部を備えていることが好ましい。
【0017】
また、前記角度表示部材は、前記挿入案内部材の軸線と平行な方向に延びる開口窓を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ガイドピンを骨の内部に挿入する前にその適正な挿入ポイントや挿入角度を正確に求めることができ、患者に大きな負担を与えることなく骨内の適正な位置、角度にガイドピンを容易に挿入することができるガイドピン刺入テンプレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るガイドピン刺入用テンプレートを示す斜視図である。
【図2】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの平面図である。
【図3】図1における矢視A方向から見たガイドピン刺入用テンプレートの側面図である。
【図4】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの使用状況を示す概略構成図である。
【図5】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートを用いて術前計画を行う際に、人体皮膚上に施されたマーキングを示す説明図である。
【図6】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートを用いて術前計画を行う際に、人体皮膚上に施されたマーキングを示す説明図である。
【図7】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図8】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図9】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図10】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図11】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図12】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図13】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図14】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図15】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図16】従来のガイドピン及び骨接合インプラントの挿入過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレートについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1を示す斜視図であり、図2は、その平面図である。また、図3は、図2の矢視A方向から見た場合の側面図であり、図4は、ガイドピン刺入用テンプレート1の使用状況を示す概略構成図である。
【0021】
このガイドピン刺入用テンプレート1は、骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピン13を、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するために用いられるものであり、図1から図4に示すように、基準部材2と、角度表示部材3と、挿入案内部材4とを備えている。
【0022】
基準部材2は、骨の長さ方向に沿って配置されるプレート状の棒状部材であり、金属材料から形成されている。また、基準部材2の長手方向に沿う一方の側縁2aには、サイドホール位置確認手段21が形成されている。このサイドホール位置確認手段21は、基準部材2から突出する複数の凸部21a〜21dにより構成されており、各凸部21a〜21dが、骨に固定される骨接合インプラント(チューブプレート16)におけるネジ挿入用の取付孔の位置に対応している。
【0023】
角度表示部材3は、一端部が基準部材2に接続し、基準部材2に対して所定角度を示すプレート状の棒状部材であり、金属材料から形成されている。基準部材2に対する角度表示部材3の角度は、骨に固定されるチューブプレート16とこのチューブプレート16の軸支部16cに挿入されて設置されるラグスクリュー15とのなす角度に対応した角度となるように設定されている。この角度表示部材3には、図に示すように開口窓31が形成されている。この開口窓31は、後述する挿入案内部材4の軸線Z1と平行な方向に延びるように形成されている。また、開口窓31を構成する側縁であって、角度表示部材3の長手方向に沿う両側縁31a,31bは、互いに平行となるように構成されている。また、これら両側縁31a,31bは、角度表示部材3の長手方向における軸線Z2とも平行となるように構成されている。角度表示部材3の先端部には、骨の内部に挿入される骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ確認用のインプラント選定手段32が設けられている。このインプラント選定手段32は、角度表示部材3の側縁に形成される凹凸部により構成されている。この凹凸部は、角度表示部材3の最も先端側から、Lサイズの骨接合インプラント(ラグスクリュー15)を示す凸部32a、Mサイズを示す凹部32b、Sサイズを示す凸部32cの順で配置されており、各凸部及び凹部近傍に、L、M、Sの刻印が施されている。なお、これら刻印は、骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ識別が可能であればどのような表示であってもよく、例えば、大、中、小といった表示であってもよく、或いは、1,2,3といった表示であってもよい。
【0024】
挿入案内部材4は、ガイドピン13を刺入する際の見当となるプレート状の棒状部材であり、角度表示部材3の一端部から角度表示部材3とは反対側に突出するように構成されている。なお、この挿入案内部材4も、金属材料から形成されている。この棒状の挿入案内部材4における長手方向の中心軸Z1と、角度表示部材3に形成される開口窓31における長手方向の中心軸Z2とは、互いに平行となるように構成されている。
【0025】
上述の基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4は、金属材料により形成されているが、骨に挿入されるガイドピン13を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されていることが好ましい。特に、ガイドピン13を形成する金属材料の比重よりも軽い比重を有する金属材料から形成することが好ましい。一般的には、ガイドピン13はステンレスにより形成されているので、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4をチタン合金或いはアルミニウムから形成することが好ましい。なお、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を形成する材料としては、X線透過性の観点から金属材料が好ましいが、オートクレーブ滅菌やガス滅菌、放射線滅菌、プラズマ滅菌等の滅菌処理が可能な樹脂等により形成することも可能である。樹脂等を用いた場合にはX線が基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を透過してしまうことから硫酸バリウム、酸化ビスマスなどの金属粉末を配合したものが好ましい。
【0026】
また、上述のガイドピン刺入用テンプレート1を製造するには、種々の方法を採用することが可能であるが、例えば、ワイヤカット加工、放電加工或いはマシニングセンタ等により、板状のチタン合金製プレートから上記基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を含む形状を一体的に切断することにより製造することができる。また、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4のそれぞれを別体として板状のチタン合金製プレートから形成し、各部材を溶接等で組立ててもよい。また、ガイドピン刺入用テンプレート1を1枚の金属板から形成する場合には、上述の挿入案内部材4における長手方向の中心軸Z1が、開口窓31における長手方向の中心軸Z2と一致することになる。なお、本実施形態においては、ガイドピン刺入用テンプレート1を1枚の金属板から上記基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を含む形状を一体的に切断することにより形成している。また、ガイドピン刺入用テンプレート1の好適な厚み範囲は、金属材料を素材として形成する場合には1mm〜5mmである。5mm以上の場合には、X線の透過性への影響、ガイドピン刺入用テンプレート1の全体重量の増加が懸念され、1mm以下の場合は強度の問題や加工時のそりが懸念されるが、これらに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、樹脂を素材として形成する場合には3mm〜10mmが好適である。3mm以下の場合は強度の問題が懸念されるが、使用する素材により適宜設定可能である。10mm以上であれば強度の面では十分であるが、全体重量の増加が懸念される。しかし、これも使用する素材により適宜設定可能である。
【0027】
次に、このように構成された本実施形態におけるガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について、大腿骨頚部骨折を治療する場合を例にとり説明する。一般的に、大腿部頸部骨折の場合、上述したように、図4に示す骨頭部14内に、ラグスクリュー15などの骨接合インプラントを挿入、固定することにより、骨頭部14を骨幹部10の上端に固定、接合するという処置が行われる。そこで、ラグスクリュー15を骨頭部内に正確に挿入するためには、あらかじめガイドピン13を適正な位置、角度に挿入しておく必要がある。
【0028】
まず、ガイドピン13挿入前の術前計画時におけるガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について説明する。最初に、患者の大腿骨頸部の骨折部の前方に、皮膚の上からガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。この状態で、患者の前方からX線を照射し、得られた前方X線照射画像を確認する。ここで、図4は患者の前方から見た前方X線照射画像に対応している。ガイドピン刺入用テンプレート1は金属材料により形成されているため、前方X線照射画像上にはガイドピン刺入用テンプレート1が映し出されている。
【0029】
次いで、前方X線照射画像を見ながら、ガイドピン刺入用テンプレート1の位置調整を行う。具体的には、X線照射画像上に映し出される骨幹部10の外側の側縁10aと、ガイドピン刺入用テンプレート1の基準部材2の他方の側縁2bとが重なり合うように、かつ、角度表示部材3の中心軸Z2(開口窓31の中心軸)と、ガイドピン13を挿入させようとする位置とが重なり合うように、ガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。
【0030】
この状態を維持しながら、基準部材2の他方の側縁2bに沿ったマーキングM1を皮膚上に施すと共に、角度表示部材3の中心軸Z2に沿ったマーキングM2を皮膚上に施す。同様に、サイドホール位置確認手段21である各凸部21a〜21dの位置を起点として、これら各凸部21a〜21dの突出方向と平行となるマーキングM3を皮膚上に施す。さらに、基準部材2の他方の側縁2bに沿ったマーキング線M1と角度表示部材3の中心軸Z2に沿ったマーキング線M2との交点を起点として、各凸部21a〜21dの位置からのマーキング線M3と平行となるマーキングM4を皮膚上に施す。次に、患者の側方からX線を照射して側方X線照射画像を取得し、この側方X線照射画像を用いて、骨幹部の長手方向の中心軸の位置を確認し、その中心軸に沿ったマーキングM5を皮膚上に施す。これらマーキングM1〜M5を施した状態を図5及び図6に示す。
【0031】
ここで、図5及び図6においてBで示される範囲(複数のマーキングM3の内、最も膝側に施されるマーキングM3と、マーキングM4との間で区画される範囲)が、骨接合インプラントを設置する上で必要な範囲であり、図6に示されるマーキングM5上であって、この範囲Bの中央部が皮膚切開の開始点となる。なお、骨と体表面との間には軟部組織が存在し、この軟部組織は伸びやすいため、前記開始点を起点とした皮膚切開口は、軟部組織の伸びにより骨幹部10に対するその相対位置を変更することができる。したがって、皮膚切開口の切開長を極力小さくしたとしても、ガイドピン13の挿入や骨接合インプラントの設置を問題なく行うことができる。
【0032】
次に、再度、前方X線照射画像を見ながら、X線照射画像上に映し出される大腿骨の外側の側縁10aと、ガイドピン刺入用テンプレート1の基準部材2の他方の側縁2bとが重なり合うように、かつ、角度表示部材3の中心軸Z2(開口窓31の中心軸)と、ガイドピン13を挿入させようとする位置とが重なり合うように、ガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。そして、上記開始点を起点とした所定長さの皮膚切開口を形成する。
【0033】
その後、前方X線照射画像及び側方X線照射画像を見ながら、皮膚切開口からガイドピン13を挿入していく。挿入に際しては、ガイドピン刺入用テンプレート1の挿入案内部材4とガイドピン13とが重なるように留意して挿入作業を進めて行き、ガイドピン13が骨に当接した後は、角度表示部材3の開口窓31の中心軸Z2と挿入案内部材4との双方に、ガイドピン13が重なるようして挿入作業を進めていく。
【0034】
ガイドピン13の先端部が、所定の位置に達したことをX線照射画像により確認できたら、ガイドピン13の挿入作業が完了する。その後、角度表示部材3の先端部に形成されるインプラント選定手段32に対するガイドピン13の先端部位置から骨内部に挿入する骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズを確認し、適合するインプラント(ラグスクリュー15)を選定する。
【0035】
その後、図16(b)に示すように、骨内に入れられたままのガイドピン13の後端部からラグスクリュー15を挿入し、ガイドピン13の先端部に向けて押し進め、所定の位置まで送り込む。そして、図16(c)に示すように、押し込み器具としてのインパクター18を用いて、チューブプレート16の軸支部16cを骨内に挿入させて、本体部16bが骨幹部10にぴったりと接触するまで、チューブプレート16を押し込む。この状態で、図16(d)に示すように、本体部16bの所定の軸支孔16aおよび取付孔16dにネジ19を挿入して、チューブプレート16およびラグスクリュー15をしっかりと固定する。なお、ネジ19の挿入作業は、X線照射画像に映し出されるサイドホール位置確認手段21や挿入案内部材4の位置に基づいて容易且つ確実に行うことができる。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。
【0036】
本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1によれば、上述のように、ガイドピン13の挿入前に、その適正な挿入ポイントおよび挿入角度が求められ、この求められた挿入角度および挿入ポイントに基づいて、ガイドピン13を正確に挿入することができる。また、ガイドピン13挿入前に、その適正な挿入角度および挿入ポイントが求められるため、患者の皮膚の切開範囲を極力小さく抑えることが可能になり、患者への負担を軽減することができると共に、手術跡を目立たなくできる。
【0037】
また、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1は、ガイドピン13を刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材4を備えている。この挿入案内部材4は、角度表示部材3とは反対側に延びるように構成されているため、X線照射画像上では、大体骨等の骨と人体表面との間に配置されることになる。したがって、X線照射画像を見ながらガイドピン13を挿入する処置において、ガイドピン13を骨内に刺入する直前に、ガイドピン13と挿入案内部材との重なり具合を確認することにより、ガイドピン13を正しい位置及び角度で確実に骨内に挿入することができる。
【0038】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレート1は、角度表示部材3がインプラント選定手段32を備えるように構成されているため、骨折治療が施される患者にとって、最も好ましい長さの骨接合インプラント(ラグスクリュー15)を容易に選定することができる。この結果、一旦、ラグスクリュー15を骨内部に挿入した後に、そのラグスクリュー15が患者に適合していないことが判明するような事態が発生することを確実に防止することができる。
【0039】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレート1は、骨に刺入されるガイドピン13を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されているため、ガイドピン刺入用テンプレート1のX線透過率とガイドピン13のX線透過率とが、互いに異なるように構成することができる。この結果、X線照射画像上において、ガイドピン13及びガイドピン刺入用テンプレート1のX線透過像に濃淡の区別を明確につけることができ、両者の位置関係を容易かつ確実に把握することが可能となる。特に、ガイドピン刺入用テンプレート1を、ガイドピン13を形成する金属材料の比重よりも軽い比重を有する金属材料から形成した場合、X線は、ガイドピン13よりも比重の軽いガイドピン刺入用テンプレート1を透過しやすくなるため、ガイドピン刺入用テンプレート1に重なっているガイドピン13を確実に視認することができ、手術の作業性を向上させることができる。
【0040】
また、角度表示部材3には開口窓31が形成されているため、X線照射画像上でガイドピン13と重なる角度表示部材の領域を減じることができる。この結果、骨内に刺入されるガイドピン13の挿入角度や挿入位置を容易且つ確実に確認することができ、ガイドピン13の挿入作業の効率化を図ることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレート1を用いれば、従来のようにアングルガイドを体内に挿入することなく、正確にガイドピン13を骨内に刺入することができる。アングルガイドを用いてガイドピン13を刺入する場合には、アングルガイドを体内に挿入するために広い範囲で患者の皮膚を切開する必要があったが、上記ガイドピン刺入用テンプレート1を用いた場合には、体内に挿入されるアングルガイドが不要になるため、皮膚の切開範囲を極力小さく抑えることが可能となり、患者への負担を軽減して手術跡を目立たなくすることができる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレート1について説明したが、ガイドピン刺入用テンプレート1の具体的構成は上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、骨の内部に挿入される骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ確認を行うためのインプラント選定手段32として、角度表示部材3の側縁に形成される凹凸部を例示しているが、この凹凸部の形状としては、図2に示された形状に限定されず、例えば、図7や図8に示すような形状を採用することも可能である。また、これら凹凸部などの形状を設けずとも、或いはこれら形状と共に、図2においてLサイズを示す凸部32a、Mサイズを示す凹部32b、Sサイズを示す凸部32cに相当する部位のインプラント選定手段32の厚みを変化させることによりX線の透過率を変化させ、インプラント選定手段32を形成することもできる。
【0043】
また、例えば、図9に示すように、このインプラント選定手段32を、角度表示部材3の長手方向に沿って埋設される複数の粒状部材321により構成してもよい。ここで、各粒状部材321は、角度表示部材3を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている。このよう構成であっても、X線照射画像に映し出される粒状部材321の位置に基づいて、大腿骨頚部に設置すべきラグスクリュー15のサイズを容易に選定することが可能となる。
【0044】
また、上記実施形態において、基準部材2に対する角度表示部材3の角度を種々変更できるように構成してもよい。具体的には、図10に示すように、基準部材2と角度表示部材3とが固定ネジ35を介して連結されるように構成してもよい。なお、基準部材2と角度表示部材3とのなす角度を表示する角度計(図示せず)を基準部材2或いは角度表示部材3に取り付けることが好ましい。このように基準部材2と角度表示部材3とを回動部材を介して連結することにより、ガイドピン13の挿入角度を容易に種々変更することが可能になり、130°或いは135°、140°といった種々の設置角度を有する個々の骨接合インプラント(ラグスクリュー15及びチューブプレート16)に対して、単一のガイドピン刺入用テンプレート1により対応することが可能になる。また、大腿骨頚部骨折等の骨折治療が施される患者にとって、最も好ましい設置角度を有する骨接合インプラント(ラグスクリュー15及びチューブプレート16)を選定することが可能になる。
【0045】
また、上記実施形態において、図11に示すように、角度表示部材3の一端部から基準部材2とは反対側に突出する棒状のツバ部5を設けてもよい。このような構成を採用することにより、例えば大腿骨大転子側に延伸する板状部を有するチューブプレートを骨に設置する場合、患者の大腿骨におけるチューブプレートの設置領域(設置長さ)として問題があるか否かの目安とすることができ、チューブプレートの選定を効率よく行うことが可能となる。
【0046】
また、上記実施形態において、基準部材2の長手方向に沿う一方の側縁2aには、サイドホール位置確認手段21が形成されているが、このサイドホール位置確認手段21の形成位置は、基準部材2の一方の側縁2aに限定されるものではなく、例えば、基準部材2の他方の側縁2bに形成してもよい。また、サイドホール位置確認手段21として、基準部材2から突出する複数の凸部21a〜21dを例示しているが、このような形状に特に限定されず、例えば、図12〜図14に示すように、種々の形状を採用することができる。なお、図14においては、挿入案内部材4近傍に形成される凸部21aが、挿入案内部材4と一体的となる形状となっている。また、例えば、図15に示すように、このサイドホール位置確認手段21を、基準部材2の長手方向に沿って埋設される複数の粒状部材211により構成してもよい。ここで、各粒状部材211は、基準部材2を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている。このよう構成であっても、X線照射画像に映し出される粒状部材211の位置に基づいて、骨に固定される骨接合インプラント(チューブプレート16)におけるネジ挿入用の取付孔の位置を把握することが可能となる。
【0047】
また、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について、上述のように大腿骨頚部骨折を治療する場合を例にとり説明したが、ガイドピン13の挿入を伴うような骨折治療であれば、大腿骨頚部骨折以外の骨折にも使用することができることはいうまでもない。例えば、上腕骨頚部骨折や、前腕橈骨骨折、脛骨骨折等種々の骨折の治療に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ガイドピン刺入用テンプレート
2 基準部材
2a 一方の側縁
2b 他方の側縁
21 サイドホール位置確認手段
3 角度表示部材
31 開口窓
32 インプラント選定手段
4 挿入案内部材
Z1 挿入案内部材の軸線
Z2 角度表示部材の軸線(開口窓の軸線)
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の骨折の治療において、骨接合インプラントを骨内に挿入する際の案内として使用するためのガイドピンを、あらかじめ骨折部位の適正な位置、角度に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
大腿骨頸部骨折などの治療には、骨接合インプラントを骨の内部に挿入し、この挿入した状態で固定することにより、骨折部を固定、補強することが行われている。具体的には、まず、図16(a)に示すように、骨幹部10の上端部近傍の皮膚を人体側方から切開し、この切開部を介して側方からアングルガイド11を骨幹部10の上端部の所定の位置に設置する。この状態から、X線照射画像を見ながら、アングルガイド11の挿入孔12から、先端部に雄ネジ部を有するガイドピン13を、ハンドドリルなどにより回転させながら、骨頭部14の内部の所定の位置までねじ込む。
【0003】
次に、ガイドピン13を挿入したまま、アングルガイド11を取り外す。そして、図16(b)に示すように、先端部に雄ネジ部を有するラグスクリュー15(骨接合インプラント)を、骨幹部10の側方に固定するためのチューブプレート16の軸支孔16aに通す。ラグスクリュー15は、ガイドピン13よりも大径に設定されるとともに、その内部にガイドピン13を通すことができるように筒状に形成されたものである。また、チューブプレート16は、略板状の本体部16bと、ラグスクリュー15を支持する軸支部16cとを備えており、これら本体部16bの延びる方向と、軸支部16cの延びる方向との交わる角θが、例えば135度、145度とあらかじめ設定されて構成されている。
【0004】
次いで、ラグスクリュー15の先端の挿入孔15aから、上記骨内に入れられたままのガイドピン13の後端部を挿入させて、ラグスクリュー15を、ガイドピン13の先端部に向けて押し進め、所定の位置まで送り込む。そして、レンチ17を用いて、ラグスクリュー15を、その先端が骨頭部14内の所定の位置に到達するまでねじ込む。そして、ラグスクリュー15をねじ込んだ状態のまま、ガイドピン13を取り外す。
【0005】
その後、図16(c)に示すように、押し込み器具としてのインパクター18を用いて、チューブプレート16の軸支部16cを骨内に挿入させて、本体部16bが骨幹部10にぴったりと接触するまで、チューブプレート16を押し込む。この状態で、図16(d)に示すように、本体部16bの所定の軸支孔16aおよび取付孔16dにネジ19を挿入して、チューブプレート16およびラグスクリュー15をしっかりと固定する。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。これら処置によれば、骨頭部14
が骨幹部10に固定、補強され、骨折部を適正に接合させることができる。
【0006】
ここで、上述のように、チューブプレート16の本体部16bの延びる方向と、軸支部16cの延びる方向との交わる角θが、あらかじめ決められていることから、ラグスクリュー15を案内するガイドピン13についても、そのガイドピン13の挿入時の長さ方向と骨幹部10の骨軸方向との交わる角が正確に角θと一致するとともに、ガイドピン13が骨頭部14の挿入予定位置を通るように、ガイドピン13を所定の挿入ポイントから所定の角度に正確に挿入する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−339727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の処置では、ガイドピン13の挿入を、X線照射画像を見ながら勘や経験などを頼りに行わなければならないため、その挿入を一回で正確に行うのは極めて困難であるという問題がある。また、ガイドピン13は、アングルガイド11を用いて骨内部に挿入されるが、この挿入過程において、骨幹部10の表面に設置されたアングルガイド11が傾いたことに気づかず、ガイドピン13の挿入作業を継続してしまうという問題もあった。
【0009】
上記問題が存在する結果、ガイドピン13が骨頭部14の挿入予定位置からズレたり、角θからズレてしまうことが多く、このようなときにはガイドピン13を一端抜いてから改めて挿入し直さなければならないため、患者に過大な負担を与えてしまうという問題があった。さらに、ガイドピン13の挿入前にアングルガイド11を体内に挿入する必要があるため、患者の皮膚の広い範囲を切開しなければならず、患者に大きな負担を与えてしまうと共に、大きな手術跡が残るという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ガイドピンを骨の内部に挿入する前にその適正な挿入ポイントや挿入角度を正確に求めることができ、患者に大きな負担を与えることなく骨内の適正な位置、角度にガイドピンを容易に挿入することができるガイドピン刺入テンプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記目的は、骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートであって、骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材と、一端部が前記基準部材に接続し、前記基準部材に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材と、前記角度表示部材の前記一端部から前記角度表示部材とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材とを備えるガイドピン刺入用テンプレートにより達成される。
【0012】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレートにおいて、前記基準部材、前記角度表示部材及び前記挿入案内部材は、骨に挿入されるガイドピンを形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記基準部材、前記角度表示部材及び挿入案内部材は、チタン合金製であることが好ましい。
【0014】
また、前記角度表示部材は、骨の内部に挿入される骨接合インプラントのサイズ確認用のインプラント選定手段を備えていることが好ましい。
【0015】
また、前記インプラント選定手段は、前記角度表示部材の側縁に形成される凹凸部であることが好ましい。
【0016】
また、前記角度表示部材の前記一端部から前記基準部材とは反対側に突出する棒状のツバ部を備えていることが好ましい。
【0017】
また、前記角度表示部材は、前記挿入案内部材の軸線と平行な方向に延びる開口窓を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ガイドピンを骨の内部に挿入する前にその適正な挿入ポイントや挿入角度を正確に求めることができ、患者に大きな負担を与えることなく骨内の適正な位置、角度にガイドピンを容易に挿入することができるガイドピン刺入テンプレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るガイドピン刺入用テンプレートを示す斜視図である。
【図2】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの平面図である。
【図3】図1における矢視A方向から見たガイドピン刺入用テンプレートの側面図である。
【図4】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの使用状況を示す概略構成図である。
【図5】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートを用いて術前計画を行う際に、人体皮膚上に施されたマーキングを示す説明図である。
【図6】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートを用いて術前計画を行う際に、人体皮膚上に施されたマーキングを示す説明図である。
【図7】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図8】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図9】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図10】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図11】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図12】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図13】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図14】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図15】図1に示すガイドピン刺入用テンプレートの変形例を示す要部拡大平面図である。
【図16】従来のガイドピン及び骨接合インプラントの挿入過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレートについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1を示す斜視図であり、図2は、その平面図である。また、図3は、図2の矢視A方向から見た場合の側面図であり、図4は、ガイドピン刺入用テンプレート1の使用状況を示す概略構成図である。
【0021】
このガイドピン刺入用テンプレート1は、骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピン13を、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するために用いられるものであり、図1から図4に示すように、基準部材2と、角度表示部材3と、挿入案内部材4とを備えている。
【0022】
基準部材2は、骨の長さ方向に沿って配置されるプレート状の棒状部材であり、金属材料から形成されている。また、基準部材2の長手方向に沿う一方の側縁2aには、サイドホール位置確認手段21が形成されている。このサイドホール位置確認手段21は、基準部材2から突出する複数の凸部21a〜21dにより構成されており、各凸部21a〜21dが、骨に固定される骨接合インプラント(チューブプレート16)におけるネジ挿入用の取付孔の位置に対応している。
【0023】
角度表示部材3は、一端部が基準部材2に接続し、基準部材2に対して所定角度を示すプレート状の棒状部材であり、金属材料から形成されている。基準部材2に対する角度表示部材3の角度は、骨に固定されるチューブプレート16とこのチューブプレート16の軸支部16cに挿入されて設置されるラグスクリュー15とのなす角度に対応した角度となるように設定されている。この角度表示部材3には、図に示すように開口窓31が形成されている。この開口窓31は、後述する挿入案内部材4の軸線Z1と平行な方向に延びるように形成されている。また、開口窓31を構成する側縁であって、角度表示部材3の長手方向に沿う両側縁31a,31bは、互いに平行となるように構成されている。また、これら両側縁31a,31bは、角度表示部材3の長手方向における軸線Z2とも平行となるように構成されている。角度表示部材3の先端部には、骨の内部に挿入される骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ確認用のインプラント選定手段32が設けられている。このインプラント選定手段32は、角度表示部材3の側縁に形成される凹凸部により構成されている。この凹凸部は、角度表示部材3の最も先端側から、Lサイズの骨接合インプラント(ラグスクリュー15)を示す凸部32a、Mサイズを示す凹部32b、Sサイズを示す凸部32cの順で配置されており、各凸部及び凹部近傍に、L、M、Sの刻印が施されている。なお、これら刻印は、骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ識別が可能であればどのような表示であってもよく、例えば、大、中、小といった表示であってもよく、或いは、1,2,3といった表示であってもよい。
【0024】
挿入案内部材4は、ガイドピン13を刺入する際の見当となるプレート状の棒状部材であり、角度表示部材3の一端部から角度表示部材3とは反対側に突出するように構成されている。なお、この挿入案内部材4も、金属材料から形成されている。この棒状の挿入案内部材4における長手方向の中心軸Z1と、角度表示部材3に形成される開口窓31における長手方向の中心軸Z2とは、互いに平行となるように構成されている。
【0025】
上述の基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4は、金属材料により形成されているが、骨に挿入されるガイドピン13を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されていることが好ましい。特に、ガイドピン13を形成する金属材料の比重よりも軽い比重を有する金属材料から形成することが好ましい。一般的には、ガイドピン13はステンレスにより形成されているので、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4をチタン合金或いはアルミニウムから形成することが好ましい。なお、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を形成する材料としては、X線透過性の観点から金属材料が好ましいが、オートクレーブ滅菌やガス滅菌、放射線滅菌、プラズマ滅菌等の滅菌処理が可能な樹脂等により形成することも可能である。樹脂等を用いた場合にはX線が基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を透過してしまうことから硫酸バリウム、酸化ビスマスなどの金属粉末を配合したものが好ましい。
【0026】
また、上述のガイドピン刺入用テンプレート1を製造するには、種々の方法を採用することが可能であるが、例えば、ワイヤカット加工、放電加工或いはマシニングセンタ等により、板状のチタン合金製プレートから上記基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を含む形状を一体的に切断することにより製造することができる。また、基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4のそれぞれを別体として板状のチタン合金製プレートから形成し、各部材を溶接等で組立ててもよい。また、ガイドピン刺入用テンプレート1を1枚の金属板から形成する場合には、上述の挿入案内部材4における長手方向の中心軸Z1が、開口窓31における長手方向の中心軸Z2と一致することになる。なお、本実施形態においては、ガイドピン刺入用テンプレート1を1枚の金属板から上記基準部材2、角度表示部材3及び挿入案内部材4を含む形状を一体的に切断することにより形成している。また、ガイドピン刺入用テンプレート1の好適な厚み範囲は、金属材料を素材として形成する場合には1mm〜5mmである。5mm以上の場合には、X線の透過性への影響、ガイドピン刺入用テンプレート1の全体重量の増加が懸念され、1mm以下の場合は強度の問題や加工時のそりが懸念されるが、これらに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、樹脂を素材として形成する場合には3mm〜10mmが好適である。3mm以下の場合は強度の問題が懸念されるが、使用する素材により適宜設定可能である。10mm以上であれば強度の面では十分であるが、全体重量の増加が懸念される。しかし、これも使用する素材により適宜設定可能である。
【0027】
次に、このように構成された本実施形態におけるガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について、大腿骨頚部骨折を治療する場合を例にとり説明する。一般的に、大腿部頸部骨折の場合、上述したように、図4に示す骨頭部14内に、ラグスクリュー15などの骨接合インプラントを挿入、固定することにより、骨頭部14を骨幹部10の上端に固定、接合するという処置が行われる。そこで、ラグスクリュー15を骨頭部内に正確に挿入するためには、あらかじめガイドピン13を適正な位置、角度に挿入しておく必要がある。
【0028】
まず、ガイドピン13挿入前の術前計画時におけるガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について説明する。最初に、患者の大腿骨頸部の骨折部の前方に、皮膚の上からガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。この状態で、患者の前方からX線を照射し、得られた前方X線照射画像を確認する。ここで、図4は患者の前方から見た前方X線照射画像に対応している。ガイドピン刺入用テンプレート1は金属材料により形成されているため、前方X線照射画像上にはガイドピン刺入用テンプレート1が映し出されている。
【0029】
次いで、前方X線照射画像を見ながら、ガイドピン刺入用テンプレート1の位置調整を行う。具体的には、X線照射画像上に映し出される骨幹部10の外側の側縁10aと、ガイドピン刺入用テンプレート1の基準部材2の他方の側縁2bとが重なり合うように、かつ、角度表示部材3の中心軸Z2(開口窓31の中心軸)と、ガイドピン13を挿入させようとする位置とが重なり合うように、ガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。
【0030】
この状態を維持しながら、基準部材2の他方の側縁2bに沿ったマーキングM1を皮膚上に施すと共に、角度表示部材3の中心軸Z2に沿ったマーキングM2を皮膚上に施す。同様に、サイドホール位置確認手段21である各凸部21a〜21dの位置を起点として、これら各凸部21a〜21dの突出方向と平行となるマーキングM3を皮膚上に施す。さらに、基準部材2の他方の側縁2bに沿ったマーキング線M1と角度表示部材3の中心軸Z2に沿ったマーキング線M2との交点を起点として、各凸部21a〜21dの位置からのマーキング線M3と平行となるマーキングM4を皮膚上に施す。次に、患者の側方からX線を照射して側方X線照射画像を取得し、この側方X線照射画像を用いて、骨幹部の長手方向の中心軸の位置を確認し、その中心軸に沿ったマーキングM5を皮膚上に施す。これらマーキングM1〜M5を施した状態を図5及び図6に示す。
【0031】
ここで、図5及び図6においてBで示される範囲(複数のマーキングM3の内、最も膝側に施されるマーキングM3と、マーキングM4との間で区画される範囲)が、骨接合インプラントを設置する上で必要な範囲であり、図6に示されるマーキングM5上であって、この範囲Bの中央部が皮膚切開の開始点となる。なお、骨と体表面との間には軟部組織が存在し、この軟部組織は伸びやすいため、前記開始点を起点とした皮膚切開口は、軟部組織の伸びにより骨幹部10に対するその相対位置を変更することができる。したがって、皮膚切開口の切開長を極力小さくしたとしても、ガイドピン13の挿入や骨接合インプラントの設置を問題なく行うことができる。
【0032】
次に、再度、前方X線照射画像を見ながら、X線照射画像上に映し出される大腿骨の外側の側縁10aと、ガイドピン刺入用テンプレート1の基準部材2の他方の側縁2bとが重なり合うように、かつ、角度表示部材3の中心軸Z2(開口窓31の中心軸)と、ガイドピン13を挿入させようとする位置とが重なり合うように、ガイドピン刺入用テンプレート1を配置する。そして、上記開始点を起点とした所定長さの皮膚切開口を形成する。
【0033】
その後、前方X線照射画像及び側方X線照射画像を見ながら、皮膚切開口からガイドピン13を挿入していく。挿入に際しては、ガイドピン刺入用テンプレート1の挿入案内部材4とガイドピン13とが重なるように留意して挿入作業を進めて行き、ガイドピン13が骨に当接した後は、角度表示部材3の開口窓31の中心軸Z2と挿入案内部材4との双方に、ガイドピン13が重なるようして挿入作業を進めていく。
【0034】
ガイドピン13の先端部が、所定の位置に達したことをX線照射画像により確認できたら、ガイドピン13の挿入作業が完了する。その後、角度表示部材3の先端部に形成されるインプラント選定手段32に対するガイドピン13の先端部位置から骨内部に挿入する骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズを確認し、適合するインプラント(ラグスクリュー15)を選定する。
【0035】
その後、図16(b)に示すように、骨内に入れられたままのガイドピン13の後端部からラグスクリュー15を挿入し、ガイドピン13の先端部に向けて押し進め、所定の位置まで送り込む。そして、図16(c)に示すように、押し込み器具としてのインパクター18を用いて、チューブプレート16の軸支部16cを骨内に挿入させて、本体部16bが骨幹部10にぴったりと接触するまで、チューブプレート16を押し込む。この状態で、図16(d)に示すように、本体部16bの所定の軸支孔16aおよび取付孔16dにネジ19を挿入して、チューブプレート16およびラグスクリュー15をしっかりと固定する。なお、ネジ19の挿入作業は、X線照射画像に映し出されるサイドホール位置確認手段21や挿入案内部材4の位置に基づいて容易且つ確実に行うことができる。最後に、上記切開した皮膚を縫合して一連の処置が終了する。
【0036】
本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1によれば、上述のように、ガイドピン13の挿入前に、その適正な挿入ポイントおよび挿入角度が求められ、この求められた挿入角度および挿入ポイントに基づいて、ガイドピン13を正確に挿入することができる。また、ガイドピン13挿入前に、その適正な挿入角度および挿入ポイントが求められるため、患者の皮膚の切開範囲を極力小さく抑えることが可能になり、患者への負担を軽減することができると共に、手術跡を目立たなくできる。
【0037】
また、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1は、ガイドピン13を刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材4を備えている。この挿入案内部材4は、角度表示部材3とは反対側に延びるように構成されているため、X線照射画像上では、大体骨等の骨と人体表面との間に配置されることになる。したがって、X線照射画像を見ながらガイドピン13を挿入する処置において、ガイドピン13を骨内に刺入する直前に、ガイドピン13と挿入案内部材との重なり具合を確認することにより、ガイドピン13を正しい位置及び角度で確実に骨内に挿入することができる。
【0038】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレート1は、角度表示部材3がインプラント選定手段32を備えるように構成されているため、骨折治療が施される患者にとって、最も好ましい長さの骨接合インプラント(ラグスクリュー15)を容易に選定することができる。この結果、一旦、ラグスクリュー15を骨内部に挿入した後に、そのラグスクリュー15が患者に適合していないことが判明するような事態が発生することを確実に防止することができる。
【0039】
また、上記ガイドピン刺入用テンプレート1は、骨に刺入されるガイドピン13を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されているため、ガイドピン刺入用テンプレート1のX線透過率とガイドピン13のX線透過率とが、互いに異なるように構成することができる。この結果、X線照射画像上において、ガイドピン13及びガイドピン刺入用テンプレート1のX線透過像に濃淡の区別を明確につけることができ、両者の位置関係を容易かつ確実に把握することが可能となる。特に、ガイドピン刺入用テンプレート1を、ガイドピン13を形成する金属材料の比重よりも軽い比重を有する金属材料から形成した場合、X線は、ガイドピン13よりも比重の軽いガイドピン刺入用テンプレート1を透過しやすくなるため、ガイドピン刺入用テンプレート1に重なっているガイドピン13を確実に視認することができ、手術の作業性を向上させることができる。
【0040】
また、角度表示部材3には開口窓31が形成されているため、X線照射画像上でガイドピン13と重なる角度表示部材の領域を減じることができる。この結果、骨内に刺入されるガイドピン13の挿入角度や挿入位置を容易且つ確実に確認することができ、ガイドピン13の挿入作業の効率化を図ることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレート1を用いれば、従来のようにアングルガイドを体内に挿入することなく、正確にガイドピン13を骨内に刺入することができる。アングルガイドを用いてガイドピン13を刺入する場合には、アングルガイドを体内に挿入するために広い範囲で患者の皮膚を切開する必要があったが、上記ガイドピン刺入用テンプレート1を用いた場合には、体内に挿入されるアングルガイドが不要になるため、皮膚の切開範囲を極力小さく抑えることが可能となり、患者への負担を軽減して手術跡を目立たなくすることができる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態に係るガイドピン刺入用テンプレート1について説明したが、ガイドピン刺入用テンプレート1の具体的構成は上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、骨の内部に挿入される骨接合インプラント(ラグスクリュー15)のサイズ確認を行うためのインプラント選定手段32として、角度表示部材3の側縁に形成される凹凸部を例示しているが、この凹凸部の形状としては、図2に示された形状に限定されず、例えば、図7や図8に示すような形状を採用することも可能である。また、これら凹凸部などの形状を設けずとも、或いはこれら形状と共に、図2においてLサイズを示す凸部32a、Mサイズを示す凹部32b、Sサイズを示す凸部32cに相当する部位のインプラント選定手段32の厚みを変化させることによりX線の透過率を変化させ、インプラント選定手段32を形成することもできる。
【0043】
また、例えば、図9に示すように、このインプラント選定手段32を、角度表示部材3の長手方向に沿って埋設される複数の粒状部材321により構成してもよい。ここで、各粒状部材321は、角度表示部材3を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている。このよう構成であっても、X線照射画像に映し出される粒状部材321の位置に基づいて、大腿骨頚部に設置すべきラグスクリュー15のサイズを容易に選定することが可能となる。
【0044】
また、上記実施形態において、基準部材2に対する角度表示部材3の角度を種々変更できるように構成してもよい。具体的には、図10に示すように、基準部材2と角度表示部材3とが固定ネジ35を介して連結されるように構成してもよい。なお、基準部材2と角度表示部材3とのなす角度を表示する角度計(図示せず)を基準部材2或いは角度表示部材3に取り付けることが好ましい。このように基準部材2と角度表示部材3とを回動部材を介して連結することにより、ガイドピン13の挿入角度を容易に種々変更することが可能になり、130°或いは135°、140°といった種々の設置角度を有する個々の骨接合インプラント(ラグスクリュー15及びチューブプレート16)に対して、単一のガイドピン刺入用テンプレート1により対応することが可能になる。また、大腿骨頚部骨折等の骨折治療が施される患者にとって、最も好ましい設置角度を有する骨接合インプラント(ラグスクリュー15及びチューブプレート16)を選定することが可能になる。
【0045】
また、上記実施形態において、図11に示すように、角度表示部材3の一端部から基準部材2とは反対側に突出する棒状のツバ部5を設けてもよい。このような構成を採用することにより、例えば大腿骨大転子側に延伸する板状部を有するチューブプレートを骨に設置する場合、患者の大腿骨におけるチューブプレートの設置領域(設置長さ)として問題があるか否かの目安とすることができ、チューブプレートの選定を効率よく行うことが可能となる。
【0046】
また、上記実施形態において、基準部材2の長手方向に沿う一方の側縁2aには、サイドホール位置確認手段21が形成されているが、このサイドホール位置確認手段21の形成位置は、基準部材2の一方の側縁2aに限定されるものではなく、例えば、基準部材2の他方の側縁2bに形成してもよい。また、サイドホール位置確認手段21として、基準部材2から突出する複数の凸部21a〜21dを例示しているが、このような形状に特に限定されず、例えば、図12〜図14に示すように、種々の形状を採用することができる。なお、図14においては、挿入案内部材4近傍に形成される凸部21aが、挿入案内部材4と一体的となる形状となっている。また、例えば、図15に示すように、このサイドホール位置確認手段21を、基準部材2の長手方向に沿って埋設される複数の粒状部材211により構成してもよい。ここで、各粒状部材211は、基準部材2を形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている。このよう構成であっても、X線照射画像に映し出される粒状部材211の位置に基づいて、骨に固定される骨接合インプラント(チューブプレート16)におけるネジ挿入用の取付孔の位置を把握することが可能となる。
【0047】
また、本発明に係るガイドピン刺入用テンプレート1の使用方法について、上述のように大腿骨頚部骨折を治療する場合を例にとり説明したが、ガイドピン13の挿入を伴うような骨折治療であれば、大腿骨頚部骨折以外の骨折にも使用することができることはいうまでもない。例えば、上腕骨頚部骨折や、前腕橈骨骨折、脛骨骨折等種々の骨折の治療に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ガイドピン刺入用テンプレート
2 基準部材
2a 一方の側縁
2b 他方の側縁
21 サイドホール位置確認手段
3 角度表示部材
31 開口窓
32 インプラント選定手段
4 挿入案内部材
Z1 挿入案内部材の軸線
Z2 角度表示部材の軸線(開口窓の軸線)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートであって、
骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材と、
一端部が前記基準部材に接続し、前記基準部材に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材と、
前記角度表示部材の前記一端部から前記角度表示部材とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材とを備えるガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項2】
前記基準部材、前記角度表示部材及び前記挿入案内部材は、骨に挿入されるガイドピンを形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている請求項1に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項3】
前記基準部材、前記角度表示部材及び挿入案内部材は、チタン合金製である請求項1又は請求項2に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項4】
前記角度表示部材は、骨の内部に挿入される骨接合インプラントのサイズ確認用のインプラント選定手段を備えている請求項1から請求項3のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項5】
前記インプラント選定手段は、前記角度表示部材の側縁に形成される凹凸部である請求項4に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項6】
前記角度表示部材の前記一端部から前記基準部材とは反対側に突出する棒状のツバ部を備えている請求項1から請求項5のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項7】
前記角度表示部材は、前記挿入案内部材の軸線と平行な方向に延びる開口窓を備えている請求項1から請求項6のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項1】
骨の内部に骨接合インプラントを挿入するときの案内として利用するガイドピンを、あらかじめ前記骨の内部に適正な角度をもって適正な位置に挿入するためのガイドピン刺入用テンプレートであって、
骨の長さ方向に沿って配置される棒状の基準部材と、
一端部が前記基準部材に接続し、前記基準部材に対して所定角度を示す棒状の角度表示部材と、
前記角度表示部材の前記一端部から前記角度表示部材とは反対側に突出し、ガイドピンを刺入する際の見当となる棒状の挿入案内部材とを備えるガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項2】
前記基準部材、前記角度表示部材及び前記挿入案内部材は、骨に挿入されるガイドピンを形成する金属材料とは異なる金属材料により形成されている請求項1に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項3】
前記基準部材、前記角度表示部材及び挿入案内部材は、チタン合金製である請求項1又は請求項2に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項4】
前記角度表示部材は、骨の内部に挿入される骨接合インプラントのサイズ確認用のインプラント選定手段を備えている請求項1から請求項3のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項5】
前記インプラント選定手段は、前記角度表示部材の側縁に形成される凹凸部である請求項4に記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項6】
前記角度表示部材の前記一端部から前記基準部材とは反対側に突出する棒状のツバ部を備えている請求項1から請求項5のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【請求項7】
前記角度表示部材は、前記挿入案内部材の軸線と平行な方向に延びる開口窓を備えている請求項1から請求項6のいずれかに記載のガイドピン刺入用テンプレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−212179(P2011−212179A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82562(P2010−82562)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ▲1▼発行者名 中部日本整形外科災害外科学会 刊行物名 「中部日本整形外科災害外科学会雑誌」 第53巻 第1号 発行年月日 平成22年1月1日
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【出願人】(510162148)小林メディカル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ▲1▼発行者名 中部日本整形外科災害外科学会 刊行物名 「中部日本整形外科災害外科学会雑誌」 第53巻 第1号 発行年月日 平成22年1月1日
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【出願人】(510162148)小林メディカル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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