説明

ガスクロマトグラフ

【課題】 キャリアガスや通電電力等の消費量を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができるガスクロマトグラフを提供する。
【解決手段】 カラム11と、ハウンジング10の内部で空気を加熱するヒータ13と、ハウンジング10の内部で空気を循環させるファン14とを備えるガスクロマトグラフ用オーブン2と、カラム11の入口端に試料を供給する試料気化室70と、カラム11の入口端にキャリアガスを供給するガス供給部50と、カラム11の出口端に接続された検出器60と、ヒータ13、ファン14及びガス供給部50を制御する制御部21と、入力装置22とを備えるガスクロマトグラフ1であって、休止状態用パラメータを記憶する記憶部24を備え、制御部21は、分析時には分析用パラメータに設定し、分析時以外には記憶部24に記憶された休止状態パラメータに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスクロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフでは、試料ガス(サンプル)が、キャリアガスに押されてカラムの入口端からカラム内に導入される。これにより、試料ガスに含まれる各測定物質は、カラム内を通過する間に時間軸方向に分離されて、カラムの出口端に到達することになる。このとき、試料ガスを所定の温度でカラム内を通過させるために、内部にカラムを収容して、カラムの温度を調節するガスクロマトグラフ用オーブンが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来のガスクロマトグラフの一例の概略構成図である。
ガスクロマトグラフ101は、ガスクロマトグラフ用オーブン2と、試料が導入される試料気化室70と、キャリアガスを供給するガス供給部50と、検出器60と、ガスクロマトグラフ用オーブン2及びガス供給部50を制御するコンピュータ120とを備える。
【0003】
コンピュータ120においては、CPU(制御部)121やメモリ(記憶部)124を備え、さらにキーボードやマウス等を有する入力装置22と、表示装置23とが連結されている。また、CPU121が処理する機能をブロック化して説明すると、ヒータ13等を制御する温度制御部121aと、ラジアルファン14を制御するファン制御部121bと、ガス供給部50を制御する流量制御部121cと、検出器60からの信号を受信する分析制御部21dとを有する。
なお、メモリ124には、すぐに試料を分析することができるように分析時に設定されるための分析用初期流量(50L/min)と、分析用初期温度(200℃)と、分析用回転速度(1500回/min)とが分析用パラメータとして予め記憶されている。
【0004】
入力装置22は、分析者によって入力操作されるようになっており、例えば、一の試料を分析する際には、分析用パラメータとして分析用流量F’と分析用温度T’と分析時間t’とが入力される。
試料気化室70は、分析者によって試料が導入されると、カラム11の入口端に試料ガス(サンプル)を供給することができるようになっている。
【0005】
ガスクロマトグラフ用オーブン2は、上下左右の4面の壁12と、背面壁16と、前面壁となる前面扉15とで囲われた立方体形状のハウンジング10を備え、ハウンジング10の内部には、試料ガスが通過するカラム11と、空気を循環させるラジアルファン14と、空気を加熱するヒータ13と、内部の温度Tを検出する温度センサ18とが収容されるとともに、ハウンジング10の外部には、ラジアルファン14と回転軸を介して接続されたモータ17が設けられている。
前面扉15は、左端を軸として開閉可能に形成されており、分析者によって前面扉15が開かれることにより、ハウンジング10の内部に収容されたカラム11と、別のカラムとを交換することができるようになっている。
また、背面壁16の上部には、排気口(図示せず)が設けられており、排気口には、排気扉が開閉可能に形成されている。これにより、温度制御部121aによって排気扉が開かれることにより、内部の空気を排気口から外部に排出することができるようになっている。一方、背面壁16の中部には、吸気口33が設けられており、吸気口33には、吸気扉37が開閉可能に形成されている。これにより、温度制御部121aによって吸気扉37が開かれることにより、外部の空気を吸気口33から内部に導入することができるようになっている。
【0006】
このようなガスクロマトグラフ用オーブン2によれば、分析する際に分析者が入力装置22を用いて目的温度(分析用温度)T’と分析時間t’とを入力することで、分析用温度T’と分析時間t’とがメモリ124に記憶され、メモリ124に記憶された分析用温度T’と分析時間t’と分析用回転速度とに基づいて、温度制御部121aがヒータ13に通電電力を供給することによって空気を加熱して、ファン制御部121bがモータ17に通電電力を供給することによってラジアルファン14を回転させて加熱された空気を循環させることにより、ハウンジング10の内部を均一の分析用温度T’にすることができるようになっている。
このとき、温度制御部121aは、温度センサ18で検出された温度Tが分析用温度T’より低いときには、排気扉と吸気扉37とを閉じるとともに、ヒータ13への通電電力を上昇させることにより、空気を加熱していくことになる。
また、温度センサ18で検出された温度Tが分析用温度T’より高くなったときには、ヒータ13への通電電力を減少させるとともに、排気扉と吸気扉37とを開けることにより、外部の室温の空気を吸気口33から導入するとともに、加熱された一部の空気を排気口から外部に排出している。
【0007】
ガス供給源52には、キャリアガスが封入されている。そして、ガス供給源52は、ガス導入管53の一端部が接続され、さらにガス導入管53の他端部はガス流量調節弁51を介してカラム11の入口端に接続されており、ガス導入管53とガス流量調節弁51とガス供給源52とによって、カラム11にキャリアガスを供給するためのガス供給部50が構成される。
このようなガス供給部50によれば、分析する際に分析者が入力装置22を用いて目的流量(分析用流量)F’と分析時間t’とを入力することで、分析用流量F’と分析時間t’とがメモリ124に記憶され、メモリ124に記憶された分析用流量F’と分析時間t’とに基づいて、流量制御部121cがガス流量調節弁51を制御することにより、カラム11を流れるキャリアガスの流量を分析用流量F’にすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−068520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このようなガスクロマトグラフ101では、分析者がガスクロマトグラフ101の電源を入れれば、すぐに試料を分析することができるように、キャリアガスの流量が約50L/min(分析用初期流量)となるように設定されている。また、分析者が分析用パラメータとして分析用流量F’を入力すると、分析用流量F’を維持するように設定されている。しかし、分析者は1日で多数の試料を分析する必要があるが、1個の試料を分析する分析時間(例えば、10分〜1時間)が長いので、1個の試料の分析を開始させるとガスクロマトグラフ101の前から離れていた。そして、分析者は他の作業をしながら、ガスクロマトグラフ用オーブン2に設けられたLED等が分析中を示す点灯状態であるか或いは分析中でない消灯状態であるかを確認していた。
よって、ガスクロマトグラフ101が一の試料を分析した後、分析が終わったにもかかわらず、分析者がLED等が消灯状態であることを確認するまでガスクロマトグラフ101は放置されることも多く、つまりキャリアガスの流量が分析用流量F’となったまま放置されることも多く、その結果、キャリアガスの消費量が多かった。
【0010】
また、分析者がガスクロマトグラフ101の電源を入れれば、すぐに試料を分析することができるように、内部の温度Tは約200℃(分析用初期温度)となるように設定されるとともに、ラジアルファン14の回転速度は約1500回/min(分析用回転速度)となるように設定されている。また、分析者が分析用パラメータとして分析用温度T’を入力すると、分析用温度T’を維持するように設定されている。よって、一の試料を分析した後に放置されれば、ヒータ13とラジアルファン14とが作動しているため、電力の消費量が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本件発明者らは、上記課題を解決するために、キャリアガスの消費量を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができるガスクロマトグラフについて検討を行った。そこで、分析時以外には、カラムを流れるキャリアガスの流量は、カラムが熱によって劣化しないようにするのみでよいため、キャリアガスの流量を約1mL/min(休止状態用流量)とするように設定すればよいことを見出した。
さらに、分析時のみに内部の温度Tを均一の目的温度T’とすればよいため、分析時以外には内部の温度Tが均一の目的温度T’である必要もない。そして、ガスクロマトグラフでは、内部の温度Tが室温になっても、ヒータとファンとを作動させれば、内部の温度Tが均一の目的温度T’になる時間もそれほどかからない。よって、ヒータとファンとを停止するように設定すればよいことを見出した。
【0012】
すなわち、本発明のガスクロマトグラフは、ハウンジングと、前記ハウンジングの内部に配置されるカラムと、前記ハウンジングの内部で空気を加熱するヒータと、前記ハウンジングの内部で空気を循環させるファンとを備えるガスクロマトグラフ用オーブンと、前記カラムの入口端に試料を供給する試料気化室と、前記カラムの入口端にキャリアガスを供給するガス供給部と、前記カラムの出口端に接続された検出器と、前記ヒータ、ファン及びガス供給部を制御する制御部と、入力操作される入力装置とを備えるガスクロマトグラフであって、休止状態用パラメータを記憶する記憶部を備え、前記制御部は、分析時には分析用パラメータに設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態パラメータに設定するようにしている。
【0013】
本発明のガスクロマトグラフによれば、休止状態用パラメータを記憶している。これにより、分析時には分析用パラメータに設定し、分析時以外には休止状態用パラメータに設定するように、制御部が自動的に制御する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明のガスクロマトグラフによれば、キャリアガスや通電電力等の消費量を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができる。
【0015】
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記ガス供給部は、前記カラムに供給するキャリアガスの流量が、分析を行うための分析用流量と、当該分析用流量より少ない休止状態用流量とに調整可能となるように構成され、前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用流量を記憶し、前記制御部は、分析時には入力装置で入力された分析用流量に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用流量に設定するようにしてもよい。
本発明のガスクロマトグラフによれば、キャリアガスの消費量を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができる。
【0016】
また、上記の発明において、前記ヒータは、前記ハウンジングの内部で空気を加熱する温度が、分析を行うための分析用温度と、当該分析用温度より低い休止状態用温度とに調整可能となるように構成され、前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用温度を記憶し、前記制御部は、分析時には入力装置で入力された分析用温度に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用温度に設定するようにしてもよい。
本発明のガスクロマトグラフによれば、ヒータを作動させる消費電力を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができる。
【0017】
そして、上記の発明において、前記ファンは、回転速度が、分析を行うための分析用回転速度と、当該分析用回転速度より遅い休止状態用回転速度とに調整可能となるように構成され、前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用回転速度を記憶するとともに、分析用回転速度を記憶し、前記制御部は、分析時には記憶部に記憶された分析用回転速度に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用回転速度に設定するようにしてもよい。
本発明のガスクロマトグラフによれば、ファンを作動させる消費電力を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができる。
【0018】
さらに、上記の発明において、画像を表示する表示装置を備え、前記制御部は、前記表示装置に分析時以外には分析時以外であることを示す画像を表示するようにしてもよい。
本発明のガスクロマトグラフによれば、分析者は休止状態であることを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るガスクロマトグラフの一例の概略構成図である。
【図2】ガスクロマトグラフによる分析方法について説明するためのフローチャートである。
【図3】従来のガスクロマトグラフの一例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0021】
図1は、本発明に係るガスクロマトグラフの一例の概略構成図である。なお、上述したガスクロマトグラフ101と同様のものについては、同じ符号を付している。
ガスクロマトグラフ1は、ガスクロマトグラフ用オーブン2と、試料が導入される試料気化室70と、キャリアガスを供給するガス供給部50と、検出器60と、ガスクロマトグラフ用オーブン2及びガス供給部50を制御するコンピュータ20とを備える。
【0022】
コンピュータ20においては、CPU(制御部)21やメモリ(記憶部)24を備え、さらにキーボードやマウス等を有する入力装置22と、表示装置23とが連結されている。また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、ヒータ13等を制御する温度制御部21aと、ラジアルファン14を制御するファン制御部21bと、ガス供給部50を制御する流量制御部21cと、検出器60からの信号を受信する分析制御部21dとを有する。
なお、メモリ24には、分析時以外に設定されるための休止状態用流量(1mL/min)と、休止状態用温度(室温−50℃程度)と、休止状態用回転速度(0−500回/min程度)とが予め記憶されている。さらに、メモリ24には、分析時に設定されるための分析用回転速度(1500回/min)が予め記憶されている。
【0023】
流量制御部21cは、分析者が入力装置22を用いて目的流量(分析用流量)F’と分析時間t’とを入力することで、分析用流量F’と分析時間t’とが分析用パラメータとしてメモリ24に記憶され、メモリ24に記憶された分析用流量F’と分析時間t’とに基づいて、ガス流量調節弁51を制御することにより、カラム11を流れるキャリアガスの流量を分析用流量F’にする制御を行う。
また、流量制御部21cは、分析者がガスクロマトグラフ1の電源を入れたり、一の試料の分析が終わったりしたと判定したときには、メモリ24に記憶された休止状態用流量に基づいて、ガス流量調節弁51を制御することにより、カラム11を流れるキャリアガスの流量を休止状態用流量にする制御を行う。このとき、流量制御部21cは、休止状態用流量に設定していることを示す画像を表示装置23に表示する。
【0024】
温度制御部21aとファン制御部21bとは、分析者が入力装置22を用いて目的温度(分析用温度)T’と分析時間t’とを入力することで、分析用温度T’と分析時間t’とが分析用パラメータとしてメモリ24に記憶され、メモリ24に記憶された分析用温度T’と分析時間t’と分析用回転速度とに基づいて、ヒータ13に通電電力を供給することによって空気を加熱して、モータ17に通電電力を供給することによってラジアルファン14を回転させて加熱された空気を循環させることにより、ハウンジング10の内部を均一の分析用温度T’にする制御を行う。
また、温度制御部21aとファン制御部21bとは、分析者がガスクロマトグラフ1の電源を入れたり、一の試料の分析が終わったりしたと判定したときには、メモリ24に記憶された休止状態用温度と休止状態用回転速度とに基づいて、ヒータ13に通電電力を供給することを停止して、モータ17に通電電力を供給することを停止する制御を行う。このとき、温度制御部21aとファン制御部21bとは、休止状態用温度に設定していることを示す画像を表示装置23に表示する。
【0025】
次に、ガスクロマトグラフ1により試料を分析する分析方法について説明する。図2は、ガスクロマトグラフ1による分析方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、ガスクロマトグラフ1の電源が分析者によって入れられたか否かを判定する。電源が入れられていないと判定したときには、ステップS101の処理に戻る。つまり、電源が入れられるまで、ステップS101の処理が繰り返される。
一方、電源が入れられたと判定したときには、ステップS102の処理において、流量制御部21cと温度制御部21aとファン制御部21bとは、休止状態用パラメータに設定する。つまり、休止状態用流量(1mL/min)と、休止状態用温度(室温)と、休止状態用回転速度(0回/min)とに設定する。そして、休止状態用パラメータであることを表示装置23に表示する。
【0026】
次に、ステップS103の処理において、分析者によって分析用パラメータが入力されたか否かを判定する。分析用パラメータが入力されていないと判定したときには、ステップS103の処理に戻る。つまり、分析用パラメータが入力されるまで、ステップS103の処理が繰り返される。
一方、分析用パラメータが入力されたと判定したときには、ステップS104の処理において、流量制御部21cと温度制御部21aとファン制御部21bとは、分析用パラメータに設定する。つまり、分析用流量F’と、分析用温度T’と、分析用回転速度とに設定する。
【0027】
次に、ステップS105の処理において、分析が終了したか否かを判定する。すなわち、分析時間t’が経過したか否かを判定する。分析が終了していないと判定したときには、ステップS105の処理に戻る。つまり、分析が終了したと判定するまで、ステップS105の処理が繰り返される。
一方、分析が終了したと判定したときには、ステップS106の処理において、流量制御部21cと温度制御部21aとファン制御部21bとは、休止状態用パラメータに設定する。つまり、休止状態用流量(1mL/min)と、休止状態用温度(室温)と、休止状態用回転速度(0回/min)とに設定する。そして、休止状態用パラメータであることを表示装置23に表示する。
【0028】
次に、ステップS107の処理において、ガスクロマトグラフ1の電源が分析者によって切られたか否かを判定する。電源が切られていないと判定したときには、ステップS103の処理に戻る。
一方、電源が切られたと判定したときには、本フローチャートを終了する。
【0029】
以上のように、ガスクロマトグラフ1によれば、キャリアガスの消費量を少なくすることができ、ヒータ13を作動させる消費電力を少なくすることができ、ラジアルファン14を作動させる消費電力を少なくすることができ、かつ、試料が導入されると速やかに分析を行うことができる。
【0030】
(他の実施形態)
上述したガスクロマトグラフ1では、メモリ24には、分析時以外に設定されるための休止状態用流量(1mL/min)と、休止状態用温度(室温)と、休止状態用回転速度(0回/min)とが予め記憶されている構成を示したが、休止状態用流量(10mL/min)と、休止状態用温度(200℃)と、休止状態用回転速度(10回/min)とが予め記憶されているような構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、ガスクロマトグラフに利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ガスクロマトグラフ
10 ハウンジング
11 カラム
13 ヒータ
14 ファン
21 制御部
22 入力装置
24 メモリ(記憶部)
50 ガス供給部
60 検出器
70 試料気化室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウンジングと、前記ハウンジングの内部に配置されるカラムと、前記ハウンジングの内部で空気を加熱するヒータと、前記ハウンジングの内部で空気を循環させるファンとを備えるガスクロマトグラフ用オーブンと、
前記カラムの入口端に試料を供給する試料気化室と、
前記カラムの入口端にキャリアガスを供給するガス供給部と、
前記カラムの出口端に接続された検出器と、
前記ヒータ、ファン及びガス供給部を制御する制御部と、
入力操作される入力装置とを備えるガスクロマトグラフであって、
休止状態用パラメータを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、分析時には分析用パラメータに設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態パラメータに設定することを特徴とするガスクロマトグラフ。
【請求項2】
前記ガス供給部は、前記カラムに供給するキャリアガスの流量が、分析を行うための分析用流量と、当該分析用流量より少ない休止状態用流量とに調整可能となるように構成され、
前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用流量を記憶し、
前記制御部は、分析時には入力装置で入力された分析用流量に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用流量に設定することを特徴とする請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項3】
前記ヒータは、前記ハウンジングの内部で空気を加熱する温度が、分析を行うための分析用温度と、当該分析用温度より低い休止状態用温度とに調整可能となるように構成され、
前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用温度を記憶し、
前記制御部は、分析時には入力装置で入力された分析用温度に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用温度に設定することを特徴とする請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項4】
前記ファンは、回転速度が、分析を行うための分析用回転速度と、当該分析用回転速度より遅い休止状態用回転速度とに調整可能となるように構成され、
前記記憶部は、前記休止状態用パラメータとして休止状態用回転速度を記憶するとともに、分析用回転速度を記憶し、
前記制御部は、分析時には記憶部に記憶された分析用回転速度に設定し、当該分析時以外には記憶部に記憶された休止状態用回転速度に設定することを特徴とする請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項5】
画像を表示する表示装置を備え、
前記制御部は、前記表示装置に分析時以外には分析時以外であることを示す画像を表示することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のガスクロマトグラフ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−220909(P2011−220909A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91923(P2010−91923)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)