ガスタービン
【課題】本発明の目的は、タービンケーシングの加熱あるいは冷却をより高効率化させたガスタービンを提供することにある。
【解決手段】外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を設けたタービンケーシング7と、該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口9を有する外側部分ケーシング11と、前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェル13とを備える。
【解決手段】外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を設けたタービンケーシング7と、該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口9を有する外側部分ケーシング11と、前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェル13とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの構成要素であるタービンにかかり、特にケーシングの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは熱流体機械であり、高効率化が重要である。特に回転体と静止体間の間隙は、作動流体のリークに直結するために、接触しないことが優先されつつ十分に小さくする必要がある。一般に停止時には、タービンケーシングと動翼の間には初期間隙が設定されており、起動後にケーシングが十分に昇温するまでの間に、ホイールと動翼の遠心伸びに伴い間隙は最小となり、その後タービンケーシングが昇温するに伴い、間隙はまた徐々に開いていく挙動を示す。したがって、定格運転時の間隙は起動時の最小間隙に依存する。
【0003】
従来は、上記の熱変形の予測精度を向上することにより、間隙値の最小化を図る手法が一般的であった。また、特開2004−60544号公報のように、タービンケーシングの外側に熱流体を循環させることにより、タービンケーシングの熱変形を起動時には膨張側、定格時には収縮側に制御することで、間隙最小化をアクティブに行うなどの構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−60544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今後はさらなる高効率化、すなわち間隙最小化が必要になると予想されるとともに、熱流体を用いる場合には取り回し自身をより高効率化することが必要になると予想される。
【0006】
そこで、本発明の目的は、タービンケーシングの加熱あるいは冷却をより高効率化させたガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のガスタービンは、外周表面に凸状のタービュレンスプロモータを設けたタービンケーシングと、該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口を有する外側部分ケーシングと、前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェルとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タービンケーシングの加熱あるいは冷却をより高効率化させたガスタービンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】代表的なガスタービンの構造例を示す図である。
【図2】代表的な変形制御リブを有するケーシングの構造例を示す図である。
【図3】ガスタービンの全体構造断面図である。
【図4】インピンジメント孔を備えたシェルの構造例を示す図である。
【図5】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン回転軸方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図6】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン回転軸方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図7】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン円周方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図8】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図9】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン回転軸方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図10】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン回転軸方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図11】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図12】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図13】インピンジ用のシェルと変形制御リブを有するケーシングの他の構造例を示す図である。
【図14】リブの形状の例を示す図である。
【図15】リブを位相を併せて配置する例と、交互に配置する礼を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
本発明の実施例を説明する前に、先ず、本発明が対象とするガスタービンの全体構造について説明する。図3に一般的なガスタービンの構造断面図を示す。ガスタービンは大きく分けて圧縮機1,燃焼器2およびタービン3から構成されている。圧縮機1は大気から吸い込んだ空気を作動流体として断熱圧縮し、燃焼器2は圧縮機1から供給された圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧のガスを生成し、そしてタービン3は燃焼器2から導入した燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生する。タービン3からの排気は大気中に放出される。
【0012】
特に、タービンの動翼4については静翼5と交互に配置され、ホイール6の外周側に設けられた植込み用の溝へ固定される構造が一般的である。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1であり、ガスタービンの構造例を示す図である。図に示すように、ガスタービンは外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を有したタービンケーシング7から構成され、さらにタービンケーシング7を内包し、外部からの流体が流入する入口9と流出する出口10を有する外側部分ケーシング11と、タービンケーシング7と部分外側ケーシング11に挟まれて位置し、インピンジメント孔を有するシェル13からなることを特徴としている。なお、シェル13の詳細構造は後述する。また、タービンケーシング7は、その内周面側に固定された静翼4と、図示しないホイール6に固定された動翼5を内包する。
【0014】
外部からの流体が、外側部分ケーシング11とシェル13に区画された空間よりインピンジメント孔12を経て、タービンケーシング7のタービュレンスプロモータ8へ吹き付けられることにより、タービンケーシング7の加熱および冷却を高効率で行うことができ、加熱および冷却プロセス自体を高効率で行うことが期待できる。
【0015】
ここで、タービンケーシング7に設けられるタービュレンスプロモータ8は、図2に示すように外周表面に加工される。この加工方法は、タービンケーシング7を鋳造する際に鋳型へ加工を行っても良いし、鋳造後に機械加工,レーザ加工などで加工を行っても良い。
【0016】
シェル13を図4に示す。シェル13は、外側部分ケーシング11の入口9から流入した流体が一旦保持される空間を仕切るための封止壁14と、インピンジメント孔13を有する。このインピンジメント孔13から噴出する流体は、タービンケーシング7の外周面に形成された凸状のタービュレンスプロモータ8と衝突する。
【0017】
図5から図8に凸状のタービュレンスプロモータ8の配置例を示す。凸状のタービュレンスプロモータ8はタービンケーシング7の軸方向間隔17は均等に配置する必要はなく、図5に示すように上流側から下流側にかけて段階的に粗密を設けても良い(上流側におけるタービュレンスプロモータ8の軸方向間隙17<下流側の軸方向間隙17′)。これは、特に間隙を最小に制御したい初段動翼先端に相対する部分へタービュレンスプロモータ8を密集させることにより、必要以上に流体を部分外側ケーシング11へ流入させなくても良いためである。なお、図6に示すように軸方向間隔17の粗密は連続的でも良い(上流側におけるタービュレンスプロモータ8の軸方向間隙17<中間部の軸方向間隙17′<下流側の軸方向間隙17″)。
【0018】
また、図7に示すように、粗密はタービンケーシング7の周方向間隔18に対しても段階的に設けても良い。これは、タービンケーシング7は周方向に均一な構造では無いためである。なお、図8に示すように周方向間隔18の粗密は連続的でも良い。
【0019】
次に、図9から図12にシェル13に形成するインピンジメント孔12の配置例を示す。図9に示すように、シェル13に設けたインピンジメント孔12は、軸方向間隔17を均等に配置する必要はなく、図に示すように段階的に粗密を設けても良い。なお、図10に示すように軸方向間隔17の粗密は連続的でも良い。
【0020】
また、図11に示すように、粗密はシェル13の周方向間隔18に対して段階的に設けても良い。なお、図12に示すように周方向間隔18の粗密は連続的でも良い。
【実施例2】
【0021】
図13は、本発明の実施例2であるガスタービンの構造例を示す図である。図に示すように、外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を有したタービンケーシング7を備え、さらにタービンケーシング7を内包し、外部からの流体が流入する入口10と流出する出口11を有する部分外側ケーシング11と、タービンケーシング7と部分外側ケーシング11に挟まれて位置し、インピンジメント孔12を有するシェル13からなることを特徴としている。
【0022】
ここで、本実施例における部分外側ケーシング11は、径が異なる二つの筒15および15′によって構成されており、これらの筒15および15′を連結する中空円板16からなることを特徴としている。図13の場合、上流側に径の大きい筒15を配置している。そして、筒15′とシェル13の径方向の高さ(タービン回転軸側のレベル)を同じ位置に揃えている。図14には、タービュレンスプロモータ8の断面形状の例を示す。形状は円,多角形,V型などから構成しても良い。
【0023】
図15には、タービュレンスプロモータ8の配置の例を示す。配置は並列でも良いし、千鳥状でも良い。
【0024】
上述した各実施例で説明した手段を採用することで、外部からの流体が、インピンジメント孔を経てタービンケーシングのタービュレンスプロモータへ吹き付けられることにより、タービンケーシングの加熱および冷却を高効率で行うことが可能となり、加熱および冷却自体を高効率で行うことが可能となる。また、インピンジメント孔、或いはタービュレンスプロモータの配置に粗密を設けることで、最も間隙を最小化したい初段動翼に相対する部分の加熱および冷却をさらに高効率で行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0025】
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
4 動翼
5 静翼
6 ホイール
7 タービンケーシング
8 タービュレンスプロモータ
9 入口
10 出口
11 部分外側ケーシング
12 インピンジメント孔
13 シェル
14 封止壁
15 筒
16 中空円板W
17 軸方向間隔
18 周方向間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの構成要素であるタービンにかかり、特にケーシングの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは熱流体機械であり、高効率化が重要である。特に回転体と静止体間の間隙は、作動流体のリークに直結するために、接触しないことが優先されつつ十分に小さくする必要がある。一般に停止時には、タービンケーシングと動翼の間には初期間隙が設定されており、起動後にケーシングが十分に昇温するまでの間に、ホイールと動翼の遠心伸びに伴い間隙は最小となり、その後タービンケーシングが昇温するに伴い、間隙はまた徐々に開いていく挙動を示す。したがって、定格運転時の間隙は起動時の最小間隙に依存する。
【0003】
従来は、上記の熱変形の予測精度を向上することにより、間隙値の最小化を図る手法が一般的であった。また、特開2004−60544号公報のように、タービンケーシングの外側に熱流体を循環させることにより、タービンケーシングの熱変形を起動時には膨張側、定格時には収縮側に制御することで、間隙最小化をアクティブに行うなどの構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−60544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今後はさらなる高効率化、すなわち間隙最小化が必要になると予想されるとともに、熱流体を用いる場合には取り回し自身をより高効率化することが必要になると予想される。
【0006】
そこで、本発明の目的は、タービンケーシングの加熱あるいは冷却をより高効率化させたガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のガスタービンは、外周表面に凸状のタービュレンスプロモータを設けたタービンケーシングと、該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口を有する外側部分ケーシングと、前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェルとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タービンケーシングの加熱あるいは冷却をより高効率化させたガスタービンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】代表的なガスタービンの構造例を示す図である。
【図2】代表的な変形制御リブを有するケーシングの構造例を示す図である。
【図3】ガスタービンの全体構造断面図である。
【図4】インピンジメント孔を備えたシェルの構造例を示す図である。
【図5】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン回転軸方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図6】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン回転軸方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図7】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン円周方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図8】図2の変形例であり、タービュレンスプロモータのタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図9】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン回転軸方向の間隔を段階的に変化させた例を示す図である。
【図10】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン回転軸方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図11】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図12】図4の変形例であり、インピンジメント孔のタービン円周方向の間隔を連続的に変化させた例を示す図である。
【図13】インピンジ用のシェルと変形制御リブを有するケーシングの他の構造例を示す図である。
【図14】リブの形状の例を示す図である。
【図15】リブを位相を併せて配置する例と、交互に配置する礼を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
本発明の実施例を説明する前に、先ず、本発明が対象とするガスタービンの全体構造について説明する。図3に一般的なガスタービンの構造断面図を示す。ガスタービンは大きく分けて圧縮機1,燃焼器2およびタービン3から構成されている。圧縮機1は大気から吸い込んだ空気を作動流体として断熱圧縮し、燃焼器2は圧縮機1から供給された圧縮空気に燃料を混合し燃焼することで高温高圧のガスを生成し、そしてタービン3は燃焼器2から導入した燃焼ガスの膨張の際に回転動力を発生する。タービン3からの排気は大気中に放出される。
【0012】
特に、タービンの動翼4については静翼5と交互に配置され、ホイール6の外周側に設けられた植込み用の溝へ固定される構造が一般的である。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1であり、ガスタービンの構造例を示す図である。図に示すように、ガスタービンは外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を有したタービンケーシング7から構成され、さらにタービンケーシング7を内包し、外部からの流体が流入する入口9と流出する出口10を有する外側部分ケーシング11と、タービンケーシング7と部分外側ケーシング11に挟まれて位置し、インピンジメント孔を有するシェル13からなることを特徴としている。なお、シェル13の詳細構造は後述する。また、タービンケーシング7は、その内周面側に固定された静翼4と、図示しないホイール6に固定された動翼5を内包する。
【0014】
外部からの流体が、外側部分ケーシング11とシェル13に区画された空間よりインピンジメント孔12を経て、タービンケーシング7のタービュレンスプロモータ8へ吹き付けられることにより、タービンケーシング7の加熱および冷却を高効率で行うことができ、加熱および冷却プロセス自体を高効率で行うことが期待できる。
【0015】
ここで、タービンケーシング7に設けられるタービュレンスプロモータ8は、図2に示すように外周表面に加工される。この加工方法は、タービンケーシング7を鋳造する際に鋳型へ加工を行っても良いし、鋳造後に機械加工,レーザ加工などで加工を行っても良い。
【0016】
シェル13を図4に示す。シェル13は、外側部分ケーシング11の入口9から流入した流体が一旦保持される空間を仕切るための封止壁14と、インピンジメント孔13を有する。このインピンジメント孔13から噴出する流体は、タービンケーシング7の外周面に形成された凸状のタービュレンスプロモータ8と衝突する。
【0017】
図5から図8に凸状のタービュレンスプロモータ8の配置例を示す。凸状のタービュレンスプロモータ8はタービンケーシング7の軸方向間隔17は均等に配置する必要はなく、図5に示すように上流側から下流側にかけて段階的に粗密を設けても良い(上流側におけるタービュレンスプロモータ8の軸方向間隙17<下流側の軸方向間隙17′)。これは、特に間隙を最小に制御したい初段動翼先端に相対する部分へタービュレンスプロモータ8を密集させることにより、必要以上に流体を部分外側ケーシング11へ流入させなくても良いためである。なお、図6に示すように軸方向間隔17の粗密は連続的でも良い(上流側におけるタービュレンスプロモータ8の軸方向間隙17<中間部の軸方向間隙17′<下流側の軸方向間隙17″)。
【0018】
また、図7に示すように、粗密はタービンケーシング7の周方向間隔18に対しても段階的に設けても良い。これは、タービンケーシング7は周方向に均一な構造では無いためである。なお、図8に示すように周方向間隔18の粗密は連続的でも良い。
【0019】
次に、図9から図12にシェル13に形成するインピンジメント孔12の配置例を示す。図9に示すように、シェル13に設けたインピンジメント孔12は、軸方向間隔17を均等に配置する必要はなく、図に示すように段階的に粗密を設けても良い。なお、図10に示すように軸方向間隔17の粗密は連続的でも良い。
【0020】
また、図11に示すように、粗密はシェル13の周方向間隔18に対して段階的に設けても良い。なお、図12に示すように周方向間隔18の粗密は連続的でも良い。
【実施例2】
【0021】
図13は、本発明の実施例2であるガスタービンの構造例を示す図である。図に示すように、外周表面に凸状のタービュレンスプロモータ8を有したタービンケーシング7を備え、さらにタービンケーシング7を内包し、外部からの流体が流入する入口10と流出する出口11を有する部分外側ケーシング11と、タービンケーシング7と部分外側ケーシング11に挟まれて位置し、インピンジメント孔12を有するシェル13からなることを特徴としている。
【0022】
ここで、本実施例における部分外側ケーシング11は、径が異なる二つの筒15および15′によって構成されており、これらの筒15および15′を連結する中空円板16からなることを特徴としている。図13の場合、上流側に径の大きい筒15を配置している。そして、筒15′とシェル13の径方向の高さ(タービン回転軸側のレベル)を同じ位置に揃えている。図14には、タービュレンスプロモータ8の断面形状の例を示す。形状は円,多角形,V型などから構成しても良い。
【0023】
図15には、タービュレンスプロモータ8の配置の例を示す。配置は並列でも良いし、千鳥状でも良い。
【0024】
上述した各実施例で説明した手段を採用することで、外部からの流体が、インピンジメント孔を経てタービンケーシングのタービュレンスプロモータへ吹き付けられることにより、タービンケーシングの加熱および冷却を高効率で行うことが可能となり、加熱および冷却自体を高効率で行うことが可能となる。また、インピンジメント孔、或いはタービュレンスプロモータの配置に粗密を設けることで、最も間隙を最小化したい初段動翼に相対する部分の加熱および冷却をさらに高効率で行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0025】
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
4 動翼
5 静翼
6 ホイール
7 タービンケーシング
8 タービュレンスプロモータ
9 入口
10 出口
11 部分外側ケーシング
12 インピンジメント孔
13 シェル
14 封止壁
15 筒
16 中空円板W
17 軸方向間隔
18 周方向間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周表面に凸状のタービュレンスプロモータを設けたタービンケーシングと、
該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口を有する外側部分ケーシングと、
前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェルとを備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項2】
請求項1において、前記外側部分ケーシングは、径が異なる二つの筒部分を有し、これらの前記筒部分を連結する中空円板を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項3】
請求項1または2において、前記タービンケーシングに設けられるタービュレンスプロモータは、前記タービンケーシングを鋳造する鋳型への加工により形成されたものであることを特徴としたガスタービン。
【請求項4】
請求項1または2において、前記タービンケーシングに設けられるタービュレンスプロモータは、鋳造後に機械加工もしくはレーザ加工により形成されたものであることを特徴としたガスタービン。
【請求項5】
請求項1から4の何れかにおいて、前記シェルは前記空間を仕切るための封止壁と、インピンジメント孔を有することを特徴としたガスタービン。
【請求項6】
請求項1から5の何れかにおいて、前記凸状のタービュレンスプロモータは、タービンケーシングの軸方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項7】
請求項1から6の何れかにおいて、前記凸状のタービュレンスプロモータはタービンケーシングの周方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項8】
請求項1から7の何れかにおいて、シェルに設けたインピンジメント孔は、軸方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項9】
請求項1から8の何れかにおいて、前記シェルに設けたインピンジメント孔は、周方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項1】
外周表面に凸状のタービュレンスプロモータを設けたタービンケーシングと、
該タービンケーシングを内包し、外部から流体が流入する入口を有する外側部分ケーシングと、
前記タービンケーシングと前記外側部分ケーシングにより形成された空間を区画し、複数のインピンジメント孔が形成されたシェルとを備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項2】
請求項1において、前記外側部分ケーシングは、径が異なる二つの筒部分を有し、これらの前記筒部分を連結する中空円板を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項3】
請求項1または2において、前記タービンケーシングに設けられるタービュレンスプロモータは、前記タービンケーシングを鋳造する鋳型への加工により形成されたものであることを特徴としたガスタービン。
【請求項4】
請求項1または2において、前記タービンケーシングに設けられるタービュレンスプロモータは、鋳造後に機械加工もしくはレーザ加工により形成されたものであることを特徴としたガスタービン。
【請求項5】
請求項1から4の何れかにおいて、前記シェルは前記空間を仕切るための封止壁と、インピンジメント孔を有することを特徴としたガスタービン。
【請求項6】
請求項1から5の何れかにおいて、前記凸状のタービュレンスプロモータは、タービンケーシングの軸方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項7】
請求項1から6の何れかにおいて、前記凸状のタービュレンスプロモータはタービンケーシングの周方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項8】
請求項1から7の何れかにおいて、シェルに設けたインピンジメント孔は、軸方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【請求項9】
請求項1から8の何れかにおいて、前記シェルに設けたインピンジメント孔は、周方向に対して粗密を設けて配置したことを特徴とするガスタービン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−64368(P2013−64368A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204052(P2011−204052)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
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