ガスダイナミックな圧力波機械
クランクハウジング換気装置(11)を有する内燃機関のための、ガスダイナミックな圧力波機械。クランクハウジング換気装置(11)は、圧力波機械(3)のコールドガスハウジングに接続され、そして特に圧力波機械のコールドガス側の制御ディスク内に通じている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有するガスダイナミックな圧力波機械に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の高圧経路、つまり高圧排ガス経路と高圧加給気経路の開口部の相互の向きは、ガスダイナミックな圧力波機械の重要な調整変数である。この向きを調整するために、特許文献1から、例えばサーボモーターまたは、空気圧式、機械式若しくは液圧式の手段によって、コールドエアハウジングを回転させることが公知である。この目的のため、内燃機関の特性マップの各点が計算され、そして電子制御システムによって、ハウジングの回転のための適切な制御指令に変換される。
【0003】
制御角シフトのこの種の調整において不利であるのは、コールドガスハウジングと、これに取付けられた配管を回転することが、一方では極めて柔軟な配管を必要とし、そしてその上、高い設置空間を必要とすることとなるという点である。その上、かなりの力が、必要なアクチュエータによってもたらされなければならない。比較的大きな質量が動かされなければならないという事実に基づいて、調節システムが慣性を有することは不可避である。従来の解決策は、要求されるエンジン運転状態に対して通常遅く、そして高い構造技術上のコストの下で実現される。
【0004】
先行技術として更に、特許文献1と特許文献2が挙げられる。これらの公報においては、開口部を備えかつ高圧経路の入口に取付けられているプレートまたはリングの使用が開示されている。プレートまたはリングは、高圧経路の開口部の向きに影響を与えるために、各ハウジングに固定されている。このバリエーションにおいては、動作する質量はより少ない。問題は、ここではもちろん、制御ディスクと回転するセルローターの間のギャップ損失である。
【0005】
内燃機関においていかなる場合もおろそかにされるべきでない観点は、いわゆるエンジン換気である。内燃機関は燃焼ガスを発生する。この燃焼ガスは、排気装置にだけ至るのではなく、高い圧力のために、ピストンを通り過ぎてクランクハウジング内へも到達する。ガスをそこから導き出さないと、クランクハウジング内の圧力は激しく上昇し、ピストンは、クランクハウジング内のこの圧力に対抗して動作しなければならないという結果となる。
【0006】
環境保護の観点から、オイルで汚れたガスはもちろん周囲に排出されない。さらに、ガスを排ガス装置中に導入することは都合が良くない、というのはオイル霧が排ガス触媒を損傷させるに至るかもしれず、これがまた保持すべき排ガス値に作用するからである。よって、ガスは吸入経路に導かれる。
【0007】
したがって、吸入経路の圧力動向はクランクハウジング換気装置に影響を与える。ガスは、一般的な空気流によって吸入経路内に連行されるので、クランクハウジング換気装置には別の影響は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願 第69823039号明細書
【特許文献2】独国特許 第1052626号
【特許文献3】独国特許出願 第3040648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明の課題は、この装置を用いることによってエンジン換気を改善可能であるような、ガスダイナミックな圧力波装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明に係る圧力波装置において、クランクハウジング換気装置が、圧力波機械のコールドガスハウジングに接続されていることによって解決される。クランクハウジング装置の接続が、圧力波機械のコールドガスハウジングに対して直接行われることによって、いずれにせよ切削可能により処理される、圧力波機械のコールドガスハウジングの複雑さを著しく高めることなく、他の領域における接続箇所を省略することができる。特に、コールドガスハウジングが制御ディスクを備えるときに現われる、コスト上のメリットが全体として生じる。このような制御ディスクは、セルローターの端部に開口部を有しており、その際、開口部の位置は、ホットガスハウジングの開口部に対して相対的に変更可能である。このような制御ディスクは、セルローターの吸入領域を、開口部に付設される、エンジン換気の配管と接続する。
【0011】
制御ディスクの、特にこのために設けられた開口部に設けられている独立したエンジン換気経路によって、一般的な吸入空気流がエンジン換気経路からのガスから分離される。これによって、エンジン換気経路が一般的な吸入経路に開口している場合よりも大幅に正確な、エンジン換気への影響を与えることが可能である。吸入空気を換気ガスと完全に混合することは、各ガスがセルローター内、つまり低圧領域に流れ込んだときに、初めて行われる。
【0012】
エンジン換気は、換気経路内の負圧状況が各エンジンの要求に合わせられるよう設計される。
【0013】
エンジン換気のために特に設けられた、制御ディスク内の開口部は、当然、制御ディスクの回転の際に、エンジン換気が保障されるよう寸法決めされている。制御ディスクの回転によって、圧力波機械の吸入開口部の開口断面積は変更され、そしてそれによってエンジン換気に影響を与えることが可能である。いずれにせよ、エンジ換気の開口部は、クランクハウジングから導出される必要があるガスを通過させる状態のままである。
【0014】
クランクハウジング換気装置と吸入領域のガスの圧力状況を更に分離するため、圧力波機械に導かれるクランクハウジング換気装置の配管がスロットルを有している。逆止弁もまた配管内に組み込まれることが可能であるので、ガスは、クランクハウジング換気装置を介してのみ吸入され、しかしクランクハウジング換気装置を介して内燃機関へは逆流することはできない。
【0015】
有利な改良形では、圧力波機械の制御ディスク内に設けられる開口部は、制御ディスクまたはセルローターの縦軸に対して放射方向に延びるよう向けられている。これは、制御ディスクは、コールドガスの軸方向の流入を可能とする開口部を有するのみでなく、クランクハウジングガスの放射方向の流入も可能とする開口部をも有していることを意味する。
【0016】
有利な改良形では、コールドガスハウジング内にバランスチャンバーが設けられており、このバランスチャンバーにクランクハウジング換気の配管が接続され、およびこのバランスチャンバーが制御ディスク内の開口部を介してセルローターの吸入領域と連通している。また、バランスチャンバーを介してある種の圧力変動が補償されることが可能である。さらに、バランスチャンバーは、制御ディスクがコールドガスハウジングに対して相対的に回転されたときにも、開口部がガスを通す状態のままとするという機能を有している。これは、開口部が、制御ディスクの周囲方向に延在する相応して大きなバランスチャンバーのもとで、ガスダイナミックな圧力波機械の吸入領域と常に連結されているという結果を生む。
【0017】
一般的に、制御ディスクを使用するメリットは、例えば全体として位置調節され得るハウジングと接続されるホースのような、エンジンルーム内で動く部品が存在しない点にあると言うことができる。これによって、圧力波機械への配管接続が簡易化されることが可能である。さらに動作する部品の質量は著しく減少され、これによりアクチュエータは、対応してより少ない負荷を受ける。本発明に係る圧力波機械の設置空間は、部分的に回転するハウジングに対して小さい。よって、よりコンパクトな構造が可能となる。
【0018】
別のメリットは、制御ディスクは同時に、コールドガスまたはホットガスハウジングとセルモーターの間のスリットのための公差補償部として使用されることが可能である。回転するハウジングにおいては必要である、ローターハウジングとコールドガスハウジングの間の移行部における高コストなシールは完全に省略することができる。
【0019】
結果として、制御ディスクの位置を調整するための機械式のアッセンブリーが、最小限に減少されることが可能である。より小さい制御力により、より小さい駆動アクチュエータが使用されれば十分である。
【0020】
本発明を、添付の図面に表わされた実施例に基づき以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】内燃機関と付随する圧力波機械の簡略図
【図2】制御ディスクを有する変更された圧力波機械
【図3】図2の制御ディスクを有する圧力波加給気の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ガスダイナミックな圧力波機械3に通ずる高圧排ガス配管2を有する内燃機関1を示す。この圧力波機関について、ここでは例としてセルモーター4が表わされている。圧力下にある、内燃機関1からの排ガスは、セルモーター4の他方の側で吸入される空気を圧縮し、そして内燃機関1に供給するために使用される。このため、ガスダイナミックな圧力波機械3から内燃機関4に至る高圧加給気配管6が設けられている。更に、排ガス領域には、簡略的に、ウェイストゲート7が表わされている。このウェイストゲートは、ガスダイナミックな圧力波機械3のもとを通り過ぎバイパスとして、高圧排ガス配管2を低圧排ガス配管8と接続している。吸入配管9内には、コールドガス領域にスロットルフラップ10が存在しており、流入する空気量を制御している。更に、クランクハウジング換気装置11が設けられており、このクランクハウジング換気装置は、内燃機関1のクランクハウジング5からガスダイナミックな圧力波機械3の吸入領域に至る配管11を備えている。例として三つの異なる配管が表わされている。配管12が一定の断面積を有する一方で、配管13内には狭部の形のスロットル14が設けられている。配管15は、スロットルの代わりに逆止弁16を備えている。逆止弁16は、内燃機関1のクランクハウジング5からのガスが、吸入配管9またはセルローター4内には流れることができるが、しかしガスダイナミックな圧力波機械3からクランクハウジング5に戻ることはできないよう設計されている。これは、ここでは球体の形をとる、ばね付勢されるバルブ体によって達成されている。
【0023】
図2の実施形は、図1のそれとは、ガスダイナミックな圧力波機械17が、吸入領域に制御ディスク18を有しており、この制御ディスクにクランクハウジング11の配管が接続されている点で異なっている。表わされている装置の他の残りの要素に対しては、図1において適用された符号が使用されている。更に、そこでの説明が援用される。
【0024】
図3は、配管12のガスダイナミックな圧力波機械17に対する接続がどのように実現されるかを示す。カット図から、制御ディスク18が、軸方向に延びる開口部19を有し、この開口部を介して吸入空気が、空間的に後続するセルローターに流入することができる点が見てとれる。周辺側のウェブ中の符号19を付された軸方向の開口部が、追加的に開口部20を有し、この開口部が、放射方向に延びている点がわかる。開口部20は、コールドガスハウジング22内のバランスチャンバー21内に通じており、このバランスチャンバーは、配管12に接続されている。制御ディスク18をコールドガスハウジング22に対して相対的に回転する際、開口部20は、バランスチャンバー21が開口部19と連通し、よってハウジング換気が補償される位置に留まっている。
【符号の説明】
【0025】
1 内燃機関
2 高圧排ガス配管
3 ガスダイナミックな圧力波機械
4 セルローター
5 クランクハウジング
6 高圧加給気配管
7 ウェイストゲート
8 低圧排ガス配管
9 吸気配管
10 スロットル
11 クランクハウジング換気装置
12 配管
13 配管
14 スロットル
15 配管
16 逆止弁
17 ガスダイナミックな圧力波機械
18 制御ディスク
19 開口部
20 開口部
21 バランスチャンバー
22 コールドガスハウジング
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有するガスダイナミックな圧力波機械に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の高圧経路、つまり高圧排ガス経路と高圧加給気経路の開口部の相互の向きは、ガスダイナミックな圧力波機械の重要な調整変数である。この向きを調整するために、特許文献1から、例えばサーボモーターまたは、空気圧式、機械式若しくは液圧式の手段によって、コールドエアハウジングを回転させることが公知である。この目的のため、内燃機関の特性マップの各点が計算され、そして電子制御システムによって、ハウジングの回転のための適切な制御指令に変換される。
【0003】
制御角シフトのこの種の調整において不利であるのは、コールドガスハウジングと、これに取付けられた配管を回転することが、一方では極めて柔軟な配管を必要とし、そしてその上、高い設置空間を必要とすることとなるという点である。その上、かなりの力が、必要なアクチュエータによってもたらされなければならない。比較的大きな質量が動かされなければならないという事実に基づいて、調節システムが慣性を有することは不可避である。従来の解決策は、要求されるエンジン運転状態に対して通常遅く、そして高い構造技術上のコストの下で実現される。
【0004】
先行技術として更に、特許文献1と特許文献2が挙げられる。これらの公報においては、開口部を備えかつ高圧経路の入口に取付けられているプレートまたはリングの使用が開示されている。プレートまたはリングは、高圧経路の開口部の向きに影響を与えるために、各ハウジングに固定されている。このバリエーションにおいては、動作する質量はより少ない。問題は、ここではもちろん、制御ディスクと回転するセルローターの間のギャップ損失である。
【0005】
内燃機関においていかなる場合もおろそかにされるべきでない観点は、いわゆるエンジン換気である。内燃機関は燃焼ガスを発生する。この燃焼ガスは、排気装置にだけ至るのではなく、高い圧力のために、ピストンを通り過ぎてクランクハウジング内へも到達する。ガスをそこから導き出さないと、クランクハウジング内の圧力は激しく上昇し、ピストンは、クランクハウジング内のこの圧力に対抗して動作しなければならないという結果となる。
【0006】
環境保護の観点から、オイルで汚れたガスはもちろん周囲に排出されない。さらに、ガスを排ガス装置中に導入することは都合が良くない、というのはオイル霧が排ガス触媒を損傷させるに至るかもしれず、これがまた保持すべき排ガス値に作用するからである。よって、ガスは吸入経路に導かれる。
【0007】
したがって、吸入経路の圧力動向はクランクハウジング換気装置に影響を与える。ガスは、一般的な空気流によって吸入経路内に連行されるので、クランクハウジング換気装置には別の影響は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願 第69823039号明細書
【特許文献2】独国特許 第1052626号
【特許文献3】独国特許出願 第3040648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明の課題は、この装置を用いることによってエンジン換気を改善可能であるような、ガスダイナミックな圧力波装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明に係る圧力波装置において、クランクハウジング換気装置が、圧力波機械のコールドガスハウジングに接続されていることによって解決される。クランクハウジング装置の接続が、圧力波機械のコールドガスハウジングに対して直接行われることによって、いずれにせよ切削可能により処理される、圧力波機械のコールドガスハウジングの複雑さを著しく高めることなく、他の領域における接続箇所を省略することができる。特に、コールドガスハウジングが制御ディスクを備えるときに現われる、コスト上のメリットが全体として生じる。このような制御ディスクは、セルローターの端部に開口部を有しており、その際、開口部の位置は、ホットガスハウジングの開口部に対して相対的に変更可能である。このような制御ディスクは、セルローターの吸入領域を、開口部に付設される、エンジン換気の配管と接続する。
【0011】
制御ディスクの、特にこのために設けられた開口部に設けられている独立したエンジン換気経路によって、一般的な吸入空気流がエンジン換気経路からのガスから分離される。これによって、エンジン換気経路が一般的な吸入経路に開口している場合よりも大幅に正確な、エンジン換気への影響を与えることが可能である。吸入空気を換気ガスと完全に混合することは、各ガスがセルローター内、つまり低圧領域に流れ込んだときに、初めて行われる。
【0012】
エンジン換気は、換気経路内の負圧状況が各エンジンの要求に合わせられるよう設計される。
【0013】
エンジン換気のために特に設けられた、制御ディスク内の開口部は、当然、制御ディスクの回転の際に、エンジン換気が保障されるよう寸法決めされている。制御ディスクの回転によって、圧力波機械の吸入開口部の開口断面積は変更され、そしてそれによってエンジン換気に影響を与えることが可能である。いずれにせよ、エンジ換気の開口部は、クランクハウジングから導出される必要があるガスを通過させる状態のままである。
【0014】
クランクハウジング換気装置と吸入領域のガスの圧力状況を更に分離するため、圧力波機械に導かれるクランクハウジング換気装置の配管がスロットルを有している。逆止弁もまた配管内に組み込まれることが可能であるので、ガスは、クランクハウジング換気装置を介してのみ吸入され、しかしクランクハウジング換気装置を介して内燃機関へは逆流することはできない。
【0015】
有利な改良形では、圧力波機械の制御ディスク内に設けられる開口部は、制御ディスクまたはセルローターの縦軸に対して放射方向に延びるよう向けられている。これは、制御ディスクは、コールドガスの軸方向の流入を可能とする開口部を有するのみでなく、クランクハウジングガスの放射方向の流入も可能とする開口部をも有していることを意味する。
【0016】
有利な改良形では、コールドガスハウジング内にバランスチャンバーが設けられており、このバランスチャンバーにクランクハウジング換気の配管が接続され、およびこのバランスチャンバーが制御ディスク内の開口部を介してセルローターの吸入領域と連通している。また、バランスチャンバーを介してある種の圧力変動が補償されることが可能である。さらに、バランスチャンバーは、制御ディスクがコールドガスハウジングに対して相対的に回転されたときにも、開口部がガスを通す状態のままとするという機能を有している。これは、開口部が、制御ディスクの周囲方向に延在する相応して大きなバランスチャンバーのもとで、ガスダイナミックな圧力波機械の吸入領域と常に連結されているという結果を生む。
【0017】
一般的に、制御ディスクを使用するメリットは、例えば全体として位置調節され得るハウジングと接続されるホースのような、エンジンルーム内で動く部品が存在しない点にあると言うことができる。これによって、圧力波機械への配管接続が簡易化されることが可能である。さらに動作する部品の質量は著しく減少され、これによりアクチュエータは、対応してより少ない負荷を受ける。本発明に係る圧力波機械の設置空間は、部分的に回転するハウジングに対して小さい。よって、よりコンパクトな構造が可能となる。
【0018】
別のメリットは、制御ディスクは同時に、コールドガスまたはホットガスハウジングとセルモーターの間のスリットのための公差補償部として使用されることが可能である。回転するハウジングにおいては必要である、ローターハウジングとコールドガスハウジングの間の移行部における高コストなシールは完全に省略することができる。
【0019】
結果として、制御ディスクの位置を調整するための機械式のアッセンブリーが、最小限に減少されることが可能である。より小さい制御力により、より小さい駆動アクチュエータが使用されれば十分である。
【0020】
本発明を、添付の図面に表わされた実施例に基づき以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】内燃機関と付随する圧力波機械の簡略図
【図2】制御ディスクを有する変更された圧力波機械
【図3】図2の制御ディスクを有する圧力波加給気の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ガスダイナミックな圧力波機械3に通ずる高圧排ガス配管2を有する内燃機関1を示す。この圧力波機関について、ここでは例としてセルモーター4が表わされている。圧力下にある、内燃機関1からの排ガスは、セルモーター4の他方の側で吸入される空気を圧縮し、そして内燃機関1に供給するために使用される。このため、ガスダイナミックな圧力波機械3から内燃機関4に至る高圧加給気配管6が設けられている。更に、排ガス領域には、簡略的に、ウェイストゲート7が表わされている。このウェイストゲートは、ガスダイナミックな圧力波機械3のもとを通り過ぎバイパスとして、高圧排ガス配管2を低圧排ガス配管8と接続している。吸入配管9内には、コールドガス領域にスロットルフラップ10が存在しており、流入する空気量を制御している。更に、クランクハウジング換気装置11が設けられており、このクランクハウジング換気装置は、内燃機関1のクランクハウジング5からガスダイナミックな圧力波機械3の吸入領域に至る配管11を備えている。例として三つの異なる配管が表わされている。配管12が一定の断面積を有する一方で、配管13内には狭部の形のスロットル14が設けられている。配管15は、スロットルの代わりに逆止弁16を備えている。逆止弁16は、内燃機関1のクランクハウジング5からのガスが、吸入配管9またはセルローター4内には流れることができるが、しかしガスダイナミックな圧力波機械3からクランクハウジング5に戻ることはできないよう設計されている。これは、ここでは球体の形をとる、ばね付勢されるバルブ体によって達成されている。
【0023】
図2の実施形は、図1のそれとは、ガスダイナミックな圧力波機械17が、吸入領域に制御ディスク18を有しており、この制御ディスクにクランクハウジング11の配管が接続されている点で異なっている。表わされている装置の他の残りの要素に対しては、図1において適用された符号が使用されている。更に、そこでの説明が援用される。
【0024】
図3は、配管12のガスダイナミックな圧力波機械17に対する接続がどのように実現されるかを示す。カット図から、制御ディスク18が、軸方向に延びる開口部19を有し、この開口部を介して吸入空気が、空間的に後続するセルローターに流入することができる点が見てとれる。周辺側のウェブ中の符号19を付された軸方向の開口部が、追加的に開口部20を有し、この開口部が、放射方向に延びている点がわかる。開口部20は、コールドガスハウジング22内のバランスチャンバー21内に通じており、このバランスチャンバーは、配管12に接続されている。制御ディスク18をコールドガスハウジング22に対して相対的に回転する際、開口部20は、バランスチャンバー21が開口部19と連通し、よってハウジング換気が補償される位置に留まっている。
【符号の説明】
【0025】
1 内燃機関
2 高圧排ガス配管
3 ガスダイナミックな圧力波機械
4 セルローター
5 クランクハウジング
6 高圧加給気配管
7 ウェイストゲート
8 低圧排ガス配管
9 吸気配管
10 スロットル
11 クランクハウジング換気装置
12 配管
13 配管
14 スロットル
15 配管
16 逆止弁
17 ガスダイナミックな圧力波機械
18 制御ディスク
19 開口部
20 開口部
21 バランスチャンバー
22 コールドガスハウジング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のためのガスダイナミックな圧力波機械であって、この内燃機関(1)がクランクハウジング換気装置(11)を有する圧力波機械において、
クランクハウジング換気装置(11)が、圧力波機械(3,17)のコールドガスハウジング(22)に接続されていることを特徴とするガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項2】
圧力波機械(3,17)に導かれる、クランクハウジング換気装置(11)の配管(13)内に、スロットル(14)が組み入れられていることを特徴とする請求項1に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項3】
圧力波機械(3,17)に導かれる配管内に、逆止弁(16)が組み入れられていることを特徴とする請求項1に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項4】
圧力波機械(3)のコールドガス側に制御ディスク(18)が設けられており、この制御ディスクが開口部(20)を有し、この開口部が、セルローター(4)の吸入領域を、クランクハウジング換気装置(4)と接続することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項5】
開口部(20)が、制御ディスク(18)の縦軸に対して放射方向に延在していることを特徴とする請求項4に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項6】
コールドガスハウジング(22)内に、バランスチャンバー(21)が設けられており、このバランスチャンバーにクランクハウジング換気装置(11)の配管(12)が接続されており、およびこのバランスチャンバーが、制御ディスク(18)の開口部(20)を介して、セルローター(4)の吸入領域と連通していることを特徴とする請求項4または5に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項1】
内燃機関のためのガスダイナミックな圧力波機械であって、この内燃機関(1)がクランクハウジング換気装置(11)を有する圧力波機械において、
クランクハウジング換気装置(11)が、圧力波機械(3,17)のコールドガスハウジング(22)に接続されていることを特徴とするガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項2】
圧力波機械(3,17)に導かれる、クランクハウジング換気装置(11)の配管(13)内に、スロットル(14)が組み入れられていることを特徴とする請求項1に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項3】
圧力波機械(3,17)に導かれる配管内に、逆止弁(16)が組み入れられていることを特徴とする請求項1に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項4】
圧力波機械(3)のコールドガス側に制御ディスク(18)が設けられており、この制御ディスクが開口部(20)を有し、この開口部が、セルローター(4)の吸入領域を、クランクハウジング換気装置(4)と接続することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項5】
開口部(20)が、制御ディスク(18)の縦軸に対して放射方向に延在していることを特徴とする請求項4に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【請求項6】
コールドガスハウジング(22)内に、バランスチャンバー(21)が設けられており、このバランスチャンバーにクランクハウジング換気装置(11)の配管(12)が接続されており、およびこのバランスチャンバーが、制御ディスク(18)の開口部(20)を介して、セルローター(4)の吸入領域と連通していることを特徴とする請求項4または5に記載のガスダイナミックな圧力波機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公表番号】特表2012−511113(P2012−511113A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538835(P2011−538835)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001070
【国際公開番号】WO2011/032534
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001070
【国際公開番号】WO2011/032534
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】
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