ガス栓
【課題】 栓本体とハンドルとの間から雨水が浸入することを防止することができ、しかも製造費が安価なガス栓を提供する。
【解決手段】栓本体の環状壁部24の外周面とハンドルの包囲壁部42の内周面との間には、それらの間に形成される環状の隙間Cを下側の外側部分Coと上側の内側部分Ciとに密封状態で区分する封止部材7を設ける。包囲壁部42の内周面には、外側部分Coと内側部分Ciとを連通させるスリット43を形成する。スリット43の流通断面積は、空気の流通は許容するが、雨水の流通は極力少なく抑えることができるように実験に基づいて定める。
【解決手段】栓本体の環状壁部24の外周面とハンドルの包囲壁部42の内周面との間には、それらの間に形成される環状の隙間Cを下側の外側部分Coと上側の内側部分Ciとに密封状態で区分する封止部材7を設ける。包囲壁部42の内周面には、外側部分Coと内側部分Ciとを連通させるスリット43を形成する。スリット43の流通断面積は、空気の流通は許容するが、雨水の流通は極力少なく抑えることができるように実験に基づいて定める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴室や屋外のように雨水等の液体が降りかかるような環境下で使用するのに好適なガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガス栓は、内部に弁収容孔が形成された栓本体と、この栓本体の弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備えており、ハンドルを介して弁体を回動させることにより、開状態と閉状態とに切り換えられる。栓本体の外面には、弁収容孔の開口部を囲む環状壁部が形成されている。一方、ハンドルには、包囲壁部が形成されている。この包囲壁部は、環状壁部を外側から回動可能に包囲している。環状壁部の外周面と包囲壁部の内周面との間には、Oリング等の封止部材が設けられている、これにより、環状壁部と包囲壁部との間の隙間から雨水が栓本体の内部に浸入することが防止されている。
【0003】
環状壁部と包囲壁部との隙間を封止すると、栓体とハンドルとの間の内部空間に存在する空気が外気温度の変化に伴って膨張、収縮し、内部空間内の圧力が高圧になったり、負圧になったりする。その結果、ガス漏れが生じやすくなる等の各種の問題が生じるおそれがある。そこで、下記特許文献1に記載のガス栓においては、ハンドルに形成されたボルト挿通孔に、通気性は有するが通水性のない通気部材を装着し、栓本体とハンドルとの間の内部空間をボルト挿通孔を介して外部に開放している。これにより、内部空間の圧力を一定に維持している。
【0004】
【特許文献1】特開2005−195055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載のガス栓においては、通気部材を設けているため、その分だけ部品点数が増えるとともに、通気部材の組立工数が増える。この結果、ガス栓の製造費が嵩むという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、栓本体とハンドルとの間の内部空間内に雨水が浸入することを防止することができるのは勿論のこと、内部空間の圧力が外気温度の変化に伴って変動することを防止することができ、しかも製造費を低減することができるガス栓を提供することを目的としている。そして、そのような目的を達成するために、この発明は、内部に弁収容孔が形成され、外面に上記弁収容孔の一端開口部を囲む環状壁部が形成された栓本体と、上記弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、上記環状壁部を回動可能に包囲する環状の包囲壁部を有し、上記弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備え、上記環状壁部の外周面と上記包囲壁部の内周面との間には、それらの間に形成される隙間を封止する環状の封止部材が設けられたガス栓において、上記環状壁部の外周面と上記封止部材の内周面との間と、上記包囲壁部の内周面と上記封止部材の外周面との間との少なくとも一方には、上記隙間の上記封止部材より上記栓本体の内部側に位置する内側部分と上記封止部材より外部側に位置する外側部分とを連通する連通路が形成されており、上記連通路は、気体の流通を許容するが、液体の流通を極力阻止することができるよう、流通断面積が所定の大きさ以下である抵抗部を有していることを特徴としている。
この場合、上記連通路が、上記環状壁部の外周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記包囲壁部の内周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記封止部材の外周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記封止部材の内周面に形成されたスリットを有していてもよい。
上記連通路は、一端部が上記外側部分に連通した第1通路部と、この第1通路部に対し上記環状壁部の周方向に離間して配置され、かつ一端部が上記内側部分に連通した第2通路部と、上記環状壁部の周方向に延び、上記第1、第2通路の他端部どうしを連通する第3通路部とを有し、上記第1〜第3通路部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることが望ましい。
上記連通路は、一端部が上記外側部分に連通した第1連通部と、一端部が上記内側部分に連通した第2連通部と、上記第1連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第3連通部と、上記第2連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第4連通部と、上記第1、第2連通部に対して上記環状壁部の周方向に離間して配置され、上記第3連通部と上記第4連通部とを連通する第5連通部とを有し、上記第1〜第5連通部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、栓本体の環状壁部とハンドルの包囲壁部との間に設けられた封止部材により、それらの間の隙間から雨水等が栓本体とハンドルとの間の内部空間に浸入することを防止することができる。また、栓本体の環状壁部の外周面とハンドルの包囲壁部の内周面との間の隙間の外側部分と内側部分とが、連通路によって連通されているから、内部空間内の空気がガス栓の外部に対して流入、流出する。したがって、内部空間内の圧力を一定に維持することができる。しかも、連通路の流通断面積は、気体の流通は許容するが、液体の流通は極力阻止するように所定の大きさ以下に設定されているので、雨水が栓本体の内部に浸入することをガス栓の実際の使用に際しては全く問題にならない程度に少なく抑えることができる。さらに、連通路は、環状壁部の外周面、包囲壁部の内周面、又は封止部材の内周面あるいは外周面に形成されたスリット等によって構成することができ、通気部材等の新たな部材を必要としない。したがって、ガス栓の製造費を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係るガス栓の第1実施の形態を示す。この実施の形態のガス栓1は、いわゆるL型ガス栓と称されるものであり、栓本体2、弁体3及びハンドル4を有している。
【0009】
栓本体2の内部には、弁収容孔21、ガス流入孔22、ガス流出孔23が形成されている。弁収容孔21は、内部側に配置されたテーパ孔部21aと外部側に配置されたストレート孔部21bとを有している。テーパ孔部21aには、弁体3が回動可能に収容されている。ストレート孔部21bは、テーパ孔部21aより大径であり、テーパ孔部21aの大径側の端部(図1において上端部。以下、上下左右は図1における上下左右を意味するものとする。)に続いてそれと同芯に配置されている。ストレート孔部21bの上端部は、栓本体2の上面(外面)に開口している。ストレート孔部21bの内部には、中間部材5が上方へ抜け止めされた状態で回動可能に挿入されている。中間部材5と弁体3との間には、付勢手段としてのコイルばね6が設けられている。このコイルばね6によって弁体3がテーパ孔部21aの小径端部側へ付勢され、テーパ孔部21aの内周面に所定の大きさの押圧力で押し付けられている。
【0010】
ガス流入孔22は、栓本体2の下端面から上方に向かって延び、テーパ孔部21aの底面に開口している。ガス流出孔23は、栓本体2の左側部外面から内部へ向かって水平に延び、テーパ孔部21aの内周面に開口している。ガス流入孔22とガス流出孔23とは、弁体3が図1に示す閉位置に回動すると、弁体3によって遮断される。これによって、ガス栓1が閉状態になる。弁体3が閉位置からほぼ90°回動して開位置に達すると、ガス流入孔22とガス流出孔23とが弁体3に形成されたガス通路31を介して連通する。これによって、ガス栓1が開状態になる。
【0011】
栓本体2の上端面には、上方に向かって突出する環状壁部24が形成されている。この環状壁部24は、弁収容孔21と同芯に配置されており、弁収容孔21のストレート孔部21bの開口部を囲んでいる。換言すれば、環状壁部24の内部の上端開口部が、ストレート孔部21bの開口部になっているのである。環状壁部24の外周面には、その周方向に沿って環状に延びる装着溝25が形成されている。この装着溝25には、リング状をなす封止部材7が装着されている。封止部材7は、ゴム等の弾性部材からなるものであり、この実施の形態では、Oリングが用いられている。封止部材7の内周面は、封止部材7自体の弾性力によって装着溝25の底面に押し付けられている。封止部材7の上下の両面は、装着溝25の上下の側面に押し付けられていることが望ましい。封止部材7の外周部は、装着溝25から外側に突出している。
【0012】
栓本体2の上側には、上記ハンドル4が配置されている。このハンドル4には、その中央部を上下に貫通するボルト挿通孔41が形成されている。このボルト挿通孔41には、ボルト8が挿通されている。ボルト8は、中間部材5に螺合されており、ボルト8を締め付けることによってハンドル4が中間部材5に固定され、ひいては弁体3に回動不能に連結されている。したがって、ハンドル4によって弁体5を開閉回動させることができる。ボルト挿通孔41の内周面とボルト8の外周面との間は、Oリング等からなる環状の封止部材9によって封止されている。
【0013】
ハンドル4の下面には、下方へ向かって突出する環状の包囲壁部42が形成されている。この包囲壁部42は、環状壁部24と同芯に配置されており、環状壁部24を外側から回動可能に包囲している。包囲壁部42の内周面には、封止部材7の外周部がそれ自体の弾性力によって押圧接触している。この結果、包囲壁部42の内周面と環状壁部24の外周面との間に形成される環状の隙間Cが、ガス栓1の外部に連通した下側の外側部分Coと、栓本体2とハンドル4との間に形成された空間Sに連通した上側の内側部分Ciとに区分されている。勿論、外側部分Coと内側部分Ciとは、封止部材7によって密封状態で遮断されている。なお、封止部材7は、それに外力が作用しない自然状態では、断面円形になっているが、環状壁部24と包囲壁部42との間に装着された状態では、環状壁部24の外周面と包囲壁部42の内周面とに押圧接触することにより、上下方向に長い断面長円状になっている。
【0014】
図2〜図5に示すように、包囲壁部42の内周面には、上下方向に延びるスリット(連通路)43が形成されている。このスリット43は、包囲壁部42の下端面から包囲壁部43の封止部材7との接触箇所を横断して封止部材7の上方まで延びている。したがって、スリット43の下端部は、外側部分Coに連通し、スリット43の上端部は、内側部分Ciに連通している。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとがスリット43を介して連通している。外側部分Coと内側部分Ciとの連通面積(流通断面積)は、スリット43のうちの包囲壁部43と封止部材7との接触部を横断する箇所において最も小さくなっており、当該箇所が抵抗部43aになっている。抵抗部43aは、気体の流通は許容するが、雨水等の液体が流通することを極力阻止することができるように、その流通断面積が所定の大きさ以下に設定されている。また、この実施の形態では、抵抗部43aの断面形状が略四角形状になっているが、その形状もできる限り液体の流通を阻止することができるような形状にするのが望ましい。抵抗部43aの流通断面積及び形状は、実験等によって適宜に定められる。また、スリット43は、包囲壁部42の内周面の封止部材7との接触箇所を上下方向(包囲壁部42の軸線方向)に横断し、それによって外側部分Coと内側部分Ciとを連通させることができるものである限り、必ずしも包囲壁部42の下端面に開放したり、封止部材7の上端より上方まで延ばしたりする必要はない。
【0015】
上記構成のガス栓1においては、環状壁部24の外周面と包囲壁部42の内周面との間の隙間Cが封止部材7によって封止されているから、雨水等の液体が隙間Cを通って内部空間S内に浸入することを阻止することができる。また、外気温度の変動に伴って内部空間S内の空気が膨張、収縮した場合には、内部空間S内の空気が隙間C及びスリット43を通って外部に流出し、あるいは外部の空気が隙間C及びスリット43を通って内部空間S内に流入する。したがって、内部空間S内の圧力が高圧になったり、負圧になったりすることを防止することができる。よって、内部空間S内の圧力変動に伴って各種の不都合が生じることを防止することができる。また、外部の雨水がスリット43を通って内部空間S内に浸入する可能性はあるが、その量はガス栓1の実際の使用上において不都合が生じないような程度の極めて微量であるように抵抗部43aによって規制される。したがって、栓本体2や弁体3が腐食するような事態を防止することができる。しかも、内部空間の圧力を一定に維持するとともに、雨水の浸入を防止するために必要であるのは、スリット43を形成することだけであり、通気部材等の新たな部材を設ける必要がない。したがって、ガス栓1の製造費を低減することができる。
【0016】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下に述べる実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成部分についてのみ説明することとし、上記実施の形態と同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0017】
図6は、この発明の第2実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24の外周面に、上下方向に延びるスリット(連通路)26が形成されている。スリット26の長さは、装着溝25の幅より長く設定されており、装着溝25を上下方向に横断している。しかも、スリット26の深さは、装着溝25の深さより深く設定されている。この結果、隙間Cの外側部分Coと内側部分Ciとがスリット26を介して連通している。外側部分Coと内側部分Ciとの連通面積は、スリット26のうちの封止部材7と装着溝25の底面との接触部を横断する箇所において最も狭くなっており、当該箇所が抵抗部26aになっている。なお、スリット26を形成する場合には、スリット43を形成してもよく、形成しなくてもよい。
【0018】
図7〜図11は、この発明の第3実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24に第1スリット(第1通路部)27、第2スリット(第2通路部)28及び環状溝(第3通路部)29が形成されている。この第1スリット27、第2スリット28及び環状溝29によって外側部分Coと内側部分Ciとを連通する連通路が構成されている。
【0019】
図10に示すように、第1スリット27の一端部は、装着溝25の下側の側面に沿って環状壁部24の径方向に延びており、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第1スリット27の一端部は、外側部分Coに連通している。第1スリット27の他端部は、装着溝25の底面に沿って上方に延び、装着溝25を上下に横断している。
【0020】
第2スリット28は、第1スリット27に対し環状壁部24の周方向へ離れて、特にこの実施の形態では180°離れて配置されている。図10及び図11に示すように、第2スリット28の一端部は、装着溝25の上側の側面に沿って環状壁部24の径方向に延びており、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第2スリット28の一端部は、内側部分Ciに連通している。第2スリット28の他端部は、装着溝25の底面に沿って下方に延び、装着溝25を上下に横断している。
【0021】
環状溝29は、装着溝25の底面にその幅方向(環状壁部24の軸線方向)の中央部に配置されている。環状溝29の幅は、封止部材7と装着溝25の底面との接触部の幅より狭くなっており、環状溝29の開放部が封止部材7によって閉じられている。環状溝29は、装着溝25に沿って環状に延びている。したがって、環状溝29は、第1、第2スリット27,28の他端部どうしを連通させている。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが、第1スリット27、環状溝29及び第2スリット28を介して互いに連通している。環状溝29は、環状に延びることなく、第1、第2スリット27,28の間を半周にわたって延びるものであってもよい。
【0022】
第1スリット27のうちの封止部材7と装着溝25の下側の側面との接触部を横断する箇所が抵抗部27aとされ、第2スリット28のうちの封止部材7と装着溝25の上側の側面との接触部を横断する箇所が抵抗部28aとされ、環状溝29全体が抵抗部とされている。三つの抵抗部27a,28a,29のうちのいずれか一つだけを抵抗部としてもよい。例えば、抵抗部として二つの抵抗部27a,28aだけを採用し、環状溝29については第1、第2スリット27,28を単に連通するための連通路としてもよい。
【0023】
この実施の形態においては、第1、第2スリット27,28及び環状溝29によって構成される連通路が迷路状になっていること、三つの抵抗部27a,28a,29を有していること、及び抵抗部たる環状溝29が環状壁部24の周方向に延びて、その長さが長くなっていることにより、空間S内に雨水が浸入することをより一層確実に防止することができる。上記のように、環状溝29を単なる連通路とした場合であっても、二つの抵抗部27a,28aとの間に長い環状溝29が介在するので、空間S内への雨水の浸入を防止することができる。
【0024】
図12〜図14は、この発明の第4実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24に第1スリット(第1連通部)81、第2スリット(第2連通部)82及び第3スリット(第5連通部)83が形成されている。
【0025】
第1スリット81は、環状溝25の下側(隙間Cの外部側)の側面に形成されており、環状壁部24の径方向に延びている。第1スリット81の長手方向の一端部は、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第1スリット81の一端部は、隙間Cの外側部分Coに連通している。第1スリット81の他端部は、環状溝25の下側の側面と封止部材7との接触箇所より環状溝25の底部側まで延びている。特に、この実施の形態では、第1スリット81の他端が環状溝25の底面まで延びている。したがって、第1スリット81の他端部は、環状溝25のうちの下側の側面と封止部材7との接触箇所より底部側に位置する部分、つまり環状溝25の底面及び下側の側面と封止部材7とによって囲まれる通路部分(第3連通部)25aに連通している。
【0026】
第2スリット82は、環状溝25の上側(隙間Cの内部側)の側面に形成されており、環状壁部24の径方向に延びている。第2スリット82の長手方向の一端部は、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第2スリット82の一端部は、隙間Cの内側部分Ciに連通している。第2スリット82の他端部は、環状溝25の上側の側面と封止部材7との接触箇所より環状溝25の底部側まで延びている。特に、この実施の形態では、第2スリット82の他端部が環状溝25の底面まで延びている。したがって、第2スリット82の他端部は、環状溝25のうちの上側の側面と封止部材との接触箇所より底部側に位置する部分、つまり環状溝25の底面及び上側の側面と封止部材7とによって囲まれる通路部分(第4連通部)25bに連通している。
【0027】
第3スリット83は、環状溝25の底面に形成されている。第3スリット83の上下方向(環状壁部24の軸線方向)の長さは、環状溝25の幅と同一の設定されており、第3スリット83の上下の端部は、環状溝25の上下の側面と同一位置に位置している。したがって、第3スリット83の下側の端部は、下側の通路部分25aに連通し、第3スリット83の上側の端部は、上側の通路部分25bに連通している。換言すれば、通路部分25a,25bが第3スリット83によって連通させられている。第3スリット83の長さは、封止部材7と環状溝25の底面との接触を上下方向に横断し、封止部材7によって上下に区分される通路部分25a,25bを連通させることができるものである限り、環状溝25の幅より短くしてもよい。その場合、第3スリット83の上下の端部は、環状溝25の上下の側面からそれぞれ離間することになる。
【0028】
上記の構成から明らかなように、第1スリット81は、通路部分25aを介して第3スリット83に連通し、第2スリット82は、通路部分25bを介して第3スリット83に連通している。そして、通路部分25a,25bが第3スリット83を介して連通している。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが、第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82を介して互いに連通している。したがって、この実施の形態では、第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82によって連通路が構成されている。
【0029】
この実施の形態においては、連通路が複数個所において屈曲し、全体として迷路状に形成されているので、雨水の浸入をより一層確実に防止することができる。なお、連通路を構成する第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82のうちの少なくとも一つに雨水等の液体の流通を極力阻止する抵抗部を形成しておけばよい。この実施の形態では、第1スリット81の封止部材7と装着溝25の下側の側面との接触部を横断する箇所、第2スリット82の封止部材7と装着溝25の上側の側面との接触部を横断する箇所、及び第3スリット83の封止部材7と装着溝25の底面との接触部を横断する箇所が抵抗部になっている。
【0030】
図15〜図17は、この発明の第5実施の形態において用いられている封止部材7Aを示す。この封止部材7Aは、封止部材7に代えて用いられるものであり、その材質及び形状は封止部材7と同様である。ただし、封止部材7Aの外周部には、上下方向(封止部材7Aの軸線方向)に延びるスリット71(連通路)が形成されている。このスリット71は、封止部材7Aと包囲壁部42との接触部を上下に横断するように形成されている。したがって、スリット71は外側部分Coと内側部分Ciと互いに連通させている。スリット71のうちの、封止部材7Aと包囲壁部42との接触部に対応する箇所(図16において、スリット71の上下方向における中央部)が抵抗部71aになっている。
なお、この実施の形態のように、封止部材7Aにスリット71を形成する場合には、栓本体2又はハンドル4に連通路を形成する必要がない。
【0031】
図18〜図22は、この発明の第6実施の形態を示す。この実施の形態のガス栓1においては、封止部材7Aに代えて封止部材7Bが用いられている。この封止部材7Bも、封止部材7Aと同様に弾性材によって構成されている。しかし、図22に示すように、封止部材7Bの断面形状は略四角形状に形成されている。また、封止部材7Bの外周面には、その全周にわたって延びる環状突出部72,73が形成されている。環状突出部72,73は、封止部材7Bの外周面の上下方向(軸線方向)における一端部と他端部とにそれぞれ配置されている。環状突出部72,73が形成されることにより、封止部材7Bの外周面の上下方向における中央部には、周方向に沿って環状に延びる溝(第3通路部)74が形成されている。
【0032】
封止部材7Bは、図18及び図19に示すように、その内周面及び軸線方向の両端面が環状溝25の底面及び両側面にそれぞれ押圧接触した状態で環状溝25に装着されている。その一方、封止部材7Bの環状突出部72,73の先端部が包囲壁部42の内周面に押圧接触している。これにより、環状壁部24と包囲壁部42との間の環状の隙間Cが全周にわたって封止されている。なお、環状突出部72,73の突出量が大きいため、環状突出部72,73の先端部が包囲壁部42の内周面に折れ曲がった状態で押圧接触しているが、必ずしも折れ曲がった状態で押圧接触させる必要はない。
【0033】
下側の環状突出部72には、第1スリット(第1通路部)72aが形成されている。この第1スリット72aは、環状突出部72を上下方向に横断しており、隙間Cの外側部分Coと溝74とを連通させている。一方、上側の環状突出部73には、第2スリット(第2通路部)73aが形成されている。この第2スリット73aは、第1スリット72aに対し封止部材7Bの周方向へ離れて、この実施の形態では180°離れて配置されている。第2スリット73aは、環状突出部73を上下方向に横断しており、隙間Cの内側部分Ciと溝74とを連通させている。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが第1スリット72a、溝74及び第2スリット73aを介して連通している。これから明らかなように、第1、第2スリット72a,73a及び溝74によって連通路が構成されている。勿論、第1、第2スリット72a,73a及び溝74の少なくとも一つには、気体の流通は許容するが、雨水等の液体が流通することを極力阻止することができるように、流通断面積が所定の大きさ以下に設定された抵抗部が形成されている。したがって、雨水等が栓本体2とハンドル4との間の内部空間Sに浸入することが防止することができるとともに、空間S内の圧力が変動することを防止することができる。しかも、この実施の形態では、第1スリット72aと第2スリット73aとが周方向に離れて配置されているので、雨水の浸入をより確実に防止することができる。
【0034】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態は、この発明をガス流入孔22とガス流出孔23とが互いに直交する方向に延びるL型ガス栓に適用したものであるが、この発明は、他の形式のガス栓、例えばガス流入孔とガス流出孔とが一直線上に並んで配置されたいわゆるI型ガス栓にも適用可能である。
また、上記の実施の形態においては、封止部材7が装着される装着溝25を環状壁部24の外周面に形成しているが、装着溝25は包囲壁部42の内周面に形成してもよい。その場合には、環状壁部24に第1実施の形態のスリット43に代わるスリットが形成され、包囲壁部42に、第2実施の形態のスリット26に代わるスリットが形成され、第3実施の形態のスリット27,28,29にそれぞれ代わるスリットが形成され、第4実施の形態の第1〜第3スリット81,82,83にそれぞれ代わるスリットが形成され、第5実施の形態の封止部材7Aの外周面に形成されたスリット71に代えて封止部材7Aの内周面にスリットが形成され、さらに第6実施の形態の封止部材7Bの外周面に形成された環状突出部72,73、溝74、スリット72a,73aに代えて封止部材7Bの内周面に二つの環状突出部、溝、及び二つのスリットが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明に係るガス栓の第1実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】同実施の形態の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】同実施の形態において用いられているハンドルの断面図である。
【図5】同ハンドルの底面図である。
【図6】この発明に係るガス栓の第2実施の形態において用いられている栓本体を示す側面図である。
【図7】この発明に係るガス栓の第3実施の形態において用いられている栓本体を示す右側面図である。
【図8】同栓本体を示す左側面図である。
【図9】図7のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図11】同栓本体の要部を示す拡大断面図である。
【図12】この発明に係るガス栓の第4実施の形態において用いられている栓本体を示す側面図である。
【図13】図12のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図14】図12のY−Y線に沿う拡大断面図である。
【図15】この発明に係るガス栓の第5実施の形態において用いられている封止部材の斜視図である。
【図16】図15のX矢視拡大図である。
【図17】図16のX矢視図である。
【図18】この発明の第6実施の形態の一部を省略して示す断面図である。
【図19】同実施の形態の要部を示す拡大断面図である。
【図20】同実施の形態において用いられている封止部材の平面図である。
【図21】同封止部材の側面図である。
【図22】図20のX−X線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
【0036】
C (環状の)隙間
Ci 内側部分
Co 外側部分
S (栓本体とハンドルとの間の)内部空間
1 ガス栓
2 栓本体
3 弁体
4 ハンドル
7A 封止部材
7B 封止部材
21 弁収容孔
24 環状壁部
25a 通路部分(第3連通部)
25b 通路部分(第4連通部)
26 スリット(連通路)
26a 抵抗部
27 第1スリット(第1通路部)
27a 抵抗部
28 第2スリット(第2通路部)
29 環状溝(第3通路部;抵抗部)
42 包囲壁部
43 スリット(連通路)
71 スリット(連通路)
71a 抵抗部
72a スリット(第1通路部)
73a スリット(第2通路部)
74 溝(第3通路部)
81 第1スリット(第1連通部)
82 第2スリット(第2連通部)
82 第3スリット(第5連通部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴室や屋外のように雨水等の液体が降りかかるような環境下で使用するのに好適なガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガス栓は、内部に弁収容孔が形成された栓本体と、この栓本体の弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備えており、ハンドルを介して弁体を回動させることにより、開状態と閉状態とに切り換えられる。栓本体の外面には、弁収容孔の開口部を囲む環状壁部が形成されている。一方、ハンドルには、包囲壁部が形成されている。この包囲壁部は、環状壁部を外側から回動可能に包囲している。環状壁部の外周面と包囲壁部の内周面との間には、Oリング等の封止部材が設けられている、これにより、環状壁部と包囲壁部との間の隙間から雨水が栓本体の内部に浸入することが防止されている。
【0003】
環状壁部と包囲壁部との隙間を封止すると、栓体とハンドルとの間の内部空間に存在する空気が外気温度の変化に伴って膨張、収縮し、内部空間内の圧力が高圧になったり、負圧になったりする。その結果、ガス漏れが生じやすくなる等の各種の問題が生じるおそれがある。そこで、下記特許文献1に記載のガス栓においては、ハンドルに形成されたボルト挿通孔に、通気性は有するが通水性のない通気部材を装着し、栓本体とハンドルとの間の内部空間をボルト挿通孔を介して外部に開放している。これにより、内部空間の圧力を一定に維持している。
【0004】
【特許文献1】特開2005−195055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載のガス栓においては、通気部材を設けているため、その分だけ部品点数が増えるとともに、通気部材の組立工数が増える。この結果、ガス栓の製造費が嵩むという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、栓本体とハンドルとの間の内部空間内に雨水が浸入することを防止することができるのは勿論のこと、内部空間の圧力が外気温度の変化に伴って変動することを防止することができ、しかも製造費を低減することができるガス栓を提供することを目的としている。そして、そのような目的を達成するために、この発明は、内部に弁収容孔が形成され、外面に上記弁収容孔の一端開口部を囲む環状壁部が形成された栓本体と、上記弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、上記環状壁部を回動可能に包囲する環状の包囲壁部を有し、上記弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備え、上記環状壁部の外周面と上記包囲壁部の内周面との間には、それらの間に形成される隙間を封止する環状の封止部材が設けられたガス栓において、上記環状壁部の外周面と上記封止部材の内周面との間と、上記包囲壁部の内周面と上記封止部材の外周面との間との少なくとも一方には、上記隙間の上記封止部材より上記栓本体の内部側に位置する内側部分と上記封止部材より外部側に位置する外側部分とを連通する連通路が形成されており、上記連通路は、気体の流通を許容するが、液体の流通を極力阻止することができるよう、流通断面積が所定の大きさ以下である抵抗部を有していることを特徴としている。
この場合、上記連通路が、上記環状壁部の外周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記包囲壁部の内周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記封止部材の外周面に形成されたスリットを有していてもよく、上記封止部材の内周面に形成されたスリットを有していてもよい。
上記連通路は、一端部が上記外側部分に連通した第1通路部と、この第1通路部に対し上記環状壁部の周方向に離間して配置され、かつ一端部が上記内側部分に連通した第2通路部と、上記環状壁部の周方向に延び、上記第1、第2通路の他端部どうしを連通する第3通路部とを有し、上記第1〜第3通路部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることが望ましい。
上記連通路は、一端部が上記外側部分に連通した第1連通部と、一端部が上記内側部分に連通した第2連通部と、上記第1連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第3連通部と、上記第2連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第4連通部と、上記第1、第2連通部に対して上記環状壁部の周方向に離間して配置され、上記第3連通部と上記第4連通部とを連通する第5連通部とを有し、上記第1〜第5連通部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、栓本体の環状壁部とハンドルの包囲壁部との間に設けられた封止部材により、それらの間の隙間から雨水等が栓本体とハンドルとの間の内部空間に浸入することを防止することができる。また、栓本体の環状壁部の外周面とハンドルの包囲壁部の内周面との間の隙間の外側部分と内側部分とが、連通路によって連通されているから、内部空間内の空気がガス栓の外部に対して流入、流出する。したがって、内部空間内の圧力を一定に維持することができる。しかも、連通路の流通断面積は、気体の流通は許容するが、液体の流通は極力阻止するように所定の大きさ以下に設定されているので、雨水が栓本体の内部に浸入することをガス栓の実際の使用に際しては全く問題にならない程度に少なく抑えることができる。さらに、連通路は、環状壁部の外周面、包囲壁部の内周面、又は封止部材の内周面あるいは外周面に形成されたスリット等によって構成することができ、通気部材等の新たな部材を必要としない。したがって、ガス栓の製造費を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係るガス栓の第1実施の形態を示す。この実施の形態のガス栓1は、いわゆるL型ガス栓と称されるものであり、栓本体2、弁体3及びハンドル4を有している。
【0009】
栓本体2の内部には、弁収容孔21、ガス流入孔22、ガス流出孔23が形成されている。弁収容孔21は、内部側に配置されたテーパ孔部21aと外部側に配置されたストレート孔部21bとを有している。テーパ孔部21aには、弁体3が回動可能に収容されている。ストレート孔部21bは、テーパ孔部21aより大径であり、テーパ孔部21aの大径側の端部(図1において上端部。以下、上下左右は図1における上下左右を意味するものとする。)に続いてそれと同芯に配置されている。ストレート孔部21bの上端部は、栓本体2の上面(外面)に開口している。ストレート孔部21bの内部には、中間部材5が上方へ抜け止めされた状態で回動可能に挿入されている。中間部材5と弁体3との間には、付勢手段としてのコイルばね6が設けられている。このコイルばね6によって弁体3がテーパ孔部21aの小径端部側へ付勢され、テーパ孔部21aの内周面に所定の大きさの押圧力で押し付けられている。
【0010】
ガス流入孔22は、栓本体2の下端面から上方に向かって延び、テーパ孔部21aの底面に開口している。ガス流出孔23は、栓本体2の左側部外面から内部へ向かって水平に延び、テーパ孔部21aの内周面に開口している。ガス流入孔22とガス流出孔23とは、弁体3が図1に示す閉位置に回動すると、弁体3によって遮断される。これによって、ガス栓1が閉状態になる。弁体3が閉位置からほぼ90°回動して開位置に達すると、ガス流入孔22とガス流出孔23とが弁体3に形成されたガス通路31を介して連通する。これによって、ガス栓1が開状態になる。
【0011】
栓本体2の上端面には、上方に向かって突出する環状壁部24が形成されている。この環状壁部24は、弁収容孔21と同芯に配置されており、弁収容孔21のストレート孔部21bの開口部を囲んでいる。換言すれば、環状壁部24の内部の上端開口部が、ストレート孔部21bの開口部になっているのである。環状壁部24の外周面には、その周方向に沿って環状に延びる装着溝25が形成されている。この装着溝25には、リング状をなす封止部材7が装着されている。封止部材7は、ゴム等の弾性部材からなるものであり、この実施の形態では、Oリングが用いられている。封止部材7の内周面は、封止部材7自体の弾性力によって装着溝25の底面に押し付けられている。封止部材7の上下の両面は、装着溝25の上下の側面に押し付けられていることが望ましい。封止部材7の外周部は、装着溝25から外側に突出している。
【0012】
栓本体2の上側には、上記ハンドル4が配置されている。このハンドル4には、その中央部を上下に貫通するボルト挿通孔41が形成されている。このボルト挿通孔41には、ボルト8が挿通されている。ボルト8は、中間部材5に螺合されており、ボルト8を締め付けることによってハンドル4が中間部材5に固定され、ひいては弁体3に回動不能に連結されている。したがって、ハンドル4によって弁体5を開閉回動させることができる。ボルト挿通孔41の内周面とボルト8の外周面との間は、Oリング等からなる環状の封止部材9によって封止されている。
【0013】
ハンドル4の下面には、下方へ向かって突出する環状の包囲壁部42が形成されている。この包囲壁部42は、環状壁部24と同芯に配置されており、環状壁部24を外側から回動可能に包囲している。包囲壁部42の内周面には、封止部材7の外周部がそれ自体の弾性力によって押圧接触している。この結果、包囲壁部42の内周面と環状壁部24の外周面との間に形成される環状の隙間Cが、ガス栓1の外部に連通した下側の外側部分Coと、栓本体2とハンドル4との間に形成された空間Sに連通した上側の内側部分Ciとに区分されている。勿論、外側部分Coと内側部分Ciとは、封止部材7によって密封状態で遮断されている。なお、封止部材7は、それに外力が作用しない自然状態では、断面円形になっているが、環状壁部24と包囲壁部42との間に装着された状態では、環状壁部24の外周面と包囲壁部42の内周面とに押圧接触することにより、上下方向に長い断面長円状になっている。
【0014】
図2〜図5に示すように、包囲壁部42の内周面には、上下方向に延びるスリット(連通路)43が形成されている。このスリット43は、包囲壁部42の下端面から包囲壁部43の封止部材7との接触箇所を横断して封止部材7の上方まで延びている。したがって、スリット43の下端部は、外側部分Coに連通し、スリット43の上端部は、内側部分Ciに連通している。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとがスリット43を介して連通している。外側部分Coと内側部分Ciとの連通面積(流通断面積)は、スリット43のうちの包囲壁部43と封止部材7との接触部を横断する箇所において最も小さくなっており、当該箇所が抵抗部43aになっている。抵抗部43aは、気体の流通は許容するが、雨水等の液体が流通することを極力阻止することができるように、その流通断面積が所定の大きさ以下に設定されている。また、この実施の形態では、抵抗部43aの断面形状が略四角形状になっているが、その形状もできる限り液体の流通を阻止することができるような形状にするのが望ましい。抵抗部43aの流通断面積及び形状は、実験等によって適宜に定められる。また、スリット43は、包囲壁部42の内周面の封止部材7との接触箇所を上下方向(包囲壁部42の軸線方向)に横断し、それによって外側部分Coと内側部分Ciとを連通させることができるものである限り、必ずしも包囲壁部42の下端面に開放したり、封止部材7の上端より上方まで延ばしたりする必要はない。
【0015】
上記構成のガス栓1においては、環状壁部24の外周面と包囲壁部42の内周面との間の隙間Cが封止部材7によって封止されているから、雨水等の液体が隙間Cを通って内部空間S内に浸入することを阻止することができる。また、外気温度の変動に伴って内部空間S内の空気が膨張、収縮した場合には、内部空間S内の空気が隙間C及びスリット43を通って外部に流出し、あるいは外部の空気が隙間C及びスリット43を通って内部空間S内に流入する。したがって、内部空間S内の圧力が高圧になったり、負圧になったりすることを防止することができる。よって、内部空間S内の圧力変動に伴って各種の不都合が生じることを防止することができる。また、外部の雨水がスリット43を通って内部空間S内に浸入する可能性はあるが、その量はガス栓1の実際の使用上において不都合が生じないような程度の極めて微量であるように抵抗部43aによって規制される。したがって、栓本体2や弁体3が腐食するような事態を防止することができる。しかも、内部空間の圧力を一定に維持するとともに、雨水の浸入を防止するために必要であるのは、スリット43を形成することだけであり、通気部材等の新たな部材を設ける必要がない。したがって、ガス栓1の製造費を低減することができる。
【0016】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下に述べる実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成部分についてのみ説明することとし、上記実施の形態と同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0017】
図6は、この発明の第2実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24の外周面に、上下方向に延びるスリット(連通路)26が形成されている。スリット26の長さは、装着溝25の幅より長く設定されており、装着溝25を上下方向に横断している。しかも、スリット26の深さは、装着溝25の深さより深く設定されている。この結果、隙間Cの外側部分Coと内側部分Ciとがスリット26を介して連通している。外側部分Coと内側部分Ciとの連通面積は、スリット26のうちの封止部材7と装着溝25の底面との接触部を横断する箇所において最も狭くなっており、当該箇所が抵抗部26aになっている。なお、スリット26を形成する場合には、スリット43を形成してもよく、形成しなくてもよい。
【0018】
図7〜図11は、この発明の第3実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24に第1スリット(第1通路部)27、第2スリット(第2通路部)28及び環状溝(第3通路部)29が形成されている。この第1スリット27、第2スリット28及び環状溝29によって外側部分Coと内側部分Ciとを連通する連通路が構成されている。
【0019】
図10に示すように、第1スリット27の一端部は、装着溝25の下側の側面に沿って環状壁部24の径方向に延びており、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第1スリット27の一端部は、外側部分Coに連通している。第1スリット27の他端部は、装着溝25の底面に沿って上方に延び、装着溝25を上下に横断している。
【0020】
第2スリット28は、第1スリット27に対し環状壁部24の周方向へ離れて、特にこの実施の形態では180°離れて配置されている。図10及び図11に示すように、第2スリット28の一端部は、装着溝25の上側の側面に沿って環状壁部24の径方向に延びており、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第2スリット28の一端部は、内側部分Ciに連通している。第2スリット28の他端部は、装着溝25の底面に沿って下方に延び、装着溝25を上下に横断している。
【0021】
環状溝29は、装着溝25の底面にその幅方向(環状壁部24の軸線方向)の中央部に配置されている。環状溝29の幅は、封止部材7と装着溝25の底面との接触部の幅より狭くなっており、環状溝29の開放部が封止部材7によって閉じられている。環状溝29は、装着溝25に沿って環状に延びている。したがって、環状溝29は、第1、第2スリット27,28の他端部どうしを連通させている。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが、第1スリット27、環状溝29及び第2スリット28を介して互いに連通している。環状溝29は、環状に延びることなく、第1、第2スリット27,28の間を半周にわたって延びるものであってもよい。
【0022】
第1スリット27のうちの封止部材7と装着溝25の下側の側面との接触部を横断する箇所が抵抗部27aとされ、第2スリット28のうちの封止部材7と装着溝25の上側の側面との接触部を横断する箇所が抵抗部28aとされ、環状溝29全体が抵抗部とされている。三つの抵抗部27a,28a,29のうちのいずれか一つだけを抵抗部としてもよい。例えば、抵抗部として二つの抵抗部27a,28aだけを採用し、環状溝29については第1、第2スリット27,28を単に連通するための連通路としてもよい。
【0023】
この実施の形態においては、第1、第2スリット27,28及び環状溝29によって構成される連通路が迷路状になっていること、三つの抵抗部27a,28a,29を有していること、及び抵抗部たる環状溝29が環状壁部24の周方向に延びて、その長さが長くなっていることにより、空間S内に雨水が浸入することをより一層確実に防止することができる。上記のように、環状溝29を単なる連通路とした場合であっても、二つの抵抗部27a,28aとの間に長い環状溝29が介在するので、空間S内への雨水の浸入を防止することができる。
【0024】
図12〜図14は、この発明の第4実施の形態において用いられている栓本体2を示す。この栓本体2においては、環状壁部24に第1スリット(第1連通部)81、第2スリット(第2連通部)82及び第3スリット(第5連通部)83が形成されている。
【0025】
第1スリット81は、環状溝25の下側(隙間Cの外部側)の側面に形成されており、環状壁部24の径方向に延びている。第1スリット81の長手方向の一端部は、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第1スリット81の一端部は、隙間Cの外側部分Coに連通している。第1スリット81の他端部は、環状溝25の下側の側面と封止部材7との接触箇所より環状溝25の底部側まで延びている。特に、この実施の形態では、第1スリット81の他端が環状溝25の底面まで延びている。したがって、第1スリット81の他端部は、環状溝25のうちの下側の側面と封止部材7との接触箇所より底部側に位置する部分、つまり環状溝25の底面及び下側の側面と封止部材7とによって囲まれる通路部分(第3連通部)25aに連通している。
【0026】
第2スリット82は、環状溝25の上側(隙間Cの内部側)の側面に形成されており、環状壁部24の径方向に延びている。第2スリット82の長手方向の一端部は、環状壁部24の外周面に開放されている。したがって、第2スリット82の一端部は、隙間Cの内側部分Ciに連通している。第2スリット82の他端部は、環状溝25の上側の側面と封止部材7との接触箇所より環状溝25の底部側まで延びている。特に、この実施の形態では、第2スリット82の他端部が環状溝25の底面まで延びている。したがって、第2スリット82の他端部は、環状溝25のうちの上側の側面と封止部材との接触箇所より底部側に位置する部分、つまり環状溝25の底面及び上側の側面と封止部材7とによって囲まれる通路部分(第4連通部)25bに連通している。
【0027】
第3スリット83は、環状溝25の底面に形成されている。第3スリット83の上下方向(環状壁部24の軸線方向)の長さは、環状溝25の幅と同一の設定されており、第3スリット83の上下の端部は、環状溝25の上下の側面と同一位置に位置している。したがって、第3スリット83の下側の端部は、下側の通路部分25aに連通し、第3スリット83の上側の端部は、上側の通路部分25bに連通している。換言すれば、通路部分25a,25bが第3スリット83によって連通させられている。第3スリット83の長さは、封止部材7と環状溝25の底面との接触を上下方向に横断し、封止部材7によって上下に区分される通路部分25a,25bを連通させることができるものである限り、環状溝25の幅より短くしてもよい。その場合、第3スリット83の上下の端部は、環状溝25の上下の側面からそれぞれ離間することになる。
【0028】
上記の構成から明らかなように、第1スリット81は、通路部分25aを介して第3スリット83に連通し、第2スリット82は、通路部分25bを介して第3スリット83に連通している。そして、通路部分25a,25bが第3スリット83を介して連通している。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが、第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82を介して互いに連通している。したがって、この実施の形態では、第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82によって連通路が構成されている。
【0029】
この実施の形態においては、連通路が複数個所において屈曲し、全体として迷路状に形成されているので、雨水の浸入をより一層確実に防止することができる。なお、連通路を構成する第1スリット81、通路部分25a、第3スリット83、通路部分25b及び第2スリット82のうちの少なくとも一つに雨水等の液体の流通を極力阻止する抵抗部を形成しておけばよい。この実施の形態では、第1スリット81の封止部材7と装着溝25の下側の側面との接触部を横断する箇所、第2スリット82の封止部材7と装着溝25の上側の側面との接触部を横断する箇所、及び第3スリット83の封止部材7と装着溝25の底面との接触部を横断する箇所が抵抗部になっている。
【0030】
図15〜図17は、この発明の第5実施の形態において用いられている封止部材7Aを示す。この封止部材7Aは、封止部材7に代えて用いられるものであり、その材質及び形状は封止部材7と同様である。ただし、封止部材7Aの外周部には、上下方向(封止部材7Aの軸線方向)に延びるスリット71(連通路)が形成されている。このスリット71は、封止部材7Aと包囲壁部42との接触部を上下に横断するように形成されている。したがって、スリット71は外側部分Coと内側部分Ciと互いに連通させている。スリット71のうちの、封止部材7Aと包囲壁部42との接触部に対応する箇所(図16において、スリット71の上下方向における中央部)が抵抗部71aになっている。
なお、この実施の形態のように、封止部材7Aにスリット71を形成する場合には、栓本体2又はハンドル4に連通路を形成する必要がない。
【0031】
図18〜図22は、この発明の第6実施の形態を示す。この実施の形態のガス栓1においては、封止部材7Aに代えて封止部材7Bが用いられている。この封止部材7Bも、封止部材7Aと同様に弾性材によって構成されている。しかし、図22に示すように、封止部材7Bの断面形状は略四角形状に形成されている。また、封止部材7Bの外周面には、その全周にわたって延びる環状突出部72,73が形成されている。環状突出部72,73は、封止部材7Bの外周面の上下方向(軸線方向)における一端部と他端部とにそれぞれ配置されている。環状突出部72,73が形成されることにより、封止部材7Bの外周面の上下方向における中央部には、周方向に沿って環状に延びる溝(第3通路部)74が形成されている。
【0032】
封止部材7Bは、図18及び図19に示すように、その内周面及び軸線方向の両端面が環状溝25の底面及び両側面にそれぞれ押圧接触した状態で環状溝25に装着されている。その一方、封止部材7Bの環状突出部72,73の先端部が包囲壁部42の内周面に押圧接触している。これにより、環状壁部24と包囲壁部42との間の環状の隙間Cが全周にわたって封止されている。なお、環状突出部72,73の突出量が大きいため、環状突出部72,73の先端部が包囲壁部42の内周面に折れ曲がった状態で押圧接触しているが、必ずしも折れ曲がった状態で押圧接触させる必要はない。
【0033】
下側の環状突出部72には、第1スリット(第1通路部)72aが形成されている。この第1スリット72aは、環状突出部72を上下方向に横断しており、隙間Cの外側部分Coと溝74とを連通させている。一方、上側の環状突出部73には、第2スリット(第2通路部)73aが形成されている。この第2スリット73aは、第1スリット72aに対し封止部材7Bの周方向へ離れて、この実施の形態では180°離れて配置されている。第2スリット73aは、環状突出部73を上下方向に横断しており、隙間Cの内側部分Ciと溝74とを連通させている。この結果、外側部分Coと内側部分Ciとが第1スリット72a、溝74及び第2スリット73aを介して連通している。これから明らかなように、第1、第2スリット72a,73a及び溝74によって連通路が構成されている。勿論、第1、第2スリット72a,73a及び溝74の少なくとも一つには、気体の流通は許容するが、雨水等の液体が流通することを極力阻止することができるように、流通断面積が所定の大きさ以下に設定された抵抗部が形成されている。したがって、雨水等が栓本体2とハンドル4との間の内部空間Sに浸入することが防止することができるとともに、空間S内の圧力が変動することを防止することができる。しかも、この実施の形態では、第1スリット72aと第2スリット73aとが周方向に離れて配置されているので、雨水の浸入をより確実に防止することができる。
【0034】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態は、この発明をガス流入孔22とガス流出孔23とが互いに直交する方向に延びるL型ガス栓に適用したものであるが、この発明は、他の形式のガス栓、例えばガス流入孔とガス流出孔とが一直線上に並んで配置されたいわゆるI型ガス栓にも適用可能である。
また、上記の実施の形態においては、封止部材7が装着される装着溝25を環状壁部24の外周面に形成しているが、装着溝25は包囲壁部42の内周面に形成してもよい。その場合には、環状壁部24に第1実施の形態のスリット43に代わるスリットが形成され、包囲壁部42に、第2実施の形態のスリット26に代わるスリットが形成され、第3実施の形態のスリット27,28,29にそれぞれ代わるスリットが形成され、第4実施の形態の第1〜第3スリット81,82,83にそれぞれ代わるスリットが形成され、第5実施の形態の封止部材7Aの外周面に形成されたスリット71に代えて封止部材7Aの内周面にスリットが形成され、さらに第6実施の形態の封止部材7Bの外周面に形成された環状突出部72,73、溝74、スリット72a,73aに代えて封止部材7Bの内周面に二つの環状突出部、溝、及び二つのスリットが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明に係るガス栓の第1実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】同実施の形態の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】同実施の形態において用いられているハンドルの断面図である。
【図5】同ハンドルの底面図である。
【図6】この発明に係るガス栓の第2実施の形態において用いられている栓本体を示す側面図である。
【図7】この発明に係るガス栓の第3実施の形態において用いられている栓本体を示す右側面図である。
【図8】同栓本体を示す左側面図である。
【図9】図7のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図11】同栓本体の要部を示す拡大断面図である。
【図12】この発明に係るガス栓の第4実施の形態において用いられている栓本体を示す側面図である。
【図13】図12のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図14】図12のY−Y線に沿う拡大断面図である。
【図15】この発明に係るガス栓の第5実施の形態において用いられている封止部材の斜視図である。
【図16】図15のX矢視拡大図である。
【図17】図16のX矢視図である。
【図18】この発明の第6実施の形態の一部を省略して示す断面図である。
【図19】同実施の形態の要部を示す拡大断面図である。
【図20】同実施の形態において用いられている封止部材の平面図である。
【図21】同封止部材の側面図である。
【図22】図20のX−X線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
【0036】
C (環状の)隙間
Ci 内側部分
Co 外側部分
S (栓本体とハンドルとの間の)内部空間
1 ガス栓
2 栓本体
3 弁体
4 ハンドル
7A 封止部材
7B 封止部材
21 弁収容孔
24 環状壁部
25a 通路部分(第3連通部)
25b 通路部分(第4連通部)
26 スリット(連通路)
26a 抵抗部
27 第1スリット(第1通路部)
27a 抵抗部
28 第2スリット(第2通路部)
29 環状溝(第3通路部;抵抗部)
42 包囲壁部
43 スリット(連通路)
71 スリット(連通路)
71a 抵抗部
72a スリット(第1通路部)
73a スリット(第2通路部)
74 溝(第3通路部)
81 第1スリット(第1連通部)
82 第2スリット(第2連通部)
82 第3スリット(第5連通部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に弁収容孔が形成され、外面に上記弁収容孔の一端開口部を囲む環状壁部が形成された栓本体と、上記弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、上記環状壁部を回動可能に包囲する環状の包囲壁部を有し、上記弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備え、上記環状壁部の外周面と上記包囲壁部の内周面との間には、それらの間に形成される隙間を封止する環状の封止部材が設けられたガス栓において、
上記環状壁部の外周面と上記封止部材の内周面との間と、上記包囲壁部の内周面と上記封止部材の外周面との間との少なくとも一方には、上記隙間の上記封止部材より上記栓本体の内部側に位置する内側部分と上記封止部材より外部側に位置する外側部分とを連通する連通路が形成されており、上記連通路は、気体の流通を許容するが、液体の流通を極力阻止することができるよう、流通断面積が所定の大きさ以下である抵抗部を有していることを特徴とするガス栓。
【請求項2】
上記連通路が、上記環状壁部の外周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項3】
上記連通路が、上記包囲壁部の内周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項4】
上記連通路が、上記封止部材の外周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項5】
上記連通路が、上記封止部材の内周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項6】
上記連通路が、一端部が上記外側部分に連通した第1通路部と、この第1通路部に対し上記環状壁部の周方向に離間して配置され、かつ一端部が上記内側部分に連通した第2通路部と、上記環状壁部の周方向に延び、上記第1、第2通路の他端部どうしを連通する第3通路部とを有し、上記第1〜第3通路部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項7】
上記連通路が、一端部が上記外側部分に連通した第1連通部と、一端部が上記内側部分に連通した第2連通部と、上記第1連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第3連通部と、上記第2連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第4連通部と、上記第1、第2連通部に対して上記環状壁部の周方向に離間して配置され、上記第3連通部と上記第4連通部とを連通する第5連通部とを有し、上記第1〜第5連通部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項1】
内部に弁収容孔が形成され、外面に上記弁収容孔の一端開口部を囲む環状壁部が形成された栓本体と、上記弁収容孔に回動可能に収容された弁体と、上記環状壁部を回動可能に包囲する環状の包囲壁部を有し、上記弁体に回動不能に連結されたハンドルとを備え、上記環状壁部の外周面と上記包囲壁部の内周面との間には、それらの間に形成される隙間を封止する環状の封止部材が設けられたガス栓において、
上記環状壁部の外周面と上記封止部材の内周面との間と、上記包囲壁部の内周面と上記封止部材の外周面との間との少なくとも一方には、上記隙間の上記封止部材より上記栓本体の内部側に位置する内側部分と上記封止部材より外部側に位置する外側部分とを連通する連通路が形成されており、上記連通路は、気体の流通を許容するが、液体の流通を極力阻止することができるよう、流通断面積が所定の大きさ以下である抵抗部を有していることを特徴とするガス栓。
【請求項2】
上記連通路が、上記環状壁部の外周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項3】
上記連通路が、上記包囲壁部の内周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項4】
上記連通路が、上記封止部材の外周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項5】
上記連通路が、上記封止部材の内周面に形成されたスリットを有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項6】
上記連通路が、一端部が上記外側部分に連通した第1通路部と、この第1通路部に対し上記環状壁部の周方向に離間して配置され、かつ一端部が上記内側部分に連通した第2通路部と、上記環状壁部の周方向に延び、上記第1、第2通路の他端部どうしを連通する第3通路部とを有し、上記第1〜第3通路部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項7】
上記連通路が、一端部が上記外側部分に連通した第1連通部と、一端部が上記内側部分に連通した第2連通部と、上記第1連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第3連通部と、上記第2連通部の他端部から上記環状壁部の周方向に延びる第4連通部と、上記第1、第2連通部に対して上記環状壁部の周方向に離間して配置され、上記第3連通部と上記第4連通部とを連通する第5連通部とを有し、上記第1〜第5連通部の少なくとも一つが上記抵抗部を有していることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図11】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−106844(P2008−106844A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290049(P2006−290049)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000167325)光陽産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000167325)光陽産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
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