説明

ガス燃焼式打ち込み工具

【課題】アダプターの損傷事故がなくしかもアダプターの修理交換も容易な交流電源式ガス燃焼式打ち込み工具を提供する。
【手段】工具はヘッド部4から下向きに延びるフロントハウジング26を備えており、このフロントハウジング26にアダプター30の格納部が形成されている。格納部37は下向きに開口しており、アダプター30は、係合爪44が係合穴40に嵌まり込むことで格納部37に脱落不能に保持される。アダプター30はフロントハウジング26に内蔵されているため物が当たって損傷することは皆無である。また、アダプター30の修理・交換も簡単に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、動力源としてボンベ入りガスを使用しているガス燃焼式打ち込み工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
釘打ち機やピン打ち機(鋲打ち機)のような可搬式(手持ち式)ファスナー打ち込み工具は、動力源からみるとエアー式(空圧式)と火薬式とガス式とに大別される。このうちガス式のものは、エアー式のものに比べて、コンプレッサーが不要であるため機動性に優れていると共に、ホースが不要であるため作業性も優れている利点がある。また、火薬式のものに比べると、管理に要する手間が格段に少なく、また、ファスナーは多数本を連結したものを使用できるため作業性に優れている利点がある。
【0003】
他方、ガス燃焼式打ち込み工具の特徴として、ガスに着火する点火プラグや燃焼室の冷却用ファンのような電気部品を備えている点があり、このため、電源(例えば6Vの直流電源)が必要である。電源としては一般にバッテリーが使用されているが、本願出願人は、特許文献1において、外部の交流電源をコード付きアダプターで引き込むことを提案した。
【特許文献1】特開平8−290370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、バッテリーの消耗を気にすることなく継続的な打ち込み作業を行える利点があり、従って、例えば特開2005−288607号公報に開示されているようにファスナーの送りをモータで行う場合にも好適であるといえる。
【0005】
ところで、打ち込み工具は動力源の種類に関係なく先端のノーズ部をワークに押し当てないとファスナーの打ち出しが行えないように安全装置が設けられているが、我が国では、バッテリー式のガス燃焼式打ち込み工具は凶器として使用されることを防止するため安全装置は極めて厳格に規制されており、人がロックを解除するのが容易な安全装置であると所持許可を必要になっている。
【0006】
このため、先端部(ヘッド部の部分)をカバーで覆う等して安全機能を高めることで規制をクリアーしているが、例えば溝状の部分や入り隅部のような狭い場所にファスナーを打ち込む場合は、カバーがあると作業しにくい場合がある。
【0007】
そこで、特許文献1のようにコードによって外部電源を取り入れると、作業できる範囲がエアー式工具と同様の状態になることから銃刀法の規制対象外となって所持許可は不要となり、このため、ガス燃焼式打ち込み工具の汎用性を高めることができる利点もある。
【0008】
本願発明は、外部電源を使用する点は特許文献1を踏襲しつつ、より改良されたガス燃焼式打ち込み工具を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明のガス燃焼式打ち込み工具は、基本的には従来と同様であり、ファスナー打ち込み用ロッドを設けたピストンと、前記ピストンを摺動自在に嵌挿したシリンダと、人が手で握り得るグリップと、前記ロッドの前後動をガイドするヘッド部と、後退状態のロッドの前方にファスナーを1本ずつ繰り出すマガジンと、前記シリンダを覆うと共に前記グリップとヘッド部とマガジンとを除いた部分の外観を構成するハウジングと、が備えられている。そして、前記ピストンはボンベに充填されたガスの燃焼圧で駆動されるようになっており、このため、電気部品として少なくとも点火プラグを備えていると共に、前記電気部品に直流電源を供給する電源部が備えられている。
【0010】
そして、請求項1の発明では、特徴として、前記電源部は、外部の交流電源を降圧・整流するコード付きアダプターであって、このアダプターが、その大部分又は全部が隠された状態で前記ハウジング又はマガジン若しくはグリップに内蔵されている。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ハウジング又はマガジン若しくはグリップのいずれかに、前記アダプターを抜き差し自在に装着できる格納部を設けている。更に請求項3の発明は、請求項2において、前記格納部には、前記アダプターと全く又は殆ど同じ形態のバッテリーを装着できるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
特許文献1にはアダプターを例えばコンセントのような外部電源に接続することが開示されているが、アダプターはプラグに比べて大きいため、作業現場の状況によっては、人が足で誤って蹴ったり物が当たったりしてアダプターが破損することが懸念され、また、コードの先端に大きくて重たいアダプターが接続されているため、作業後にコードを処理しにくいという虞も有り得る。
【0013】
これに対して本願発明ではアダプターは工具に内蔵されているため、人が足で蹴ったり物が当たったりすることによる破損事故は全く無く、また、コードの先端にはプラグが接続されているに過ぎないため作業後にコードを処理するに当たっての煩わしさもない。
【0014】
請求項2のように構成すると、アダプターは着脱式であるため故障した場合の修理や交換をごく簡単に行える利点がある。また、アダプターを取り外して、例えばコードをアダプターにグルグル巻き付けて工具用ケースに収納するといったことや、コードの長さが異なるアダプターを複数種類用意しておいて現場の状況に応じて使い分けるといったことも可能になり、このため特に重宝である。
【0015】
請求項3の構成を採用すると、1種類の工具をバッテリー仕様とアダプター仕様とに兼用できるため、全体としてコストダウンと省資源とに貢献できる。この場合、安全装置が銃刀法下の規制をクリアーしている場合と規制そのものがない場合(撤廃されている場合)は、用途によって自由にバッテリーとアダプターとを使い分けることができる。
【0016】
他方、安全装置に規制が存在している場合は、バッテリー仕様については規制をクリアーした安全装置を設け、安全装置が規制をクリアーしていない場合はアダプター仕様の専用品として、アダプターの出力電圧をバッテリーの電圧よりも高くしてバッテリーを使用できなくする、といった措置を講じたら良い(アダプター仕様とバッテリー仕様とで電圧を変える場合は、点火プラグ等の電気部品の定格電圧を異ならせることにより、アダプター仕様とバッテリー仕様とでの互換性を無くすのが好ましい。)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本願実施形態は、建物の内装の仕上げ工程で内装部材の締結に使用するフィニッシュネイルの打ち込みに使用されるガス燃焼式打ち込み工具(以下、単に「工具」という)に適用している。なお、以下の実施形態では左右・前後の文言を使用するが、これは使用者が向いた方向を正面視として、これを基準にしている。また、上下の文言は、使用者が壁への締結作業を行う状態で工具を持った姿勢を基準にしている。
【0018】
(1).全体の概要
まず、図1〜図3に基づいて全体の概要を説明する。図1のうち(A)は工具の全体の左側面図、(B)は部分的な側面図、図2は駆動部の部分的な側断面図、図3は図1(A)の前後姿勢を逆にした状態での III-III視断面図でありかつ図4(A)の III-III視断面図である。
【0019】
この図1に示すように、工具は、ピストン1が摺動自在に嵌挿されたシリンダ2と、シリンダ2を含む駆動部を覆うボデー3と、ボデー3の前端に設けたヘッド部4と、ボデー3の下面に一体に設けたグリップ5と、ヘッド部4から下向きに延びるように設けたマガジン6とを備えている。ピストン1には打ち込み用のロッド(ハンマーブレード)7を設けている。グリップ5の上部にはトリガー5aを設けている。
【0020】
ボデー3は請求項に記載したハウジングの一部を構成するものであり、全体としては角形でかつ前に行くに従って緩く窄まる形態になっており、ヘッド部4が取り付く最前部は平面視でかなり細幅になっている。ボデー3の前端寄りでかつ左右側面部には排気穴8が空いている。他方、ボデー3のうち後部でかつ下面部には、グリップ5よりもやや大きい横幅で後ろ向きに開口したガスボンベ収納室9が形成されており、このガスボンベ収納室9に燃料となるガス(例えばブタンガス系)が充填されたボンベが装填されるようになっている。
【0021】
図2に示すように、シリンダ2の後方には燃焼室10が形成されており、この燃焼室10に冷却・攪拌機能を有するファン11と点火プラグ12とが後ろから臨んでいる。また、シリンダ2の後部はスリーブ13で囲われており、スリーブ13が後退すると燃焼室10が密閉されて内部に燃料ガスが供給されるようになっている。従って、スリーブ13は安全装置の一部を構成しており、シリンダ2とボデー3との間に配置した連動部材14によって後退動するようになっている。図2に示す符号15はピストン1の前進時の衝撃を吸収する緩衝材である。
【0022】
ヘッド部4は、ボデー3に固定された下ガイド体17と、下ガイド体17の上面に重なった上ガイド体18と、上下ガイド体17,18の前方に配置されたコンタクトノーズ19とを備えている。コンタクトノーズ19は、上下ガイド体17,18の合わせ面に前後スライド自在に配置された丸棒製のプローブ20の前端に固定されている。
【0023】
プローブ20及びコンタクトノーズ19は前記スリーブ13や連動部材14と共に安全装置の一部を構成するものであり、コンタクトノーズ19をワークWに押し当てるとプローブ20が相対的に後退動し、すると、前記した連動部材14を介してスリーブ13がシリンダ2に対して相対的に後退動し、これによって安全装置はロック解除状態になる(トリガー5aを引くとロッド7が前進する。)。プローブ20は前進方向にばね(図示せず)で付勢されている。
【0024】
また、上ガイド体18はその後部を中心にして跳ね上げ回動し得る状態で下ガイド体17に連結されており、クリップ体21及びレバー22により、下ガイド体17に重なった状態とはね上げた状態(開いた状態)とに切り替えできるようになっている。更に、前記ロッド7は、上下ガイド体17,18の合わせ面に形成した打ち込み通路の内部を前後方向にスライドする。なお、ヘッド部4の具体的な構造の例は本願出願人の先願に係る特開2006−315116号に開示されているので、必要なら参照されたい。
【0025】
マガジン6は、横向き(作業者から見て左方向)に開口したガイド溝23aを有する本体23と、本体23に上下スライド自在に装着されたカバー24とを備えている。本工具には、多数本の釘(フィニッシュネイル)nが並列状に並べた状態に連結された連結釘Nが使用されるが、連結釘Nは全体として板状の形態をなしていて本体23のガイド溝23aに装填されている。
【0026】
マガジン6を構成するカバー24は、本体23のガイド溝23aを全体的に塞ぐ長さ及び幅であり、連結釘Nはガイド溝23aの底面とカバー24との間に形成された空間に上向き動可能に配置されている。そして、カバー24には、連結釘Nを上向きに押す板状のプッシャー25が上下動自在に配置されており、かつ、プッシャー25は、カバー24に形成した中空部25に内蔵されている定格出力ばね(図示せず)によって上向きに押されている。
【0027】
そして、プッシャー25で押された連結釘Nは、ヘッド部4の下ガイド体17に形成したガイド穴を介して前記打ち込み通路に向けて押されており、連結釘Nのうち先頭に位置した1本の釘nが打ち込み通路に露出しており、これがロッド7の前進動によって打ち出される。
【0028】
マガジン6はボデー3の前端に連続した上下長手のフロントハウジング26に装着されており、フロントハウジング26の下端とグリップ5とは中空のジョイント部27を介して一体に繋がっている。そして、ジョイント部27の下端には、マガジン6におけるカバー24をロック・ロック解除するためのレバー28を設けている。なお、釘nは請求項に記載したファスナーの一例であるが、ファスナー(或いは連結ファスナー)の形態によってマガジン6の具体的な構造も違ってくる。なお、本実施形態ではジョイント部も請求項に記載したハウジングの一部を構成している。
【0029】
(2).アダプターとその装着構造
次に、図3に加えて図4以下の図面も参照して電源用アダプターとその装着構造とを説明する。図4のうち(A)はアダプター30を分離した状態での工具の右側面図、(B)はアダプター30を装着した状態での部分的な右側面図、図5はアダプター30とフロントハウジング26との分離斜視図、図6は図4(B)のVI−VI視断面図、図7のうち(A)はアダプター30の主要部材の大まかな配置図、(B)はアダプター30の回路図である。
【0030】
既述のとおり、前記ボデー3の前端にはフロントハウジング26が一体に連続しており、ヘッド部4の右側部分の大部分はフロントハウジング26の上部で覆われている。図4(A)に示す符号31は打ち込み深さ調節用のダイアルである。ダイアル31を回転操作するとコンタクトノーズ19の後退量が変化し、すると、ロッド7が最前進位置とコンタクトノーズ19との相対位置が変化して釘nの打ち込み深さが変化する。
【0031】
アダプター30は断面小判形でかつ細長い形状であり、一つの平坦状外周面にその長手方向に延びる凸条32が形成されている。また、基端にはコード33が分離不能に接続されており、コード33の先端にプラグ34を設けている一方、両円弧面の先端部には電極35を露出させている。電極35は、円弧面を切欠いて形成した平坦面に設けている。いうまでもないが、電極35はプラス極とマイナス極とからなっており、このためアダプター30には極の表示部36も設けている。
【0032】
前記したフロントハウジング26は作業者から見て右側に膨らんだ上下長手の格納部37を有しており、この格納部37にアダプター30を下方から嵌め込み収納している。図3に示すように、格納部37は下方及びマガジン6の側に向いて開口した袋状に形成されており、マガジン6の本体23で片面を塞がれた状態になっている。従って、正確には、フロントハウジング26とマガジン6とで格納部が形成されていると言える。
【0033】
フロントハウジング26の格納部37には、アダプター30の突条32が嵌まる外向き凸の張り出し部37aが形成されている。このためアダプター30の差し込み方向を間違うことはない。また、フロントハウジング26の内部のうちその奥部の前後側面には、アダプター30の電極35が接触する端子38が配置されている。この端子38から制御部(図示せず)を介して電力が前記ファン11と点火プラグ12とに給電される。
【0034】
格納部37の外面板のうち開口部の近傍箇所には下向きに開口した切欠き39が形成されており、格納部37の張り出し部37aのうち切欠き39に近い部分には角形の係合穴40が空いている。他方、アダプター30は樹脂製の外ケース41を備えていて外ケース41に突条32を形成しているが、突条32のうち基端寄り部位にコ字状のスリット42を形成することにより、突条32のうち基端部をコード33と反対側に延びる片持ち梁状のアーム部43と成し、このアーム部43に、前記格納部37の係合穴40に嵌まり得る係合爪44と人が指先で押し得るボタン部45とを形成している。アーム部43は外ケース41の内部に向けて押し曲げできるようになっている。
【0035】
係合爪44はアーム部43の先端側に位置しており、また、係合爪44のうち格納部37に差し込むに際して突条32の端面に当たる部分は傾斜面44aに形成されている。従って、アダプター30を格納部37に差し込み切ると、アーム部43が弾性変形してから戻ることで係合爪44が係合穴40に嵌まり切り、これによってアダプター30は脱落不能に保持される。また、ボタン部45を押すと係合爪44が係合穴40から外れるため、アダプター30を格納部37から抜き外すことができる。
【0036】
アダプター30のボタン部45は、フロントハウジング26の格納部37の切欠き39に嵌まり込んでいる。また、アダプター30はその基端寄りの僅かの部分だけ格納部37の外側に露出しており、このアダプター30の露出部は、フロントハウジング26のうち格納部37の下方に形成した凹所26aに重なっている。これは、図3に示すように格納部37の前後側壁がマガジン6の本体23の底面に対して垂直姿勢になっていることから、アダプター30は格納部37に完全に収納し切ると抜き外しできなくなるためである。
【0037】
図7に示すように、アダプター30は、既述の電極35の他に、ヒューズ46、ラインフィルター47、トランジスタ48、フォトカプラ49、トランス50、コンデンサ51などを備えている。
【0038】
(3).まとめ
以上の構成において、工具にはコード33を介して外部電源(建物のコンセントや携帯式発電機)から給電されるため、コンタクトノーズ19やプローブ20を人が引き操作できないような保護手段(カバー手段)を設けなくとも銃刀法の規制にはならず、このため、警察の許可を受けることなく使用できる(規制が廃止されたら当然ながら自由に使用できる。)。そして、アダプター30はフロントハウジング26の格納部37に収納されているため、物が当たって損傷するような問題は全くない。
【0039】
そして、人が打ち込み作業を行うにおいてフロントハウジング26の格納部37が人の身体に当たることは全くなく、また、フロントハウジング26の格納部37はヘッド部4の下方に位置しているため、作業者が作業を行うにおいて格納部37の存在によって打ち込み場所を見にくくなることも皆無である。従って、アダプター30を工具に内蔵したことで作業性が悪くなることは皆無である。
【0040】
本実施形態では、アダプター30はその係合爪44が係合穴40に嵌まることで脱落不能に保持されるため、格納部37に蓋板を設ける必要はなく、このため工具の構造を簡単化できると共に、アダプター30の着脱もワンタッチ的に行える。なお、アダプター30をワンタッチ的に着脱するための係合手段としては実施形態のような係合爪44と係合穴40との組み合わせに限らず、他の様々な方法を採用できる。
【0041】
本実施形態では、工具をバッテリー仕様に変更することも可能である。この場合は、アダプター30と殆ど又は全く同じ形態のバッテリーを使用したら良い(或いは、アダプター30をバッテリーと全く又は殆ど同じ外観形態にしたら良い。)。その場合、法律による規制が問題になる場合の対処方法は発明の効果の欄で述べたとおりである。
【0042】
ところで、工具類にコードを接続している場合、作業に伴う工具の動きによってコードの付け根に曲げ力が作用し、このため長期間使用し続けているとコードがその付け根箇所で千切れ易くなる現象が発生することがある。
【0043】
他方、本実施形態ではコード33が格納部37から垂れ下がった状態になっているが、この形態を採用すると、人が工具を動かしながら打ち込み作業を行うにおいて、コード33は全体として大きく動くため、その付け根箇所に曲げ荷重が作用することは殆どなく、このため、長期にわたって使用し続けていても、コード33がその付け根箇所て千切れ易くなることはない。また、本願発明ではコード33は外部電源(例えば100ボルト)を引き込むものであって例えば6ボルト用や12ボルト用のコードに比べて断面積が遥かにに大きくなっており、この点においてもコード33の千切れが抑止されていると言える。
【0044】
(4).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、格納部を設ける場所は工具の形態やアダプターの大きさに応じて選択できる。例えばグリップに設けたり、ボデーのうちグリップの付け根近傍に設けるといったことも可能である。実施形態のようにジョイント部が存在する場合は、このジョイント部にアダプターを格納することも可能である。コードをアダプターに抜き差し自在に接続することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(A)は実施形態に係る工具の全体の左側面図、(B)は部分的な側面図である。
【図2】駆動部の部分的な側断面図である。
【図3】図1(A)及び図4(A)の III-III視断面図である。
【図4】(A)はアダプターを分離した状態での工具の右側面図、(B)はアダプターを装着した状態での部分的な右側面図である。
【図5】アダプターとフロントハウジングとの分離斜視図である。
【図6】図4(B)のIV−IV視断面図である。
【図7】(A)はアダプターの主要部材の大まかな配置図、(B)はアダプターの回路図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ピストン
2 シリンダ
3 ハウジングの一部を構成するボデー
5 グリップ
5a トリガー
6 マガジン
7 打ち込み用のロッド
9 ガスボンベ収納室
10 燃焼室
11 電気部品の一例としてのファン
12 電気部品の一例としての点火プラグ
13 安全装置の一部を構成するスリーブ
19 安全装置の一部を構成するコンタクトノーズ
26 ハウジングの一部であるフロントハウジング
30 アダプター
33 コード
34 プラグ
35 電極
38 端子
37 格納部
40 係合手段の一部を構成する係合穴
44 係合手段の一部を構成する係合爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナー打ち込み用ロッドを設けたピストンと、前記ピストンを摺動自在に嵌挿したシリンダと、人が手で握り得るグリップと、前記ロッドの前後動をガイドするヘッド部と、後退状態のロッドの前方にファスナーを1本ずつ繰り出すマガジンと、前記シリンダを覆うと共に前記グリップとヘッド部とマガジンとを除いた部分の外観を構成するハウジングと、が備えられており、
前記ピストンはボンベに充填されたガスの燃焼圧で駆動されるようになっており、このため、電気部品として少なくとも点火プラグを備えていると共に、前記電気部品に直流電源を供給する電源部が備えられている、
というガス燃焼式打ち込み工具であって、
前記電源部は、外部の交流電源を降圧・整流するコード付きアダプターであって、このアダプターが、その大部分又は全部が隠された状態で前記ハウジング又はマガジン若しくはグリップに内蔵されている、
ガス燃焼式打ち込み工具。
【請求項2】
前記ハウジング又はマガジン若しくはグリップのいずれかに、前記アダプターを抜き差し自在に装着できる格納部を設けている、
請求項1に記載したガス燃焼式打ち込み工具。
【請求項3】
前記格納部には、前記アダプターと全く又は殆ど同じ形態のバッテリーを装着できるようになっている、
請求項2に記載したガス燃焼式打ち込み工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−200828(P2008−200828A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41747(P2007−41747)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000110789)日本パワーファスニング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】