説明

ガス精製方法

【課題】 再濃縮する前の六フッ化ウランの精製純度を向上することにある。
【解決手段】精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを、不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔12に通して不純物を吸着させる吸着工程と、吸着工程を通過したガスを冷却して目的成分を凝縮させる凝縮工程と、凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを吸着工程に戻すことで、精製した目的成分の純度を向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス精製方法に係り、例えば、使用済原子炉燃料を再処理することにより回収されるウランを六フッ化ウランの化学形態に転換するのに好適なガスの精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、使用済原子炉燃料を再処理して回収した六フッ化ウランを再濃縮する前に、ガス状の六フッ化ウランを精製することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一般に、再濃縮する前の六フッ化ウラン、すなわち原子力発電における使用済の原子炉燃料には、ウランの他にプルトニウムや核分裂生成物が含まれており、再度燃料として使用するために、不要な核分裂生成物などを除去する再処理が行われる。再処理により回収されたウランは、ガス状の六フッ化ウラン(UF6)に転換され、再濃縮により核分裂性ウラン同位体の濃度を調整した後、ウラン酸化物に再転換されて原子炉燃料として使用される。
【0004】
例えば、再濃縮で受入可能な六フッ化ウランの仕様、すなわち純度や不純物の含有量、放射線量などは、非特許文献1の米国試験・材料協会により制定された規格が適用される。再処理工程において多くの不純物は除去されるが、六フッ化ウランに転換後の再処理回収ウランには微量のガス状不純物が含まれている。したがって、再濃縮で受入可能な仕様を満たしていない場合には、再濃縮前にさらなる精製を行う必要がある。
【0005】
このような六フッ化ウランの精製方法としては、特許文献1に記載の技術は、不純物に対して化学的な吸着作用がある固体吸着剤に不純物を含む六フッ化ウランのガス(以下、被処理ガスという。)を通過させて不純物のフッ化物を除去し、その後、六フッ化ウランが凝縮する温度に冷却して六フッ化ウランを凝縮回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−46967号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ASTM C787−06:Standard Specification for Uranium Hexafluoride for Enrichment
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、不純物を固体吸着剤に化学反応により吸着させるためには、被処理ガス中の不純物の分圧を平衡解離圧よりも高くする必要があるが、被処理ガス中の不純物の分圧がこの平衡解離圧より低い場合には、被処理ガスを固体吸着剤に通しても不純物を除去しきれない。したがって、特許文献1に記載の技術によれば、六フッ化ウランの純度を高くしようとすると、固体吸着剤の使用量を多くする必要がある。なお、平衡解離圧とは、固体吸着剤に化学吸着した不純物フッ化物が、不純物の分子と固体吸着剤に解離する際の平衡定数のことをいう。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術によれば、精製純度を向上するために複数種類の固体吸着剤や複数段の吸着器を使用することが記載されているが、この場合、廃棄物となる使用済固体吸着剤の量が増加するという問題がある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、ガス精製方法において、精製したい目的成分の純度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の第1の態様のガス精製方法は、精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを、不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔に通して不純物を吸着させる吸着工程と、吸着工程を通過したガスを冷却して目的成分を凝縮させる凝縮工程と、凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを吸着工程に戻すことを含んでなることを特徴とする。
【0012】
これによれば、被処理ガス中の目的成分ガスの一部を凝縮回収し、凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを吸着工程に戻すことで、吸着工程での不純物ガスの分圧を大きくできる。その結果、不純物ガスと吸着剤との解離平衡を吸着側に移動でき、不純物ガスと吸着剤の化学吸着反応が促進されるから、吸着剤による精製度を向上でき、吸着剤の使用量を低減できる。
【0013】
また、本発明の第2の態様のガス精製方法は、六フッ化ウランのガス精製方法であり、凝縮工程から排出された未凝縮の六フッ化ウランのガスを、フッ化ナトリウムを充填したウラン吸着塔に通して、フッ化ナトリウムに六フッ化ウランを吸着させるウラン吸着工程と、ウラン吸着塔を昇温してフッ化ナトリウムから六フッ化ウランをガスとして脱着させる脱着工程を含んでなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第3の態様のガス精製方法は、被処理ガス中の不純物を吸着工程で吸着剤に吸着させ、この吸着工程を通過したガスを冷却して目的成分ガスを凝縮させ、不純物と未凝縮の目的成分ガスを吸着工程に戻し、戻される目的成分ガスの不純物ガスの濃度増加に応じて、凝縮工程の温度を下げて目的成分ガスを凝縮させ、未凝縮の不純物ガスの分圧が設定値を超えたとき、未凝縮の不純物ガスを系外に排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ガス精製方法において、精製したい目的成分の純度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1のガス精製方法の概念図である。
【図2】実施形態1の被処理ガス中の六フッ化ウラン及び不純物フッ化物の比率を示す図である。
【図3】実施形態2のガス精製方法の概念図である。
【図4】六フッ化ウランとNbF5の飽和蒸気圧の温度依存性を示す図である。
【図5】被処理ガス中の六フッ化ウランとNbF5の比率を示す図である。
【図6】実施形態4のガス精製方法の概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、実施形態では、使用済原子炉燃料の再処理工場から供給される不純物を含む六フッ化ウランのガスを被処理ガスとし、目的成分を六フッ化ウランとして説明するが、これは被処理ガス及び目的成分を例示したに過ぎず、被処理ガスや目的成分などを限定するものではない。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1のガス精製方法は、精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを冷却して目的成分ガスを凝縮させる第1凝縮工程と、第1凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを第1凝縮工程より低い温度で冷却する第2凝縮工程と、第2凝縮工程で凝縮された目的成分の凝縮物を加熱してガス化させる加熱工程と、加熱工程でガス化させたガスを第1凝縮工程に戻すことを含んでなることを特徴とする。
【0019】
すなわち、目的成分ガスを凝縮させて回収していることから、高純度の目的成分を得ることができる。さらに、第1凝縮工程から排出される未凝縮の目的成分ガスを、第2の凝縮工程において第1凝縮工程より低い温度で冷却して凝縮回収し、この凝縮物をガス化して第1凝縮工程に戻しているから、第1凝縮工程の目的成分ガスの分圧を増加できる。その結果、第1凝縮工程の冷却温度で、目的成分ガスが凝縮しやすくなるから、目的成分の回収率を向上できる。
【0020】
さらに、第2凝縮工程で不純物の一部が凝縮するおそれがあるので、加熱工程で発生させたガス中の不純物を吸着工程で吸着剤に吸着させ、吸着工程を通過したガスを第1凝縮工程に戻す。これによれば、加熱工程で発生させたガス中に不純物が含まれていたとしても、吸着工程で不純物を除去できるから、第1凝縮工程での不純物の濃度増加を低減でき、精製したい目的成分の純度をより一層向上できる。
【0021】
このような、実施形態1のガス精製方法を図1に基づいて説明する。図示のように本実施形態のガス精製方法は、不純物を含む六フッ化ウランの被処理ガス1が供給される第1の凝縮器3と、凝縮器3から排出される不純物と未凝縮の六フッ化ウランのガスが供給される第2の凝縮器5と、不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔9を含んでいる。
【0022】
被処理ガス1は、図示していない再処理工場から供給され、使用済原子炉燃料の再処理により回収された酸化物、硝酸塩、フッ化物などの化学形態のウランをフッ素ガスなどとの反応により六フッ化ウランの化学形態に転換されたものである。再処理工場から供給される回収ウランには、使用済燃料に含まれる核分裂生成物の一部が不純物として混入しており、六フッ化ウランへの転換の際に不揮発性フッ化物となる核分裂生成物は分離される。回収ウランに含まれる主な不純物は、揮発性フッ化物となる核分裂生成物、例えばテクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、ニオブ(Nb)、などと、六フッ化ウランへの転換で使用されるフッ素ガス(F2)や、転換の際に発生する酸素(O2)などがある。これらの不純物に対しては、精製された六フッ化ウランの供給先である濃縮工場での受入基準が設定されているため、被処理ガス1に含まれる不純物が受入基準を超える場合は、さらに精製を行う必要がある。なお、本実施形態は、不純物としてテクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)のフッ化物を被処理ガス1から除去する方法を説明する。
【0023】
被処理ガス1が導入される凝縮器3は冷却手段6が備えられ、図示しない冷却装置により被処理ガス1を冷却できるようになっている。凝縮器3での冷却温度は、六フッ化ウランの99%以上が凝縮する−30℃から、六フッ化ウランの三重点である64℃までが選択される。この場合、凝縮する六フッ化ウランの純度及び回収率の観点から、回収率が80〜95%となる−10℃から10℃の範囲に設定することが望ましい。より望ましくは、被処理ガス1に含まれる六フッ化ウランは凝縮するが、不純物フッ化物は凝縮しにくい温度、すなわち、不純物フッ化物の飽和蒸気圧が被処理ガス1中の不純物フッ化物の分圧より小さくなる温度である。凝縮器3で凝縮回収した六フッ化ウランは、加熱手段7で加熱されてガス化され、精製ウラン8として回収される。なお、凝縮器3は加熱手段7を備別に蒸発器を設けてもよく、また、六フッ化ウランを固体としてガス化せずに回収してもよい。回収した精製ウラン8は、中間貯蔵や酸化物に転換して廃棄してもよい。この場合、貯蔵施設や酸化転換施設での被爆などを考慮して六フッ化ウランの精製純度を決めることができる。
【0024】
凝縮器3から排出される、不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスは凝縮器5に導入される。凝縮器5は、冷却手段6により凝縮器3よりも低い冷却温度、例えば、―80℃でガスを冷却できるようになっている。これにより、未凝縮の六フッ化ウランのガスのほとんどを凝縮回収できる。凝縮器5で凝縮しない不純物フッ化物及びF2やO2のガスはオフガスとして排出され、図示しないオフガス処理系に供給される。オフガスを排出した後、加熱手段7で凝縮器5内の六フッ化ウランの凝縮物を加熱して気化し、発生したガスを吸着塔9に供給する。気化するための加熱温度は、六フッ化ウランの回収率などにより適宜設定できるが、六フッ化ウランの三重点である64℃以上が好ましい。なお、凝縮器5に加熱手段7を設けず、蒸発器などの加熱手段を別に設けてもよい。
【0025】
吸着塔9には、不純物フッ化物を吸着する吸着剤、例えば、LiF、NaF、MgF2、CaF2、BaF2、UO2F2、UF5などが充填され、通過するガス中の不純物フッ化物を吸着剤に吸着させて除去するようになっている。吸着塔9には、本実施形態では吸着塔加熱手段10が備えられ、吸着剤に不純物フッ化物が吸着しやすい温度に調整するようになっている。なお、吸着塔9の温度は精製対象成分、不純物の種類や濃度などに応じて適宜選択でき、吸着塔加熱手段10を設けなくてもよい。吸着塔9を通過した六フッ化ウランのガスは、被処理ガス1と混合されて、凝縮器3に戻されるようになっている。
【0026】
ここで、本実施形態のガス精製方法の原理を、フッ化物揮発法型の再処理施設の例を用いて説明する。表1は、再処理施設から供給される被処理ガス中の六フッ化ウランと不純物フッ化物の比率を示したものであり、米国アルゴンヌ研究所の報告、ANL−7583の68ページおよび89ページに記載されている数値に基づくものである。ANL−7583の68ページには、使用済燃料をフッ化してガス状の六フッ化ウラン(UF6)を生成し、これを凝縮器に回収したときの流量が示されており、流量の欄にはその値を示す。TeF6は揮発性が高いため、ガス状の六フッ化ウランを凝縮器に回収したときに凝縮しないから、以降の工程の六フッ化ウランのガスに含まれないので、表1では数値を記載していない。この流量から、ウラン1モルを含むガス状の六フッ化ウランに含まれるU、Nb、Mo、Tc、Ru、Sbのモル数を算出することができるので、表1の「Uに対するモル比」の欄に結果を示す。この、凝縮して回収した六フッ化ウランを加熱し、精製のため再びガス状としたときの、各物質の分圧を表のPoの欄に示す。ガス全体で1気圧とする場合が普通であるが、この表では原理のわかりやすさを考慮して主成分である六フッ化ウランが1気圧になるような全圧力を想定している。表1の最後の二つの欄はANL−7583の89ページに記載されている、15℃と−80℃での各化合物の飽和蒸気圧である。
【0027】
【表1】

【0028】
ここで、被処理ガス1中の六フッ化ウランの処理量を1モル/分と設定した。ANL―7583の例では約880kgの六フッ化ウランを1日で処理するので、約2.5モル/分であるが、原理のわかりやすさのため、六フッ化ウランの処理量として、きりの良い数値を用いた。この表1に示す比率でMoF6、TcF5、RuF6、SbF5が含まれていると想定する。図2のライン番号1の欄に示されているのが被処理ガス1(図2では回収U)の流量とUF6、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5の分圧(Po/Pa)である。被処理ガス1の1分間相当の処理量は、UF6が1.00モル、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5がそれぞれ、9.96×10−3モル、2.31×10−3モル、8.52×10−3モル、2.91×10−4モル含まれている。この六フッ化ウランの分圧は1気圧(1.01×10Pa)と規定しているので、比例計算によりMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の分圧はPo/Pa欄の値となる。
【0029】
この被処理ガス1に、後述する粗精製循環Uを加えたガス(図2では供給U)を凝縮器3に供給する。粗精製循環Uの組成はライン番号61の欄に示す。両者を合わせた供給Uの組成はライン番号7の欄に示している。供給UにおけるMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の流量は、被処理ガス1より約11.1%、正確には1/9増加している。この供給Uは内部を15℃に設定した凝縮器3に供給すると、飽和蒸気圧はVP+15の欄にあるように7.41×10Paであるから、その差分である9.4×10Pa分の六フッ化ウランが凝縮する。この量は元の六フッ化ウランの約93%であるから、六フッ化ウランのガスの約93%が凝縮するが、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5の分圧はそれぞれ、1.04×10、2.41×10、8.88×10、3.03×10であり、いずれも表1のVP+15の欄に示す飽和蒸気圧より小さいので凝縮しない。この凝縮器3で凝縮回収した六フッ化ウランは精製ウラン8(図2では精製U)として回収される。凝縮器3で凝縮しなかったMoF6、TcF5、RuF6、SbF5と未凝縮の六フッ化ウランのガスは、凝縮器5に供給され、凝縮器3よりも低い温度、例えば、−80℃に冷却されて六フッ化ウランのガスのほとんどを凝縮回収する。凝縮器5で凝縮回収された六フッ化ウランの凝縮物は、六フッ化ウランのほとんどをガス化できる温度、例えば、六フッ化ウランの3重点である64℃以上に加熱されて気化してガス(図2では循環U)とする。
【0030】
しかし、このまま循環Uを被処理ガス1に加えると、凝縮器5で凝縮したMoF6、TcF5、RuF6、SbF5も被処理ガス1に合流することになり、被処理ガス1中の不純物フッ化物の量が増大し凝縮器3で六フッ化ウランとともに凝縮するおそれがある。そのため、この循環Uを被処理ガス1に合流させる前に、吸着塔9を通過させて吸着剤にMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の90%を吸着除去させる。吸着剤は、例えば、LiF、NaF、MgF2、CaF2、BaF2、UO2F2、UF5を用いることができる。吸着塔9から排出されるガス(図2では粗精製循環U)は被処理ガス1に合流されて凝縮器3に供給される。
【0031】
ここで、六フッ化ウランの動きを見直してみる。本来の被処理ガス1中の六フッ化ウランの1.00モルに、約0.08モル(0.0792モル)の循環Uが加わり、1.08モルとなる。このうち93%が精製ウラン8になるがその量は1.08×0.93=1.00モルである。精製ウラン8にならなかった分、約0.08モルは再び、循環Uとなって被処理ガス1に加わる。すなわち、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5を含む循環Uを被処理ガス1に合流させても、被処理ガス1の六フッ化ウランは蓄積されていかず、被処理ガス1中の六フッ化ウランの流量と、精製ウラン8の流量はほぼ同一となる。ここでほぼ、というのは、オフガスとして回収されないウランが6.53×10−7モル存在するためである。この未回収分は、再処理における六フッ化ウランの回収率の要求が99から99.5%であることを考えると、許容できる値である。
【0032】
また、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5の動きを見ると、被処理ガス1に循環Uを加えると、被処理ガス中1の1/9のMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の量が被処理ガス1に添加され、供給Uにおける物質量は10/9となる。しかし、吸着塔9でこの90%が除去されると、粗精製循環Uでの物質量は1/9となり、不純物フッ化物の蓄積は生じにくい。
【0033】
これによれば、六フッ化ウランのガスを凝縮させて回収できることから、高純度の六フッ化ウランを得ることができる。さらに、凝縮器3から排出される未凝縮の六フッ化ウランのガスを、凝縮器5でより低い温度に冷却して凝縮回収し、この凝縮物をガス化して被処理ガス1に混合して凝縮器3にもどすから、凝縮器3での六フッ化ウランガスの分圧を増加できる。その結果、凝縮器3の冷却温度で、六フッ化ウランのガスが凝縮しやすくでき、六フッ化ウランの回収率を向上できる。
【0034】
また、凝縮器5で不純物フッ化物の一部が凝縮しても、吸着塔9で不純物フッ化物を除去できるから、系内の不純物フッ化物が蓄積することを低減できる。なお、本実施形態は吸着塔9を設けているが、目的成分に求められる純度や不純物の濃度などにより吸着塔9を省略してもよい。
【0035】
また、目的成分が六フッ化ウランの場合には、本実施形態の凝縮器5に代えて、フッ化ナトリウムを充填した吸着装置を使用することもできる。これは、フッ化ナトリウムが100℃前後の温度で六フッ化ウランを吸着し、350℃以上の温度で六フッ化ウランを脱着する性質を利用するものである。これによれば、凝縮器3を通過した不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスを、設定温度100℃前後のフッ化ナトリウムを充填した吸着装置に導入して六フッ化ウランを吸着でき、吸着装置を350℃以上に加熱して六フッ化ウランをガスとして脱着させて被処理ガス1に合流させることで、六フッ化ウランの純度及び回収率を向上できる。
【0036】
また、フッ化ナトリウムはMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の一部を吸着するから、吸着塔9を省略することができる。
【0037】
(実施形態2)
実施形態2のガス精製方法は、被処理ガス中の不純物を吸着工程で吸着剤に吸着させ、吸着工程を通過したガスを第1凝縮工程で冷却して目的成分を凝縮回収し、未凝縮の目的成分ガスを第2凝縮工程において第1凝縮工程よりも低い温度で冷却して凝縮させ、この凝縮物を加熱してガス化し吸着工程に戻すことを特徴とする。
【0038】
これによれば、第1凝縮工程で不純物が凝縮されるおそれがある場合、予め被処理ガス中の不純物の一部を吸着除去し、第1凝縮工程での不純物の分圧を下げることができるから、第1凝縮工程で不純物が凝縮されにくくなり、高純度の目的成分を得ることができる。さらに、吸着工程は不純物の一部を吸着除去できればよいことから、吸着剤の使用量を減らすことができ、廃棄する使用済み吸着剤量を削減できる。
【0039】
このような実施形態2のガス精製方法を図3に基づいて説明する。本実施形態が実施形態1と相違する点は、凝縮器5の後段に設けた吸着塔9を凝縮器3の前段に設け、被処理ガス1を吸着塔9を通過させ、吸着塔9を通過したガスを、凝縮器3で冷却している点である。さらに、凝縮器5の凝縮物を加熱して発生させたガスを被処理ガス1と混合して、この混合ガスを吸着塔9に通している点である。その他の構成は実施形態1と同一であることから同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態は、凝縮器3の冷却温度で凝縮しやすいNbF5を含む六フッ化ウランのガスを被処理ガスとしたときのガス精製方法である。
【0040】
ここで、本実施形態の被処理ガス1の分離の原理をフッ化物揮発法型の再処理施設の例を用いて具体的に説明する。なお、被処理ガスは上述したANL―7583のように使用済み燃料をフッ化処理した六フッ化ウランを再びガス化したものである。また、被処理ガス1の1分間当たりの処理量を1モルとし、六フッ化ウラン及びNbF5は、上述した表1に示す比率で被処理ガス1に含まれるものとする。
【0041】
図4は表1の六フッ化ウラン及びNbF5の飽和蒸気圧の温度依存性を、以下の式で内挿して得たものである。
【0042】
log(飽和蒸気圧)=A−B/T
ここで、A、B、:化合物固有の定数、T:絶対温度
【0043】
六フッ化ウランの3重点より高い温度に加熱した六フッ化ウランのガスには、表1のPo欄の値である、1.01×10Pa(1気圧)のが含まれる(図4の点線)。この気体を15℃まで冷却すると、飽和蒸気圧はVP+15の欄にあるように7.41×10Paであるから、その差分である9.4×10Pa分の六フッ化ウランが凝縮する。この量は被処理ガス中1中の六フッ化ウランの約93%である。同時に、NbF5の飽和蒸気圧は表1のPo欄の値である2.04×10Pa(図4の実線)であり、VP+15の欄にある、3.33×10−1Paの差分だけ、六フッ化ウランとともに凝縮する。ところが、凝縮器3に被処理ガス1を供給する前に、NaFなどの吸着剤により、NbF5の99%程度を除去すると、その蒸気圧は2.05×10−1Paとなる(図4の一点鎖線)。このときに15℃で凝縮を行うと、六フッ化ウランはその約93%が凝縮するが、NbF5の分圧は飽和蒸気圧以下であるから凝縮しない。このようにして、約93%のNbF5を含まない六フッ化ウランと、約7%のNbF5を含む六フッ化ウランのガスのガスが分離される。
【0044】
このようにして、凝縮器3で凝縮しなかった六フッ化ウランと不純物フッ化物の混合ガスは、凝縮器5に供給される。凝縮器5では、六フッ化ウランと不純物フッ化物の混合ガスを凝縮回収するために冷却されている。冷却温度は、混合ガスに含まれる六フッ化ウランのほとんどが凝縮する温度、例えば−30℃以下、具体的には−80℃から−50℃に設定することが望ましい。この際、六フッ化ウランとNbF5の混合ガスに含まれるNbF5の一部は六フッ化ウランとともに凝縮し、設定された冷却温度での飽和蒸気圧が高い不純物フッ化物、例えばMoやTe、またF2やO2は凝縮せず、オフガスとして排出される。
【0045】
一方、凝縮器3で凝縮回収された六フッ化ウランを取り出す際には、凝縮器3を加熱して六フッ化ウランがガス化する温度(六フッ化ウランの3重点である64℃)以上とすることで、六フッ化ウランがガス化して精製ウラン8として回収される。凝縮器5で凝縮回収した六フッ化ウランと一部のNbF5を取り出す際には、六フッ化ウランがガス化する64℃以上に加熱する。そして、ガス化された六フッ化ウランとNbF5は、被処理ガスに混合され吸着塔9に循環される。
【0046】
ここで、六フッ化ウランの回収率を図5を用いて説明する。被処理ガス1中の六フッ化ウランの処理量は1モル/分と設定した。上述したANL−7583の例では、約880kgの六フッ化ウランを1日で処理するので、約2.5モル/分であるが、本例では原理のわかりやすさのため、六フッ化ウランの処理量として、きりの良い数値を用いた。
【0047】
この被処理ガス1中(図5では精製対象U)には、上述した表1に示す比率でNbF6が含まれていると想定する。ライン番号1の欄に示されているのがこの被処理ガス1(精製対象U)の流量と六フッ化ウラン、NbF5の分圧である。被処理ガス1の1分間相当の処理量には六フッ化ウランが1.00モル、NbF5が2.01×10−4モル含まれている。この六フッ化ウランのガスの分圧は1気圧(1.01×105Pa)なので、比例計算によりNbF5の分圧は2.04×10Paである。この被処理ガス1中に、凝縮器5で凝縮回収して加熱してガス化したNbF5と六フッ化ウランのガス(図5では循環U)を加えて供給Uとし、この供給Uを吸着塔9に通す。循環Uの組成は図5のライン番号6の欄に示し、供給Uの組成はライン番号7の欄に示す。供給UにおけるNbF5の流量は、循環Uを被処理ガス1に混合することにより、混合前の被処理ガス1より約1%、正確には1.01%増加している。供給Uは吸着塔9により、NbF5の99%を除去される。NbF5が除去されたガス(図5では予備精製U)のNbF5の流量と、分圧は、供給Uの1/100となっている。この予備精製Uは15℃の凝縮器9に供給され、先に述べたように六フッ化ウランのガスの約93%が凝縮するが、NbF5の分圧は1.92×10―1で、飽和蒸気圧である3.33×10−1より小さいのでNbF5は凝縮しない。そこで、この凝縮器3で凝縮回収した六フッ化ウランを精製ウラン8として排出する。凝縮器3で凝縮しなかった六フッ化ウランのガス(図5では非凝縮性U)として、NbF5を含んだまま−80℃の凝縮器5へ送られ凝縮される。凝縮した六フッ化ウラン及びNbF5はガス化され、循環Uとして被処理ガス1に加えられる。
【0048】
ここで、六フッ化ウランの動きを見直してみる。本来の精製対象U1.00モルに、約0.08モルの循環Uが加わり、1.08モルの供給Uとなる。このうち93%が精製ウラン8になるが、その量は1.08×0.93=1.00モルである。精製ウラン8にならなかった分、約0.08モルは再び、循環Uとなって被処理ガス1に加わる。すなわち、NbF5を含む六フッ化ウランのガスを吸着塔5の前の被処理ガス1に戻しても、六フッ化ウランは系内に蓄積されていかず、被処理ガス1中の六フッ化ウラン流量と、精製ウラン8の六フッ化ウラン流量はほぼ同一となる。ここでほぼ、というのは、オフガスとして回収されなくなる六フッ化ウランのガスが6.53×10―7モル存在するためである。この未回収分は、再処理における濃縮工程前の六フッ化ウランのガスの回収率の要求が99から99.5%であることを考えると、許容できる値である。
【0049】
これによれば、あらかじめ被処理ガス1中のNbF5の一部を吸着除去して、NbF5の分圧を凝縮器3の冷却温度におけるNbF5の飽和蒸気圧よりも低くできるから、凝縮器3でNbF5が凝縮しにくくなり、回収する六フッ化ウランの純度を向上できる。さらに、六フッ化ウランのガスの分圧を上げることができるから、純度の高い六フッ化ウランを高い回収率で得ることができる。そのうえ、吸着塔9はNbF5の一部を吸着除去してNbF5の分圧を下げることがするこが目的であるから、吸着剤の使用量を少なくでき、廃棄する吸着剤量を低減できる。
【0050】
また、凝縮器5の凝縮物にはNbF5が含まれ、これをガス化すると六フッ化ウランのガスに含まれることになるが、このガスを吸着塔9に戻すことで、NbF5を吸着除去できるから、循環によるNbF5の濃度増加を防止できる。この場合、濃度増加を防止するための吸着塔を別に備える必要がなく、精製系を小型化できる。
【0051】
なお、凝縮器5を設けず、凝縮器3から排出されるNbF5と未凝縮の六フッ化ウランのガスを、吸着塔9に循環するようにしてもよい。これによれば、被処理ガス1中の六フッ化ウランのガスの一部を凝縮器3で凝縮回収することで、吸着塔9に戻されるガス中のNbF5の分圧を高くできる。その結果、NbF5のガスと吸着剤との解離平衡を吸着側に移動できるから、NbF5と吸着剤の化学吸着反応が促進され、吸着剤による精製度を向上でき、高純度の六フッ化ウランを得ることができる。
【0052】
また、凝縮器5の凝縮物を加熱してガス化したガスを、吸着塔9に戻す途中に、不純物フッ化物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔に通し、不純物フッ化物の一部を吸着除去したのち、吸着塔9に戻すようにしてもよい。この場合、吸着塔9は被処理ガス1中のNbF5の濃度を下げることが目的であるから、吸着塔9を小型化できる。
【0053】
また、目的成分が六フッ化ウランの場合には、本実施形態の凝縮器5に代えて、フッ化ナトリウムを充填した吸着装置を使用することもできる。これは、フッ化ナトリウムが100℃前後の温度で六フッ化ウランを吸着し、350℃以上の温度で六フッ化ウランを脱着する性質を利用するものである。これによれば、凝縮器3を通過した不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスを、設定温度100℃前後のフッ化ナトリウムを充填した吸着装置に導入して六フッ化ウランを吸着でき、吸着装置を350℃以上に加熱して六フッ化ウランをガスとして脱着させて被処理ガス1に合流させることで、六フッ化ウランの純度及び回収率を向上できる。
【0054】
(実施形態3)
本発明の実施形態3として、揮発性フッ化物となる核分裂生成物のうち、ニオブ(Nb)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)のフッ化物を六フッ化ウラン(UF6)から除去する方法を示す。
【0055】
実施形態1の構成を検討すると、吸着塔9はMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の一部を吸着し、系内の不純物フッ化物の蓄積を防止している。しかし、この吸着塔9を実施形態2の位置である、凝縮器3の直前に持ってきても不純物フッ化物の蓄積を防止できることは明らかである。すなわち、実施形態1の吸着塔9に装荷する吸着剤としてMoF6、TcF5、RuF6、SbF5の濃度を減じることができる物質を選択するか、各化合物にあわせて複数の吸着剤を装荷するか、吸着塔9が各化合物にあわせて複数の設ける場合は、実施形態2の構成によりニオブ(Nb)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)を六フッ化ウランから除去することができる。
【0056】
(実施形態4)
図6に本発明の実施形態4の概念図を示す。図示のように本実施形態のガス精製方法は、被処理ガス中の不純物フッ化物を吸着除去する吸着塔12と、吸着塔12を通過したガスを冷却して六フッ化ウランのガスを凝縮回収する凝縮器14を備え、凝縮器14から排出される不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスを被処理ガス1に混合して吸着塔12に戻すようになっている。
【0057】
吸着塔12には、NbF5、MoF6、TcF5、RuF6、SbF5などの不純物フッ化物を吸着する吸着剤(例えば、LiF、NaF、MgF2、CaF2、BaF2、UO2F2、UF)が充填され、被処理ガス1を通流させることで、不純物フッ化物を吸着除去できるようになっている。吸着塔12の温度は、例えば、温度調整手段13により調整されている。なお、被処理ガスの組成などに応じて、温度調整手段を省略してもよい。
【0058】
吸着塔12を通過したガスは凝縮器14の冷却手段16で、例えば、15℃に冷却され、六フッ化ウランのガスを凝縮されるようになっている。なお、凝縮器14の冷却温度は、15℃に限定されず不純物フッ化物が凝縮しにくい温度が望ましく、六フッ化ウランと不純物フッ化物の飽和蒸気圧及び被処理ガス1中の六フッ化ウラン及び不純物フッ化物の分圧から設定される。凝縮器14から排出される不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスは、被処理ガス1に混合されて吸着塔12を通過し、凝縮器14で冷却されて凝縮される。この循環により、凝縮器14は所定の濃度の六フッ化ウランを蓄積させた後、必要な場合は、加熱手段17で例えば、六フッ化ウランの3重点より高い温度に加熱されてガス化し、精製ウラン8として回収される。
【0059】
しかし、この循環操作を繰り返すと、系内の非凝縮性ガス、例えば、不純物フッ化物やF2、O2などの分圧が増加し、精製ウラン8の回収率が低下する。この場合、非凝縮性ガスの濃度増加に応じて、凝縮器14の冷却温度を、例えば、15℃から、−30℃以下、具体的には−80℃から−50℃に変更して、六フッ化ウランのガスのほとんどを凝縮回収する。そして、非凝縮性ガスの分圧が設定値を超えている場合は、非凝縮性ガスを凝縮器からオフガスとして排出する。オフガスとして排出した後、凝縮器14をヒータなどの加熱手段17で六フッ化ウランの3重点以上である64℃以上に加熱してガス化し、被処理ガス1に合流させる。
【0060】
これによれば、非凝縮性ガスの濃度が増加し、精製ウラン8の回収率が低下しても、この非凝縮性ガスを系外に排出して非凝縮性ガスの分圧を下げることができるから、精製ウラン8の回収率を回復できる。さらに、被処理ガス1中の六フッ化ウランのガスの一部を凝縮器14で凝縮回収することで、吸着塔12に戻されるガス中の不純物フッ化物の分圧を高くできる。その結果、不純物フッ化物のガスと吸着剤との解離平衡を吸着側に移動できるから、不純物フッ化物と吸着剤の化学吸着反応が促進され、吸着剤による精製効率を向上でき、吸着剤の使用量及び廃吸着剤量を低減できる。さらに、凝縮器14で冷却温度を二段階に設定しているから、他の凝縮器を設ける必要がなく、施設コストやランニングコストを低減できる。
【0061】
なお、被処理ガス1中に含まれる不純物フッ化物の分圧が、凝縮器14での不純物フッ化物の飽和蒸気圧以下である場合には、吸着塔12に被処理ガス1を通さずに直接凝縮器14に被処理ガス1を供給してもよい。この場合、吸着塔12は、凝縮器14から排出される不純物フッ化物と未凝縮の六フッ化ウランのガスから不純物フッ化物を除去できればよく、吸着塔12に通流するガスの流量を低減できるから、吸着塔12を小型化できる。
【符号の説明】
【0062】
1 被処理ガス
3、5、14 凝縮器
8 精製ウラン
9、12 吸着塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを、前記不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔に通して前記不純物を吸着させる吸着工程と、該吸着工程を通過したガスを冷却して前記目的成分を凝縮させる凝縮工程と、該凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを前記吸着工程に戻すことを含んでなるガス精製方法。
【請求項2】
精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを冷却して前記目的成分ガスを凝縮させる凝縮工程と、該凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の六フッ化ウランのガスを、フッ化ナトリウムを充填したウラン吸着塔に通して前記六フッ化ウランを吸着させるウラン吸着工程と、該ウラン吸着工程で前記フッ化ナトリウムに吸着させた前記六フッ化ウランを前記ウラン吸着塔を昇温してガスとして脱着させる脱着工程を設けたことを特徴とするガス精製方法。
【請求項3】
精製したい目的成分ガスと不純物を含む被処理ガスを、前記不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔に通して前記不純物を吸着させる吸着工程と、該吸着工程を通過したガスを冷却して前記目的成分ガスを凝縮する凝縮工程と、該凝縮工程から排出される不純物と未凝縮の目的成分ガスを前記吸着工程に戻し、前記凝縮工程に戻される前記未凝縮の目的成分ガスの不純物ガスの濃度増加に応じて、前記凝縮工程の温度を下げて目的成分ガスを凝縮させ、未凝縮の不純物ガスの分圧が設定値を超えたとき、前記未凝縮の不純物ガスを前記凝縮工程に戻さずに排出することを含んでなるガス精製方法。
【請求項4】
請求項3に記載のガス精製方法において、前記凝縮工程で凝縮させた目的成分の凝縮物を加熱してガス化して、前記凝縮工程に戻すことを特徴とするガス精製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−61465(P2012−61465A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237555(P2011−237555)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2008−217168(P2008−217168)の分割
【原出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】