説明

ガス遮断器

【課題】本発明は、高さ寸法を低減することは勿論のこと、遮断部タンク内の絶縁ガスの漏洩を効率よく低減できるガス遮断器を提供することにある。
【解決手段】本発明は、絶縁性ガスが封入され固定接触子11と可動接触子12とを内蔵した遮断部タンク7と、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるためのばねを駆動源とした操作器9と、この操作器9と前記可動接触子12とを連結するリンク機構部8とを備えたガス遮断器2において、前記遮断部タンク7とリンク機構部8と操作器9とを横方向に隣接設置し、前記遮断部タンク7と操作器9との間に遮断部タンク7に連通するガスシール室18を形成し、前記ガスシール室18を貫通する回転軸(20)を介して前記リンク機構部8を構成すると共に、前記ガスシール室18の前記回転軸(20)が貫通する部分にガスシール手段(21A,21B)を設けたのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス絶縁開閉装置に用いられるガス遮断器に係り、特に、駆動源にばねを用いタンク内に絶縁消弧性の高い絶縁ガスが封入されたガス遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所や開閉所に設置されるガス遮断器で、駆動源にばねを用いるガス遮断器は、例えば、特許文献1に記載されている。そして、このガス遮断器は、ばねを駆動源とした操作器と遮断部とをリンク機構で連結している。
【0003】
また、特許文献1に記載のガス遮断器は、絶縁性のガスが封入された遮断部タンクが水平方向に配置されていると共に、この遮断部タンクの下方に操作箱が取付けられており、この操作箱内に駆動源となるばねが収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-87836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示すガス遮断器をガス絶縁開閉装置に適用する場合、遮断部タンクの下に操作器が配置されているため、ガス遮断器の全高を低減することができず、ガス絶縁開閉装置の小型化を阻害する要因となっていた。
【0006】
また、別な課題として、絶縁ガスが所定圧力で充填された遮断部タンク内に設置された遮断部と遮断部タンク外のリンク機構との連結部のガスシールについて、特許文献1には何等記載されていないが、一般的には、遮断部の可動接触子に連結された絶縁ロッドをリンク機構に連結し、前記絶縁ロッドが遮断部タンクを可動接触子の移動方向に貫通する部分にガスシールを設けている。しかしながら、遮断部タンクのガスシールされた貫通部を絶縁ロッドがその長手方向に沿って摺動するので、絶縁ロッドのガスシールに対する摺動範囲が広くなってシール効果が低下し、遮断部タンク内の絶縁ガスが漏洩する恐れがあった。
【0007】
本発明の目的は、高さ寸法を低減することは勿論のこと、遮断部タンク内の絶縁ガスの漏洩を効率よく低減できるガス遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、絶縁性ガスが封入され固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した遮断部タンクと、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるためのばねを駆動源とした操作器と、この操作器と前記遮断部の可動接触子とを連結するリンク機構部とを備えたガス遮断器において、前記遮断部タンクとリンク機構部と操作器とを横方向に隣接して設置し、前記遮断部タンクと操作器との間に遮断部タンクと連通するガスシール室を形成し、前記ガスシール室を貫通する回転軸を介して前記リンク機構部を構成すると共に、前記ガスシール室の前記回転軸が貫通する部分にガスシール手段を設けたのである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遮断部タンクとリンク機構部と操作器とを横方向に隣接して設置することで、遮断器の高さ寸法を低減でき、その結果、ガス絶縁開閉装置の全高を抑制して小型化することができる。また、ガスシール室の回転軸貫通にガスシール手段を設けることで、回転軸を同位置でガスシールすることができ、その結果、ガスシール手段に対する摺動範囲が狭くなるので、シール効果の低下を抑制し、遮断部タンク内の絶縁ガスの漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるガス遮断器の第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】ガス遮断器の投入状態を説明する図1のA−A線に沿う一部縦断側面図。
【図3】ガス遮断器の投入状態を説明する図1のB−B線に沿う一部縦断側面図。
【図4】ガス遮断器のC−C線に沿う拡大縦断面図。
【図5】ガス遮断器の遮断状態を説明する図2相当図。
【図6】ガス遮断器の投入状態を説明する図2相当図。
【図7】本発明によるガス遮断器を適用したガス絶縁開閉装置の全体側面図。
【図8】本発明に係るガス遮断器の第2の実施の形態を示す図2相当図。
【図9】図8に示したガス遮断器の遮断状態を説明する図8相当図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,本発明によるガス絶縁開閉装置に用いられるガス遮断器の一実施の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0012】
図7に示すように、ガス絶縁開閉装置1は、水平配置されたガス遮断器2と、ガス遮断器2の上方及び横方向に設置された変流器ユニット3A,3Bと、横方向に設置された変流器ユニット3Bに隣接して設置された断路器ユニット4と、この断路器ユニット4に接続されたケーブルヘッド5と、上方に設置された変流器ユニット3Aに接続された主母線容器6A,6Bなどを有している。そしてガス絶縁開閉装置1は高さ寸法を可能な限り低くするために、これら構成機器を平面的に交差するように配置している。
【0013】
このように構成されたガス絶縁開閉装置1に適用されるガス遮断器2は、遮断部タンク7と、リンク機構部8と、操作器9とを有し、遮断部タンク7は円筒形の容器であり、架台10によって支持されている。
【0014】
次に、図2〜図4に基づいてガス遮断器2の詳細を説明する。
【0015】
遮断部タンク7内には絶縁性のガス、例えば六弗化硫黄ガスが規定の圧力で封入されている。図示を略したブッシングや導体を介して変電所内の高圧電源から固定接触子11と可動接触子12とで構成された遮断部に通電される。図2は、固定接触子11に対し可動接触子が接触している状態、云い代えれば遮断部の接点が投入されている状態である。
【0016】
このような状体において、落雷等で系統に異常な電流が流れると、ガス遮断器2に遮断指令が入力され、固定接触子11から可動接触子12を引離して電流を遮断する。また、可動接触子12は、固定接触子11との接触する側とは反対端で絶縁ロッド13に接続されている。
【0017】
前記リンク機構部8は、前記絶縁ロッド13の延長端側であり、前記可動接触子12の反固定接触子12側において遮断部タンク7に隣接して設置されている。そして、リンク機構部8には、図4に示すように、一対の隔壁14A,14B、上板15及び下板16、端板17とで囲まれたガスシール室18を形成しており、このガスシール室18は遮断部タンク7内に連通して絶縁性のガスが規定の圧力で封入されている。ガスシール室18には、前記隔壁14A,14Bを貫通して軸受19A,19Bに回転自在に支持された第1の回転軸20が設けられている。この第1の回転軸20の隔壁貫通部で前記軸受19A,19Bよりもガスシール室内側には、ガスシール手段である、例えば、隔壁14A,14B及び第1の回転軸20の両者に接するOリング21A,21Bが夫々設けられている。
【0018】
また、ガスシール室18内には、前記第1の回転軸20に一端が固定され他端が前記絶縁ロッド13の端部に連結された第1のレバー22位置している。そして、第1の回転軸20の隔壁14A,14Bから外側に貫通した一方側には第2のレバー23に一端が、他方側には第3のレバー24の一端が夫々固定されている。第3のレバー24の他端にはリンク25の一端が回動自在に連結されており、リンク25の他端は緩衝装置26のピストンロッド27に連結されている。そして、ピストンロッド27の先端のピストン28がシリンダ29で摺動するように構成されている。緩衝装置26のシリンダ29内には非圧縮性流体、例えば油が封入されている。
【0019】
一方、図2に示すように、第2のレバー23の他端には出力リンク30の一端が連結されていて、その他端は操作器9の第5のレバー31の一端に連結されている。
【0020】
次に、操作器9の構成を説明する。操作器9は,固定板32でリンク機構部8の端板17に固定されている。そして、この固定板32に支持された筐体33に対して円筒状の遮断ばねケース34と円筒状の投入ばねケース35とが、前記遮断部タンク7の長手方向、云い代えれば前記可動接触子12の動作方向に沿う方向に隣接して配置され、ばねの動作方向が同方向となるように設置されている。図2において、遮断ばねケース34内と投入ばねケース35内に夫々収納された遮断ばね36と投入ばね37は共に圧縮状態である。
【0021】
遮断ばね36は、一端が筐体33に支持され、他端がばね受38で支持されている。ばね受38には遮断ばねリンク39の一端が接続されている。遮断ばねリンク39の他端は第4のレバー40の一端に連結されている。第4のレバー40の中間部は筐体33に軸支された第2の回転軸41に固定されており、同軸上には第5のレバー31の一端が固定されている。そして、第5のレバー31の他端に、前記出力リンク30の他端が連結されている。
【0022】
投入ばね37は、一端が筐体33に支持され、他端がばね受42で支持されている。ばね受42には投入ばねリンク43の一端が接続されている。投入ばねリンク43の他端には筐体33に軸支された第3の回転軸44に固定された投入カム45が連結されている。
【0023】
操作器9には図示は省略するが、放勢された後の投入ばね37を圧縮するため、歯車列や電動機、補助開閉器、遮断部接点の入切表示器などが装備されている。
【0024】
次に、図2〜図6を用いてガス遮断器2の動作を説明する。
【0025】
初めに、図2に示す遮断部接点の投入状態から遮断状態へ移行する動作について述べる。図2において、ガス遮断器2に遮断指令が入力されると、ガス遮断器2は遮断動作を開始する。即ち、図示を略した制御機構を作動させて、圧縮状態にある遮断ばね36の規制を解き、遮断ばね36を放勢させる。遮断ばね36の放勢により、遮断ばねリンク39を介して第4のレバー40が反時計回りに回動する。そして、第2の回転軸41を介して第5のレバー31を反時計回りに回動させる。これにより、出力リンク30が水平右方向に移動する。すると、リンク機構部8の第2のレバー23が反時計回りに回動する。これにより、第1の回転軸20も反時計回りに回動し、これに固定された第1のレバー22も反時計回りに回動する。同様に、回転軸20に嵌合されている第3のレバー24も同方向に回動する。尚、図3においては、図2と視点が逆方向のため、第3のレバー24は時計回りに回動することになる。第3のレバー24はリンク25を下方向に移動させ、これに伴いピストンロッド27も下方向に移動する。これにより、ピストン28がシリンダ29内の油を圧縮して緩衝力を発生させる。
【0026】
一方、第1のレバー22の回動に伴い、絶縁ロッド13が図2の左方向(図3の右方向)に駆動され、遮断部接点の可動接触子12を水平左方向に移動させて固定接触子11から開離させる。
【0027】
遮断ばね36が放勢しきると、接点の遮断動作が終了し、図5に示すように、第4のレバー40の他端が投入カム45の外周面にほぼ当接して止まる。
【0028】
続いて、図5に示す遮断部接点の遮断状態から図6に示す投入状態に移る動作を以下に説明する。
【0029】
図5に示した遮断状態において、ガス遮断器2に投入指令が入力されると、図示を略した制御機構が動作して、圧縮状態にある投入ばね37の規制を解き、投入ばね37を放勢させる。これにより投入ばねリンク43を介して投入カム45、第3の回転軸44が反時計回りに回動する。カム45の回動に伴い、カム45の外周面が第4のレバー40を押圧して第4のレバー40を時計回りに回動させる。これにより遮断ばねリンク39、遮断ばね受38を介して遮断ばね36を圧縮させる。
【0030】
同時に、第4のレバー40の回動に伴い、第5のレバー31を介して出力リンク30が図5において水平左方向に移動する。これによりリンク機構部8の第2のレバー23、第1の回転軸20が時計回りに回動する。第1の回転軸20の回動に伴い、第1のレバー22が時計回りに回動し、絶縁ロッド13を右方向に移動する。その結果、絶縁操作ロッド13に連結された可動接触子12が水平右方向に移動して固定接触子11に接触し、遮断部接点が投入される。投入ばね37が全て放勢されると、図6に示す投入動作の終了状態になる。
【0031】
その後、図示を略した電動機と歯車列により放勢した投入ばね37を圧縮して、図2に示す遮断部接点の投入状態に戻し、投入ばね37と遮断ばね36を共に圧縮状態に保持させる。
【0032】
ところで、投入動作においてもリンク機構部8に隣接して設けた緩衝装置26により緩衝力が発生する。即ち、第1の回転軸20の回動に伴い、第3のレバー24も回動し、リンク25、ピストンロッド27を介して緩衝装置26のピストン28がシリンダ29の内部を移動して油の抵抗を受け緩衝力を発生する。
【0033】
本実施の形態によれば、駆動源にばねを用いる操作器9を、リンク機構部8の横方向に隣接して位置させ、このリンク機構部8を遮断部タンク7の横方向に隣接して位置させて前記遮断部タンク7の長手方向、云い代えれば前記可動接触子12が進退する進退方向(動作方向)に直線状に並べて配置したので、操作器9を遮断部タンク7の下方に配置した従来のガス遮断器に比べて架台10の高さを縮小することができる。その結果、ガス遮断器2の全高を低減できるので、このガス遮断器2を適用したガス絶縁開閉装置1を小型化することができる。
【0034】
また、操作器9と遮断部タンク7の中間に位置するリンク機構部8の下方にに隣接して緩衝装置26を設けたので、可動接触子12と緩衝装置26とが接近し、その結果、可動接触子12の制動効率が向上し、ガス遮断器2の信頼性を向上させることができる。
【0035】
さらに,操作器9とリンク機構部8とを接続する出力リンク30や、緩衝装置26に連結する第3のレバー24はリンク25を、操作器9の筐体33やリンク機構部8の隔壁14A,14Bの外側に設置した所謂外側配置としたので、これらの部材を直接目視による保守点検作業を行なうことができて作業を容易にし、保守点検の信頼性を向上させることができる。加えて、上記外側配置とすることで、保守点検時に、ガス遮断器2から操作器9を切り離す場合、出力リンク30と第5のレバー31との連結を解き、リンク機構部8の端板17と操作器9の固定板32との締結を解けばよいので、保守点検作業を簡単に行うことができる。
【0036】
このほか、上記実施の形態において、ガスシール室18を貫通する可動部材を、第1の回転軸20としたことで、次のような効果を奏することができる。即ち、第1の回転軸20はガスシール室18の隔壁14A,14Bを貫通し、その貫通部で軸受19A,19Bで支持されているので、第1の回転軸20は隔壁14A,14Bの内外に軸方向に沿って移動せず、同位置で回動することになる。その結果、第1の回転軸20の長手方向が貫通する隔壁14A,14Bに対して回動中に傾斜することはないので、前記軸受19A,19Bの近傍に第1の回転軸20と隔壁14A,14Bとの両者に接するOリング21A,21Bを介在させることで、遮断部タンク7内に規定の圧力で封入した絶縁性のガスがガスシール室18の隔壁14A,14Bと第1の回転軸20の間から漏洩するのを簡単に防止することができる。その結果、ガス遮断器2の遮断性能の低下を防止することができる。
【0037】
さらに、前記第2のレバー23の長さを第1のレバー22の長さよりも短く形成することで、出力リンク30の変位距離を絶縁ロッド13の変位距離に比べて少なくすることができ、これによって、リンク機構部8と操作器9を合わせた横方向寸法を縮小することができる。
【0038】
尚、上記実施の形態においては、第2のレバー23に連結される出力リンク30を隔壁14Bの外側に配置したが、隔壁14Aの外側に配置してもよい。
【0039】
次に,本発明によるガス遮断器の第2の実施の形態を、図8及び図9に基づいて説明する。尚、図1〜図7と同一符号は、同一構成部材を示すので、再度の詳細な説明は省略する。
【0040】
図8は、遮断部接点が投入状態で、遮断ばね36と投入ばね37が共に圧縮状態を示し、図9は、遮断動作が終了した状態を示す。
【0041】
リンク機構部8と操作器9が隣接して配置され、これらの構成部材の数は第1の実施の形態におけるガス遮断器2と同じである。第2の実施の形態において、第1の実施の形態例と異なる構成は、操作器9の遮断ばね36の設置位置である。即ち、投入ばね37は第1の実施の形態と同様に、操作器9の筐体33から上方に延在してばねの動作方向が上下方向となるように設置されているが、遮断ばね36がリンク機構部8の下方において遮断部タンク7側に向かって設置され、動作方向が投入ばね37の動作方向と直行する横方向となるように配置されている。また、投入ばねケース35を操作器9の固定板32に接触あるいは近接するように配置している。尚、周辺の設置機器との関係で、投入ばねケース35を前記遮断部タンク7の下部に設置させてもよい。
【0042】
第2の実施の形態によれば、リンク機構部8の下方のスペースあるいは遮断部タンク7の下部のスペースを利用することで、図8及び図9に示すように、第1の実施の形態において2点鎖線で示す大きさの操作器9の横方向寸法を短縮することができ、ガス遮断器2の高さ寸法の低減のみならず長さ方向の寸法を縮小することができる。
【0043】
また、架台10から駆動源の遮断ばね36及び投入ばね37までの距離、云い代えれば、出力リンク30の長さを、第1の実施の形態に比べて、少なくとも遮断ばねケース34の直径分、短縮することができるので、遮断ばね36及び投入ばね37によるガス遮断器2の操作振動を低減することが可能となる。
【0044】
さらに、出力リンク30を短縮できることで、可動接触子12の駆動効率を向上させることができるので、ガス遮断器2及びガス遮断器2を設置したガス絶縁開閉装置の更なる小型化が可能となる。
【0045】
ところで、本実施の形態において、遮断部タンク7の架台10の高さは、遮断ばねケース34の外径が緩衝装置26の下方への突出寸法内であれば、第1の実施の形態と同じである。しかし、遮断ばねケース34の外径が緩衝装置26の下方への突出寸法を上回る場合、遮断ばねケース34の外径を僅かに上回る程度に架台10の高さを長くすればよいので、ガス遮断器2の架台10の高さ寸法を第1の実施の形態に比べて極端に高くするようなことはない。
【符号の説明】
【0046】
1…ガス絶縁開閉装置、2…ガス遮断器、7…遮断部タンク、8…リンク機構部、9…操作器、10…架台、11…固定接触子、12…可動接触子、13…絶縁ロッド14A,14B…隔壁、15…上板、16…下板、17…端板、18…ガスシール室、19A,19B…軸受、20…第1の回転軸、21A,21B…Oリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性ガスが封入され固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した遮断部タンクと、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるためのばねを駆動源とした操作器と、この操作器と前記遮断部の可動接触子とを連結するリンク機構部とを備えたガス遮断器において、前記遮断部タンクとリンク機構部と操作器とを横方向に隣接して設置し、前記遮断部タンクと操作器との間に遮断部タンクに連通するガスシール室を形成すると共に、前記ガスシール室を貫通する回転軸を介して前記リンク機構部を構成し、前記ガスシール室の前記回転軸が貫通する部分にガスシール手段を設けたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項2】
絶縁性ガスが封入され固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した遮断部タンクと、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるためのばねを駆動源とした操作器と、この操作器と前記遮断部の可動接触子とを連結するリンク機構部とを備えたガス遮断器において、前記遮断部タンクに対し横方向に隣接して前記リンク機構部を設置し、前記リンク機構部に対し横方向に隣接して操作器を設置し、前記リンク機構部に前記遮断部タンクに連通するガスシール室を形成し、前記ガスシール室を貫通する回転軸を介して前記リンク機構部を構成すると共に、前記ガスシール室の前記回転軸が貫通する部分にガスシール手段を設けたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項3】
前記遮断部タンクと前記リンク機構部と前記操作器とは、横方向の一直線に沿って配列されていることを特徴とする請求項1又は3記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記遮断部タンクと前記リンク機構部と前記操作器とは、前記可動接触子の進退方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1又は3記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記回転軸は、前記ガスシール室の内側で前記可動接触子を駆動する第1のレバーを固定していることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のガス遮断器。
【請求項6】
前記回転軸は、前記ガスシール室を構成する隔壁に軸受を介して回転自在に支持され、前記ガスシール手段は、前記軸受よりもガスシール室内側で前記隔壁と回転軸の両者に接するように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項7】
前記回転軸は、前記ガスシール室を構成する隔壁を貫通してガスシール室外に延在し、前記回転軸のガスシール室外に延在した部分の一方側に、前記操作器と連結するための第2のレバーを固定し、前記回転軸のガスシール室外に延在した部分の他方側に、緩衝装置と連結するための第3のレバーを固定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項8】
前記操作器は、前記遮断ばねの駆動力を伝達する第4のレバーとこの第4のレバーを固定する第2の回転軸と、この第2の回転軸上に固定した第5のレバーを有し、この第5のレバーは前記リンク機構部の第2のレバーと連結されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項9】
前記第5のレバーは、前記操作器の筐体の外側に配置したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項10】
前記遮断ばね及び前記投入ばねの動作方向が、共に同方向であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項11】
前記遮断ばね及び前記投入ばねの動作方向が、互いに直交する方向であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のガス遮断器。
【請求項12】
前記遮断ばね及び前記投入ばねのいずれか一方を、前記リンク機構部の下方に設置したことを特徴とする請求項11記載のガス遮断器。。
【請求項13】
絶縁性ガスが封入され固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した遮断部タンクと、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるための投入ばねと遮断ばねを駆動源とした操作器と、この操作器と前記遮断部の可動接触子とを連結するリンク機構部とを備えたガス遮断器において、前記遮断部タンクの前記可動接触子の反固定接触子側に前記リンク機構部を横方向に隣接して設置し、このリンク機構部に隣接して前記操作器を隣接して設置し、前記遮断部タンクと操作器との間に遮断部タンクに連通するガスシール室を形成し、前記ガスシール室を貫通する回転軸を介して前記リンク機構部を構成すると共に、前記ガスシール室の前記回転軸が貫通する部分にガスシール手段を設け、かつ、前記操作器の遮断ばねを前記リンク機構部のガスシール室の下部あるいは前記遮断部タンクの下部に動作方向が前記可動接触子の動作方向と同方向となるように設置したことを特徴とするガス遮断器。
【請求項14】
絶縁性ガスが封入され固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した遮断部タンクと、前記可動接触子を固定接触子に対して接触及び開離させるためのばねを駆動源とした操作器と、この操作器と前記遮断部の可動接触子とを連結するリンク機構部と、このリンク機構に隣接して設けられ前記可動接触子の動作をリンク機構を介して緩衝する緩衝装置とを備え、前記操作器は、前記可動接触子と固定接触子とを投入する投入ばねを収納した投入っばねケースと、前記可動接触子と固定接触子とを遮断する遮断ばねを収納する遮断ばねケースとを有するガス遮断器において、前記遮断部タンクとリンク機構部と操作器とを横方向に隣接して設置し、前記遮断部タンクと操作器との間に遮断部タンクに連通するガスシール室を形成すると共に、このガスシール室の下部に前記緩衝装置を配置し、前記リンク機構部は、前記ガスシール室を貫通する回転軸と、この回転軸に固定された第1のレバーと、この第1のレバーに一端が連結され他端が前記可動接触子に連結された絶縁ロッドと、前記回転軸に固定された第2のレバーと、この第2のレバーに一端が連結され他端が前記操作器に連結された出力リンクとより構成されており、前記第1のレバーは前記第2のレバーよりも長く形成されており、前記第1のレバーと前記絶縁ロッドは前記ガスシール室内にて連結されており、前記第2のレバーは前記ガスシール室外にて前記出力リンクと連結されており、前記緩衝装置は前記ガスシール室外にて前記回転軸に連結されており、前記ガスシール室の前記回転軸が貫通する部分にガスシール手段を設けたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項15】
前記請求項1〜14に記載のガス遮断器を使用して構成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−29004(P2011−29004A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173820(P2009−173820)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】