説明

キッチンペーパーの収納箱及びキッチンペーパー収納製品

【課題】流し台の縁に設置することができ、且つ、水の飛沫がキッチンペーパーにかかり難いキッチンペーパーの収納箱及びキッチンペーパー収納製品を提供すること。
【解決手段】スリット状の取出口16aを備えており、キッチンペーパーが取出口16aから取出し可能に収納されるキッチンペーパーの収納箱X1であって、奥行き50〜100mm、幅80〜300mm、高さ40〜100mmであり、奥行きよりも幅の方が長い直方体状であり、取出口16aが、幅方向両側面12の少なくともどちらか一方に形成されているキッチンペーパーの収納箱X1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンで使用されるキッチンペーパーの収納箱、及び該収納箱内部にキッチンペーパーを収納して成るキッチンペーパー収納製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
料理の水・油切りや、調理器具に付着した汚れの拭き取りなどに用いられるキッチンペーパー(キッチンタオル、クッキングペーパーと呼ばれる場合もある)を収納する収納箱としては、下記特許文献1に示されるような、ティシュペーパーの収納箱と同様なものが一般的によく知られている。しかし、このようなタイプの収納箱は、少なくとも収納箱の下面以上に広い台上に載置することしかできないため、置き場所が限定され、キッチンペーパーの使用頻度が高い場所であるにも関わらず、調理や食器の洗浄などでスペースが占有されがちな流し台周辺に設置し難いという問題があった。このような問題を解決するために、下記特許文献2のような、収納箱外面に設置されたタック紙によってキッチンの壁面に取付可能とされた収納箱や、下記特許文献3に示されるような、細長に形成することで省スペース化を可能にした収納箱が過去に提案されている。そのうち特に、下記特許文献3に示されるような細長なタイプのものは、流し台周辺のうちでもあまり使用されることが無く空きがちな流し台の縁に収納箱を設置することができるという利点を有している。
【0003】
他方、キッチンペーパーの収納箱は、流し台周りに設置されて使用した際に、収納箱からはみ出たキッチンペーパーが水の飛沫で汚れてしまうという問題があった。このような問題を解決するために、下記特許文献4及び5のような、蓋付きの収納箱が提案されており、特に、下記特許文献4に示されるものは、外面がプラスチックから形成されており、収納箱外面にかかった水が内部に浸透しないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−83866号公報
【特許文献2】特開2002−85287号公報
【特許文献3】国際公開番号WO2003/045793
【特許文献4】特開2003−118782号公報
【特許文献5】特開平11−321588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2のような細長に形成され、長手方向に沿って取出口が形成された収納箱は、流し台の縁に設置することができるという利点を有しているものの、使用時に流し台と対向する面からキッチンペーパーがはみ出すため、水の飛沫がかかりやすいという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、流し台の縁に設置することができ、且つ、水の飛沫がキッチンペーパーにかかり難いキッチンペーパーの収納箱及びキッチンペーパー収納製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
スリット状の取出口を備えており、キッチンペーパーが前記取出口から取出し可能に収納されるキッチンペーパーの収納箱であって、
奥行き50〜100mm、幅80〜300mm、高さ40〜100mmであり、奥行きよりも幅の方が長い直方体状であり、
前記取出口が、幅方向両側面の少なくともどちらか一方に形成されている、
ことを特徴とするキッチンペーパーの収納箱。
【0007】
(作用効果)
本請求項に係る発明は、奥行きよりも幅の方が長く、且つ、奥行きが50〜100mmの直方体状とされているため、流し台の縁の幅に本請求項に係るキッチンペーパーの収納箱の奥行きを合わせて設置することが可能となっている。そして、本請求項に係るキッチンペーパーの収納箱は、スリット状の取出口が幅方向両側面の少なくともどちらか一方に形成されているため、流し台の縁の幅に本請求項に係るキッチンペーパーの収納箱の奥行きを合わせて設置した際に、取出口が流し台と対向する面ではなく、流し台と対向する面の両側に存在する面の少なくともどちらか一方に位置し、ここからキッチンペーパーがはみ出すようになるため、流し台から飛散する水がキッチンペーパーにかかり難くなっている。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
下面に粘着剤層が積層されている、請求項1に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【0009】
(作用効果)
本請求項に係る発明では、収納箱の下面に粘着剤層が積層されているため、キッチンペーパーの取出し時に収納箱が動いてしまわないように、収納箱を流し台の縁に固定して使用することができるようになっている。
【0010】
〔請求項3記載の発明〕
前記下面と前記粘着剤層との間には、剥離シートが介在されており、
前記剥離シートは、前記下面に対して固着されている、
請求項2記載のキッチンペーパー収納箱。
【0011】
(作用効果)
本請求項に係る発明では、収納箱の下面と粘着剤層との間に、下面に対して固着された剥離シートが固着されているため、収納箱内部のキッチンペーパーが消費されて無くなった際に、粘着力を損なうことなく粘着剤層を残して収納箱を取り除くことができる。そうすると、剥離シートから分離されて残った粘着剤層を再利用することができるため、次に設置される収納箱の下面に固着された剥離シートに粘着剤層を積層しなくともよくなり、粘着剤層分の資源を節約することができる。
【0012】
〔請求項4記載の発明〕
前記粘着剤層が、前記下面側からウレタン粘着剤層、フィルム層、アクリル粘着剤層の順に積層されてなる三層構造である、
請求項3に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【0013】
(作用効果)
一般的な流し台の縁には段差が有ることが多く、その高さや位置は流し台のメーカによってまちまちである。これに対して、段差が有る場所に収納箱を安定して設置するためには、下面の形状がそれぞれの段差に合致するよう個別に設計しなければならない。
本請求項に係る発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、ウレタン粘着剤層が下面に積層されていることによって、粘着剤層が段差に合わせて変形可能となるため、流し台の縁に存在する段差に収納箱の下面側の形状を合わせることができるようになっており、段差のある流し台の縁に安定して設置することができる。
【0014】
ところで、ウレタン粘着剤は、容易に変形できるため凸凹な面に対して良好な接着性を発現することができるものの、一般的な流し台を形成するSUS(ステンレス)に対しての接着性が良くないという欠点がある。そこで、本請求項に係る発明では、粘着剤層の最も下面側にSUSに対して良好な接着性を発現するアクリル粘着剤層を積層することによって、流し台の縁への良好な接着性を確保している。また、ウレタン粘着剤層とアクリル粘着剤層とは相互に接着し難いため、本請求項に係る発明では、ウレタン粘着剤層とアクリル粘着剤層との間にフィルム層を介在させることによって、ウレタン粘着剤層とアクリル粘着剤層を確実に固定することができるようになっている。
【0015】
〔請求項5記載の発明〕
前記粘着剤層の下面が第2の剥離シートで被覆されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【0016】
(作用効果)
本請求項に係る発明のように、粘着剤層の下面が剥離シートで被覆されていることによって、非使用時に粘着剤層を保護することができる。
【0017】
〔請求項6記載の発明〕
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキッチンペーパーの収納箱の内部に、キッチンペーパーが前記取出口から取出し可能に収納されて成るキッチンペーパー収納製品。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、流し台の縁に設置することができ、且つ、水の飛沫がキッチンペーパーにかかり難いキッチンペーパーの収納箱及びキッチンペーパー収納製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るキッチンペーパー収納製品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】前記第1実施形態に係るキッチンペーパー収納製品を取出口側から見た平面図である。
【図3】図2の符号Aで示される部分の拡大図である。
【図4】前記第1実施形態に係るキッチンペーパー収納製品の使用形態の例を示す図である。
【図5】図4の符号Bで示される部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係るキッチンペーパーの収納箱の実施形態を示す。なお、図中における矢印CDは前後方向を、矢印HDは左右方向を、矢印UDは上方向を、矢印DDは下方向をそれぞれ示しているが、これらの方向を示す語句は、以下の説明上便宜的に用いたものに過ぎない。
【0021】
図1〜図4に示すのは、本発明に係るキッチンペーパーの収納箱の第1実施形態である。本実施形態に係る収納箱X1は、直方体状の箱部10と、箱部10の底面11に積層された粘着剤層20とを備えており、箱部10の内部にキッチンペーパーが収納されてキッチンペーパー収納製品を構成するようになっている。
【0022】
箱部10は、一枚のシートを打ち抜いたものを組み立てることによって形成されるものであり、その展開形状は、上記特許文献1に示されるような既知のティシュペーパー収納箱と同様であり、後述する取出し開口部15が、幅方向側面12の一方に設けられている点で異なっている。箱部10を構成するシートは、紙シートや薄プラスチックシートとすることができるが、その中でも特に、収納箱X1を使い捨てることを前提で製造する場合、低コストで製造できるため紙シートから形成することが好ましい。
【0023】
また、箱部10を紙シートから形成する場合、本実施形態に係る収納箱X1は水場で使用されることを想定されているものであるため、防滴機能を奏する紙シートから形成することが好ましい。なお、防滴機能を奏する紙シートとしては、例えば、紙の表面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネート加工したものや、紙の表面にワックスやステアリン酸、シリコン樹脂などの撥水剤を塗布したものなどが挙げられる。
ここで、箱部10を構成する紙シートの具体的な防滴性能としては、JIS規格における電気機械器具の外郭による保護等級に定めるところのIPX2と同程度であれば十分である。なお、IPX2は滴水試験装置にて15°傾けて設置した状態で10分間(各方向2.5分間)散水し、鉛直から15度の範囲で落下する水滴によって有害な影響がないものとされる。
【0024】
箱部10の幅方向側面12の一方には、前後方向に細長な取出し開口部15が開口しており、この取出し開口部15が開口している幅方向側面12の内面側には、取出し開口部15全体を覆う樹脂製フィルム16が貼着されている。この樹脂製フィルム16の好適な素材は、ポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。なお、樹脂製フィルムに変えて紙を用いてもよい。また、樹脂製フィルム16の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、キッチンペーパーの取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
【0025】
他方、この樹脂製フィルム16には、前後方向に沿ってスリット状の取出口16aが形成されており、この取出口16aは取出し開口部15により囲まれるに位置されている。従って、収納箱X1の箱部10内に納められたキッチンペーパーが、この取出口16aを介して取り出し可能となっている。
【0026】
樹脂製フィルム16の箱部10への接着部分は、従来製品に従って、例えば、取出し開口部15に沿って線状にベタ接着すると防滴性の点で好ましい。箱部10と樹脂製フィルム16の接着方法は、特に限定されない。例えば、接着剤による接着が好適であるが、超音波融着等の融着処理も採用しうる。これらの双方を用いてもよい。接着剤を使用するのであれば、この種の収納箱に用いられる既知の接着剤が利用できる。例えば、ホットメルト接着剤が使用できる。リサイクルの点で水性接着剤が好適である。他方、箱部10と樹脂製フィルム16との接着力(剥離強度)は特に限定されない。従来製品における箱部10と樹脂製フィルム16との接着力と同程度でよい。
なお、取出口16aの長さは、取出し開口部15の前後方向全長より短くすることが望ましいが、取出し開口部15の前後方向全長と同じ長さにすることもでき、さらに、樹脂製フィルム16の前後方向長さより短い条件の下で、取出し開口部15の長手方向全長より長くすることもできる。
【0027】
収納箱X1は、奥行きD(前後方向長さ)が50〜100mm、幅W(左右方向長さ)が80〜300mm、高さH(上下方向長さ)が40〜100mmとなっており、奥行きDの方が幅Wよりも長くなっている。奥行きD及び幅Wが上記数値範囲であることによって、一般的なサイズの流し台の縁に、収納箱X1を設置することができる。
【0028】
図3に示すように、粘着剤層20は箱部10の下面11側からウレタン粘着剤層21、フィルム層22、アクリル粘着剤層23の順に積層されてなる三層構造とされており、粘着剤層20と箱部10の下面11との間には、第1剥離シート31が介在されている。また、粘着剤層20の最下部にあるアクリル粘着剤層23の下面側は、第2の剥離シートである第2剥離シート32で被覆されている。
【0029】
ウレタン粘着剤層21は、ウレタン系粘着剤から構成されており、厚みが0.5〜3.0cmとされている。ウレタン粘着剤層21は、JIS Z 0237の試験方法に準じて測定される粘着力(対SUS)が1280gf/25mm以上であり、傾斜15度に対するタック性が1時間以上滑らないものであり、保持力が24時間温度40℃の条件の中、2mm以内である。
【0030】
フィルム層22は、厚みが15〜30mmの均一なシートから形成されており、その好適な素材は、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであるが、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、ナイロンなどからなる樹脂製フィルム、なども使用することができる。このようなフィルム層22が、ウレタン粘着剤層21とアクリル粘着剤層23との間に介在されていることによって、相互の接着性が悪いウレタン粘着剤層21とアクリル粘着剤層23と好適に接着させることが可能となっている。
【0031】
アクリル粘着剤層23は、アクリル系粘着剤から構成されており、厚みが0.5〜3.0cmとされている。アクリル粘着剤層23は、JIS Z 0237の試験方法に準じて測定される粘着力が1500gf/25mm以上であり、傾斜15度に対するタック性が1時間以上滑らないものであり、保持力が24時間温度40℃の条件の中、1mm以内である。
【0032】
第1剥離シート31は、第1剥離シート31と箱部10とは固着されており、この一方、ウレタン粘着剤層21側の面には剥離処理が施されている。第1剥離シート31の素材としては特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、又はこれらのラミネート体等からなる適当な薄葉体を用いることができる。
また、第1剥離シート31のウレタン粘着剤層21側の面には、ウレタン粘着剤層21からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を施されている。第1剥離シート31の剥離性は、剥離処理に用いる薬剤の種類及び/又はその塗工量等を調節することにより制御することができる。
他方、第1剥離シート31と箱部10は、粘着テープや糊などによって固着されており、その中でも特に、箱部10との剥れを防止する理由から粘着テープで固着されていることが好ましい。
【0033】
第2剥離シート32は、第1剥離シート31と同じ素材を用いて形成することができ、少なくとも、アクリル粘着剤層23側の面に第1剥離シート31と同じ剥離処理が施されている。
【0034】
以上のように構成された収納箱X1の箱部10内部に、キッチンペーパー束が収納されてキッチンペーパー収納製品Y1となる。箱部10内部に収納されるキッチンペーパーは、所謂ポップアップ形式に折り畳み重ねてキッチンペーパー束とされるのがよい。これにより取出口16aからキッチンペーパーを一枚一枚順次取り出して使用することができるようになる。
【0035】
ポップアップ形式のキッチンペーパー束の製造は、既知のインターホルダーによりキッチンペーパーを折り畳んだ後に、所定の大きさに切断する方法を採用できる。
なお、本発明においては、キッチンペーパー束の大きさは特に限定されるものではなく、収容する箱部10の大きさに併せて適宜変更することができる。
【0036】
箱部10内部に収納されたキッチンペーパーを取出口16aから引き出す際の抵抗力については、収納箱の重量よりも軽いことが好ましく、収納箱の総重量に対して、キッチンペーパー引出し抵抗は、65〜85%が望ましい。85%超過であると、引出す時に箱部10を支えている粘着剤層20にズレが生じやすくなってしまう。
なお、キッチンペーパーの取出し時の抵抗力の測定方法については、収納箱取出し口中心部から反対面に向け平行線を延ばした時に交わる交点に穴を開け、プッシュブルゲージにて取出し口からキッチンペーパーを引出した時にかかる抵抗(gf)を測定する。
【0037】
以上のように構成されたキッチンペーパー収納製品Y1は、図4及び図5に示すように、第2剥離シート32が粘着剤層20から剥がされた状態で、取出口16aから飛び出すキッチンペーパーPが水場に対向しないよう、キッチンペーパー収納製品Y1の奥行きと流し台の縁Vの幅とが合うようにして流し台の縁Vに対して設置される。また、キッチンペーパー収納製品Y1の粘着剤層20が、流し台の縁Vに沿って存在する段差を跨ぐようにして設置される。このとき、図5に示すように、粘着剤層20のウレタン粘着剤層21が流し台の段差の形状に合わせて変形するため、キッチンペーパー収納製品Y1が流し台の縁Vに対して安定して設置される。
【0038】
次に、本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1の作用効果を説明する。
本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1は、奥行きDよりも幅Wの方が長く、且つ、奥行きDが50〜100mmの直方体状とされているため、流し台の縁Vの幅に収納箱X1の奥行きを合わせて設置することが可能となっている。そして、収納箱X1は、スリット状の取出口16aが幅方向側面12に形成されているため、流し台の縁Vの幅にキッチンペーパーの収納箱X1の奥行きを合わせて設置した際に、取出口16aが流し台と対向する面ではない面からキッチンペーパーPがはみ出すようになるため、流し台から飛散する水がキッチンペーパーPにかかり難くなっている。
【0039】
本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1は、箱部10の下面11に粘着剤層20が積層されているため、キッチンペーパーPの取出し時に収納箱X1が動いてしまわないように、収納箱X1を流し台の縁Vに固定して使用することができるようになっている。
【0040】
また、本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1では、箱部10の下面11と粘着剤層20との間に、下面11に対して固着された第1剥離シート31が固着されているため、キッチンペーパーPが消費されて無くなった際に、粘着力を損なうことなく粘着剤層20を残して箱部10を取り除くことができる。そうすると、第1剥離シート31から分離されて残った粘着剤層20を再利用することができるため、次に設置される箱部10の下面に固着された第1剥離シート31に粘着剤層20を積層しなくともよくなり、粘着剤層20分の資源を節約することができる。
【0041】
他方、本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1は、ウレタン粘着剤層21が下面11に積層されていることによって、粘着剤層20が段差に合わせて変形可能となるため、流し台の縁Vに存在する段差に収納箱X1の下面側の形状を合わせることができるようになっており、段差のある流し台の縁Vに安定して設置することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るキッチンペーパーの収納箱X1は、粘着剤層20の最も下面側にSUSに対して良好な接着性を発現するアクリル粘着剤層23を積層されているため、SUS製の流し台の縁Vへの良好な接着性を確保できる。そして、これとともに、ウレタン粘着剤層21とアクリル粘着剤層23との間にフィルム層22を介在させることによって、ウレタン粘着剤層21とアクリル粘着剤層23を確実に固定することができるようになっている。
【0043】
〔その他の形態〕
粘着剤層20がない形態も提案される。このような形態の収納箱は、これを固定設置可能な凹みなどがある流し台の縁であれば、好適に固定設置することができる。
粘着剤層20がアクリル粘着剤層23のみから構成されている形態も提案される。このような形態の収納箱は、段差のない流し台の縁に固定設置することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、キッチンペーパーの収納箱及びキッチンペーパー収納製品として適用できるものである。
【符号の説明】
【0045】
10・・・箱部
11・・・下面(箱部の下面)
12・・・幅方向側面
16a・・・取出口
20・・・粘着剤層
21・・・ウレタン粘着剤層
22・・・フィルム層
23・・・アクリル粘着剤層
31・・・第1剥離シート
32・・・第2剥離シート(第2の剥離シート)
P・・・キッチンペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリット状の取出口を備えており、キッチンペーパーが前記取出口から取出し可能に収納されるキッチンペーパーの収納箱であって、
奥行き50〜100mm、幅80〜300mm、高さ40〜100mmであり、奥行きよりも幅の方が長い直方体状であり、
前記取出口が、幅方向両側面の少なくともどちらか一方に形成されている、
ことを特徴とするキッチンペーパーの収納箱。
【請求項2】
下面に粘着剤層が積層されている、請求項1に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【請求項3】
前記下面と前記粘着剤層との間には、剥離シートが介在されており、
前記剥離シートは、前記下面に対して固着されている、
請求項2記載のキッチンペーパー収納箱。
【請求項4】
前記粘着剤層が、前記下面側からウレタン粘着剤層、フィルム層、アクリル粘着剤層の順に積層されてなる三層構造である、
請求項3に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【請求項5】
前記粘着剤層の下面が第2の剥離シートで被覆されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載のキッチンペーパーの収納箱。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキッチンペーパーの収納箱の内部に、キッチンペーパーが前記取出口から取出し可能に収納されて成るキッチンペーパー収納製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−73704(P2011−73704A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225491(P2009−225491)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】