説明

キッチン用仕切りパネル装置

【目的】台所のキッチンシステムにおいて、加熱調理台,シンク等と、その周囲とを板にて仕切ると共に、仕切り箇所でのキッチン天板の清掃を行い易くすることができるキッチン用仕切りパネル装置を提供すること。
【構成】加熱調理台71及びシンク72等が具備されたキッチン天板7と、軸方向に沿って嵌込み溝11が形成され且つキッチン天板7上に直立状態で固定されるホルダ1と、仕切板6と、嵌込み溝11に挿入される下端支持ブロック2とからなること。ホルダ1は適宜の間隔をおいてキッチン天板7上に直立状態で固着され、両ホルダ1の嵌込み溝11の下端に下端支持ブロック2が挿入され且つ両嵌込み溝11に仕切り板6が装着されると共に、該仕切り板6は下端支持ブロック2上に載置され、該下端支持ブロック2を介して仕切り板6の下端縁61とキッチン天板7との間に適宜の隙間が形成されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所のキッチンシステムにおいて、加熱調理台,シンク等と、その周囲とを板にて仕切ると共に、仕切り箇所でのキッチン天板の清掃を行い易くすることができるキッチン用仕切りパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンでは、ガス,IH等の加熱調理台における調理作業時に油等が飛散し、またシンクでは食器洗い作業で、水が周囲に飛散し、周囲を汚してしまい、食後の清掃や、後片付けが増えることになる。特に、キッチンとダイニングが連続する部屋の構成では、調理及び食器洗い等の油,水の飛散がダイニング側に及び、フローリングやじゅうたん等を汚してしまうことになる。
【0003】
そのために、キッチンの天板で前記加熱調理台及びシンクの付近には衝立が設けられている。その衝立は、種々のものが出回っているが、たとえば特許文献1に開示されているように、衝立は、ガラス板を支持部材によって支持するタイプのものが多い。そして、ガラス板と天板との間には、手が余裕をもって差し込むことができる程度の隙間が設けられる。これは、天板を拭き掃除する場合に、ガラス板の下端が天板に接触していたり、その隙間が僅かであると、天板を台拭きにて拭くことができず、衝立付近が汚れたままの状態となる。それゆえに、ガラス板と天板との間には、拭き掃除ができる程度の十分な隙間が確保される必要があり、特許文献1でも、その隙間が確保される構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11953
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、衝立の構造としてガラス板を支持する支柱部材は複数の部品から構成され、これらを組み立てつつ、ガラス板も支持されるようにしなければならない。つまり、衝立を構成する作業が極めて面倒であり、且つ支柱部材も構成が複雑であるがゆえに、値段も高価なものとなってしまう。本発明の目的(技術的課題)は、極めて簡単な構造で且つ簡単な組立作業にて、キッチンの加熱調理台,シンクの付近に仕切り板を垂直に設置することができ、且つ仕切り板の下端と天板との間の隙間も簡単な構成にて確保することができるキッチン用仕切りパネル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1 の発明を、加熱調理台及びシンク等が具備されたキッチン天板と、軸方向に沿って嵌込み溝が形成され且つ前記キッチン天板上に直立状態で固定されるホルダと、仕切板と、前記嵌込み溝に挿入される下端支持ブロックとからなり、前記ホルダは適宜の間隔をおいて前記キッチン天板上に直立状態で固着され、両ホルダの嵌込み溝の下端に前記下端支持ブロックが挿入され且つ前記両嵌込み溝に前記仕切り板が装着されると共に、該仕切り板は前記下端支持ブロック上に載置され、該下端支持ブロックを介して前記仕切り板の下端縁と前記キッチン天板との間に適宜の隙間が形成されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0007】
請求項2の発明を、請求項1において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して圧入手段により挿入固定されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して両面粘着テープにて固定されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項1又は2において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して接着剤にて固定されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記下端支持ブロックは合成樹脂製としてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0008】
請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記ホルダは、上下方向の下部領域は下端に向かうに従い次第に幅方向が広くなるように形成されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項6において、前記ホルダの下端面には、前記嵌込み溝を中心にして両側に位置するように取付用螺子孔が形成されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項の記載において、前記ホルダには、前記嵌込み溝内にて前記仕切り板が固定される固定螺子が具備され、前記仕切り板は前記ホルダから着脱自在としてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項9の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8のいずれか1項の記載において、前記仕切り板の外周には枠体が装着され、該枠体の一部が前記両嵌込み溝に挿入されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、軸方向に沿って嵌込み溝が形成されたホルダを適宜の間隔をおいて、キッチン天板に垂直状に配置し、両ホルダの嵌込み溝に仕切り板を挿入することにより、仕切り板は前記下端支持ブロック上に載置され、該下端支持ブロックを介して前記仕切り板の下端とキッチン天板との間に適宜の隙間が形成されるものであり、極めて簡単にキッチン用仕切りパネル装置を構成することができる。また、前記ホルダは、軸方向に沿って嵌込み溝が形成され、且つキッチン天板への固定用のボルト孔が形成されるのみでその他にはなんら加工が行われないものにできる。
【0011】
請求項2の発明では、下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して圧入手段により挿入固定される構成としたので、下端支持ブロックは、ホルダに極めて簡単に装着することができる。請求項3の発明では、下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して両面粘着テープにて固定される構成としているので、両面粘着テープの保護シートを剥離するのみで、下端支持ブロックをホルダに簡単に装着できる。
【0012】
請求項4の発明を、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して接着剤にて固定されてなるキッチン用仕切りパネル装置としたので、下端支持ブロックを強固に固定することができる。請求項5の発明では、下端支持ブロックを合成樹脂製としたことにより、特にホルダが硬質な金属製とした場合では、下端支持ブロックは、ホルダの材質よりも軟質となる。したがって、下端支持ブロックをホルダの嵌込み溝に圧入し易くなり、容易にホルダに装着できると共に、下端支持ブロックの装着作業時におけるホルダ表面への傷が付き難いようにすることができる。
【0013】
請求項6の発明では、ホルダは、上下方向の下部領域は下端に向かうに従い次第に幅方向が広くなるように形成されることにより、キッチン天板に接触する面積も広くなり、安定した状態に設置できる。請求項7の発明では、ホルダの下端面には、前記嵌込み溝を中心にして両側に位置するように取付用螺子孔が形成され、キッチン天板に対してホルダは幅方向両側にて固定され、仕切り板を倒すような外力がかかっても、極めて倒れ難い構成にすることができる。
【0014】
請求項8の発明では、ホルダには、前記嵌込み溝内にて前記仕切り板が固定される固定螺子が具備され、仕切り板はホルダから着脱自在となる構成としたことにより、仕切り板は、固定螺子を締め付けるのみで、ホルダに固定することができ、また固定螺子を緩めることにより、ホルダから仕切り板を容易に外すことができ、仕切り板全体をホルダから取り外すことにより、仕切り板直下付近のキッチン天板の拭き掃除等の清掃を行い易くできる。請求項9の発明では、仕切り板の外周には枠体が装着され、該枠体の一部が前記両嵌込み溝に挿入される構成により、仕切り板の縁に人体の一部や物が当たっても安全を確保すると共に、仕切り板自体の耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)はキッチン天板に本発明を装着した斜視図、(B)は(A)の要部拡大斜視図、(C)は(B)の(ア)部拡大図である。
【図2】(A)は本発明の要部縦断正面図、(B)は(A)の(イ)部拡大断面図、(C)は(A)のX1−X1矢視断面図、(D)は(A)のX2−X2矢視断面図。
【図3】(A)はホルダ,下端支持ブロック,ガスケット及び化粧キャップの分離状態の斜視図、(B)は第1固定手段におけるホルダと下端支持ブロックを示す横断平面図、(C)は第2固定手段におけるホルダと下端支持ブロックを示す横断平面図、(D)は第3固定手段におけるホルダと下端支持ブロックを示す横断平面図、(E)はホルダ頂部に化粧キャップが装着された要部断面図、(F)は(E)のX3−X3矢視断面図である。
【図4】(A)はホルダと撮み部を設けた下端支持ブロックとの分離状態の斜視図、(B)は要部拡大断面図、(C)は断面方形状としたホルダの断面図、(D)は別のタイプのホルダとガスケット及び下端支持ブロックとの分離状態の斜視図である。
【図5】(A)は別の実施形態のホルダにて仕切り板をキッチン天板に装着した要部斜視図、(B)は(A)の(ウ)部拡大図、(C)は枠体が装着された仕切り板の正面図、(D)は(C)のY1−Y1矢視拡大断面図、(E)は(C)のX4−X4矢視拡大断面図、(F)は(C)のX5−X5矢視拡大断面図である。
【図6】(A)は別の実施形態のホルダにて仕切り板をキッチン天板に装着した一部断面にした要部拡大正面図、(B)は別の実施形態のホルダにて仕切り板をキッチン天板に装着した一部断面にした要部拡大側面図、(C)は(B)の(エ)部拡大図、(D)は(B)のX6−X6矢視断面図、(E)は別の実施形態のホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明では、図1に示すように、システムキッチンのキッチン天板7に装着されるものである。キッチン天板7には加熱調理台71及びシンク72が備わっている。加熱調理台71は、IH又はガスコンロ等である。キッチン天板の加熱調理台71及びシンク72の付近には、キッチン用仕切りパネルが装着される。
【0017】
特に、加熱調理台及びシンクの付近の位置とは、使用する人の側から見て奥側の位置となる〔図1(A)参照〕。システムキッチンの設置位置は、キッチンルームとダイニングルームとがオープンに連続する部屋においては、キッチンルームとダイニングルームとがその境界となる部分である。したがって、加熱調理台71及びシンク72での使用にあたり、油が飛散したり、洗い水等が飛散しダイニングルームが汚れるおそれが十分にある。そこで、油・水等の周囲への飛散を防止する目的でキッチン用仕切りパネルがキッチン天板7上に設けられる。
【0018】
まず、キッチン用仕切りパネルを構成する主な部材は、図1,図2に示すように、ホルダ1、下端支持ブロック2,ガスケット4及び仕切り板6であり、さらに、化粧キャップ5が必要に応じて具備される。ホルダ1は、金属製であり、略円筒又は円柱形状に形成されている。ホルダ1の軸方向に沿って嵌込み溝11が形成されている。嵌込み溝11は、外周側面から長手方向に直交する断面の中心に向かって形成された空隙部であり、平行に対向する内側面111,111及び両内側面111,111の間に位置する奥側面112とから構成される。
【0019】
両内側面111,111には、段差111a,111aを介して前記両内側面111,111の間隔が広くなるガスケット収納部11sが形成されている。前記ホルダ1は、その長手方向に直交する断面形状が、長方形或は正方形等の略方形状に形成されることもある〔図4(C)参照〕。また、前記ホルダ1の嵌込み溝11には、前述した段差111aが形成されず、内側面111,111と奥側面112とのみからなり、長手方向に直交する断面が単に長方形或は正方形等の略方形状に形成されるタイプも存在する〔図4(D)参照〕。
【0020】
また、ホルダ1の軸方向に沿って中空円筒状となる主貫通孔12が形成されている〔図2(D),図3(A)参照〕。該主貫通孔12は、キッチン天板に固着する役目をなすボルト等の固着具用に内螺子部121が形成されたり、後述する化粧キャップ5を装着するための役目をなす。さらに、前記嵌込み溝11の幅方向両側の位置には、後述する化粧キャップ5の位置決め突起が嵌合する副貫通孔13,13が形成されている。該副貫通孔13,13は、前記嵌込み溝11と連通形成されている。
【0021】
このように、嵌込み溝11と両副貫通孔13,13とが連通する形状とすることで、ホルダ1の製造が行い易くなり、より一層低価格に提供することができる。また、前記嵌込み溝11と両副貫通孔13,13とが不連続にて、別々に形成されてもかまわない。ホルダ1は、前述したように金属製としているが、強度的且つ防炎性を有するものであれば、合成樹脂であってもかまわない。
【0022】
ホルダ1の別の実施形態として、図5(A),(B)及び図6(B),(E)に示すように、上下方向の下部領域において、下端に向かうに従い次第に幅方向が広くなるように形成されるものが存在する。この実施形態では、ホルダ1の上下方向において、下部箇所では下端に向かって幅方向両側より次第に外方に向かって略三角形状に膨出する部位が形成される〔図5(A),(B)及び図6(B),(E)参照〕。この膨出部分は、ホルダ1の下部領域において、下端に向かって次第に広がる部分であり、これを拡開部14と称する。そして、該拡開部14では、下端が最も幅方向寸法が大きくなり、下端の面である下端面14aの面積は、上下方向のいずれの位置で直交する断面積よりも大きくなっている〔図6(E)参照〕。嵌込み溝11は、断面略方形状で、内側面111,111と奥側面112とから構成されている〔図6(E)参照〕。
【0023】
また、下端面14aと同一形状となる領域が下端から上方に向かって僅かの領域で形成されることもある〔図5(B)、図6(B),(E)参照〕。前記下端面14aには、幅方向両側で且つ前記嵌込み溝11を中心にしてその両側に位置するように2個の取付用螺子孔15,15が形成されている。該取付用螺子孔15は、後述するように、キッチン天板7にホルダ1を固定するためのボルト8がねじ込まれる部位となる。また、前記取付用螺子孔15の孔形成方向は、ホルダ1の上下方向である。また、ホルダ1の上下方向に直交する断面形状は上部では略正方形であり、下部では略長方形状となる〔図5(B)、図6(B),(E)参照〕。
【0024】
この実施形態によって、ホルダ1は、キッチン天板7上に載置したときに、安定性を有するものであり、且つ最も倒れにくいものにすることができる〔図5(B),図6(B)参照〕。また、ホルダ1の上下方向下部領域に前記拡開部14が設けられる構成は、ホルダ1の上下方向に直交する断面形状が円形状又は楕円形状の場合でも適用されることは可能である。
【0025】
下端支持ブロック2は、後述する仕切り板6の下端縁61と前記キッチン天板7との間に適宜の高さ方向の間隔を有する隙間Qを形成する役目をなすものである〔図2(A),(B),図3(A)参照〕。この隙間Qは、キッチン天板7を拭き掃除するために必要なスペースである。下端支持ブロック2は、合成樹脂にて形成される。或は下端支持ブロック2が金属製にて形成されることもある。下端支持ブロック2は、略直方体形状であり具体的には外周を構成する横幅方向の横側面2a,2aと、縦幅方向の縦側面2b,2bと、頂面2c及び底面2dからなる6面体であり、実際には、四角柱形状に形成されている〔図3(A)参照〕。
【0026】
下端支持ブロック2は、前記ホルダ1の嵌込み溝11に挿入される部材であって、嵌込み溝11に装着された仕切り板6の下端縁61を持ち上げるようにして支持するものである。下端支持ブロック2は、その上下方向の高さが前記隙間Qの高さ寸法と等しくなるように形成されている。さらに下端支持ブロック2には、撮み部22が形成されることもあり〔図4(A),(B)参照〕、該撮み部22により下端支持ブロック2を嵌込み溝11に装着したり、或は取り外す作業が行い易くなる。
【0027】
下端支持ブロック2は、前記ホルダ1の嵌込み溝11に横(水平)方向から挿入することができるようになっている。もちろんホルダ1の軸方向下端側から嵌込み溝11に挿入してもよい。下端支持ブロック2は、ホルダ1の嵌込み溝11に挿入され且つ該嵌込み溝11内に固定されるための手段が複数存在するものであり、その第1固定手段としては、下端支持ブロック2を嵌込み溝11に圧入により挿入固定する〔図3(B)参照〕。
【0028】
具体的には、下端支持ブロック2の両横側面2a,2aにおける幅方向寸法W2は、前
記ホルダ1の嵌込み溝11の溝幅間隔W1よりも微小量だけ大きくし〔図3(B)参照〕
、下端支持ブロック2が嵌込み溝11に押し込まれることによって下端支持ブロック2を嵌込み溝11の両内側面111,111に挟持押圧されるように固定されるものである。
【0029】
その第2固定手段としては、下端支持ブロック2の適宜の一面に両面粘着テープ31の一面が使用され、該両面粘着テープ31の他方側面が嵌込み溝11の奥側面112に貼着固定されるものである〔図3(C)参照〕。この第2固定手段では、下端支持ブロック2の両横側面2a,2aの幅方向寸法W2は、ホルダ1の嵌込み溝11の溝幅間隔W1よりも小さくして、遊挿することができる程度となっている。また、この第2固定手段に圧入による第1固定手段を組合わせることもある。
【0030】
その第3固定手段としては、接着剤32を使用するものである〔図3(D)参照〕。この第3固定手段では、下端支持ブロック2のいずれか一方の縦側面2bに接着剤32を塗布し、接着剤32の塗布面が前記嵌込み溝11の奥側面112に当接されて固着されるものである。また、図中の符号32aは、前記接着剤32が収納されているチューブである。この第3固定手段も、前述した第2固定手段と同様に、圧入による第1固定手段を組合わせることもある。
【0031】
化粧キャップ5は、前記ホルダ1の頂部に装着される部材であり、略円板形状の化粧板部51の外周より直径中心に向かって開口切欠部51aが形成されている。該開口切欠部51aは、ホルダ1の嵌込み溝11と空隙が連通するものである。化粧板部51の下面側には主凸部52と、副凸部53,53とが形成されている。また前記主凸部52には係止突起52aが形成されている。
【0032】
そして、化粧キャップ5は、前記主凸部52がホルダ1の主貫通孔12に挿入して、該主貫通孔12の内周壁面と、前記係止突起52aが相互に押圧し合うことにより固定される。また、前記副凸部53,53がホルダ1の副貫通孔13,13に挿入することで、位置決めが正確となる〔図3(E),(F)参照〕。つまり、化粧キャップ5の開口切欠部51aとホルダ1の嵌込み溝11とが位置的に一致することができるようになっている。
【0033】
仕切り板6は、ガラス板又はアクリル等の合成樹脂板が使用される。そして、仕切り板6は、透明であることが好ましい。ガスケット4は、仕切り板6の幅方向両側縁が挿入される部材であり、ガスケット4は、ホルダ1のガスケット収納部11sに収納される。仕切り板6の形状は長方形であり、且つ上端の両側の角部分は円弧形状に形成されることが安全上において好ましい〔図1(B)、図2(A)参照〕。仕切り板6には、その外周に枠体9が装着される実施形態も存在する〔図5(C)参照〕。該枠体9は、水平枠91,垂直枠92,上部コーナ枠93等から構成されている(図5参照)。水平枠91,垂直枠92及び上部コーナ枠93はそれぞれ2個用意される。そして、上下2本の水平枠91と、左右2本の垂直枠92と上部コーナ枠93とが連結されて、長方形の枠が構成される。
【0034】
水平枠91は、枠体9の横枠部材として使用されるものであって、外周面91aと、側面91bと、折曲片91cとから構成されたものであり、外周面91aの幅方向両側から側面91b,91bが直角に形成され、これら外周面91aと両側面91b,91bによって断面略門形状となり、前記両側面91b,91bの端部より門形状の内方に向かって折曲片91c,91cが形成され、これらが長手方向に沿って長尺に形成されたものである〔図5(A),(C),(D)参照〕。
【0035】
また、垂直枠92は、枠体9の縦枠部材として使用されるものであり、前記水平枠91と同様に、外周面92aと、側面92bと、折曲片92cとから構成されたものであり、外周面92aの幅方向両側から側面92b,92bが直角に形成され、これら外周面92aと両側面92b,92bによって断面略門形状となり、前記両側面92b,92bの端部より門形状の内方に向かって折曲片92c,92cが形成され、これらが長手方向に沿って長尺に形成されたものである〔図5(A),(C),(E)参照〕。垂直枠92は、前記水平枠91と同等且つ同大の断面形状を有している。
【0036】
上部コーナ枠93は、枠体9の上部の両角部に使用される部材であって、(1/4)円弧とした枠部材であり、外周面93aと側面93bとから構成され、外周面93aの幅方向両側から側面93b,93bが形成され、前記両側面93b,93bの他端から内方に向かって折曲片93c,93cが形成されている。上部コーナ枠93の円弧方向に直交する断面形状は、前記水平枠91及び垂直枠92と同等且つ同大である〔図5(A),(C),(F)参照〕。
【0037】
そして、水平枠91,垂直枠92には、ガスケット4がそれぞれ内装される。また、上部コーナ枠93には、ガスケット4が必要に応じて内装される。ガスケット4の水平枠91,垂直枠92及び上部コーナ枠93への内装については、具体的に水平枠91で説明すると外周面91a,両側面91b及び両折曲片91c,91cによって囲まれた部分に、ガスケット4が配置される。そして、この構成は、垂直枠92及び上部コーナ枠93についても同様である。水平枠91,垂直枠92及び上部コーナ枠93に内装されたガスケット4に仕切り板6の上下両辺,左右両辺が挿入されることにより、仕切り板6に水平枠91,垂直枠92及び上部コーナ枠93が装着される〔図5(A),(C)、図6(B)等参照〕。
【0038】
また、枠体9の下方の両角部では、水平枠91と垂直枠92とが直角となるように連結される。したがって、枠体9の下方に位置する水平枠91の両側面91bの長手方向両側の端縁は45度の傾斜端縁として形成され、同様に垂直枠92においても、上下方向の下端側の端縁が45度の傾斜端縁として形成される〔図5(C),図6(A)参照〕。このようにして、垂直枠92と、下方の水平枠91は、直角に接続される。 また、ホルダ1には、前記両嵌込み溝11にて前記仕切り板6が固定される固定螺子17が具備される実施形態が存在する(図6参照)。具体的には、ホルダ1の上下外周部から、嵌込み溝11の一方の内側面111との間を水平方向に貫通する螺子孔16が形成され、該螺子孔16に固定螺子17が螺合装着されている。
【0039】
そして、垂直枠92の側面91bには、係止貫通孔92eが形成されており、前記固定螺子17は、嵌込み溝11内に挿入された枠体9の垂直枠92に形成された前記係止貫通孔92eに入り込み、嵌込み溝11に枠体9を固定するものである。また、固定螺子17の螺子軸部171の長さは、ガスケット4の位置には到達しないように設定され、ガスケット4を固定螺子17が食い込まないようにしている。固定螺子17を緩めると螺子軸部171は、係止貫通孔92eから外れ、仕切り板6を枠体9ごとホルダ1から容易に外すことができる。また、仕切り板6に枠体9が装着されない場合では、前記固定螺子17は、嵌込み溝11に装着されたガスケット4を押圧することによって仕切り板6を固定することができる
【0040】
また、仕切り板6に枠体9が装着された状態で、仕切り板6を両ホルダ1,1の嵌込み溝11,11内に装着したものでは、両ホルダ1,1の嵌込み溝11,11に挿入装着された両下端支持ブロック2,2により枠体9が支持される。そして、前記隙間Qは、枠体9の下方側の水平枠91の下端と、キッチン天板7との間に生じる隙間となる〔図5(A),(B),図6(A)参照〕。これによって、枠体9が装着された仕切り板6の下方箇所の清掃を簡単にでき、清掃作業効率が向上する。
【0041】
まず、本発明では、ホルダ1の嵌込み溝11内にガスケット4が装着される。ガスケット収納部11sが形成されているものでは、該ガスケット収納部11sにガスケット4が収納される。また。ホルダ1の嵌込み溝11の下端側には、ガスケット4が前述した固定手段により装着される。ホルダ1は、キッチン天板7の加熱調理台71箇所及びシンク72箇所に適宜の間隔をおいて配置される。具体的には、ホルダ1が直立した状態で、キッチン天板7の下面からボルト8が挿入されてホルダ1の主貫通孔12にボルト8がねじ込まれる。このとき、主貫通孔12には内螺子部121が形成されていると、作業が効率的となる。
【0042】
そして、適宜の間隔をおいて装着された両ホルダ1,1は、嵌込み溝11,11が対向するように配置され、両嵌込み溝11,11内に装着された両ガスケット4,4を介して仕切り板6が挿入装着される。仕切り板6の下端縁61の幅方向両側端部箇所は、両ホルダ1,1の嵌込み溝11,11に挿入装着された両下端支持ブロック2,2により支持され、仕切り板6の下端縁61とキッチン天板7の表面との間に隙間Qが形成されることになる。前記化粧キャップ5は、ホルダ1の頂部箇所に固着される。このように、ホルダ1には、何ら加工することなく、下端支持ブロック2,ガスケット4及び化粧キャップ5等を装着することができ、その組付けも極めて簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…ホルダ、11…嵌込み溝、2…下端支持ブロック、31…両面粘着テープ、
32…接着剤、6…仕切り板、7…キッチン天板、71…加熱調理台、72…シンク、
9…枠体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理台及びシンク等が具備されたキッチン天板と、軸方向に沿って嵌込み溝が形成され且つ前記キッチン天板上に直立状態で固定されるホルダと、仕切板と、前記嵌込み溝に挿入される下端支持ブロックとからなり、前記ホルダは適宜の間隔をおいて前記キッチン天板上に直立状態で固着され、両ホルダの嵌込み溝の下端に前記下端支持ブロックが挿入され且つ前記両嵌込み溝に前記仕切り板が装着されると共に、該仕切り板は前記下端支持ブロック上に載置され、該下端支持ブロックを介して前記仕切り板の下端縁と前記キッチン天板との間に適宜の隙間が形成されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項2】
請求項1において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して圧入手段により挿入固定されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して両面粘着テープにて固定されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記下端支持ブロックは前記嵌込み溝に対して接着剤にて固定されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記下端支持ブロックは合成樹脂製としてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項6】
請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記ホルダは、上下方向の下部領域は下端に向かうに従い次第に幅方向が広くなるように形成されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項7】
請求項6において、前記ホルダの下端面には、前記嵌込み溝を中心にして両側に位置するように取付用螺子孔が形成されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項8】
請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項の記載において、前記ホルダには、前記嵌込み溝内にて前記仕切り板が固定される固定螺子が具備され、前記仕切り板は前記ホルダから着脱自在としてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。
【請求項9】
請求項1,2,3,4,5,6,7又は8のいずれか1項の記載において、前記仕切り板の外周には枠体が装着され、該枠体の一部が前記両嵌込み溝に挿入されてなることを特徴とするキッチン用仕切りパネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−30034(P2012−30034A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243479(P2010−243479)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【特許番号】特許第4651749号(P4651749)
【特許公報発行日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(592105516)株式会社シモダイラ (32)
【Fターム(参考)】