キャスター用車輪
【課題】キャスターの車輪にサスペンション機構を組み込み、走行に際して静粛性と路面衝撃吸収性、とくに垂直方向のみならず進行方向からの路面ならびに段差乗り越え時の衝撃吸収性を著しく向上させる。
【解決手段】車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部と、該弾性体嵌合部の内奥方に、一定深さの弾性体受容室とを有する弾性体支承部からなり、車軸部側外周面又は接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、他方側には先端を上記弾性体受容室内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、該支柱の先端には前記弾性体嵌合部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けたサスペンション部を介在させてなる。これにより衝撃吸収能力が格段に向上し小型車輪のキャスターとして走行時の安定性・静粛性を保つことができる。
【解決手段】車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部と、該弾性体嵌合部の内奥方に、一定深さの弾性体受容室とを有する弾性体支承部からなり、車軸部側外周面又は接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、他方側には先端を上記弾性体受容室内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、該支柱の先端には前記弾性体嵌合部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けたサスペンション部を介在させてなる。これにより衝撃吸収能力が格段に向上し小型車輪のキャスターとして走行時の安定性・静粛性を保つことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えばストレッチャーや配膳車など病院内で使用に供される各種の移動用具、あるいは汎用の車椅子、ベビーカー、その他工場内において使用される精密部品・機器類搬送用台車などに使用されるキャスター用車輪に関し、走行に際して静粛性と路面衝撃吸収性、とくに垂直方向のみならず進行方向からの路面ならびに段差乗り越え時の衝撃吸収性を著しく向上させるとともにコストの低減をはかることを目的とする。
【背景技術】
【０００２】
路面からの衝撃を吸収する構造を備えたキャスターとしては、これまでに例えば車体下部に回転体を回転自在に設けるとともに、該回転体に対してアームの一端を、アームが斜め下方に向けて回転自在に結合させ、さらに該アームの下部に車輪を取り付けるとともに、前記回転体の軸受部とアームとの間に、アームの回転変位を規制する回転変位制限機構を設けることにより、路面からの衝撃を緩衝するようにした構造のキャスターが知られる（特開２０００−１３５９０１号公報参照）。
【０００３】
また、車体側に取り付けられるブラケットに対してリンク機構を介して車輪を取り付けるとともに、リンクとブラケットの間に、上記リンクの回動に伴って伸縮作動する油圧ダンパを介在させ、しかも該油圧ダンパに高粘度の作動油を封入してブラケットに懸かる荷重を支持させるようにし、これによって路面衝撃を吸収できるようにしたものである（特開２００１−２７７８０９号公報参照）。
【０００４】
さらに、車体に取り付けられる支持金具に支点軸を介して、下端に車輪５を有する搖動ブラケットを取り付けるとともに、上記車輪の支点軸が搖動ブラケットの支点軸よりも水平方向に変位した位置となるようにすることにより、車椅子にて段差を乗り越える際の衝撃を緩衝させ、しかも始動抵抗を少なくするようにした構造のものも知られている（実用新案登録第３０９４７０３号公報参照）。
【０００５】
さらに対向する一対のホイール板により車輪のリム部分を挟圧することによりタイヤ内部のスポンジ材が圧迫されるようにし、このスポンジ材の圧迫の度合いによりタイヤの硬さを任意に調整して走行路面の状況に合わせてクッション性を可変可能にしたものも知られている（特開２００４−９７４２０号公報参照）。
【特許文献１】特開２０００−１３５９０１号公報
【特許文献２】特開２００１−２７７８０９号公報
【特許文献３】実用新案登録第３０９４７０３号公報
【特許文献４】特開２００４−９７４２０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載のものは、構造上から前後（走行）方向の振動緩和が殆どなく、またアームの長さをある程度長くする必要があり、そのために全体として部品の大型化が避けられず、しかも部品点数が多くなるためにコスト上昇が避けられない。また特許文献２に記載のものは、油圧ダンパ機構を用いるところから、構造がより複雑となり、必然的にコストの上昇が避けられない。
【０００７】
さらに特許文献３に記載のものは、比較的構造が簡単で低コストではあるが、段差を乗り越えるには都合がよいものの、とくに上下方向の衝撃吸収に不向きであり、平坦路面での乗り心地向上には殆ど寄与しない。 また特許文献４に記載のものは、路面状況に合わせてタイヤのスポンジ材の硬さをいちいち調整しなければならず、実際的ではない。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そこで本発明は上記の課題を解決し、比較的低コストでありながら水平方向あるいは垂直方向のみならず車輪の周方向全周にわたるいずれの方向からの衝撃をも十分に吸収して走行振動を減少させ、しかも静粛性を向上させるようにしたものである。
【０００９】
すなわち本発明は、車軸部の周りにベアリングを介して環状の接地部を有するキャスターにおいて、車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を介在させ、しかも該サスペンション部は、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体支承部を有し、しかも該弾性体支承部の内側に、一定深さの弾性体受容室を有するとともに、車軸側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体支承部内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体支承部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けてなることを特徴とするキャスターの車輪に関する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は上記した通り、キャスター用の車輪を構成する車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を取り付けたために、在来製品に比して衝撃吸収効果が大きく、とくにストレッチャーや配膳車など病院内で使用に供される各種の移動用具、あるいは汎用の車椅子、ベビーカー、その他工場内において使用される精密部品・機器類搬送用台車など小型車輪のキャスターとして走行時の安定性・静粛性を保つことができる。 また前後走行方向へのストロークをある程度大きく確保でき、旋回時の始動抵抗の低減、ならびに異音発生を抑えることができる。
【００１１】
また、上記のサスペンション部が、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体支承部を有し、しかも該弾性体支承部の内側に、一定深さの弾性体受容室を有するとともに、車軸側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体支承部内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体支承部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けたものであるために、部品点数が少なく比較的単純構造であり、とくに小型のキャスターであっても前後走行方向の大きな振れ（ストローク長さ）を十分に吸収することができ、これによってとくに旋回時における始動抵抗の低減、ならびに病院内等での良床面走行時の異音（スキール音）発生を抑えることができ、また前後（走行）方向をはじめとした全方向にわたる過大な衝撃吸収を実現することができる。
【００１２】
さらに上記サスペンション部が、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を用いているために、とくに、例えば段差の乗り越え時における１０Ｈｚ以下の低周波側衝撃の緩和が可能となるのみならず、路面の表面性状に起因した３０〜６０Ｈｚ以上の高周波側衝撃の緩和も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下において本発明の具体的な内容を図１〜４の実施例をもとに説明すると、図１および図２には本発明にかかるキャスター用車輪の第１実施例があらわされている。 すなわち図１および図２において１はキャスターの車輪をあらわしており、車輪１は車軸部２と該車軸部２の周りにベアリング８を介して組み込まれた環状の接地部６を有し、しかも上記車軸部２とベアリング８との間にサスペンション部Ｓが介在されている。
【００１４】
さらに具体的には、車軸部２は管状をなし、中心孔２ａ内に軸棒を通して該軸棒の両端部をそれぞれキャスターの左右の支承アーム（図示省略）に支承させるようになっている。 つぎに該車軸部２の外周側に取り付けられるサスペンション部Ｓについて説明をすると、車軸部２の中央部外周面側には放射外方向に向けた支柱３を介して弾性体支承部４が溶接等により一体に取り付けられている。
【００１５】
この弾性体支承部４は放射外方に向けて拡開させたところの、車軸部２の長さ方向に平行な一定幅を有する弾性体嵌合部４ｂを有し、しかも該弾性体嵌合部４ｂの内奥方に、一定深さの弾性体受容室４ａを有する。 なお該弾性体受容室４ａの底部（内奥部）には外表面に向けて突起が形成（図示省略）されているゴム製の緩衝ストッパー５が取り付けられている。 なお緩衝ストッパー５は発泡材からなるものであってもよい。
【００１６】
一方環状の接地部６は、ゴムあるいはウレタンその他の弾性材質からなり、内周側を環状のリム７により保持されており、しかも該リム７の内周には段部７ａが形成されている。 さらにリム７の内側にはベアリング８を介在させるために必要な間隔をあけて環状の基部９が位置する。 この基部９の外周面には段部９ａが形成されており、サスペンション部Ｓと接地部６のリム７との間には、サスペンション部Ｓ側に位置する基部９の段部９ａとリム７の内周側に形成した段部７ａとに係合させて環状のベアリング８が嵌め込まれる。
【００１７】
さらに基部９の内周側には先端を前記した弾性体受容室４ａ内に向けて進退自在とした支柱１０が一体に取り付けられ、該支柱１０の先端には前記弾性体支承部嵌合部４ｂ内に嵌装可能であって、車軸部２の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、該車軸部２にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体１１を一体に取り付けてなる。 なお、この弾性体１１はゴムあるいはウレタンなどの弾性の材質のものが用いられ、支柱１０の先端および支承部嵌合部４ｂに対して加硫接着又は接着剤を用いて接着されている。
【００１８】
なお、この第１実施例においては弾性体１１を用いたサスペンション部Ｓが図１にあらわされているように車軸部２とベアリング部８との間において周方向間歇箇所（４箇所）に設けられているが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向少なくとも３箇所以上であればよい。
【００１９】
上記した第１実施例の構成において、図１および図２（Ａ）の状態にある車輪１をキャスターに組み付けて使用に供した場合、路面の例えば段部を通過する際に接地部６が衝撃を受けると、これに伴って地面側に位置しているベアリング８および基部９から支柱１０の先端が弾性体支承部４の弾性体受容室４ａ内に進入し、その結果図２の（Ｂ）にあらわしたように支柱１０の先端に取り付けられた弾性体１１の中央部が該弾性体１１の弾性力に抗して弾性体受容室４ａ内に向けて湾曲状態で撓み込み、これによって路面の衝撃を吸収することができる。
【００２０】
なおこの場合において、荷重が大きい場合や衝撃力が過大であり、弾性体１１の弾性吸収能力の限界を超える場合には支柱１０の先端が緩衝ストッパー５に突き当たってそれ以上の弾性体１１の変形を抑制することができる。 なおこの場合において、路面からの衝撃により変形した弾性体１１の、路面から最も離れた側（上側）は、これに対応して逆に弾性体受容室４ａから外方に向けて突出する側に撓み変形する〔図２（Ｂ）参照〕。
【００２１】
また図３には本発明の第２実施例があらわされている。 前記の実施例１においてはサスペンション部Ｓが図１にあらわされているように車軸部２とベアリング部８との間において周方向間歇箇所（４箇所）に設けられているが、この第２実施例の場合にはサスペンション部Ｓが周方向無端状に設けられている。 これによってもサスペンション効果を得ることができる。
【００２２】
さらに図４には本発明の第３実施例があらわされている。 この場合においては車軸部１２と環状の接地部６との間に介在されるベアリング１８が前記した第１実施例では接地部６とサスペンション部Ｓとの間に介在されているのに対し、内周面を車軸部１２の外周面に直接に取り付けられることによって車軸部１２とサスペンション部Ｓとの間に介在されている。
【００２３】
すなわち先端に弾性体１１を一体に取り付けた支柱２０は、その基部を接地部６を支承するリム１７の内周面に溶接等により直接に取り付けられ、またかかる弾性体１１を受け入れる弾性体支承部４は、その支柱３をフランジ３ａによりベアリング１８の外周面に嵌め込まれる。
【００２４】
さらに図５には本発明の第４実施例があらわされている。 これはサスペンション部Ｓが既述した第１〜３実施例の場合とは反対の向きに設けられたものであり、具体的にはサスペンション部Ｓが前記した第１〜３実施例と同様に、車軸３２の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部３５ｂと、該弾性体嵌合部３５ｂの内奥方に、一定深さの弾性体受容室３５ａとを有する弾性体支承部３５とからなり、該弾性体支承部３５の支柱３７を基部３８の内周側中央部に溶接等により一体に取り付けるとともに、接地部４１のリム４０の内周面と、上記した基部３８の外周面との間に、両者の段部３８ａ・４０ａを利用してこれに係合させつつベアリング３９を介在させて取り付ける。 なお３６はゴム製の緩衝ストッパーをあらわしている。
【００２５】
一方車軸部３２の外周面側中央部には、先端に前記弾性体嵌合部３５ｂ内に嵌装可能であって、車軸部３２の長さ方向と平行であって一定幅を有するとともに、車軸部３２にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体３４を一体に取り付けた支柱３３が溶接等により一体に取りつけられ、上記弾性体３４の左右両幅端部を、前記した弾性体支承部３５ｂ内に加硫あるいは接着剤による接着によって取り付けて、接地部４１の走行時の振動衝撃を受けた際に支柱３３が弾性体受容室３５ａ内に向けて進退自在となるように構成される。 なお３２ａは車軸部の中心孔をあらわしている。
【００２６】
なお図５の第４実施例では、サスペンション部Ｓの取り付け位置に関し、車軸部３２とベアリング３９との間に介在させたが、ベアリング３９と接地部４１との間に介在させるようにしてもよい。
【００２７】
さらに、ゴム製の緩衝ストッパー５あるいは３６については、上記した第１〜第４実施例の場合を含めて、図６（Ａ）にあらわしたように、支柱１０あるいは２０または３３の各先端部に装着するようにしてもよく、また図６（Ｂ）にあらわしたように、支柱１０あるいは２０または３３の各先端部と、弾性体受容室４ａあるいは３５ａの底部との両方に対応させて装着するようにしてもよい。
【００２８】
また、弾性体１１についても、上記した第１〜第４実施例の場合を含めて、図７にあらわしたように設計変更をすることも可能である。 すなわち、図７（Ａ）にあらわしたものは、ゴムなどの弾性体の内部に、幅側に向けて等間隔毎に複数の金属板Ｐをサンドイッチ状に介在させた積層状の弾性体１１ａとすることにより、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｂ内において、幅方向に対しては比較的大きな剛性を有するにもかかわらず、上下方向（車軸部２と接地部６とを結ぶ方向）に対して比較的柔軟性を保持させて変形対応能力（ストローク増大性）を向上させつつ、幅方向のキャンパー剛性を保持させるようにしたものである。
【００２９】
さらに、第７図（Ｂ）にあらわしたものは、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｃ内に支承される弾性体１１ｂについて、弾性体嵌合部４ｃを開口側を狭めるとともに、支柱１０の弾性体４ｃを支承する部分について、これを先端部にかけて上記した弾性体嵌合部４ｃとは反対に次第に断面径を増大させて径大部１０ａとし、かかる径大部１０ａと弾性体嵌合部４ｃとの間に、これに対応する断面形状の弾性体１１ｂを介在させることによって、弾性体１１ｂのクリープ（永久変形）を減少させるようにしたものである。
【００３０】
さらに、第７図（Ｃ）にあらわしたものは、第７図（Ｂ）の逆バージョンであって、目的は同一であるが、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｄ内に支承される弾性体１１ｃについて、弾性体嵌合部４ｄを開口側にかけて次第に拡開させるとともに、支柱１３を太くし、しかも該支柱１３の弾性体１１ｃを支承する部分について、これを先端部にかけて上記した弾性体嵌合部４ｄとは反対に先端にかけて次第に断面径を縮径させて径小部１３ａとし、かかる径小部１３ａと弾性体嵌合部４ｄとの間に、これに対応する断面形状の弾性体１１ｃを介在させることによって、同じく弾性体１１ｃのクリープ（永久変形）を減少させるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明における第１実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図。
【図２】図１におけるＡーＡ線矢視方向の拡大縦断面図。
【図３】本発明における第２実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＢーＢ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図４】本発明における第３実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＣーＣ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図５】本発明における第４実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＤーＤ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図６】本発明における緩衝ストッパーの取り付け位置についての別の実施例をあらわした拡大縦断面図。
【図７】本発明における弾性体の別の実施例をあらわした拡大縦断面図。
【符号の説明】
【００３２】
１ 車輪
２ 車軸部
３ 支柱
３ａ フランジ
４ 弾性体支承部
４ａ 弾性体受容室
４ｂ 弾性体嵌合部
４ｃ 弾性体嵌合部
４ｄ 弾性体嵌合部
５ 緩衝ストッパー
６ 接地部
７ リム
７ａ 段部
８ ベアリング
９ 基部
９ａ 段部
１０ 支柱
１０ａ 径大部
１１ 弾性体
１１ａ 弾性体
１１ｂ 弾性体
１１ｃ 弾性体
１２ 車軸部
１３ 支柱
１３ａ 径小部
１７ リム
１８ ベアリング
２０ 支柱
３２ 車軸
３３ 支柱
３４ 弾性体
３５ 弾性体支承部
３５ａ 弾性体受容室
３５ｂ 弾性体嵌合部
３６ 緩衝ストッパー
３７ 支柱
３８ 基部
３８ａ 段部
３９ ベアリング
４０ａ 段部
４１ 接地部
Ｓ サスペンション部
Ｐ 金属板
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えばストレッチャーや配膳車など病院内で使用に供される各種の移動用具、あるいは汎用の車椅子、ベビーカー、その他工場内において使用される精密部品・機器類搬送用台車などに使用されるキャスター用車輪に関し、走行に際して静粛性と路面衝撃吸収性、とくに垂直方向のみならず進行方向からの路面ならびに段差乗り越え時の衝撃吸収性を著しく向上させるとともにコストの低減をはかることを目的とする。
【背景技術】
【０００２】
路面からの衝撃を吸収する構造を備えたキャスターとしては、これまでに例えば車体下部に回転体を回転自在に設けるとともに、該回転体に対してアームの一端を、アームが斜め下方に向けて回転自在に結合させ、さらに該アームの下部に車輪を取り付けるとともに、前記回転体の軸受部とアームとの間に、アームの回転変位を規制する回転変位制限機構を設けることにより、路面からの衝撃を緩衝するようにした構造のキャスターが知られる（特開２０００−１３５９０１号公報参照）。
【０００３】
また、車体側に取り付けられるブラケットに対してリンク機構を介して車輪を取り付けるとともに、リンクとブラケットの間に、上記リンクの回動に伴って伸縮作動する油圧ダンパを介在させ、しかも該油圧ダンパに高粘度の作動油を封入してブラケットに懸かる荷重を支持させるようにし、これによって路面衝撃を吸収できるようにしたものである（特開２００１−２７７８０９号公報参照）。
【０００４】
さらに、車体に取り付けられる支持金具に支点軸を介して、下端に車輪５を有する搖動ブラケットを取り付けるとともに、上記車輪の支点軸が搖動ブラケットの支点軸よりも水平方向に変位した位置となるようにすることにより、車椅子にて段差を乗り越える際の衝撃を緩衝させ、しかも始動抵抗を少なくするようにした構造のものも知られている（実用新案登録第３０９４７０３号公報参照）。
【０００５】
さらに対向する一対のホイール板により車輪のリム部分を挟圧することによりタイヤ内部のスポンジ材が圧迫されるようにし、このスポンジ材の圧迫の度合いによりタイヤの硬さを任意に調整して走行路面の状況に合わせてクッション性を可変可能にしたものも知られている（特開２００４−９７４２０号公報参照）。
【特許文献１】特開２０００−１３５９０１号公報
【特許文献２】特開２００１−２７７８０９号公報
【特許文献３】実用新案登録第３０９４７０３号公報
【特許文献４】特開２００４−９７４２０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載のものは、構造上から前後（走行）方向の振動緩和が殆どなく、またアームの長さをある程度長くする必要があり、そのために全体として部品の大型化が避けられず、しかも部品点数が多くなるためにコスト上昇が避けられない。また特許文献２に記載のものは、油圧ダンパ機構を用いるところから、構造がより複雑となり、必然的にコストの上昇が避けられない。
【０００７】
さらに特許文献３に記載のものは、比較的構造が簡単で低コストではあるが、段差を乗り越えるには都合がよいものの、とくに上下方向の衝撃吸収に不向きであり、平坦路面での乗り心地向上には殆ど寄与しない。 また特許文献４に記載のものは、路面状況に合わせてタイヤのスポンジ材の硬さをいちいち調整しなければならず、実際的ではない。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そこで本発明は上記の課題を解決し、比較的低コストでありながら水平方向あるいは垂直方向のみならず車輪の周方向全周にわたるいずれの方向からの衝撃をも十分に吸収して走行振動を減少させ、しかも静粛性を向上させるようにしたものである。
【０００９】
すなわち本発明は、車軸部の周りにベアリングを介して環状の接地部を有するキャスターにおいて、車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を介在させ、しかも該サスペンション部は、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体支承部を有し、しかも該弾性体支承部の内側に、一定深さの弾性体受容室を有するとともに、車軸側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体支承部内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体支承部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けてなることを特徴とするキャスターの車輪に関する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は上記した通り、キャスター用の車輪を構成する車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を取り付けたために、在来製品に比して衝撃吸収効果が大きく、とくにストレッチャーや配膳車など病院内で使用に供される各種の移動用具、あるいは汎用の車椅子、ベビーカー、その他工場内において使用される精密部品・機器類搬送用台車など小型車輪のキャスターとして走行時の安定性・静粛性を保つことができる。 また前後走行方向へのストロークをある程度大きく確保でき、旋回時の始動抵抗の低減、ならびに異音発生を抑えることができる。
【００１１】
また、上記のサスペンション部が、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体支承部を有し、しかも該弾性体支承部の内側に、一定深さの弾性体受容室を有するとともに、車軸側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体支承部内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体支承部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けたものであるために、部品点数が少なく比較的単純構造であり、とくに小型のキャスターであっても前後走行方向の大きな振れ（ストローク長さ）を十分に吸収することができ、これによってとくに旋回時における始動抵抗の低減、ならびに病院内等での良床面走行時の異音（スキール音）発生を抑えることができ、また前後（走行）方向をはじめとした全方向にわたる過大な衝撃吸収を実現することができる。
【００１２】
さらに上記サスペンション部が、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を用いているために、とくに、例えば段差の乗り越え時における１０Ｈｚ以下の低周波側衝撃の緩和が可能となるのみならず、路面の表面性状に起因した３０〜６０Ｈｚ以上の高周波側衝撃の緩和も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下において本発明の具体的な内容を図１〜４の実施例をもとに説明すると、図１および図２には本発明にかかるキャスター用車輪の第１実施例があらわされている。 すなわち図１および図２において１はキャスターの車輪をあらわしており、車輪１は車軸部２と該車軸部２の周りにベアリング８を介して組み込まれた環状の接地部６を有し、しかも上記車軸部２とベアリング８との間にサスペンション部Ｓが介在されている。
【００１４】
さらに具体的には、車軸部２は管状をなし、中心孔２ａ内に軸棒を通して該軸棒の両端部をそれぞれキャスターの左右の支承アーム（図示省略）に支承させるようになっている。 つぎに該車軸部２の外周側に取り付けられるサスペンション部Ｓについて説明をすると、車軸部２の中央部外周面側には放射外方向に向けた支柱３を介して弾性体支承部４が溶接等により一体に取り付けられている。
【００１５】
この弾性体支承部４は放射外方に向けて拡開させたところの、車軸部２の長さ方向に平行な一定幅を有する弾性体嵌合部４ｂを有し、しかも該弾性体嵌合部４ｂの内奥方に、一定深さの弾性体受容室４ａを有する。 なお該弾性体受容室４ａの底部（内奥部）には外表面に向けて突起が形成（図示省略）されているゴム製の緩衝ストッパー５が取り付けられている。 なお緩衝ストッパー５は発泡材からなるものであってもよい。
【００１６】
一方環状の接地部６は、ゴムあるいはウレタンその他の弾性材質からなり、内周側を環状のリム７により保持されており、しかも該リム７の内周には段部７ａが形成されている。 さらにリム７の内側にはベアリング８を介在させるために必要な間隔をあけて環状の基部９が位置する。 この基部９の外周面には段部９ａが形成されており、サスペンション部Ｓと接地部６のリム７との間には、サスペンション部Ｓ側に位置する基部９の段部９ａとリム７の内周側に形成した段部７ａとに係合させて環状のベアリング８が嵌め込まれる。
【００１７】
さらに基部９の内周側には先端を前記した弾性体受容室４ａ内に向けて進退自在とした支柱１０が一体に取り付けられ、該支柱１０の先端には前記弾性体支承部嵌合部４ｂ内に嵌装可能であって、車軸部２の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、該車軸部２にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体１１を一体に取り付けてなる。 なお、この弾性体１１はゴムあるいはウレタンなどの弾性の材質のものが用いられ、支柱１０の先端および支承部嵌合部４ｂに対して加硫接着又は接着剤を用いて接着されている。
【００１８】
なお、この第１実施例においては弾性体１１を用いたサスペンション部Ｓが図１にあらわされているように車軸部２とベアリング部８との間において周方向間歇箇所（４箇所）に設けられているが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向少なくとも３箇所以上であればよい。
【００１９】
上記した第１実施例の構成において、図１および図２（Ａ）の状態にある車輪１をキャスターに組み付けて使用に供した場合、路面の例えば段部を通過する際に接地部６が衝撃を受けると、これに伴って地面側に位置しているベアリング８および基部９から支柱１０の先端が弾性体支承部４の弾性体受容室４ａ内に進入し、その結果図２の（Ｂ）にあらわしたように支柱１０の先端に取り付けられた弾性体１１の中央部が該弾性体１１の弾性力に抗して弾性体受容室４ａ内に向けて湾曲状態で撓み込み、これによって路面の衝撃を吸収することができる。
【００２０】
なおこの場合において、荷重が大きい場合や衝撃力が過大であり、弾性体１１の弾性吸収能力の限界を超える場合には支柱１０の先端が緩衝ストッパー５に突き当たってそれ以上の弾性体１１の変形を抑制することができる。 なおこの場合において、路面からの衝撃により変形した弾性体１１の、路面から最も離れた側（上側）は、これに対応して逆に弾性体受容室４ａから外方に向けて突出する側に撓み変形する〔図２（Ｂ）参照〕。
【００２１】
また図３には本発明の第２実施例があらわされている。 前記の実施例１においてはサスペンション部Ｓが図１にあらわされているように車軸部２とベアリング部８との間において周方向間歇箇所（４箇所）に設けられているが、この第２実施例の場合にはサスペンション部Ｓが周方向無端状に設けられている。 これによってもサスペンション効果を得ることができる。
【００２２】
さらに図４には本発明の第３実施例があらわされている。 この場合においては車軸部１２と環状の接地部６との間に介在されるベアリング１８が前記した第１実施例では接地部６とサスペンション部Ｓとの間に介在されているのに対し、内周面を車軸部１２の外周面に直接に取り付けられることによって車軸部１２とサスペンション部Ｓとの間に介在されている。
【００２３】
すなわち先端に弾性体１１を一体に取り付けた支柱２０は、その基部を接地部６を支承するリム１７の内周面に溶接等により直接に取り付けられ、またかかる弾性体１１を受け入れる弾性体支承部４は、その支柱３をフランジ３ａによりベアリング１８の外周面に嵌め込まれる。
【００２４】
さらに図５には本発明の第４実施例があらわされている。 これはサスペンション部Ｓが既述した第１〜３実施例の場合とは反対の向きに設けられたものであり、具体的にはサスペンション部Ｓが前記した第１〜３実施例と同様に、車軸３２の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部３５ｂと、該弾性体嵌合部３５ｂの内奥方に、一定深さの弾性体受容室３５ａとを有する弾性体支承部３５とからなり、該弾性体支承部３５の支柱３７を基部３８の内周側中央部に溶接等により一体に取り付けるとともに、接地部４１のリム４０の内周面と、上記した基部３８の外周面との間に、両者の段部３８ａ・４０ａを利用してこれに係合させつつベアリング３９を介在させて取り付ける。 なお３６はゴム製の緩衝ストッパーをあらわしている。
【００２５】
一方車軸部３２の外周面側中央部には、先端に前記弾性体嵌合部３５ｂ内に嵌装可能であって、車軸部３２の長さ方向と平行であって一定幅を有するとともに、車軸部３２にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体３４を一体に取り付けた支柱３３が溶接等により一体に取りつけられ、上記弾性体３４の左右両幅端部を、前記した弾性体支承部３５ｂ内に加硫あるいは接着剤による接着によって取り付けて、接地部４１の走行時の振動衝撃を受けた際に支柱３３が弾性体受容室３５ａ内に向けて進退自在となるように構成される。 なお３２ａは車軸部の中心孔をあらわしている。
【００２６】
なお図５の第４実施例では、サスペンション部Ｓの取り付け位置に関し、車軸部３２とベアリング３９との間に介在させたが、ベアリング３９と接地部４１との間に介在させるようにしてもよい。
【００２７】
さらに、ゴム製の緩衝ストッパー５あるいは３６については、上記した第１〜第４実施例の場合を含めて、図６（Ａ）にあらわしたように、支柱１０あるいは２０または３３の各先端部に装着するようにしてもよく、また図６（Ｂ）にあらわしたように、支柱１０あるいは２０または３３の各先端部と、弾性体受容室４ａあるいは３５ａの底部との両方に対応させて装着するようにしてもよい。
【００２８】
また、弾性体１１についても、上記した第１〜第４実施例の場合を含めて、図７にあらわしたように設計変更をすることも可能である。 すなわち、図７（Ａ）にあらわしたものは、ゴムなどの弾性体の内部に、幅側に向けて等間隔毎に複数の金属板Ｐをサンドイッチ状に介在させた積層状の弾性体１１ａとすることにより、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｂ内において、幅方向に対しては比較的大きな剛性を有するにもかかわらず、上下方向（車軸部２と接地部６とを結ぶ方向）に対して比較的柔軟性を保持させて変形対応能力（ストローク増大性）を向上させつつ、幅方向のキャンパー剛性を保持させるようにしたものである。
【００２９】
さらに、第７図（Ｂ）にあらわしたものは、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｃ内に支承される弾性体１１ｂについて、弾性体嵌合部４ｃを開口側を狭めるとともに、支柱１０の弾性体４ｃを支承する部分について、これを先端部にかけて上記した弾性体嵌合部４ｃとは反対に次第に断面径を増大させて径大部１０ａとし、かかる径大部１０ａと弾性体嵌合部４ｃとの間に、これに対応する断面形状の弾性体１１ｂを介在させることによって、弾性体１１ｂのクリープ（永久変形）を減少させるようにしたものである。
【００３０】
さらに、第７図（Ｃ）にあらわしたものは、第７図（Ｂ）の逆バージョンであって、目的は同一であるが、弾性体支承部４の弾性体嵌合部４ｄ内に支承される弾性体１１ｃについて、弾性体嵌合部４ｄを開口側にかけて次第に拡開させるとともに、支柱１３を太くし、しかも該支柱１３の弾性体１１ｃを支承する部分について、これを先端部にかけて上記した弾性体嵌合部４ｄとは反対に先端にかけて次第に断面径を縮径させて径小部１３ａとし、かかる径小部１３ａと弾性体嵌合部４ｄとの間に、これに対応する断面形状の弾性体１１ｃを介在させることによって、同じく弾性体１１ｃのクリープ（永久変形）を減少させるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明における第１実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図。
【図２】図１におけるＡーＡ線矢視方向の拡大縦断面図。
【図３】本発明における第２実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＢーＢ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図４】本発明における第３実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＣーＣ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図５】本発明における第４実施例であるキャスター用車輪部分の拡大側面図（Ａ）および同図におけるＤーＤ線矢視方向の拡大縦断面図（Ｂ）。
【図６】本発明における緩衝ストッパーの取り付け位置についての別の実施例をあらわした拡大縦断面図。
【図７】本発明における弾性体の別の実施例をあらわした拡大縦断面図。
【符号の説明】
【００３２】
１ 車輪
２ 車軸部
３ 支柱
３ａ フランジ
４ 弾性体支承部
４ａ 弾性体受容室
４ｂ 弾性体嵌合部
４ｃ 弾性体嵌合部
４ｄ 弾性体嵌合部
５ 緩衝ストッパー
６ 接地部
７ リム
７ａ 段部
８ ベアリング
９ 基部
９ａ 段部
１０ 支柱
１０ａ 径大部
１１ 弾性体
１１ａ 弾性体
１１ｂ 弾性体
１１ｃ 弾性体
１２ 車軸部
１３ 支柱
１３ａ 径小部
１７ リム
１８ ベアリング
２０ 支柱
３２ 車軸
３３ 支柱
３４ 弾性体
３５ 弾性体支承部
３５ａ 弾性体受容室
３５ｂ 弾性体嵌合部
３６ 緩衝ストッパー
３７ 支柱
３８ 基部
３８ａ 段部
３９ ベアリング
４０ａ 段部
４１ 接地部
Ｓ サスペンション部
Ｐ 金属板
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車軸部の周りにベアリングを介して環状の接地部を有するキャスター用車輪において、車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を介在させ、しかも該サスペンション部は、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部と、該弾性体嵌合部の内奥方に、一定深さの弾性体受容室とを有する弾性体支承部とからなり、車軸部側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体受容室内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体嵌合部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けてなることを特徴とするキャスター用車輪。
【請求項２】
サスペンション部が周方向無端状に連続しているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項３】
サスペンション部が周方向間歇箇所に複数設けられているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項４】
車軸部と環状の接地部との間に介在されるベアリングが車軸部とサスペンション部との間に介在されているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項５】
車軸部と環状の接地部との間に介在されるベアリングがサスペンション部と接地部との間に介在されているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項６】
弾性体支承部における一定深さの弾性体受容室内奥部には緩衝ストッパーが設けられているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項７】
緩衝ストッパーは、表面に突起が形成されているところの請求項６に記載のキャスター用車輪。
【請求項１】
車軸部の周りにベアリングを介して環状の接地部を有するキャスター用車輪において、車軸部とベアリングとの間、又はベアリングと接地部との間にサスペンション部を介在させ、しかも該サスペンション部は、車軸の長さ方向と平行な一定幅を有する弾性体嵌合部と、該弾性体嵌合部の内奥方に、一定深さの弾性体受容室とを有する弾性体支承部とからなり、車軸部側外周面あるいは接地部側内周面の何れか一方に上記弾性体支承部を取り付け、さらに他方側には先端を上記弾性体受容室内に向けて進退自在とした支柱の基部を取り付け、さらに該支柱の先端には前記弾性体嵌合部内に嵌装可能であって、車軸の長さ方向に向けた一定幅を有するとともに、車軸部にかかる荷重を十分に支えることが可能な厚みを有する弾性体を取り付けてなることを特徴とするキャスター用車輪。
【請求項２】
サスペンション部が周方向無端状に連続しているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項３】
サスペンション部が周方向間歇箇所に複数設けられているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項４】
車軸部と環状の接地部との間に介在されるベアリングが車軸部とサスペンション部との間に介在されているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項５】
車軸部と環状の接地部との間に介在されるベアリングがサスペンション部と接地部との間に介在されているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項６】
弾性体支承部における一定深さの弾性体受容室内奥部には緩衝ストッパーが設けられているところの請求項１に記載のキャスター用車輪。
【請求項７】
緩衝ストッパーは、表面に突起が形成されているところの請求項６に記載のキャスター用車輪。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００６−２９０１０５（Ｐ２００６−２９０１０５Ａ）
【公開日】平成１８年１０月２６日（２００６．１０．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１１２１２３（Ｐ２００５−１１２１２３）
【出願日】平成１７年４月８日（２００５．４．８）
【出願人】（０００１１０２５１）トピー工業株式会社 (255)
【出願人】（５９１１５９０５５）トヨタテクノクラフト株式会社 (19)
【公開日】平成１８年１０月２６日（２００６．１０．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年４月８日（２００５．４．８）
【出願人】（０００１１０２５１）トピー工業株式会社 (255)
【出願人】（５９１１５９０５５）トヨタテクノクラフト株式会社 (19)
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