説明

キャッピング装置

【課題】キャップ供給シュートEの高さ調整を簡単に行えるようにする。
【解決手段】容器載置台4とその上方に配置されたキャッピングヘッド8とを備え、キャップ供給シュートEからキャップディスクFに供給されたキャップ6をキャッピングヘッド8により保持して容器2にキャッピングを行うようになっており、キャップ6を装着される容器2のサイズが変わった時には、キャッピングヘッド8およびキャップディスクFの高さを変更する。キャップ供給シュートEは、搬送路上のキャップ6にエアを吹き付けて移動させるようになっており、この搬送路が、上流側の支点126を中心に上下に揺動でき、キャップディスクFの高さに応じて揺動させて搬送路の下流側の高さを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッピングヘッドがキャップディスクから受け取ったキャップを容器に装着するキャッピング装置に係り、特に、キャップディスクにキャップを供給するキャップ供給シュートの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロータリー式のキャッピング装置は、回転体の外周に円周方向等間隔で設けられ、容器を載せて回転搬送する複数のびん台と、これらびん台上の容器を支持する容器支持手段と、前記各びん台の上方にそれぞれ対応して設けられ、びん台上の容器にキャップを装着するキャッピングヘッドと、このキャッピングヘッドにキャップを受け渡すキャップディスクと、このキャップディスクへ連続的にキャップを送り出すキャップ供給シュート等を備えている。
【0003】
キャップ供給シュートから送り出されてきたキャップをキャップディスクで受け取り、このキャップディスクが回転移送してキャッピングヘッドの下方へキャップを供給する。キャッピングヘッドは昇降可能になっており、下降してキャップディスク上のキャップを保持した後一旦上昇し、その後、再度下降して前記びん台上の容器に装着する。
【0004】
このようなキャッピング装置を異なるサイズの容器に兼用するために、キャッピングヘッドの高さとキャップディスクの高さを調整可能としたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。ところがキャップディスクの高さを変更すると、このキャップディスクにキャップを供給するキャップ供給シュートの出口側の高さを調整しなければならない。そこで従来は、キャップ供給シュートの先端部側を着脱可能にし、キャップディスクの高さに応じたシュート先端部を取り付けるようにしていた。
【特許文献1】特開2006−89113号公報(第3−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のようにキャップ供給シュートの先端部を着脱可能にして、キャップディスクの高さの変更に応じて適宜の先端部を選択し取り付けるようにした場合には、複数種類のシュート先端部を用意しておかなければならずコスト高であり、また、これら多数のシュート先端部を保管するための大きいスペースが必要であり、しかも、シュート先端部を付け替えるためのボルトの脱着等の作業に時間がかかるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、供給される容器を支持する容器支持手段と、キャップを保持して前記容器に装着するキャッピングヘッドと、キャップを供給するキャップ供給シュートと、このキャップ供給シュートから供給されたキャップを受け取ってキャッピングヘッドの下方へ移送するキャップディスクと、このキャップディスクを容器の高さに応じて昇降させる昇降手段とを備えたキャッピング装置において、前記キャップ供給シュートが、キャップを搬送する搬送路と、搬送路上のキャップを下流側へ移動させる移動手段とを備え、かつ、前記搬送路を上流に配置した支点を介して上下に揺動可能に構成し、型替え作業を行う際には、前記搬送路の下流側の高さを、前記キャップディスクの昇降に応じて調整することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
キャップ供給シュートの搬送路の下流部を、上流側の支点を中心にして上下に揺動可能にし、キャッピングヘッドおよびキャップディスクを昇降させた時には、このキャップディスクに合わせて搬送路の下流側の高さを調整するようにしたので、キャップ供給シュートの先端部を交換する必要が無く、高さ調整を容易に行うことができ、しかも、作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
容器支持手段によって支持された容器に、キャッピングヘッドがキャップディスクから受け取ったキャップを装着する。キャップディスクにはキャップ供給シュートからキャップが供給される。キャップ供給シュートはキャップを搬送する搬送路と、この搬送路にあるキャップを移動させる移動手段を有しており、前記搬送路の下流部がその上流に配置した支点を中心に上下に揺動できるようになっている。キャッピングを行う容器のサイズが変更になった時には型替えを行う、つまり、容器の高さに応じてキャッピングヘッドの高さと、キャップディスクの高さを調節するが、このときに、搬送路を上流側の支点を中心に揺動させてその下流側の出口の高さがキャップディスクの高さに合うように調整する。この構成により、キャップ供給シュートのキャップディスクに対する高さの調整を容易にするとともに、作業性を向上させるという目的を達成する。
【実施例1】
【0009】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るキャッピング装置の全体の配置を簡略化して示す平面図、図2は前記キャッピング装置の構成を示す縦断面図である。容器搬送コンベヤAによって搬送されてきた容器2(図2参照)は、インフィードスクリューBによって所定の間隔に切り離された後、供給スターホイールCを介してキャッピング装置Dに導入され、容器載置台4上に載せられて回転搬送される。この容器2に装着されるキャップ6は、キャップ供給シュートEからキャップディスクFに供給され、キャップディスクFの回転によってキャッピング装置D内のキャッピングヘッド8に受け渡される。前記容器載置台4とキャッピングヘッド8とは上下の位置が一致した状態で回転移動(公転)し、回転中にキャッピングヘッド8が下降しつつ回転(自転)することにより保持しているキャップ6を容器2の口部に装着する。キャップ6が装着された容器2は、排出スターホイールGを介して前記容器搬送コンベヤA上に排出されて次の工程に送られる。なお、この実施例では、前記供給スターホイールCが、キャップディスクFと同一の回転軸に支持されて、上下に重なり合って配置されている。
【0010】
次に、図2によりキャッピング装置Dの構成について説明する。このキャッピング装置Dは、容器2を載せて回転搬送する容器載置台4およびこの容器載置台4上の容器2にキャップ6を装着するキャッピングヘッド8等を備えたキャッパ本体10と、キャッパ本体10のキャッピングヘッド8にキャップ6を供給するキャップ供給機構12とを備えている。
【0011】
先ず、キャッパ本体10の構成について説明する。ベース14上に固定された環状の支持ブロック16の内部側に、円筒状の固定軸18が配置されており、この固定軸18の外周に、直立した円筒状の回転軸20が嵌合され、前記支持ブロック16内のベアリング16aにより回転自在に支持されている。この円筒状回転軸20の上部外周に外筒22が嵌合している。この外筒22と円筒状回転軸20とは、キー24を介して連結されており、一体的に回転するとともに、外筒22が円筒状回転軸20に対して昇降できるようになっている。
【0012】
前記円筒状回転軸20の下部寄りに回転テーブル26が固定され、この回転テーブル26上に円周方向等間隔で、容器載置台4が設けられている。各容器載置台4には、このキャッピング装置Dの上流側に配置されている充填装置(図示せず)によって液体が充填された容器2が、容器搬送コンベヤAによって搬送され、前記入口ホイールCを介して導入される。
【0013】
外筒22の上端には、この外筒22および前記円筒状回転軸20と一体的に回転する回転体28が取付けられており、この回転体28に円周方向等間隔で複数のキャッピングヘッド8が支持されている。各キャッピングヘッド8は、回転体28の上面に固定されたサーボモータ30によって回転される。これらキャッピングヘッド8は、前記サーボモータ30とスプライン軸32を介して連結されており、回転体28に対して昇降できるようになっている。キャッピングヘッド8の上部内周側にはカムフォロア34が取り付けられており、このカムフォロア34が、これらキャッピングヘッド8の内周側に配置された円筒カム36のカム面に沿って移動することにより、キャッピングヘッド8が昇降する。
【0014】
これら各キャッピングヘッド8は、前記回転テーブル26に設けられている各容器載置台4と円周方向の位置が一致しており、円筒状回転軸20の回転に伴って、各キャッピングヘッド8と各容器載置台4とが一体的に回転する。キャッピングヘッド8の下端にはキャップ6を保持するチャック38が設けられており、キャッピングヘッド8と容器載置台4上の容器2が一体的に回転(公転)しつつ、キャッピングヘッド8がサーボモータ30によって回転(自転)するとともに、前記円筒カム36によって昇降し、チャック38が保持しているキャップ6を前記容器2に装着する。
【0015】
また、外筒22の下端部寄りには、ネック支持ガイド40が取り付けられている。このネック支持ガイド40は、前記容器載置台4上の容器2にキャッピングを行う際に、容器2の首部を支持するようになっている。従って、このネック支持ガイド40は、容器載置台4が設けられている回転テーブル26よりも上方で、かつ、キャッピングヘッド8よりも下方に位置している。
【0016】
キャッパ本体10の中心部に直立して固定された前記円筒状固定軸18の内部に、昇降用の駆動軸42が回転可能に挿通されている。この昇降用駆動軸42の上端に、内面に雌ねじが形成されたナット44が固定されている。また、前記回転体28の上部プレート46の中央に形成された孔46a内を上下に貫通して、カップ状の筒体48が配置されている。このカップ状筒体48は、底部48aを上方に向けており、その下端には前記円筒カム36が取り付けられている。回転体28の上部プレート46を貫通しているカップ状筒体48は、上部プレート46の孔46a内に嵌着されたベアリング50を介して保持されており、回転体28は、このカップ状筒体48の周囲を回転するとともに、カップ状筒体48と一体的に昇降するようになっている。
【0017】
前記カップ状筒体48の底面(上端面)48aに、外面に雄ねじが形成されたねじ軸52が鉛直方向を向けて固定され、前記雌ねじを有するナット44に螺合している。一方、昇降用駆動軸42の下端部に、ウオームホイール54が固定され、このウオームホイール54に、駆動モーター(図示せず)によって回転される水平回転軸に設けられたウオーム60が噛み合っており、駆動モーターの回転が減速されて昇降用駆動軸42に伝達されてこの昇降用駆動軸42が回転する。昇降用駆動軸42が回転すると、この昇降用駆動軸42の上端に取り付けられたナット44に螺合するねじ軸52が昇降し、このねじ軸52が固定されているカップ状筒体48が昇降する。カップ状筒体48の昇降により、回転体28に設けられているキャッピングヘッド8および外筒22に固定されたネック支持ガイド40が一体的に昇降し、円筒状回転軸20に固定された下方の容器載置台4との距離を変更することができる。
【0018】
前記キャッパ本体10に隣接してキャップ供給機構12が設けられている。このキャップ供給機構12も、直立した中心軸62がベース14を貫通して配置され、その外周に、円筒状回転軸64(以下、第2円筒状回転軸と呼ぶ)が間隙を隔てて嵌合されている。この第2の円筒状回転軸64は、ベース14上に固定された環状の支持ブロック66に保持されたベアリング66aを介して回転自在に支持されている。
【0019】
第2の円筒状回転軸64の上部にカップ状の外筒68(以下、第2外筒と呼ぶ)が嵌合され、キー70を介して連結されており、第2円筒状回転軸64と第2外筒68とが一体的に回転するとともに、第2外筒68が第2円筒状回転軸64に対して昇降できるようになっている。この第2外筒68の中間部の外周に、キャップ供給ディスクFが固定されている。このキャップ供給ディスクFには、シュートEから送り出されたキャップ6が順次載せられ、回転移動して前記キャッピングヘッド8に供給する。従って、このキャップ供給ディスクFは、前記キャッピングヘッド8のチャック38とネック支持ガイド40との間の高さに位置している。また、第2外筒68の下端部の外周に前記供給スターホイールCが取り付けられており、この供給スターホイールCとその上方に配置されているキャップ供給ディスクFとは一体的に回転する。
【0020】
前記中心軸62は、上端が第2外筒68の底面(上端面)68aにベアリング76を介して回転自在に保持されている。また、この中心軸62は、下端部の外周面に雄ねじが形成されている。この中心軸62の下端部の外周にウオームホイール78が間隙を隔てて嵌合し、このウオームホイール78の上面に、内周に雌ねじが形成されたナット80が固定されて前記中心軸62の雄ねじに螺合している。ウオームホイール78には、前記駆動モーターの回転が伝達される第2水平回転軸(図示せず)に設けられたウオーム84が噛み合っている。
【0021】
前記ウオームホイール78とナット80およびウオームホイール78に噛み合うウオーム84を囲んでウオームケース86が設けられている。このウオームケース86は、前記中心軸62とキー88を介して連結されており、中心軸62はこのウオームケース86によって回転を規制されるとともに、昇降できるようになっている。従って、ウオーム84の回転によってウオームホイール78が回転すると、ナット80が一体的に回転し、このナット80の雌ねじに螺合している中心軸62が昇降する。この中心軸62の昇降に伴って、第2外筒68および第2外筒68に固定されているキャップ供給ディスク72が、第2円筒状回転軸64に対して昇降する。
【0022】
前記キャッパ本体10の第1円筒状回転軸20の下部外周と、キャップ供給機構12の第2円筒状回転軸64の下部外周にそれぞれ大径の歯車90、92が固定されて互いに噛み合っている。これらの大径歯車90、92の一方に図示しない駆動源からの駆動力によって回転される駆動歯車が噛み合っており、両円筒状回転軸20、64が同期して回転するようになっている。
【0023】
次に、図3ないし図6によりキャップ供給シュートEの構成について説明する。キャップ供給シュートEは、上流部(図3の左側)が固定され、下流部がキャップディスクFの高さに応じて高さを調整できるようになっており、その中間の部分が傾斜することにより上流部と下流部との高さを調整する角度調整部になっている。キャップ供給シュートEの上流部100は、直立した支柱106上に水平な状態で固定されている(以下、上流側水平部と呼ぶ)。このキャップ供給シュートEの上流側水平部100の下流端に、傾斜角度調整部102の上流端が連結され、さらに、この傾斜角度調整部102の下流端に下流側水平部104の上流端が連結されている。
【0024】
このキャップ供給シュートEは、キャップ6にエアを吹き付けることによってキャップ6を上流側から下流側に移動させるようになっており、上流側水平部100、傾斜角度調整部102および下流側水平部104の全長に亘るダクト(全体として符号108で示す)を備えている。ダクト108は、前記各部100、102、104に対応して分割され(ダクト108の分割された部分をそれぞれ108A、108B、108Cで示す)、同様に分割されたフレーム110(110A、110B、110C)上に設置されて連続するとともに、前記各部100、102、104の接続部で相対回動できるようになっている。ダクト108は、周囲を囲まれたエア通路の上部に、エアを上方に向かって吹き出す多数のエア吹き出し口111(図4および図5参照)が設けられた上部プレート112(112A、112B、112C)を備えている。これらエア吹き出し口111は、上部プレート112A、112B、112C上のキャップ6を上流側から下流側へ移動させるように、上面側の開口を下流方向へ向けて形成されている。ダクト108の、上流側水平部100、傾斜角度調整部102および下流側水平部104に位置している各部分108A、108B、108C内に、ブロア114からそれぞれ配管114A、114B、114Cを介してエアが導入されるようになっている。前記上部プレート112(112A、112B、112C)上がキャップ6の搬送路になっている。
【0025】
また、ダクト108およびダクト108上のキャップ搬送路を囲んで、埃等の進入を防ぐためのカバー116(図3および図6参照)が設けられており、このカバー116の内面側に、吹き出されるエアによって移動するキャップ6を案内する天面ガイド118と両側の側面ガイド120、122が設けられている。なお、これら天面ガイド118および両側面ガイド120、122の位置は、キャップ6のサイズに応じて変更可能である。
【0026】
上流側水平部100の下流端に接続された傾斜角度調整部102の上流端は、直立した支柱124上に設けられた水平な支点ピン126に支持されており、この支点ピン126を中心に下流側を上下に揺動できるようになっている。上流側水平部100の上部プレート112Aと傾斜角度調整部102の上部プレート112Bとの接続部は、図5に示すように、上流側水平部100の上部プレート112Aの下流端112Aaが凸形状で、傾斜角度調整部102の上部プレート112Bの上流端112Baが凹形状になっており、これら両先端部112Aa、112Baの凹凸が間隙を有する状態で互いに対向している。この間隙により、両上部プレート112A、112Bが相対的に回動できるようにになっている。また、搬送中のキャップ6が接続部(112Aa、112Ba)に引っ掛かって停止してしまわないように、上流側水平部100の凸形状の部分にもエア吹き出し口111が設けられている。
【0027】
また、傾斜角度調整部102の下流端と下流側水平部104の上流端との間は、ヒンジ構造128によって連結されており、上下方向に相対回動できるようになっている。下流側水平部104の下流端は、揺動機構130に取り付けられており、水平な状態を維持したまま昇降できるようになっている。揺動機構130は、直立した支柱132の下部に取り付けられた水平な支持板134に、ベアリングを介して回転可能に支持されたねじ軸136と、前記支柱132の上端にブロック138を介して昇降可能に、かつ回転を規制されて支持されたナット140とを有しており、前記ねじ軸136の下端に固定した従動傘歯車142に、水平な駆動軸(図示しない)の先端に固定した駆動傘歯車144が噛み合い、水平駆動軸の回転に伴い、垂直なねじ軸136が回転することによってナット138が昇降することにより下流側水平部104が水平な状態のまま昇降する。この下流側水平部104の昇降に伴い、傾斜角度調整部102の下端部が昇降してその傾斜角度を調整する。なお、傾斜角度調整部102のダクト108Bの上部プレート112Bと、下流側水平部104のダクト108Cの上部プレート(図示せず)との間も、上流側水平部100と傾斜角度調整部102の間と同様に、上部プレート同士が間隙を有する凹凸形状で対向している。
【0028】
前記構成にかかるキャッピング装置Dの作動について説明する。上流側のフィラー(図示せず)において液体が充填された容器2は、容器搬送コンベヤAによって搬送されてこのキャッピング装置Dに供給される。キャッピング装置Dまで搬送された容器2は、インフィードスクリューBによって所定の間隔に切り離された後、供給スターホイールCを介してキャッピング装置D内に導入され、キャッパ本体10の回転テーブル26に設けられている容器載置台4上に載せられる。
【0029】
回転テーブル26に設けられている容器載置台4と、その上方の回転体28に設けられているキャッピングヘッド8とが上下の位置を一致させて回転移動しており、前記供給スターホイールCから容器2が供給されるとともに、キャップ供給シュートEからキャップ供給ディスクFに供給されたキャップ6が、キャッピングヘッド8に受け渡される。キャップ供給シュートEは、ダクト108の、上流側水平部100の上部プレート112A上にキャップ6が載せられるようになっており、この上部プレート112Aに載せられたキャップ6は、ダクト108からエア吹き出し口111を介して吹き出されたエアによって下流側に移動される。エア吹き出し口111から吹き出されたエアによって下面の斜め後方側から押されたキャップ6は、上部プレート112(112A、112B、112C)から浮き上がり、天面ガイド118に案内されて前進する。
【0030】
エアによって押されて前進するキャップ6は、キャップ供給シュートEの上流側水平部100、傾斜角度調整部102および下流側水平部104を順次通過してキャップディスクF上に送り出される。キャップ供給シュートEから供給されたキャップ6を受け取ったキャップディスクFは、前記キャッパ本体10の回転テーブル26および回転体28と同期して回転している供給スターホイールCと一体的に回転しており、供給スターホイールCから容器載置台4に容器2が供給されると同時に、この容器載置台4に対応するキャッピングヘッド8がキャップディスクF上に到達する。キャッピングヘッド8がキャップディスクF上に到達すると、下降してその下端に設けられているチャック38がキャップ6を掴む。チャック38によってキャップ6を掴んだキャッピングヘッド8は、一旦上昇した後、再び下降して容器2の口部にこのキャップ6を装着する。キャップ6を装着された容器2は、排出スターホイールGの位置に到達すると、この排出スターホイールGによって取り出されて容器搬送コンベヤA上に排出される。
【0031】
キャッピングを行う容器2のサイズが変更になった場合には、型替え、つまり、その容器2の高さに応じて、キャッピングヘッド8の高さおよびネック支持ガイド40の高さを調整する。また、キャッピングヘッド8の高さの変更に連動してキャップディスクFの高さも変更する。これらキャッピングヘッド8およびキャップディスクFの高さの変更過程は、前記特許文献1と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0032】
このようにしてキャップディスクFの高さを変更した場合には、キャップ供給シュートEの出口側の高さを変更する必要がある。この場合には、揺動機構130の駆動傘歯車144が取り付けられている駆動軸(図示せず)を回転させ、従動傘歯車142を回転させる。従動傘歯車142の回転によってねじ軸136が回転し、このねじ軸136に螺合しているナット140が、回転を規制されているので昇降する。ナット140の昇降によって、キャップ供給シュートEの下流側水平部104が水平な状態を維持したまま昇降する。この下流側水平部104の上流端に連結されている傾斜角度調整部102は、上流端が上流側水平部100の下流端に支点ピン126を介して連結されており、この支点ピン126を中心に下流側が上昇または下降し、キャップディスクFの高さに対応して所定の高さに調整した下流側水平部104に追従する。本実施例の構成では、キャップ供給シュートEの出口側の高さを変更する場合に、このシュートEの下流端を別の形状のものに交換する必要はなく、簡単な操作で調整することができる。なお、キャップ供給シュートEの下流側水平部104を昇降させる際の駆動は、キャッピングヘッド8およびキャップディスクFの昇降機構に接続して連動させても良く、別個に駆動モータを設置しても良い。また、手動によって昇降させるようにしても良い。さらに、前記実施例では、キャップ供給シュートEでのキャップ移動手段としてダクトから吹き出されるエアを用いたが、エアによる搬送に限るものではなく、例えば、搬送路の両側に回転ベルトを配置し、これらベルトによりキャップを両側から挟んで移動させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例に係るキャッピング装置の全体の配置を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】前記キャッピング装置の縦断面図である。
【図3】キャップ供給シュート要部を示す側面図である。
【図4】キャップ供給シュートのキャップを移動させる構成を示す説明図である。
【図5】キャップ供給シュートの連結部の構成を示す平面図である。
【図6】キャップ供給シュートの横断面図である。
【符号の説明】
【0034】
E キャップ供給シュート
F キャップディスク
2 容器
6 キャップ
8 キャッピングヘッド
40 容器支持手段(ネック支持ガイド)
62 ねじ軸(昇降手段)
80 ナット(昇降手段)
108 移動手段(ダクト)
110 移動手段(エア吹き出し口)
112 搬送路(上部プレート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される容器を支持する容器支持手段と、キャップを保持して前記容器に装着するキャッピングヘッドと、キャップを供給するキャップ供給シュートと、このキャップ供給シュートから供給されたキャップを受け取ってキャッピングヘッドの下方へ移送するキャップディスクと、このキャップディスクを容器の高さに応じて昇降させる昇降手段とを備えたキャッピング装置において、
前記キャップ供給シュートが、キャップを搬送する搬送路と、搬送路上のキャップを下流側へ移動させる移動手段とを備え、かつ、前記搬送路を上流に配置した支点を介して上下に揺動可能に構成し、
型替え作業を行う際には、前記搬送路の下流側の高さを、前記キャップディスクの昇降に応じて調整することを特徴とするキャッピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−37486(P2008−37486A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217476(P2006−217476)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】