説明

キャップの開封器具

【課題】 所望の形状を有する器具基体の両端部に内径の異なるキャップ挟み部を設け、該キャップ挟み部でボトルのキャップを挟んで締め付け、器具基体を回転させることにより、キャップを回転させるようにした開封器具を提供すること。
【解決手段】 器具基体と、変形可能なキャップ挟み部と把持部とからなる開封器具であって、キャップ挟み部をキャップに嵌挿し、把持部を握り込むことによりキャップを挟んで締め付け、開封器具を回転させてキャップを回転させるようにしたことを特徴とするキャップの開封器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル口部のキャップなどの開封器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボトル口部に強固に螺着したキャップを簡単に開封するために、ボトル口部のキャップに嵌挿して、キャップを回転させて開封する開封器具は従来より知られている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1記載の開封器具は、把持するのに適した所望の形状を有する板状の本体の一部に、内周面にローレットを形成した開口部を穿設し、該開口部をボトルのキャップに嵌挿して本体を回転させることにより、キャップを回転させている。
【特許文献1】実登3065539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の開封器具では、キャップ自体にローレットが形成されていないと開封器具が空回転してしまい、金属製のキャップ、例えばドリンク栄養剤などのローレットが形成されていないものでは開封することができなかった。
また、開口部の内径とキャップの外形が異なる時には使用できなかった。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決することを課題とし、所望の形状を有する器具基体の両端部に内径の異なるキャップ挟み部を設け、該キャップ挟み部でボトルのキャップを挟んで締め付け、器具基体を回転させることにより、キャップを回転させるようにした開封器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決することを課題として、キャップの開封器具として、器具基体と、変形可能なキャップ挟み部と把持部とからなる開封器具であって、キャップ挟み部をキャップに嵌挿し、把持部を握り込むことによりキャップを挟んで締め付け、開封器具を回転させてキャップを回転させるようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【0007】
開封器具の一実施例として、器具基体と、該器具基体の端部に連設された円弧状のキャップ挟み部と、該キャップ挟み部の円弧先端に連設された把持部とからなり、把持部が、器具基体の側部との間に一定の間隙をおくように配設され、キャップ挟み部の内周を縮径可能としていることを特徴とする構成を採用し、把持部の実施例として、把持部が、両端のキャップ挟み部に連設された二つの握り片とからなっていることを特徴とする構成、または、二つの握り片が、上下に配設され、その端部がキャップ挟み部近くまで延びていることを特徴とする構成を採用する
【0008】
開封器具の他の実施例として、器具基体の両側を押圧変形可能な把持部とし、キャップ挟み部を締め付け可能としたことを特徴とする構成を採用し、少なくとも一方の把持部の中間に切込み部を設け、把持部が屈曲可能となっていることを特徴とする構成を付加する。
【0009】
キャップ挟み部の実施例として、器具基体の両端に内周の径が異なるキャップ挟み部を設けたことを特徴とする構成を採用し、また、キャップ挟み部の内周面内側に切込み部を設け、内周が切込み部を軸にして変形するようにしたことを特徴とする構成を付加する。
【0010】
開封器具の素材の実施例として、開封器具が柔軟性を有する合成樹脂によって成形されいていることを特徴とする構成を採用する。
【0011】
キャップ挟み部の別実施例として、キャップ挟み部の両端部近傍に、内周面に続くように凸部あるいは凹部を設け、両端部の凸部あるいは凹部を接合することにより、強制的にキャップ挟み部の内周面が変形されることを特徴とする構成、または、キャップ挟み部の両端部の一方に、他方の内周面端部の内方に係合するように形成された凸部を設け、該凸部が他方の内周面端部の内方に接合することにより、強制的にキャップ挟み部の内周面が変形されることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
所望の形状の把持部を有する器具基体にキャップ挟み部を設け、該キャップ挟み部でボトルのキャップを挟んで締め付け、器具基体を回転させることにより、キャップが簡単に回転できるようになった。
キャップを挟み込むので、例えば、ローレットのないキャップにも簡単に使用できるようになった。
【0013】
また、径の違うキャップ挟み部を設けることで、キャップの径に合わせてキャップ挟み部を合わせて使用することができ、いろいろなキャップに対応できるようになった。
さらにまた、キャップ挟み部を両側から押圧変形させて、キャップを挟み込むようにした場合、キャップの径が少々異なっていても対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の開封器具の実施形態について実施例をあげて説明する。
【実施例1】
【0015】
本実施例の開封器具は、両端にキャップ挟み部を設け、両側を把持部とし、全体がほぼ楕円形状に形成され、合成樹脂によって成形されたものである。
【0016】
図1において、Aは、ほぼ長方形の器具基体、Bは、器具基体Aの両端に連設された円弧状の帯状板から形成されたキャップ挟み部で、内径の違う大径挟み部B1と小径挟み部B2とからなっている。
Cは、キャップ挟み部Bの円弧端部に連設された把持部で、小径挟み部B2から器具基体Aの前側に延びた前側握り片C1と、大径挟み部B1から器具基体Aの後側に延びた後側握り片C2とからなっている。
【0017】
把持部Cは、器具基体Aとの間には、一定の隙間ができるようにキャップ挟み部Bから延びており、把持部Cを器具基体A方向に握り込めるようになっている。
【0018】
器具基体Aは、ほぼ長方形の一定の厚さの板状の基体部1によって構成され、基体部1の側周は前側面2aと後側面2b、右側部2cと左側部2dとからなっている。
右側部2cには、大径挟み部B1が反時計方向に延びるように連設され、前側面2a側に大径挟み部B1の外周面3b、後側面2b側には大径挟み部B1の内周面3aが連設されている。
【0019】
左側部2dには、小径挟み部B2が反時計方向に延びるように連設され、前側面2a側に小径挟み部B2の内周面3a、後側面2b側には小径挟み部B2の外周面3bが連設されている。
【0020】
キャップ挟み部Bの内周面3aに滑り止め部4として、ローレットまたは、一定の間隔をおいて配設された縦リブが設けられており、開封方向に回転させたときに、空回転を防止できるようになっている。
【0021】
把持部Cは、キャップ挟み部Bの帯状板より広巾となっており、キャップ挟み部Bの円弧端部の内周面3aから延長された内側面5aと外周面3bから延長された外側面5bを具えている。
把持部Cの内側面5aは、器具基体Aとほぼ一定の間隙を置いて延びており、外側面5bの先端部には、把持時に手指が滑らないように滑り止めが設けられている。
【0022】
次に、本実施例の開封器具の作用効果について説明する。
図2(a)に示すように、キャップ挟み部BをキャップDに被せ、ボトルのキャップDの外周を、キャップ挟み部Bの内周で把持し、把持部Cを内方に握り込むことにより、図2(b)に示すように、キャップ挟み部Bの内周面3aが縮径され、キャップD外周を圧接して挟み締め付ける。
【0023】
その際、キャップD外周の径により、キャップ挟み部Bの大径挟み部B1と小径挟み部B2のいずれかを選択することにより、キャップDの外径に対応してより確実に挟み込むことができる。
【0024】
把持部Cを握ったまま、キャップDを軸として開封器具を開封方向に回転させることにより、キャップ挟み部B内周がキャップD外周に圧接して締め付けているので、キャップDも回転することとなり、簡単にキャップDを開封することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例1の把持部と器具基体の構成、材質を変えた、第2実施例について説明する。
本実施例の開封器具は、両端に挟み部を設け、前側を把持部、後側を器具の器具基体とし、全体がほぼ楕円形状に形成されたものである。
【0026】
開封器具の素材として、柔軟性を有する合成樹脂、合成ゴム等が用いられ、挟み部が比較的容易に変形可能となっている。
【0027】
図3において、Aaは、開封器具の後側となる器具基体、Baは、器具基体Aaの両端に連設された円弧状の帯状板から形成されたキャップ挟み部で、内径の違う大径挟み部Ba1と小径挟み部Ba2とからなっている。
Caは、キャップ挟み部Baの大径挟み部Ba1から連設された握り片Ca1と、小径挟み部Ba2から連設された握り片Ca2からなり、中央が切り欠かれた形で開封器具の前側を形成している把持部である。
【0028】
器具基体Aaは、一定の厚さの板状の基体部11によって構成され、基体部11の側周は前側面12aと開封器具の後側となる後側面12b、右側部12cと左側部12dとからなっている。
【0029】
キャップ挟み部Baは、内周面13aと外周面13bを具えた円弧状の帯状板によって形成されており、端部14a、14bは、器具基体Aaと把持部Caの内側面から突出している。
内周面13aの所定の位置には切込み部15が配設され、把持部Caを器具基体Aa側に握り込んだ時に、切込み部15を軸として屈曲し、キャップ挟み部Baの内周が変形されるようになっている。
【0030】
把持部Caは、キャップ摘み部Baに連設されており、大径挟み部Ba1の外周面13bからほぼ器具基体Aaの軸線方向に延びる前側面16を具えた握り片Ca1が連設されている。
また、小径挟み部Ba2の外周面13bからほぼ器具基体Aaの軸線方向に延びる前側面16を具えた握り片Ca2が連設されている。
【0031】
握り片Ca1の端部と握り片Ca2の端部との間には、一定の間隙17が形成されている。
【0032】
器具基体Aaの後側面12bと、各キャップ挟み部Ba1、Ba2の外周面13bと、各握り片Ca1、Ca2の前側面16は、連続して開封器具の楕円弧状の外周となるように形成されている。
【0033】
次に、本実施例の開封器具の作用効果について説明する。
ボトルのキャップの外周を、キャップの外周の径に応じて、キャップ挟み部Baの大径挟み部Ba1と小径挟み部Ba2のいずれかを選択してキャップ挟み部Baをキャップに被せ、キャップをその内周面13a内に挿入し、選択したキャップ挟み部Baに連設された任意の把持部Caの握り片C1a、または握り片C2aを器具基体Aa側に握り込むことにより、キャップ挟み部Baの内周の切込み部15を軸として屈曲変形され、キャップの外周を圧接して締め付けることができる。
【0034】
また、キャップ挟み部Baの内周面13aに切込み部15を設けたことにより、弱い力でもキャップ挟み部Baを屈曲変形させ、内周を変形縮径させることができる。
【0035】
把持部Caを握ったまま、キャップを軸に開封器具を開封方向に回転させることにより、キャップ挟み部Ba内周がキャップ外周と圧接して挟み締め付けているので、キャップも回転することとなり、簡単にキャップを開封することができる。
【0036】
本実施例では、キャップの外周の径により、キャップ挟み部Baの大径挟み部Ba1と小径挟み部Ba2のいずれかを選択して、キャップ挟み部Baに連設された把持部Caの握り片Ca1または、握り片Ca2を器具基体Aa側に握り込んだが、両方の把持部Caを握り込んでも構わない。
【実施例3】
【0037】
次に、実施例2の把持部に関して構成を変えた第3実施例について説明する。
図4において、Abは、開封器具の後側となる器具基体、Bbは、器具基体Abの両端に連設された円弧状の帯状板から形成されたキャップ挟み部で、内径の違う大径挟み部Bb1と小径挟み部Bb2とからなっている。
Cbは、キャップ挟み部Bbの大径挟み部Bb1の外周面の下半分から連設された下側握り片Cb1と、小径挟み部Bb2から外周面の上半分から連設された握り片Cb2とからなり、互いに開封器具Abの前側で交差するように形成された把持部である。
【0038】
開封器具Abは、前実施例と同様に柔軟性を有する合成樹脂、ゴム等の素材から成形され、器具基体、キャップ挟み部は、前実施例のものと比較して、ほぼ2倍の肉厚を有している。
それ以外の構成は、実施例2と同様であるので説明は簡略にする。
【0039】
図4に示すように、把持部Cbの下側握り片Cb1は、大径挟み部Bb1外周面の前面部18と、外周面端部19の上下の中間部18a、19aの下方から斜め前方に延びるように連設され、上側握り片Cb2は、小径挟み部Bb2の外周面の前面部18と、外周面端部19の上下の中間部18b、19bの上方から斜め前方に延びるように連設されている。
【0040】
それぞれの握り片Cb1、Cb2の先端は、対向するキャップ挟み部Bb1、Bb2近くまで達しており、開封器具Abの前側の中央付近で下側握り片Cb1と上側握り片Cb2は交差するように延びている。
【0041】
本実施例の作用効果として、左右のキャップ挟み部Bbに、下側握り片Cb1と上側握り片Cb2とを連設し、器具基体Ab前方の中央付近で交差するように形成されているので、実施例2に比べ、把持部Cbを長く延ばして形成することができる。
このことにより、キャップを挟んで握る際に、キャップ挟み部Bbの曲がる支点からの距離が遠くなり、より少ない力で確実に挟み込むことができる。
また、キャップを挟んで回転させる際に、キャップからより遠い位置で握ることができ、キャップを軸として少ない力で回転させることができる。
【実施例4】
【0042】
次に、開封器具自体の構成を変えた第4実施例について説明する。
本実施例の開封器具は、両端に挟み部を設け、前後を把持部とし、全体がほぼ楕円形の板状で、中央部を中抜きに形成したものである。
図5において、Eは、開封器具の前側となる前把持部E1と、開封器具の後側となる後把持部E2からなる把持部であって、器具基体部を構成している。
Bcは、前後の把持部E1、E2の両端に連設された円弧状の帯状板から形成されたキャップ挟み部で、内径の違う大径挟み部Bc1と小径挟み部Bc2とからなっている。
【0043】
図5に示すように、前把持部E1と後把持部E2の前後側は、それぞれ開封器具の内周面となる内側面21aと、外周面となる外側面21bを前後対称に具備しており、内側面21aの中央部には、切欠部22が設けられ、外側面21bの中央部には、滑り止め部が設けられている。
【0044】
大径挟み部Bc1は、前後の把持部E1、E2の右側に連設され、内周面23aと外周面23bを具えた円弧状の帯状体で、円弧端部は、把持部E1、E2より突出した凸部24a、24bとなっている。
小径挟み部Bc2は、前後の把持部E1、E2の左側に連設され、大径挟み部Bc1と同様の形状を有している。
把持部Eの前後の外側面21bとキャップ挟み部Bcの左右の外周面23bは、連続して開封器具の楕円状の外周となるように連設されている。
【0045】
キャップ挟み部Bcの内周面23aの所定の位置には、切込み部25が配設され、前後の把持部Eを開封器具の内方に握り込んだ時に切込み部25を軸として屈曲し、キャップ挟み部Bcの内周が変形縮径されるようになっている。
キャップ挟み部Bcの内周面23aに、滑り止め部としてローレット、または一定の間隙に配設された縦リブが設けられており、開封方向に回転させたときに、空回転を防止することができる。
【0046】
次に、本実施例の開封器具の作用効果について説明する。
開封器具のキャップ挟み部Bcをボトルのキャップに被せ、ボトルのキャップの外周をキャップ挟み部Bcの内周面23aに挿入し、前後の把持部Eを開封器具の内方に握り込むことにより、キャップ挟み部Bcが変形して内径が縮径され、キャップの外周に圧接して締め付けることができる。
また、把持部Eの内側面21aに切欠部22を設けたことにより、把持部Eを内方に握り込んだ時に、切欠部22を軸として内方に折れ曲がることにより、弱い力でもキャップ挟み部Bcの変形とともに、キャップを挟んで締め付けることができる。
【0047】
把持部Eを握ったまま、キャップを軸に開封器具を開封方向に回転させることにより、キャップ挟み部Bcの内径がキャップ外周と圧接して挟み込んでいるので、キャップも回転することとなり、簡単にキャップを開封することができる。
また、キャップの外周の径に対応して、キャップ挟み部Bcの大径挟み部Bc1と小径挟み部Bc2のいずれかを選択することにより、径の異なる場合にもより確実に挟み込むことができる。
【0048】
本実施例においては、把持部の中央部にもキャップ挟み部を設け、キャップ挟み部を三つにしてもよい。
【実施例5】
【0049】
次に、実施例1の器具基体とキャップ挟み部の構成を変えた、第5実施例について説明する。
本実施例は実施例1と同様である構成については同じ符号を使って図示し、相違点を中心に説明する。
【0050】
図6において、Adは、ほぼ長方形の器具基体、Bdは、器具基体Adの両端に連設された円弧状の帯状板から形成されたキャップ挟み部で、内径の違う大径挟み部Bd1と小径挟み部Bd2とからなっている。
Cdは、キャップ挟み部Bdの円弧端部に連設された把持部で、小径挟み部Bd2から器具基体Adの前側に延びた前側握り片Cd1と、大径挟み部Bd1から器具基体Adの後側に延びた後側握り片Cd2とからなっている。
【0051】
器具基体Adは、ほぼ長方形の一定の厚さの板状の基体部1aによって構成され、基体部1aの側周は前側面2aと後側面2b、右側部2cと左側部2dとからなっている。
基体部1aの右側部2cの後側面2b側には、傾斜面31を大径挟み部Bd1側に具えた凹部32が設けられ、前記傾斜面31は大径挟み部Bd1の内周面3a端部に続いている。
【0052】
基体部1aの左側部2dの前側面2a側には、傾斜面31を小径挟み部Bd2側に具えた凹部32が設けられ、傾斜面31は小径挟み部Bd2の内周面3a端部に続いている。
【0053】
大径挟み部Bd1、小径挟み部Bd2の内周面3aの所定の位置には切込み部33が配設され、把持部Cdを器具基体Ad側に握り込んだ時に、切込み部33を軸として屈曲し、キャップ挟み部Bdの内周が変形されるようになっている。
【0054】
前側握り片Cd1と小径挟み部Bd2との接続部、および後側握り片Cd2と大径挟み部Bd1との接続部には、キャップ挟み部Bdの内周面3a端部を係合面とし、器具基体Adに設けた凹部32に係合する突部34が設けられている。
【0055】
次に、本実施例の開封器具の作用効果について説明する。
図7(a)に示すように、キャップ挟み部BdをキャップDに被せ、ボトルのキャップDの外周を、キャップ挟み部Bdの内周で把持し、把持部Cdを内方に握り込むと、図7(b)に示すように、把持部Cdの突部34の内周面3a端部が、器具本体Adに設けた凹部32の傾斜面31に当接し、傾斜面31に沿って突部34の内周面3a端部が移動する。
そのことにより、内周面3aに設けた切込み部33を支点にキャップ挟み部Bdを内方に引き寄せる力が働き、キャップ挟み部Bdの内周面3aが縮径され、キャップD外周を圧接して締め付ける。
【0056】
キャップD外周の径により、キャップ挟み部Bdの大径挟み部Bd1と小径挟み部Bd2のいずれかを選択することにより、キャップDの外径に対応してより確実に挟み込むことができる。
【0057】
次いで、把持部Cdを握ったまま、キャップDを軸として開封器具を開封方向に回転させることにより、キャップ挟み部Bd内周がキャップD外周に圧接して締め付けているので、キャップDも回転することとなり、簡単にキャップDを開封することができる。
【0058】
本実施例は、キャップ挟み部Bdの内周面3aの両端部の器具基体Ad側に凹部32、把持部Cd側に突部34を設けたが、開封器具を握り込んだときに、キャップ挟み部を内方に引き寄せる力が働けばよいので、器具基体Ad側に突部、把持部Cd側に凹部を設けてもよい。
【0059】
本実施例は、実施例1の器具基体とキャップ挟み部の構成を変えた実施例として説明したが、例えば、実施例2のキャップ挟み部Baの内方に突出した端部14a、14bと、実施例4のキャップ挟み部Bcの内方に突出した凸部24a、24bの両端に突部を設け、一方の突部の外方面に、もう一方の突部の内方面を係合させるようにしてもよい。
また、実施例3の器具基体Bb側のキャップ挟み部Bbの端部に突部を設けて、把持部Cb側のキャップ挟み部Bbの内周面に、突部の外方面を係合させるようにすればよい。
いずれの場合でも、開封器具を握り込んだときに、本実施例と同様の作用効果が得られるので実施例2〜4の開封器具にも組み込み、利用できる。
【0060】
前記第2、第3実施例では、開封器具を柔軟性を有する素材で成形し、キャップ挟み部に切込み部を設け、滑り止め部を設けていないが、他の実施例と同様に滑り止め部を設けてもよい。
【0061】
第1、第4、第5実施例では、キャップ挟み部の内周に滑り止めを形成していたが、開封用具自体をある程度の軟材質の素材で形成すれば、キャップ挟み部に滑り止め部を形成しなくてもよい。
また、開封用具自体をある程度の軟材質で形成することにより、開封用具を握り込み、キャップ挟み部の内周を屈曲縮径する際に、より少ない力で曲げることができる。
【0062】
また、締め付け部として、ローレットなどの代わりにエラストマー等の柔軟性を有する軟材質でキャップ挟み部の内周面に滑り止め部を形成してもよく、滑り止め部の構成は、各実施例に限定されない。
【0063】
本発明は、キャップ挟み部を握る力により縮径し、キャップを挟んで締め付け、キャップを軸に回転させることができればよいので、器具基体の形、把持部の形は、各実施例に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本願発明の開封器具は、把持するのに適した所望の形状を有する開封器具にキャップ挟み部を設け、該キャップ挟み部でボトルのキャップを挟んで締め付け、開封器具を回転させることにより、例えば、ローレットのないキャップでも簡単に開封でき、また、径の違うキャップ挟み部を設けることで、いろいろな大きさのキャップに対応でき、いろいろな形状のボトルのキャップに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明第1実施例の開封器具を説明する斜視図である。
【図2】開封器具の操作時の説明図で、(a)は操作前、(b)は締め付け時の上面図である。
【図3】第2実施例の開封器具の斜視図である。
【図4】第3実施例の開封器具の斜視図である。
【図5】第4実施例の開封器具の斜視図である。
【図6】第5実施例の開封器具の斜視図である。
【図7】開封器具の操作時の説明図で、(a)は操作前、(b)は締め付け時の上面図である。
【符号の説明】
【0066】
A、Aa、Ab、Ad 器具基体
B、Ba、Bb、Bc、Bd キャップ挟み部
B1、Ba1、Bb1、Bc1、Bd1 大径挟み部
B2、Ba2、Bb2、Bc2、Bd2 小径挟み部
C、Ca、Cb、E 、Cd 把持部
C1、Cd1 前側握り片
C2、Cd2 後側握り片
Ca1、Ca2 握り片
Cb1 下側握り片
Cb2 上側握り片
D キャップ
E1 前把持部
E2 後把持部
1、1a、11 基体部
2a、12a 前側面
2b、12b 後側面
2c、12c 右側面
2d、12d 左側面
3a、13a 内周面
3b、13b 外周面
5a 内周面
5b 外周面
14a、14b 端部
15 切込み部
21a 内側面
21b 外側面
22 切欠部
23a 内周面
23b 外周面
24a、24b 凸部
25 切込み部
31 傾斜面
32 凹部
33 切込み部
34 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具基体と、変形可能なキャップ挟み部と把持部とからなる開封器具であって、
キャップ挟み部をキャップに嵌挿し、把持部を握り込むことによりキャップを挟んで締め付け、開封器具を回転させてキャップを回転させるようにしたことを特徴とするキャップ
の開封器具。
【請求項2】
器具基体と、該器具基体の端部に連設された円弧状のキャップ挟み部と、該キャップ挟み部の円弧先端に連設された把持部とからなり、把持部が、器具基体の側部との間に一定の間隙をおくように配設され、キャップ挟み部の内周を縮径可能としていることを特徴とするキャップの開封器具。
【請求項3】
把持部が、両端のキャップ挟み部に連設された二つの握り片とからなっていることを特徴とする請求項1記載のキャップの開封器具。
【請求項4】
二つの握り片が、上下に配設され、その端部がキャップ挟み部近くまで延びていることを特徴とする請求項3記載のキャップの開封器具。
【請求項5】
器具基体の両側を押圧変形可能な把持部とし、キャップ挟み部を締め付け可能としたことを特徴とする請求項1記載のキャップの開封器具。
【請求項6】
少なくとも一方の把持部の中間に切込み部を設け、把持部が屈曲可能となっていることを特徴とする請求項5記載のキャップの開封器具。
【請求項7】
器具基体の両端に内周の径が異なるキャップ挟み部を設けたことを特徴とする請求項1〜6記載のキャップの開封器具。
【請求項8】
キャップ挟み部の内周面内側に切込み部を設け、内周が切込み部を軸にして変形するようにしたことを特徴とする請求項1〜6記載のキャップの開封器具。
【請求項9】
開封器具が柔軟性を有する合成樹脂によって成形されいていることを特徴とする請求項1〜6記載のキャップの開封器具。
【請求項10】
キャップ挟み部の両端部近傍に、内周面に続くように凸部あるいは凹部を設け、両端部の凸部あるいは凹部を接合することにより、強制的にキャップ挟み部の内周面が変形されることを特徴とする請求項1〜6記載のキャップの開封器具。
【請求項11】
キャップ挟み部の両端部の一方に、他方の内周面端部の内方に係合するように形成された凸部を設け、該凸部が他方の内周面端部の内方に接合することにより、強制的にキャップ挟み部の内周面が変形されることを特徴とする請求項10記載のキャップの開封器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−44677(P2006−44677A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224522(P2004−224522)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】