説明

キャップレス筆記具

【課題】非使用時に、筆記用芯を確実に保護し、インクの蒸発を防止できるキャップレス筆記具を提供する。
【解決手段】外軸3内に中軸11を、さらにその中にインク保持体35を配置する。中軸は外軸から突出する断面略逆U字状の延長部13を備えている。ノック体25と一体的に軸方向移動する操作部材41を設ける。操作部材は軸方向に延びるアーム44を備え、その先端に筆記用芯71を取付ける。筆記用芯は先端芯72とそれを保持する芯保持部材75を備える。芯保持部材は延長部の第2空所57に形成されたラック60と噛合うピニオン78を備えている。筆記用芯は軸部79によりアームに取付けられる。ノック体を移動させることによりアームが移動し、筆記用芯が移動する。第2空所を移動する際、ピニオンがラックに噛合い、筆記用芯は180度回転する。格納位置にあるとき、先端芯は中綿カバー内に進入して、中綿カバーの開口部は保持部材により密閉される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は筆記具に関し、さらに詳細に言えば、軸の一端側に配置される筆記用の芯が軸内へ出入りする、キャップレス筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
インクタンクを備え、軸の一端側に筆記用の芯を配置した筆記具には、軸に対して芯を固定し、不使用時には軸とは別体のキャップを被せて芯の保護、インクの蒸発防止をするキャップ式と、例えばノック式と言われるタイプに代表される、軸の他端側に設けられたノック体などの操作部材を操作して芯を軸内に出入りさせ、不使用時にはその芯を軸内へ格納して保護するキャップレスタイプとがある。
【0003】
キャップ付きのタイプでは不使用時に軸先端にキャップを被せることにより軸先端を気密にでき、インクの蒸発をこれにより防止できるが、キャップレスでは芯を軸内へ格納しても軸先端は開放しており、不使用時のインクの蒸発が問題となる。
【0004】
例えば特開平8−324176号には、キャップの着脱の煩わしさを解消するために、ノック式のマーカで、ホルダー内のマーカを移動させてホルダー先端の蓋を押し開く例が開示されているが、この場合には、マーカの先端の磨耗を早めてしまうなどの問題がある。これに対して、実開平4−124690号には、先端のペン体側および反ペン体側のいずれか一方が軸筒内に収容される小型の筆記体と、軸筒の尾端方向に弾発された繰出用ノック棒および没入用ノック棒と、両端が繰出用ノック棒ないし没入用ノック棒の先端部と筆記体にそれぞれ回動可能に軸支された繰出用連結扞および没入用連結扞とで構成し、繰出用連結扞と筆記体の軸支位置を没入用連結扞と筆記体の軸支位置よりもペン体寄りにし、かつ両軸支位置は筆記体の軸線から両側に僅かに変位させ、不使用時には筆記体のペン体側が軸筒内に収容される筆記具が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−324176号公報
【特許文献2】実開平4−124690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は上記従来例に鑑みなされたものであり、不使用時には筆記用の先端芯を軸内に格納するとともに、先端芯を格納した側の軸開口部を閉鎖し、インクの蒸発を防止し、先端芯の保護を行えるタイプのキャップレス筆記具の新規な構成を備えた筆記具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明に係る筆記用具は、少なくとも一端側が開口された中空部を有する軸と、軸の該一端側に配置され、筆記側先端が形成された先端芯と、先端芯を筆記側先端の反対側において一体的に保持する芯保持部材とを有する、軸の軸方向に移動可能な筆記用芯と、を備えており、軸には中空部の一端側から軸方向に伸長する延長部が設けられ、前記芯保持部材には前記軸の前記開口部に嵌合する嵌合部が設けられる。さらに、筆記具は、軸に対して、軸の軸心方向に沿って延び、軸の軸心方向に移動可能に装着される、外部から操作可能なアームと、芯保持部材に一体的に設けられ、アームの一端側に回動自在に支持される回動部材と、を備える。そして、延長部の所定の範囲には、回動部材と係合可能な係合部が設けられ、筆記用芯が軸の軸方向に移動することにより回動部材が回動する。
【0008】
ある実施の態様では、その係合部はラックであり、回動部材はこのラックに噛合うピニオンが備えられている。
【0009】
他の実施の態様では、その筆記具は、芯保持部材に一体的に構成されたインク保持体を備えている。そして、そのインク保持体は一端側において先端芯に通じ、他端側は閉じている。
【0010】
さらに他の実施の態様では、その筆記具は、軸の他端側に設けられた、ノック体を含んだノック機構を備え、アームは、このノック体を操作することにより移動されるようになっている。
【0011】
さらに他の実施の態様では、筆記用芯は、先端芯が、芯保持部材に関して軸の中空部と反対側に位置し、軸から遠ざかる方向に延びる使用位置と、芯保持部材の嵌合部が軸の開口部に嵌り、先端芯が軸の中空部内に格納された格納位置との間で移動できるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明においては、筆記用芯を軸の軸心方向に移動可能にするとともに、その軸心に直交する軸心回りに回動可能とし、使用しないときには筆記用芯の先端芯を軸内部に収受し、軸端部の開口部を、先端芯を保持する芯保持部材で閉鎖するようにしたので、筆記具を使用しないときには、キャップを使用することなく、筆記用芯の保護が図れ、インクの蒸発を防止することができる。しかも、ノック体を用いるなどして、筆記用芯の使用位置と格納位置との切り替えがワンタッチで行え、きわめて使用勝手に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本願発明の実施の形態を説明するが、本願発明の範囲は、以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は本発明の1実施の形態に係る筆記具、具体的にはマーカーペン1の正面縦断面図、図2は、一部の部材、具体的には外軸3、中軸11、ノック体25の一部分を切欠いて示す正面図である。なお、説明の都合上、図において左側を先端側、右側を後端側とする。
【0015】
図において符号3は外軸であり、両端が開口した中空円筒軸である。その外周側には、軸方向途中の位置に、後述するノック体のための係止部4が円周方向全体に渡って形成されている。係止部4の形状は、図示の通り、後端側から次第に径が大きくなる傾斜部4aと、それに続く平行部4bと、平行部4b端部で径方向内方へ延びる肩部4cとからなっている。外軸3の内周側では、後端側から軸方向で外周側の肩部を僅かに越えた位置までが径が若干大きい大径部5、それより先端側の、径が若干小さい小径部6とからなっている。
【0016】
符号11は中軸であり、外軸3内に挿入固定される円筒部12と、円筒部12の先端側から延びている延長部13とを備えている。円筒部12は、外軸3より若干短く、その先端部はほぼ外軸3の先端部と軸方向略同じ位置であるが、後端部は、外軸の中に入っている。円筒部12の内周側は全長に渡って同一内径であるが、外周側は、後端部から軸方向で外軸3の径大部5に対応する範囲の径の小さい小径部14と、外軸3の小径部6の内径に対応した外径を有する大径部15とを備えている。中軸11は、この大径部15において外軸3の小径部6に嵌合圧入或は接着など適宜手段で固着されることにより、外軸3に離脱不能に取付けられている。また、外軸3の大径部5の内周と、中軸11の小径部14の外周との間に、図示の如く円環状のスペース19が形成される。延長部13に付いては後述する。なお、円筒部12の後端部内周には、雌ネジ16が形成されている。
【0017】
中軸11の中には、後端側から有底円筒状のバネ受け21が挿入されている。即ちバネ受け21は、一端側が閉じた底部22となり、他端側が開口した円筒状部材で、その開口側端部に径方向外方へ広がるフランジ23を備えている。また、フランジ23の近傍においてその外周側に雄ネジ24が形成され、底部22側から中軸11内へ挿入され、その雄ネジ24が雌ねじ16に螺合し、フランジ23が中軸11の後端部に当接した状態で取付けられる。
【0018】
符号25は指で操作されるノック体で、前述の外軸3と中軸11との間に形成された円環状スペース19に嵌って軸方向移動可能な円筒部26と、その後端側を閉じる底部27とを備えている。符号29は円筒部26に一体に形成されて先端側へ延びるフックであり、その先端部には、前述した外軸3の係止部4に係止可能な掛け止め部30が図示のように形成されている。
【0019】
ノック体25の底部27の内面側には、前述のバネ受け21に対面する位置に、丈の短い円環状の突起28が形成されている。そして、圧縮バネ33が、その一端がバネ受け21に挿入されて底部22により受止められ、他端側がノック体25の底部27により受止められ、円環状突起28により位置決めされた状態で配設され、ノック体25に対し常時後端側への付勢力を作用させている。円筒部26の先端部には雌ネジ31が形成されているが、これについては後述する。
【0020】
符号35はインク保持体であり、本実施の形態では公知の、筒体である中綿カバー36と、中綿カバー36内に収受された、インクを含浸させた中綿40とで構成されている。カバー36はその底部37側から中軸11の円筒部12に挿入され、底部37がバネ受け21の底部22に当接して軸方向の位置が決められる。カバー36の外径は、中軸11の円筒部12の内径よりは僅かに大きく、一旦挿入されると摩擦力により簡単には移動しないようになっているが、交換の際には外力を加えることにより、取外すことは可能である。カバー36の先端側は略中軸11の円筒部12の先端部位置まで延びており、その開口部38の内周側はテーパ部38aとなっており、後述するようにシール部となる。インクが含浸された中綿40は、カバー36の先端側に、後述するように先端芯の進入を許容できるだけのスペースを明けて、カバー36の中に詰込まれている。
【0021】
符号41は操作部材である(図2)。操作部材41は、円環部42と、円環部42の後端側に形成された、前述のノック体25の雌ネジ31に螺合する雄ねじ部43と、円環部42の直径方向で向い合う位置から先端側へ平行に延びている二本のアーム44、44とを備えている(図3参照)。円環部42は、前述の外軸3と中軸11との間に形成された円環状スペース19に嵌っている。アーム44についてはさらに後述する。
【0022】
ここで中軸11の延長部13に付いて説明する。延長部13は、外形が略円形(円筒部12の外形の延長でよい)で、下側から抉って軸方向全長に延びる空所51を形成している。空所51は後端側において円筒部12に通じている。
【0023】
空所51は延長部の長手方向に沿って大略3つの部分に分けられる。第1は延長部13の先端から軸方向所定の長さの範囲に形成される第1空所52である。図4の(イ)に示される、図1のA−A線での断面端面図で説明すると、この第1空所52は、両側の垂直壁部53、54と、延長部13の外径と同心の円弧状頂部55を備え、図4(イ)において左右対称である。この第1空所52の断面形状は、後述する筆記用芯71の芯保持部材75の形状に対応するが、これに付いては後述する。
【0024】
第2の空所は第1空所52の後端側に隣接して、延長部13の軸方向所定の長さに渡って形成された第2空所57である。この第2空所57は、図1のB−B線での断面端面図である図4(ロ)に示されるように、左右の垂直壁58、59を備え、その頂部には、延長部13の長手方向に延びるラック60が形成され、図4(ロ)において左右対称である。この断面形状は、後述する筆記用芯71の芯保持部材75に形成されたピニオン78の形状に対応しているが、これについては後述する。
【0025】
第3の空所は、第2空所57の後端側に隣接して、円筒部12に達する部分までに形成された第3空所62である。この第3空所62の断面形状は、図1のC−C線での断面端面図である図4(ハ)に示されるように、第1空所52のそれと同じであり、左右の垂直壁63、64と円弧状の頂部65とを備えている。これについても後述する。
【0026】
前述した操作部材41のアーム44、44は、外軸3の内周と中軸11の外周との間に画成されるスペース19を通って後端側から先端側へと伸びている。すなわち、中軸11の円筒部12の大径部15部分の外周と、延長部13の外周には後端側から先端側へと一連につながって延びる溝67、67が、円周方向180度隔てて形成されている(図2及び図4(イ)(ロ)(ハ)参照)。その溝67、67の形状は、前述のアーム44、44が収受され、長手方向に移動自在となる寸法を備えている。従ってアーム44、44は、円環部42から、前述の円環状スペース19を通り、さらにこの溝67、67を通って延びている。
【0027】
それらアーム44、44の先端には、互いに向き合った面に有底孔即ちメクラ孔44a、44aが形成されている(図4(ロ)参照)。これについては後述する。また、中軸11の延長部13の溝67、67の底部には、第1空所52の第2空所57に近い位置から、第2空所57を通って第3空所62の途中まで、延長部の長手方向に延びて、溝67、67の幅より短い幅で切欠かれて長孔67a、67aが形成され(図1及び図4(ロ)(ハ)参照)、内側の空所51に通じている。
【0028】
図5は筆記用芯71を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。筆記用芯71は、筆記側先端73を備えた先端芯72と、先端芯72を筆記側先端73の反対側において図示の如くこれを収受し、保持する芯保持部材75とからなる。
【0029】
芯保持部材75は、先端芯72を収受保持する凹所を備えた保持部76と、この保持部76と短い円柱状の連結部77を介して一体化されているピニオン78と、ピニオン78の左右方向に延びている短い円柱状の軸部79、79とを備えている。保持部76の先端芯72を受入れる側の先端外周部には、前述の中綿カバー36先端のテーパ部38aに合わせたテーパ部80が形成されている。
【0030】
筆記用芯71は、延長部13の空所51内に、延長部13の長手方向に移動可能で、且つ図1、2において紙面に垂直な軸周りに回動可能に配置される。すなわち、図1及び図4(イ)(ロ)に示されるように、芯保持部材75の保持部76、連結部77、ピニオン78が空所51内に位置し、ピニオン78の両側に突出した軸部79,79が、前述の延長部13に形成された長孔67a、67aを通って、その先端が前述のアーム44,44の先端に形成された孔44a、44aに回動可能に嵌っている。従って、アーム44,44の移動により、芯保持部材75は空所51内を延長部13の長手方向に移動する。また、芯保持部材75のピニオン78が空所51の第2空所57内に位置するときには、ピニオン78がラック60に噛合い、延長部13に沿って移動すると共に、軸部79,79を支点として回動するようになっている。なお、第2空所57の幅(図4で左右方向)はピニオン78の厚みに、第1及び第3空所52、62の幅は保持部76の直径に対応しており、筆記用芯71の移動の際にガイドするようになっている。
【0031】
次にこの筆記具の動作について説明する。以下説明するように、筆記用芯71は使用位置と格納位置との間で移動可能であるが、図1においては説明の便宜上、筆記用芯71は実線で使用位置に、一方ノック体25は格納位置に実線で示してある。
【0032】
ノック体25は実線で示された格納位置にあるとき、そのフック29は若干弾性変形した状態にある。この状態から圧縮バネ33に抗して図1においてノック体25を左へ移動させると、図1に二点鎖線で示された位置で掛け止め部30は外軸3の係止部4の平行部4bを越え、弾性変形が戻り、肩部4cに引っ掛かり、バネ33の作用によりその位置に保持される。この状態のとき、筆記用芯71は図1、2に実線で示される使用位置にある。すなわち、ピニオン78がラック60に左端部付近で噛合っており、保持部76はピニオン78の左側に位置し、先端芯72が延長部13の先端からその筆記用先端73を覗かせている。前述の通りノック体25はバネ33の作用により2点差線の位置に保持されているので、筆記用芯71もこの位置に保持され、筆記することができる。
【0033】
筆記具1を使用しない場合には、ノック体25のフック29先端の掛け止め部30を外軸3の係止部4の肩部4cを越える位置まで指先で軽く持ち上げると、バネ33の作用によりノック体25は図中右側へ移動させられる。ノック体25とともに操作部材41も移動し、そのアーム44、44により支持された筆記用芯71も右方向へ移動する。
【0034】
その際、移動開始の時にはピニオン78がラック60に噛合っているので、ピニオン78が反時計方向へ回転しながら移動する。軸部79、79は長孔67a、67a内を移動する。180度回転したときにピニオン78は図1に破線で示す78aの位置に達し、ラック60から外れる。この時、先端芯72はピニオン78の右側に位置し、延長部13の長手方向に沿って延びている。
【0035】
さらにノック体25、よってアーム44、44が右へ移動すると、筆記用芯71はそのままの状態で、すなわち回転はしないで右方向へさらに直線移動のみを行う。そして芯保持部材75が図中点線で示す75aの位置まで移動すると、そのテーパ部80が中綿カバー36の開口部38のテーパ部38aに嵌り、それ以上の移動を阻止されることとなる。この状態で、先端芯72の筆記側先端73は中綿40に接触し、インクの補充を受ける。また、中綿カバー36の開口部38は筆記用芯71の保持部76により閉じられるので、筆記具1を使用しないときのインクの蒸発は防止される。
【0036】
使用する時には、前述したようにノック体25をバネ33に抗して左へ向けて押すと、アーム44、44の移動に伴い、筆記用芯71が先とは逆の順に移動する。すなわち、先ず左側へ併進移動をして芯保持部材75が中綿カバー36から外れ、ピニオン78が先と同じ符号78aの位置に達すると、ラック60に噛合い、時計方向への回転もするようになる。そして略180度回転すると、芯保持体75の外周が第1空所52の頂部55に当たり、それ以上の回転はできず、従って延長部13の長手方向の移動も停止する。この時前述の如く、ノック体25のフック29の掛け止め部30が、外軸3の係止部4の肩部4cに掛かり、位置決めされる。これで使用可能となる。
【0037】
なお上記説明においては、インク保持体と筆記用芯とは別体に構成し、インク保持体を軸内部に配置し、筆記用芯が格納位置にあるときに芯にインクの補充を行うこととしたが、インク保持体を筆記用芯と一体的に構成し、その一端側で先端芯に通じてインクを供給し、他端側が閉じているようにしても良い。この場合でも、筆記用芯が格納位置にあるときに、筆記用芯を介してのインクの蒸発が防止され、筆記用芯の保護が図られる。
【0038】
また上記の説明では、アームを移動させるのにノック体を軸方向に移動させ、ノック体自体を使用位置と格納位置とで保持する機構を採用したが、これに限定されることはなく、従来筆記具に採用されている他の構成による芯の出し入れ機構、例えば回転体を用いたノック機構などを採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の1実施の形態に係る筆記具の正面縦断面図である。
【図2】一部の部材を切欠いて示した正面図である。
【図3】操作部材の側面図である。
【図4】延長部の断面図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)はそれぞれ図1のA−A線、B−B線、C−C線に沿っての断面端面図である。
【図5】筆記用芯の図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 筆記具(マーカ)
3 外軸
4 係止部
11 中軸
12 円筒部
13 延長部
19 円筒状スペース
21 バネ受け
25 ノック体
29 フック
30 掛け止め部
33 圧縮バネ
35 インク保持体
36 中綿カバー
38 開口部
38a テーパ部
40 中綿
41 操作部材
44 アーム
51 空所
52 第1空所
57 第2空所
60 ラック
62 第3空所
67 溝
67a 長孔
71 筆記用芯
72 先端芯
73 筆記側先端
75 芯保持部材
78 ピニオン
79 軸部
80 テーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端側が開口された中空部を有する軸と、前記軸の前記一端側に配置され、筆記側先端が形成された先端芯と、前記先端芯を前記筆記側先端の反対側において一体的に保持する芯保持部材とを有する、前記軸の軸方向に移動可能な筆記用芯と、を備えるキャップレス筆記具において、前記軸には前記中空部の前記一端側から軸方向に伸長する延長部が設けられ、前記芯保持部材には前記軸の前記開口部に嵌合する嵌合部が設けられ、
前記筆記具はさらに、前記軸に対して、前記軸の軸心方向に沿って延び、前記軸の軸心方向に移動可能に装着される、外部から操作可能なアームと、前記芯保持部材に一体的に設けられ、前記アームの一端側に回動自在に支持される回動部材と、を備え、前記延長部の所定の範囲には、前記回動部材と係合可能な係合部が設けられ、前記筆記用芯が前記軸の軸方向に移動することにより前記回動部材が回動することを特徴とする、キャップレス筆記具。
【請求項2】
請求項1記載のキャップレス筆記具において、前記係合部はラックであり、前記回動部材は前記ラックに噛合うピニオンであることを特徴とする、キャップレス筆記具。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1に記載のキャップレス筆記具において、前記筆記具は、前記芯保持部材に一体的に構成されたインク保持体を備え、該インク保持体は一端側において前記先端芯に通じ、他端側は閉じていることを特徴とする、キャップレス筆記具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のキャップレス筆記具において、前記筆記具は前記軸の他端側に設けられた、ノック体を含んだノック機構を備え、前記アームは前記ノック体を操作することにより移動されることを特徴とする、キャップレス筆記具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のキャップレス筆記具において、前記筆記用芯は、前記先端芯が、前記芯保持部材に関して前記軸の前記中空部と反対側に位置し、前記軸から遠ざかる方向に延びる使用位置と、前記芯保持部材の前記嵌合部が前記軸の前記開口部に嵌り、前記先端芯が前記軸の前記中空部内に格納された格納位置との間で移動可能であることを特徴とする、キャップレス筆記具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−8173(P2007−8173A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284769(P2006−284769)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【分割の表示】特願2002−239544(P2002−239544)の分割
【原出願日】平成14年8月20日(2002.8.20)
【出願人】(000134589)株式会社トンボ鉛筆 (158)
【Fターム(参考)】