説明

キャップ装着装置

【課題】簡単な構成で、マイクロチューブの保管プレートおよびキャップの整列プレートの搬入、搬出作業を簡素化するとともにマイクロチューブの開口部を高速かつ確実にキャップで密封することができるキャップ装着装置を提供すること。
【解決手段】保管プレートに整列されたマイクロチューブの開口部に整列プレートに収容されたキャップを押圧して密封するマイクロチューブのキャップ装着装置において、保管プレート供給部110、保管プレート排出部110、整列プレート供給部150、整列プレート排出部140および密封部120を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管プレートに収容されている複数のマイクロチューブの開口部をキャップで密封するキャップ装着装置に関し、特に、創薬(drug discovery)、すなわち、医学、生物工学および薬学において薬剤を発見したり設計したりするプロセスにおいて、創薬用試料を封入するために使用されるキャップ装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
創薬研究の分野においては、大量の試料を低温で保管したり分析したりする実験を高効率で行う必要がある。
そのため、試料を溶解した溶液を創薬用マイクロチューブと呼ばれる円筒状または四角筒状の小型容器に封入し、この創薬用マイクロチューブをSBS(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した16行×24列の合計384個の区画を有する保管プレート(以下、「384プレート」と称す)に縦列収容し、保管や搬送を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような384プレートは、区画のピッチが4.5mmときわめて短いため、384プレートに収容されている創薬用マイクロチューブの開口部の密封に着脱可能なキャップを用いた場合、機械によるキャップの装着は、きわめて困難であった。
そのため、人手によって、一本ずつキャップを装着することが余儀なくされており、384プレートに縦立収容された創薬用マイクロチューブの開口部の全てにキャップを装着するためには、かなりの手間と時間を要していた。
【0004】
また、本発明者らは、(1)384プレートと同じピッチの区画を有する整列プレートに創薬用マイクロチューブのキャップを予め整列させておき、(2)この整列プレートを384プレートの上に重ね合わせて、(3)整列プレートに整列させたキャップを384プレートの各区画に縦立収容されている創薬用マイクロチューブの開口部に向けて押し下げて、(4)キャップの弾性によって整列プレートの区画にキャップを通過させて、(5)384プレートの各区画に縦立収容された複数の創薬用マイクロチューブの開口部を整列プレートの区画から押し下げられたキャップで密封するという、創薬用マイクロチューブのキャップ装着方法および整列プレートに効率よくキャップを整列させるためのキャップ整列装置を開発した。
【0005】
このようなキャップ装着方法に使用可能な装置として、整列プレートのような板状のワークを高さ方向に1列に積層し、1枚ずつ順に積み上げ且つ1枚ずつ順に積み降ろす装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、化合物をいわゆるランダムスクリーニングすることにより新しい薬効を見出すことが行われており、このランダムスクリーニングをきわめて効率的に実施するために、ハイスループットスクリーニング(HTS:High Through-put Screening)技術が採用されている。
このHTSは、高度にシステム化した方法で短期間に多数(例えば、数万〜数十万種類)の化合物を生化学的に評価して、新規なリード化合物、すなわち、誘導体化することで、特異性、効果、薬物動態などの点で磨きあげられ、完成品である医薬品となり得る化合物を迅速に発見できるという利点を有している(例えば、特許文献3、4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−33061号公報(第6頁第25〜26段落、図1)
【特許文献2】米国特許第6838051号公報(図18〜24、図29)
【特許文献3】特開2006−81432号公報(第2頁第2〜3段落)
【特許文献4】特表2004−503249号公報(第9頁第1段落〜第11頁第6段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のようなキャップ装着方法を実施するためには、各区画にキャップを整列させた整列プレートをキャップ装着装置に搬入するとともに、キャップ装着作業の終わった空のワークを1枚ずつ搬出するという作業が必要になる。
また、マイクロチューブの保管プレートとキャップの整列プレートとを同時に高精度に位置決めする作業も必要となる。
【0009】
これらの作業を行う装置として、前述した特許文献2に開示された装置では、同文献の図18乃至図24並びに図29に特に示されているように、電磁石やラチェットなどからなる複雑な機構や、高度な精度を有するアクチュエータを用いた位置決めを行うことは可能であるが、装置構成が複雑になるとともに装置が高価になるという課題があった。
また、マイクロチューブの保管プレートやキャップの整列プレートの搬入、搬出作業は依然として簡素化が不十分であるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、簡単な構成で、マイクロチューブの保管プレートおよびキャップの整列プレートの搬入、搬出作業を簡素化するとともにマイクロチューブの開口部を高速かつ確実にキャップで密封することができるキャップ装着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本請求項1に係る発明は、格子状の複数の区画を有しマイクロチューブを縦立収容する保管プレートと、前記保管プレートと同じ格子状の区画を有し前記マイクロチューブの開口部を密封するキャップを収容する整列プレートとを重ねた状態で前記マイクロチューブの開口部に前記キャップを押圧して密封するマイクロチューブのキャップ装着装置において、前記保管プレートを供給する保管プレート供給部と、前記保管プレートを排出する保管プレート排出部と、前記整列プレートを供給する整列プレート供給部と、前記整列プレートを排出する整列プレート排出部と、前記マイクロチューブの開口部に前記キャップを押圧して密封する密封部とを有していることにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
本請求項2に係る発明は、請求項1に係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記整列プレート供給部が、複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカから整列プレートを1枚ずつ切り出すように構成され、前記整列プレート排出部が、複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカに整列プレートを1枚ずつ収容するように構成されていることにより、前記課題を解決したものである。
【0013】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記整列プレート供給部と整列プレート排出部とを結ぶ直線上に配置された中継部を有し、前記整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部の間で、前記保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第1ハンドリング機構を有することにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0014】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記保管プレート供給部が、保管プレート排出部を兼ねるように構成され、前記保管プレート供給部、密封部および中継部が直線上に配置され、保管プレート供給部、密封部および中継部の間で、前記保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第2ハンドリング機構を有することにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0015】
本請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記中継部が、前記保管プレートを個別に供給可能に構成されていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0016】
本請求項6に係る発明は、請求項3乃至請求項5のいずれかに係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記第1ハンドリング機構が、前記保管プレートあるいは整列プレートを把持する把持部を有することにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0017】
本請求項7に係る発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記第2ハンドリング機構が、前記保管プレートあるいは整列プレートを載置する載置テーブルを有することにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0018】
本請求項8に係る発明は、請求項4乃至請求項7のいずれかに係るキャップ装着装置の構成に加えて、前記第1ハンドリング機構と前記第2ハンドリング機構の移動方向が、互いに直交するように配置され、前記整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部が側方に開放されるように配置されていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0019】
本請求項1に係るキャップ装着装置は、格子状の複数の区画を有しマイクロチューブを縦立収容する保管プレートと、保管プレートと同じ格子状の区画を有しマイクロチューブの開口部を密封するキャップを収容する整列プレートとを重ねた状態でマイクロチューブの開口部にキャップを押圧して密封するマイクロチューブのキャップ装着装置において、保管プレートを供給する保管プレート供給部と、保管プレートを排出する保管プレート排出部と、整列プレートを供給する整列プレート供給部と、整列プレートを排出する整列プレート排出部と、マイクロチューブの開口部にキャップを押圧して密封する密封部とを有していることにより、保管プレートおよび整列プレートを、それぞれ別の場所から独立して順次搬入、搬出することが可能となるため、マイクロチューブの保管プレートおよびキャップの整列プレートの搬入、搬出作業が簡素化され、マイクロチューブの開口部を高速かつ確実にキャップで密封することができる。
【0020】
本請求項2に係るキャップ装着装置によれば、請求項1に係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、整列プレート供給部が複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカから整列プレートを1枚ずつ切り出すように構成され、整列プレート排出部が複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカに整列プレートを1枚ずつ収容するように構成されてことにより、キャップを整列プレートに収容して複数の整列プレートをワークストッカに保持して自動的に迅速に順次供給することが可能となるとともに、キャップを押圧して密封した後の空の整列プレートをワークストッカに自動的に迅速に順次収容することが可能となるため、整列プレートの搬入、搬出作業がさらに簡素化される。
【0021】
本請求項3に係るキャップ装着装置によれば、請求項1または請求項2に係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、整列プレート供給部と整列プレート排出部とを結ぶ直線上に配置された中継部を有し、整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部の間で、保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第1ハンドリング機構を有することにより、キャップ前のマイクロチューブを収容した保管プレートを整列プレート供給部に移動させて整列プレートを重ねる作業と、キャップ後の保管プレートと整列プレートを整列プレート排出部に移動させて整列プレートを排出する作業を、中継部を介して第1ハンドリング機構の直線的な移動のみで行うことが可能となるため、装置構成の簡略化と装置の低廉化が実現できる。
【0022】
本請求項4に係るキャップ装着装置によれば、請求項1乃至請求項3に係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、保管プレート供給部が、保管プレート排出部を兼ねるように構成され、保管プレート供給部、密封部および中継部が直線上に配置され、保管プレート供給部、密封部および中継部の間で、前記保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第2ハンドリング機構を有することにより、キャップ前後のマイクロチューブを収容した保管プレートの供給、排出、キャップの密封および整列プレートの供給排出を、中継部を介して第2ハンドリング機構の直線的な移動のみで行うことが可能となるため、装置構成の簡略化と装置の低廉化が実現できる。
【0023】
本請求項5に係るキャップ装着装置によれば、請求項3または請求項4に係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、中継部が、保管プレートを個別に供給可能に構成されていることにより、中継部が供給、排出や密封の自動化ための機構類が障害とならない位置にあることで、該中継部から簡単に手動でマイクロチューブを収容した保管プレートを供給することが可能となり、保管プレートの搬入作業が容易となる。
【0024】
本請求項6に係るキャップ装着装置によれば、請求項3乃至請求項5のいずれかに係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、第1ハンドリング機構が、保管プレートあるいは整列プレートを把持する把持部を有することにより、整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部において下方にテーブル等を設けることができ、また、保管プレートあるいは整列プレートのいずれを把持するか選択的することが可能となるため、装置構成の簡略化が図れるとともに、装置構成の自由度が増大する。
【0025】
本請求項7に係るキャップ装着装置によれば、請求項4乃至請求項6のいずれかに係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、第2ハンドリング機構が、保管プレートあるいは整列プレートを載置する載置テーブルを有することにより、保管プレートあるいは整列プレートの下方に配置することができるため、中継部において第1ハンドリング機構との干渉を避けて円滑な動作を行うことができ、装置構成の簡略化が図れるとともに、装置構成の自由度が増大する。
【0026】
本請求項8に係るキャップ装着装置によれば、請求項4乃至請求項7のいずれかに係るキャップ装着装置が奏する効果に加えて、第1ハンドリング機構と第2ハンドリング機構の移動方向が互いに直交するように配置され、整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部が側方に開放されるように配置されていることにより、ワークストッカの供給、排出および保管プレートの個別供給を側方のみで行うことが可能となり、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のキャップ装着装置の全体斜視図。
【図2】図1のキャップ装着装置の平面図。
【図3】図1のキャップ装着装置の正面図。
【図4】図1のキャップ装着装置の右側面図。
【図5】図1のキャップ装着装置の左側面図。
【図6】図1のキャップ装着装置の内部を示す全体斜視図。
【図7】本発明のキャップ装着装置の第1ハンドリング機構の斜視図。
【図8】図7の第1ハンドリング機構の平面図。
【図9】図7の第1ハンドリング機構の正面図。
【図10】本発明のキャップ装着装置のワークストッカの斜視図。
【図11】本発明のキャップ装着装置の自動供給・排出動作の説明図。
【図12】本発明のキャップ装着装置の個別供給・排出動作の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、格子状の複数の区画を有しマイクロチューブを縦立収容する保管プレートと、保管プレートと同じ格子状の区画を有しマイクロチューブの開口部を密封するキャップを収容する整列プレートとを重ねた状態でマイクロチューブの開口部にキャップを押圧して密封するマイクロチューブのキャップ装着装置において、保管プレートを供給する保管プレート供給部と、保管プレートを排出する保管プレート排出部と、整列プレートを供給する整列プレート供給部と、整列プレートを排出する整列プレート排出部と、マイクロチューブの開口部にキャップを押圧して密封する密封部とを有し、簡単な構成で、マイクロチューブの保管プレートおよびキャップの整列プレートの搬入、搬出作業を簡素化するとともにマイクロチューブの開口部を高速かつ確実にキャップで密封するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0029】
本発明のキャップ装着装置の一実施例を図1乃至図10に基づいて説明する。
本発明の実施例であるキャップ装着装置100は、図1乃至図6に示すように、保管プレート供給・排出部110、密封部120、中継部130、整列プレート排出部140および整列プレート供給部150を備えている。
【0030】
保管プレート供給・排出部110は、キャップ装着装置100の背面側に設けられ、マイクロチューブを縦立収容する保管プレートをこの位置で供給排出機構(詳細は図示ぜず)によって自動的に供給・排出するように構成されている。
密封部120は、キャップ装着装置100の内部に設けられ、この位置で密封機構(詳細は図示せず)によって、保管プレートと整列プレートが重なった状態で、保管プレートに収容されたマイクロチューブの開口部に整列プレートに収容されたキャップを押圧して密封するように構成されている。
中継部130は、キャップ装着装置100の前面側に設けられ、この位置で保管プレートあるいは整列プレートを一旦保持するように構成されている。
【0031】
保管プレート供給・排出部110、密封部120および中継部130は、キャップ装着装置100の前後方向に直線上に配置されており、第2ハンドリング機構160の載置テーブル161が前後方向に移動することによって保管プレートを供給・排出部110、密封部120および中継部130の間で移動させるように構成されている。
【0032】
整列プレート排出部140は、キャップ装着装置100の前面側に設けられ、上部に排出された整列プレートを収容するワークストッカ141が配置されている。
整列プレート供給部150は、キャップ装着装置100の前面側に設けられ、上部に供給される整列プレートを収容するワークストッカ151が配置されている。
【0033】
前述の中継部130、整列プレート排出部140および整列プレート供給部150は、キャップ装着装置100の前面の左右方向に直線上に配置されており、第1ハンドリング機構170の把持部171が左右方向に移動することによって保管プレートあるいは整列プレートを把持して中継部130、整列プレート排出部140および整列プレート供給部150の間で移動させるように構成されている。
【0034】
また、中継部130の上方には、開閉扉131が設けられており、該開閉扉131を開けることで、中継部130から保管プレートを個別に供給することも可能となるように構成されている。
【0035】
第1ハンドリング機構170は、図6乃至図9に示すように、キャップ装着装置100の内部で前面側に沿うように配置されており、左右方向に延びるレール172と、該レール172に沿って移動するスライド部173と、該スライド部173の下方に設けられた把持部171を備えている。
【0036】
把持部171はキャップ装着装置100の前面側に突出する2本の把持爪174を有し、該把持爪174が、中継部130、整列プレート排出部140および整列プレート供給部150の位置で保管プレートあるいは整列プレートを把持、解放可能に構成されている。
【0037】
整列プレート排出部140および整列プレート供給部150の上方に配置されるワークストッカ141、151は同一構造をしており、図10に示すように、下方のベース143、153の内周に四方から整列プレートを押圧する保持バネ142、152を有している。
【0038】
この構造により、最も下の整列プレートが保持バネ142、152によって保持されることとなるため、下方から整列プレートが挿入されるごとに、それ以前に保持されていた整列プレートが上方に押し上げられて複数の整列プレートが重ねて収容される。
【0039】
整列プレート排出部140においては、キャップを使用した後の整列プレートが順次下から押上装置(図示せず)によってワークストッカ141に挿入収容されるように構成され、整列プレート供給部150においては、キャップを保持した整列プレートが予めワークストッカ151に重ねて収容され、順次下から切出装置(図示せず)により、1枚ずつ供給されるように構成されている。
【0040】
また、整列プレート排出部140および整列プレート供給部150の上方には、ワークストッカ141、151を収容するケース101(図面では枠組みのみ示している。)が設けられ、ワークストッカ151に重ねて収容している整列プレートが保持するキャップに埃等が付着しないように構成されている。
【0041】
以上のように構成された本実施例のキャップ装着装置100の動作について、図11に基づいて説明する。
なお、図中の白丸は保管プレートを表し、黒丸は整列プレートを表す。
まず、図11(a)に示すように、保管プレートが供給排出機構(詳細は図示ぜず)によって自動的に保管プレート供給・排出部110にセットされると、第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって中継部130に移動する。
【0042】
一方、キャップを収容した整列プレートが、整列プレート供給部150で、上方のワークストッカ151から切出装置(図示せず)により1枚切り出され、第1ハンドリング機構170の把持部171によって把持されて中継部130に移動して保管プレートの上に重ねられる。
次に、図11(b)に示すように、整列プレートと保管プレートが重ねられた状態で、第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって密封部120に移動する。
【0043】
そして、密封部120で密封機構(詳細は図示せず)によって、保管プレートと整列プレートが重なった状態で、保管プレートに収容されたマイクロチューブの開口部に整列プレートに収容されたキャップを押圧して密封した後、図11(c)に示すように、整列プレートと保管プレートが重ねられた状態で第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって中継部130に移動する。
【0044】
中継部130では、図11(d)に示すように、整列プレートは第1ハンドリング機構170の把持部171によって把持されて整列プレート排出部140に移動し、押上装置(図示せず)によって上方のワークストッカ141に挿入収容され、保管プレートは第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって保管プレート供給・排出部110に移動し、供給排出機構(詳細は図示ぜず)によって自動的に排出される。
【0045】
また、保管プレートを個別に供給する場合の動作について、図12に基づいて説明する。
まず、図12(a)に示すように、保管プレートが中継部130の開閉扉131からセットされる。
【0046】
一方、キャップを収容した整列プレートが、整列プレート供給部150で、上方のワークストッカ151から切出装置(図示せず)により1枚切り出され、第1ハンドリング機構170の把持部171によって把持されて中継部130に移動して保管プレートの上に重ねられる。
次に、図12(b)に示すように、整列プレートと保管プレートが重ねられた状態で、第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって密封部120に移動する。
【0047】
そして、密封部120で密封機構(詳細は図示せず)によって、保管プレートと整列プレートが重なった状態で、保管プレートに収容されたマイクロチューブの開口部に整列プレートに収容されたキャップを押圧して密封した後、図12(c)に示すように、整列プレートと保管プレートが重ねられた状態で第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって中継部130に移動する。
【0048】
中継部130では、図12(d)に示すように、整列プレートは第1ハンドリング機構170の把持部171によって把持されて整列プレート排出部140に移動し、押上装置(図示せず)によって上方のワークストッカ141に挿入収容される。
【0049】
保管プレートは、中継部130の開閉扉131から個別に排出されても良く、前述の動作と同様に、第2ハンドリング機構160の載置テーブル161よって保管プレート供給・排出部110に移動し、供給排出機構(詳細は図示ぜず)によって自動的に排出されても良い。
【0050】
なお、中継部130から、保管プレートと整列プレートを重ねた状態で個別に供給しても良く、その場合、前述の図12(b)で示す中継部130に位置した状態から動作が開始する。
【0051】
ワークストッカ151には多数の整列プレートが重ねて収容されており、ワークストッカ141にも多数の整列プレートが収容可能なため、キャップを収容した整列プレートのセット、および、使用後の整列プレートの排出は、ワークストッカ141、151で一括して行うことができるため、整列プレートの搬入、搬出作業を簡素化することができる。
【0052】
また、整列プレート供給部150、整列プレート排出部140および個別に保管プレートを供給する中継部130が、キャップ装着装置100の前面に直線上に隣接して設けられているため、作業者のアクセスが容易となることで、さらに作業を簡素化することができる。
【0053】
以上のように、本発明のキャップ装着装置100によれば、簡単な構成で、マイクロチューブの保管プレートおよびキャップの整列プレートの搬入、搬出作業を簡素化するとともにマイクロチューブの開口部を高速かつ確実にキャップで密封することができる。
【0054】
なお、ワークストッカ141、151、第1ハンドリング機構170、第2ハンドリング機構160等の個々の構成部材の構造、あるいは、全体の構成部材の配置等は、各請求項に記載の技術的事項の範囲内のものであれば、上記実施例のものに限定されず、如何なるものであっても良い。
【符号の説明】
【0055】
100 ・・・ キャップ装着装置
110 ・・・ 保管プレート供給・排出部
120 ・・・ 密封部
130 ・・・ 中継部
131 ・・・ 開閉扉
140 ・・・ 整列プレート排出部
141 ・・・ ワークストッカ
142 ・・・ 保持バネ
143 ・・・ ベース
150 ・・・ 整列プレート供給部
151 ・・・ ワークストッカ
152 ・・・ 保持バネ
153 ・・・ ベース
160 ・・・ 第2ハンドリング機構
161 ・・・ 載置テーブル
170 ・・・ 第1ハンドリング機構
171 ・・・ 把持部
172 ・・・ レール
173 ・・・ スライド部
174 ・・・ 把持爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状の複数の区画を有しマイクロチューブを縦立収容する保管プレートと、前記保管プレートと同じ格子状の区画を有し前記マイクロチューブの開口部を密封するキャップを収容する整列プレートとを重ねた状態で前記マイクロチューブの開口部に前記キャップを押圧して密封するマイクロチューブのキャップ装着装置において、
前記保管プレートを供給する保管プレート供給部と、前記保管プレートを排出する保管プレート排出部と、前記整列プレートを供給する整列プレート供給部と、前記整列プレートを排出する整列プレート排出部と、前記マイクロチューブの開口部に前記キャップを押圧して密封する密封部とを有していることを特徴とするキャップ装着装置。
【請求項2】
前記整列プレート供給部が、複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカから整列プレートを1枚ずつ切り出すように構成され、
前記整列プレート排出部が、複数の整列プレートを重ねて保持するワークストッカに整列プレートを1枚ずつ収容するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ装着装置。
【請求項3】
前記整列プレート供給部と整列プレート排出部とを結ぶ直線上に配置された中継部を有し、
前記整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部の間で、前記保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第1ハンドリング機構を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキャップ装着装置。
【請求項4】
前記保管プレート供給部が、保管プレート排出部を兼ねるように構成され、
前記保管プレート供給部、密封部および中継部が直線上に配置され、
保管プレート供給部、密封部および中継部の間で、前記保管プレートあるいは整列プレートを移動させる第2ハンドリング機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のキャップ装着装置。
【請求項5】
前記中継部が、前記保管プレートを個別に供給可能に構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のキャップ装着装置。
【請求項6】
前記第1ハンドリング機構が、前記保管プレートあるいは整列プレートを把持する把持部を有することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のキャップ装着装置。
【請求項7】
前記第2ハンドリング機構が、前記保管プレートあるいは整列プレートを載置する載置テーブルを有することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のキャップ装着装置。
【請求項8】
前記第1ハンドリング機構と前記第2ハンドリング機構の移動方向が、互いに直交するように配置され、
前記整列プレート供給部、整列プレート排出部および中継部が側方に開放されるように配置されていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載のキャップ装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−246151(P2011−246151A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119764(P2010−119764)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】