説明

キャップ部品及びソケット及び照明装置及びキャップ部品の取り付け方法

【課題】従来の照明装置は、ランプとチューブとをキャップ部に装着する際に、ランプとチューブとの間にパッキンが設けられていたため、チューブとランプの装着が煩雑だった。
【解決手段】本発明のキャップ部品は、第1のチューブの内径以下の外径を有し、ランプを挿通する第1のチューブ挿通部23と、第1のチューブの端部を第1のチューブ挿通部23の外周にて突き当てて第1のチューブ挿通部23が第1のチューブに挿通されることを停止させる第1の突き当て部29とを備え、第1のチューブにランプを通した後、第1のチューブの端部が第1の突き当て部29に突き当たるまで挿通させてからランプの口金ピンをソケットに接続させ、キャップ部品をソケット本体1に固定する。固定することによってキャップ部パッキン3は、ランプに密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、筒状のランプと、筒状のランプを覆う第1のチューブとをソケットに取り付けるキャップ部品に関する。また、上記キャップ部品をソケットに取り付ける方法に関する。また、上記キャップ部品と上記キャップ部品を固定するソケット部品とを備えるソケットに関する。また、上記ソケットを用いる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直管形蛍光ランプが露出している照明装置を低温環境で使用した場合、ランプの表面温度が低く、発光効率の良い温度まで上昇しにくいため、十分な明るさが得られなかった。そこで、特開2001−102000号公報(特許第3575353号)による発明、及び、特開2004−327179号公報による発明では、透光性のあるチューブでランプを覆って空気層を設けることにより、この空気層がランプの表面温度の低下を抑制し、十分な明るさを得ることを可能にした。
【特許文献1】特開2001−102000号公報
【特許文献2】特開2004−327179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したような透光性のあるチューブでランプを覆って空気層を設けることにより、この空気層がランプの表面温度の低下を抑制する照明装置では、低温環境でこの照明装置を使用する場合において、ソケット内部やランプへの防水構造を持ちつつ、チューブと直管形蛍光ランプとの装着が手間であるという問題があった。
【0004】
(1)特開2001−102000号公報(特許第3575353号)によれば、照明装置に搭載したソケットはつき合わせ式であり、ランプとチューブをランプ軸方向に可動させる操作の手間がある(問題点1)。また、その可動分だけソケットはランプ軸方向の幅が大きくなり、しいては照明装置が大型化する課題があった(問題点2)。
また、ランプとチューブの空気層にはソケット前面にパッキンがあり侵水を防ぐことが可能であるが、ソケット内部への防水構造は取られておらず、結露した場合にソケット内部に侵水し絶縁低下や短絡するおそれがあった(問題点3)。
さらに、ランプとチューブの間には空気層を設ける必要があるため、前記ランプとチューブの両端部にはランプ外径とチューブ内径の間に、ランプがチューブ内で位置ズレが発生しないように位置決めとなる部材を取りつける手間があった(特開2001−102000号公報(特許第3575353号)ではヒータ部材で位置決めを行っている)(問題点4)。
【0005】
(2)特開2004−327179号公報によれば、防水ソケットを使用しているためソケット内部への侵水を防ぐことが可能であるが、ランプと内側チューブとの間には、ランプと内側チューブとの間に密着する弾性変形可能(シリコン)なパッキンを装着させ、ランプがチューブ内で位置ズレが発生しないようにしている。このため、ランプとチューブをソケットに装着させるとき、チューブとランプとによりパッキンをはさみ込むようにチューブとランプとを装着させる作業が必要であるため、ランプとチューブの装着が手間であった(問題点5)。
【0006】
本願発明は、上記した5つの問題点を解決するため、低温環境で使用しても、結露した場合はソケット内部及びランプへ侵水することがないキャップ部品、ソケット、照明装置を提供することを目的とする。また、チューブを使用することによりランプの表面温度を発光効率のよい温度に維持するとともに、ランプ及びチューブの装着が簡単にできるキャップ部品、上記キャップ部品とランプを取り付けるとともに上記キャップ部品が取り付けられるソケット部品とを備えるソケット、及び、上記ソケットを使用した照明装置を提供することを目的とする。また、上記キャップ部品を上記ソケットに取り付ける取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る筒状のランプと、上記筒状のランプを覆う第1のチューブとをソケットに取り付けるキャップ部品は、
上記ランプをスライド可能に挿通するとともに、上記第1のチューブにスライド可能に挿通される第1の環状挿通部と、
上記第1の環状挿通部が上記第1のチューブに挿通される場合に、挿通される第1のチューブを停止させる第1の停止部とを備え、
上記第1の環状挿通部は、上記第1のチューブの内径以下の外径を有し、
上記第1の停止部は、上記第1のチューブの端部を上記第1の環状挿通部の外周にて突き当てる第1の突き当て部を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明におけるキャップ部品は、第1の突き当て部を備えることにより、第1のチューブをキャップ部品に装着することを容易に行うことが出来る効果がある。また、キャップ部品は、第1の環状挿通部を備えることにより、ランプが第1のチューブ内で位置ずれすることを防ぎ、ランプと第1のチューブとの間に空気層が設けられて、ランプの表面温度は発光効率のよい温度を維持することが可能となる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
この実施の形態では、第1の環状挿通部と、第1の停止部とを備えるキャップ部品について一例を説明する。
図1は、この実施の形態のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
図2は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体を、ランプ装着方向の断面を示した図である。図2のキャップ部2には、ランプ5と第1のチューブ6とはまだ挿通されていない。
図3は、第1のチューブの内径を示す図である。
【0010】
図1において、ソケット本体1は、ランプ及びソケット本体1への侵水を防止する防水型のランプソケットであって、キャップ部品の一例であるドカン状のキャップ部2を最外側に固定する。以下、キャップ部品をキャップ部2と称する。ただし、キャップ部品と称する場合もある。また、ソケット本体1は、最内側にランプの口金ピンを接続する接触片4を備える。図2において、キャップ部品の一例であるドカン状のキャップ部2は、ランプ挿入側と逆面側とを有し、ランプ挿入面28側の外径D1は、図3に示した円筒状の第1のチューブ内径Eよりも小さい。そして、キャップ部2は、ランプ挿入面28側に、第1のチューブ6に挿通できるとともに、第1のチューブ6に挿通した後、第1のチューブ6の内側をスライド可能である第1のチューブ挿通部23(第1のチューブ挿通部23は、後述するランプ挿通部22とともに第1の環状挿通部を構成する要素の一例である)をもつ。また、ランプ挿入面28側の逆面281側(ランプ挿出面)の外径D2は、前記第1のチュ−ブ内径Eよりも大きい。そして、キャップ部2は、逆面281側に、第1のチューブ6が挿通不可能な第1のチューブ停止部24(第1の停止部の一例)をもつ。すなわち、第1のチューブ内径Eとランプ挿入面28側の外径D1と逆面281側の外径D2との関係は、D1<E<D2となる。
【0011】
また、キャップ部2は、ソケット本体1にキャップ部を固定する際に使用するキャップ部ねじ込み部21(固定部の一例)を備え、ソケット本体1のソケット部品は、キャップ部ねじ込み部21を取り付ける本体ねじ込み部11(被固定部の一例)と、筒状のランプの一例である直管形蛍光ランプ(以下、「ランプ」と称する)の口金ピンと接触する接触片4とを備える。キャップ部ねじ込み部21は雌型状のねじであり、本体ねじ込み部11は雄型状のねじであり、これら2つのねじを接続することにより、キャップ部2がソケット本体1に固定される。
【0012】
また、キャップ部2の第1のチューブ停止部24は、第1の突き当て部29を備え、第1の突き当て部29は、「(D2 − D1)/2」の高さを有して、第1のチューブ挿通部23が第1のチューブ端面61より挿通されると、第1のチューブ端面61が第1の突き当て部29にぶつかり、第1のチューブ端面61がこれ以上逆面281側に挿通されることを防いできる。また、第1の突き当て部29は、第1のチューブ挿通部23の外周上に設けられ、第1のチューブ挿通部23の外周にて第1のチューブ端面61を突き当てる。
【0013】
また、ソケット本体1はランプ挿通部22(ランプ挿通部22は、前述した第1のチューブ挿通部23とともに第1の環状挿通部を構成する要素の一例)から挿通したランプ端部を抜けにくくするとともに、キャップ部2の内側とランプとの間の侵水を防止する弾性変形可能なキャップ部パッキン3を備えた。そして、キャップ部パッキン3はランプ挿入面28側に抜け止め部32を備え、第1のチューブ挿通部23は、ランプ挿入面28側の内側にひっかけ部31を備える。キャップ部パッキン3は、ランプをランプ挿通部22から挿入する前に、キャップ部2にセットされ、抜け止め部32とひっかけ部31とがひっかかり合って、キャップ部から抜けにくくしている。ランプをランプ挿通部22からキャップ部に挿通するとランプの挿通にともないキャップ部パッキン3がランプ挿通方向に移動するが、ひっかけ部31に抜け止め部32がひっかかるので、キャップ部パッキン3がキャップ部2の逆面281側へ移動して抜けることを防止する。
また、ソケット本体1は、キャップ部2がソケット本体1に固定される際に、キャップ部パッキン3の先端部が挿入されるパッキン挿入穴310をソケット部品として有する。
【0014】
図4はランプ5の両端をそれぞれ、図2に示したキャップ部2のランプ挿通部22に通し、第1のチューブ6の両端がそれぞれキャップ部2の第1のチューブ挿通部23を挿通した状態を示す図である。
図4のように、キャップ部2にランプ5と第1のチューブ6とが装着されるには、まずはじめに、第1のチューブ6にランプ5を通す。次に、第1のチューブ6の端部からキャップ部2の第1のチューブ挿通部23をスライドさせて挿通するが、このとき、ランプ5は、キャップ部2のランプ挿入面28(図2に図示あり)からランプ挿通方向に向けてランプの端部を挿入する。キャップ部パッキン3は、ランプをキャップ部2に挿入する際には、キャップ部2にセットされているが、ランプ端部がキャップ部パッキン3を移動する時は、まだキャップ部パッキン3はランプ5の側面に密着していないので、ランプ5はスムーズにキャップ部内を移動できる。
【0015】
図5は、ランプ5と第1のチューブ6とを挿通したキャップ部2をソケット本体1に固定する前の状態を示す図である。
キャップ部2をソケット本体1に固定するには、図4に示す状態からまずソケット本体1の接触片4にランプ5の口金ピンを取り付け(図5の状態)、その後、キャップ部ねじ込み部21をソケット本体の本体ねじ込み部11に取り付ければ、キャップ部2をソケット本体1に容易に取り付けることが可能である(図6:正規使用状態)。
図6は、キャップ部2がソケット本体1に取り付けられた状態(正規使用状態)を示す図である。
【0016】
ここで、キャップ部パッキン3が変形することについて説明する。キャップ部2をソケット本体1に固定させるため、図5に示すようにキャップ部ねじ込み部21を取り付け方向に距離Xだけ動かすと、第1のチューブ挿通部23も同じ距離Xだけ取り付け方向に移動する。第1のチューブ挿通部23が取り付け方向に動くと、キャップ部パッキン3も取り付け方向に動いて、キャップ部パッキン3の先端部分がソケット本体1のパッキン挿入穴310に挿入され、キャップ部パッキン3の先端部分がパッキン挿入穴310の壁に到達する。さらに、キャップ部パッキン3が取り付け方向に動かされると、キャップ部パッキン3が図6のように変形して、抜け止め部32とひっかけ部31とが強くかみ合う。
【0017】
従って、従来技術のようにランプとチューブの間に密着する弾性変形可能(シリコン)なパッキン等を配置させる構造とは異なり、第1のチューブ6は第1のチューブ挿通部23の一部と密着し、ランプ5はキャップ部2に挿通される際にはキャップ部パッキン3と密着しない。このため、容易に第1のチューブ6とランプ5とをキャップ部2に取り付けることが可能となる。しかも、キャップ部2をソケット本体1に固定するとキャップ部パッキン3が変形して、抜け止め部32とひっかけ部31とが強くかみ合うことにより、ランプ5が第1のチューブ6内で動くことを防止するので、ランプ5の位置ズレが発生せず、ランプ5と第1のチューブ6との間に空気層が設けられ、ランプの表面温度は発光効率の良い温度を維持することが可能である。
【0018】
また、ランプ挿入面28側の外径D1は、第1のチューブ6の内径Eよりも小さいと説明したが、第1のチューブ6が伸縮可能な材質で生成されている場合には、外径D1は内径Eと同じであってもかまわない(D1≦E<D2)。これは、第1のチューブ6に第1のチューブ挿通部23を挿通させる場合、第1のチューブ6が伸びるので、第1のチューブ挿通部23を挿通できるためである。
【0019】
この実施の形態では、直管形蛍光ランプと接続可能な接触金具(接触片4)を内部にもつランプソケット本体1と、前記本体のランプ当接面側に略円筒上に延びたねじ込み可能な本体ねじ込み部11と、略円筒状でランプが挿通可能なランプ挿通部22を持ち、前記本体ねじ込み部11に対応してねじ込み可能なキャップ部ねじ込み部21をもつキャップ部2と、キャップ部2にランプ5を挿通しランプ5をソケット本体1の接触金具に接続した後に、前記本体ねじ込み部11とキャップ部ねじ込み部21とを締めつけ、ランプ管壁部及びソケットのランプ当接面にランプ及びソケット内部への侵水を防ぐことを可能にしたキャップ部パッキン3を具備した防水型ランプソケット(以下ソケットと称す)を説明した。さらに、前記ソケットはランプの外径を覆った円筒状の第1のチューブ6をもつ照明装置で使用され、前記キャップ部2のランプ挿入面28側の外径D1は、円筒状の第1のチューブ6の内径Eよりも小さく、第1のチューブ6に挿通できるとともに、挿通した第1のチューブ6内で移動可能である第1のチューブ挿通部23をもち、前記ランプ挿入面28側の逆面281側の外径D2は、前記第1のチュ−ブ6の内径Eよりも大きい、第1のチューブが挿通不可能な第1のチューブ停止部24を持つことを特徴とするキャップ部品について説明した。
また、前記キャップ部品と、直管形蛍光ランプを取り付けるとともに、本体ねじ込み部11を備えるソケット部品と、キャップ部とソケット部品との間にあって、ランプの端部を覆う弾性変形可能なキャップ部パッキン3とを備えたことを特徴とするソケットについて説明した。
また、前記ソケットを使用する照明装置について説明した。
【0020】
上記したこの実施の形態で説明したキャップ部品、ソケット及び照明装置は、以下の効果を有する。
第1のチューブの内側に挿通される第1のチューブ挿通部の外径D1を、第1のチューブの内径E以下としたため、ドカン状の第1のチューブ挿通部を第1のチューブに容易に挿通できる。さらに、内径Eと外径D1とが等しい場合には、第1のチューブ6と第1のチューブ挿通部23とが密着する。
また、第1のチューブ挿通部の外周上に第1のチューブ停止部を設け、第1のチューブ停止部が第1の突き当て部を有することにより、第1のチューブに挿通される動作を、第1のチューブの端部が第1の突き当て部に突き当たることにより止めることが出来る。このため、第1のチューブの端部が第1の突き当て部に突き当たるまで挿通すればよく、挿通動作を止める位置を気にすることなく、第1のチューブにキャップ部品を容易に装着できる。
また、キャップ部パッキンを備えたことにより、キャップ部に挿入したランプ端部を抜けにくくするとともに、キャップ部の内側とランプとの間の侵水を防止する。
また、ランプが第1のチューブ内で位置ずれすることを防ぐことができる。また、位置ずれを防ぐことより、ランプと第1のチューブとの間に空気層ができ、ランプの表面温度が発光効率のよい温度に維持できる。
【0021】
実施の形態2.
この実施の形態では、第1のチューブ挿通部の長さについて説明する。
第1のチューブ6とランプ5とを取り付けたキャップ部2をソケット本体1に取り付ける場合、キャップ部ねじ込み部21が取り付け方向に距離Xだけ移動する(図5)。そして、第1のチューブ挿通部23も距離Xだけ取り付け方向に移動する(図5)。この移動にともない、第1の突き当て部29に突き当たって停止している第1のチューブ6の端部は、第1の突き当て部29より離れて、第1のチューブ挿通部23から外れる状態に移行する。しかし、第1のチューブ挿通部23の長さは、キャップ部2がランプ装着前位置の状態から、ランプをソケットに取りつけた後にグランドを締めつけた状態(キャップ部ねじ込み部21と本体ねじ込み部11とを締めつけた状態)、すなわち図6の正規使用状態まで移動した距離(X)の2倍を超える長さ(2X超)にした(図4、図5参照)ので、図6に示した正規使用状態で、第1のチューブ挿通部23は移動距離(X)以上、第1のチューブに挿通されている。このため、ランプと第1のチューブの間に空気層を確実に保持でき信頼性の高いソケットを提供することができる。
【0022】
また、このようなキャップ部2を固定したソケット、及び、このソケットを少なくとも1対使用する照明装置は、第1のチューブが一端のソケット側によっても、第1のチューブ6がキャップ部2から外れることがないので、信頼性の高い照明装置を提供することができる。
【0023】
また、前記キャップ部2を固定したソケット、及びこのソケットを少なくとも1対使用した照明装置は、第1のチューブ6の長さを、図5,6に示すように、1対のキャップ部2がランプ装着前位置の状態で、第1のチューブ停止部前面(チューブ挿通部側)間の長さ(L)とした第1のチューブを使用する。
【0024】
この実施の形態では、第1のチューブ挿通部23の長さはキャップ部2がランプ装着前位置の状態から、ランプ5をソケット本体1に取りつけた後にキャップ部ねじ込み部21と本体ねじ込み部11とを締めつけた状態、すなわち正規使用状態まで移動した距離(X)よりも2倍を超える長さ(2X超)にしたことを特徴とするキャップ部2について説明した。
【0025】
また、前記キャップ部2を固定したソケット、及びこのソケットを少なくとも1対使用した照明装置は、第1のチューブの長さを、1対のキャップ部がランプ装着前位置の状態で、第1のチューブ停止部前面(チューブ挿通部側)間の長さ(L)とした第1のチューブを使用したことを特徴とすることについて説明した。
【0026】
上記したこの実施の形態で説明したキャップ部、ソケット及び照明装置は、以下の効果を有する。
第1のチューブ挿通部の長さは、キャップ部が取り付け方向に移動する距離Xの2倍の長さを超える。このため、第1のチューブ挿通部が取り付け方向に距離X移動しても、第1のチューブ挿通部が取り付け方向に距離X移動しても、第1のチューブと第1のチューブ挿通部とが外れることがなく、第1のチューブ挿通部は移動距離(X)以上、第1のチューブに挿通されているので、ランプと第1のチューブとの間に空気層を確実に保持でき、信頼性の高いソケットを提供することができる。
【0027】
また、前記したキャップ部品を備えるソケット及び、このソケットを少なくとも1対使用した照明装置は、第1のチューブが一端のソケット側によっても、第1のチューブがキャップ部から外れることがないので、信頼性の高い照明装置を提供することができる。
【0028】
実施の形態3.
この実施の形態では、第1のリング状パッキンを備えるキャップ部品について説明する。
図7は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
図1との違いは、キャップ部2が第1のリング状パッキン7を備えことであり、第1のリング状パッキン7は、第1のチューブ6の内径E以上の外径を有する防水性のあるリング状パッキンである。また、第1のリング状パッキン7は、パッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72とにより固定されている点である。この他は、実施の形態1及び2のキャップ部2と同じである。
図8は、この実施の形態のランプの両端をそれぞれキャップ部のランプ挿通部に通し、第1のチューブの両端はそれぞれキャップ部の第1のチューブ挿通部を挿通する状態を示す図である。特に、第1のチューブ6の内径と第1のリング状パッキン7とが密着して、第1のチューブ6に第1のチューブ挿通部23が挿通されていることを示す。
図9は、実施の形態3のランプと第1のチューブとを挿通したキャップ部をソケットに固定する前の状態を示す図である。
図10は、実施の形態3のキャップ部2がソケット本体に取り付けられた状態(正規使用状態)を示す図である。
図9、図10は、キャップ部2が第1のリング状パッキン7を備えている以外は、上記実施の形態1,2の図5、図6と同じである。
【0029】
キャップ部パッキン押さえ72にパッキン押さえ部品71を取り付ける方法について説明する。
キャップ部パッキン押さえ72は、第1のチューブ挿通部23の一部を形成する部品と一体形成された部品である。上記したようにキャップ部2はドカン状の形状をしているため、図7に示す第1のチューブ挿通部23の一部とキャップ部パッキン押さえ72との段差部分は、ドカン状(筒状)の形状を有している。この段差部分に、第1のリング状パッキン7をはめ込む。そして、はめ込んだ第1のリング状パッキン7を挟み込むようにパッキン押さえ部品71をキャップ部パッキン押さえ72に取り付ける。例えば、パッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72とはそれぞれ、雄型と雌型のねじの形状をしており、これらのねじを締めつけることにより、第1のリング状パッキン7を固定する。第1のリング状パッキン7を固定した後は、パッキン押さえ部品71と、第1のリング状パッキン7と、キャップ部パッキン押さえ72と一体形成された第1のチューブ挿通部23の一部とにより、第1のチューブ挿通部23を形成する。上記したように第1のリング状パッキン7の外径は、第1のチューブ6の内径E以上であるため、第1のリング状パッキン7を固定したキャップ部2の第1のチューブ挿通部23を第1のチューブ6に挿通させると、第1のチューブ6の内壁と第1のリング状パッキン7とが、図8のように密着する。
【0030】
このように、キャップ部2の第1のチューブ挿通部23に第1のチューブ6の内径E以上の大きい径で、前記キャップ部外径(第1のチューブ挿通部23)上に配置した防水性のある第1のリング状パッキン7を備えたので、ランプ5と第1のチューブ6内との保温効果を高める効果が得られる。
【0031】
ここで、図7のキャップ部2は第1のリング状パッキン7を境にパッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72との2つの部品に分割した構造にして、これら2つの部品にそれぞれ雄型と雌型のねじ込み部を設け、連結構造としている。しかし、これは一例であって、必ずしも2分割にする必要はない。また、ねじ込み部ではなく、ひっかけ部31と抜け止め部32のように、パッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72とが引っかかりあう構造にしてもかまわない。
【0032】
例えば、1つの部品で構成するものとして、キャップ部2の第1のチューブ挿通部23に溝を設けて、この溝に第1のリング状パッキン7をはめ込む方法がある。
図11は、この実施の形態の1部品で第1のリング状パッキンを配置するキャップ部の一例を示す図である。(a)は、第1のリング状パッキンを配置した後を示し、(b)は、第1のリング状パッキンを配置する前を示す。
図12は、図11に示したキャップ部を使用するソケットにおいて、ランプの両端をそれぞれキャップ部のランプ挿通部に通し、第1のチューブの両端にはそれぞれキャップ部の第1のチューブ挿通部を挿通した状態を示す図である。
【0033】
図11に示すように、第1のチューブ挿通部23には、第1のリング状パッキン7をはめ込む溝73が設けられ、第1のチューブ挿通部23は、第1のチューブ停止部24と一体化した一部品によって構成する。
このように一部品によって第1のチューブ挿通部23を構成した場合でも、第1のリング状パッキン7の外径は、第1のチューブの内径E以上であるため、第1のリング状パッキン7を取り付けたキャップ部2の第1のチューブ挿通部23を第1のチューブ6に挿通させると、第1のチューブ6の内壁と第1のリング状パッキン7とが、図12のように密着する。このため、第1のリング状パッキン7をはめ込む溝73を第1のチューブ挿通部23に設ける構造にしても、図7に示したような2つの部品の連結構造とした第1のチューブ挿通部23と同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、図7及び図11に示したキャップ部を備えるソケット、及びこのソケットを少なくとも1対使用した場合、1対の前記第1のリング状パッキンは正規使用状態で、それぞれ第1のチューブ内径と密着可能であるため、保温効果が得られる他、第1のチューブが片側のソケット側へ片寄りにくくなる。
【0035】
この実施の形態では、キャップ部の第1のチューブ挿通部に第1のチューブの内径以上の大きい径で、前記キャップ部外径(第1のチューブ挿通部)上に配置した防水性のある第1のリング状パッキンを備えたことを特徴としたキャップ部を説明した。
【0036】
また、前記キャップ部2を固定したソケット、及びこのソケットを少なくとも1対使用した照明装置は、第1のリング状パッキンが正規使用状態で、それぞれ第1のチューブ内径と密着可能にしたことを特徴とすることを説明した。
【0037】
上記したこの実施の形態で説明したキャップ部、ソケット及び照明装置は、以下の効果を有する。
キャップ部の第1のチューブ挿通部に第1のチューブの内径以上の大きい径で、前記キャップ部外径(第1のチューブ挿通部)上に配置した防水性のある第1のリング状パッキンを備えたので、ランプと第1のチューブ内との保温効果を高める効果が得られる。
また、第1のチューブが片側のソケット側へ片寄りにくくなる効果がある。
【0038】
実施の形態4.
この実施の形態では、円筒部を備えるキャップ部について説明する。
図13は、第1のリング状パッキンを備えたキャップ部を使用する照明装置を示す図である。図13に示すように、第1のチューブ6とランプ5とを取り付けたキャップ部2を備えるソケットであって、さらに、第1のリング状パッキン7をキャップ部2に設けたソケットを照明装置本体8に使用する。しかし、第1のチューブ6の端部や第1のリング状パッキン7が見えてしまうため、照明装置としての見栄えが悪くなり、デザイン性に欠ける。このため、キャップ部に円筒部を設けて、第1のチューブ6の端部や第1のリング状パッキン7が見えない構造にする。
【0039】
図14は、この実施の形態のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体1を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。図14において、円筒部25は、最外側に配置する。
図15は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定したソケット部品とを備えるソケット本体1の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
図15において、第1のチューブ挿通部23は、パッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72とにより構成した上記した実施の形態3の図7に示した構造と同様である。さらに、この実施の形態のキャップ部は、第1のチューブ挿通部の外周に、第1のチューブ6の外径以上の内径を有する円筒部25をキャップ部に図15のように立設させたことを特徴とする点で、図7のキャップ部2とは異なる。図15に示すキャップ部には、第1のチューブ6とランプ5とが既に装着済みであって、キャップ部はソケット本体1に固定されている。円筒部25を設けた目的は、第1のチューブ6の端部を見えなくするとともに、第1のリング状パッキン7を見えなくすることである。このため、円筒部25のランプ挿入面28側(ランプ挿入面28側は図2に図示あり)の円筒部端部25aは、キャップ部がソケット本体1に固定されているときの第1のリング状パッキン7の位置よりも、ランプ挿入面28(ランプ挿入面28側は図2に図示あり)側寄りにあるように形成する。
【0040】
例えば、図5に示したように、キャップ部をソケット本体に固定させる場合、第1のチューブ挿通部23が取り付け方向に距離Xだけ移動する。すると、取り付け終了後の第1のチューブ6の端部は、取り付けを開始する前の位置から取り付け方向とは逆の方向に距離X移動したようになる。そこで、円筒部25の長さを、距離Xを2倍した長さを超える長さにすると、取り付け終了後の第1のチューブ6の端部が円筒部25により隠されて見えなくなる。また、取り付け終了後に第1のチューブ6の端部付近にあるように設けた第1のリング状パッキン7も、円筒部25により隠されて見えなくなる。
【0041】
このような円筒部25を備えるキャップ部を固定したソケット、及びこのソケットを使用する照明装置は、円筒部25により第1のリング状パッキン7と第1のチューブ6の端部とが見えなくなるため、見栄えの良いソケット及び照明装置を提供できる。
【0042】
また、図15に示すキャップ部には、第1のチューブ6とランプ5とが既に装着済みであって、キャップ部はソケット本体1に固定されているため、第1のチューブ6の端部は、第1のリング状パッキン7と密着可能な部分にある。しかし、キャップ部をソケット本体に固定する前は、第1のチューブ6の端部は、第1の突き当て部29に突き当たっている。
【0043】
また、逆面281側(逆面281は図2に図示あり)の円筒部端部25bは、第1のチューブ停止部24を兼ねている。このため、逆面281側の円筒部端部25bの内側(ソケット本体1にキャップ部を固定する際に本体ねじ込み部11と接続する部分)には、図2に示した第1のチューブ停止部24の内側のキャップ部ねじ込み部21を設けている。従って、ソケット本体1は、図2と同様に本体ねじ込み部11を備え、キャップ部をソケット本体1に固定する場合は、逆面281側の円筒部端部25bの内側に設けたキャップ部ねじ込み部21と本体ねじ込み部11とを取り付ける。
【0044】
この実施の形態では、第1のチューブ挿通部の外周に、内径が第1のチューブの外径以上の第1の円筒部をキャップ部に立設させたことを特徴とするキャップ部を説明した。
また、前記第1の円筒部の長さは距離(X)の2倍を超える長さ(2X超)で立設させたキャップ部を固定したソケットと、このソケットを少なくとも1対使用した照明装置について説明した。
【0045】
上記したこの実施の形態で説明したキャップ部、ソケット及び照明装置は、以下の効果を有する。
キャップ部品は、第1のチューブ挿通部の外周に、内径が第1のチューブの外径以上の第1の円筒部をキャップ部に立設させたことを特徴としているので、第1のチューブの端部が隠れるので、意匠性の良いソケットを提供することが可能である。
また、前記第1の円筒部の長さが距離(X)の2倍を超える長さ(2X超)で立設させたキャップ部を固定したソケットと、このソケットを少なくとも1対使用した照明装置は、第1のチューブの端部が隠れるので、意匠性の良いソケット及び照明装置を提供することが可能である。さらに、第1のリング状パッキンが1対のソケットの片側に片寄っても、第1のパッキンの端部が見えないので、より意匠性をよくすることができる。
【0046】
実施の形態5.
この実施の形態5では、キャップ部が第2のチューブに挿通される第2のチューブ挿通部を備えることについて説明する。
図16は、この実施の形態のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
図17は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
図18は、第2のチューブの内径を示す図である。
図19は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定したソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【0047】
図16において、ソケット本体1に固定されたキャップ部品は、最外側に第2のチューブ停止部27を備え、2番目の外側に第2のチューブ挿通部26とを備えた。第2のチューブ挿通部26は、第1のチューブ挿通部23と同様にドカン状をしている。
図17において、第2のチューブ挿通部26は、図15に示した円筒部25と同様に、第1のチューブ挿通部23の外周に設けられている。このため、第1のリング状パッキンを見えなくすることが可能である。また、第2のチューブ挿通部26は、図18に示す第2のチューブ9の内径F以下の外径D3を有し、第2のチューブ9の内側に挿通される。第2のチューブ挿通部26を内側に挿通した第2のチューブ端面92は、第2のチューブ停止部27の備える第2の突き当て部291に突き当たり、第2のチューブ挿通部26を挿通する動作を停止する。第2のチューブ停止部27は、第2のチューブ9の内径Fよりも大きな外径D4を有する。また、第2のチューブ9の内径Fは、第1のチューブ6の外径よりも大きい。第2の突き当て部291の高さは(D4−D3)/2である。第1のチューブ6に第1のチューブ挿通部23を挿通し、第2のチューブ9に第2のチューブ挿通部26を挿通すると、図19のように第1のチューブ6と第2のチューブ9との間に、空気層91が出来る。
また、第2のチューブ停止部27は、内側が図2のキャップ部ねじ込み部21のように雌型のねじ状をしており、ソケット本体1は、雄型のねじ状をした本体ねじ込み部11を備え、キャップ部2をソケット本体1に固定する際に、第2のチューブ停止部27の内側のねじ状部分を本体ねじ込み部11に締めつけて取り付ける。このように、第2のチューブ停止部27の内側の形状を雌型のねじ状とすることにより、第2のチューブ停止部27は図2に示した第1のチューブ停止部24を兼ねる。キャップ部2のキャップ部パッキン3、ひっかけ部31、抜け止め部32、第1のリング状パッキン7、パッキン押さえ部品71、キャップ部パッキン押さえ72はそれぞれ、図2及び図7の同じ符号を付した要素と同様の構造しており、同様の動作を行うものである。
【0048】
ランプ5及び、第1のリング状パッキン7、第1のチューブ6、第2のチューブ9、とを装着したキャップ部2をソケット本体1に固定した照明装置に用いた場合、第2のチューブ9の内径は、第1のチューブ6の外径より大きいので、第1のチューブ6を覆い囲むことができ、このため第2のチューブ9と第1のチューブ6との間に空気層を持つことが可能である。このように、空気層を設けることにより、第1のチューブ6のみを装着する場合と比較してさらにランプの表面温度を発光効率よい温度に維持できる。また、第2のチューブ挿通部26の外径D3は、前記第2のチューブ9の内径F以下であり、第2のチューブ挿通部26は、第2のチューブ9に挿通できるとともに移動可能であり、ランプ挿入面28側の逆面281(ランプ挿入面28及び逆面281は図2に図示あり)側の外径は、前記第2のチューブ9の内径Fよりも大きく、逆面281側に第2のチューブ9の挿通を不可能にする第2の突き当て部291を備える第2のチューブ停止部27を備えた。このため、キャップ部を低温環境に合わせて変更することなく、第1のチューブ6を使用した場合と、第1のチューブ6と第2のチューブ9とを使用した場合との、2通りの使用状態を選択できる。また、2通りの使用状態に応じてキャップ部を変更する必要がないので、部品を共通化でき、金型費を削減することが可能である。
【0049】
この実施の形態では、第1のチューブの外径より大きく、第1のチューブを覆い囲み第1のチューブとの間に空気層を持つことが可能な第2のチューブに対応して、ランプ挿入面側の外径は、前記第2のチューブの内径以下であり、第2のチューブに挿通できるとともに移動可能である第2のチューブ挿通部をもち、ランプ挿入面側の逆面側の外径は前記第2のチュ−ブ内径よりも大きく、第2のチューブが挿通不可能な第2のチューブ停止部を持つことを特徴とするキャップ部について説明した。
また、このキャップ部を固定するソケット部品を備えるソケットと、このソケットを少なくとも1対使用するとともに、ランプの外周を覆った円筒状の第1のチューブと、第1のチューブの外径よりも大きく、第1のチューブを覆い囲み第1のチューブとの間に空気層を持つことが可能な第2のチューブを使用したことを特徴とする照明装置とを説明した。
【0050】
この実施の形態のキャップ部、このキャップ部を固定するソケット、及び、このソケットを少なくとも1対使用する照明装置は、以下の効果がある。
第1のチューブの外径より大きく、第1のチューブを覆い囲み第1のチューブとの間に空気層を持つことが可能な第2のチューブに対応して、ランプ挿入面側の外径が前記第2のチューブの内径以下であり、第2のチューブに挿通できるとともに移動可能である第2のチューブ挿通部をもち、ランプ挿入面側の逆面側の外径は前記第2のチュ−ブ内径よりも大きく、第2のチューブが挿通不可能な第2のチューブ停止部を持つキャップ部にしたので、低温環境が更に低い場合でも、キャップ部を変更することなく第1のチューブを使用した場合と、第1と第2のチューブを使用した場合の2通りについて使用でき、部品を共通化でき、金型費を削減することが可能である。
【0051】
実施の形態6.
この実施の形態では、図19に示したキャップ部がさらに、第2のリング状パッキンを備えることを説明する。
図20は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定したソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
図20において、第2のチューブ挿通部26は、第2のリング状パッキン74を配置する溝75を備え、溝75に、第2のリング状パッキン74をはめる。溝75と第2のリング状パッキン74を備えることの他は、図17及び図19に示したキャップ部と同様であるものとする。
【0052】
第2のリング状パッキン74は、第2のチューブ9の内径よりも大きい外径を有して、第2のチューブ挿通部26上に配置した防水性のあるパッキンである。このため、第2のチューブ9に、第2のリング状パッキンを装着した第2のチューブ挿通部26を挿通すると、第2のチューブ9の内側と第2のリング状パッキンとが密着して、第2のチューブ9内の保温効果を高められる。このため、このキャップ部は、第1のチューブ6のみを装着する場合よりも、さらに低温の環境で使用することが可能である。
【0053】
この実施の形態では、キャップ部の第2のチューブ挿通部に第2のチューブの内径よりも大きい外径を有して、第2のチューブ挿通部上に配置した防水性のある第2のリング状パッキンを備えたことを特徴としたキャップ部を説明した。
【0054】
また、上記したキャップ部を固定するソケット部品を備えるソケットを少なくとも1対使用して、ランプの外周を覆った円筒状の第1のチューブと、第1のチューブの外径よりも大きい外径を有して第1のチューブを覆い囲み第1のチューブとの間に空気層を持つことが可能な第2のチューブを使用した照明装置に用いる。
【0055】
この実施の形態のキャップ部、このキャップ部を固定するソケット、及び、このソケットを少なくとも1対使用する照明装置は、以下の効果を備える。
キャップ部は、第2のチューブ挿通部に第2のチューブの内径よりも大きい外径を有して、第2のチューブ挿通部上に配置した防水性のある第2のリング状パッキンを備えたので、第2のチューブ内の保温効果を高められるので、より低温の環境で使用することが可能である。
【0056】
また、上記したキャップ部を固定するソケットを少なくとも1対使用するとともに、ランプの外周を覆った円筒状の第1のチューブと第1のチューブの外径よりも大きく、第1のチューブを覆い囲み第1のチューブとの間に空気層を持つことが可能な第2のチューブを使用したので、第2のチューブが片側のソケット側へ片寄りにくくなる。
【0057】
実施の形態7.
この実施の形態では、キャップ部をソケットに固定させるキャップ部の部分について説明する。
図21は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向断面を示した図である。
図21において、キャップ部つめ部211は、キャップ部をソケットに固定するための部品であって、図2のキャップ部ねじ込み部21に対応する。また、ソケットつめ受け部212は、ソケットにキャップ部を固定させるためにソケット部品が備えるものであり、図2の本体ねじ込み部11に対応する。
図21に示したように、キャップ部をソケットに固定する部品は、ねじ込み式ではなく、突起部を有するキャップ部つめ部211と、突起部がはめ込まれるくぼみを有するソケットつめ受け部212とによるはめ込み式の構造でもかまわない。キャップ部をソケットに固定する部品は、固定させる際に利用者が容易に操作することができ、確実に固定されて、容易には外れることがない構造がよい。
【0058】
また、図2に示す第1のチューブ停止部24は、逆面281側に第1のチューブ挿通部23の外周に円筒状に設けられていた。図22は、この実施の形態のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体を、ランプ装着方向の断面を正面から示した図である。(a)は、所定の間隔毎にキャップ部つめ部を設けたキャップ部断面を示し、(b)は、円状に連続してつながったキャップ部つめ部を設けたキャップ部断面を示す。図21に示したキャップ部つめ部211を内側に有する第1のチューブ停止部24は、図2の第1のチューブ停止部24と同様に、図22(b)に示すように逆面281側に第1のチューブ挿通部23の外周に円筒状に設けられている。或いは、図22(a)に示すように、逆面281側に第1のチューブ挿通部23の外周に所定の間隔毎に複数設けられていてもかまわない。図22(a)のように、キャップ部つめ部を設けた場合、ソケットつめ受け部212は、円状に連続してつながったソケットつめ受け部212を備えるか、或いは、キャップ部つめ部211の位置と一致する位置にソケットつめ受け部212を備えるか、いずれでもかまわない。
【0059】
また、図2、図22に一例示した以外の形状をした部品によって、キャップ部をソケットに固定するようにしてもかまわない。キャップ部をソケットに固定する部品は、固定させる際に利用者が容易に操作することができ、確実に固定されて、容易には外れることがない構造がよい。
【0060】
実施の形態8.
この実施の形態では、キャップ部品の取り付け方法について説明する。
図23は、キャップ部品取り付け工程のフローチャート図である。
図23に示した工程により取り付けを行うキャップ部品とソケット部品は、図2に示したキャップ部2とソケット本体1である。
図23において、はじめに第1のチューブ6にランプ5を通す(S1)。次に、第1のチューブ6にランプ5が通った状態のまま、第1のチューブ6の内側に第1のチューブ挿通部23を挿通する。この時、キャップ部2は、第1の突き当て部29を有する第1のチューブ停止部24を備えているので、第1のチューブ6の端部が第1の突き当て部29に突き当たることにより、突き当たった後は第1のチューブ挿通部23を挿通することができなくなる。この状態になるまで、第1のチューブ6の内側に第1のチューブ挿通部23を挿通する(S2)。S2の工程が終了した時点では、また、ランプ5はソケットに接続されていない。このため、次に、ランプ5の口金ピンをソケットの接触片4に取り付ける(S3)。S3の工程が終了した時点では、ランプ5とソケットとは接続されているが、キャップ部はまだソケットに取り付けられていない。このため、次に、キャップ部品をソケットに取り付ける。キャップ部のキャップ部ねじ込み部21と、ソケットの本体ねじ込み部11とは雌型雄型のねじ状をしているため、これらのキャップ部ねじ込み部21と本体ねじ込み部11とを位置合わせして、キャップ部ねじ込み部21を回転させると、キャップ部をソケットに固定できる(S4)。
このように、キャップ部は上記したS1〜S4の工程によりソケットに取り付けることが出来る。
【0061】
このとき、キャップ部パッキン3は、ランプをキャップ部2に通す前に既にキャップ部の内側にセットされているものとする。また、ランプ5の口金ピンをソケットの接触片に接続する際にキャップ部パッキン3の内側にランプ挿通方向にランプを挿通して、その後、口金ピンをソケットの接触片と接続する。キャップ部パッキン3とランプ5の側面とは、キャップ部2をソケット本体1に固定した際、図6のようにキャップ部パッキン3が変形して、密着する。
【0062】
また、照明装置は、キャップ部品とソケットとを組にしたものを少なくとも1対使用するものである。このため、1つの照明装置にはキャップ部品とソケットとを組にしたものが2つあることになる。上記したS1〜S4の工程は、1組のキャップ部品とソケットを取り付けるものであるため、1つの照明装置にこの発明のキャップ部品を使用する場合には、S1〜S4の工程を2回行うことになる。しかし、S1〜S4の工程を1組毎に行うか、1組毎に1つの工程を交互に行うかは利用者が任意に決定できる。
【0063】
また、第1のリング状パッキン7は、第1のチューブ6に第1のチューブ挿通部23を挿通する前(S2の前)に、第1のチューブ挿通部23の外周上にセットしておく。この場合、パッキン押さえ部品71とキャップ部パッキン押さえ72とは、第1のリング状パッキン7とともに、第1のチューブ挿通部23の外周上にセットしておく。
【0064】
また、第2のチューブ挿通部26は、キャップ部をソケットに固定する前(S4)に、第2のチューブ9に挿通させれば、S3の前であっても、S3の後であっても、いずれでもかまわない。
【0065】
また、第2のリング状パッキン74は、第2のチューブに第2のチューブ挿通部26を挿通させる前に、第2のチューブ挿通部26の外周上にセットしておく。
【0066】
このように、この実施の形態で説明したキャップ部品のとりつけ方法では、ランプをソケット本体に接続する際、第1のチューブには第1のチューブ挿通部が挿通されているので、ランプの口金ピンとソケットの接触片とに注目して接続を行えばよく、キャップ部品をソケットに固定させる際には、第1のチューブには第1のチューブ挿通部が挿通されているとともに、ランプとソケットとは接続されているので、キャップ部ねじ込み部と本体ねじ込み部とに注目して固定させる動作を行えばよく、取り付ける際に注目する部品の数が少ないので、取り付け作業を容易に行えるとともに、確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施の形態1のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
【図2】実施の形態1のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図3】第1のチューブの内径を示す図である。
【図4】実施の形態1のランプの両端をそれぞれキャップ部のランプ挿通部に通し、第1のチューブの両端がそれぞれキャップ部の第1のチューブ挿通部に挿通した状態を示す図である。
【図5】実施の形態1のランプと第1のチューブとを挿通したキャップ部をソケットに固定する前の状態を示す図である。
【図6】実施の形態1のキャップ部がソケット本体に取り付けられた状態(正規使用状態)を示す図である。
【図7】実施の形態3のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図8】実施の形態3のランプの両端をそれぞれキャップ部のランプ挿通部に通し、第1のチューブの両端にはそれぞれキャップ部の第1のチューブ挿通部を挿通した状態を示す図である。
【図9】実施の形態3のランプと第1のチューブとを挿通したキャップ部をソケットに固定する前の状態を示す図である。
【図10】実施の形態3のキャップ部がソケット本体に取り付けられた状態(正規使用状態)を示す図である。
【図11】実施の形態3の1部品で第1のリング状パッキンを配置するキャップ部の一例を示す図であり、(a)は第1のリング状パッキンを配置した図を示し、(b)は第1のリング状パッキンを配置する前の図を示している。
【図12】図11に示したキャップ部を使用するソケットにおいて、ランプの両端をそれぞれキャップ部のランプ挿通部に通し、第1のチューブの両端にはそれぞれキャップ部の第1のチューブ挿通部を挿通した状態を示す図である。
【図13】円筒部を備えていないキャップ部であって、第1のリング状パッキンを備えたキャップ部を使用する照明装置を示す図である。
【図14】実施の形態4のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体を、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
【図15】実施の形態4のキャップ部が固定したソケット部品を備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図16】実施の形態5のキャップ部が固定されたソケット部品を備えるソケット本体の、ランプの口金ピンと接触する接触片付近で、ランプ装着方向に対して垂直な断面を示した図である。
【図17】実施の形態5のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図18】第2のチューブの内径を示す図である。
【図19】実施の形態5のキャップ部と、キャップ部を固定したソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図20】実施の形態6のキャップ部と、キャップ部を固定したソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図21】実施の形態7のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図である。
【図22】実施の形態7のキャップ部と、キャップ部を固定するソケット部品とを備えるソケット本体の、ランプ装着方向の断面を示した図であり、(a)は所定の間隔毎にキャップ部つめ部を設けたキャップ部断面を示し、(b)は円状に連続するようにつながったキャップ部つめ部を設けたキャップ部断面を示す。
【図23】実施の形態8のキャップ部品取り付け工程のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0068】
1 ソケット本体、2 キャップ部、3 キャップ部パッキン、4 接触片、6 第1のチューブ、7 第1のリング状パッキン、8 照明装置本体、9 第2のチューブ、11 本体ねじ込み部、21 キャップ部ねじ込み部、22 ランプ挿通部、23 第1のチューブ挿通部、24 第1のチューブ停止部、25 円筒部、25a,25b 円筒部端部、26 第2のチューブ挿通部、27 第2のチューブ停止部、28 ランプ挿入面、29 第1の突き当て部、31 ひっかけ部、32 抜け止め部、61 第1のチューブ端面、71 パッキン押さえ部品、72 キャップ部パッキン押さえ、73,75 溝、74 第2のリング状パッキン、91 空気層、92 第2のチューブ端面、211 キャップ部つめ部、212 ソケットつめ受け部、281 逆面、291 第2の突き当て部、310 パッキン挿入穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のランプと、上記筒状のランプを覆う第1のチューブとをソケットに取り付けるキャップ部品において、
上記ランプをスライド可能に挿通するとともに、上記第1のチューブにスライド可能に挿通される第1の環状挿通部と、
上記第1の環状挿通部が上記第1のチューブに挿通される場合に、挿通される第1のチューブを停止させる第1の停止部とを備え、
上記第1の環状挿通部は、上記第1のチューブの内径以下の外径を有し、
上記第1の停止部は、上記第1のチューブの端部を上記第1の環状挿通部の外周にて突き当てる第1の突き当て部を有する
ことを特徴とするキャップ部品。
【請求項2】
上記キャップ部品は、さらに、上記ランプと第1のチューブとに対して上記第1の環状挿通部を上記ランプの端部の方向に距離Xだけスライドさせて、ランプの端部にあるソケットに上記第1の環状挿通部を固定する固定部を備え、
上記第1の環状挿通部は、上記第1のチューブに挿通する方向に上記距離Xの2倍の長さを超える長さを有することを特徴とする請求項1記載のキャップ部品。
【請求項3】
上記キャップ部品は、さらに、上記第1の環状挿通部の外周の一部に配置され、上記第1のチューブの内径以上の外径を有する第1のリング状パッキンを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のキャップ部品。
【請求項4】
上記キャップ部品は、さらに、上記第1の環状挿通部の外周に、上記第1のチューブの外径以上の内径を有する円筒部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキャップ部品。
【請求項5】
上記キャップ部品は、さらに、上記第1のチューブの外径よりも大きな内径を有する第2のチューブに挿通される第2の環状挿通部と、
上記第2の環状挿通部が上記第2のチューブに挿通される場合に、挿通される第2のチューブを停止させる第2の停止部とを備え、
上記第2の環状挿通部は、上記第2のチューブの内径以下の外径を有し、
上記第2の停止部は、上記第2のチューブの端部を突き当てる第2の突き当て部を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のキャップ部品。
【請求項6】
上記キャップ部品は、さらに、上記第2の環状挿通部の外周の一部に配置され、上記第2のチューブの内径よりも大きい外径を有する第2のリング状パッキンを備えたことを特徴とする請求項5記載のキャップ部品。
【請求項7】
上記請求項1から6いずれかに記載のキャップ部品と、
上記ランプを取り付けるとともに、上記環状挿通部が固定される被固定部を有するソケット部品と、
上記キャップ部品とソケット部品との間にあって、上記ランプの端部を覆う弾性変形可能なパッキンと
を備えたことを特徴とするソケット。
【請求項8】
上記請求項7記載のソケットを用いたことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
筒状のランプをスライド可能に挿通するとともに、上記チューブにスライド可能に挿通される環状挿通部と、
上記環状挿通部が上記チューブに挿通される場合に、挿通されるチューブを停止させる停止部と
上記ランプの端部にあるソケットに上記環状挿通部を固定する固定部とを備えたキャップ部品を、ソケットに取り付けるキャップ部品の取り付け方法において、
上記チューブにランプを通す工程と、
上記チューブに通したランプの端部から上記チューブの端部が上記環状挿通部の外周にて上記停止部に突き当たるまで、上記チューブに上記環状挿通部を挿通する工程と、
上記環状挿通部に挿通したランプの端部を上記ソケットに取り付ける工程と、
上記環状挿通部に上記チューブを挿通したキャップ部品の上記固定部を上記ソケットに固定する工程と
を有することを特徴とするキャップ部品の取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−207722(P2007−207722A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28828(P2006−28828)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【出願人】(000162283)株式会社キョウワデバイス (10)
【Fターム(参考)】