説明

キャピラリー・アッセイ・デバイスおよび方法

分析試料からの信号を検出するためのデバイスおよび方法が提供される。デバイスは第1と第2の表面を有するプラテンを備え、多数の収集構造体が第2の表面から延在している。各収集構造体は、収集構造体と共通の軸に沿って、プラテンから構造体の端部に延在する毛管通路を有する。関心のある試料の分析物は毛管通路内にある。第1の表面上には、各収集構造体に対応し、それぞれが毛管通路を中心とする多数の光学素子が配置されている。各収集構造体は、毛管通路内から、毛管通路の全長に沿って、第1の表面と光学素子に向かって、鏡面反射または全反射いずれかによって、検出装置まで発光を集中させられる幾何学構造を有する。収集構造体は、光ビームを毛管通路中に向けてもよい。本発明のデバイスは、発生した信号からの非画像化光学用途に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、ここに引用する、2002年12月20日に出願された米国仮特許出願第60/435641号の優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、生物学的または化学的アッセイの高速大量処理および分析のためのデバイスおよび方法に関する。本発明は、特に、現在または以前に懸濁液中にあるまたはあった様々な生体分子または化学分子、組織または細胞を扱う多数の少量アッセイからの光信号の伝送および検出を改善するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
およそマイクロリットルまたはサブマイクロリットル程度の量の試薬または分析物の反応およびその後の分析を含む、微小規模で行われる生物学や化学反応は、製薬産業や他の産業において新たな治療剤を開発する上で次第に重要になってきている態様である。限られた試料、試薬、または貴重な化学化合物を保存し、高速大量処理スクリーニング能力を増加させる両方の目的のために、臨床、生物学または製剤の研究者は、少量アッセイを用いて、疾病を検知したり、生化学機能を研究したり、薬物を発見することが多い。しかしながら、アッセイの容積がマイクロリットルおよびサブマイクロリットルの量まで減少するにつれ、いくつかの難題が生じてきた。第一に、非常に小容積の水溶液は急速に蒸発する傾向にあり、これにより、水の量が変化するにつれ、溶液中の試薬の濃度が変化する。その結果、小容積のアッセイは、一貫した精確な結果を生じないことが多い。第二に、小容積アッセイから生じた信号は感知できないほど小さいことがあり、これにより、偽のネガティブまたはポジティブな結果がしばしば生じるかもしれない。電荷結合素子(CCD)による低い信号レベルの検出には長い露光時間が要求されるので、高速大量処理能力で迅速にアッセイを処理する能力が損なわれる。
【0004】
既存の技術は、主に、ウェル毎に約0.5マイクロリットルから0.5ミリリットルのアッセイ量の液体化合物を含有する96−、384−、または1536−ウェルのマイクロタイタ・プレートに頼っているか、またはガラススライドやシリコンチップなどの平らな二次元表面上の単独の開口部により配置されたウェル内の化学反応および分析を含む。残念ながら、これらの技法は、蒸発の問題への対処にはある程度しか成功しておらず、信号検出の改善にはより一層制限された有効性しかないようである。マイクロプレートのフォーマットは効率的な収集や光信号の検出にとっては適切に構成されていない。生物学、生化学、または化学アッセイの反応に用いられる発色団またはフルオロフォアから発せられた蛍光信号は散乱することが多い。
【0005】
既存のマイクロタイタ・プレートは、受動的に、アッセイから発せられた光信号を、無作為の角度でウェルの頂部から逃がし、発せられた信号のほんの一部しか検出器により捕らえられない。蛍光に基づくアッセイは、一般的に、プレートからのバックグラウンドを低く維持するが、アッセイ信号の大部分を吸収するという欠点を持つ黒色の光吸収壁を持つウェルを使用している。アッセイ容積が減少するにつれ、信号強度が次第により重要になってきているので、これらの問題は、プレートの性能にとってますます抑制的になってきている。以前は、特に、キャピラリー電気泳動システムに関するように、小さいな試料容積の電磁検出に対処する試みが行われた。ペントニー・ジュニア(Pentoney,Jr.)等は、特許文献1において、複数の試料容積を連続的かつ繰り返し走査し、各試料容積から発せられた電磁放射線を検出するために、同一平面上に並んだ毛管を使用するシステムを詳述している。反射鏡に対して垂直に向けられた各毛管が、一点放射源を構成する。このシステムは、反射鏡の位置を移動させ、調節するための手段も備えている。しかしながら、この設計は、従来のマイクロプレートに使用するのに容易には適用できず、現行のロボット式に自動化されたアッセイ処理設備には適合していない。毛管の空間の方向付けと構成のために、マイクロプレートとの一体化が難しくなっている。すなわち、毛管をマイクロプレート中に挿入できないだけでなく、毛管を充填することもできない。むしろ、ペントニーの装置がマイクロプレートを効率的に取り扱うためには、再位置決めと様々な調節が必要であろう。
【特許文献1】米国特許第5675155号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの欠点に鑑みて、小容積アッセイを行うための新規のデバイスおよび方法が必要とされている。新規のデバイスおよび方法の両方は、使用と製造に対して費用効果的であり、検出が効率的であり、同時に大量処理を可能にする高速大量処理能力を有するべきである。本発明は、上述した技術的問題を解決すると同時に、経済的かつ効率的な必要性も満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
蒸発損失を減少させ、かつ分析試料からの光信号検出を改善するために、本発明は、少量アッセイの高速大量処理スクリーニングのための多毛管デバイスを提供する。本発明によれば、毛管デバイスは、多数の収集構造体、および試料容積を収容するように適合され、各収集構造体の主軸と実質的に平行な軸に沿って長手方向に延在する毛管通路を備え、各収集構造体は、毛管通路から検出器に向かって光信号を集中させるか向けるのに効果的な形状を有する。毛管通路の軸は、収集構造体と同軸であることが好ましい。各収集構造体は、試料容積中の分析物から発せられた光信号を反射によって検出器に向けるように適合された、それゆえ、鏡面を有する、主軸端と短軸端を有する大部分が中実の幾何学形状により具体化される。収集構造体の幾何学形状は、軸の周りに円錐、楕円、または放物線の内の少なくとも一つを回転させることにより生成される表面を含むことが好ましい。回転の半径は、固定長または可変長のいずれであっても差し支えない。毛管壁および収集構造体は、少なくとも同じであり、好ましくは毛管通路内の試料容積のものよりも大きい屈折率を有する透明材料から製造される。
【0008】
本発明のデバイスはさらに、第1の表面と第2の表面を持つ平面構造体を含む。プラテンとも称するこの平面構造体は、収集構造体の主軸端または光学開口に亘って位置しており、収集構造体は第2の表面から垂直に延在している。平面構造体は収集構造体の一体部分を形成することが好ましい。
【0009】
コレクタとも称する収集構造体の各々の内部には、毛管通路がプラテン表面に対して実質的に垂直に向けられ、好ましくは、各コレクタの中心軸に沿って延在する。毛管通路は、コレクタのテーパー状端部またはチップを通って延在する。ある実施の形態において、毛管通路は、収集構造体の終端の開口部に加え、平面支持構造体の第1の表面に位置する開口部を有していてもよい。それゆえ、毛管は、収集構造体および支持構造体の全長に亘り延在する。そのような設計によると、毛管は、テーパー状端部で開いており、突出部と通路がマイクロプレートのウェル中に挿入されたときに、試料溶液にアクセスできる。通路は、表面張力または毛管作用により各通路内に試料容積の液体を保持するようなサイズである。それゆえ、各通路は、アッセイまたは混合のためにマイクロプレートから試料溶液をその中に吸い上げるであろう。
【0010】
各毛管通路は、官能化内部側壁表面を有していても、または試料中にあるであろう特定の分析部分に対して個別に調製されていてもよい。例えば、毛管通路内の官能化表面またはコーティングは、特定の生体分子に関するアフィニティー・キャプチャー結合アッセイに有用であり得る。あるいは、例えば、側壁を親水性または疎水性にしてもよい。生体分子は、一旦毛管内に固定化されたら、生物または化学アッセイのためのプローブとして機能を果たすことができる。本発明のデバイスを使用して、蛍光を伴う事実上あらゆる生物または生化学アッセイを行ってもよい。例えば、核酸アッセイ、ペプチド、タンパク質または脂質膜アッセイ、もしくは細胞培養機能をモニタするために、本発明のデバイスを用いてもよい。
【0011】
ある実施の形態において、収集構造体は反射表面を有し、この反射表面は、軸を持ち、少なくとも一つの軸端部で開いており、軸断面において、放物曲線の軸の周りに放物曲線の一部を回転させることにより作成された表面を通る軸断面に略一致する。毛管通路は、細長いソースまたはシンクを形成し、これは、反射表面の軸の方向に少なくとも延在し、反射表面により少なくとも部分的に囲まれている。
【0012】
本発明のデバイスはさらに、平面構造体内または第1の表面上いずれかに位置する多数の光学素子を有してなり、各光学素子は、収集構造体に対応し、毛管通路を中心としている。光学素子は、光ビーム整形素子であって差し支えなく、光信号を第1の表面上に配置された検出器に向ける、レンズやマイクロレンズ(例えば、様々な焦点距離を有する球面レンズ、非球面レンズ、ジオプトリーレンズ、フレネルレンズ)もしくはレンズやマイクロレンズのアレイなどのコリメータ、または光信号を収集構造体のそれぞれの下に位置する検出器に向ける、反射器を備えていてもよい。回折格子または表面レリーフ拡散器も考えられる。ある実施の形態において、毛管通路は光学素子を通って延在していてもよい。このデバイスは、非画像化光学用途に用いられる。
【0013】
本発明のデバイスは、従来のマイクロタイタ・ウェル・プレートと共に使用するように適合されている。すなわち、収集構造体は、流体溶液を収容するプレートのウェル内に入り込むことができ、流体溶液は毛管作用によって毛管通路を自発的に充填する。毛管通路の断面積が、マイクロプレートのウェルと比較して小さいために、ウェル内からの表面蒸発が、そのようなデバイスを用いないウェルの蒸発の約10分の1または約15分の1に減少する。
【0014】
他の態様において、本発明は、本発明のデバイスを使用して、分析試料からの信号の検出を可能にする方法、および本発明のデバイスの製造方法にも関する。分析試料から信号を検出する方法は、a)試料容積を収容するように適合された毛管通路から電磁信号を収集し、方向付けるための反射デバイスを提供し、b)反射デバイスの回転主軸に実質的に平行に毛管通路の線状部分を長手方向に整列させ、試料容積中に分析物を提供し、c)毛管通路中に電磁放射線を必要に応じて導入して、分析物から電磁放射を誘発させ、d)電磁放射を検出器に向け、電磁放射を検出する各工程を有してなる。以下に限られないが、電荷結合素子(CCD)、光ダイオード、アバランシェ光ダイオード、または光電子増倍管(PMT)検出器を含む、電磁放射から信号を発生させるのに適した計測器を用いて検出を行ってよい。本発明の方法は、必要に応じて、毛管通路中に第2の試料を加えて第1の試料と反応させ、特定のアッセイまたは化学的性質に関して毛管内の反応を特徴付ける各工程をさらに含んでもよい。本発明の方法は、生体分子と結びつくために所定の性質を各毛管通路の側壁の表面に提供するまたはその表面を官能化する工程をさらに含んでもよい。
【0015】
a)所定の光コレクタ幾何学形状を有する成形型、毛管通路、および必要に応じて光学素子を提供し、b)透明な光学材料を導入し、成形型により形成し、c)コレクタの幾何学形状に高反射外面を施す各工程を有してなる、本発明のデバイスの製造プロセスはむしろ単純である。成形型の表面は、収集構造体に光学仕上げを与えるべきであり、ゆえに研磨された反射性の内側鏡面をなさなければならない。製造後に部品を研磨しても、反射性外面を与えるのみであり、これは、内面反射には寄与しないであろう。光学素子が実施の形態の一部である場合には、光学素子を研磨してもよい。必要に応じて、収集構造体の外側に反射防止層または光吸収コーティングを施してもよい。必要に応じて、毛管は、機械的またはレーザドリルあけ、または当該技術分野に公知の任意の方法により形成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のデバイスの他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。先の一般的な説明および以下の詳細な説明と実施の形態の両方は、本発明の単なる例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明を理解するための概要を提供することを意図したものであることが理解されよう。
【0017】
セクションI−定義
本発明を詳細に説明する前に、ここに用いた用語法は、特定の実施の形態を説明するだけの目的であり、制限を意図するものではないことが理解されよう。本明細書および添付の特許請求の範囲に用いられているように、名詞は、文脈が明らかに別記していない限り、複数を含むものとする。
【0018】
ここに用いているように、「生体分子(biological molecule; biomolecule)」という用語は、修飾または未修飾ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)などの核酸;またはペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体などの任意の種類のアミノ酸;またはタンパク質膜、脂質、脂質膜、または細胞膜;または多糖類、オリゴ糖類、または他の炭水化物を含む、任意の種類の生体実在物を称する。核酸は、二本鎖または一本鎖いずれの分子の形態をとっても差し支えない。一本鎖分子を使用する場合、その核酸は、二次構造を有しても有していなくても差し支えない。
【0019】
ここに用いているように、「配位子」という用語は、特定の結合親和性定数で、受容体と容易に結合できる化学分子または生体分子を称する。
【0020】
ここに用いているように、「プローブ」という用語は、ビー・フィミスター(B.Phymister)(Nature Generics 1999, 21 supplement,pp.1-60)により推奨された命名法にしたがって、基体表面に固定化された生体分子を称する。アレイを関心のある試料に曝露したときに、試料中の分子が、それらの結合パートナー(すなわち、プローブ)に選択的かつ特異的に結合する。「標的」のプローブに対する結合は、「標的」分子の濃度および特定のプローブに関する親和性により決まる程度で生じる。
【0021】
ここで用いているように、「標的」または「標的化合物」という用語は、検出すべき、生体分子、生化学または化学実在物、分子、または薬剤候補を称する。
【0022】
ここで用いているように、「基体」または「基体表面」という用語は、安定な支持体を形成できる、固体または半固体、もしくは多孔質材料(例えば、ミクロまたはナノスケールの細孔)を称する。基体表面は様々な材料から選択することができる。
【0023】
ここで用いている「官能化(functionalize; functionalization)」という用語は、基体表面上に複数の官能基を提供するための基体の修飾を称する。ここで用いている「官能化表面」という句は、その上に複数の官能基を有するように修飾された基体表面を称する。その表面は、アミン担持官能性(例えば、γ−アミノ−プロピルシラン(GAPS)コーティング)を有していても、またはキトサンやポリ(エチレンイミン)などのアミン担持ポリマーにより被覆されていてもよい。
【0024】
ここで用いているように、「補足」や「相補」という用語は、ある分子の別の分子に対する逆のすなわち対応する部分を称する。例えば、反対のストランドにあるヌクレオチドが、ほとんどがワトソン−クリック(Watson-Crick)の塩基対(A/T、G/C、C/G、T/A)対応にしたがって、互いに通常は塩基対を形成している、相補核酸配列、または受容体−配位子対がある。
【0025】
セクションII−説明
本発明による非画像化デバイスは、生物学または化学アッセイ用途のために電磁エネルギーを収集し、集中させ、使用する並はずれて効率的な手段を提供する。本発明のデバイスは、好ましくは、アッセイ媒質の蒸発損失を最小限にしながら、マイクロリットルまたはサブマイクロリットルの規模で小容積のアッセイにおいて試料を含有する線状ソースまたはシンクから、電磁エネルギーを集中させることにより、信号の検出を増加させるように適合されている。本発明には、内部反射面を有し、分析すべき生物学または化学試料を収容する、各収集構造体内に位置する毛管通路から発せられる放射エネルギーを導きかつ集中させるように機能する、一つ以上の円錐、楕円、または放物面形状の収集構造体を備えたデバイスが含まれる。
【0026】
A.−毛管デバイス
本発明によれば、図1は、本発明のデバイスの実施の形態の斜視図である。このデバイスは、マルチウェル・プレート(図示せず)の蓋またはカバーの部分を構成してもよい、第1のまたは上側の表面12および第2のまたは下側の表面14を有する平面支持構造体またはプラテン10を備えている。多数の突出部が、プラテンの第2のまたは下側の表面から略垂直に延在している。各突出部は、「コレクタユニット」または単に「コレクタ」とも称される、収集構造体15を構成している。各収集構造体は、試料容積を収容するように適合された毛管通路16からの電磁放射線信号を収集し、または検出器に向けるように適合した幾何学形状を有している。一般に、円錐、楕円、または放物面形状および軸の周りの回転により画成される他の表面を含む、様々な幾何学形状を用いて、そのような現象を実施してもよい。各収集構造体の好ましい幾何学形状は、軸の周りで回転することにより生成される、円錐、楕円、またはパラボラの内の少なくとも一つの部分である、表面18を含む。好ましい実施の形態によれば、突出部の幾何学形状は、線状放射線源の一部を、強度が放射線源の線に沿った積分であるような焦点に集中でき、焦点での光がほぼ完全な無次元ソースとして挙動する。これとは反対に、幾何学形状は、放射線の小さな点を線状シンクに写像しても差支えない。特に適した幾何学形状を以下にさらに説明する。
【0027】
図2は、回転軸11を中心とした放物面幾何学形状を有する実施の形態による単一の収集構造体15の拡大断面図を表している。図3は、32で焦点Fに収束する多数の放射光線の軌跡33を伴った、放物面または楕円の幾何学形状を有する実施の形態の斜視図である。回転により生成された表面18は、光放射線13を毛管通路16中へまたはそれから集め、方向付けることのできる反射表面と称する高反射性表面コーティング19を有する。反射表面19は、反射性材料の層を有していてもよく、濃い色の基材のオーバーコーティングが、隣接する収集構造体間の光クロストークを減衰するかなくす。10aでの平面は、光学素子を含んでもよい特定の実施の形態に応じて、プラテンの上側または下側の表面いずれかを構成してもよい。
【0028】
デバイスの好ましい実施の形態において、プラテン構造体および/またはその第1の表面は、図4、5、6、および7に示すような、光信号を整形するまたは向け直す、レンズやマイクロレンズ、反射器や鏡、または回折格子などの多数の光学素子90を含んでもよい。言い換えれば、光学素子は、平面構造体内にあっても、一部がプラテン内部にあり一部が外部に延在していても、または表面の特徴構造としてのみ配置されていてもよい。あるいは、プラテンは、プラテン内または第1の表面上のいずれにもどのような光学素子も有さず、プラテンの第1の表面が滑らかで平らのままであってもよい。そのような状況において、光ビームの収集と向直しはたいがい、検出装置自体の内部にある光学素子に頼る。
【0029】
各収集構造体15内の毛管通路16は、平面支持構造体10の平面に対して垂直に向けられ、各収集構造体の回転の主軸に実質的に平行な軸に沿って延在することが好ましい。毛管通路は各コレクタの中心軸コアと同軸であることが好ましい。収集構造体の本体は、毛管通路の側壁80を形成し、画成する。図11および12に示されているような、ある実施の形態による毛管通路は、プラテン10の第1の表面から、プラテンの厚さを通り、収集構造体の遠端16aまで延在してもよい。それゆえ、コレクタ内の毛管通路は、収集構造体自体よりも長い長さを有していてもよい。
【0030】
各毛管通路内の側壁80の表面成分を官能化して、生体分子を選択的に結合させてもよい。各毛管通路の内壁表面に施された、所望の性質を有する官能化表面またはコーティングは、特定の用途またはアッセイ方法に基づいて、結合性または非結合性のいずれであっても差し支えない。例えば、コーティングは、タンパク質、抗体、毒素、小分子、炭水化物、薬剤、または他の生体または化学部分などの分子に対して親和性を有していてもよい。この種の処理は、関心のある分子を固定化するための表面親和性に頼り、その後、結合しなかった分子を除去するために洗浄が行われるアッセイを単純にする。例えば、結合した生体分子は、クロマトグラフィーまたはアフィニティー・カラムに似た様式で精製工程の機構として働く、または抗体−抗原や受容体−配位子の特異的捕獲などの固相アッセイのための捕獲分子として機能しても差し支えない。あるいは、毛管の表面を、イオン性または疎水性相互作用、もしくは金属結合または共有結合により結合を可能にする様々な成分で官能化することにより、固相抽出を行っても差し支えない。必要に応じて、毛管に多孔質固体を充填して、毛管の性質を維持しながら、結合に利用できる表面積を増加させてもよい。多孔質固体の表面はさらに、細胞を増殖させるための基質として働いてもよい。
【0031】
プラテン、各収集構造体、その関連する毛管通路、および光学素子は、様々な材料から製造してよい。プレートは、任意の固体または半固体(すなわち、多孔質)材料から製造することができる。様々な実施の形態によれば、プラテンは、その材料が個々の毛管通路間の液体のクロストークおよび光クロストークを防ぐ限り、制限のない単なる実例として、金属、半導体、ガラス、石英、セラミック、または高分子材料から製造されていてもよい。収集構造体および毛管通路は、材料が透明である限り、プラテンについて許容されるものなどの材料から製造することができ、関心のある波長で、バックグラウンドの自己発光が最小であるかまったくないことが好ましい。光透過性または光導波に関する性質を有する、ガラス、ガラスセラミック、または溶融シリカなどの無機材料、もしくはクリスタライトの相分離からの散乱中心または呼びかけ信号波長で高いバックグラウンド自己発光を生じない官能基を有する均一な屈折率の光学的に透明なポリマーまたはプラスチックなどの有機材料が好ましい。例えば、光学プラスチックは、特定のタイプのポリスチレン、ポリプロピレン、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエステル−ケトン、ポリまたは環状オレフィン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはここに引用する、米国特許第6653425号、同第6166125号、同第6593415号、または同第6590036号の各明細書に記載されているようなポリマー組成物から選択してよい。製造において、光沢剤またはホワイトニング剤を含むのを避ける熱的に押出可能なまたは成形可能な光学プラスチックを使用してよい。あるいは、製造後、バックグラウンド信号を除去するために、様々な材料の表面を、ホウ化水素(例えば、NaBH4)などの還元剤で処理してもよい。
【0032】
別の実施の形態によれば、毛管通路は、内部反射のために屈折率の適した材料のクラッドで被覆された、アリゾナ州、フェニックス所在のポリマイクロ・テクノロジーズ(Polymicro Technologies)から市販されているものなどの、導光性の柔軟な溶融シリカ毛管から形成しても差し支えない。溶融シリカ毛管は、路長の長い検出セル、エバネッセント波光学素子、毛管の先端からの蛍光発光の導波、毛管の内側面に結合した配位子からの発光のモニタを含む、独特な試料の検出および分析の用途を提供できる。毛管内の紫外線透過は、光により活性化される化学反応を開始できる、または光発生反応を検出するために使用しても差し支えない。
【0033】
B.−検出
前述したように、検出目的を促進するために、多数のビーム整形光学素子はプラテンの内部またはその第1の表面上のいずれに配置してもよい。これらの光学素子は各収集構造体に対応し、したがって、様々な添付図面に示されているように、各光学素子が毛管通路を中心としてその上に置かれていることが好ましい。光学素子としては、光学フィルタ、グレーティングまたは表面レリーフ拡散器、反射器(例えば、鏡)、コリメータ、レンズやマイクロレンズ(例えば、フレネル、凸型、凹型、回折(バイナリー、非バイナリー)レンズ)などの集光素子、またはレンズやマイクロレンズのアレイが挙げられる。光学素子は、各毛管内のアッセイ試料から放射された光ルミネセンスを集中させたり、一体化させたり、視準したりして、光信号検出を向上させることができる。ビーム整形素子は、試料から放射された光を視準するかまたは集中させる。ビーム整形素子は、レンズなどの透過型光学成分の形態をとってもよい。図7Aおよび7Bに示したような別の実施の形態において、光学素子は、放射信号を光検出器に向け直す反射型ユニットであって差し支えない。
【0034】
あるいは、光学素子は、毛管内で生成された信号を検出装置に向けることができるだけでなく、蛍光検出の場合には、励起照明を毛管の容積中に向けることもできる。毛管または電磁放射線源を移動させずに、検出装置は、励起波長を、アッセイにおける分析物の部位(例えば、ペプチドまたはタンパク質分子、もしくは細胞または細胞成分)上のフルオロフォアラベルに効果的に集中させることができ、次いで、これらのラベルから発せられた放射波長を効果的に収集し、信号検出器により、その容積内の試料を連続的かつ繰り返し検出できる。光ビームは、結合しても、そうでなければ毛管の長さに亘り導いても差し支えなく、これは、光ファイバのように機能するであろう。
【0035】
本発明の収集構造体の幾何学形状は、毛管を移動させたり、放射線源を移動させたりせずに、励起放射線を各毛管に向け、それゆえ、嵩張る成分系を全く必要としない。一点放射線源を用いた特許文献1に記載された系とは異なり、本発明では線状放射線源を用い、これは、光学パラメータが一点放射線源のものとは著しく異なるので、より複雑な光学設計を必要とする。試料の容積から放射された電磁放射線は、収集され、検出器または検出器のアレイに向けられ、ここで、信号が、電磁放射線と試料との相互作用に応答して生成され、標準的な光学技法にしたがって分析することができる。
【0036】
本発明のデバイスは、画像を形成せずに、毛管の長手方向に亘り各部分からの相対信号を単に収集する、非画像化光学素子の一例を用いる。毛管からの全信号は、光の拡散して広がる円錐形に対して、集中した信号のスポットとして想像できる。図9は、人工着色した例示のためのそのようなスポットの一つを示している。毛管通路内の分析物から放射された蛍光が収集され、検出装置に送達される。毛管からの信号を検出器に投射すると、スポットの半径に亘り相対的な強度の同心勾配を持つ光スポットが観察される。好ましい用途は非画像化用途であるので、検出器が光を全て(またはできるだけ多く)収集できる限り、強度の勾配は重要ではない。数センチメートルの距離で検出器上の光束を最大にするために、収集構造体は、毛管(すなわち、円柱状等方性光源)からの光を集め、視準ビームを形成しなければならない。円錐形ウェルの焦点を、理想的には無限遠である、一点で光学的に共役させることが望まれる。これらのタイプの問題について、反射表面の形状はが放物面状または楕円であることが好ましい。
【0037】
例えば、CCDやPMT検出器、または当業者に馴染みのある他の信号捕獲装置を用いて、アッセイの分析物からのフォトンを電気信号に変換してもよい。CCDイメージャまたはCCDが組み込まれたPMT検出装置によって、信号スポットの実際の画像を捕獲し、基線強度をフォトンの濃度にデジタル変換して、三次元画像を生成することができる。検出器は、それぞれ異なる焦点距離を持つ一連のレンズ、または複合レンズ構造体いずれかなどの一連の光学素子を有することができ、または特に本発明のデバイスの実施の形態自体が光学素子を含まない場合には、発せられた信号をできるだけ多く捕獲するように、検出器とこのデバイスとの間の距離を変えることができる。
【0038】
毛管通路内の試料から放射された光信号の検出を促進するために、各コレクタは、光信号の濃度を最適にする表面特性および三次元形態を有する。ある実施の形態によれば、分析物の試料から放射された光線は、コレクタ構造体の反射表面で反射し、プラテンの第1の表面に向かって投射され、ビーム整形光学素子を透過して検出器に到達する。第2の表面から延在する突出部の表面湾曲または側壁の角度の形状は、空気−液体−基体−材料の界面と共に、信号がデバイスの頂面を通って出るときに検出可能な信号光の割合を増加させる。毛管がより均一な円形断面を有する場合、かつ各収集構造体の本体が光反射器として機能する一方で、放射線が導波路の壁のように毛管通路の壁により案内される場合、毛管通路の容積の優れた光学サンプリングが得られるであろう。コレクタの材料は、毛管通路内の材料の屈折率と同じかまたはそれより大きいことが好ましい屈折率を有する。各コレクタは、銀、ニッケル、アルミニウム、クロム、または金の層またはフイルムなどの金属コーティングから形成された高反射表面または鏡面19を有し、電磁放射線を光学素子に、最終的には検出器ユニットに向けるのに役立つことが好ましい。光信号を偏光する特徴が望ましい場合、誘電体層またはコーティングをこのデバイスに加えてもよい。
【0039】
以前は、側壁を持つマイクロプレート中の流体のマイクロリットルの容積のアスペクト比は、CCDおよびPMT検出器により捕獲できる信号の量を減少させた。これとは反対に、本発明では、収集構造体の表面湾曲の角度は、それらの空気/ポリマー界面と共に、蓋の頂部を通って出る信号光(アッセイにおいて生成される)の検出器により捕獲される割合を増加させる。これは、毛管の壁が制限された導波路として働くために生じる。各コレクタの頂部にあるレンズまたは他の光学素子は、信号光を視準させ、信号検出を向上させるように働く。投射の湾曲の角度に応じて、毛管内の溶液から発せられた信号は、マイクロウェル内からの代わりに、光学素子から検出され、それゆえ、ウェルの側壁による吸収および遮断が減少する。信号強度の増加は、CCD検出器にとっての露光時間の減少をもたらすことができるので、処理能力も向上するであろう。
【0040】
本発明の有用性と効力の例が、垂直から約6.8°の円錐角度を持つ収集構造体内の0.020インチ(約0.5mm)の毛管から導かれた計算により示される。計算は、本発明のデバイスは、全反射によって、毛管を出る信号の量を、1536ウェルの「黒色本体」プレート内の1μLに対して約8.9倍増加させることができる(2%に対して17.8%)。突出部を金属化すると、高反射表面19を形成することにより、この効果をより大きく向上させるであろう。また、金属コーティングによって、クロストークが減少するので、毛管の蓋を下側のプレートとは独立して使用することができる。
【0041】
光クロストークを避けるために、プラテンおよび光学成分のいずれも光を通さない材料から製造するか、その材料により被覆することが好ましい。どのような効果的な光吸収材料を層またはフイルムとして表面上に施しても差し支えない。有用な光吸収材料の例としては、炭素およびグラファイトが挙げられる。しかしながら、ある場合には、プラテンの材料は、調査光ビームの波長で完全に不透明でなくてもよく、それゆえ、プラテンの下側を比較して、各通路内のアドレス可能な試料容積の中での光クロストークおよび光の漏れを避けてもよい。あるいは、光クロストークを避け、デバイスをマイクロプレート23に封止するのを助けるために、エラストマー層24または他の材料を、各収集構造体の周りのプラテンの第2のまたは下側の表面14に配置しても差し支えない。
【0042】
C.−使用方法
本発明によれば、分析試料から信号を検出する方法は、a)上述したように、収集構造体を持つデバイスに、液体媒質中の発光試料を収容する毛管通路を中心軸に沿って提供し、b)分析物を含有しているある容積の液体試料を毛管通路の少なくとも一つの中に提供または導入し、c)必要に応じて、電磁波長を毛管通路中に導入して、分析物からの光信号の放射を誘発し、d)光信号の放射を検出する各工程を有してなる。
【0043】
本発明のデバイスは、各個別のコレクタに関して、またはコレクタの集団において、モジュラーユニットとして構成してもよい。コレクタおよび毛管通路のアレイは、様々な様式で構成してよい。本発明のデバイスは、行うアッセイのタイプに応じて、従来のウェルプレートを用いるか用いないいずれかの、少なくとも二つの形式で使用されることが想定される。すなわち、デバイスは、標準的な形状のマルチウェル形マイクロタイタ・プレートのカバー用蓋として、または独立型のデバイスとして用いられるであるろう。
【0044】
第1の実施の形態によれば、個々のコレクタは、工業規格の寸法(例えば、96、384、1536のウェル行列)および他の不規則な形状のマイクロプレートのウェルに対応するように中心の間隔がおかれた直線マス目状に配置されていることが好ましい。マイクロタイタ・プレートの蓋として使用する場合、アッセイの反応成分は、通常のように、マイクロプレートのウェル中に分配することができる。各収集構造体は、図12に示すように、アッセイ流体またはアッセイ水溶液を収容しているプレート23の対応するウェル21中に挿入される。例えば、図1に示した実施の形態は、96ウェルプレート内に入るように作製されている。突出部の先端が溶液と接触すると、溶液は毛管に吸い上げられる。非常に少ない流体容量の溶液を使用する場合、デバイスをマイクロプレート23に対して押し付けて、各コレクタおよび毛管16を確実に溶液と接触させて、毛管を充填することが望まれるかもしれない。そのような状況において、プラテン10の第2のまたは下側の表面14に対してゴム状弾性層24を配置することが好ましいであろう。
【0045】
あるいは、第2の実施の形態によれば、本発明のデバイスは、マイクロタイタ・ウェル・プレートとは独立して使用することができる。毛管の上側開口部がプラテンの第1のまたは上側の表面まで延在する場合、流体または試薬は、プラテンの頂部から毛管中に直接分配し、マイクロプレートを用いないが、デバイスを同様に使用できる。ハイブリッド技法において、最初に、溶液または試料と共にウェルプレートを調製し、コレクタおよび毛管端を試料中に挿入し、次いで、ウェルプレートから取り出し、ウェルプレートから離した状態で信号を読みとってもよい。
【0046】
いずれの実施の形態においても、毛管中の流体は、真空、遠心分離、または空気圧を用いて、空にするまたは強制的に外に出すことができる。次いで、毛管は、短時間で再充填することができ、所望のアッセイ工程を繰り返してよい。従来は、気泡の取り込みが、直径の小さなウェルにおいて問題である。毛管は両端で開いていて差し支えないので、本発明のデバイスにおいてはこのことは問題ではない。溶液が毛管を満たすときに、空気は反対の端部を通って押し出される。
【0047】
毛管内で露出される液体の表面積が小さいために、本発明のデバイスは、このデバイスが用いられない広く開いたウェルを持つ従来のマイクロプレートの設計に対して、ウェル内からの表面蒸発を、約8分の1、10分の1、または15分の1、好ましくは、少なくとも大規模に減少させることができる。デバイスは、流体(例えば、水溶液)が、マイクロリットルまたはサブマイクロリットルの範囲の容積を持つ毛管を自発的に満たすように設計されている。例えば、本発明の毛管デバイスの蒸発表面積は、標準的な1536ウェルのプレート内のウェルに関するよりも、おおよそ1/5ほどと低いであろう。多毛管デバイスを標準プレートにおいて蓋として用いる場合、毛管の下側の開口部は実質的に覆われて、蒸発をさらに減少させる。
【0048】
96ウェルプレート内のウェルの寸法は、おおよそ、幅が6.5mm、深さが12mmであり、384ウェルプレートでは、おおよそ、幅が3.25mm、深さが12mmであり、1536ウェルプレートでは、一般的に、幅が1.7mmであり、深さが5.5mmであるので、コレクタの特定の寸法は、要求される光学幾何学寸法と用途、またはコレクタと毛管通路の特定の設計要求に応じて異なるであろう。コレクタ構造体の先端が、ウェルの底部から維持される距離は、ウェルの容積に依存し、したがって、重要な値ではないが、約0.5〜1mmより近くはなさそうであり、さらに離れているであろう。
【0049】
ここに提供された寸法は、代表的な実施の形態の単なる例示であり、必ずしも制限するものではない。一般に、プラテンの厚さは、約0.5〜5mm程度、約10mmまで、好ましくは、約0.75〜4mm、より好ましくは、約1mmから2または2.5mmである。各コレクタ構造体は、約10〜12mmまで、好ましくは約2〜9mmまで、より好ましくは約2〜5mmまでの、図5Aに示すような長さLを有するであろう。毛管通路は、約1500μm以下の、好ましくは約750μm以下の特徴的な直径を有する。毛管の内径は、好ましくは、約20または25μmから約500または550μm、より好ましくは、約40μmから約200μmである。それゆえ、各毛管通路の容積は、約10-6cm3以上である。例えば、以下にさらに論じられるように、切頭円錐形の場合、コレクタの突出は、長さが4mmで、毛管が5mmで、1mmが平面支持部分内に入っている。この種の設計により、毛管がウェルプレートの底部近くから流体を吸い込む。コレクタが直交パラボラ反射器(OPR)設計を有する場合、1536ウェルプレートについて、例えば、突出は、約1.5〜4.5mmであり、毛管は1〜4mm辺りの長さである。1536のウェルプレートの中心間距離は約2.25mmであるので、毛管およびコレクタ構造体は、それより幅広くはない。384ウェルプレートについて、中心間距離は4.5mmであり、96ウェルプレートにいて、中心間距離は約9mmである。
【0050】
プラテンの第1のまたは上側の表面に係合するように適合された収集構造体を有するある実施の形態によれば、本発明のデバイスを二つ、互いに積み重ねてもよい。ある実施の形態によれば、二つのプレート間の界面は非常に平らかつ滑らかであることが好ましい。上にあるプレート内の毛管通路の下側の開口部は、下にあるプレートの対応する毛管の上側開口部に整合し、結合するように構成することができる。毛管作用によって、上か下いずれかの第1のプレートからの試料流体は、第2のプレートに移行することができる。この特徴によって、各毛管間の試料容積の混合を促進できる。
【0051】
D.−潜在的な用途
本発明は、ある実施の形態によれば、検出信号レベルを増加させながら、蒸発損失を減少させるために、小容積アッセイに使用できる、高処理能力スクリーニングのための多毛管プラットフォームを提供する。本発明は、マイクロプレート内で行える、および/または毛管中に吸引できる、どのような種類の生物学または化学アッセイに用いてもよい。
【0052】
マイクロプレート内で行われるアッセイのタイプは数多くある。例えば、多相(heterogeneous)または固相アッセイにおいて、反応成分の一つを、マイクロプレートの底部または壁などの基体の表面に固定化する。この状況において、マイクロプレートに反応成分を固定化する代わりに、生体分子を毛管の内部に固定化しても差し支えない。固定化された生体分子プローブは、通常、反応溶液または混合物中の他の標的成分を捕獲する。先に示唆したように、生体分子のアミン部分に結合する、ヒドロキシスクシンイミド基などの、特定の化学物質を毛管表面に施しても差し支えない。これらのアミン基は、任意のタンパク質上に見つけられる。マイクロプレートを本発明のデバイスと一緒に使用する場合、例えば、特定の精製抗体を毛管に固定化しても差し支えない。細胞溶解産物が、マイクロプレートのウェル内にあっても差し支えない。一旦毛管がウェル内に配置されたら、ある程度の溶解産物が毛管中に吸い込まれる。洗浄工程後、当該技術分野において知られた検出方法の一つを用いて、溶解産物から捕獲された抗原の存在を確認することができる。別の実施の形態において、生体分子に、6ヒスタジンアミノ酸などの特定の標識を合成することができる。この「6×HIS」標識は、ニッケルイオンに関する親和性によって捕獲できる。ニッケルは、「6×HIS」標識生体分子を捕獲するために、毛管の内面に施されたキレート構造体中に含ませることができる。
【0053】
本発明のデバイスは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、または均一時間分解蛍光法(HTRF)と称されることもあるものなどの、蛍光標識分子の使用を含む反応(結合事象などの)を検出するためのより一般的な方法の内の一つとうまく連携することができる。標的分子は、常ではないがしばしば、蛍光部分(「フルオロフォア」または「発色団」と呼ばれる)により標識付けられる。標的は相補プローブと結合する。適切な波長の光ビームが発色団を励起した後、蛍光が発光波長で検出される。アッセイが多相である場合、溶液中の未結合の過剰な標識付けられた配位子を補うために、二つの標識付けられた反応成分を使用する可能性が存在する。二成分が両方とも標識付けられてる反応において、適切な波長の光を用いて、一方の発色団を励起する。二つの発色団が十分に近傍にある場合(約75オングストローム)、第1の発色団からの発光は、第2の発色団を励起するのに必要な波長にあるように予め定められている。第2の発色団の発光は、装置により検出される信号である。生体分子は、放射線同位体により標識付けることもできる。シンチラントがビーズやコーティング上の反応混合物中にある、またはデバイスのポリマー材料中に成形されている場合、放射線標識の崩壊を検出することができる。
【0054】
本発明のデバイスを用いて、生体分子相互作用の酵素的検出を行うこともできる。アッセイのタイプに応じて、特定の酵素が、発光、または反応における色変化に至る化学反応に触媒作用を及ぼすことができる。発光は、励起の必要なく検出される。色は、特定の波長での、ある路長に沿って測定される、流体の吸光度の変化として検出される。
【0055】
E.−設計の実例
対処すべき光学的課題は、検出器への光収集を最適にするための収集構造体のサイズと形状の決定である。毛管内の蛍光から検出される信号を強調するための方法にしたがって、様々な異なる幾何学形状が本発明のデバイスの設計に含まれてよい。例えば、収集構造体は、図11または12に示したような、円錐または切頭円錐形状を有していてもよい。しかしながら、様々な他の図に示したような、楕円または放物面幾何学形状がより好ましい。パラボラコレクタまたは反射器は、3タイプに分類できる。それらのタイプは、いわゆる単純な反射器(PR)、複合パラボラ反射板(CPC)、および直交パラボラ反射器(OPR)である。PRは、一点で放射され受信された正味の信号パワーを最大にする傾向にあり、一方で、CPCは、面に亘り放射され受信された正味の信号パワーを最大にする傾向にあり、OPRは、線に亘り放射され受信された正味の信号パワーを最大にする傾向にある。パラボラコレクタ形態の好ましい幾何学形状が、それぞれの内容をここに引用する、米国特許第3899672号(リーバイ・セッティ)、同第3923381号(ウィンストン)、同第4003628号(ウィンストン)、同第4173778号(スネイブリー等)、同第5037191号(チェン)、または同第5235470号(チェン)の各明細書に記載されている。
【0056】
米国特許第5037191号または同第5235470号の各明細書に詳細に論じられているように、図3は、線状光源からの発光を収集するための直交放物面反射器システムの能力を示している。曲面30は直交反射器の中実本体を示しており、これは、毛管線光源またはシンク31の部分に対して、必要なだけ先端部分が切り取られており、回転表面または反射表面34を有している。結果として32で焦点Fに、線または円柱放射線源から放射されたエネルギーが集中する。焦点F32で、放射線は、見掛けの寸法を有さないようであり、軸から反射して焦点までの距離が等しいことは、直交パラボラミラーに特有である。光源が干渉性放射線を放射する場合、焦点で全ての角度において、光は、干渉性点光源として放射する。焦点F32には何も物質が存在しないという事実のために、物理的サイズとエネルギー密度または束密度に関する物質の制限はない。見掛けの寸法がない性質のために、焦点に配置された空間フィルタは、放射線源の強度を減少させない。このことは、増加した強度の能力に加えて、OPRを使用することの進歩の内の一つである。この性質のために、光を優れたビーム品質で放射できる。
【0057】
図4は、直交パラボラ幾何学形状および42に同じ焦点Fを有する光学レンズ44を備えたコレクタユニットの実施の形態を示している。多数の光線43がレンズ44により向け直されている。このレンズは、線状に生じた放射線源を平行ビームに変換する。
【0058】
図5Aは図4の設計の変更例を示している。反射器50は、大きく開いた端部すなわち開口での直径D、および長さLを有する。反射器は、中央の毛管および発光源16を囲んでいる。図5Bに示した画像の軸方向における光強度は、焦点Fで一次画像を形成する光線を平行にする、すなわち、追加の平行光線51を生じるために、レンズ54を使用することにより、増加させることができる。これらの平行光線51は、周囲の平行光線53と共に、円形断面または円形束画像55を有する均一で強烈な光ビームを生じる。ビームまたは束画像55の光強度の分布は、軸長さLの発光源16が占める部分を変化させることにより変えることができる。毛管16の長さは、収集構造体の全長Lのある比率(X%)である。正確な寸法は、最良の伝達結果のために特定の仕様を満たすように個別に調節すべきである。
【0059】
図5の形状の変更例が図6に示されている。図6は、迷光ビームの収集を最大にするように様々な焦点距離のフレネルレンズ60を有する実施の形態を示している。このレンズは、プラテン構造体10の上側の表面12内に組み込まれており、コレクタは、下側の表面14から延在し、その一部を形成している。
【0060】
図7Aは、収集構造体がパラボラ反射器71と共に用いられている別の構成を示している。パラボラ反射器は、直交パラボラ反射器幾何学形状と、72での焦点Fと同じ焦点距離を共有している。直交パラボラ反射器の形態にある収集構造体が70で示され、毛管線光源が74で、光線が76で、コレクタの反射表面が78で示されている。パラボラ反射器71から反射した光線は、検出システムの構成に応じて、収集構造体70とパラボラ反射器71との間の位置75、または収集構造体70の下の位置77いずれかに置かれた検出装置により収集されるであろう。検出器により受信された信号は、その後、処理され、分析される。スキャナまたはデジタル・イメージャを用いても差し支えない。図7Bは、72で同じ焦点Fを共有している一般的なパラボラ反射器71と、複合直交パラボラ反射器の形態にある収集構造体の変更例を示している。毛管16から放射された光エネルギーは、パラボラ反射器71に向けて反射され、底部から出る。
【0061】
図8は、三次元のコンピュータにより作成された光線と放物面の画像を示している。三次元放物線の方程式は:
【数1】

【0062】
であり、ここで、ε=−1である。例として、検出器への線束密度を、円柱状線光源(直径は約1.8mm、長さは約5mm、等方性)について、Apilux2.0ソフトウェアを用いて計算した。放物面で反射している光線は視準される(出力ビーム81の中央)。図9は、検出器93のスクリーン上の放射照度分布を示している。6mmの長さLおよび直径Dを有する反射器を用いた場合、2mmから7mmの曲率半径Rの値の変化により、ソース束に対して検出器に受信された束の計算された百分率が増加する。これらの結果が表1に要約されている。
【表1】

【0063】
R>7mmの場合、放物面幾何学形状が良好な光収集特性を与える。平面支持体の頂面または第1の表面近くの収集構造体の開口の直径も比較的重要である。パラボラまたは直交パラボラ形状を含む実施の形態について、曲率半径はできるだけ大きいべきである。それゆえ、直径Dは19mmまたは25mm以上であることが好ましい。収集構造体の底部および毛管の底部の区域は特に注意を払うものではない。約1mmが補正値である。反射器/鏡の表面粗さは、平面支持構造体の頂部近くのパラボラの端部では、できるだけ滑らかであることが好ましい。
【0064】
図10は、二つの焦点81、83を有する代わりの楕円設計、およびレンズ84を示している。この場合、−1<ε<0である。εが−1に近い場合、収集構造体の直径は、放物面形状の直径に近いが、束は20%少ない。εが0.5に近づくと、収集構造体の直径は小さくなる(εが−0.5でR=7mmのときの19mmに対して、D=16mm)が、束は30%少ない。それゆえ、楕円形状では、開口の直径(D)は、放物面設計のものよりも小さいであろう。しかし、光束は大きく減少し光線82を方向付け、視準するために、レンズや球面または非球面ジオプトリーを加える必要があるであろう。光束または放射照度91が検出器93のスクリーン上に投射される。
【0065】
図11は、少なくとも3つの円錐形状の収集構造体を並べて有する実施の形態を断面で示している。各収集構造体は、プラテン10により隣接する構造体と結合されている。プラテンは、光クロストークを避けなければならず、光を透過させない、好ましくは光学的に非透過性コーティングを有する材料から製造できる。図示したこの実施の形態によれば、頂部12または底部14の表面いずれかに、好ましくは下側の表面にエラストマー層24を施してもよい。各収集構造体の毛管通路16は、レンズなどの光学素子90を通って延在する。毛管内からの光束は、図10に示したような検出器上に投射される。
【0066】
図12は、マイクロプレート23と係合した図11による本発明のデバイスを示しており、ここで、各収集構造体15がマイクロプレートの対応するウェル中に挿入されている。
【0067】
本発明のデバイスのある実施の形態は、ウィンストン・コーンの幾何学形状を有していてもよい。図13Aおよび13Bはウィンストン・コーンの図を示している。ウィンストン・コーンは、ある視野内の入射光線の収集を最大にするように設計された軸外パラボラすなわち革命である(Hildebrand,R.H., Erratum to "Throughput of Diffraction Limited Field Optics System for Infrared and Millimetric Telescopes," Appl.Opt.24, 616, 1985; Hildebrand,R.H., and Winston,R., "Throughput of Diffraction Limited Field Optics System for Infrared and Millimetric Telescopes," Appl.Opt.21, 1844-1846, 1982; Welford,W.T. and Winston,R., High Collection Nonimaging Optics, San Diego:Academic Press, 1989; Winston,R., "Light Collection within the Framework of Geometric Optics," J.Opt.Soc.Amer. 60, 245-247, 1970)。非画像化集光器の例として、ウィンストン・コーンは、入口開口を通って入り、出口開口を通って出る全ての波長を集中させることができる。ウィンストン・コーンは、軸外光線を、出口開口から出る前に何回も反射させることにより、入射光線の収集を最大にする。拒絶されて入口開口から出された軸外光線のある一群は、少なくとも二つの異なる波長を使用する検出システムにとっては有用であろう。さらに、回折効果は、コーンの物理寸法と同様に放射線の波長にとって重要になるので、ウィンストン・コーンは、低周波数で導波路のようなカットオフを示す。図13Aにおいて、入口と出口の開口は、それぞれ、半径aおよびa’のものである。Fは、上側のパラボラ部分の焦点であり、fは焦点距離である。コーンの長さはLである。右側の図13Bは、焦点を中心とし、対称軸を中心とした座標系の原点と方向を示している。
【0068】
本発明を、一般的と、実施の形態により詳細に説明してきた。当業者には、本発明は必ずしも、開示された特定の実施の形態に制限されるものではないことが理解されるであろう。本発明の範囲内で使用してもよい現在知られているまたは開発される同等の成分を含む、以下の特許請求の範囲またはそれらの同等物により定義された本発明の範囲から逸脱せずに、様々な改変および変更を行ってもよい。それゆえ、本発明の範囲から変更が外れない限り、それらの変更は、本発明に含まれるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は本発明によるデバイスの実施の形態を示す斜視図である。このデバイスは、実質的に平面の第1と第2の表面、および支持構造体の第2の表面から離れるように延在する多数の収集構造体を有する平面支持構造体からなる。対応する数のアドレス可能な通路または毛管が、各収集構造体を通って延在し、必要に応じて、プラテンを通って第1の表面まで延在する。各収集構造体は、各毛管通路を囲み、各毛管通路からの電磁放射のための反射器または集束ユニットとして機能する。
【図2】図2は、いわゆる直交パラボラ反射器の幾何学形状を有する単一の収集構造体の実施の形態を断面で示しており、毛管通路が、回転の主軸に対して平行な軸に沿って収集構造体の本体を延在している。
【図3】図3は、焦点Fに多数の放射光線が収束している、別の実施の形態の等角図を示す。
【図4】図4は、図示した実施の形態によればコリメータ・レンズである、関連する光学素子と共に収集構造体を断面で示している。
【図5A】図5Aは、図4に示した実施の形態の変更例を断面で示している。
【図5B】図5Bは、図5Aにおける実施の形態から投影した光束スポットを表している。
【図6】図6は、様々な焦点距離を有するフレネルタイプのレンズが、毛管からの発光を視準するように収集構造体の一部として平面構造体の第1の表面に配置されている、図4または5Aいずれかに示した実施の形態の変更例を示している。
【図7A】図7Aは、毛管からの発光光放出を収集構造体の下に配置された検出器に向けるために反射器が用いられている別の実施の形態を示している。
【図7B】図7Bは、図7Aに示した実施の形態の変更例を示している。
【図8】図8は、放射線収集構造体に関してコンピュータが作成した光線の跡を示している。
【図9】図9は、図8の放射線収集構造体から投影されたスクリーン上の放射照度分布を示している。
【図10】図10は、楕円形状を有する収集構造体の別の実施の形態の図である。この収集構造体の楕円形状は、毛管からの光放射または光束を検出器またはスクリーン上に投影している。
【図11】図11は、円錐形状を有する3つの収集構造体、およびそれに関連する光学素子を示す、本発明の別の実施の形態を断面で示している。
【図12】図12は、平面支持体がマイクロタイタ・マルチウェル・プレートの蓋の部分を形成したときに、図11の実施の形態を使用できる、本発明による様式を示している。各コレクタユニットと毛管は、挿入されたときに、対応するウェル内に嵌る。
【図13】図13は、いわゆる「ウィンストン・コーン」型光集中形状を有する収集構造体の別の実施の形態の概略図である。このウィンストン・コーンは、本発明の実施の形態により、光波長を導くように用いてもよい。図13Aにおいて、入口と出口の開口は、それぞれ、半径αおよびα’である。Fは上側パラボラ部分の焦点であり、fは焦点距離である。円錐の長さはLである。図13Bにおいて、焦点を中心とした対称の軸中心の座標系の原点と方向が示されている。
【符号の説明】
【0070】
10 平面支持構造体またはプラテン
11 回転軸
12 第1のまたは上側の表面
14 第2のまたは下側の表面
15、70 収集構造体
16 毛管通路
24 エラストマー層
40 コレクタユニット
42 焦点
43 光線
44 光学レンズ
60 フレネルレンズ
71 パラボラ反射器
80 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析試料から光信号を検出するためまたはアッセイを行うためのデバイスであって、多数の収集構造体と、該収集構造体の各々の主軸に実質的に平行な軸に沿って長手方向に延在する、試料容積を収容するように適合された毛管通路とを備え、前記収集構造体の各々が、前記毛管通路からの光信号を集中させる、または検出器に向けるのに効果的な形状を有することを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記収集構造体の各々が、前記試料容積内の分析物から放射された光信号を反射により前記検出器に向けて投射するように適合された幾何学形状を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
各々が収集構造体に対応し、前記毛管通路を中心とした、第1の表面上または平面構造体内に配置された多数の光学素子をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
レンズやマイクロレンズのアレイ、フレネルレンズや焦点距離の異なるフレネルレンズ、グレーティング、または表面レリーフ拡散器のいずれかをさらに含むことを特徴とする請求項3記載のデバイス。
【請求項5】
前記収集構造体の幾何学形状が、軸の周りに回転することにより生成された、コーン、楕円、またはパラボラの内の少なくとも一つの一部である表面を含むことを特徴とする請求項2記載のデバイス。
【請求項6】
前記毛管通路の各々が、所定の性質で官能化された側壁表面を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
生体または化学試料を分析するためのデバイスであって、
a) 第1の表面および第2の表面を有する平面構造体、
b) 前記第2の表面から略垂直に延在する多数の収集構造体、および
c) 前記収集構造体の各々の主軸と実質的に平行に延在する、試料容積を収容するように適合された毛管通路、
を備え、
d) 前記収集構造体の各々が、前記毛管通路からの電磁放射線信号を収集する、または検出器に向けるように適合された幾何学形状を有することを特徴とするデバイス。
【請求項8】
分析試料から信号を検出する方法であって、
a) 試料容積を収容するように適合された毛管通路からの電磁信号を収集し、方向付けるための反射デバイスを提供し、
b) 前記反射デバイスの回転の主軸に実質的に平行に前記毛管通路を長手方向に整合させ、
c) 前記試料容積内に分析物を提供し、
d) 前記毛管通路中に電磁放射線を導入して、前記分析物から信号の放射を誘発し、
e) 前記信号の放射を検出器に向け、該信号を検出する、
各工程を有してなる方法。
【請求項9】
前記信号を、平面構造体内または該平面構造体の第1の表面上に配置された多数の光学素子と相互作用させる工程をさらに含み、前記光学素子の各々またはそれらのアレイが収集構造体に対応し、前記毛管通路に芯合わせされていることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記信号を、前記第1の表面の上に位置する検出器に向かって投射する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記信号を、前記収集構造体の各々の下に位置する検出器に向ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記毛管通路の各々の側壁表面に、所定の性質を持つ官能化表面を提供する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−511803(P2006−511803A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563868(P2004−563868)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040753
【国際公開番号】WO2004/059312
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】