説明

キャプスタン、及び、それを備えたキャプスタン装置

【課題】外周側に耐摩耗層を形成しつつ線材冷却性能の低下を抑えたキャプスタン、及び、それを備えたキャプスタン装置を提供することを課題とする。
【解決手段】キャプスタン12は、キャプスタン装置10を構成し回転力が与えられて回転するキャプスタン本体20と、キャプスタン本体20の外周側のうちワイヤWが巻き付けられる領域に形成された耐摩耗層22と、を有する。キャプスタン本体20はジュラルミンからなる。キャプスタン装置10には、キャプスタン本体20を内周側から水冷する冷却機構16が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周側に線材が巻き付けられるキャプスタン、及び、それを備えたキャプスタン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイスで線材を引き抜く際、キャプスタン装置でキャプスタンを回転させて線材を巻き取りながら引き抜くことが行われている。
ここで、生産性を上げるためには線材を引き出す速度(線速)を上げることが有効であるが、線速を上げると塑性加工や摩擦によるダイス内での発熱量が増大する。このため、発生した熱を除去して線材に熱が蓄積されることを防ぎ、線材が次のダイスに低温で入るようにする必要がある。
【0003】
この熱除去として最も一般的に行われていることは、キャプスタンのうち線材が当接する部位を介して、伝熱による熱交換で除去することである(例えば特許文献1参照)。この手法の利点は線材表面を変化させる心配がないことである。そして、伸線工程の途中や伸線工程の最終段階で熱除去することができ、その上、線材表面の潤滑剤を変化させることがないため、ダイスに入線するときの線材温度を下げる作用に加え、ダイス内での摩擦抵抗を下げる効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US5678443
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されているように、キャプスタン装置には、通常、回転することにより線材を引き出しつつ巻き付ける中空円筒状のキャプスタンが設けられている。そして、このキャプスタンの内側を流体(水)で冷却することにより線材の熱を除去することが行われている。
【0006】
しかし、線材を引き出すことによって形成した伸線の長さ、線材の引き出し速度、線材の硬さなどが増大するにつれて、キャプスタンのうち線材が当接する部位で表面摩耗が進行する。その結果、ついには線材とキャプスタンとが充分に接触することができなくなり、線材を冷却する能力(線材冷却能力)の低下や、線材がキャプスタンにうまく巻き付かない事態が生じるという不具合があった。
【0007】
線材との接触でキャプスタンの摩耗した部分を補修する手段として、一般的には溶射により補修層を形成することが行われる。しかし、キャプスタンの外周側に補修層が形成されたいわゆる2層構造のキャプスタンとなるため、キャプスタンの使用初期に比べ、線材冷却性能が50%以上低下してしまう。このため、キャプスタンの表面摩耗が一定のレベルにまで進行すると、補修層を形成せずにキャプスタンを未使用のものに交換しているのが現状である。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して、外周側に耐摩耗層を形成しつつ線材冷却性能の低下を抑えたキャプスタン、及び、それを備えたキャプスタン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、キャプスタン装置を構成し回転力が与えられて回転するキャプスタン本体と、前記キャプスタン本体の外周側のうち線材が巻き付けられる領域に形成された耐摩耗層と、を有し、前記キャプスタン本体のうち少なくとも前記耐摩耗層の内周側がジュラルミンからなる。
【0010】
少なくとも耐摩耗層の内周側がジュラルミンからなるとは、耐摩耗層の内周側だけでなく、その他のキャプスタン本体部分もジュラルミンからなっていてもよいことを意味する。また、通常、キャプスタン本体は中空である。
線材が巻き付けられる部位及びその周辺の部位は、線材による引張り力に充分に耐え得る強度を有し、また、線材を充分に冷却できることが好ましい。ジュラルミンは、引張り強度、熱伝導率とも充分に高い値を有する。請求項1に記載の発明では、線材が巻き付けられる耐摩耗層の内周側がジュラルミンからなるので、線材がキャプスタンの耐摩耗層に巻き付けられても、耐摩耗層が強度的に充分に支えられ、しかも充分に冷却される。従って、請求項1に記載の発明により、キャプスタンが耐摩耗層を有していても、線材冷却性能の低下が抑えられたキャプスタンとすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記耐摩耗層が溶射層である。
これにより、耐摩耗層を簡単に低コストで形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記溶射層は、ピアノ線材を溶射することで形成されている。
ジュラルミンにピアノ線材をからなる耐摩耗層を形成しても、キャプスタンの線材冷却性能は殆ど低下しない。また、ピアノ線材が線材状であるので、簡単に溶射することができる。なお、ピアノ線材は、通常、炭素含有量0.60〜0.95%の良質な高炭素鋼線材である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうち何れか1項に記載のキャプスタンと、前記キャプスタン本体を内周側から冷却する冷却機構と、を備えている。
上述したように、キャプスタン本体のうち耐摩耗層の内周側はジュラルミンからなる。請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうち何れか1項のキャプスタンを有するキャプスタン装置を用い、キャプスタン本体を内周側から冷却する。従って、キャプスタン本体で熱の高い部位から効率的に冷却することができる。なお、冷却方式としては水冷が代表的であるが、水以外の他の液体による冷却であってもよいし、空冷することも考えられる。また、ペルチェ素子を用いた冷却方式であってもよい。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記キャプスタン本体の内周側が凹凸状とされている。
これにより、キャプスタン本体の内周側の表面積が増大し、冷却効果がより得られ易い。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記キャプスタン本体の回転中心軸が鉛直方向に向けられ、前記キャプスタン本体の内周側が波状であって波の凸部及び凹部が前記キャプスタン本体の内周方向に沿っており、前記冷却機構は、前記キャプスタン本体の内周側上部に向けて冷却水を噴出する。
これにより、キャプスタン本体の内周側上部に噴出された冷却水がキャプスタン本体の内壁面に沿って下方へ流れる際に凸部及び凹部を経由して流れるので、冷却水の内壁面への接触面積が大きくなり、効率的に冷却することができる。また、波の凸部及び凹部が前記キャプスタン本体の内周方向に沿っているので、線材が巻き付くことによる引張り力がキャプスタン本体に作用しても、この引張り力に対する強度が強い。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記冷却機構は、前記キャプスタン本体の内周側上部に向けて噴出した冷却水を、前記キャプスタン本体の内周側下部へ徐々に案内する案内手段を有する。
これにより、冷却水の噴出流量をあまり多くしなくても効率的にキャプスタンを冷却することができ、冷却水の噴出機構の小型化を図ることができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記案内手段は、前記キャプスタン本体の内周に沿って螺旋状に配置された案内板を有する。
請求項8に記載の発明では、冷却水がこの螺旋状の案内板に案内されて下降する。従って、キャプスタン本体の内周全体にわたって確実に冷却することができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記案内手段は、前記キャプスタン本体の内周に沿ってリング状に配置された少なくとも1枚の案内板を有する。
このリング状の案内板は、キャプスタン本体の高さ方向に所定間隔離れるように複数枚配置されていてもよい。
請求項9に記載の発明では、冷却水がこのリング状の案内板に案内されて下降する。従って、請求項8に記載の発明比べ、冷却水をキャプスタン本体の内周側下部へ更に徐々に案内することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、外周側に耐摩耗層を形成しつつ線材冷却性能の低下を抑えたキャプスタン、及び、それを備えたキャプスタン装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1(A)及び(B)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るキャプスタン装置の構成を示す側面断面図、及び、本発明の一実施形態に係るキャプスタンの内周側の形状を示す部分拡大側面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るキャプスタン装置の変形例の構成を示す側面断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るキャプスタン装置の変形例の構成を示す側面断面図である。
【図4】試験例1の試験結果を示すグラフ図である。
【図5】試験例2の試験結果を示すグラフ図である。
【図6】試験例2の試験結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、線材としてワイヤを用いた実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、ワイヤ以外のコードなどの線材を用いることも可能である。
図1に示すように、本実施形態に係るキャプスタン装置10は、回転中心軸Cが鉛直方向に向けられた本実施形態に係るキャプスタン12と、キャプスタン12を回転させる回転機構14と、キャプスタン12を冷却する冷却機構16と、を備えている。
【0022】
キャプスタン12は、回転機構14に取付けられて回転するキャプスタン本体20と、キャプスタン本体20(母材)の外周側のうちワイヤWが巻き付けられる領域に形成された耐摩耗層22と、を有する。
【0023】
キャプスタン本体20はジュラルミンからなる。このキャプスタン本体20は、耐摩耗層22が外周側に形成されている中空の円筒状部24と、円筒状部24の上側に形成され、周縁部26Eが円筒状部24の外周側に鍔状に張り出す円盤状の上部26と、円筒状部24の下側に形成され、周縁部26Eが円筒状部24の外周側に鍔状に張り出す下部28と、を有する。円筒状部24の内周側24Sは波状とされていて、波の凸部24P及び凹部24Dがキャプスタン本体20の内周方向(円周方向)に沿っている。キャプスタン12の外周には、耐摩耗層22の下部からワイヤWが入線し、耐摩耗層22の上部からワイヤWが出線するように巻き付けられる。
また、本実施形態では、耐摩耗層22は、ピアノ線材を溶射することで形成された溶射層からなる。
【0024】
回転機構14は、鉛直方向に立てられた回転軸部30と、回転軸部30の下部を支えるベアリング部32とを備えている。ベアリング部32は、キャプスタン装置10に設けられた支持部34で支えられている。キャプスタン本体20は、回転軸部30に取付けられており、回転軸部30が回転することによってキャプスタン12が回転する構成になっている。
【0025】
冷却機構16は、円筒状部24のうち、外周側に耐摩耗層22が形成されている内周側部分24Bの上部に向けて冷却水Lを噴出するノズル40を備えている。また、冷却機構16は、キャプスタン本体20の内周よりも内側(回転中心軸Cの側)に鉛直方向に沿って配置された支持部材42と、支持部材42の外周側に固定され、キャプスタン本体の内周に沿って螺旋状に形成された案内板44と、を有しており、ノズル40から噴出した冷却水Lを、キャプスタン本体20の内周側下部へ徐々に案内する構成になっている。支持部材42は、円筒状であってもよいし、複数本の柱状部材で構成されていてもよい。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、キャプスタン12は、キャプスタン本体20と、キャプスタン本体20の外周側のうちワイヤWが巻き付けられる領域に形成された耐摩耗層22と、を有しており、キャプスタン本体20がジュラルミンからなる。ジュラルミンは、引張り強度、熱伝導率とも充分に高い値を有する。従って、ワイヤWがキャプスタン12の耐摩耗層22に巻き付けられても、耐摩耗層22が強度的に充分に支えられ、しかも充分に冷却される。従って、キャプスタン12が耐摩耗層22を有していても、線材冷却性能の低下が抑えられている。
【0027】
また、耐摩耗層22が、ピアノ線材を溶射することで形成された溶射層である。ジュラルミンにピアノ線材をからなる耐摩耗層を形成しても、キャプスタンの線材冷却性能は殆ど低下しない。また、ピアノ線材が線材状であるので簡単に溶射することができ、しかも、溶射なので低コストで耐摩耗層22を形成することができる。
また、キャプスタン装置10は、キャプスタン本体20を内周側24Sから水冷する冷却機構16を備えている。ジュラルミンの熱伝導率は高いので、キャプスタン12を効率的に冷却することができる。
【0028】
また、キャプスタン本体20の回転中心軸Cが鉛直方向に向けられ、冷却機構16は、キャプスタン本体の内周に沿って螺旋状に形成された案内板44と、この案内板44を回転中心軸Cの側から支える支持部材42と、を有している。これにより、内周側部分24Bの上部に向けて噴出した冷却水Lが、キャプスタン本体20の内周に沿って接触しながら徐々に下方へ流れる。従って、冷却水Lの噴出流量をあまり多くしなくても効率的にキャプスタン12を冷却することができて冷却水Lの噴出機構の小型化を図ることができ、しかも、キャプスタン本体20の内周全体にわたって確実に冷却することができる。
【0029】
また、キャプスタン本体20の内周側24Sが波状であって波の凸部24P及び凹部24D(何れも図1(B)参照)がキャプスタン本体の内周方向(回転中心軸回り方向)に沿っている。従って、ノズル40から噴出した冷却水Lは、案内板44に沿って下方へ流れる際に凸部24P及び凹部24Dを経由して流れるので、冷却水Lの内壁面への接触面積が大きくなり、効率的に冷却することができる。また、凸部24P及び凹部24Dがキャプスタン本体20の内周方向に沿っているので、ワイヤWが巻き付くことによる引張り力がキャプスタン本体20に作用しても、この引張り力に対する強度が強い。
【0030】
なお、本実施形態では、キャプスタン本体20が全体にわたってジュラルミンからなる例で説明したが、キャプスタン本体のうち耐摩耗層22の内周側のみがジュラルミンからなる例であっても、同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、キャプスタン本体20の内周側上部に向けて噴出した冷却水をキャプスタン本体20の内周側下部へ徐々に案内する案内手段として、キャプスタン本体20の内周に沿って螺旋状に形成された案内板44を支持部材42の外周側に固定した例で説明したが、図2に示すように、キャプスタン本体20の内周に沿ってリング状に配置された案内板48を支持部材42の外周側に固定してもよい。これにより、冷却水をキャプスタン本体20の内周側下部へ更に徐々に案内することができる。この場合、図2に示すように、上下方向に等間隔で離隔した複数の案内板48を配置すると、より均一にかつ効果的にキャプスタン本体20を冷却し易い。
また、本実施形態では、キャプスタン本体20の内周側24Sに凸部24P及び凹部24Dが形成されている例で説明したが、図3に示すように、キャプスタン本体20に代えて、外周側に耐摩耗層22が形成されている内周側部分54Bの内壁が通常の円筒内面状であるキャプスタン本体50としても、冷却機構のノズル51から冷却水Lを噴出してキャプスタン本体50の冷却効果を充分に得ることが可能である。なお、ノズル51の高さ位置を固定している支持部材52は、内周側部分54Bに沿って冷却水Lが流れるように円筒状とされていてもよい。
【0031】
(試験例1)
本発明者は、(A)S55C(機械構造用炭素鋼で焼きならしをした鋼)からなるキャプスタンAを用いた場合、(B)S55Cからなるキャプスタン本体にピアノ線材を溶射して耐摩耗層(厚さ3mm)を形成したキャプスタンBを用いた場合、(C)FCD500(球状黒鉛鋳鉄)からなるキャプスタン本体にピアノ線材を溶射して耐摩耗層(厚さ3mm)を形成したキャプスタンCを用いた場合について、キャプスタンの巻き高さとワイヤ温度との関係をそれぞれ調べた。
【0032】
図4に示すように、耐摩耗層を形成したキャプスタンB、Cとも、耐摩耗層が形成されていないS55CからなるキャプスタンAに比べ、出線時(すなわちキャプスタン12の巻き高さH(図1参照)が最も高いとき)のワイヤ温度が大幅に高かった。従って、S55C、FCD500を母材として、ピアノ線材を溶射して耐摩耗層を形成すると、キャプスタンの線材冷却性能が著しく下がることが判った。
【0033】
(試験例2)
また、本発明者は、ジュラルミンからなるキャプスタン本体20にピアノ線材を溶射して耐摩耗層22(厚さ3mm)を形成したキャプスタン(実施例1)と、耐摩耗層を形成しないS55Cからなるキャプスタン(比較例1)を製造し、試験例1と同様にして、キャプスタンの巻き高さHとワイヤ温度との関係をそれぞれ調べた。図5に示すように、実施例1の線材冷却性能は、比較例1よりも若干良好という結果になった。
【0034】
更に、キャプスタン装置を使用することにより実施例1で耐摩耗層22が摩耗したものに、ピアノ線材をもう一度溶射して耐摩耗層22(厚さ3mm)を形成したキャプスタン(実施例2)と、キャプスタン装置を使用することにより比較例1でキャプスタン外周が摩耗したものに、ピアノ線材を溶射して耐摩耗層(厚さ3mm)を形成したキャプスタン(比較例2)と、を製造し、同様にしてキャプスタンの巻き高さHとワイヤ温度との関係をそれぞれ調べた。従って、実施例2、比較例2は、耐摩耗層として補修層が形成されたものである。
図6に示すように、実施例2の線材冷却性能は実施例1と殆ど差がなかったが、比較例2の線材冷却性能は比較例1よりも大幅に低くなっていた。
【0035】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
10 キャプスタン装置
12 キャプスタン
16 冷却機構
20 キャプスタン本体
22 耐摩耗層(耐摩耗層、溶射層)
24P 凸部
24D 凹部
24S 内周側
44 案内板(案内手段、案内板)
48 案内板(案内手段、案内板)
50 キャプスタン本体
C 回転中心軸
W ワイヤ(線材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャプスタン装置を構成し回転力が与えられて回転するキャプスタン本体と、
前記キャプスタン本体の外周側のうち線材が巻き付けられる領域に形成された耐摩耗層と、
を有し、
前記キャプスタン本体のうち少なくとも前記耐摩耗層の内周側がジュラルミンからなる、キャプスタン。
【請求項2】
前記耐摩耗層が溶射層である、請求項1に記載のキャプスタン。
【請求項3】
前記溶射層は、ピアノ線材を溶射することで形成されている、請求項2に記載のキャプスタン。
【請求項4】
請求項1〜3のうち何れか1項に記載のキャプスタンと、
前記キャプスタン本体を内周側から冷却する冷却機構と、
を備えた、キャプスタン装置。
【請求項5】
前記キャプスタン本体の内周側が凹凸状とされている、請求項4に記載のキャプスタン装置。
【請求項6】
前記キャプスタン本体の回転中心軸が鉛直方向に向けられ、
前記キャプスタン本体の内周側が波状であって波の凸部及び凹部が前記キャプスタン本体の内周方向に沿っており、
前記冷却機構は、前記キャプスタン本体の内周側上部に向けて冷却水を噴出する、請求項5に記載のキャプスタン装置。
【請求項7】
前記冷却機構は、前記キャプスタン本体の内周側上部に向けて噴出した冷却水を、前記キャプスタン本体の内周側下部へ徐々に案内する案内手段を有する、請求項6に記載のキャプスタン装置。
【請求項8】
前記案内手段は、前記キャプスタン本体の内周に沿って螺旋状に配置された案内板を有する、請求項7に記載のキャプスタン装置。
【請求項9】
前記案内手段は、前記キャプスタン本体の内周に沿ってリング状に配置された少なくとも1枚の案内板を有する、請求項7に記載のキャプスタン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−284713(P2010−284713A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142276(P2009−142276)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】