説明

キャプチャ画像記録装置とキャプチャ画像記録プログラム

【課題】操作中の操作画面をキャプチャして得られたキャプチャ画像を効率よく記録保存する技術を提供する。
【解決手段】操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部16に記録するキャプチャ画像記録装置1は、操作画面上におけるポインティングデバイスのカーソルの移動経路のうち所定の区間経路でのカーソルの移動速度を算出する移動速度算出部11と、カーソルが区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち画像記録部16に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数をカーソルの移動速度に基づいて決定する記録枚数決定部12と、当該記録枚数決定部12で決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出するキャプチャ画像抽出部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部に記録するキャプチャ画像記録技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによるコンピュータ操作を監視する技術として、遠隔制御サーバとクライアント端末が通信ネットワークを介して接続され、遠隔制御サーバにおいてクライアント端末からのアクセス要求情報を受け付け、クライアント端末ではモニタに表示されているモニタ画面を遠隔制御サーバに送信し、遠隔制御サーバでは受信したモニタ画面をモニタに表示すると共に、このクライアント端末の画面をキャプチャ画像として所定のインターバルで操作ログに記録し、遠隔制御サーバのログ再生処理部が操作ログに記録されたキャプチャ画像の再生を行うものが存在する(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、データ記憶部に格納されたキャプチャ画像を監視モニタに再現することで、ユーザによる端末の操作内容を監視することができるが、ネットワークに接続されているクライアント端末の数が多い場合や長時間にわたって端末が操作されている場合、記録すべきキャプチャ画像の容量が大きくなり、その画像記録コストが増大するだけではなく、再生画像の監視時間が長くなるという問題が生じる。
【0003】
また、河川等の監視対象となる地域の監視画像を遠隔地の画像表示装置に伝送する広域監視システムとして、撮影対象を撮影する撮影手段と、前記撮像手段が撮影した画像を取り込むと共に撮影された画像を各々異なる解像度で圧縮して圧縮画像データに変換する複数の画像キャプチャ手段と、複数の圧縮画像データから要求に応じた最適な圧縮画像データを選択してネットワークを介して画像の配信を行なう画像配信手段とを有する画像配信装置、及び、算出された撮影対象の安全度及び予め設定された撮影対象の重要度などに基づいて外部ネットワークから配信された複数の圧縮画像データ毎の状況を判断して前記複数の圧縮画像データから表示すべき最適な圧縮画像データを選択する状況判断手段と、前記状況判断手段により選択された1つ又は複数の圧縮画像データを異なる解像度に復元する複数の画像デコード手段と、前記画像デコード手段により復元された1つ又は複数の画像を合成して表示する画像合成手段とを有する画像表示装置からなるシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。このシステムでは、撮影手段による撮影画像から、各々異なる解像度、表示レートで圧縮することで複数種の画像データを生成し、それらを伝送するので、撮影画像に対する煩わしい前処理が必要であるとともに、複数種の画像データの伝送のために相当な処理時間がかかるという問題点がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−108947号公報(段落番号〔0094〕〜〔0099〕、図1、図17)
【特許文献2】特開2006−41770号公報(段落番号〔0022〕〜〔0025〕、図1、図17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、操作中の操作画面をキャプチャして得られたキャプチャ画像を効率よく記録保存する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によるキャプチャ画像記録装置では、操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部に記録するために、前記操作画面上におけるポインティングデバイスのカーソルの移動経路のうち所定の区間経路での前記カーソルの移動速度を算出する移動速度算出部と、前記カーソルが前記区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち前記画像記録部に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数を前記カーソルの移動速度に基づいて決定する記録枚数決定部と、前記記録枚数決定部で決定された前記記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出するキャプチャ画像抽出部と、が備えられている。
【0007】
一般的に、重要なポインティングデバイス操作を行っている際には、そのカーソルの動きはゆっくりしており、そうでない場合には、素早く動く傾向がある。本発明は、このようなカーソルの移動速度に着目し、操作画面上を移動するカーソルの移動経路のうち処理対象となる所定の区間経路におけるカーソルの移動速度を求め、この移動速度に基づいて、カーソルがこの区間経路を移動した際にキャプチャされたキャプチャ画像のうち画像記録部に記録されるべき記録枚数が決定される。記録枚数が決定されると、その記録枚数分の記録キャプチャ画像が、抽出されて画像記録部に記録される。つまり、カーソルの移動経路のうち所定の区間経路においてキャプチャされたキャプチャ画像の実際の記録枚数をその際のカーソル速度に応じて限定することで、キャプチャ画像の効率のよい記録保存を実現させている。
【0008】
また、前記キャプチャ画像抽出部が抽出するキャプチャ画像が存在しない場合に、対応する補間画像を生成する補間画像生成部が備えられていると好適である。
【0009】
ポインティングデバイスの操作におけるそのカーソル移動には、クリック点などの操作点を探し求めて移動する単純なカーソル移動や、ドラッグ操作のように選択したフォルダやファイルを次の操作点まで移動させるといったデータ複写やディレクトリ変更などの操作のためのカーソル移動がある。これらの操作内容は操作イベントに示されている。従って、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記キャプチャ画像抽出部は、前記区間経路をカーソルが移動する間に、所定の操作イベントが存在する場合にも、付加的に記録キャプチャ画像が抽出される。
【0010】
上述した本発明によるキャプチャ画像記録装置の技術的特徴は、同様のキャプチャ画像記録プログラムやキャプチャ画像記録方法にも適用可能である。例えば、操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部に記録するために、前記操作画面上におけるポインティングデバイスのカーソルの移動経路のうち所定の区間経路での前記カーソルの移動速度を算出する移動速度算出機能と、前記カーソルが前記区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち前記画像記録部に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数を前記カーソルの移動速度に基づいて決定する記録枚数決定機能と、前記決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出するキャプチャ画像抽出機能と、をコンピュータに実現させる。当然ながら、このようなキャプチャ画像記録プログラムも上述したキャプチャ画像記録装置で述べた作用効果を得ることができ、さらにその実施形態例として上述した付加的技術を組み込むことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るキャプチャ画像記録装置1の構成を示した図である。本キャプチャ画像記録装置1は、モニタ1Aとポインティングデバイス1Bとキーボード1Cとを備え、このモニタ1Aには、ユーザの操作に伴う操作画面が表示される。また、この操作画面にはポインティングデバイス1BのカーソルCuも表示され、このカーソルCuの移動はユーザの操作に応じて速く動いたり、ゆっくり動いたり、停止したりする。そして、一般的には、重要なポインティングデバイス操作を行っている際には、そのカーソルCuの動きはゆっくりしており、そうでない場合には、素早く動く傾向がある。
【0012】
本キャプチャ画像記録装置1は、操作画面上で操作されるポインティングデバイス1BのカーソルCuの移動速度に応じて記録枚数を決定し、操作中の操作画面をキャプチャして得られたキャプチャ画像から、決定された記録枚数だけ記録キャプチャ画像を抽出して記録する機能を備えている。ここで、本キャプチャ画像記録装置1は、キャプチャ画像を記録するだけでなく、キーボード1Cによる文字入力や各種演算処理を行うことが可能なクライアント端末としても使用することができる。以下、キャプチャ画像記録装置1がクライアント端末として使用される場合において、記録キャプチャ画像を記録する機能について説明する。
【0013】
図2は、本実施形態に係るキャプチャ画像記録装置1の概略構成を模式的に示したブロック図である。本キャプチャ画像記録装置1は、カーソル情報取得部10、移動速度算出部11、記録枚数決定部12、記録枚数テーブル13、キャプチャ画像抽出部14、キャプチャ画像格納部15、画像記録部16の各機能部を備える。以下、本キャプチャ画像記録装置1の各部の構成について説明する。
【0014】
キャプチャ画像格納部15は、キャプチャ画像を一時的に格納する。このキャプチャ画像は、キャプチャ画像記録装置1における操作画面を定期または不定期にキャプチャして生成される。また、キャプチャ画像には、キャプチャされた時間を示すタイムスタンプが含まれる。なお、このキャプチャ画像は、図示しないキャプチャ画像生成部により生成され、そこからキャプチャ画像格納部15に格納される。
【0015】
カーソル情報取得部10は、カーソル位置情報を取得する。カーソル位置情報は、操作画面上でのポインティングデバイス1BのカーソルCuの位置を示す情報であり、キャプチャ画像記録装置1におけるユーザのカーソル操作に基づいて生成される。また、カーソル位置情報には、カーソルCuの位置情報が取得された取得時間と、その取得時間におけるカーソルCuのx座標及びy座標とからなる座標情報とが含まれる。カーソル情報取得部10は、後述の移動速度算出部11にカーソル位置情報を伝達する。
【0016】
移動速度算出部11は、操作画面上におけるポインティングデバイス1BのカーソルCuの移動経路のうち所定の区間経路でのカーソルCuの移動速度を算出する。ポインティングデバイス1BのカーソルCuの移動経路のうち所定の区間経路を定める好的な方法は、カーソル操作に伴って作り出されるカーソルCuの移動経路から所定時間間隔で順次区間経路を区切っていくことである。ここで、カーソルCuの移動経路とは、操作画面上でのポインティングデバイス1BのカーソルCuの移動に応じて、カーソルCuが実際に移動した際の軌跡に対応する。また、所定の区間経路は、所定の区間からなる経路、即ち所定時間間隔で区切られたカーソルCuの移動経路を示し、本実施形態ではカーソルCuが10秒間に移動した経路とする。したがって、移動速度算出部11は、10秒間にカーソルCuが移動した経路(区間経路)でのカーソルCuの移動速度を算出する。移動速度の算出は、以下のように行われる。移動速度算出部11は、まず、上述のカーソル情報取得部10から伝達されるカーソル位置情報のうち、カーソルCuが所定時間の10秒間に移動した区間経路の位置情報を特定し、そのカーソル位置情報から区間経路の移動距離を算出する。そして、当該区間経路の距離を10秒で除することにより、移動速度を算出し、後述の記録枚数決定部12に出力する。
【0017】
記録枚数テーブル13は、カーソルCuの移動速度毎に後述の画像記録部16に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数を規定しているテーブルである。本実施形態においては、カーソルCuの移動速度が大きい程、記録キャプチャ画像の記録枚数が少なくなるように設定されている。この記録枚数テーブル13に規定される記録枚数は予め設定されるが、予め設定されている記録枚数をユーザが変更することも可能である。なお、移動速度毎に設定される記録枚数の規定の具体例は後述する。
【0018】
記録枚数決定部12は、カーソルCuが上述の区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち記録される記録枚数をカーソルCuの移動速度に基づいて決定する。この記録枚数の決定は以下のように行う。記録枚数決定部12は、記録枚数テーブル13を参照し、移動速度算出部11から出力されたカーソルCuの移動速度に対応する記録枚数を決定する。決定された記録枚数は、後述のキャプチャ画像抽出部14に伝達される。
【0019】
キャプチャ画像抽出部14は、記録枚数決定部12で決定された記録枚数分のキャプチャ画像の抽出を行う。この抽出は、以下のように行われる。まず、キャプチャ画像抽出部14は、上述の記録枚数決定部12から記録枚数を取得する。次に、移動速度算出部11がカーソルCuの移動速度の算出に用いた所定時間、即ち本実施形態では10秒間を前記記録枚数で除して、抽出時間間隔を取得する。そして、区間経路を示す情報と、抽出時間間隔の倍数とから、抽出タイミングを取得する。この抽出タイミングに対応するタイムスタンプの記録キャプチャ画像をキャプチャ画像格納部15から抽出し、画像記録部16に記録する。
【0020】
画像記録部16は、キャプチャ画像抽出部14によりキャプチャ画像格納部15から抽出された記録キャプチャ画像が記録される。この記録キャプチャ画像は、本実施形態においては、記録枚数決定部12により決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像が記録される。
【0021】
次に、本キャプチャ画像記録装置1が、操作画面から記録キャプチャ画像を画像記録部16に記録する記録過程について図を用いて説明する。図3は、モニタ1Aに表示される操作画面をキャプチャしてキャプチャ画像格納部15に格納されたキャプチャ画像である。なお、図3は、キャプチャ画像のキャプチャタイミングを1枚/秒として生成された場合のキャプチャ画像を例示しており、取得時間t1からt11として夫々図3(a)から(k)まで図示している。取得時間t1からt11に亘ってカーソルCuの移動が確認できる。なお、図3に示される破線はカーソルCuが実際に動いた軌跡を図示したものであり、移動経路に相当する。この破線は実際のキャプチャ画像には表示されなくても良い。
【0022】
図4は、図3に図示されたキャプチャ画像に含まれるカーソルCuのカーソル位置情報及びカーソルCuの移動距離を示している。ここで、キャプチャ画像とこれらの情報とは、例えば取得時間等の日時データ(タイムスタンプ)に基づいて関連付けされている。図4の例では、取得時間はt1からt11としている。その取得間隔は一例として1秒毎としているが、これに限定されるものではない。順次リアルタイムでカーソル位置情報がカーソル情報取得部10により取得されるような構成であっても良い。なお、本実施形態においては、操作画面の領域を1024×768(dot)の領域とし、領域の左下のx座標が0、y座標が0と、領域の右上のx座標が1024、y座標が768としている。しかしながら、これに限定されず、異なる領域の操作画面に対して、本発明を適用することも可能であるし、領域の左下以外の位置を基準座標とすることも当然に可能である。なお、図4に示されるような情報は、移動速度算出部11により生成される。
【0023】
図4において、15時15分30秒(取得時間t1)の時には、カーソルCuがx座標100、y座標100の位置にあることを示す。そして、15時15分31秒(取得時間t2)の時には、カーソルCuがx座標120、y座標198の位置にあり、それまでに移動したカーソルCuの移動距離が100dotであることを示す。したがって、この間でカーソルCuが移動していることがわかる。以下、ユーザにより行われるポインティングデバイス1Bの操作に応じて、カーソル位置情報がカーソル情報取得部10により取得される。ここで、座標情報はdot単位で取得されていることから、移動距離の単位も「dot」となる。なお、この単位は「dot」に限るものではなく、画面上の長さ(例えば、インチやcm)等を使用することも可能である。
【0024】
ここで、本実施形態においては、10秒間にカーソルCuが移動した区間における移動速度に基づいて、記録キャプチャ画像の記録枚数を決定する場合を例として説明する。カーソルCuが10秒間(取得時間t1から取得時間t11の間)に移動した距離は、図4から明らかなように「1000」dotである。この10秒間におけるカーソルCuの移動距離が、カーソル情報取得部10から伝達されたカーソル位置情報に基づいて、移動速度算出部11により算出される。移動速度算出部11は、算出されたカーソルCuの移動距離「1000」dotを移動時間である「10」秒で除することにより、当該移動した経路におけるカーソルCuの移動速度を「100」dot/秒として算出する。算出された移動速度は、記録枚数決定部12に出力される。
【0025】
ここで、記録枚数テーブル13に格納されるカーソルCuの移動速度と記録枚数とを規定するテーブルの一例を図5に示す。図5は、カーソルCuの移動速度が「0」dot/秒以上「50」dot/秒未満の場合には記録枚数は「10」枚であることを示し、「50」dot/秒以上「100」dot/秒未満の場合には記録枚数は「7」枚であることを示している。以下、カーソルCuの移動速度に応じて、記録枚数が規定される。このようなカーソル移動速度と記録枚数とを規定するテーブルが、記録枚数テーブル13に格納される。なお、上述のように、この規定はユーザにより変更することが可能である。
【0026】
記録枚数決定部12は、記録枚数テーブル13を参照して移動速度算出部11から取得したカーソルCuの移動速度に対応する記録枚数を決定する。具体的には、記録枚数決定部12は、移動速度算出部11から取得したカーソルCuの移動速度が「100」dot/秒である場合には、図5に示されるように記録枚数を「5」枚として決定する。この決定された記録枚数は、キャプチャ画像抽出部14に伝達される。
【0027】
キャプチャ画像抽出部14は、記録枚数決定部12から記録枚数(本例では「5」枚)を取得し、当該記録枚数に対応する枚数分の記録キャプチャ画像をキャプチャ画像格納部15から抽出して、画像記録部16に記録する。このようにして画像記録部16に記録された記録キャプチャ画像を図6に示す。なお、図6(a)は開始時点の操作画面として画像記録部16に記録された記録キャプチャ画像であり、この図6ではキャプチャ画像格納部15に格納されている10枚のキャプチャ画像から2枚に1枚の割合で記録キャプチャ画像を抽出して記録している。このように、本キャプチャ画像記録装置1によれば、カーソルCuの移動速度に応じて記録枚数を決定し、当該決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出して記録することにより、操作画面をキャプチャして得られたキャプチャ画像を効率よく記録保存することが可能となる。
【0028】
次に、本実施形態に係るキャプチャ画像記録装置1において実行されるキャプチャ画像の記録手順について説明する。図7は、本実施形態に係るキャプチャ画像の記録処理の全体の手順を示すフローチャートである。以下に説明するキャプチャ画像の記録処理の手順は、上記のキャプチャ画像記録装置1の各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア或いはその両方の組み合わせにより実行される。
【0029】
まず、移動速度算出部11は、カーソル情報取得部10により取得されたカーソル位置情報に基づいて、所定時間(本例では「10」秒)内にカーソルCuが移動した区間経路の移動距離の算出を行う(ステップ#01)。そして、移動速度算出部11は、算出された移動距離に基づいて、カーソルCuの移動速度を算出する(ステップ#02)。当該移動速度は、記録枚数決定部12に出力される。記録枚数決定部12は、記録枚数テーブル13を参照して、移動速度算出部11から取得した移動速度に対応する記録枚数を決定する(ステップ#03)。当該記録枚数は、キャプチャ画像抽出部14に伝達される。
【0030】
キャプチャ画像抽出部14は、キャプチャ画像格納部14から記録キャプチャ画像を抽出し、画像記録部16に記録する(ステップ#04)。この抽出は、記録枚数決定部12により決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像が記録されるまで継続して行われる(ステップ#05:No)。記録枚数決定部12により決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像が画像記録部16に記録されると(ステップ#05:Yes)、処理を終了する。このような手順により、本キャプチャ画像記録装置1は、キャプチャ画像格納部15からキャプチャ画像を抽出して効率よく記録保存する。
【0031】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、図6に示されるようにキャプチャ画像抽出部14が行う記録キャプチャ画像の抽出は、生成されたキャプチャ画像が10枚、記録枚数が5枚である場合の例として、2秒毎、即ち均等間隔で記録キャプチャ画像を記録した場合の例として図示した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。キャプチャ画像抽出部14がランダムに抽出しても良いことは当然である。
【0032】
上記実施形態では、移動速度算出部11は、予め設定された所定時間と、当該所定時間の間に移動したカーソルCuの移動距離とに基づいて区間経路でのカーソルCuの移動速度を算出するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。例えば、予め設定された所定時間に代えて予め所定距離を設定しておき、当該所定距離と、カーソルCuが当該所定距離を移動するのに要する時間とに基づいて区間経路でのカーソルCuの移動速度を算出するように構成することも当然に可能である。このような構成の場合には、まず、移動速度算出部11が予め設定された所定距離と当該所定距離を移動するのに要する時間とに基づいてカーソルCuの移動速度を算出し、記録枚数決定部12が当該移動速度に応じて記録キャプチャ画像の記録枚数を決定すると良い。また、キャプチャ画像抽出部14が、上述の所定区間に対応する移動距離を、記録枚数決定部12により決定された記録枚数で除することにより抽出移動距離を算出し、算出された抽出移動距離に応じて記録キャプチャ画像を抽出するようにしても良い。このような構成であっても、キャプチャ画像を効率良く記録することができる。
【0033】
上記実施形態では、所定区間におけるカーソルCuの移動速度に応じて、記録枚数が決定されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。例えば、キャプチャ画像抽出部14は、所定の区間経路をカーソルが移動する間に、所定の操作イベントが存在する場合にも、付加的に記録キャプチャ画像を抽出するような構成であると好適である。即ち、移動速度算出部11により取得された区間経路にポインティングデバイス1Bのクリック操作やドラッグ操作等が行われた場合に、生成されたキャプチャ画像をキャプチャ画像抽出部14が付加的にキャプチャ画像を抽出するように構成しても良い。このような構成であれば、クリック操作やドラッグ操作中のキャプチャ画像も効率良く記録保存することが可能である。また、上記の所定の操作イベントには、コピーや削除等のクライアント端末における通常操作の操作イベントも含んでも良い。更には、所定の操作イベントは、ポインティングデバイス1Bの操作だけでなく、キー操作等の端末における操作を含んでも良い。なお、このようなクリック操作やドラッグ操作やコピーや削除等の操作イベントの検出は、本キャプチャ画像記録装置1がユーザの操作に基づいて記録される操作ログを取得し、当該操作ログから図示しない操作イベント検出部が検出することにより実現可能である。
【0034】
上記実施形態では、画像記録部16に記録される記録キャプチャ画像は、キャプチャ画像格納部15に格納されているキャプチャ画像から抽出されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。例えば、図7のフローチャートのステップ#04において、キャプチャ画像抽出部14が抽出する記録キャプチャ画像がキャプチャ画像格納部15に格納されていない場合には、本キャプチャ画像記録装置1に補間画像生成部を備え、当該補間画像生成部が前後のキャプチャ画像とカーソル位置情報に基づいて、抽出指示に対応する補間画像を生成するように構成することも可能である。
【0035】
補間画像生成部は、以下のように補間画像の生成を行うと好適である。まず、記録キャプチャ画像抽出部14は、抽出タイミングに対応するタイムスタンプのキャプチャ画像がキャプチャ画像格納部15に無い場合に、補間画像生成部に対して補間画像生成指示を行う。補間画像生成部はこの補間画像生成指示を受けて、カーソル情報取得部10により取得されたカーソル位置情報から抽出タイミングに対応するカーソルCuの座標を決定する。次に、キャプチャ画像格納部15に格納されている、抽出タイミングに対応する時間の前後いずれかのキャプチャ画像からカーソルCuを画像処理により削除して背景画像を生成する。そして、この背景画像に対して、決定された座標に対応するようにカーソルCuのイメージを合成する。このようにして補間画像が生成される。生成された補間画像は、適宜、画像記録部16に記録される。したがって、キャプチャ画像がキャプチャ画像格納部15にない場合であってもキャプチャ画像記録装置1は、補間画像を生成することにより、抽出指示に応じて記録キャプチャ画像を記録することが可能となる。
【0036】
上記実施形態では、カーソル位置情報は、キャプチャ画像記録装置1におけるユーザのカーソル操作に基づいて生成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。例えば、ユーザにより行われる操作イベントに基づいて記録される操作ログから取得することも可能である。
【0037】
上記実施形態では、カーソルCuの移動速度は、カーソルCuの移動距離を所定時間で除して算出するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。カーソルCuの移動速度には、例えば、単位時間におけるカーソルCuが移動した距離も含むことは当然である。
【0038】
上記実施形態では、キャプチャ画像は図示しないキャプチャ画像生成部により生成されてキャプチャ画像格納部15に格納されているとして説明した。例えば、キャプチャ画像とカーソル情報とを、例えばDVDやハードディスク等の保存部を用いてキャプチャ画像記録装置1に送信(入力)するような構成とすることも可能である。このような場合には、DVDやハードディスク等の保存部がキャプチャ画像格納部15と同様に機能し、DVDやハードディスク等に記録されたキャプチャ画像を、キャプチャ画像記録装置1の処理に応じて抽出して画像記録部16に記録することは、当然に可能である。したがって、例えばDVDやハードディスク等の保存部への保存後、適当な時に本発明に係る処理を行うことが可能である。
【0039】
上記実施形態では、キャプチャ画像記録装置1は、キャプチャ画像を記録するだけでなく、文字入力や各種演算処理が行うことが可能なクライアント端末としても使用可能である、即ちキャプチャ画像記録装置1はクライアント端末に対してスタンドアローン型で構成されているとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。例えば、本発明に係るキャプチャ画像記録装置1によるキャプチャ画像の記録機能、すなわち移動速度算出部11や記録枚数決定部12や記録枚数テーブル13やキャプチャ画像抽出部14といった機能をモジュール化してネットワークを介したコンピュータで実行可能なアプリケーションとし、各端末からキャプチャ画像とカーソル情報とを入手することにより、サーバ型のキャプチャ画像記録装置1とすることは当然に可能である。
【0040】
上記実施形態では、キャプチャ画像とは、操作画面をキャプチャして得られた静止画ファイルや静止画ファイルの集合体として説明したが、これに限らない。キャプチャ画像は静止画であっても動画であっても良いことは当然である。キャプチャ画像が動画の場合でも、カーソルCuの移動速度を算出し、その移動速度に応じて記録容量の低減化を行うことは当然に可能である。また、画像記録部16に記録された記録キャプチャ画像をモニタ1Aで表示する際も、静止画の連続表示(スライドショーのようなスタイル)でも良いし、動画表示でも良く、必要に応じて適切な静止画−動画化プログラムや動画−静止画化プログラムが実装される。更に、キャプチャ画像格納部15に記録される際のキャプチャ画像の形式も種々のものを選択することができる。例えば、静止画の場合にはJPEGやGIF等が、動画の場合にはMPEGやAVI等が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】キャプチャ画像記録装置の構成を模式的に示した図
【図2】キャプチャ画像記録装置の概略構成を模式的に示したブロック図
【図3】操作画面の一例を示した図
【図4】カーソル位置情報の一例を示した図
【図5】記録枚数テーブルの一例を示した図
【図6】画像記録部に記録された記録キャプチャ画像の一例を示す図
【図7】記録キャプチャ画像を記録するためのフローチャート図
【符号の説明】
【0042】
1:キャプチャ画像記録装置
10:カーソル情報取得部
11:移動速度算出部
12:記録枚数決定部
13:記録枚数テーブル
14:キャプチャ画像抽出部
15:キャプチャ画像格納部
16:画像記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部に記録するキャプチャ画像記録装置において、
前記操作画面上におけるポインティングデバイスのカーソルの移動経路のうち所定の区間経路での前記カーソルの移動速度を算出する移動速度算出部と、
前記カーソルが前記区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち前記画像記録部に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数を前記カーソルの移動速度に基づいて決定する記録枚数決定部と、
前記記録枚数決定部で決定された前記記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出するキャプチャ画像抽出部と、
を備えるキャプチャ画像記録装置。
【請求項2】
前記キャプチャ画像抽出部が抽出するキャプチャ画像が存在しない場合に、対応する補間画像を生成する補間画像生成部が備えられている請求項1に記載のキャプチャ画像記録装置。
【請求項3】
前記キャプチャ画像抽出部は、前記区間経路をカーソルが移動する間に、所定の操作イベントが存在する場合にも、付加的に記録キャプチャ画像を抽出する請求項1又は2に記載のキャプチャ画像記録装置。
【請求項4】
操作画面をキャプチャして得られるキャプチャ画像を画像記録部に記録するキャプチャ画像記録装置のためのキャプチャ画像記録プログラムにおいて、
前記操作画面上におけるポインティングデバイスのカーソルの移動経路のうち所定の区間経路での前記カーソルの移動速度を算出する移動速度算出機能と、
前記カーソルが前記区間経路を移動している間にキャプチャされたキャプチャ画像のうち前記画像記録部に記録される記録キャプチャ画像の記録枚数を前記カーソルの移動速度に基づいて決定する記録枚数決定機能と、
前記決定された記録枚数分の記録キャプチャ画像を抽出するキャプチャ画像抽出機能と、
をコンピュータに実現させるキャプチャ画像記録プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate