説明

キャリアアグリゲーション方法及び動的なスペクトル割り当ての方法

【課題】本発明はキャリアアグリゲーション方法及び動的なスペクトル割り当ての方法を提供する。
【解決手段】上記キャリアアグリゲーション方法は、第1の時間帯において、無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、及び/又は、第2の時間帯において、前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された上りリンク信号を受信することを含む。本発明によれば、保護帯域の利用率も保護帯域スペクトルの使用融通性も向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信分野に係わり、特に、キャリアアグリゲーション方法及び動的なスペクトル割り当ての方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3GRP(Third Generation PartnershipProject)におけるLTE-A(Long Term Evolution Advance)キャリアアグリゲーションは、広い伝送帯域幅だけでなく、融通性の高い二重方式も実現することができる。例えば、キャリアアグリゲーションは、双方向スペクトルと単一方向スペクトルとを組み合わせて使用することができ、スペクトル利用率とスペクトル使用の融通性を高めるとともに、無線通信システムによる複雑なネットワーキング環境下でのスペクトル使用の有効性を改善する。
【0003】
2Gネットワークシステム、3Gネットワークシステム、及びLTEシステムが共存する環境下で、ネットワーク構築のコストを削減するために、通信事業者は、主にTDD(Time Division Duplexing)システムとFDD(Frequency Division Duplexing)システムが同一サイトまたは同一アンテナを利用することによって実現されるRAN Sharing(Radio Access Network Sharing)の方式でネットワークを構築する。
【0004】
従来のTDDモードにおいて、無線アクセスポイントは同一周波数帯域を使用して下りリンク信号の送信と上りリンク信号の受信を行い、TDDシステムとFDDシステムとの間に、信号の送受信の妨害を避けるように保護帯域として十分広い周波数帯域が必要であり、例えば、保護帯域幅を10MHz以上にする。
【0005】
従来、TDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域を用いて信号を伝送する際には、以下のような2つの方式がある。第1の方式では、異なるサイトにマイクロセル無線アクセスポイントが配置され、室内無線アクセスポイント又はマイクロセル無線アクセスポイントがマクロセル無線アクセスポイントと異なるサイトに配置されるため、マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントとの間にスペース間隔があり、TDDシステムとFDDシステムの間で小さい保護帯域が配置すればよい(例えば、保護帯域幅を3MHzとする)。第2の方式では、TDDシステムとFDDシステムが同一サイトまたは同一アンテナを使い、マイクロセル無線アクセスポイント又はマクロセル無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の該保護帯域を用いてユーザ端末との通信を実現する。
【0006】
TDDシステムとFDDシステムが同一サイトまたは同一アンテナを利用する場合に、無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の該保護帯域を用いてユーザ端末との通信を実現する方式について、図1に示すように、出願番号がUS20070286156、発明の名称が「Utilizing guard band between FDD and TDD wireless systems」である特許出願に係る発明が公開された。
【0007】
図1は、出願番号がUS20070286156の特許出願に係る発明の、TDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域スペクトルの使用を示す概略図である。図1に示すように、第1の周波数帯域101と第2の周波数帯域102が第3の周波数帯域103によって区分され、第1の周波数帯域101内で動作するFDDシステムは少なくとも1つの第1のFDDチャンネルを、第2の周波数帯域102内で動作するTDDシステムは少なくとも1つの第1のTDDチャンネルを、第3の周波数帯域103内で動作するH-FDD(半二重FDD)システムは少なくとも1つの第1のH-FDDチャンネルを提供し、第1のH-FDDチャンネルの伝送はTDDの上りリンク伝送又は下りリンク伝送と同期する。また、第2の周波数帯域102と第4の周波数帯域104が第5の周波数帯域105によって区分され、FDDシステムは、さらに、第4の周波数帯域104に第2のFDDチャンネルを少なくとも1つ配置し、H-FDDは、さらに、第5の周波数帯域105に第2のH-FDDチャンネルを配置している。第3の周波数帯域103と第5の周波数帯域105により半二重FDD(H-FDD)が構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の発明によれば、保護帯域に半二重FDD(即ちHD-FDD)方式が適用され、保護帯域の利用率を部分的に向上させたが、無線アクセスポイントが下りリンク信号を第3の周波数帯域103によってユーザ端末へ送信する場合に、第5の周波数帯域105がアイドル状態になり、無線アクセスポイントがユーザ端末からの上りリンク信号を第5の周波数帯域105によって受信する場合に、第3の周波数帯域103がアイドル状態になるため、従来技術の発明は保護帯域の利用率が低いという欠点がある。また、両線で使用される周波数帯域による正常な双方向通信を実現するためには、二つの保護帯域が必要であるが、実際のネットワーク環境においては、双方向通信を確保する帯域幅が十分とは限らない。よって、従来技術では、保護帯域の使用融通性が低いことから、保護帯域による双方向通信が不安定となり、システムの性能が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、保護帯域のスペクトル利用率及び保護帯域スペクトルの使用融通性を向上させるキャリアアグリゲーション方法及び動的なスペクトル割り当ての方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるキャリアアグリゲーション方法は、第1の時間帯において、無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、及び/又は、第2の時間帯において、前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された上りリンク信号を受信することを含む。
【0011】
本発明は、TDDシステムにおいて、TDDシステムの無線アクセスポイントは下りリンク信号をユーザ端末へ送信する場合に、TDDシステムの双方向の通信スペクトル及びTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域を用いつつ、下りリンク信号をユーザ端末へ送信することによって、保護帯域のスペクトル利用率も下りリンク信号の伝送スピードも向上する。また、ユーザ端末もTDDシステムの双方向の通信スペクトル及びTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域を用いつつ、上りリンク信号を無線アクセスポイントへ送信することによって、保護帯域のスペクトル利用率も上りリンク信号の伝送スピードも向上する。したがって、本発明によれば、無線アクセスポイントとユーザ端末との間の通信融通性だけでなく、TDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域の使用融通性も高める。
【0012】
本発明による動的なスペクトル割り当ての実現方法は、時分割複信TDDシステムにおけるマイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントの間に一方的保護帯域を分かち合う動的なスペクトル割り当てに用いられる方法であって、第1の時間帯において、前記マクロセル無線アクセスポイントはTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の一方的保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって第1の下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、第2の時間帯において、前記マイクロセルアクセスポイントはTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の一方的保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって第2の下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、又は、第3の時間帯において、前記マクロセル無線アクセスポイントは前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の一方的保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された第1の上りリンク信号を受信すること、第4の時間帯において、前記マイクロセル無線アクセスポイントは前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の一方的保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された第2の上りリンク信号を受信すること、それぞれ同一の無線フレーム中の異なる下りリンクタイムスロットで前記第1の時間帯と第2の時間帯を構成すること、それぞれ前記無線フレームの異なる上りリンクタイムスロットで前記第3の時間帯と第4の時間帯を構成すること、前記マクロセル無線アクセスポイントと前記マイクロセルアクセスポイントそれぞれの下りリンク業務量に応じて、各自の時間帯を構成する下りリンクタイムスロットの数及び各自の時間帯を構成する上りリンクタイムスロットの数を調整すること、を含む。
【0013】
本発明は、TDDシステムにおいて、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステム間の保護周波数帯域を分かち合う場合には、同一の無線フレーム構造に、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセルの分かち合う下りリンクタイムスロットが割り当てられ、且つマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの下りリンク業務の変化状況に応じて、それぞれが占める下りリンクタイムスロットの数を調整することによって、スペクトル資源をもっと有効に利用し、スペクトルの利用率を向上させ、ネットワークの性能を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術におけるTDDシステムとFDDシステム間の保護帯域スペクトルの使用を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例によるTDDシステムとFDDシステム間のスペクトル分布図である。
【図3】それぞれ本発明の実施例において下りリンクキャリアアグリゲーションと上りリンクキャリアアグリゲーションを実現することを示す構造図である。
【図4】本発明の実施例においてマイクロセル無線アクセスポイントに非対称キャリアアグリゲーションを実現する一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例においてマイクロセル無線アクセスポイントに非対称キャリアアグリゲーションを実現する他の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施例においてマイクロセル無線アクセスポイントに非対称キャリアアグリゲーションを実現するもう一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例において本発明によるキャリアアグリゲーション方式で干渉抑制を実現することを示す概略図である。
【図8】本発明の実施例においてマクロセル無線アクセスポイントが保護帯域スペクトルを用いることを示す概略図である。
【図9】本発明の実施例においてマイクロセル無線アクセスポイントが保護帯域スペクトルを用いることを示す概略図である。
【図10】本発明の実施例においてマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセルアクセスポイントとの間の動的なスペクトル割り当てを実現することを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳しく説明する。
【0016】
図2は本発明の実施例によるTDDシステムとFDDシステムそれぞれのスペクトルのスペクトル分布様式図である。図2を参照すると、該TDDシステムとFDDシステムは同一アンテナまたは同一基地局を使い、該様式図には、第1の周波数帯域201、第2の周波数帯域202、第3の周波数帯域203、第4の周波数帯域204、第5の周波数帯域205が含まれており、そのうち、第1の周波数帯域201はFDDシステムにおけるペアのスペクトルの下りリンク周波数帯域、TDD許可周波数帯域上において伝統的なTDD方式で使用される第2の周波数帯域202はTDDシステムにおける双方向通信のための周波数帯域、第3の周波数帯域203は第1の周波数帯域201と第2の周波数帯域202との間の保護周波数帯域(第1の保護周波数帯域)、第4の周波数帯域204はFDDシステムにおけるペアのスペクトルの上りリンク周波数帯域、第5の周波数帯域205は第4の周波数帯域204と第2の周波数帯域202との間の保護周波数帯域(第2の保護周波数帯域)である。
【0017】
本発明の実施例は図2に示されたスペクトル分布様式図に限られず、第1の周波数帯域201と第2の周波数帯域202が位置交換され、第3の周波数帯域203と第5の周波数帯域205が位置交換されたスペクトル分布様式図であってもよい。
【0018】
本発明の実施例では、第3の周波数帯域203と第2の周波数帯域202で動作するマクロセル無線アクセスポイントと、第1の周波数帯域201で動作するマクロセル無線アクセスポイント又は/及び第4の周波数帯域204で動作するマクロセル無線アクセスポイントは同一サイト又は同一アンテナを使い、上記複数のマクロセル無線ノード間に同一サイト又は同一アンテナが使われる場合は、TDDシステムとFDDシステムとの間の一方的保護周波数帯域(例えば、本発明の実施例における第3の周波数帯域203、第5の周波数帯域205)の大きさを10MHz以上にする必要がある。
【0019】
本発明の実施例における第3の周波数帯域203はTDD周波数範囲(例えば、1880〜1920MHz)に位置するサブバンドである。
【0020】
本発明の実施例における第2の周波数帯域202と第3の周波数帯域203はTDDシステムの許可周波数帯域の内の隣接する又は隣接しないスペクトルであることが好ましい。隣接しないスペクトルである場合は、第2の周波数帯域202と第3の周波数帯域203の間にキャリアアグリゲーションに関与しない一方向通信のための周波数帯域又は双方向通信のための周波数帯域が含まれている。
【0021】
本発明の実施例における第2の周波数帯域202と第5の周波数帯域205はTDDシステムの許可周波数帯域の内の隣接する又は隣接しないスペクトルであることが好ましい。隣接しないスペクトルである場合は、第2の周波数帯域202と第5の周波数帯域205の間にキャリアアグリゲーションに関与しない一方向通信のための周波数帯域又は双方向通信のための周波数帯域が含まれている。
【0022】
第3の周波数帯域(第1の保護周波数帯域)203はFDDシステムの第1の周波数帯域201と第2の周波数帯域202の間に位置することが好ましい。
第5の周波数帯域(第2の保護周波数帯域)205はFDDシステムの第4の周波数帯域204と第2の周波数帯域202の間に位置することが好ましい。
【0023】
第3の周波数帯域203と第1の周波数帯域201の間の送受信がお互いに干渉しないように、本発明の実施例では第3の周波数帯域203と第1の周波数帯域201の間に分離帯域(第1の分離帯域)GB2が配置されている(即ち、第3の周波数帯域203のFDDシステムの第1の周波数帯域201に近づく側に分離帯域(第1の分離帯域)GB2が置かれている)ことが好ましい。
同様に、本発明の実施例において、第5の周波数帯域205と第4の周波数帯域204の間の送受信がお互いに干渉しないように、第5の周波数帯域205と第4の周波数帯域204の間に分離帯域(第2の分離帯域)GB1が配置されている(即ち、第5の周波数帯域205のFDDシステムの第4の周波数帯域204に近づく側に分離帯域(第2の分離帯域)GB1が置かれている)ことが好ましい。
【0024】
本発明の実施例において、異なるタイプの(マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントを含む)無線アクセスポイントは、TDDシステムとFDDシステムの間の保護帯域の使用方式が異なる。以下、二つの実施例によって本発明を詳しく説明する。
【0025】
実施例1
実施例1において、マクロセル無線アクセスポイントが当該TDDシステムとFDDシステムとの間の保護周波数帯域を利用してユーザ端末との通信を行うことについて詳しく説明する。
【0026】
本発明の実施例においては、図2に示したTDDシステムとFDDシステムそれぞれのスペクトルのスペクトル分布様式である。マクロセル無線アクセスポイントはTDD技術規格に規定された方法に従い同期信号とセルブロードキャスト信号を第2の周波数帯域202で送信するとともに、ランダムにアクセスするユーザ端末にスペクトル資源をTDD技術規格に規定された方式で供給する。
【0027】
TDDシステムでは、図3Aに示すように、TDDシステムにおけるマクロセル無線アクセスポイントは、ユーザ端末に下りリンク信号を送信する必要がある場合に、第1の時間帯(無線フレームにおいて該マクロセル無線アクセスポイントに割り当てられる下りリンクタイムスロットで構成される時間帯)において、第3の周波数帯域203での下りリンクキャリアと第2の周波数帯域202での下りリンクキャリアによって該ユーザ端末に下りリンク信号を並行して送信する。ユーザは、該マクロセル無線アクセスポイントから送信されてきた下りリンク信号を受信した後、図3Bに示すように、第2の時間帯(無線フレームにおいて該マクロセル無線アクセスポイントに割り当てられる上りリンクタイムスロットで構成される時間帯)において、第2の周波数帯域202の上りリンクキャリアによって該マクロセル無線アクセスポイントに受信確認情報(例えば、ACK(Acknowledgement Character、確認信号)や、NACK等)を送信する。
【0028】
マクロセル無線アクセスポイントは、ユーザ端末には、第2の周波数帯域202の上りリンクキャリアと第5の周波数帯域205の上りリンクキャリアによって該マクロセル無線アクセスポイントに上りリンク信号を並行して送信するように指示する上りリンクスケジューリング命令を送る必要がある場合に、第3の時間帯において、第2の周波数帯域202の下りリンクキャリアによってユーザ端末に上りリンクスケジューリング命令を送る。ユーザ端末は、該マクロセル無線アクセスポイントから送信されてきた上りリンクスケジューリング命令を受信した後、第4の時間帯において、第2の周波数帯域202の上りリンクキャリアと第5の周波数帯域205の上りリンクキャリアによって該マクロセル無線アクセスポイントに上りリンク信号を並行して送信する。
【0029】
実施例2
実施例2において、マイクロセル無線アクセスポイントが当該TDDシステムとFDDシステムとの間の保護周波数帯域を利用してユーザ端末との通信を行うことについて詳しく説明する。
【0030】
本発明の実施例においては、図2に示したTDDシステムとFDDシステムそれぞれのスペクトルのスペクトル割り当て様式である。
【0031】
マイクロセル無線アクセスポイントによるTDDシステムとFDDシステム間の保護周波数帯域の使用は、主に以下の3つのモードを含む。
【0032】
モード1において、マイクロセル無線アクセスポイントと、TDDシステム/FDDシステムにおけるマクロセル無線アクセスポイントとが異なるサイトに配置されるため、第3の周波数帯域203に配置されるマイクロセル無線アクセスポイントは第1の周波数帯域201に配置されるマクロセル無線アクセスポイントから受信した放射パワーの干渉強度が空間的隔離作用によって小さくなる。これにより、マイクロセル無線アクセスポイントはユーザ端末からの上りリンク信号を第3の周波数帯域203の一部によって受信することができる。図4に示すように、第3の周波数帯域203は、一方向の下りリンク通信のための第1のサブ周波数帯域(以下、203aで表す)と、双方向通信のための第2のサブ周波数帯域(以下、203bで表す)に分けられる。第1のサブ周波数帯域203aの大きさは、第2のサブ周波数帯域203bでのTDDユーザ端末が送信する上りリンク信号の、第1の周波数帯域201でのFDDユーザ端末の下りリンク信号の受信に対する干渉によって決められる。例えば、セットされた第1のサブ周波数帯域203aの大きさは、第1のサブ周波数帯域203aのTDDユーザ端末が上りリンク信号をマイクロセル無線アクセスポイントへ送信する際に第1の周波数帯域201のFDDユーザ端末側に漏らされる信号パワーが所定のパワー閾値よりも低いようにする。
【0033】
上記のモード1で実現されるマイクロセル無線アクセスポイントとユーザ端末の間の通信は以下のとおりである。即ち、マイクロセル無線アクセスポイントは、ユーザ端末に下りリンク信号を送信する必要がある場合に、第1の時間帯において、第2の周波数帯域202の下りリンクキャリアと、第1のサブ周波数帯域203aの下りリンクキャリア及び/又は第2のサブ周波数帯域203bの下りリンクキャリアによって下りリンク信号をユーザ端末へ送信する。該下りリンク信号はマクロセルのセルブロードキャスト信号、マクロセルのマルチメディアブロードキャスト信号、マクロセルのセル同期信号、及び業務データ等の1種以上を含む。また、ユーザ端末は、マイクロセル無線アクセスポイントから送信されてきた下りリンク信号を受信した後、第2の時間帯において、第2の周波数帯域202の上りリンクキャリア及び/又は第2のサブ周波数帯域203bの上りリンクキャリアによってACK又はNACKを該マイクロセル無線アクセスポイントへ送信する。
【0034】
モード2において、マイクロセル無線アクセスポイントと、TDDシステム/FDDシステムにおけるマクロセル無線アクセスポイントとが異なるサイトに配置されるため、第5の周波数帯域205に配置されるマイクロセル無線アクセスポイントの、第4の周波数帯域204に配置されるマクロセル無線アクセスポイントに対する干渉強度が空間的隔離作用によって小さくなる。これにより、マイクロセル無線アクセスポイントは第5の周波数帯域205の一部によって下りリンク信号をユーザ端末へ送信することができる。図5に示すように、第5の周波数帯域205は、一方向の上りリンク通信のための第3のサブ周波数帯域(以下、205aで表す)と、双方向通信のための第4のサブ周波数帯域(以下、205bで表す)に分けられる。第3のサブ周波数帯域205aの大きさは第4の周波数帯域204でのFDDユーザ端末が送信する上りリンク信号の、第4のサブ周波数帯域205bでのTDDユーザ端末の下りリンク信号の受信に対する干渉によって決められる。例えば、セットされた第3のサブ周波数帯域205aの大きさは、第4の周波数帯域204のFDDユーザ端末が上りリンク信号をマクロセル無線アクセスポイントへ送信する際に第4のサブ周波数帯域205bのTDDユーザ端末側に漏らされる信号パワーが所定のパワー閾値よりも低いようにする。
【0035】
上記のモード2で実現されるマイクロセル無線アクセスポイントとユーザ端末の間の通信は以下のとおりである。即ち、マイクロセル無線アクセスポイントは、ユーザ端末に上りリンクスケジューリング命令を送る必要がある場合に、第3の時間帯(無線フレームにおいて該マイクロセル無線アクセスポイントに割り当てられる下りリンクタイムスロットで構成される時間帯)において、第2の周波数帯域202の下りリンクキャリア及び/又は第4のサブ周波数帯域205bの下りリンクキャリアによって上りリンクスケジューリング命令をユーザ端末へ送信する。また、ユーザ端末は、該マイクロセル無線アクセスポイントから送信されてきた上りリンクスケジューリング命令を受信した後、第4の時間帯(無線フレームにおいて該マイクロセル無線アクセスポイントに割り当てられる上りリンクタイムスロットで構成される時間帯)において、第2の周波数帯域202の上りリンクキャリアと、第4のサブ周波数帯域205bの上りリンクキャリア及び/又は第3のサブ周波数帯域205aの上りリンクキャリアによって該マイクロセル無線アクセスポイントへ上りリンク信号を並行して送信する。
【0036】
モード3において、第3の周波数帯域203と第5の周波数帯域205を用いて双方向通信をさらに十分に実現するために、マイクロセル無線ノードは第5の周波数帯域205、第3の周波数帯域203及び第2の周波数帯域202によってユーザ端末との通信を行うことができる。図6に示すように、上記のモード1を第3の周波数帯域203と第2の周波数帯域202に適用することによって、ユーザ端末との通信を実現する。上記のモード2を第5の周波数帯域205と第2の周波数帯域202に適用することによって、ユーザ端末との通信を実現する。
【0037】
本発明の実施例において、第4の周波数帯域204でのFDDユーザ端末の信号送信の、第5の周波数帯域205でのTDDユーザ端末の信号受信に対する干渉を許容可能な範囲に制限するように、マイクロセル無線アクセスポイントの受信チャンネルを第4のサブ周波数帯域205bに配置することが好ましい。即ち、第3のサブ周波数帯域205aは、第4のサブ周波数帯域205bと第4の周波数帯域204の間の保護帯域として、第4のサブ周波数帯域205bと第4の周波数帯域204の間に配置される。図7に示すように、第5の周波数帯域205の合計帯域幅が10MHzである場合は、第4のサブ周波数帯域205bの帯域幅が5MHzとされる。同様に、本発明の実施例において、第3の周波数帯域203でのTDDユーザ端末の信号送信の、第1の周波数帯域201でのFDDユーザ端末の信号受信に対する干渉を許容可能な範囲に制限するように、マイクロセル無線アクセスポイントの受信チャンネルを第2のサブ周波数帯域203bに配置する。即ち、第1のサブ周波数帯域203aは、第2のサブ周波数帯域203bと第1の周波数帯域201の間の保護帯域として、第2のサブ周波数帯域203bと第1の周波数帯域201の間に配置される。図8に示すように、第3の周波数帯域203の合計帯域幅が10MHzである場合は、第2のサブ周波数帯域203bの帯域幅が5MHzとされる。
【0038】
TDDシステムにおける第2のサブ周波数帯域203bに位置するTDDユーザ端末がマイクロセル無線アクセスポイントへ送信する上りリンク信号の、FDDシステムにおける第1の周波数帯域201に位置するFDDユーザ端末の下りリンク信号の受信に対する干渉を抑制するために、本発明の実施例において、マイクロセル無線アクセスポイントの受信チャンネルを第2のサブ周波数帯域203bに配置することが好ましい。即ち、図9に示すように、第1のサブ周波数帯域203aは、第2のサブ周波数帯域203bと第1の周波数帯域201の間の保護帯域として、第2のサブ周波数帯域203bと第1の周波数帯域201の間に配置される。
【0039】
なお、本発明によれば、第5の周波数帯域で信号を受信することができる。その理由は以下の具体例によって説明することができる。即ち、本発明の実施例において、第4の周波数帯域204と第5の周波数帯域205の間の干渉は主に第4の周波数帯域204でのFDD端末のFDDシステム無線アクセスポイントへの信号送信の、第5の周波数帯域205でのTDD端末の無線アクセスポイントからの信号の受信に対する干渉である。図7に示すように、第4の周波数帯域204で動作するFDD端末701が上りリンク信号をFDDシステムの無線アクセスポイントへ送信する際に、その帯域外漏泄信号703は現在、受信状態中にあるTDD端末702によって受信される恐れがある。第4のサブ周波数帯域205bと第4の周波数帯域204が第3のサブ周波数帯域205aにより隔てられているため、通常、第3のサブ周波数帯域205aの大きさは約5MHzであり、FDD端末のTDD端末への漏泄信号703のパワーはACLR(Adjacent Channel Leakage Ratio)の制限によってFDD端末の送信パワーよりも40dB以上低く、また、マイクロセル無線アクセスポイントの送信パワーがFDD端末の送信パワー以上で、マイクロセル無線アクセスポイントからTDD端末702までのパス損失がFDD端末701からTDD端末702までのパス損失に相当するため、マイクロセル無線アクセスポイントからTDD端末702までのパス損失がFDD端末701からTDD端末702までのパス損失より30dB大きくても、マイクロセル無線アクセスポイントとFDD端末701が同一パワーで送信する場合に、TDD端末がマイクロセル無線アクセスポイントから受信するパワーはFDD端末701からTDD端末702へ漏れるパワーよりも10dB高い。したがって、本発明によれば、TDD端末が第5の周波数帯域で信号を正常に受信することを確保できる。
【0040】
本発明の実施例に係るキャリアアグリゲーション方法は、TDDシステムに適用されても良いし、FDDシステムとTDDシステムで構成される協力システムに適用されても良い。
【0041】
本発明の実施例では、TDDシステムにおいて、TDDシステムの無線アクセスポイントは下りリンク信号をユーザ端末へ送信する場合には、TDDシステムの双方向の通信スペクトル及びTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域を用いつつ、下りリンク信号をユーザ端末へ送信することによって、保護帯域のスペクトル利用率も下りリンク信号の伝送スピードも向上する。また、ユーザ端末もTDDシステムの双方向の通信スペクトル及びTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域を用いつつ、上りリンク信号を無線アクセスポイントへ送信することによって、保護帯域のスペクトル利用率も上りリンク信号の伝送スピードも向上する。さらに、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントについて、保護帯域を異なる周波数帯域とキャリアアグリゲーションすることによってユーザ端末との通信を実現する。したがって、本発明によれば、無線アクセスポイントとユーザ端末との間の通信融通性だけでなく、TDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域の使用融通性も高める。
【0042】
本発明の実施例は、上記マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントによるTDDシステムとFDDシステム間の保護帯域の使用方式に基づき、さらに、マクロセルとマイクロセルの間にスペクトル資源を動的に割り当てる方法を提供する。当該方法は、TDDシステムにおけるマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの間に共用する一方的保護帯域の動的なスペクトル割り当てに適用される。
【0043】
本発明の実施例において、マクロセル無線アクセスポイントがユーザ端末との通信を実現するようにTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域をいかに使用するかについては、実施例1の方式が適用可能であり、マイクロセル無線アクセスポイントがユーザ端末との通信を実現するようにTDDシステムとFDDシステムとの間の保護帯域をいかに使用するかについては、実施例2の方式が適用可能である。したがって、以下、その説明を省略する。
【0044】
本発明の実施例では、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントに用いられる無線フレームはタイムスロット割り当てにおいて厳密に同期を保持する。また、マクロセル無線アクセスポイントの第3の周波数帯域203と第2の周波数帯域202における時分割複信無線フレームの下りリンクスロット配置とマイクロセル無線ノードの第2のサブ周波数帯域203bにおける無線フレームの下りリンクスロットの配置とは、完全に一致する。
【0045】
本実施例では、第2のサブ周波数帯域203bで動作するマイクロセル無線ノードは室内に分布する基地局で、マクロセル無線ノードは室外に分布する基地局である。マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントが異なるサイトに配置されたため、マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントの間には、とても強い空間的隔離がある。マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントの間の空間的隔離が40dBよりも大きければ、マイクロセル無線アクセスポイントの帰りチャンネル(BACKHAULL)はXDSL(Digital Subscriber Line)又はXPON(Passive Optical Network)方式で実現できる。
【0046】
本発明の実施例では、マクロセル無線アクセスポイントに用いられる時分割複信無線フレームの下りリンクスロット配置と、マイクロセル無線アクセスポイントの取り入れる無線フレームの下りリンクスロットとの同期は、以下の方式の一つ又は組合せによって実現できる。
即ち、XDSL又はXPON上のIEEE1588規格に準拠した同期信号によって実現する方式1、及び、マクロセル無線アクセスポイントが第2の周波数帯域202または第3の周波数帯域203で送信する同期信号によって実現する方式2である。
【0047】
本実施例において、マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントが第3の周波数帯域203を共用するとともに、マイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントの間のスペクトルの動的な割り当てを実現することについて、図10を参照しつつ説明する。
【0048】
第2の周波数帯域202で動作するマクロセル無線ノードに用いられる時分割複信無線フレーム901はLTE TDD規格に準拠した無線フレーム構造であり、第3の周波数帯域203で動作するマクロセル無線ノードに用いられる無線フレーム902aは下りリンクタイムスロットだけがある無線フレーム構造である。該無線フレーム902aはFDDの下りリンク無線フレーム構造であっても良いし、下りリンクタイムスロットとして用いられるLTE TDD無線フレーム構造であっても良い。
【0049】
第2のサブ周波数帯域203bで動作するマイクロセル無線アクセスポイントに用いられる無線フレーム902aは下りリンクタイムスロットだけがある無線フレーム構造で、無線フレーム901と厳密的に同期を保持する。また、該無線フレーム902aには、下りリンクタイムスロットの配置は第2のサブ周波数帯域203bにおける無線フレーム中の下りリンクタイムスロットの配置と同じである。
【0050】
第2のサブ周波数帯域203bで動作するマイクロセル無線アクセスポイントに用いられる無線フレーム902bはLTE TDD規格に準拠した無線フレーム構造であり、該無線フレーム構造には、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの共用可能な下りリンクタイムスロットが含まれている。マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの下りリンク業務量に応じて、該共用可能な下りリンクタイムスロットを動的に異なる割合でマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントに割り当てる。図10に示すように、無線フレーム中のTS8〜TS19はマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの共用可能な下りリンクタイムスロットであり、そのうち、TS8〜TS13は下りリンク信号の送信のためにマクロセル無線アクセスポイントに割り当てられ、TS13〜TS19は下りリンク信号の送信のためにマイクロセル無線アクセスポイントに割り当てられる。マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの下りリンク業務量の変化状況に応じて、それぞれが占める下りリンクタイムスロットの数を動的に調整することができる。例えば、マクロセル無線アクセスポイントの下りリンク業務量が大きい場合は、下りリンク信号の送信のために、タイムスロットTS8〜TS17をマクロセル無線アクセスポイントに、タイムスロットTS18〜TS19をマイクロセル無線アクセスポイントに割り当てる。
【0051】
本発明の実施例では、TDDシステムにおいて、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステム間の保護周波数帯域を共用する場合には、同一の無線フレーム構造に、マクロセル無線アクセスポイントとマイクロセルの共用する下りリンクタイムスロットが割り当てられ、且つマクロセル無線アクセスポイントとマイクロセル無線アクセスポイントの下りリンク業務の変化状況に応じて、それぞれが占める下りリンクタイムスロットの数を動的に調整することによって、スペクトル資源をもっと有効に利用し、スペクトルの利用率を向上させ、ネットワークの性能を改善する。
【0052】
本発明の実施例では、マクロセル無線アクセスポイントが保護周波数帯域で下りリンク信号をユーザ端末へ送信することはシングルキャリアによって行っても良いし、マルチキャリアによって行っても良い。例えば、マクロセル無線アクセスポイントは第2のサブ周波数帯域203b又は第1のサブ周波数帯域203aで1つのキャリアによって下りリンク信号をユーザ端末へ送信し、或いは、マクロセル無線アクセスポイントは第1のサブ周波数帯域203a及び第2のサブ周波数帯域203bで1つのキャリアによって下りリンク信号をユーザ端末へ送信し、マクロセル無線アクセスポイントはそれぞれ第2のサブ周波数帯域203b及び第1のサブ周波数帯域203aで1つのキャリアによって下りリンク信号をユーザ端末へ送信する。同様に、マクロセル無線アクセスポイントはさらに、ユーザ端末からの上りリンク信号をシングルキャリア又はマルチキャリアによって受信することができる。例えば、マクロセル無線アクセスポイントはユーザ端末が第2のサブ周波数帯域203b又は第1のサブ周波数帯域203aで1つのキャリアによって送信した上りリンク信号を受信し、或いは、マクロセル無線アクセスポイントはユーザ端末が第1のサブ周波数帯域203a及び第2のサブ周波数帯域203bで1つのキャリアによって送信した上りリンク信号を受信し、マクロセル無線アクセスポイントはユーザ端末が第2のサブ周波数帯域203b及び第1のサブ周波数帯域203aそれぞれで1つのキャリアによって送信した上りリンク信号を受信する。
【0053】
本発明によれば、TDDシステムにおいて、上り・下りリンク非対称キャリアアグリゲーションをTDDシステムとFDDシステムの間の保護周波数帯域とTDDシステム周波数帯域に取り入れることによって、TDDシステムにおけるTDDシステムとFDDシステム間の保護周波数帯域の使用融通性を向上させる。また、マイクロセル無線アクセスポイントについて、上り・下りリンク非対称キャリアアグリゲーションをTDDシステムとFDDシステムの間に位置する保護帯域に取り入れることによって、マイクロセル無線アクセスポイントの保護帯域での双方向通信を実現するとともに、保護帯域で双方向通信を行うTDDユーザ端末と、隣接する周波数帯域でのFDD端末との間の送受信の相互干渉を抑制する。さらに、マイクロセル無線アクセスポイントと(TDDシステムにおけるアクセスポイントである)マクロセル無線アクセスポイントのスペクトル使用上の融通性のある配置によって、保護周波数帯域の使用融通性と有効性を向上させる。
【0054】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の様々な変更や変形が可能である。本発明の精神や原則を逸脱しないいずれの変更、置換、改良なども本発明の保護範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割複信TDDシステム、または、時分割複信TDDシステムと周波数分割複信FDDシステムで構成される協力システムに用いられるキャリアアグリゲーション方法であって、
第1の時間帯において、無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、及び/又は、
第2の時間帯において、前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された上りリンク信号を受信すること、を含むことを特徴とするキャリアアグリゲーション方法。
【請求項2】
前記第1の保護周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置するのは、TDDシステムの許可周波数帯域の内の隣接する又は隣接しない周波数帯域であり、及び/又は、
前記第2の保護周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置するのは、TDDシステムの許可周波数帯域の内の隣接する又は隣接しない周波数帯域であることを特徴とする請求項1に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項3】
前記第1の保護周波数帯域は、前記FDDシステムの下りリンク周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置し、
前記第2の保護周波数帯域は、前記FDDシステムの上りリンク周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置することを特徴とする請求項1に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項4】
前記第1の保護周波数帯域の前記FDDシステムの下りリンク周波数帯域に近づく側には、さらに第1の分離帯域が置かれ、
前記第2の保護周波数帯域の前記FDDシステムの上りリンク周波数帯域に近づく側には、さらに第2の分離帯域が置かれることを特徴とする請求項3に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項5】
前記無線アクセスポイントはマイクロセル無線アクセスポイントであり、
前記第1の保護周波数帯域は、一方向通信のための第1のサブ周波数帯域、及び双方向通信のための第2のサブ周波数帯域を含み、
前記無線アクセスポイントが下りリンク信号を前記ユーザ端末へ送信することは、前記無線アクセスポイントが前記第1の一方的保護周波数帯域の第1のサブ周波数帯域及び/又は第2のサブ周波数帯域と、前記双方向の通信周波数帯域とによって下りリンク信号を前記ユーザ端末へ送信することを含むことを特徴とする請求項1に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項6】
前記無線アクセスポイントが下りリンク信号を前記ユーザ端末へ送信した後、さらに、
第2の時間帯において、前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末から第1の保護周波数帯域の第2のサブ周波数帯域又は/及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された第2の上りリンク信号を受信することを含むことを特徴とする請求項5に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項7】
前記第2のサブ周波数帯域は前記第1のサブ周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置することを特徴とする請求項5又は6に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項8】
前記無線アクセスポイントはマイクロセル無線アクセスポイントであり、
前記第2の保護帯域は一方向通信のための第3のサブ周波数帯域、及び双方向通信のための第4のサブ周波数帯域を含み、
前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からの上りリンク信号を受信することは、前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末から前記第2の一方的保護周波数帯域の第3のサブ周波数帯域及び/又は第4のサブ周波数帯域と、前記双方向の通信周波数帯域とによって前記マイクロセル無線アクセスポイントへ送信されてきた上りリンク信号を受信することを含むことを特徴とする請求項1に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項9】
前記無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からの上りリンク信号を受信する前、さらに、
第1の時間帯において、前記無線アクセスポイントが第2の保護周波数帯域の第4のサブ周波数帯域又は/及び前記双方向の通信周波数帯域によって第2の下りリンク信号をユーザ端末へ送信することを含むことを特徴とする請求項8に記載のキャリアアグリゲーション方法。
【請求項10】
前記第4のサブ周波数帯域は前記第3のサブ周波数帯域と前記双方向の通信周波数帯域との間に位置することを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
時分割複信TDDシステムにおけるマイクロセル無線アクセスポイントとマクロセル無線アクセスポイントの間に一方的保護帯域を共用する動的なスペクトル割り当てに用いられる方法であって、
第1の時間帯において、前記マクロセル無線アクセスポイントがTDDシステムと周波数分割複信FDDシステムとの間の第1の保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって第1の下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、
第2の時間帯において、前記マイクロセル無線アクセスポイントがTDDシステムとFDDシステムとの間の第1の保護周波数帯域、及びTDDシステムの双方向の通信周波数帯域によって第2の下りリンク信号をユーザ端末へ送信すること、又は、
第3の時間帯において、前記マクロセル無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された第1の上りリンク信号を受信すること、
第4の時間帯において、前記マイクロセル無線アクセスポイントが前記ユーザ端末からTDDシステムとFDDシステムとの間の第2の保護周波数帯域、及び前記双方向の通信周波数帯域によって送信された第2の上りリンク信号を受信すること、
前記マクロセル無線アクセスポイントと前記マイクロセル無線アクセスポイントそれぞれの下りリンク業務量に応じて、各自の時間帯を構成する下りリンクタイムスロットの数及び各自の時間帯を構成する上りリンクタイムスロットの数を調整すること、を含み、
前記第1の時間帯と第2の時間帯はそれぞれ同一の無線フレーム中の異なる下りリンクタイムスロットで構成されるものであり、
前記第3の時間帯と第4の時間帯はそれぞれ前記無線フレームの異なる上りリンクタイムスロットで構成されるものであることを特徴とする動的なスペクトル割り当ての実現方法。
【請求項12】
前記第1の保護周波数帯域は一方向の下りリンク通信のための第1のサブ周波数帯域と、双方向通信のための第2のサブ周波数帯域とを含み、
第1の時間帯において、前記マクロセル無線アクセスポイントは第1の保護周波数帯域を利用してユーザ端末に第1の下りリンク信号を送信することは、
前記マクロセル無線アクセスポイントは前記第2のサブ周波数帯域或いは/及び第1のサブ周波数帯域で一つの下りキャリアを用いて前記ユーザ端末に第1の下りリンク信号を送信し、或いは、
前記マクロセル無線アクセスポイントは、一つの下りキャリアが前記第2のサブ周波数帯域で送信され、もう一つの下りキャリアが前記第1のサブ周波数帯域で送信される二つの下りキャリアを用いて前記ユーザ端末に第1の下りリンク信号を送信することを含む請求項11に記載の動的なスペクトル割り当ての実現方法。
【請求項13】
前記第2の下りリンク信号は、前記マクロセル無線アクセスポイントのセルブロードキャスト信号、マルチメディアブロードキャスト信号、セル同期信号、及び業務データの1種或いは複数種である請求項11又は12に記載の動的なスペクトル割り当ての実現方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−516802(P2013−516802A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546320(P2012−546320)
【出願日】平成22年6月12日(2010.6.12)
【国際出願番号】PCT/CN2010/073889
【国際公開番号】WO2011/079579
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(511279782)ゼッド ティー イー コーポレーション (6)
【氏名又は名称原語表記】ZTE Corporation
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza, Keji Road South, Hi−Tech Industrial Park, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong Province 518057, P.R.China
【Fターム(参考)】