説明

キャリーバッグ用ハンドルカバー

【課題】
高さを調整することができるハンドルを有するキャリーバッグに広く使用することができ、キャリーバッグとは別体の手提げ鞄を安定的に支持し、キャリーバッグと手提げ鞄を一体として安定して持ち運ぶことを可能とするキャリーバッグ用ハンドルカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】
荷物を収容して持ち運ぶことができるキャリーバッグに付設されたハンドルに着脱自在なハンドルカバーであって、前面部と、前記前面部と対向する背面部と、前記前面部と前記背面部とに連設された側面部とを有するカバー本体と、前記カバー本体の前面部及び背面部に設けられ、又は前面部及び背面部に介設され、互いに係合する係合部と、を具備することを特徴とするキャリーバッグ用ハンドルカバーにより解決することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を収容して持ち運ぶことができるキャリーバッグに付設されたハンドルに着脱自在なハンドルカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、旅行者やビジネスマンなどは、衣類、靴、洗面用具、衛生用品、電子機器、紙資料等の嵩が高い、又は、重い荷物を持ち運ぶために、キャスターを底面に備えるキャリーバッグを使用する頻度が高い。そして、これらキャリーバッグとして、伸縮自在な支柱により高さを調整することができるハンドルを有するものが好まれて使用される。
【0003】
一方、これら旅行者やビジネスマンなどは、現金、クレジットカード、パスポート、運転免許証、トラベラーズチェック、重要書類など紛失すると多大な損失を被る貴重品などを、安全上キャリーバッグとは異なる手提げ鞄に収容して持ち運ぶことが多い。そして、キャリーバッグと手提げ鞄とを使い分けると、使用者が移動するとき、キャリーバッグと手提げ鞄とを持ち運ぶこととなるため、より楽に運ぼうとキャリーバッグの上面に手提げ鞄を載置等して持ち運ぶことが試みられている。
【0004】
ところが、キャリーバッグの高さを調整することができるハンドルと、手提げ鞄の取手とを共に持とうとすると、手提げ鞄の取手が思いのほか短いと指に手提げ鞄の荷重が全て掛かり手に痺れを感じ、又は、手提げ鞄の取手が長いとキャリーバッグの上面に手提げ鞄を載置できるものの手提げ鞄の取手が長いためキャリーバッグが段差を乗り越えたり左右に揺れると手提げ鞄がずり落ちるなどして、その都度手提げ鞄を再度キャリーバッグの上面に載置し直す等の必要があり、使用者にしてみるとストレスに感じることが多かった。
【0005】
このため、キャリーバッグと手提げ鞄とを持ち運ぶときの不便さを解消する試みがなされている。例えば、特許文献1には、キャリーバッグのハンドルにソケットを設け、ソケットに着脱自在に係合するプラグと、プラグに接続された可撓性部材と、可撓性部材の下端に設けられ他の荷物鞄と係合支持自在なフックとを具備する取付器具についての発明が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、衣服などの物品が維持されうる内部空間を形成する本体部を有しており、本体部は、それが支持面に沿って転がされうるローラ手段と、かばんを把持してそれを支持面に沿って移動させるハンドル・ユニットを具備したかばんにおいて、ハンドル・ユニットの一部を形成する細長いストラップ手段を具備し、ストラップ手段はハンドル・ユニットにおける収納位置から引き出し位置に移動可能となされており、引き出し位置において、ストラップ手段はかばんに補助かばんを着脱可能に取り付けるようになされているかばんについての発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−57137
【特許文献2】特許第2717684号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の取付器具では、高さを調整することができるハンドルを有するキャリーバッグであればどのようなキャリーバッグでも使用することができるわけではなく、ハンドルにソケットを有しているキャリーバッグにしか使用することができないという問題があった。また、段差のある地面をキャリーバッグが乗り上げたときに、荷物鞄が反動による衝撃でフックから外れる可能性もあった。
【0009】
また、特許文献2に記載のかばんのストラップ手段は、ハンドル・ユニットの一部として形成されているため、どのようなキャリーバッグでも使用することができるものではなく、汎用性に乏しいという問題があった。
【0010】
そこで、本発明では、高さを調整することができるハンドルを有するキャリーバッグに広く使用することができ、キャリーバッグとは別体の手提げ鞄を安定的に支持し、キャリーバッグと手提げ鞄を一体として安定して持ち運ぶことを可能とするキャリーバッグ用ハンドルカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明に係るキャリーバッグ用ハンドルカバーは、荷物を収容して持ち運ぶことができるキャリーバッグに付設されたハンドルに着脱自在なハンドルカバーであって、前面部と、前記前面部と対向する背面部と、前記前面部と前記背面部とに連設された側面部とを有するカバー本体と、前記カバー本体の前面部及び背面部に設けられ、又は前面部及び背面部に介設され、互いに係合する係合部と、を具備することを特徴とするキャリーバッグ用ハンドルカバーである。
【0012】
そして、前記カバー本体の前面部及び背面部の一端に設けられた連結部と、前記連結部の少なくとも一方に設けられ、前記連結部を一体とすることができる留具と、を具備する上記のキャリーバッグ用ハンドルカバーである。
【0013】
そして、前記カバー本体の前面部及び背面部に手の指を通すことができる大きさの挿通孔を具備する上記のキャリーバッグ用ハンドルカバーである。
【0014】
そして、前記カバー本体の前面部と、背面部と、側面部に連設された上面部が、前記ハンドルに設けられたハンドルボタンを露出することができるように穿孔された露出孔を具備する上記のキャリーバッグ用ハンドルカバーである。
【0015】
そして、前記係合部がスナップボタンであり、前記留具が樹脂製バックルである上記のキャリーバッグ用ハンドルカバーである。
【0016】
このように構成すれば、キャリーバッグの高さを調整することができるハンドルの側周を覆うように被せることができ、カバー本体に設けられた係合部、又は、カバー本体の一端に設けられた連結部等により手提げ鞄の取手を外れることなく支持することができるので、ハンドルを有するキャリーバッグに広く使用することができ、キャリーバッグとは別体の手提げ鞄を安定的に支持し、キャリーバッグと手提げ鞄を一体に安定して持ち運ぶことを可能とするキャリーバッグ用ハンドルカバーを得られる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように本発明によれば、高さを調整することができるハンドルを有するキャリーバッグに広く使用することができ、キャリーバッグとは別体の手提げ鞄を安定的に支持し、キャリーバッグと手提げ鞄を一体として安定して持ち運ぶことを可能とするキャリーバッグ用ハンドルカバーを得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1の形態に係る留具が非係止状態のハンドルカバーを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の形態に係る留具が係止状態のハンドルカバーを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例1の形態に係るハンドルカバーの使用状態図である。
【図4】本発明の実施例2の形態に係るハンドルカバーの使用状態図である。
【図5】本発明の実施例3の形態に係るハンドルカバーの使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るキャリーバッグ用ハンドルカバーに関する各実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1に示すように、本発明に係る第1のキャリーバッグ用ハンドルカバーは、前面部(11)と、前面部(11)と対向する背面部(12)と、前面部(11)と背面部(12)とに連設された側面部(13)とを有するカバー本体(1)と、前面部(11)及び背面部(12)に設けられ、互いに係合する係合部(2)と、前面部(11)及び背面部(12)の一端に設けられた連結部(3)と、連結部(3)にそれぞれ設けられ、互いに離れないようにすることができる留具(4)と、前面部(11)及び背面部(12)に使用者の手の指を通すことができる大きさの挿通孔(5)と、前面部(11)と背面部(12)と側面部(13)に連設された上面部(14)がキャリーバッグ(7)に付設されたハンドル(71)に設けられたハンドルボタン(72)を露出することができるように穿孔された露出孔(6)を具備する。
【0021】
カバー本体(1)の前面部(11)及び背面部(12)は、対向するように位置し、ほぼ同形状である。すなわち、キャリーバッグ(7)のハンドル(71)の長手方向の側面を覆うことができるように幅広の上端を有し、上端付近の横幅方向の両端部より下方かつ中心に向かって、上端と平行で上端より幅が狭い下端に斜めに延びている。このように、前面部(11)及び背面部(12)は、野球で使用されるホームベースの鋭角部分を水平にカットしたような六角形の形状を有している。そして、ハンドル(71)の短手方向の側面を覆うことができるように、側面部(13)が、前面部(11)及び背面部(12)の両端部に連設され、ハンドル(71)の上面を覆うことができるように、上面部(14)が、前面部(11)及び背面部(12)に連設されている。
【0022】
そして、前面部(11)及び背面部(12)の中央付近に、使用者の手の人差し指、中指、薬指、小指が充分に入れられる大きさの長方形の挿通孔(5)が開けられており、上面部(14)の中央付近に、キャリーバッグ(7)に設けられた支柱(73)を伸縮するときに使用されるハンドルボタン(72)を露出させられるように長方形の露出孔(6)が開けられている。なお、カバー本体(1)の素材としては、柔らかい布生地であるが、手に馴染み持ち易い素材であれば、樹脂素材など種々使用することができる。
【0023】
そして、前面部(11)及び背面部(12)には、それぞれその下端付近に互いに係合することができる係合部(2)であるスナップボタンが取り付けられており、前面部(11)及び背面部(12)を離れないようにすることができる。この係合部(2)は、本来的には、カバー本体(1)をハンドル(71)から外れないように前面部(11)と背面部(12)を固定するために使用されるものである。さらに、このような使用に加え、例えば、手提げ鞄(8)の取手(81)をカバー本体(1)の前面部(11)と背面部(12)に挟み、係合部(2)であるスナップボタンを係合し、手提げ鞄(8)の取手(81)を係合部(2)で支持する使用も可能である。
【0024】
そして、カバー本体(1)の前面部(11)及び背面部(12)の下端に、それぞれ連結部(3)である合成繊維で作成された帯状のベルトが設けられている。後述する留部(4)が係合された後に、この連結部(3)により手提げ鞄(8)の取手(81)が支持されることができ、キャリーバッグ(7)とともに手提げ鞄(8)を持ち運ぶことができる。なお、連結部(3)として、一定幅を有する帯状の部材だけでなく、細長い紐状の部材も使用することができる。また、連結部(3)は、カバー本体(1)に縫合され、別体となっているが、カバー本体(1)の下端から延設されたカバー本体(1)の一部として設けられていてもよい。
【0025】
そして、それぞれの連結部(3)には、留具(4)である樹脂製バックルが、少なくとも一方が連結部(3)の長さ調整可能に取り付けられている。具体的には、一方の連結部(3)には、留具雌部(41)が設けられ、他方の連結部(3)には、留具雄部(42)が連結部(3)の長さ調整可能に設けられ、留具雌部(41)に留具雄部(42)を挿入して互いに係合し、留具(4)として使用することができる。なお、留具(4)として、連結部(3)とは別体である樹脂製バックルだけでなく、連結部(3)の一方だけに別体として設けられた金属製バックル、ぞれぞれの連結部(3)に一体として設けられたマジックテープ(登録商標)、ぞれぞれの連結部(3)に一体として設けられたスナップボタン、一方の連結部(3)に別体のボタンを設け他の連結部(3)にボタンを通して留めることができる孔を有するボタン機構などを使用することができ、それぞれの連結部(3)を繋ぎ一体とすることができれば、換言すると、本発明のハンドルカバーを垂直断面視で閉じた環を形成することができれば特に限定されることはない。このように構成することにより、段差に乗り上げる等による大きな振動で、キャリーバッグ(7)が揺れたとしても手提げ鞄(8)の取手(81)が、本発明のハンドルカバーから外れることはない。
【0026】
図1又は図2に示すように、前述したように留具(4)を、自在に付けたり外したりすることができる。図2の留具(4)を外している状態で、手提げ鞄(8)の取手(81)をカバー本体(1)の前面部(11)と背面部(12)の間に通し、留具(4)を付けることにより連結部(3)で手提げ鞄(8)の取手(81)は持されるため抜け落ちることはない。
【0027】
実際に使用した状態を図3に示している。図3に示すように、連結部(3)で手提げ鞄(8)の取手(81)が支持され抜け落ちることはない機能を有しているとともに、カバー本体(1)に側面部(13)を有し、ハンドル(71)の側周を覆っているので、キャリーバッグ(7)が左右に揺れても、ハンドルカバーがハンドル(71)から外れることもない。
【実施例2】
【0028】
図4に示すように、本発明に係る第2のキャリーバッグ用ハンドルカバーは、前面部(11)と、前面部(11)と対向する背面部(12)と、前面部(11)と背面部(12)とに連設された側面部(13)とを有するカバー本体(1)と、前面部(11)及び背面部(12)に設けられ、互いに係合する係合部(2)と、前面部(11)及び背面部(12)に使用者の手の指を通すことができる大きさの挿通孔(5)と、前面部(11)と背面部(12)と側面部(13)に連設された上面部(14)がキャリーバッグ(7)に付設されたハンドル(71)に設けられたハンドルボタン(72)を露出することができるように穿孔された露出孔(6)を具備する。
【0029】
カバー本体(1)の前面部(11)及び背面部(12)は、実施例1と同様に、対向するように位置し、ほぼ同形状である。すなわち、キャリーバッグ(7)のハンドル(71)の長手方向の側面を覆うことができるように幅広の上端を有し、上端付近の横幅方向の両端部より下方かつ中心に向かって、上端と平行で上端より幅が狭い下端に斜めに延びている。このように、前面部(11)及び背面部(12)は、野球で使用されるホームベースの鋭角部分を水平にカットしたような六角形の形状を有している。そして、ハンドル(71)の短手方向の側面を覆うことができるように、側面部(13)が、前面部(11)及び背面部(12)の両端部に連設され、ハンドル(71)の上面を覆うことができるように、上面部(14)が、前面部(11)及び背面部(12)に連設されている。
【0030】
そして、前面部(11)及び背面部(12)の中央付近に、使用者の手の人差し指、中指、薬指、小指が充分に入れられる大きさの長方形の挿通孔(5)が開けられており、上面部(14)の中央付近に、キャリーバッグ(7)に設けられた支柱(73)を伸縮するときに使用されるハンドルボタン(72)を露出させられるように長方形の露出孔(6)が開けられている。なお、カバー本体(1)の素材としては、柔らかい布生地であるが、手に馴染み持ち易い素材であれば、樹脂素材など種々使用することができる。
【0031】
そして、前面部(11)及び背面部(12)には、それぞれその下端付近に互いに係合することができる係合部(2)であるスナップボタンが取り付けられており、前面部(11)及び背面部(12)を離れないようにすることができる。この係合部(2)は、カバー本体(1)をハンドル(71)から外れないように前面部(11)と背面部(12)を固定する機能と、手提げ鞄(8)の取手(81)をカバー本体(1)の前面部(11)と背面部(12)に挟み、係合部(2)であるスナップボタンを係合し、手提げ鞄(8)の取手(81)を係合部(2)で支持する機能を有している。なお、係合部(2)としては、カバー本体(1)の前面部(11)と背面部(12)とを繋げるように固定できればよく、スナップボタンに限られず、前面部(11)と背面部(12)とに設けられたマジックテープ(登録商標)、前面部(11)と背面部(12)とに設けられた樹脂製バックルなどを使用することができる。
【0032】
このように、係合部(2)で手提げ鞄(8)の取手(81)が支持され抜け落ちることはない機能を有しているとともに、カバー本体(1)に側面部(13)を有し、ハンドル(71)の側周を覆っているので、キャリーバッグ(7)が左右に揺れても、ハンドルカバーがハンドル(71)から外れることもない。
【実施例3】
【0033】
図5に示すように、本発明に係る第3のキャリーバッグ用ハンドルカバーは、前面部(11)と、前面部(11)と対向する背面部(12)と、前面部(11)と背面部(12)とに連設された側面部(13)とを有するカバー本体(1)と、前面部(11)及び背面部(12)に介設され、互いに係合する係合部(2)と、前面部(11)及び背面部(12)の一端に設けられた連結部(3)と、連結部(3)に設けられた留具(4)を具備する。
【0034】
カバー本体(1)の前面部(11)及び背面部(12)は、対向するように位置し、ほぼ同形状である。すなわち、キャリーバッグ(7)のハンドル(71)の長手方向の側面の左右両端部を覆うことができるようにそれぞれ幅広の矩形を有している。そして、左右それぞれの前面部(11)及び背面部(12)の下端より下方かつ中心に向かって延びるように帯状である第1の連結部(3a)が4本設けられ、前面部(11)から延びた2本の第1の連結部(3a)は、下方に上底を有する台形状の第2の連結部(3b)に接続されている。背面部(12)から延びた2本の第1の連結部(3a)も、同様に下方に上底を有する台形状の第2の連結部(3c)に接続されている。そして、この第2の連結部(3b、3c)の中央部付近に係合部(2)であるスナップボタンが設けられている。そして、さらに第2の連結部(3b)から、帯状である第3の連結部(3d)を介して留具雌部(41)が、第2の連結部(3c)から、帯状である第3の連結部(3e)を介して留具雄部(42)が設けられている。このように、係合部(2)は、カバー本体(1)の前面部(11)と背面部(12)から連結部(3)を介在して設けられている。そして、ハンドル(71)の短手方向の側面を覆うことができるように、側面部(13)が、前面部(11)及び背面部(12)の両端部に連設され、ハンドル(71)の上面を覆うことができるように、上面部(14)が、前面部(11)及び背面部(12)に連設されている。
【0035】
そして、前面部(11)及び背面部(12)の間には、それぞれを連接する伸縮自在の素材からなるベルトが設けられており、種々サイズのハンドル(71)に対してもカバーとして使用することができる。また、この前面部(11)及びベルト、又は、背面部(12)及びベルトと、連結部(3)とは、内部に孔を形成するように三角形状を有するために、使用者の手の人差し指、中指、薬指、小指が充分に入れることができる。また、上面部(14)も分離しているために、その中央付近に、ハンドルボタン(72)を露出させられるような十分な孔を有している。
【0036】
そして、カバー本体(1)の前面部(11)及び背面部(12)の下端に設けられた連結部(3)は、上述したように帯状の第1の連結部(3a)、下方に上底を有する台形状の第2の連結部(3b、3c)、帯状の第3の連結部(3d、3e)で構成されている。なお、本実施例では、連結部(3)を第1の連結部(3a)、第2の連結部(3b、3c)、第3の連結部(3d、3e)とそれぞれ別体として設けられているが、カバー本体(1)の前面部(11)又は背面部(12)から一体のものとして形成されていてもよい。また、これらの素材としては合成繊維や皮革などの柔軟性を有するものが好ましい。
【0037】
そして、それぞれの第3の連結部(3d、3e)には、留具(4)である樹脂製バックルが、第3の連結部(3e)の長さ調整可能に取り付けられている。具体的には、一方の第3の連結部(3d)には、留具雌部(41)が設けられ、他方の第3の連結部(3e)には、留具雄部(42)が第3の連結部(3e)の長さ調整可能に設けられ、留具雌部(41)に留具雄部(42)を挿入して互いに係合し、留具(4)として使用することができる。
【0038】
このように、第3の連結部(3e)で手提げ鞄(8)の取手(81)が支持され抜け落ちることはない機能を有しているとともに、カバー本体(1)に側面部(13)を有し、ハンドル(71)の側周を覆っているので、キャリーバッグ(7)が左右に揺れても、ハンドルカバーがハンドル(71)から外れることもない。
【符号の説明】
【0039】
1・・・カバー本体
11・・前面部
12・・背面部
13・・側面部
14・・上面部
2・・・係合部
3・・・連結部
4・・・留具
41・・留具雌部
42・・留具雄部
5・・・挿通孔
6・・・露出孔
7・・・キャリーバッグ
71・・ハンドル
72・・ハンドルボタン
73・・支柱
8・・・手提げ鞄
81・・取手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容して持ち運ぶことができるキャリーバッグに付設されたハンドルに着脱自在なハンドルカバーであって、
前面部と、前記前面部と対向する背面部と、前記前面部と前記背面部とに連設された側面部とを有するカバー本体と、
前記カバー本体の前面部及び背面部に設けられ、又は前面部及び背面部に介設され、互いに係合する係合部と、
を具備することを特徴とするキャリーバッグ用ハンドルカバー。
【請求項2】
前記カバー本体の前面部及び背面部の一端に設けられた連結部と、
前記連結部の少なくとも一方に設けられ、前記連結部を一体とすることができる留具と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のキャリーバッグ用ハンドルカバー。
【請求項3】
前記カバー本体の前面部及び背面部に手の指を通すことができる大きさの挿通孔を具備することを特徴する請求項1又は請求項2に記載のキャリーバッグ用ハンドルカバー。
【請求項4】
前記カバー本体の前面部と、背面部と、側面部に連設された上面部が、前記ハンドルに設けられたハンドルボタンを露出することができるように穿孔された露出孔を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のキャリーバッグ用ハンドルカバー。
【請求項5】
前記係合部がスナップボタンであり、前記留具が樹脂製バックルであることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のキャリーバッグ用ハンドルカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−94620(P2013−94620A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243279(P2011−243279)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000102304)エース株式会社 (2)
【Fターム(参考)】