説明

キャンプ場用調理装置

【課題】 いかなる設置場所にも簡単に設置できるうえに主要部分を取り外すことができる電力や温水等の供給も可能なキャンプ場用調理装置を提供する。
【解決手段】 4本の支柱2を多数の主桁2aと対向する副桁2dにより連結した角枠状のフレーム1と、その上端に嵌合されて支柱2の上端にフランジ部をもって支持される調理台器具7と、調理台器具7の裏面の対向位置に設けた係止片8に上端が連結可能で下端は副桁2dに挿通可能なねじ部5とされた器具固定杆3と、前記ねじ部5に螺合されるナット6とよりなり、フレーム1の上端に嵌合支持させた調理台器具7を係止片8に上端が連結され下端のねじ部5は副桁2dに挿通したうえナット6により締付けた器具固定杆3により下方に牽引された状態としてフレーム1に連結固定する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてキャンプ場やオートキャンプ場等に設置されるキャンプ場用調理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キャンプ場やオートキャンプ場等に設置されるキャンプ場用調理装置の多くは、水のみが無料で提供される単なる流し台であるため、キャンパーは携帯用のガスこんろを持参したり、雑木を拾い集めて加熱調理に用いるのを普通としていた。ところが、キャンプ人口の増加に伴い、使用済みのガスボンベが廃棄されて大量の塵を生じさせたり、薪を得るために木の枝が折られたりするという問題があった。このため、電力や温水等を供給できる調理装置の設置も考慮されてきたが、キャンプシーズンが短いために恒久的な装置とすることは、装置自体の損傷が激しくて経済的に無駄であり、また、簡単に取り外すことができるようにすると盗難のおそれがあり、殆ど普及されていない現状にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとするところは前記のような問題を解決して、設置場所に応じて簡単に設置できるうえにキャンプシーズンが過ぎた時には主要部分を取り外すことができ、しかも、電力や温水等を供給できるようにすることもできるキャンプ場用調理装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決しようとする本発明に係るキャンプ場用調理装置は、少なくとも4本の支柱を多数の主桁により連結するとともに対向する側面間にそれぞれ副桁を配置してその周囲をパネルで囲装した角枠状のフレームと、このフレームの上端に嵌合されて前記支柱の上端にフランジ部をもって支持される調理台器具と、調理台器具の裏面の対向位置に設けられた係止片に上端が連結自在とされるとともに下端は前記副桁に挿通可能なねじ部に形成されている器具固定杆と、前記ねじ部に螺合されるナットとよりなり、記フレームはキャンプ場の所定位置に設置してアンカーなどにより固定して電力や温水等の熱源を引込んでおき、このフレームの上端に調理台器具を嵌合支持さて、その裏面の係止片に上端が連結されるとともに前記副桁に下端のねじ部を挿通してナットにより締付けた器具固定杆により下方に牽引された状態として固定のフレームに対して調理台器具を安定且つ取外自在に連結固定したことを特徴とするものである。そしてこのような発明において、フレームには調理台器具の電力や温水等の熱源の使用の制御を行うオンオフ機構とこれに連動する使用料金徴収機構とを組み込みできるようにしたものを請求項2に係る発明とする。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。1はアルミニウムよりなる角枠状のフレームであり、該フレーム1は四隅に断面L型の型材よりなる支柱2を立設させるとともに、該支柱2を主桁2aにより連結したものであり、支柱2の上端は主桁2aより上部に延出された長さ調節自在に切断できる突出部2bとされ、該突出部2bの上端面を器具受2cとしている。3はフレーム1の両側に設けられる牽引自在な器具固定杆であって、この器具固定杆3は、フレーム1の両側下部に張設される断面L型の副桁2dに透設された小孔4に下端のねじ部5を挿通させて一対の副桁2dの下面からナット6をねじ部5に螺締することによりフレーム1に後記する調理台器具7を牽引した状態で連結するためのものである。
【0006】調理台器具7は、湯水混合栓などの水洗付の流し台や、電気を熱源とする加熱調理器台等であって、フレーム1の上端に嵌合されて前記支柱2の上端に支持するためのフランジ部を有しており、このフランジ部が支柱2の突出部2bの器具受2cに支持されるようにフレーム1の上端に嵌合されており、この調理台器具7の両側裏面には小孔8aを透設した係止片8が垂設されている。この係止片8は前記小孔8aを前記器具固定杆3の先端の小孔3aに対応させてこれに止ねじ9を挿通することにより器具固定杆3の上端を連結し、この器具固定杆3の下端のねじ部5を副桁2dに透設された小孔4に挿通させたうえこれに螺合したナット6のねじ込みにより器具固定杆3が下方に牽引されるようにして調理台器具7がフレーム1に連結固定される。10はフレーム1の前面に装着される扉であり、該扉10にはコイン投入口11が形成されている。12はフレーム1の中間部に装着される調理台器具7のオンオフ機構であり、該オンオフ機構12は調理台器具7により使用される電気や温水等をオンオフ制御するものである。13はコイン投入口11に続いて扉10の内面に設けられる料金徴収機構であり、該料金徴収機構13はオンオフ機構12と連動し、コイン投入口11から投入された金額に応じた量の電気あるいは温水を使用することができるようになっており、金額に応じた使用限度に達するとオンオフ機構12が作動して電気や温水をカットするようになっている。14は扉10に取り付けられる扉開閉用の鍵、15はフレーム1を囲装している化粧パネルなどのパネルである。また、図4は調理台器具7を流し台とした他の実施の形態を示すもので、この図において16は蛇口、17は温水用と水用のハンドルを示す。
【0007】このように構成されたものは、先ず、フレーム1をキャンプ場の所定位置に設置し、アンカーなどにより固定し、続いて、フレーム1の上端より流し台や加熱調理器等の調理台器具7を嵌合してそのフランジ部を支柱2の器具受2cに支持させる。このとき、設置場所の条件や調理台器具7のサイズに応じて支柱2の突出部2bを適宜切断して器具固定杆3と係止片8とが連絡できる位置に調理台器具7を位置決めする。そして、支柱2の器具受2c上の調理台器具7の裏面に設けられている係止片8の小孔8aに器具固定杆3の上端の小孔3aを対応させて両孔に止ねじ9を挿通して器具固定杆3の上端を調理台器具7に連結し、次に、この器具固定杆3の下端のねじ部5を断面L型の副桁2dに透設された小孔4に挿通したうえ副桁2dの下側からねじ部5にナット6を螺合させ、このナット6を締付てゆけば、器具固定杆3は下方に引っ張られるので調理台器具7は下方に牽引され、締付終了時には支柱12の器具受2cに支持されている調理台器具7はフレーム1に連結固定されることとなる。そして、フレーム1に調理台器具7のオンオフ機構12を組み込み、さらに、その前面に、オンオフ機構12と連動する料金徴収機構13に接続されたコイン投入口11が形成されている扉10とパネル15とを装着する。
【0008】このようにして構築されたキャンプ場用調理装置を用いて調理を行う際には、コイン投入口11にコインを投入すれば、その投入金額に応じてオンオフ機構12は電気や温水を供給可能状態とするので、電気や温水がカットされるまで調理を行うことができ、一定量の電気や温水が供給された後において不足が生じたときには料金の再投入により使用制限を延長すればよい。なお、図示する実施の形態では、流し台や加熱調理器を単体で設置するものとしているが、両者を一体に並設したり、並設した両者間に調理台空間を設けたものとしても良いことは勿論である。さらに、図示する実施の形態では、料金徴収機構13に現金を投入しているが、各種カード類などにより支払を行うようにしても良いことは勿論である。また、図示する実施の形態では、電気を供給するものとして山火事等の事故の発生を防止するようにしているが、安全性さえ確保できればガスの供給を行っても良いことは勿論である。
【0009】
【発明の効果】本発明は前記説明によって明らかなように、いかなる設置場所にでもフレームを簡単に設置することができるうえに、キャンプシーズンが過ぎた時には主要部分となる調理台器具を取り外すことができるので、野晒しに放置しておくと損傷が激しい電力や温水等の熱源を伴う調理台器具を必要な期間のみ取付けたものとすることが可能であり、また、上端の調理台器具はフレームの上端に嵌合されたうえ裏面の係止片に上端が連結さるとともに副桁に下端のねじ部を挿通してナットにより締付けた器具固定杆により下方に牽引された状態でフレームに連結固定してあるので常設タイプと変わらない安定性を有したものとなる。さらに、フレームをパネルにより囲装することにより、調理台器具の盗難を防止できるうえに風雨から内部を守ることができる。さらに、フレームに調理台器具のオンオフ機構を組み込み、料金徴収機構と連動させることにより、使用量に応じて料金を人手を要することなく徴収することができ、ランニングコストを低減できる。 従って、本発明は従来の問題点を解決したキャンプ場用調理装置として業界の発展に寄与するところ大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態を示す要部の断面図である。
【図4】調理台器具を異ならせた本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 支柱
2a 主桁
2d 副桁
3 器具固定杆
5 ねじ部
6 ナット
7 調理台器具
8 係止片
12 オンオフ機構
13 料金徴収機構
15 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも4本の支柱(2) を多数の主桁(2a)により連結するとともに対向する側面間にそれぞれ副桁(2d)を配置してその周囲をパネル(15)で囲装した角枠状のフレーム(1) と、このフレーム(1) の上端に嵌合されて前記支柱(2) の上端にフランジ部をもって支持される調理台器具(7) と、調理台器具(7) の裏面の対向位置に設けられた係止片(8) に上端が連結自在とされるとともに下端は前記副桁(2d)に挿通可能なねじ部(5) に形成されている器具固定杆(3) と、前記ねじ部(5) に螺合されるナット(6) とよりなり、前記フレーム(1) はキャンプ場の所定位置に設置してアンカーなどにより固定して電力や温水等の熱源を引込んでおき、このフレーム(1) の上端に調理台器具(7) を嵌合支持さて、その裏面の係止片(8) に上端が連結されるとともに前記副桁(2d)に下端のねじ部(5) を挿通してナット(6) により締付けた器具固定杆(3) により下方に牽引された状態として固定のフレーム(1) に対して調理台器具(7) を安定且つ取外自在に連結固定したことを特徴とするキャンプ場用調理装置。
【請求項2】 フレーム(1) には調理台器具(7) の電力や温水等の熱源の使用の制御を行うオンオフ機構(12)とこれに連動する使用料金徴収機構(13)とが設けられている請求項1に記載のキャンプ場用調理装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【特許番号】第2686434号
【登録日】平成9年(1997)8月15日
【発行日】平成9年(1997)12月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−209999
【出願日】平成8年(1996)8月8日
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【出願人】(391028960)内田工業株式会社 (3)
【参考文献】
【文献】実開 昭59−98957(JP,U)
【文献】実開 昭63−189135(JP,U)
【文献】実開 昭62−101307(JP,U)
【文献】実開 平4−8192(JP,U)