説明

キーシート

【課題】キートップを側方にずらすように操作してもキートップの大きなぐらつきや、キートップどうしの重なりといった過度の変動が生じない安定感のあるキーシートを提供する。
【解決手段】底面中央から突出する固着突起13bを有するキートップ13と、固着突起13bが固着するベースシート16とを備えるキーシート10について、キートップ13の当該固着突起13bが貫通するとともに口縁が固着突部13bの側方に臨む開口17aを有し、キートップ13の側方移動時にキートップ13に当接してキートップ13の側方移動を規制する制止板17を備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、PDA、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置など各種電気・電子機器の操作部に使用する押釦スイッチ用のキーシートに関し、特に機器の筐体に設けた一つの操作開口から1又は2以上のキートップを露出させて使用するのに好適なキーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図11で示す携帯電話機101のように、操作部の小型化やデザイン性などの要請から、筐体101aに形成した一つの操作開口101bからキーシート102の複数のキートップ103を密集状態で露出させた押釦スイッチが知られている。こうしたキーシート102は、キートップ103を保持するベースシート104がシリコーンゴムなどの柔軟なゴム状弾性体のみでできているため、携帯電話機101の使用時に、例えば、直立させたり、図12で示すように下向きに倒したりすると、キートップ103の重量に負けてベースシート104が全体的に歪んでしまうことがある。こうなると、ベースシート104の押し子104aと、基板105に設けた金属皿ばね105aとの間に位置ずれが生じて、キートップ103を押込んでも入力できないという操作不良が生じることがある。
【0003】
この問題を解消すべく本出願人は、図13で示すキーシート112(特開2004−319396;特許文献1)や、図14で示すキーシート122(特開2004−362891;特許文献2)を提案している。これらのキーシート112,122は、ゴム状弾性体でなるベース部114a,124aを樹脂フィルムや硬質樹脂板などの補強部材でなる補強部114b,124bで補強したベースシート114,124を備えているため、携帯電話機101を倒しても、キーシート112,122の歪みは生じない。
【特許文献1】特開2004−319396
【特許文献2】特開2004−362891
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補強部114b,124bを設けたキーシート112,122は、キーシート112,122の全体的な歪みの発生を防止することができる。しかしながら、キートップ113,123が斜め下に押下される、いわゆる斜め押しがなされる場合のように、キートップ113,123を側方にずらすような力が加えられると、例えば、キーシート122では、図15で示すように、キートップ123が側方に大きくぐらついてしまったり、また図16で示すように、キートップ123どうしが重なってしまうことがある。
【0005】
本発明は、キートップが大きくぐらついたり、重なってしまったりする問題を解決するためになされたものであり、その目的は、キートップを側方にずらすように操作してもキートップの大きなぐらつきや、キートップの重なりといった過度の変動が生じない安定感のあるキーシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明は、機器の筐体に形成した操作開口から露出する表層部と、表層部の底面中央から突出する固着突部とを有するキートップと、固着突部が固着するとともにキートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートについて、キートップの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有し、キートップの側方移動時にキートップに当接してキートップの側方移動を規制する制止板を備えることを特徴とするキーシートを提供する。
【0007】
機器の筐体に形成した操作開口から露出する表層部と、表層部の底面中央から突出する固着突部とを有するキートップと、固着突部が固着するとともにキートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートについて、キートップの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有する制止板を設けたため、制止板をベースシートとキートップとの間に配置しながら、キートップとベースシートとを固着することができる。また、キートップの側方移動時にキートップに当接してキートップの側方移動を規制する制止板を設けたため、キートップの側方移動が規制されてキートップが大きくぐらつかず、さらに、制止板がキートップとベースシートとの間に位置するため、押圧操作するキートップをその隣接するキートップにもぐり込ませにくくすることができる。そのため、キートップが側方に押圧されても、キートップが大きくぐらついたり、他のキートップの下にもぐり込んだりする過度な変動が生じない安定感のあるキーシートが得られる。
【0008】
また、本発明は、機器の筐体に形成した操作開口から露出するキートップと、表面から突出しキートップに固着する固着突起と、キートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートについて、ベースシートの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有し、キートップの側方移動時に固着突起に当接してキートップの側方移動を規制する制止板を備えることを特徴とするキーシートを提供する。
【0009】
機器の筐体に形成した操作開口から露出するキートップと、表面から突出しキートップに固着する固着突起と、キートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートについて、ベースシートの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有する制止板を設けたため、キートップの側方移動が規制されてキートップが大きくぐらつかず、さらに、制止板がキートップとベースシートとの間に位置するため、押圧操作するキートップをその隣接するキートップにもぐり込ませにくくすることができる。そのため、キートップが側方に押圧されても、キートップが大きくぐらついたり、他のキートップの下にもぐり込んだりする過度な変動が生じない安定感のあるキーシートが得られる。
【0010】
本発明では、キートップの側方移動時に、キートップの固着突起またはベースシートの固着突起が制止板の口縁に当接するキーシートとすることができる。キートップが意図せずに側方に押圧されても、キートップが大きくずれる前に固着突起が制止板の口縁に当接するので、キートップが大きくぐらついたり、他のキートップの下にもぐり込んだりすることがない。そのため、安定感のあるキーシートが得られる。
【0011】
あるいは、制止板に、その表面からキートップの側方に突出し、キートップの側方移動を規制する敷居突起を設けるキーシートとすることができる。制止板にその表面からキートップの側方に突出し、キートップの側方移動を規制する敷居突起を設けたため、キートップが意図せずに側方に押圧されても、キートップが大きくずれる前にキートップが制止板の敷居突起に当接するので、キートップが大きくぐらついたり、他のキートップの下にもぐり込んだりすることがない。そのため、安定感のあるキーシートが得られる。
【0012】
そして本発明は、ベースシートの可動膜がキートップへの押込み操作時に制止板から離間するキーシートとすることができる。ベースシートの可動膜がキートップへの押込み操作時に制止板から離間するため、可動膜が制止板に拘束されることなく十分に変形することが可能となる。そのため、キートップの確実な押し込み操作ができる。これは、制止板の開口を小さくしても同様であり、制止板の開口を小さくすれば、確実な押込み操作が可能であるだけでなく、キートップの側方移動時にキートップが制止板の開口縁にすぐに接触するため、キートップが大きくぐらついたり、他のキートップの下にもぐり込んだりすることがない安定感のあるキーシートが得られる。
【0013】
また本発明は、制止板の開口がキートップの固着突起よりは大きくキートップよりは小さいキーシートとすることができる。制止板の開口をキートップの固着突起よりは大きくキートップそれ自体よりは小さくしたため、キートップの固着突起がベースシートの可動膜に固着したキーシートにおいて、制止板がキートップとベースシートとの間に挟まれ、キートップやベースシートに固着せずとも、取り外せない構造とすることができる。
【0014】
そして、制止板がベースシートに対して固着せずにベースシート上に載置しているキーシートとすることができる。制止板をベースシートと固着しないため、ベースシートは制止板の拘束を受けずに変動することができ、可動膜の十分な変形によりキートップの確実な押込み操作を行うことができる。
【0015】
本発明はまた、制止板がベースシートの支持脚に固着しているキーシートとしても構成することができる。制止板をベースシートの支持脚に固着したため、ベースシートと制止板の間の位置ずれを防止することができる。また、支持脚を制止板と固着しても、ベースシートの可動膜の変動に影響を与えることはないため、可動膜の十分な変形を確保することができ、キートップの確実な押込み操作を行うことができる。
【0016】
あるいは、制止板とベースシートの両方に、機器の筐体に設けた位置決め突起と嵌合する取付孔を有するキーシートとすることができる。制止板とベースシートの両方に、機器の筐体に設けた位置決め突起と嵌合する取付孔を有すれば、該位置決め突起を、制止板、ベースシート双方の取付孔に嵌合することで、制止板とベースシートの双方を位置合わせして動かないよう固定することができる。これにより、制止板とベースシートとが固着していなくとも、制止板とベースシートとの位置ずれを防止することができる。
【0017】
また、ベースシートの表面に遮光層を有するキーシートとすることができる。ベースシートの表面に遮光層を設け、キートップとキートップの間、またはキートップと機器の操作開口の間に相当する部位を遮光層で覆うことにより、これらの部位から光漏れが生じない照光式キートップとすることができる。
【0018】
そして、ベースシートの表面が面一であるキーシートとすることができる。ベースシートの表面を面一とすれば、ベースシートの表面に遮光層や着色層などの種々の付加層を設ける場合に、通常の印刷方法で簡単にこれらの層を形成することができる。そのため、安価なキーシートとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、キートップが大きくぐらついたり、重なってしまったするキートップの過度の変動が生じない安定感のあるキーシートを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、先に説明した例と共通する構成、各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。なお、以下の説明では、各種機器の一例として携帯電話機101に適用する押釦スイッチ用のキーシートについて説明する。
【0021】
第1実施形態〔図1〜図3、図8〕; 図1、図2には、第1実施形態によるキーシート10の平面図、底面図を各々示す。また、図3は、図1のSA−SA線断面図を示す。これらの図で表されるように、本実施形態のキーシート10は、キートップ13とベースシート16、およびキートップ13とベースシート16との間に設けた制止板17で構成されている。
【0022】
キートップ13は、文字や記号などが示され入力操作がなされる部分であり、キートップ13の表側をなし、携帯電話機101の筐体101aから露出する表層部13aと、該表層部13aの底面中央から突出する固着突起13bとで構成される一体形状をなしている。キートップ13には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの硬質樹脂を通常用いるが、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマーなどのゴム状弾性体を用いることもできる。いわゆる照光式のキートップ13とする場合は、ポリカーボネートなどの透明な素材を用い、抜き文字状に表面装飾を施すことにより、機器101内部からの照光源の点灯で文字部分を照光させることができる。
【0023】
ベースシート16はゴム状弾性体でなり、表面が平坦に形成され、底面は回路基板などの基板105上に設けた金属皿バネ105aを押圧する押し子16aと、基板105に載置する支持脚16bが平坦面から突き出している。キートップ13との固着部分とその周囲は、キートップ13を押圧変位可能に浮動支持する可動膜16cとなっている。
【0024】
ベースシート16に用いられる材質としては、シリコーンゴムの他、スチレン系、エステル系、ウレタン系、オレフィン系、アミド系、ブタジエン系、エチレン−酢酸ビニル系、塩化ビニル系、フッ素ゴム系、イソプレン系、塩素化ポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0025】
制止板17は、キートップ13への予期せぬ側方移動などが行われた際に、キートップ13に当接して、過分なキートップ13の側方移動を規制するものであり、ここではまた、キーシート10全体の歪みを補強する補強部材としての機能を有するものである。制止板17は、平板状の一枚板に複数の開口17aを有する形状をしており、この開口17aにキートップ13の固着突起13bを貫通させて、開口17aの口縁を固着突起13bの側方に臨ませてつつ、ベースシート16の表面に載置している。制止板17の材質は、剛性の高いものがキーシート10全体の歪み抑制の観点から好適であり、金属薄板や硬質の高分子材料などを用いることができる。
【0026】
金属薄板としては、好ましくはステンレスやアルミニウムなどを用いる。加工性や強度、防錆性、熱伝導性について優れており、また、キーシート10に静電気が発生し難く、静電気発生による誤入力の防止を図ることができるからである。その厚さは、キーシート10全体の補強の観点から0.1mm以上が好ましく、キートップ13への押込み荷重が大きすぎずに操作性を良くする観点から0.5mm以下が好ましい。
【0027】
硬質の高分子材料としては、好ましくは曲げ弾性率が700kgf/cm以上、より好ましくは、7000kgf/cm以上であり、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系共重合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂などからなる硬質樹脂板や硬質樹脂フィルム、または、オレフィン系、スチレン系、エステル系、ウレタン系、アミド系などの硬質の熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0028】
硬質の高分子材料の厚さは、キーシート10全体の補強の観点から0.15mm以上が好ましく、キートップ13への押込み荷重が大きすぎずに操作性を良くする観点から1.5mm以下が好ましい。特に、硬質樹脂板の場合は、0.15mm〜0.5mmの薄板とすることができ、熱可塑性エラストマーの場合は、0.5mm〜1.5mmの比較的厚い厚板とすることができる。
【0029】
キートップ13とベースシート16、そして制止板17との接合は、キートップ13の固着突起13bが、制止板17の開口17aを貫通し、ベースシート16の可動膜16cとの間で接着剤(図示せず)で固着することでなされている。こうして制止板17は、キートップ13やベースシート16とは固着されずにベースシート16の表面に載置されている。しかし、制止板の開口17aはキートップ13の固着突起13bよりは大きくキートップ13の表層部13aよりは小さいため、制止板17はキートップ13とベースシート16との間から外れないようになっている。また、キートップ13の固着突起13bの側方の幅は、開口17aの幅よりはわずかに小さく、固着突起13bの端と開口17aの口縁との間隔(固着突起13bと開口17aとの隙間の幅)は、0.05mm〜0.3mmであることが好ましい。また、キーシート10の周囲にはベースシート16と制止板17とのそれぞれに、その両方を貫く取付孔10a,10aが設けられており、機器101に設けたピン(図示せず)などでなる位置決め突起を取付孔10a,10aに通して嵌合することで、ベースシート16と制止板17とを正規の位置に固定するとともに、キーシート10を機器101上の正規の位置に位置決めして固定することができる。
【0030】
キーシート10を製造するには、まず、キートップ13、ベースシート16、制止板17のそれぞれを予め所定の形状に成形しておく。次に複数のキートップ13を適当な治具を用いて所定の間隔に配置した上に、制止板17を位置決めしながらキートップ13の底面側に配置する。そして、ベースシート16の可動膜16cか、キートップ13の固着突起13bの底面に接着剤を塗布する。それから制止板17とキートップ13にベースシート16を対向させてキートップ13の固着突起13bと可動膜16cとが重なるように接着する。こうして、キーシート10が得られる。
【0031】
次にこのキーシート10の作用、効果について説明する。
【0032】
キートップ13への正規の入力操作となる、キートップ13の表面を水平方向に対して垂直に押下する押し込み操作がなされる時には、ベースシート16と制止板17とが固着していないため、該押込み方向で制止板17と重なり合い、開口17aよりも図中Lだけ幅広に形成される可動膜16cであっても、図4で示すように、ベースシート16が制止板17に拘束されずに、その可動膜16cが制止板17の開口17aの口縁から離間し、十分に撓み、伸びることで、スムーズな入力操作がなされる。これに対し、キートップ13への意図しない操作となる側方への押圧操作がなされる時には、図5で示すように、固着突起13bと開口17aとの間隔D1が狭いため、固着突起13bがD1だけ変位すると、ベースシート16の表面から突き出して設けられている制止板17の開口17aにすぐに接触し、それ以上の側方への移動がなされない。そのため、キートップ13が大きくぐらつくことがない。
【0033】
この点につき、比較のため図14で示す従来のキーシート122を見てみると、図6で示すように、正規の押し込み操作時における可動膜の変位においては、キーシート10とほとんど相違はない。しかしながら、図7で示すように、キーシート122では、側方への意図せぬ押圧操作がなされると、キートップ123の固着突起123bと補強部124bとの間隔D2が広いため、固着突起123bが大きく変位することがあり、横方向へのぐらつきが生じる可能性がある。すなわち、キーシート10はキーシート122に比べてぐらつき防止に優れていることがわかる。
【0034】
次に、本実施形態の一つの変更例を図8で示す。図8で示すキーシート20は、ベースシート16の表面に遮光層28を設けたものである。いわゆる照光式キートップとする場合に、制止板17が金属薄板などで形成され遮光性となっていれば遮光層28を設ける必要はないが、透明な硬質樹脂板などで制止板17が形成される場合は、遮光層28を設けることでキートップ13どうしの隙間から光漏れを起こさない高品質のキーシート20とすることができる。遮光層28は、ベースシート16の表面が平坦であるため、光を遮断可能なインキを用い通常の印刷手法にて、簡単に形成することができる。
【0035】
第2実施形態〔図9〕; 図9には、第2実施形態によるキーシート30の断面図を示す。キーシート30が第1実施形態で示すキーシート10と異なるのは、制止板37の形状である。すなわち、キーシート30における制止板37は、その表面からキートップ13の表層部13aの側方にまで板状に突出し、隣接する2つの表層部13aの外周面13c間にその先端が位置する敷居突起37bを有する点である。制止板37は、高分子材料の射出成形により簡単に得ることができる。
【0036】
こうした制止板37を有するキーシート30は、制止板37に設けた開口37aとキートップ13の固着突起13bとの間隔が広い場合であっても、意図せぬキートップ13の側方操作がなされた時に、キートップ13が大きく移動する前に、キートップ13の外周面13cがすぐに制止板37の敷居突起37bに接触するため、キートップ13が大きくぐらついたり、他のキートップ13と重なったりすることを防止することができる。
【0037】
第3実施形態〔図10〕; 図10には、第3実施形態によるキーシート40を示す。第1、第2実施形態のキーシート10,20,30とは異なり、第3実施形態のキーシート40では、キートップ43が固着突起を有しない表層部43aだけでなる形状を有し、ベースシート46が、その表面から突出しキートップ43と固着する基台部46dを有するキーシートである。
【0038】
キーシート40では、意図せぬ側方移動操作がなされると、基台部46dが制止板17に当接することにより、キートップ43が大きくぐらついたり、他のキートップ43と重なったりすることはない。
【0039】
実施形態の変更例; 第1実施形態の変更例では、遮光層28をベースシート16の上に設けたが、制止板17の上に設けることもできる。また、キートップ13への文字や記号等の表示部の形成は、抜き文字印刷を施す他、キートップ13の表面や裏面に文字印刷を行うなど種々の公知の手法を用いることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、制止板17,37はベースシート16と固着していないが、ベースシート16の支持脚16bの表面で制止板17,37と固着することができる。こうすることで制止板17とベースシート16との位置ずれを防止することができる。
【0041】
上記実施形態では、制止板17,37をキーシート10,20,30,40の全体の剛性を付与する補強部材としても機能させているが、キーシート10,20,30,40の剛性を補うまでには機能しない軟質の材料を用いることができる。また、制止板17,37とは別の硬質樹脂や金属でなる補強部材を設けることも可能である。例えば、キーシート112,122に、上記実施形態で示した制止板17,37を設けることもできる。
【0042】
キートップを第1実施形態で示すキートップ13の形状とし、ベースシートを第3実施形態で示すベースシート46の形状として、キートップ13の固着突起13bとベースシート46の基台部46dとを固着する構造とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態によるキーシートの平面図。
【図2】第1実施形態によるキーシートの底面図。
【図3】図1のキーシートのSA−SA線断面図。
【図4】第1実施形態のキーシートを正規の方向に押し込み操作した場合の模式断面図。
【図5】第1実施形態のキーシートのキートップと制止板との間隔を示す模式断面図。
【図6】従来のキーシートを正規の方向に押し込み操作した場合の模式断面図。
【図7】従来のキーシートのキートップと補強部との間隔を示す模式断面図。
【図8】第1実施形態の変更例であるキーシートの図3相当断面図。
【図9】第2実施形態によるキーシートの図3相当断面図。
【図10】第3実施形態によるキーシートの図3相当断面図。
【図11】携帯電話機の外観図。
【図12】従来のキーシートを装着した携帯電話機を傾倒させた状態を示す概略断面図。
【図13】従来のキーシートの図3相当断面図。
【図14】別の従来のキーシートの図3相当断面図。
【図15】図14で示す従来のキーシートのキートップを側方に押圧した場合の模式断面図。
【図16】図14で示す従来のキーシートのキートップの端を斜め方向に押圧した場合の模式断面図。
【符号の説明】
【0044】
10,20,30,40 キーシート
10a 取付孔
13,43 キートップ
13a,43a 表層部
13b 固着突起
13c,43c 外周面
16,46 ベースシート
16a,46a 押し子
16b,46b 支持脚
16c,46c 可動膜
46d 基台部
17,37 制止板
17a,37a 開口
37b 敷居突起
101 携帯電話機
101a 筐体
101b 操作開口
102,112,122 キーシート
103,113,123 キートップ
104,114,124 ベースシート
104a 押し子
114a,124a ベース部
114b,124b 補強部
105 基板
105a 金属皿バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の筐体に形成した操作開口から露出する表層部と、表層部の底面中央から突出する固着突部とを有するキートップと、
固着突部が固着するとともにキートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートにおいて、
キートップの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有し、キートップの側方移動時にキートップに当接してキートップの側方移動を規制する制止板を備えることを特徴とするキーシート。
【請求項2】
機器の筐体に形成した操作開口から露出するキートップと、
表面から突出しキートップに固着する固着突起と、キートップを押圧変位可能に浮動支持する可動膜と、基板に載置する支持脚とを有するゴム状弾性体でなるベースシートと、を備えるキーシートにおいて、
ベースシートの固着突部が貫通するとともに口縁が固着突部の側方に臨む開口を有し、キートップの側方移動時に固着突起に当接してキートップの側方移動を規制する制止板を備えることを特徴とするキーシート。
【請求項3】
キートップの側方移動時に固着突起が制止板の口縁に当接する請求項1または請求項2記載のキーシート。
【請求項4】
制止板に、その表面からキートップの側方に突出し、キートップの側方移動を規制する敷居突起を設ける請求項1〜請求項3何れか1項記載のキーシート。
【請求項5】
ベースシートの可動膜がキートップへの押込み操作時に制止板から離間する請求項1〜請求項4何れか1項記載のキーシート。
【請求項6】
制止板の開口が固着突起よりは大きくキートップよりは小さい請求項1〜請求項5何れか1項記載のキーシート。
【請求項7】
制止板がベースシートに対して固着せずにベースシート上に載置している請求項1〜請求項6何れか1項記載のキーシート。
【請求項8】
制止板がベースシートの支持脚に固着している請求項1〜請求項6何れか1項記載のキーシート。
【請求項9】
制止板とベースシートの両方に、機器の筐体に設けた位置決め突起と嵌合する取付孔を有する請求項1〜請求項8何れか1項記載のキーシート。
【請求項10】
ベースシートの表面に遮光層を有する請求項1〜請求項9何れか1項記載のキーシート。
【請求項11】
ベースシートの表面が面一である請求項1、請求項3〜請求項10何れか1項記載のキーシート。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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