説明

キーボードスイッチ

【課題】 蓄光剤の発光特性により、夜間における屋外の使用や消灯等の暗闇においても、キーボードスイッチの視認性を高めることで、暗所における使用を可能にするキーボードスイッチを提供すること。
【解決手段】 本発明のキーボードスイッチは、パソコン、携帯電話、電卓等に備えられているキーボードスイッチにおいて、該キーボードスイッチ1のスイッチ本体2を、無色透明な合成樹脂液と蓄光剤との混合材4にて形成することを特徴とする。また前記スイッチ本体に暗色系の表示部3を施した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平常時の視認性を高めると共に、暗所においても使用を可能にするキーボードスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多種のパソコンを対象にして、通気性と撥水性を持たせ、どのような形状のキーボードにも適合でき、フリーサイズの膜体から任意な形の保護膜を切り出せる方法を用いて、簡単にキーボードを覆うことができるキーボードの保護膜がある(例えば、特許文献1参照)。
上掲特許文献1のキーボードの保護膜は、膜体の上辺、下辺、左辺、右辺の、四辺の内、該上辺と該左辺が該右辺もしくは該下辺との二辺間、ないし該下辺と該右辺が該右辺もしくは上辺との二辺間に、夫々の端部に粘着材を添加することを特徴とする。
【特許文献1】特開2006−260506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上掲特許文献1のキーボードの保護膜は、塵埃や飲み物等の飛散による、汚損や故障を避けることができるが、平常時、キーボードに付与されている文字や記号等の視認の向上は望めなかった。また夜間における屋外の使用や照明器具の不具合が生じた際、キーボードスイッチの配置や記号の確認は殆ど不可能であった。
【0004】
そこで本発明は上記の課題を解決するために、蓄光剤の発光特性により、夜間における屋外の使用や消灯等の暗闇においても、キーボードスイッチの視認性を高めることで、暗所における使用を可能にするキーボードスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のキーボードスイッチは、パソコン、携帯電話、電卓等に備えられているキーボードスイッチにおいて、該キーボードスイッチのスイッチ本体を、無色透明な合成樹脂液と蓄光剤との混合材にて形成することを特徴とする。また前記スイッチ本体に暗色系の表示部を施した。
【発明の効果】
【0006】
パソコン等に備えられているキーボードスイッチを、無色透明な合成樹脂液と蓄光剤との混合材にて形成することで、蓄光剤の発光特性により夜間や暗闇でもキーボードスイッチが自然発光する。そのことにより、夜間での屋外の使用や消灯後の暗闇においても使用することを可能にできる。
【0007】
また前記スイッチ本体に暗色系の表示部を施したことで、平常時や暗闇における文字や記号の視認が一層向上する。
【発明を実施するための最良の手段】
【0008】
以下、本発明によるキーボードスイッチの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図示するキーボードスイッチ1は、パソコン、携帯電話、電卓等に設置されているもので、前記キーボードスイッチ1のスイッチ本体2一部には、文字や記号、また数字等からなる表示部3が備えられている。
【0009】
図1に示すキーボードスイッチ1は、パソコンに備えられているもので、前記キーボードスイッチ1のスイッチ本体2は、無色透明な合成樹脂液と蓄光剤との混合材4にて形成されている。
【0010】
無職透明な合成樹脂としては特に熱可塑性の樹脂液が好ましく、加熱すると液状に軟化して可塑性を示し、冷却すると固化する透明アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の素材を用いることが望ましい。
【0011】
前記合成樹脂に混合される蓄光剤は、周囲の光を蓄え自然発光を可能とするもので、周知の金属化合物や希土類を複数混合し汎用の展色剤を混合して形成するものである。この蓄光剤は、例えばアルミン酸ストロンチューム系またはホウ酸アルミン酸ストロンチューム系の蓄光剤が使用される。また前記蓄光剤は、消灯後、周囲が暗くなってもキーボードスイッチ1の表示部3を視認するのに充分な光力を放つことが可能である。
【0012】
合成樹脂液と蓄光剤とによる混合材4は、合成樹脂液と蓄光剤とを適宜の割合、例えば50:50で混合して形成される。そして、かかる混合材4を型に合わせて所望の形状に成型加工し、硬化ないし冷却固化させることによりスイッチ本体2を形成することができる。なお、合成樹脂液と蓄光剤との割合においては特に限定されたものではなく、例えば、合成樹脂液に比する蓄光剤の割合を調節することで、発光輝度を任意に変更させることが可能となる。
【0013】
また他の好適例として、また前記スイッチ本体2に暗色系の表示部3を施すことが好ましい。通常、合成樹脂液と蓄光剤とによる混合材4で形成されたスイッチ本体2は、白色、もしくは薄黄緑の色彩を有する。そのため、かかる色彩からなるスイッチ本体2に、黒や濃紺等からなる暗色系の表示部3を施すことで、表示部3の視認性を向上させることができる。
【0014】
また前記混合材4で形成するキーボードスイッチとしては、図2に示す独立型スイッチ5の他、図3に示す一体型スイッチ6にも使用可能である。なお、一体型スイッチ6の場合、表面部7のみ、もしくは表面部7と溝部8全体を混合材4で形成することができる。
【0015】
次に、本発明のキーボードスイッチにおける使用方法とその作用を説明する。
図4は、パソコンキーボード9のスイッチ本体10を合成樹脂液と蓄光剤とによる混合材4で形成する状態を示すもので、スイッチ本体10が照明器具からの光を蓄光し、図示するようにパソコンキーボード9全体を暗闇で自然発光させることができる。そのことにより、携帯できるノート型パソコンの場合、夜間における屋外の使用が可能になる。
【0016】
図5は、電卓キーボード11のスイッチ本体12を合成樹脂液と蓄光剤とによる混合材4で形成した状態を示すもので、スイッチ本体12が照明器具からの光を蓄光し、図示するように暗闇で電卓キーボード11全体を自然発光することができる。そのことにより、暗闇や夜間で電卓の使用が可能になる。
【0017】
図6は、携帯電話キーボード13のスイッチ本体14を合成樹脂液と蓄光剤とによる混合材4で形成した状態を示すもので、スイッチ本体14が照明器具からの光を蓄光し、図示するように暗闇で携帯電話キーボード13全体を自然発光することができる。そのことにより、照明器具のない暗闇での携帯電話の使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のキーボードスイッチの斜視図である。
【図2】単独型キーボードスイッチの断面図である。
【図3】一体型キーボードスイッチの断面図である。
【図4】パソコンキーボードの発光状態である。
【図5】電卓キーボードの発光状態である。
【図6】携帯電話キーボードの発光状態である。
【符号の説明】
【0019】
1 キーボードスイッチ
2 スイッチ本体
3 表示部
4 混合材
5 独立型スイッチ
6 一体型スイッチ
7 表面部
8 溝部
9 パソコンキーボード
10 スイッチ本体
11 電卓キーボード
12 スイッチ本体
13 携帯電話キーボード
14 スイッチ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン、携帯電話、電卓等に備えられているキーボードスイッチにおいて、該キーボードスイッチのスイッチ本体を、無色透明な合成樹脂液と蓄光剤との混合材にて形成することを特徴とするキーボードスイッチ。
【請求項2】
前記スイッチ本体に暗色系の表示部を施した請求項1記載のキーボードスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−166213(P2008−166213A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357442(P2006−357442)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(595049264)
【Fターム(参考)】