説明

キーボード装置

【課題】発光表示部を備えるキーボード装置の、発光表示部の輝度に明暗が生じることを防ぐ。
【解決手段】導光板18の、バックプレート32との対向面に、導光板18内を伝播する光Lを入力操作面のキーキャップの方向へと導く光拡散手段として、導光板18の主面から開口部32a内へと突出する突起部181が形成されており、この突起部181へと、導光板18内を伝播する光Lを誘導する。そして、バックプレート32の開口部32a内の、突起部181の表面から光Lを出射させ、入力操作面の発光表示部に対して光を拡散させることで、従来、バックプレート32の陰となって光が当たらなかった範囲にも、光が十分に行き届き、入力操作面の発光表示部の輝度むらを減少させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等の入力装置であるキーボード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の電子機器の入力装置として、従来からキーボード装置が広く用いられている。このキーボード装置は、多様な入力を可能とすべく、比較的広い入力操作面上に、キーキャップ等、多数の入力記号に対応する入力部が分布配置されている。又、必要なキーキャップ文字、記号やランプが点灯することで、操作性の向上が図られたキーボード装置も多く存在している(特許文献1参照)。
【0003】
図4には、一例として、キーキャップ14を具備するキーボード装置10を、平面図で示している。
各キーキャップは透明材量の上から白インク、黒インクで塗装され、文字部分だけ黒塗装を剥がすことにより、文字の箇所だけが光を透過させることが出来る。
又、その直下には、各キーキャップ14に対応する設置範囲を有する導光板18が配置され、かつ、この導光板18を介してその出射光を各キーキャップ14に照射するLED20(透視図として示す)が、適所に配置されている。
【0004】
キーキャップ14は、図5に示されるように、半透明の材料からなるスタビライザー24を介して、バックプレート32等の強度保持部材に、一定のストロークが確保された状態で保持されている。そして、キーキャップ14の物理的入力は、バックプレート32の上面に積層されたメンブレンシート30により、電気信号に変換される。更に、バックプレート32に、一方の主面(光の出射面)が密着するようにして、導光板18が積層配置されている。又、導光板18の、バックプレート32と密着する主面とは反対側の主面(下面)には、例えば、導光板18と一体成形された光学ドット26が配置されている。そして、LED20から導光板18に入射し、主面と該主面に対向するもう一方の主面との間で繰返し反射しながら伝播する光Lは、光学ドット26によって入力操作面の方向へと偏向される。
【0005】
ここで、バックプレート32には、入力操作面の発光表示部であるキーキャップ14の位置に対応付けて、開口部32aと、この開口部32aの端部から突出しメンブレンシート30の開口30aを貫通する、爪32bとが形成されている。そして、スタビライザー24の下端部は、爪32bによって回動自在に保持されることで、キーキャップ14に一定のストロークが確保される。この爪32bは、金属製のバックプレート32の一部を切り起こすことにより形作られるものであり、物理上、爪32bを切り起こすためには開口部32aは不可避の構成である。従って、開口32aの形状は、爪32bの形状とその周囲の材料を切り落とすのに必要な範囲によって、適宜決定されるものである。
【0006】
そして、光学ドット26により入力操作面の方向へと偏向された光Lは、この開口部32aを通過して、キーキャップ14を下面側から照光することとなる。一方、メンブレンシート30は、光が透過する素材で構成されていることから、開口30a以外の非開口部であっても、光Lは十分に透過する。
なお、図4、図5のキーボード装置は、図示の各構成の他、回路基板、ケース等を含むものであるが、これらについては公知の構成であることから、詳しい説明を省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−129374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、図4、図5に例示される内部構造を有するキーボード装置10においては、LED20から導光板18に入射し、主面と該主面に対向するもう一方の主面との間で繰返し反射しながら伝播する光Lは、光学ドット26によって入力操作面の方向へと偏向され、バックプレート32の開口部32aを通過して、キーキャップ14を下面側から照光する。その結果、キーキャップ14は、このバックプレート32の開口部32aを通過して光Lが照射される一部の範囲BPが特に明るく光り、その他の範囲はBPで示される範囲よりも暗くなってしまうことが確認されている。
特に、キーキャップ14が透明材料からなり、キーキャップ14の全体に発光させたい色(例えば青色)の第1のコーティングを行い、その後に、キーキャップ色(例えば黒色)の第2のコーティングを同じく面全体に行い、文字部のみ第2のコーティングを削ぐことにより、第1のコーティング(青色部分)を浮き出させることで、文字部が発光するものである場合には、この文字部が光Lの照射範囲BPから外れてしまうと、文字部又は記号部の発光は暗くなってしまう。
【0009】
一方、導光板を用いた面状照明装置では、従来から、導光板の主面にプリズム加工を施す等によって光を拡散させ、輝度に明暗が生じることを防ぐ工夫がされており、図4、図5に示されるキーボード装置10においても、これと同様に、図6に示されるように、導光板18の主面と該主面に対向するもう一方の主面との双方に、適宜プリズム28を設けるといった対応が行われている。しかしながら、バックプレート32の開口部32a以外でプリズム28により偏向される光は、キーキャップ14の輝度に何ら寄与することにならず、結果的に、光の損失を招くものとなる。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなれたものであり、その目的とするところは、操作性を向上させるための、適切な発光表示を可能とする発光表示部を備えるキーボード装置の、発光表示部の輝度に明暗が生じることを防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0012】
(1)光源と、該光源からの光を、主面と該主面に対向するもう一方の主面との間で繰返し反射させながら伝播させ、任意の場所で前記主面から入力操作面の方向へと出射させる導光板とを含む照光手段とを備え、該照光手段によって入力操作面の発光表示部が照光されるキーボード装置であって、前記導光板と前記入力操作面との間に、前記入力操作面の発光表示部の位置に対応付けて形成された開口部を有する部材が介在され、前記導光板の前記開口部を有する部材と対向する主面に、前記導光板内を伝播する光を前記入力操作面の方向へと導く光拡散手段として、前記開口部内へと突出する突起部が形成されているキーボード装置(請求項1)。
本項に記載のキーボード装置は、導光板の、開口部を有する部材との対向面に、導光板内を伝播する光を入力操作面の方向へと導く光拡散手段として、導光板の主面から開口部内へと突出する突起部が形成されており、この突起部へと、導光板内を伝播する光を誘導する。そして、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材の導光板との対向面よりも入力操作面の発光表示部に近い位置にて、入力操作面の発光表示部に対し光を拡散させるものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記突起部は、前記開口部を貫通して、前記開口部を有する部材の前記導光板との対向面とは反対側の面から突出する高さに形成されているキーボード装置(請求項2)。
本項に記載のキーボード装置は、開口部を貫通して、開口部を有する部材の、導光板との対向面とは反対側の面から突出する高さに形成されている突起部により、開口部を有する部材の、導光板との対向面とは反対側の面まで、導光板内を伝播する光を誘導する。そして、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材の、導光板との対向面とは反対側の面よりも入力操作面の発光表示部により近い位置にて、開口部を有する部材の開口部以外の部分の陰となって光が遮られることもなく、入力操作面の発光表示部に対し光をより広範囲に拡散させるものである。
【0014】
(3)上記(1)、(2)項において、前記導光板の前記開口部を有する部材との対向する主面とは反対側の主面に、前記開口部を有する部材の開口部の位置に対応付けて、光学ドットが形成されているキーボード装置。
本項に記載のキーボード装置は、導光板内を伝播して、光学ドットにより入力操作面の方向へと偏向された光は、開口部を有する部材の開口部内へと突出する突起部に誘導される。そして、突起部の表面から光を出射させることで、入力操作面の発光表示部に対して、開口部を有する部材の開口部と対応する位置にて、光を拡散させるものである。
なお、本発明に係る光学ドットは、光学インクによる印刷ドット、熱プレス方式の光学形状(ドット、プリズム形状問わず)等、導光板に採用し得る全ての光学仕上げを含むものである。
【0015】
(4)上記(1)又は(3)項において、前記突起部は、前記導光板の主面に、冷間プレスにより形成されたものであるキーボード装置(請求項3)。
本項に記載のキーボード装置では、突起部は、前記導光板の主面に、冷間プレスにより形成される際に、プレス金型の複数の凸状突起を冷間過程で導光板の表面に圧接することによるプレス応力で、導光板の主面には溶融を伴わない材料流動が引き起される。すると、導光板の表面に、中央部が凹状にくぼみ、その回りを縁取るように稜線が突出する形態の突起部が成形される。そして、この突起部の表面にまで、導光板内を伝播する光を誘導する。よって、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材の開口部のみから、入力操作面の発光表示部に対して、導光板内を伝播する光を拡散させるものである。
【0016】
(5)上記(1)又は(3)項において、前記突起部は、前記導光板の主面に、表面加工により微細な凹凸が形成されたものであることを特徴とする請求項2記載のキーボード装置(請求項4)。
本項に記載のキーボード装置では、突起部は、導光板の主面に、表面加工により微細な凹凸として形成された突起部を配置することで、この突起部の表面にまで、導光板内を伝播する光を誘導する。そして、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材の開口部のみから、入力操作面の発光表示部に対して、導光板内を伝播する光を拡散させるものである。
【0017】
(6)上記(1)から(3)項において、前記突起部は、前記導光板の主面に、一体にモールド成形されたものであるキーボード装置(請求項4)。
本項に記載のキーボード装置では、突起部は、前記導光板の主面に、一体にモールド成形されることで、開口部を有する部材の開口部内へと突出する突起部の、高さや表面の凹凸等形状を自由に設定するものである。ここで、突起部が、開口部を有する部材の開口部を貫通して、開口部を有する部材の導光板との対向面とは反対側の面から突出する高さに形成された場合には、この突起部へと、導光板内を伝播する光を誘導する。そして、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材の、導光板との対向面とは反対側の面よりも入力操作面の発光表示部により近い位置にて、開口部を有する部材の開口部以外の部分の陰となって光が遮られることもなく、入力操作面の発光表示部に対し光をより広範囲に拡散させるものである。
【0018】
(7)上記(1)から(6)項において、前記入力操作面がキーキャップであり、前記開口部を有する部材が、前記キーキャップからの物理的入力を電気信号に変換する接点回路を有するメンブレンシートを保持するバックプレートであるキーボード装置。
本項に記載のキーボード装置は、導光板の主面から開口部内へと突出する突起部へと、導光板内を伝播する光を誘導し、突起部の表面から光を出射させることで、開口部を有する部材であるバックプレートの、導光板との対向面よりも入力操作面の発光表示部に近い位置にて、入力操作面であるキーキャップに対して、下面側から光を拡散、照光するものである。
【0019】
(8)上記(7)項において、前記キーキャップは、透明な材料からなるベース部材の全体に発光させたい色のコーティングを行い、その後に、キーキャップ色のコーティングを同じく全体に行い、文字部のみ前記キーキャップ色のコーティングを削いで構成されているキーボード装置。
本項に記載のキーボード装置は、キーキャップがその下面側から広範囲に照光されることで、バックプレートの開口部の位置に対する、キーキャップの文字部又は記号部の位置の如何に関わらず、文字部又は記号部が照光されるものとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明はこのように構成したので、操作性を向上させるための、適切な発光表示を可能とする発光表示部を備えるキーボード装置の、発光表示部の輝度に明暗が生じることを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るキーボード装置の、導光板及びバックプレートを示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るキーボード装置の、導光板及びバックプレートの別例を示す要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るキーボード装置の、導光板及びバックプレートの更なる別例を示す要部断面図である。
【図4】本発明の従来技術に該当するキーボード装置の構造を示す平面図である。
【図5】図4に示されるキーボード装置の、キーキャップ周辺部の断面構造を示す模式図である。
【図6】従来の導光板を用いた面状照明装置の、導光板の主面にプリズムが形成された事例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。以下の説明において、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については、同一符号で示し、詳しい説明を省略する。又、本発明の実施の形態に係るキーボード装置の外観形状は、図4に示されるキーボード装置10と同一であり、キーキャップ直下の内部構造も、概略同一であることから、図4、図5を以って詳しい説明を省略する。
なお、以下の記載において、「上」、「下」の方向は、本発明に係るキーボード装置を平置きした状態での、上下方向を意味する。
【0023】
本発明の実施の形態に係るキーボード装置は、図1に示されるように、導光板18と、入力操作面としてのキーキャップ14(図4、図5参照)との間に、バックプレート32が配置されている。そして、このバックプレート32には、入力操作面の発光表示部である、キーキャップ14の位置に対応付けて形成された開口部32aが形成されている。一方、導光板18のバックプレート32と対向する主面に、導光板18内を伝播する光Lを入力操作面の方向へと導く光拡散手段として、開口部32a内へと突出する突起部181が形成されたものである。この突起部181は、導光板18の光の出射面側の主面に、冷間プレスにより形成されたものである。
【0024】
従って、突起部181は、冷間プレスにより形成される際に、プレス金型の複数の凸状突起を冷間過程で導光板18の表面に圧接することによるプレス応力で、導光板18の主面には溶融を伴わない材料流動が引き起される。そして、導光板18の主面に、中央部182が凹状にくぼみ、その回りを縁取るように稜線が突出する形態の突起部181が成形されるものである。なお、冷間プレスによる材料流動は限定的であることから、突起部181の高さは、バックプレート32の厚みにもよるが、概ね、開口部32aの内部で、バックプレート32の下面よりも高く上面以下の範囲に収まるものとなる。
【0025】
又、図1の例では、導光板18のバックプレート32と対向する主面とは反対側の主面(下面)に、バックプレート32の開口部32aの位置に対応付けて、光学ドット26が形成されている。従って、導光板18内を伝播して、光学ドット26により入力操作面の方向へと偏向された光Lは、バックプレート32の開口部32a内へと突出する突起部181に誘導されることとなる。
【0026】
図2には、本発明の実施の形態に係るキーボード装置の別例が示されている。
ここで、図1の突起部181が、冷間プレスにより形成されたものであり、突起部181の高さは、開口部32aの内部で、バックプレート32の下面よりも高く上面以下の範囲に収まるのに対して、図2の例は、突起部183が、バックプレート32の開口部32aを貫通して、バックプレート32の導光板18との対向面とは反対側の面(上面)から突出する高さに形成されている。この突起部183は、導光板18の主面に、一体にモールド成形されたものである。なお、図2の突起部183は、その上面が光の拡散に適したランダムな凹凸状に形成されている。又、突起部183を導光板18の主面に一体にモールド成形する場合であっても、必要に応じ、突起部183の高さを、開口部32aの内部で、バックプレート32の下面よりも高く上面以下の範囲に収めることも可能である。
【0027】
又、図2の例でも、導光板18のバックプレート32と対向する主面とは反対側の主面(下面)に、バックプレート32の開口部32aの位置に対応付けて、光学ドット26が形成されている。従って、導光板18内を伝播して、光学ドット26により入力操作面の方向へと偏向された光Lは、バックプレート32の開口部32a内へと突出する突起部183に誘導されることとなる。
【0028】
更に、図3に示されるように、導光板18のバックプレート32と対向する主面に、表面加工により微細な凹凸として形成された突起部184を配置することで、図1の例と同様に、導光板18内を伝播する光Lを入力操作面の方向へと導くことも可能である。この場合、突起部184を形成するための表面加工は、サンドブラスト、エッチングその他の、突起部184が開口部32a内へと突出する微細な凹凸形状が形成可能な手法を、適宜採用するものである。
【0029】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、図1、図3の例では、導光板18の、開口部を有する部材であるバックプレート32との対向面に、導光板18内を伝播する光Lを入力操作面のキーキャップ14(図4、図5参照)の方向へと導く光拡散手段として、導光板18の主面から開口部32a内へと突出する突起部181、184が形成されており、この突起部181、184へと、導光板18内を伝播する光Lを誘導するものである。そして、バックプレート32の開口部32a内の、突起部181、184の表面から光Lを出射させ、入力操作面のキーキャップ14に対して光を拡散させることで、従来、バックプレート32の陰となって光が当たらなかった範囲にも、光が十分に行き届き、キーキャップ14の輝度むらを減少させることが出来る。
【0030】
又、図1の突起部181を、導光板18の主面に、冷間プレスにより形成することで、突起部181の高さは、バックプレート32の厚みにもよるが、概ね、開口部32aの内部で、バックプレート32の下面よりも高く、上面以下の範囲とすることが出来る。よって、導光板18の、バックプレート32の導光板18との対向面よりも、入力操作面のキーキャップ14に近い位置から、キーキャップ14の下面に対して光を拡散させることが出来る。図3の突起部184についても同様の作用効果を得ることが可能である。
又、図1の如く突起部181を冷間プレスにより形成し、若しくは、図3の如く突起部184を表面加工により微細な凹凸として形成することで、導光板18の生産性を高めることが可能となる。
【0031】
一方、図2の例では、バックプレート32の開口部32aを貫通して、バックプレート32の、導光板18との対向面とは反対側の面から突出する高さに形成されている突起部183により、バックプレート32の、導光板18との対向面とは反対側の面まで、導光板18内を伝播する光Lを誘導することができる。そして、突起部183の表面から、光を出射させることで、バックプレート32の開口部32aにおいて、バックプレート32の、導光板18との対向面とは反対側の面(上面)よりも、入力操作面のキーキャップ14により近い位置において、入力操作面の発光表示部であるキーキャップ14に対して光を拡散させることができる。従って、図1の例における突起部181よりも、入力操作面のキーキャップ14に更に近い位置から、キーキャップ14の下面に対して光を拡散させることで、更に広範囲を効率的に照光することが出来る。
又、突起部183を導光板18と一体にモールド成形することで、バックプレート32の開口部32a内へと突出する突起部の、高さや表面の凹凸等形状を自由に設定することができる。
【0032】
又、図1から図3のいずれの例においても、バックプレート32の開口部32aの位置のみからキーキャップ14を照光することとなるので、光の損失を生じることもない。
なお、本説明では、各キーキャップ14の少なくとも文字部分が発光表示部である場合を例示して説明したが、発光表示部の一部がキーキャップであり、一部が単なる表示ランプであっても良い。
【符号の説明】
【0033】
14:キーキャップ、 18:導光板、 181、183、184:突起部、20:LED、24:スタビライザー、26:光学ドット、30:メンブレンシート、32:バックプレート、32a:開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源からの光を、主面と該主面に対向するもう一方の主面との間で繰返し反射させながら伝播させ、任意の場所で前記主面から入力操作面の方向へと出射させる導光板とを含む照光手段とを備え、該照光手段によって入力操作面の発光表示部が照光されるキーボード装置であって、
前記導光板と前記入力操作面との間に、前記入力操作面の発光表示部の位置に対応付けて形成された開口部を有する部材が介在され、前記導光板の前記開口部を有する部材と対向する主面に、前記導光板内を伝播する光を前記入力操作面の方向へと導く光拡散手段として、前記開口部内へと突出する突起部が形成されていることを特徴とするキーボード装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記開口部を貫通して、前記開口部を有する部材の前記導光板との対向面とは反対側の面から突出する高さに形成されていることを特徴とする請求項1記載のキーボード装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記導光板の主面に、冷間プレスにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のキーボード装置。
【請求項4】
前記突起部は、前記導光板の主面に、表面加工により微細な凹凸が形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のキーボード装置。
【請求項5】
前記突起部は、前記導光板の主面に、一体にモールド成形されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のキーボード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−113361(P2012−113361A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259439(P2010−259439)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】