説明

ギ酸メチルをベースとする発泡剤を用いて製造された熱可塑性発泡体

熱可塑性ポリマー発泡体を製造するための発泡剤ブレンドは、ギ酸メチルを含む。発泡剤ブレンドは、更に少なくとも一種の共発泡剤を含んでよい。共発泡剤は、物理的共発泡剤(例えば、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、極性官能基を有する炭化水素、水、或いはこれらの任意の組み合わせ)か、又は化学的共発泡剤、或いはこれらの組み合わせのいずれかである。熱可塑性ポリマー発泡体は、アルケニル芳香族ポリマー発泡体、例えばポリスチレン発泡体であってよい。発泡剤ブレンドは、100モル%のギ酸メチルであってよく、或いはギ酸メチルと1種以上の共発泡剤との任意の組み合わせを含んでいてもよい。ギ酸メチルをベースとする発泡剤ブレンドは、安定な発泡体を生成する。かかる発泡体の製造方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、発泡剤ブレンド又は混合物を用いた発泡体及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、安定な発泡体を生成するギ酸メチルをベースとする発泡剤ブレンドを用いた熱可塑性ポリマー発泡体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー発泡体は、通常、加圧下で発泡剤を溶融樹脂と共に用い、十分に混合した後、適当なダイを通して配合物をより低い圧力雰囲気中に押出すことによって製造される。
過去においては、発泡体を製造するために広く用いられる物理的発泡剤は、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンであった。しかしながら、このような発泡剤を使用することは、それらの高いオゾン層破壊係数(ODP)のために禁止される可能性が高い。これらの発泡剤の幾つかは、ゼロのODPを有するヒドロフルオロカーボン(HFC)に置き換えることができる。しかしながら、HFCは、高い地球温暖化係数(GWP)が付きものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、アルケニル芳香族ポリマー(例えばポリスチレン)又はポリオレフィンポリマー(例えばポリエチレン)発泡体のような熱可塑性ポリマー発泡体を製造するためにより通常的に用いられる物理的発泡剤は、ブタン及びイソペンタンである。しかしながら、3個以上の炭素原子を有する炭化水素は、スモッグの形成を導く揮発性有機化合物(VOC)と考えられている。更に、発泡剤組成物において現在用いられている幾つかの化合物は、有害大気汚染物質(HAP)である。ポリマー発泡体を製造するためにVOC及び/又はHAPを使用することは、環境的に好ましくなく、製造プロセスに多くの制限を与え、而して製造プロセスを複雑化し、製造コストを大きく増大させる。エタンは、その極めて低い光化学反応性のために非VOCとして分類される。ギ酸メチルの光化学反応性は、エタンのそれよりも更に低く、したがってスモッグを形成する傾向は極めて低いと考えることができる。更に、ギ酸メチルは非HAPとして分類され、ゼロのODP及び殆どゼロのGWPを有する。而して、現在用いられている幾つかの発泡剤とギ酸メチルとのブレンドは、現在用いられている発泡剤に関連する有害な環境影響(ODP、GWP、HAP、VOC)を弱める補助になる可能性がある。米国特許6,753,357には、安定で剛性のイソシアネート/ポリオールをベースとするポリウレタン発泡体を製造するためにギ酸メチルを使用することが記載されている。かかる発泡体は、架橋及び硬化プロセスを経て製造される熱硬化性発泡体であり、発泡剤の性質によって最終発泡体生成物に付与される寸法安定性又は不安定性は、溶融処理された熱可塑性ポリマー発泡体の場合とは全く異なる。従って、外観、機械的又は圧縮強度及び断熱値に関する製品品質を損なうことなく、安定な熱可塑性発泡体を製造するための、且つコスト的に有効で用途の広い製造プロセスを可能にする、単独又は発泡剤ブレンドの一成分としてギ酸メチルを用いる発泡剤に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、熱可塑性ポリマー発泡体を製造するための好ましい発泡剤ブレンドは、ギ酸メチルを含む。発泡剤ブレンドは、更に、少なくとも一種の共発泡剤を含んでいてもよい。共発泡剤は、物理的共発泡剤(例えば、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、水、或いはこれらの任意の組み合わせ)、化学的共発泡剤、或いはこれらの組み合わせのいずれかである。好ましい態様においては、熱可塑性ポリマー発泡体は、アルケニル芳香族ポリマー発泡体である。より好ましい態様においては、アルケニル芳香族ポリマー発泡体は、ポリスチレン発泡体である。好ましい態様の発泡剤ブレンドは、100モル%のギ酸メチルであるか、或いはギ酸メチルと一種以上の共発泡剤との任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0005】
他の態様によれば、熱可塑性ポリマー発泡構造体は、熱可塑性ポリマーを溶融する工程を含む方法によって製造される。有効量の発泡剤ブレンドをポリマー溶融物中に溶解する。発泡剤ブレンドは、ギ酸メチル、及び場合によっては少なくとも一種の共発泡剤を含む。共発泡剤は、物理的共発泡剤(例えば、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、水、或いはこれらの任意の組み合わせ)、化学的共発泡剤、或いはこれらの組み合わせのいずれかである。押出物を形成し、これを膨張させてポリマー発泡構造体を生成する。例えば、且つ本発明の好ましい態様によれば、押出物をまず膨張領域に移し、膨張領域内で膨張させる。
【0006】
本発明方法によれば、熱可塑性ポリマー発泡構造体は、熱可塑性ポリマーを溶融することによって製造される。有効量の発泡剤ブレンドを、アルケニル芳香族ポリマー溶融物中に溶解する。発泡剤ブレンドは、ギ酸メチル、及び場合によっては少なくとも一種の共発泡剤を含む。共発泡剤は、物理的共発泡剤(例えば、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、水、或いはこれらの任意の組み合わせ)、又は化学的共発泡剤、或いはこれらの組み合わせのいずれかである。押出物を形成し、これを膨張させてポリマー発泡構造体を生成する。例えば、及び本発明の好ましい態様によれば、押出物をまず膨張領域に移し、膨張領域内で膨張させる。
【0007】
本発明方法によって得られるポリマー発泡構造体は、好ましくは実質的に独立気泡及び/又は寸法的に安定な構造体である。好ましい態様においては、アルケニル芳香族発泡構造体はポリスチレンポリマーを含む。
【実施形態】
【0008】
本発明の特定の態様を、一例として図面に示し、以下に詳細に説明するが、本発明は種々の修正及び代替形態を受け入れることができる。しかしながら、本発明は開示された特定の形態に限定されるものではなく、反対に、特許請求の範囲によって規定される発明の精神及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物及び代替物を包含することを意図するものである。
【0009】
発泡剤の有効性は、ポリマー溶融物中のその溶解性、並びに、ポリマー−発泡剤溶液が、押出機に取り付けられたダイから排出される(押出物を与える)際のように熱力学的に不安定な状態にかけられる際にポリマー−発泡剤溶液を膨張させる能力に依存する。押出物の膨張は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度Tgと、発泡剤の沸点Tbとの間の差に依存する。概して、ポリマー溶融物中の発泡剤の溶解性は、TgとTbとの間の差(Tg−Tb)に依存し、この差が小さいほど溶解性が大きい。揮発性はTbと反比例関係にあるので、同等の温度及び圧力の条件下では、揮発性がより高い発泡剤は、揮発性がより低い発泡剤と比較してより低い溶解性を有するとも暗示される。したがって、揮発性がより低い発泡剤を揮発性がより高い発泡剤とブレンドすることによって、最適化された溶解性及び膨張特性を有する発泡性配合物を開発することができることが示唆される。
【0010】
本発明の発泡体及び方法は、発泡剤ブレンド又は混合物を用いて、安定な熱可塑性ポリマー発泡体を達成する。本発明において用いられる好ましい発泡剤ブレンドは、ギ酸メチルをベースとするものである。ギ酸メチルは、HAPとして分類されておらず、そのごく低い光化学反応性及び而してごく低いスモッグ形成に対する寄与性のために、米国環境保護局による規則案(Federal Register, Volume 68, No.170, 2003年9月3日)で非VOCとして分類されている。具体的には、製造プロセス及びそれから得られる発泡体からHAPを排除し、スモッグを形成する傾向を最小にすることは、より安全で環境に優しいのみならず、よりコスト的に有効で多用途のプロセス及び製品を可能にし、而して現在用いられている発泡剤組成物及びプロセスの多くの欠点を避けることになる。
【0011】
本発明にしたがって発泡させることのできる樹脂としては、アルケニル芳香族ポリマー、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどのような溶融加工可能な熱可塑性ポリマーが挙げられる。「熱可塑性ポリマー」という用語は、アモルファスポリマーと半結晶質ポリマーの両方を含む。アモルファス熱可塑性ポリマーの例としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリ(フェニレンオキシド)が挙げられるが、これらに限定されない。半結晶質熱可塑性ポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明の好ましい態様は、アルケニル芳香族ポリマーに関する。本明細書で用いる「アルケニル芳香族ポリマー」という用語は、スチレン又はスチレン類縁体、例えば、α−メチルスチレン、o−、m−及びp−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−、m−、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−ビニルキシレン、ビニルトルエンなどのような、線状構造中に二重結合だけを有するオレフィン基に結合したアリール基を有する芳香族炭化水素分子のポリマーを含む。アルケニル芳香族ポリマーとしては、また、スチレン又はスチレン類縁体のホモポリマー(通常、ポリスチレンと称される)、スチレンのコポリマー、及びラバー強化ポリスチレン(通常、高衝撃ポリスチレン、HIPSと称される)も挙げられる。スチレンコポリマーに関しては、コモノマーは、一般に、共役1,3−ジエン、例えばブタジエン、イソプレン等、α,β−不飽和モノカルボン酸及びその誘導体、例えばアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びメタクリル酸の対応するエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のような任意の他のエチレン性不飽和材料であってよい。所望の場合には、スチレンポリマーと他のポリマーとのブレンド、例えばスチレンポリマーとポリフェニレンオキシドとのブレンドを用いることができる。好ましくは、コポリマーは、主要割合のスチレン、例えば約50wt%を超えるスチレン、より好ましくは75%を超えるスチレンを含む。
【0013】
発泡剤ブレンドは、約1%〜約100%のギ酸メチルを含む。一態様においては、発泡剤ブレンドは100%のギ酸メチルを含む。しかしながら、他の態様においては、発泡剤ブレンドは、100%未満のギ酸メチルを含み、少なくとも一種の共発泡剤を更に含む。1種を超える共発泡剤を発泡剤ブレンドにおいて用いることができると考えられる。かかる共発泡剤は、物理的共発泡剤、化学的共発泡剤、或いはこれらの組み合わせであってよい。
【0014】
共発泡剤は、一般に、純粋なギ酸メチル発泡剤と比較して高速膨張性である。共発泡剤は、有機化合物であっても又は無機化合物であってもよい。物理的共発泡剤の幾つかの非限定的な例としては、無機薬剤、有機薬剤(例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン及びケトン)、或いはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
幾つかの好適な無機物理的発泡剤としては、二酸化炭素、水、空気、窒素、アルゴン、キセノン、六フッ化硫黄、亜酸化窒素、アンモニア、四フッ化ケイ素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、及び三塩化ホウ素、或いはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。現在好ましい一態様においては、無機薬剤は、二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気などのような無機ガスである。現在好ましい無機ガスは二酸化炭素である。他の現在好ましい態様においては、無機薬剤は水である。
【0016】
本発明において用いることのできる有機物理的共発泡剤の幾つかの例としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、カーボネート、アルカノール、アミン及びケトンのような極性基を有する流体、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。炭化水素の例としては、メタン、エタン、プロパン、シクロプロパン、n−又はイソブタン、シクロブタン、ネオペンタン及びイソペンタン、或いはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化炭化水素としては、フッ化メチル、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペルフルオロメタン、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、塩化メチレン、塩化エチル、フッ化エチル、1,2−ジフルオロエタン(HFC−152)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、ペルフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、及び1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、ペルフルオロプロパン、2,2,4,4,4−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、ペルフルオロブタン、ペルフルオロシクロブタン、及びフッ化ビニル、或いはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。極性基を有する流体としては、ジメチルエーテル、ビニルメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジメチルフルオロエーテル、ジエチルフルオロエーテル、及びペルフルオロテトラヒドロフランのようなエーテル;ジメチルアミン、トリメチルアミン及びエチルアミンのようなアミン;アセトン及びペルフルオロアセトンのようなケトン;ギ酸エチル及び酢酸メチルのようなエステル;メチラールのようなアセタール;炭酸ジメチルのようなカーボネート;エタノールのようなアルカノール;或いはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
ギ酸メチルの沸点は32℃である。アルケニル芳香族ポリマーに適用される本発明の他の好ましい態様においては、ギ酸メチルを、32℃よりも低い沸点を有する1種以上の物理的共発泡剤と混合する。
【0018】
化学的共発泡剤は、化学反応、例えば分解を受けて、CO又はNのような無機ガスを生成する化合物である。好適な化学的共発泡剤の非限定的な例としては、アゾジカルボンアミド、アゾジイソブチロニトリル、ベンゼンスルホンヒドラジド、4,4−オキシベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリヒドラジノトリアジン、及び他のアゾ、N−ニトロソ、カーボネート、及びスルホニルヒドラジドが挙げられる。また、加熱されるとガスに分解する種々の酸/重炭酸塩混合物がある。例えば、HYDROCEROL(登録商標)の名称で販売されているクエン酸と重炭酸ナトリウムとの混合物を、化学的共発泡剤として用いることができる。
【0019】
用いる発泡剤ブレンドの全量は、混合における押出プロセス条件、用いる発泡剤ブレンド、押出物の組成、並びに、発泡物品の所望の密度、及び断熱値、重量/強度比、圧縮強度等の関連する特性のような条件に依存する。ここで、押出物は、発泡剤ブレンド、ポリマー樹脂、及び任意の添加剤を含むものとして定義される。約1〜約15lb/ft(0.016〜0.240g/cm)の密度を有する発泡体のためには、押出物は、通常、約18〜約1wt%の発泡剤を含む。
【0020】
本発明において用いる発泡剤ブレンドは、100%のギ酸メチルを含むか、或いは約99モル%未満のギ酸メチルを含むことができる。発泡剤ブレンドは、概して、約5モル%〜約75又は80モル%のギ酸メチルを含む。より典型的には、発泡剤ブレンドは、約20又は25モル%〜約60モル%のギ酸メチルを含む。より好ましくは、発泡剤ブレンドは、好ましくは約20又は25モル%〜約50モル%のギ酸メチルを含む。
【0021】
使用する場合には、発泡剤ブレンドは、概して、少なくとも約20又は25モル%の共発泡剤を含む。より典型的には、発泡剤ブレンドは、約80又は75モル%〜約40モル%の共発泡剤を含む。より好ましくは、発泡剤ブレンドは、好ましくは、約80又は75モル%〜約50モル%の共発泡剤を含む。
【0022】
セル形成及びモルホロジーを調整する能力のような有利性を得るために、成核剤又はかかる薬剤の組み合わせを本発明において用いることができる。成核剤或いはセルサイズ制御剤は、任意の従来の又は有用な成核剤であってよい。用いる成核剤の量は、所望のセルサイズ、選択された発泡剤ブレンド、及び所望の発泡体密度に依存する。成核剤は、概して、ポリマー樹脂組成物の約0.02〜約2.0wt%の量で加える。
【0023】
幾つかの意図される成核剤としては、クレー、タルク、シリカ、及び珪藻土のような無機材料(小さな粒子状形態)が挙げられる。例えば、タルクをポリマー組成物の約0.25〜約1.0wt%の量で用いることができる。成核剤の他の例としては、押出機内の加熱温度で分解又は反応して、二酸化炭素及び/又は窒素のようなガスを生成する有機成核剤が挙げられる。一つの例は、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩と炭酸塩又は重炭酸塩との組み合わせである。ポリカルボン酸のアルカリ金属塩の幾つかの例としては、2,3−ジヒドロキシ−ブタン二酸のモノナトリウム塩(通常、酒石酸水素ナトリウムと称される)、ブタン二酸のモノカリウム塩(通常、コハク酸水素カリウムと称される)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸のトリナトリウム及びトリカリウム塩(通常、それぞれクエン酸ナトリウム及びカリウムと称される)、及びエタン二酸のジナトリウム塩(通常、シュウ酸ナトリウムと称される)、或いは2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸のようなポリカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。炭酸塩又は重炭酸塩の幾つかの例としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、及び炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明において、異なる成核剤の混合物を加えることができると考えられる。幾つかのより望ましい成核剤としては、タルク、結晶質シリカ、及びクエン酸と重炭酸ナトリウムとの化学量論量混合物(化学量論量混合物はキャリアが好適なポリマーで1〜100%の濃度を有する)が挙げられる。タルクは、キャリア中で加えても、或いは粉末形態で加えてもよい。
【0025】
所望の場合には、発泡体の製造において、充填剤、着色剤、光及び熱安定剤、酸化防止剤、酸スキャベンジャー、安定性制御剤、難燃剤、加工助剤、押出助剤、及び発泡性添加剤を用いることができる。
【0026】
当該技術において公知の種々の好適な任意の押出システム及び方法を、本発明にしたがって用いることができる。好適なシステム及び方法の一例としては、例えば、それぞれの押出機が単軸スクリューを有する従来の二押出機タンデムシステムが挙げられる。また、第1押出機が二軸スクリューで第2押出機が単軸スクリューである二押出機タンデムシステムを、本発明の発泡体物品を押し出すために用いることができる。適当な冷却装置を有する単一の押出機を本発明において用いることもできる。
【0027】
本発明の一方法によれば、熱可塑性ポリマーのペレット(例えばポリスチレン)を、タルクのような成核剤と混合する。これらの材料を、押出機のホッパー中に連続的に供給する。供給混合物が押出機のバレル内をスクリューによって前方に搬送され、混合物が混合され、圧縮され、加熱され、溶融形態に転化される。溶融形態への転化は、発泡剤が加えられる注入領域に到達する前に起こる。本発明の発泡剤ブレンドは、ポリマーが溶融状態である位置(即ち供給領域を過ぎた位置)でポリマー組成物中に注入することができる。発泡剤ブレンドが1を超える成分(即ち、ギ酸メチル及び1以上の共発泡剤)を含む場合には、それぞれの成分を別々に、逐次的に或いは同時に且つ任意の順番で、ポリマー混合物中に注入することができる。また、発泡剤ブレンドの成分を予め混合し、混合物をポリマー組成物中に注入することができる。
【0028】
発泡剤ブレンドを注入した後、樹脂及び発泡剤ブレンドの均一な溶液が保持される圧力で混合物を連続的に混合する。次に、溶融した混合物を、冷却領域に搬送し、ここで更なる混合を行う。冷却後、混合物を、混合物の発泡を阻止又は抑制する温度及び圧力に保持された保持領域中に押し出す。保持領域は、(a)混合物が発泡する大気圧のようなより低い圧力の領域中へのオリフィス開口を有する出口ダイ;(b)保持領域内の発泡性混合物を撹乱することなくオリフィスを閉止する手段;及び(c)発泡性混合物を保持領域から排出することのできる開放手段;を有する。保持領域の例が米国特許4,323,528に記載されている。保持領域を用いるか否かに拘わらず、次に、混合物を、ダイを通して大気圧のようなより低い圧力領域中に押し出す。
【0029】
ポリスチレンのようなアルケニル芳香族ポリマーに適用される一態様によれば、図1に示される二押出機タンデムシステム10を、本発明の発泡体物品(例えばシート)を押し出すために用いることができる。ポリマー樹脂ペレットを、所望の場合には1種以上の添加剤(例えば、成核剤及び/又は安定性制御剤)と混合して供給混合物を形成し、これを第1押出機13のホッパー11中に連続的に供給する。螺旋スクリューによって供給混合物が押出機のバレル内を前方に搬送され、供給混合物が、発泡剤注入領域に到達する前に、混合され、圧縮され、加熱され、溶融される。発泡剤ブレンド(ギ酸メチルを含み、場合によって少なくとも一種の共発泡剤を含む)がポイント15において添加される。しかして、本発明の発泡剤ブレンドは、ポリマーが溶融する供給領域を過ぎた時点でポリマー/添加剤混合物(供給混合物)中に注入される。所望の場合には、発泡剤ブレンドは、第2押出機中を含む他の位置で注入することができる。
【0030】
発泡剤ブレンドの注入に続いて、混合物を、第1押出機13中で連続的に混合する。例示する態様の第1押出機13中の出口圧力は、概して、約2000〜約4000psi(13.8MPa〜27.6MPa)の範囲である。例示する態様の第1押出機13の温度は、概して、約400〜約475°F(204〜246℃)の範囲である。次に、混合物を、発泡剤ブレンドが溶液で保持されるのに十分に高い圧力で、中空のアダプターセクション17を通して、冷却された第2のタンデム押出機19中に通過させる。溶融した混合物が、低い剪断下で冷却された第2押出機の長さに沿って通過し、ここで冷却及び更なる混合が起こる。例示する態様の第2押出機19の出口圧力は、概して、約1000〜約2500psi(6.9MPa〜17.2MPa)の範囲である。例示する態様の第2押出機19からの押出物の温度は、概して、約250〜約320°F(121〜160℃)の範囲である。概して、第1押出機の温度は、ポリマー及び全ての添加剤を溶融し、有効な混合を進めるのに十分でなければならない。第2押出機における温度及び圧力は、ポリマー及び発泡剤ブレンドを均一な溶液として保持するのに十分でなければならない。温度、圧力、及び記載した他の条件は、本方法において用いる熱可塑性ポリマーの特性に依存して変動する可能性があると理解すべきである。用いられる特定の条件は当業者に明白である。
【0031】
次に、混合物を、細長いバブル又はチューブ23の形態の環状ダイ21を通して絞り出す。図1の発泡性ポリマーは、膨張し、冷却・サイジングドラム25の円筒状の表面上を引っ張られ、スリットを通して引っ張られてシート素材27を形成する。シート素材27は、1以上の巻き取りリール29に巻き取られる。また、発泡性混合物を、平ダイのような異なる構造のダイを通して絞り出して、板材又は厚板材の形態に膨張させることができるようにする。
【0032】
製造した物品がシートである場合には、シートの厚さは約0.5インチ(1.27cm)以下であってよい。製造した物品が厚板材である場合には、厚さは、概して0.5インチ(1.27cm)よりも大きい。押出チューブから製造した物品は、概して、厚さが約0.020〜約0.25インチ(0.051〜0.645cm)である。
【0033】
用いる材料及び方法に依存して、得られる発泡物品は、概して、約1〜約15lb/ft(0.016〜0.240g/cm)、より典型的には約2.0〜約9.0lb/ft(0.032〜0.144g/cm)の密度を有する。更に、且つ本発明の一つの好ましい態様によれば、得られる発泡物品は、実質的に独立気泡構造を有し、約85%を超える独立気泡、より典型的には約95%を超える独立気泡を有する発泡体としてここで定義される。また、且つ本発明の他の態様によれば、得られる発泡物品は、15%以上の開放気泡、例えば20%、25%、30%或いはこれ以上の開放気泡を有して形成することができる。更に、得られる発泡構造体は、1インチあたり少なくとも約20セル(1cmあたり8セル)、例えば1インチあたり少なくとも25、30、35、40、45又は50セル(1cmあたり約10、12、14、16、18又は20セル)を含むように制御することができる。
【0034】
本発明の発泡体は、断熱材のために、或いは建材として、種々の容器及び包装システムにおいて、或いは保護若しくは柔軟包装材として用いることができる。一般的に言えば、発泡体シートは柔軟並びに剛性の包装において使用され、発泡体厚板材は保護包装において使用される。発泡体シート及び厚板材に加えて、本発明は、棒材、管材又は成形部材のような他の形状の形態をとることができる。
【0035】
本発明の発泡体に関する他の用途、並びにその製造のための好適なプロセス、装置、機器、器具及びシステムは、米国特許及び公開公報6,136,875、6,696,504、2004/0132844及び2004/0006149に記載されている(これらのそれぞれの内容は参照として本明細書に包含する)。
【0036】
本発明の得られる発泡体は、望ましくは「寸法的に安定」である。ここで規定する「寸法的に安定」とは、3〜7日経時変化させた後に、発泡体の密度又はゲージが、発泡体の密度又はゲージから約15%を超えて、好ましくは10%を超えて、より好ましくは5%を超えて変化しないことである。
【実施例】
【0037】
種々の発泡剤を試験して、下表1に示す結果を得た。具体的には、幾つかのアルケニル芳香族ポリマー発泡体を、本明細書に一般的に記載した押出法にしたがって、比較例の発泡剤及び本発明の発泡剤ブレンドから製造した。表1に報告する種々の実施例においては、機械設備は同一であり、全く同じ方法で操作し、唯一の変更点は発泡剤ブレンドであったことに注意すべきである。全ての本発明の発泡剤ブレンドはギ酸メチルを含んでおり、比較例の発泡剤はギ酸メチルを含んでいなかった。
【0038】
それぞれのアルケニル芳香族ポリマー発泡体を、2.5インチ(6.35cm)及び3.5インチ(8.9cm)の単軸押出機を用いたタンデム押出ラインで製造し、発泡剤を第1押出機中のシングルポートを通して注入した。用いたポリマー樹脂は、1.05g/cmの密度、及び5kgの負荷下で200℃において1.6g/10分のメルトフローレートを有する高熱汎用ポリスチレンであった。発泡剤及びポリスチレン樹脂に加えて、タルクを、発泡剤、ポリマー樹脂及び添加剤の全てを含む全発泡性組成物の2wt%以下の量で加えた。
【0039】
【表1】

【0040】
1.wt%=(成分の重量)/(発泡剤、ポリマー樹脂及び添加剤の全てを含む発泡性組成物の全重量)
2.Comp=比較例;inv=本発明の実施例
3.MF=ギ酸メチル
4.押出発泡体1インチあたりのセルの数は210〜420(82〜165セル/cm)の範囲であった。セルサイズ(直径で表示)は、少なくとも24時間経時変化させ、次にx及びy軸方向に機械的に拘束をかけながら240°F(115.5℃)の油浴中で2分間z軸方向に(厚さ方向に沿って)膨張させた押出シートの走査電子顕微鏡画像から測定した。これらの更に膨張させた試料における1インチあたりのセルの数は110〜210(43.3〜82.5/cm)であった。
5.%ゲージ変化=100×(経時変化後のゲージ−初期ゲージ)/初期ゲージ:初期ゲージは押出の15分以内に測定した。
【0041】
表1の上記の発泡体の全ては、3〜7日の経時変化にかけた後に、ゲージにおける更なる大きな変化が認められなかったので、寸法的に安定であった。表1の発泡体の全ては、本発明の実施例2を除いて、押出後の成長を示したことに注意すべきである。この一方向の変化は、発泡体が時間につれて収縮又は膨張する従来用いられている寸法安定性の定義とは異なる。本明細書で記載した組成物は、環境に優しくコスト的に有効な方法によって製造される安定な発泡構造体を与える。更に、本発明によれば、好適で望ましい特性を有する種々の発泡体を形成することができる。例えば、本発明の実施例3は、最も高い割合の開放気泡を含み、したがって、発泡体の可燃性特性は、発泡剤ブレンドの可燃性成分の速やかな消失のために開放気泡の割合が増加するにつれて減少するので、有利である。他の実施例においては、本発明の組成物2〜5は、空気の品質に対して最も低いごく僅かな影響しか与えない成分を含む。比較例2は、ポリスチレン発泡体シート又は膨張ビーズの製造において広く用いられている典型的な配合物である。同様に広く用いられているこの配合物の他の変形点は、イソペンタンをイソブタン又はn−ブタンで置き換えたことである。本発明の実施例6〜14は、同様の特性を有する発泡体シート(ひいては膨張ビーズ)を、炭化水素VOC発泡剤の使用を大きく減少させた配合物を用いてどのようにして製造することができたかを示す。更に、表1の全ての配合物における発泡剤の全モル数は、同等(加工した全材料100gあたり約0.07モル)であったことに注意すべきである。而して、異なる密度を有する発泡体を実現することは、単純に発泡剤ブレンドの有効な揮発性を反映している。ブレンド組成を変化させて、より高い揮発性を有する成分をより豊富にすることによって、より低い密度の発泡体を得ることができ、また、より多くのモル数の発泡剤ブレンドを用いることによって、密度を更に低下させることができることは、当業者には明白である。表1の本発明の組成物のそれぞれは、安定で製造及び取り扱いが容易な発泡体を与える。
【0042】
本発明を1以上の特定の態様に関して説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく多くの変化をそれに対して行うことができることを認識するであろう。これらの態様及びその明らかな変更のそれぞれは、特許請求の範囲で示す発明の精神及び範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の一態様に従う発泡剤ブレンドを用いた発泡シートの製造において包含される操作の全体的な流れの概略フロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性アルケニル芳香族ポリマーを溶融し;
アルケニル芳香族ポリマー中に、ギ酸メチルを含む有効量の発泡剤ブレンドを溶解し;
押出物を形成し;
押出物を膨張させてアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体を生成する;
工程を含む方法によって製造されるアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項2】
発泡剤ブレンドが更に少なくとも一種の共発泡剤を含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項3】
少なくとも一種の共発泡剤が、物理的共発泡剤、化学的共発泡剤、又はこれらの組み合わせである請求項2に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項4】
少なくとも一種の共発泡剤が物理的共発泡剤である請求項3に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項5】
物理的共発泡剤が、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項4に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項6】
物理的共発泡剤が、二酸化炭素、水、空気、窒素、アルゴン、キセノン、六フッ化硫黄、亜酸化窒素、アンモニア、四フッ化ケイ素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される無機薬剤である請求項5に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項7】
無機薬剤が二酸化炭素である請求項6に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項8】
無機薬剤が水である請求項6に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項9】
物理的共発泡剤が、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、ジメチルエーテル、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項5に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項10】
少なくとも一種の共発泡剤が化学的共発泡剤である請求項3に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項11】
発泡剤ブレンドが約20モル%〜約80モル%のギ酸メチルを含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項12】
アルケニル芳香族ポリマー発泡体がポリスチレンを含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項13】
アルケニル芳香族ポリマー発泡体が約1〜15lb/ft(0.016〜0.240g/cm3)の密度を有する請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項14】
押出物が約1〜約18wt%の発泡剤を含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項15】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が1インチあたり少なくとも20セルを含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項16】
方法が、押出物形成工程の前に、成核剤を熱可塑性アルケニル芳香族ポリマーと混合する工程を更に含む請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項17】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が実質的に独立気泡構造体である請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項18】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が寸法的に安定である請求項1に記載のアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体。
【請求項19】
熱可塑性アルケニル芳香族ポリマーを溶融し;
アルケニル芳香族ポリマー中に、ギ酸メチルを含む有効量の発泡剤ブレンドを溶解し;
押出物を形成し;
押出物を膨張させてアルケニル芳香族ポリマー発泡構造体を生成する;
工程を含む、アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体の製造方法。
【請求項20】
発泡剤ブレンドが更に少なくとも一種の共発泡剤を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一種の共発泡剤が、物理的共発泡剤、化学的共発泡剤、又はこれらの組み合わせである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一種の共発泡剤が物理的共発泡剤である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
物理的共発泡剤が、無機薬剤、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、アセタール、アルカノール、カーボネート、アミン、ケトン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
物理的共発泡剤が、二酸化炭素、水、空気、窒素、アルゴン、キセノン、六フッ化硫黄、亜酸化窒素、アンモニア、四フッ化ケイ素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される無機薬剤である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
無機薬剤が二酸化炭素である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
無機薬剤が水である請求項24に記載の方法。
【請求項27】
物理的共発泡剤が、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、ジメチルエーテル、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項23に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一種の共発泡剤が化学的共発泡剤である請求項21に記載の方法。
【請求項29】
発泡剤ブレンドが約20モル%〜約80モル%のギ酸メチルを含む請求項19に記載の方法。
【請求項30】
アルケニル芳香族ポリマー発泡体がポリスチレンを含む請求項19に記載の方法。
【請求項31】
アルケニル芳香族ポリマー発泡体が約1〜15lb/ft(0.016〜0.240g/cm3)の密度を有する請求項19に記載の方法。
【請求項32】
押出物が約1〜約18wt%の発泡剤を含む請求項19に記載の方法。
【請求項33】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が1インチあたり少なくとも20セルを含む請求項19に記載の方法。
【請求項34】
押出物形成工程の前に、成核剤を熱可塑性アルケニル芳香族ポリマーと混合する工程を更に含む請求項19に記載の方法。
【請求項35】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が実質的に独立気泡構造体である請求項19に記載の方法。
【請求項36】
アルケニル芳香族ポリマー発泡構造体が寸法的に安定である請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−512509(P2008−512509A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530314(P2007−530314)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/030983
【国際公開番号】WO2006/028851
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(500134698)パクティヴ・コーポレーション (16)
【Fターム(参考)】