説明

クライアント端末をアイドル・モードからアクティブ・モードに切り替えるための方法

本発明は、クライアント端末(1)をアイドル・モード(6)からアクティブ・モード(4)に切り替えるための方法であって、プロバイダ(3)がストリーム(5)をネットワーク(2)を通して前記クライアント端末に送信し、アクティブ化フラッグがストリームに応じてプロバイダ(3)によってストリーム(5)に挿入され、フラッグを立てられたストリーム(5)のネットワーク(2)を通しての送信後に、前記ネットワークがクライアント(1)端末のモードを確認し、クライアント端末(1)がアイドル・モードにある場合は、端末(1)がアクティブ化フラッグに応じてネットワーク(2)によってアクティブ・モード(4)に切り替えられる(7)、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロバイダが、前記プロバイダによってストリームに添付された情報に基づくポリシに従って、前記ストリームをネットワークを介してクライアント端末に送信した時に前記端末をアイドル・モードからアクティブ・モードに切り替えるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、端末は、特に無線である場合は、安定した電池寿命を必要とする。例えば、現在、モバイルフォンは大画面、カメラ、ゲーム、タクタイル・キー、又はMP3プレーヤなど多くの特徴を有するが、これらの特徴はモバイルフォンの電池の自律性を弱める。
【0003】
さらに、モバイルフォンは、音声通話、スパム、ショート・メッセージ・サービス、又はビデオを受信した時に、アイドル・モードから、より多くの電池を使用するアクティブ・モードに切り替わる。
【0004】
よく知られている状態はアイドル・モードであり、このモードでは端末が低消費モードに切り替わる。アイドル・モードにある端末は、いかなるタイプのストリームによってでも、そのストリームを送信したプロバイダが何であっても、受信ネットワークによって一方的に適用されるポリシに従ってアクティブ・モードに切り替えられる。
【0005】
選択アクティブ・モード手順の概念を導入する他の解決策が存在する。そのような場合には、端末は、特定のプロバイダによって送信されたストリームによってしかアクティブ・モードに切り替えられない。例えば、音声通話はアクティブ・モード手順をトリガすることができるが、インターネット・メッセージはできない。いずれにしても、ポリシは受信ネットワークによって一方的に適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、具体的には、クライアント端末の電池の電力消費量を最適化するために、任意のプロバイダによって任意のストリームに添付された情報のネットワークによる認識によってクライアント端末をアイドル・モードからアクティブ・モードに切り替えるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的のために及び第1の態様によれば、本発明は、クライアント端末をアイドル・モードからアクティブ・モードに切り替えるための方法であって、プロバイダがネットワークを通して前記クライアント端末にストリームを送信し、アクティブ化フラッグがストリームに応じてプロバイダによってストリームに挿入され、フラッグを立てられたストリームをネットワークを通して送信した後に、前記ネットワークがクライアント端末のモードを確認し、クライアント端末がアイドル・モードにある場合は、端末がアクティブ化フラッグに応じてネットワークによってアクティブ・モードに切り替えられる、方法に関する。
【0008】
本発明は、添付の図面と併せて読まれる場合、以下の説明から最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるクライアント端末のアイドル・モードからアクティブ・モードへの切替えの一実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、クライアント端末1は、クライアント端末1がアクティブ・モード4にある時にネットワーク2を通してストリーム5を送受信する。
【0011】
ネットワーク2は、この端末に遠くのサービス・プロバイダ、アプリケーション又は別の遠くの端末などのプロバイダ3から受信した情報又はストリーム或いはトラフィック5を転送する。
【0012】
以下の実施形態では、遠くのサービス・プロバイダ3からクライアント端末1に送信されたストリーム5の説明が行われる。例えば、ストリーム5は、音声通話、メッセージ(SMS)、又はIPストリームに関してもよい。
【0013】
クライアントが自分の端末1を使用しない時は、端末1はその電池を節約するために、その電力消費量を低減するアイドル・モード6に入る。
【0014】
通常、ネットワークはエンドツーエンド・ストリームを、例えば遠くのサービス・プロバイダからクライアント端末に転送し、ストリームの前記転送は、受信されたストリームごとにクライアント端末をアクティブ・モードに切り替える。
【0015】
本発明は、クライアント端末3の電池寿命を最適化するために、ストリーム5の重要度を示すストリーム5に添付された情報に応じてクライアント端末3をアイドル・モード6からアクティブ・モード4に切り替えるための方法を提案する。
【0016】
本方法はサービス・プロバイダ3によってストリーム5に添付された前記情報の認識を可能にするので、ネットワークは前記情報に基づいてクライアント端末1をアイドル・モード6からアクティブ・モード4に切り替えるか否か7を決めることができる。
【0017】
第1に、本方法は、遠くのサービス・プロバイダ3による指示手段を提供することができるようにする。したがって、アクティブ化フラッグ又はタグなどの指示手段は、ストリームのタイプ及び/又はストリームの優先度に応じてアクティブ化ポリシを示すためにストリーム5に挿入されることが可能である。
【0018】
アクティブ化フラッグは、所望のアクティブ化ポリシをネットワーク2に示すために遠くのサービス・プロバイダ3によって挿入され、前記アクティブ化ポリシは、例えば、クライアント端末1がアイドル・モード6からアクティブ・モード4に切り替えられる7か否かにある。
【0019】
一実施形態によれば、遠くのサービス・プロバイダ3がクライアント端末1が特定のタイプのストリーム5を受信することを望む場合は、遠くのサービス・プロバイダ3はクライアント端末が前記ストリーム5のためにアイドル・モード6からアクティブ・モード4に切り替えられなければならないことをネットワーク2に示すアクティブ化フラッグを挿入する。
【0020】
前の実施形態と結合されることが可能である他の実施形態によれば、遠くのサービス・プロバイダ3は、ストリーム5が高い優先度を有することをネットワーク2に示すアクティブ化フラッグを挿入して、クライアント端末1が前記ストリームを受信するためにアイドル・モード6からアクティブ・モード4に確実に切り替えられるようにすることができる。
【0021】
遠くのサービス・プロバイダ3は、最適のやり方で前記アクティブ化フラッグを使用するために、ストリームを粒度、重要度、又はストリームのタイプに関してランク付けするために様々なタイプのアクティブ化フラッグを挿入することができる。
【0022】
さらに、アクティブ化フラッグは、パケット・ヘッダに挿入されることが可能である。例えば、アクティブ化フラッグは、IPヘッダ又はイーサネット・ヘッダに挿入されることが可能である。
【0023】
さらに、アクティブ化フラッグは、バイナリ値又は粒度によって優先度を示すことができる。
【0024】
例えば、バイナリ値は「切り替える又は切り替えない」、或いは「1又は0」であることができ、粒度は「切り替えず、クライアント端末がアイドル・モードにあることを示すリターン・メッセージを送信する」であることができる。
【0025】
ネットワーク2は、アクティブ化フラッグに示されているアクティブ化ポリシを検出するために検出手段を備える。
【0026】
クライアント端末1の切替えか否か7を決めなければならないストリームのタイプ及び/又はストリームの優先度に関するアクティブ化ポリシは、遠くのサービス・プロバイダ3又は前記クライアント端末によって予め決められる。
【0027】
ネットワーク2は、ストリーム5を受信すると、まずクライアント端末1のモードを確認し、
− クライアント端末1がアクティブ・モード4にある場合は、ストリーム5はネットワーク2によって前記クライアント端末に直接送信され、
− クライアント端末がアイドル・モード6にある場合は、ネットワーク2は、アクティブ化ポリシを識別するために、検出手段を使用して前記ストリーム5のアクティブ化フラッグを検出する。
【0028】
クライアント端末1がアイドル・モード6にあり、所与のアクティブ化フラッグを有するストリーム5がネットワーク2に到着した時は、いくつかのシナリオが可能である。
【0029】
例えば、ネットワーク2が遠くのサービス・プロバイダから又は別のクライアント端末3から音声通話であるストリーム5を受信した時は、前記ストリームは高い優先度を示すアクティブ化フラッグを有する。
【0030】
そのような高い優先度では、クライアント端末1は、常に、ネットワーク2によってアクティブ・モード6に切り替えられる。その上に、クライアント端末1にクライアント端末1のアクティブ化を示すためにリターン・メッセージがネットワーク2によって配信されることが可能である。
【0031】
第2の実施例によれば、ネットワーク2は、低い優先度を示すアクティブ化フラッグを有するストリーム5を受信する。
【0032】
これは、例えば、SMS広告又はよく知られている他のタイプの広告の場合である。
【0033】
その第2の実施例では、アクティブ化フラッグの指示に応じて様々な場合が考えられ得る。
【0034】
第1の場合では、ストリーム5が望まれないと考えられる。その場合は、前記ストリームは、クライアント端末1に配信されず、したがって、クライアント端末1はアクティブ・モード4に切り替えられない。望まれないストリームは、例えば、ピンのような機構を有するストリームである。
【0035】
この場合、遠くのサービス・プロバイダ3は、クライアント端末1がアイドル・モードにあること、及びネットワーク2がクライアント端末1をアクティブ・モード4に切り替えずストリーム5を廃棄することを示すリターン・メッセージを受信することができる。
【0036】
その上に、アクティブ化フラッグはネットワーク2に、ストリーム5を特に再送信するために、クライアント端末1がアクティブ・モードになった時にネットワーク2がプロバイダ3にアラートしなければならないことをさらに示すことができる。
【0037】
他の場合には、ストリーム5は望まれないと考えられないが、前記ストリームのアクティブ化フラッグが低すぎる優先度を有するので、アイドル・モードにあるクライアント端末1に配信されることが不可能である。例えば、ストリーム5は、ソフトウェア・アップグレード及び/又はパッチのダウンロードに関してよい。
【0038】
それらの場合には、アクティブ化フラッグはネットワーク2に、クライアントがアイドル・モードにある時はネットワーク2がストリーム5をバッファすることができることを示すことができる。1つの場合には、ストリーム5は、クライアント端末1のアクティブ化後にだけ配信されることが可能である。
【0039】
他の場合には、アクティブ化フラッグは、バッファするための待ち時間をさらに示す。このようにして、ストリーム5は、クライアント端末1のモードが何であっても、待ち時間後にクライアント端末1に配信されることが可能である。代替として、ストリーム5は、クライアント端末1のモードが何であっても、待ち時間が終わる前にいつでもクライアント端末1に配信されることが可能である。
【0040】
例えば、アクティブ化フラッグは、ストリーム5に属する受信されたパケットがネットワーク2の中に所与の長さ(例えば60秒)を超えない期間中バッファされることが可能であることを示すことができる。そのような期間が終わる前に、クライアント端末1がアクティブ化されなければならず、パケットが配信されなければならない。その上に、ネットワークは、期間内にパケットを配信することができない場合は、そのような問題をプロバイダ3に通知するためにリターン・メッセージを送信することができる。次いで、パケットは、依然として最善を尽くして配信されるか、又は廃棄されることが可能である。
【0041】
その上に、アクティブ化フラッグは、ストリーム5を前記ストリームのリアルタイムの必要条件に応じてクライアント端末1に配信するために必要な最大時間を示すことができる。
【0042】
例えば、ネットワーク2はコンタクトリスト更新のストリーム5を受信してからそれをクライアント端末1に送信するのに最大数分を必要とする。
【0043】
アクティブ化フラッグ内のそのようなタイプのアクティブ化ポリシは、最大時間の終わりが示されるまで待ってから、ネットワーク2に現在バッファされているストリームを全て送信することを可能にする。その場合、それらのストリーム5は全て同時にクライアント端末1に送信され、このことはクライアント端末1のアクティブ・モード4への切替えを最適化することを可能にする。
【0044】
本発明の利点のうちの1つは、本発明は、全てのタイプの遠くのサービス・プロバイダ、ネットワーク、ストリーム、及び技術と協働することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線クライアント端末(1)をアイドル・モード(6)からアクティブ・モード(4)に切り替えるための方法であって、プロバイダ(3)がネットワーク(2)を通して前記クライアント端末にストリーム(5)を送信し、アクティブ化フラッグが前記ストリームに応じてプロバイダ(3)によってストリーム(5)のパケット・ヘッダに挿入され、前記フラッグを立てられたストリーム(5)を前記ネットワーク(2)を通して送信した後に、前記ネットワークが前記クライアント端末(1)のモードを確認し、前記端末(1)がアイドル・モードにある場合は、前記端末(1)が前記アクティブ化フラッグに応じて前記ネットワーク(2)によってアクティブ・モード(4)に切り替えられる(7)、方法。
【請求項2】
前記アクティブ化フラッグがストリーム(5)のタイプ及びストリーム(5)の優先度に依存することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ストリーム(5)の前記パケット・ヘッダがIPヘッダ又はイーサネット・ヘッダであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アクティブ化フラッグがバイナリ値であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アクティブ化フラッグが粒度であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記アクティブ化フラッグが前記ネットワーク(2)の検出手段によって認識され、前記アクティブ化フラッグが所与のアクティブ化ポリシを選択するために使用されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アクティブ化フラッグが前記ネットワーク(2)に、前記クライアント端末(1)がアイドル・モードにある場合は前記ネットワーク(2)が前記ストリーム(5)を廃棄しなければならないことを示すことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記アクティブ化フラッグが前記ネットワーク(2)に、前記クライアント端末(1)がアクティブ・モードになった場合は前記ネットワーク(2)が前記プロバイダ(3)にアラートしなければならないことをさらに示すことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アクティブ化フラッグが前記ネットワーク(2)に、前記クライアント端末(1)がアイドル・モードにある場合は前記ネットワーク(2)が前記ストリーム(5)をバッファすることができることを示すことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ストリーム(5)が前記端末のアクティブ化後に前記クライアント端末(1)に配信されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アクティブ化フラッグが、バッファするための待ち時間をさらに示すことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワーク(2)が前記クライアント端末(1)のモードを示すためにリターン・メッセージを前記プロバイダ(3)に配信することを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−528881(P2011−528881A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519111(P2011−519111)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058804
【国際公開番号】WO2010/009988
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】