説明

クライミング工法およびクライミング装置

【課題】クライミング時間を短縮することができるクライミング工法およびクライミング装置を提供する
【解決手段】マスト3にクレーン本体4と共に昇降自在に設けられる第1の昇降支持体31と、この第1の昇降支持体31に対して相対変位可能に昇降自在に設けられる第2の昇降支持体32および第3の昇降支持体33と、第1の昇降支持体31と第2の昇降支持体32とを連結する第1の昇降シリンダ35と、第1の昇降支持体31と第3の昇降支持体33とを連結する第2の昇降シリンダ36とを備えるクライミング装置5を用いてクレーン本体4を昇降させるクライミング動作を実施する際、第1の昇降シリンダ35および第2の昇降シリンダ36のうち、いずれか一方の昇降シリンダを収縮させると同時に、いずれか他方の昇降シリンダを伸長させるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばタワークレーンに装備されるクレーン本体をクライミングさせるのに用いられて好適なクライミング工法およびクライミング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に建設工事において使用されているタワークレーンとしては、建造物の建築作業に際して、工事の進捗に合わせて揚程を順次高める必要があることから、クレーン本体を所要の高さ位置までマストセグメントを継ぎ足しながら上昇させる形式のものが多く採用されている。このマストセグメントを継ぎ足しながらクレーン本体を上昇させるクライミング工法を具体的に実現する装置として、例えば特許文献1にて開示されているクライミング装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−280367号公報
【0004】
この特許文献1に係るクライミング装置100は、図15に示されるように、第1の昇降支持体101と、第2の昇降支持体102とを備えている。
第1の昇降支持体101は、直立状態で設置されるマスト103に図示されないクレーン本体と共に昇降自在に設けられている。この第1の昇降支持体101には、マスト103の支持孔103aに対して抜き差し可能な上部係止ピン104が装備されている。
一方、第2の昇降支持体102は、第1の昇降支持体101に対して相対変位可能に昇降自在に設けられている。この第2の昇降支持体102には、マスト103の支持孔103aに対して抜き差し可能な下部係止ピン105が装備されている。
第1の昇降支持体101と第2の昇降支持体102とは、油圧シリンダからなる昇降シリンダ106によって連結されている。昇降シリンダ106を伸長操作すると、第1の昇降支持体101に対して第2の昇降支持体102を相対的に下降させる動作が行われる。一方、昇降シリンダ106を収縮操作すると、第1の昇降支持体101に対して第2の昇降支持体102を相対的に上昇させる動作が行われる。
【0005】
そして、昇降シリンダ106の伸縮操作と、マスト103に対する上部係止ピン104の抜き差し操作と、マスト103に対する下部係止ピン105の抜き差し操作とにより、マスト103に反力をとって図示されないクレーン本体のクライミング動作が行われる。
【0006】
次に、従来のクライミング装置100を用いたクライミング動作について、図16および図17を用いてより詳しく説明する。なお、以下においては、後述する本発明の実施の形態との比較を容易にするため、マスト103に代えて、係止ピン104,105を掛け止め可能な梁部材107を備えてなるマスト103´に対してクライミング動作を行う例を説明する。
【0007】
図16(a)には、クライミング動作開始前のクライミング初期状態が示されている。
このクライミング初期状態において、上部係止ピン104および下部係止ピン105はそれぞれマスト103´に差し込まれて梁部材107に掛け止められている。また、昇降シリンダ106は、全縮み状態から若干伸びた状態にある(第0工程)。
この初期状態において、昇降シリンダ106を少しだけ伸ばして、同図(b)に示されるように、上部係止ピン104を梁部材107から少しだけ浮き上がらせ、上部係止ピン104をマスト103´から抜き出し可能な状態とする(第1工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、上部係止ピン104をマスト103´から抜き出す(第2工程)。
次いで、同図(d)に示されるように、昇降シリンダ106を伸長させて全伸び状態とする(第3工程)。
そして、同図(e)に示されるように、上部係止ピン104をマスト103´に差し込む(第4工程)。
【0008】
その後、図17(a)に示されるように、昇降シリンダ106を少しだけ縮めて下部係止ピン105を梁部材107から少しだけ浮き上がらせ、下部係止ピン105をマスト103´から抜き出し可能な状態とする(第5工程)。
次いで、同図(b)に示されるように、下部係止ピン105をマスト103´から抜き出す(第6工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、昇降シリンダ106を収縮させて全縮み状態とする(第7工程)。
そして、同図(d)に示されるように、下部係止ピン105をマスト103´に差し込む(第8工程)。
【0009】
こうして、上記の第1工程から第8工程を実施することにより、図示されないクレーン本体を昇降シリンダ106の1ストローク分だけ上昇させる動作が行われ、これら第1工程から第8工程を繰り返し実行することにより、クレーン本体を所要の高さ位置まで上昇させることができる。
【0010】
ところで、上記の第1工程から第8工程で示される一連のクライミング動作を終えた後、次のクライミング動作を実施するにあたっては、第6工程(図17(b)参照)から第7工程(同図(c)参照)に示されるように、一旦全伸び状態にまで伸ばしきった昇降シリンダ106を全縮み状態にまで収縮させる操作が必要である。この昇降シリンダ106の全縮み操作の間は、クレーン本体の上昇動作が滞ることになる。
このため、特許文献1に係るクライミング装置を用いたクライミング工法では、クライミング時間が長くなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、クライミング時間を短縮することができるクライミング工法およびクライミング装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、第1発明によるクライミング工法は、
直立状態で設置されるマストにクレーン本体と共に昇降自在に設けられる第1の昇降支持体と、この第1の昇降支持体に対して相対変位可能に昇降自在に設けられる第2の昇降支持体および第3の昇降支持体との協働により、前記クレーン本体を昇降させるクライミング工法であって、
前記第1の昇降支持体と前記第2の昇降支持体とを連結する第1の昇降シリンダおよび前記第1の昇降支持体と前記第3の昇降支持体とを連結する第2の昇降シリンダのうち、いずれか一方の昇降シリンダを収縮させると同時に、いずれか他方の昇降シリンダを伸長させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0013】
次に、第2発明によるクライミング装置は、
直立状態で設置されるマストにクレーン本体と共に昇降自在に設けられる第1の昇降支持体と、この第1の昇降支持体に対して相対変位可能に昇降自在に設けられる第2の昇降支持体および第3の昇降支持体との協働により、前記クレーン本体を昇降させるように構成されるクライミング装置であって、
前記第1の昇降支持体と前記第2の昇降支持体とを連結する第1の昇降シリンダと、
前記第1の昇降支持体と前記第3の昇降支持体とを連結する第2の昇降シリンダと、
前記第1の昇降シリンダおよび第2の昇降シリンダの伸縮動作を制御する昇降シリンダ制御手段とを備え、
前記昇降シリンダ制御手段は、前記第1の昇降シリンダおよび第2の昇降シリンダのうち、いずれか一方の昇降シリンダを収縮させると同時に、いずれか他方の昇降シリンダを伸長させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、次のクライミング動作の準備のために、第1の昇降シリンダおよび第2の昇降シリンダのうちのいずれか一方の昇降シリンダの収縮操作が行われる際、この収縮操作と同時に、いずれか他方の昇降シリンダの伸長操作が行われる。
本発明によれば、一方の昇降シリンダの収縮操作が行われている間でも、他方の昇降シリンダの伸長操作によってクレーン本体が上昇されるので、従来と比べてクライミング時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るクライミング装置が装備されたタワークレーンの全体図
【図2】図1のA部拡大図(a)および(a)のB矢視図(b)
【図3】本実施形態のクライミング装置の全体斜視図
【図4】図3のC矢視図
【図5】図3のD矢視図
【図6】図4のE−E線断面図
【図7】図5のF−F線断面図
【図8】図5のG−G線断面図
【図9】油圧制御系の概略システム構成図
【図10】本実施形態のクライミング装置によるクライミング動作説明図(1)
【図11】本実施形態のクライミング装置によるクライミング動作説明図(2)
【図12】本実施形態のクライミング装置によるクライミング動作説明図(3)
【図13】本実施形態のクライミング装置によるクライミング動作説明図(4)
【図14】本実施形態のクライミング装置によるクライミング動作説明図(5)
【図15】従来のクライミング装置の全体斜視図
【図16】従来のクライミング装置によるクライミング動作説明図(1)
【図17】従来のクライミング装置によるクライミング動作説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明によるクライミング工法およびクライミング装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1には、本発明の一実施形態に係るクライミング装置が装備されたタワークレーンの全体図が示されている。
【0018】
<タワークレーンの概略構成>
図1に示されるタワークレーン1は、支持ベース2と、マスト3と、クレーン本体4と、クライミング装置5とを備えている。
【0019】
<支持ベースの説明>
支持ベース2は、マスト3を直立状態で設置するための基礎を形成するものであり、マスト3が取り付けられるマスト取付座部2aに脚部2bが四方に張り出すように設けられて構成されている。
【0020】
<マストの説明>
マスト3は、その基部を構成する基部マストセグメント3aと、所定の長さ寸法の所要のマストセグメント3bとにより構成されている。
基部マストセグメント3aは、支持ベース2上において、マスト取付座部2aに固定され、四方の脚部からのステー6によって安定的に支持されている。この基部マストセグメント3a上で所要のマストセグメント3bが順次にボルト締結によって継ぎ足されることにより、所要高さのマスト3が構築される。
【0021】
<マストセグメントの説明>
図2(a)(b)に示されるように、マストセグメント3bは、四隅に配置される支柱部材11,11,11,11を備えている。
互いに隣接する支持部材11,11は、上下方向に所定間隔を存して配置される所要の梁部材12,・・・,12によって接続されている。
図2(a)に示されるように、マストセグメント3bにおける第1側面部とその第1側面部の反対側の第3側面部とにおいて、互いに隣接する支持部材11,11と上下に配される梁部材12,12とによって形成される四角枠部分には、対角線状に1本の筋交い部材13が組み込まれている。
図2(b)に示されるように、マストセグメント3bにおける第2側面部とその第2側面部の反対側の第4側面部とにおいて、互いに隣接する支持部材11,11と上下に配される梁部材12,12とによって形成される四角枠部分には、上下の梁部材12,12を繋ぐように2本の筋交い部材14,14が八の字状に組み込まれている。
互いに隣接する支持部材11,11の上端同士は、当該マストセグメント3bの上端面を形成する上端板状部材15によって接続されている。この上端板状部材15は、当該マストセグメント3bの上側に位置する別のマストセグメント3bの下端面と突き合わされてボルト締結の際のボルト締結面を形成する。
互いに隣接する支持部材11,11の下端同士は、当該マストセグメント3bの下端面を形成する下端板状部材16によって接続されている。この下端板状部材16は、当該マストセグメント3bの下側に位置する別のマストセグメント3bの上端面と突き合わされてボルト締結の際のボルト締結面を形成する。
【0022】
<クレーン本体の説明>
図1に示されるように、クレーン本体4は、旋回フレーム21を備えている。この旋回フレーム21は、後述する第1の昇降支持体31の支持座44に組み付けられた旋回輪フレーム22に旋回輪23を介して旋回自在に支持されている。
旋回フレーム21には、ジブ24が起伏可能に取り付けられるとともに、このジブ24を支持するジブ支持フレーム(ガントリー)25が立設されている。また、旋回フレーム21には、ジブ24を起伏させる起伏ロープ26の駆動用の起伏機27と、吊りロープ28の操作用の巻上機29とが設置されている。
【0023】
<クライミング装置の概略説明>
図3〜図5に示されるように、クライミング装置5は、第1の昇降支持体31と、第2の昇降支持体32と、第3の昇降支持体33と、案内装置34a,34bと、第1の昇降シリンダ35と、第2の昇降シリンダ36と、油圧制御装置37(本発明の「昇降シリンダ制御手段」に対応する。)とを備えて構成されている。
【0024】
<第1の昇降支持体の説明>
図4〜図5に示されるように、第1の昇降支持体31は、上下方向に所定間隔を存して配される上部四角枠部材41と下部四角枠部材42とが四方に配された4本の縦部材43,43,43,43によって結合されて構成されている。
上部四角枠部材41の四隅の上面側には、支持座44が突出形成されており、これら支持座44には、旋回輪フレーム22が取り付けられている。
上部四角枠部材41と下部四角枠部材42との間には、補強部材としての筋交い部材45が適宜箇所に組み込まれている。
【0025】
<第1の昇降支持体の付設装置の説明>
図7に示されるように、上部四角枠部材41の角部内側には、求心方向に向かって延びる上側ガイドローラブラケット46が取り付けられている。上側ガイドローラブラケット46の先端部には、V形溝を備えた上側ガイドローラ47が回転可能に取り付けられている。上側ガイドローラ47のV形溝は、マストセグメント3bにおける支柱部材11の外側角部に係合するようにされている。
また、図8に示されるように、下部四角枠部材42の内周面には、内向きに延びる下側ガイドローラブラケット48が取り付けられている。下側ガイドローラブラケット48の先端部には、平坦な転動面を備えた下側ガイドローラ49が回転可能に取り付けられている。下側ガイドローラ49の転動面は、マストセグメント3bにおける支柱部材11の外側面に係合するようにされている。これら上側ガイドローラ47および下側ガイドローラ49により、第1の昇降支持体31の軸心とマスト3の軸心とを合致させた状態で、クライミング機構5によるクライミング動作がスムーズに行われる。
また、図3に示されるように、第1の昇降支持体31における上部と下部との外周に沿ってクライミング作業用足場50a,50bが付設されている。
さらに、図6および図7に示されるように、上部四角枠部材41の構成部材で互いに対向配置される上部横桟部材41aおよび上部横桟部材41bには、それぞれ上部係止ピン操作装置51aおよび上部係止ピン操作装置51bが付設されている。
【0026】
<上部係止ピン操作装置の説明>
図6および図7に示されるように、上部係止ピン操作装置51a,51bは、上部横桟部材41a,41bの中央位置でマストセグメント3bの軸心線に直交する向きで貫設された上部係止ピン挿通孔52a,52bに摺動自在に挿入される上部係止ピン53a,53bを備えている。上部係止ピン53a,53bは、その先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52bから突出される位置と、その先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52b内に収められる位置との間で移動可能とされている。
上部係止ピン53a,53bの先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52bから突出されて、マストセグメント3bの梁部材12の上に載った状態にあるとき、第1の昇降支持体31が上部係止ピン53a,53bを介してマスト3に支持される。
【0027】
図7に示されるように、上部係止ピン53a,53bの基端部は、ベルクランク形リンク54a,54bの一端部と連結されている。ベルクランク形リンク54a,54bの中央部は、上部横桟部材41a,41bに設けられたブラケット55a,55bに枢支されている。
ベルクランク形リンク54a,54bの他端部と上部横桟部材41a,41bとは、小型の油圧シリンダからなる上部係止ピン操作シリンダ56a,56bによって連結されている。
【0028】
上部係止ピン操作シリンダ56a,56bを収縮操作すると、上部係止ピン53a,53bの先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52bから突出される。一方、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bを伸長操作すると、上部係止ピン53a,53bの先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52b内に引き込まれる。
こうして、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bの収縮操作と伸長操作とを切り替えることにより、第1の昇降支持体31が上部係止ピン53a,53bによってマスト3に係止された状態と、この係止状態が解除された状態とを切り替えることができる。
【0029】
<第2の昇降支持体、第3の昇降支持体の説明>
図6に示されるように、第2の昇降支持体32は上部横桟部材41aの下方に配置されている。一方、第3の昇降支持体33は上部横桟部材41bの下方に配置されている。
これら第2の昇降支持体32および第3の昇降支持体33は基本的に同じ構造のものであるので、代表として、第2の昇降支持体32の構造を説明することとし、この第2の昇降支持体32の構造説明をもって、第3の昇降支持体33の構造説明を行ったものとする。
【0030】
図8に示されるように、第2の昇降支持体32は、一対の縦部材61,61を備えている。これら縦部材61,61は、上部横桟部材41aの下方で上下方向に延び、下部横桟部材42aの両側部に設けられる下側ガイドローラブラケット48,48に挟まれた状態で互いに所定間隔を存して配置されている。これら縦部材61,61の下部は、横繋ぎ部材62によって結合されている。
【0031】
<第2の昇降支持体、第3の昇降支持体の付設装置の説明>
図6に示されるように、第2の昇降支持体32および第3の昇降支持体33における横繋ぎ部材62,62には、下部係止ピン操作装置71a,71bが付設されている。
【0032】
<下部係止ピン操作装置の説明>
下部係止ピン操作装置71a,71bは、図6に示されるように、下部係止ピン支持ボス72a,72bと、下部係止ピン73a,73bとを備えている。
下部係止ピン支持ボス72a,72bは、横繋ぎ部材62,62の中央上面部に一体的に設けられている。下部係止ピン支持ボス72a,72bには、マスト3の軸心線に直交する向きに下部係止ピン挿通孔74a,74bが貫設されている。
下部係止ピン73a,73bは、下部係止ピン挿通孔74a,74bに摺動自在に挿入されている。下部係止ピン73a,73bは、その先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74bから突出される位置と、その先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74b内に収められる位置との間で移動可能とされている。
下部係止ピン73a,73bの先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74bから突出されて、マストセグメント3bの梁部材12の上に載った状態にあるとき、第1の昇降支持体31が、第1の昇降シリンダ35および第2の昇降シリンダ36と、第2の昇降支持体32および第3の昇降支持体33と、下部係止ピン73a,73bとを介してマスト3に支持される。
【0033】
下部係止ピン73a,73bの基端部は、下部係止ピン操作リンク75a,75bの一端部に連結されている。下部係止ピン操作リンク75a,75bの他端部は、横繋ぎ部材62,62から外方に突出して設けられる取付アーム76a,76bの先端部に連結されている。
下部係止ピン操作リンク75a,75bの中間部と横繋ぎ部材62,62とは、小型の油圧シリンダからなる下部係止ピン操作シリンダ77a,77bによって連結されている。
【0034】
下部係止ピン操作シリンダ77a,77bを収縮操作すると、下部係止ピン73a,73bの先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74bから突出される。一方、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bを伸長操作すると、下部係止ピン73a,73bの先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74b内に引き込まれる。
こうして、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bの収縮操作と伸長操作とを切り替えることにより、第1の昇降支持体31が下部係止ピン73a,73bによってマスト3に係止された状態と、この係止状態が解除された状態とを切り替えることができる。
【0035】
<案内装置の説明>
図8に示されるように、案内装置34aは、第2の昇降支持体32をマスト3の軸線に沿って昇降案内するものである。
図4に示されるように、案内装置34bは、第3の昇降支持体33をマスト3の軸線に沿って昇降案内するものである。
案内装置34aと案内装置34bは、基本的に同じ構造であるため、代表として、案内装置34aの構造の説明をすることとし、この案内装置34aの構造説明をもって、案内装置34bの構造説明を行ったものとする。
【0036】
図8に示されるように、案内装置34aは、下部横桟部材42aの上面部に立設される一対の案内支持部材81,81を備えている。これら一対の案内支持部材81,81は、第2の昇降支持体32における一対の縦部材61,61を両側から挟むように配置されている。
案内支持部材81,81には、一対の鍔付きのガイドローラ82,82が回転可能に取り付けられている。これら一対のガイドローラ82,82は、縦部材61,61の外側角部を前後方向から挟むように所定の間隔を存して配置されている。これら一対のガイドローラ82,82と同様のガイドローラ82,82が下部横桟部材42aの両側部に設けられた下側ガイドローラブラケット48,48に同様の配置で回転可能に取り付けられている。
これら合計8つのガイドローラ82,・・・,82により、第2の昇降支持体32の昇降動作がスムーズに行われる。
【0037】
<第1の昇降シリンダの説明>
図8に示されるように、第1の昇降シリンダ35は、第1の昇降支持体31に対して第2の昇降支持体32を昇降運動させるための油圧シリンダ(電動シリンダ等でも可)であり、第1の昇降支持体31の上部横桟部材41aと第2の昇降支持体32の横繋ぎ部材62との間に配置されている。
第1の昇降シリンダ35のシリンダ本体の基端部は、上部横桟部材41aに取り付けられたブラケット91aに連結されている。第1の昇降シリンダ35のピストンロッド先端部は、横繋ぎ部材62の中央上面部に一体的に設けられている下部係止ピン支持ボス72aに取り付けられたブラケット92aに連結されている。
第1の昇降シリンダ35を伸長操作すると、第1の昇降支持体31に対して第2の昇降支持体32を相対的に下降させる動作が行われる。一方、第1の昇降シリンダ35を収縮操作すると、第1の昇降支持体31に対して第2の昇降支持体32を相対的に上昇させる動作が行われる。
【0038】
<第2の昇降シリンダの説明>
図4に示されるように、第2の昇降シリンダ36は、第1の昇降支持体31に対して第3の昇降支持体33を昇降運動させるための油圧シリンダ(電動シリンダ等でも可)であり、第1の昇降支持体31の上部横桟部材41bと第3の昇降支持体33の横繋ぎ部材62との間に配置されている。
第2の昇降シリンダ36のシリンダ本体の基端部は、上部横桟部材41bに取り付けられたブラケット91bに連結されている。第2の昇降シリンダ36のピストンロッド先端部は、横繋ぎ部材62の中央上面部に一体的に設けられている下部係止ピン支持ボス72bに取り付けられたブラケット92bに連結されている。
第2の昇降シリンダ36を伸長操作すると、第1の昇降支持体31に対して第3の昇降支持体33を相対的に下降させる動作が行われる。一方、第2の昇降シリンダ36を収縮操作すると、第1の昇降支持体31に対して第3の昇降支持体33を相対的に上昇させる動作が行われる。
【0039】
<油圧制御装置の説明>
図3に示されるように、油圧制御装置37は、第1の昇降支持体31に付設されるクライミング作業用足場50aに設置されており、第1の昇降シリンダ35、第2の昇降シリンダ36、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bおよび下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのそれぞれの操作が行えるようになっている。この油圧制御装置37は、油圧ポンプ93や制御弁ユニット94、作動油タンク95等の各種油圧機器や、電動モータ96、操作装置97などが筐体に組み込まれて構成されている。これら油圧機器によって図9に示されるような油圧回路が組まれている。
【0040】
図9に示される油圧回路において、昇降シリンダ35,36のボトム側油室およびヘッド側油室は、それぞれ制御弁ユニット94のシリンダポートに接続されている。同様に、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bのボトム側油室およびヘッド側油室、並びに下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのボトム側油室およびヘッド側油室も、それぞれ制御弁ユニット94のシリンダポートに接続されている。
制御弁ユニット94のポンプポートは、油圧ポンプ93に接続されている。制御弁ユニット94のタンクポートは、作動油タンク95に接続されている。また、制御弁ユニット94における操作信号を受ける操作部94aは、操作装置97と接続されており、制御弁ユニット94は、操作装置97からの操作信号に応じた油路切換動作を実行する。
油圧ポンプ93の入力軸は電動モータ96の出力軸と動力伝達可能に接続されている。油圧ポンプ93のタンクポートは、作動油タンク95に接続されている。
【0041】
そして、電動モータ96によって駆動される油圧ポンプ93から吐出される圧油は、制御弁ユニット94を介して、昇降シリンダ35,36、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bおよび下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのそれぞれにおけるボトム側油室またはヘッド側油室に供給される。これと同時に、昇降シリンダ35,36、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bおよび下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのそれぞれにおけるヘッド側油室またはボトム側油室からの戻り油は、制御弁ユニット94を介して作動油タンク95に還流される。
【0042】
<昇降シリンダの作動説明>
操作装置97の操作によってその操作装置97から制御弁ユニット94に昇降シリンダ35,36の伸長指令を示す昇降シリンダ伸長操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその昇降シリンダ伸長操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を昇降シリンダ35,36のボトム側油室に供給すると同時に、昇降シリンダ35,36のヘッド側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、昇降シリンダ35,36が伸長作動され、第1の昇降支持体31に対して第2の昇降支持体32または第3の昇降支持体33を相対的に下降させる動作が行われる。
【0043】
これに対し、操作装置97から制御弁ユニット94に昇降シリンダ35,36の収縮指令を示す昇降シリンダ収縮操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその昇降シリンダ収縮操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を昇降シリンダ35,36のヘッド側油室に供給すると同時に、昇降シリンダ35,36のボトム側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、昇降シリンダ35,36が収縮作動され、第1の昇降支持体31に対して第2の昇降支持体32または第3の昇降支持体33を相対的に上昇させる動作が行われる。
【0044】
<上部係止ピン操作シリンダの作動説明>
操作装置97から制御弁ユニット94に上部係止ピン操作シリンダ56a,56bの伸長指令を示す上部係止ピン操作シリンダ伸長操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその上部係止ピン操作シリンダ伸長操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を上部係止ピン操作シリンダ56a,56bのボトム側油室に供給すると同時に、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bのヘッド側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bが伸長作動され、上部係止ピン53a,53bの先端部が上部係止ピン挿通孔52a,b内に引き込まれる動作が行われる。
【0045】
これに対し、操作装置97から制御弁ユニット94に上部係止ピン操作シリンダ56a,56bの収縮指令を示す上部係止ピン操作シリンダ収縮操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその上部係止ピン操作シリンダ収縮操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を上部係止ピン操作シリンダ56a,56bのヘッド側油室に供給すると同時に、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bのボトム側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、上部係止ピン操作シリンダ56a,56bが収縮作動され、上部係止ピン53a,53bの先端部が上部係止ピン挿通孔52a,52bから突出される動作が行われる。
【0046】
<下部係止ピン操作シリンダの作動説明>
操作装置97から制御弁ユニット94に下部係止ピン操作シリンダ77a,77bの伸長指令を示す下部係止ピン操作シリンダ伸長操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその下部係止ピン操作シリンダ伸長操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのボトム側油室に供給すると同時に、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのヘッド側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bが伸長作動され、下部係止ピン73a,73bの先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74b内に引き込まれる動作が行われる。
【0047】
これに対し、操作装置97から制御弁ユニット94に下部係止ピン操作シリンダ77a,77bの収縮指令を示す下部係止ピン操作シリンダ収縮操作信号が送信されると、制御弁ユニット94はその下部係止ピン操作シリンダ収縮操作信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、制御弁ユニット94は、油圧ポンプ93からの圧油を下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのヘッド側油室に供給すると同時に、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bのボトム側油室の内部の油を作動油タンク95に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、下部係止ピン操作シリンダ77a,77bが収縮作動され、下部係止ピン73a,73bの先端部が下部係止ピン挿通孔74a,74bから突出される動作が行われる。
【0048】
次に、本実施形態のクライミング装置5について、操作装置97の所定の操作によるクライミング動作について、図10〜図14を用いて詳述する。
【0049】
<第0工程の説明:図10(a)参照>
図10(a)には、クライミング動作開始前のクライミング初期状態が示されている。
このクライミング初期状態において、上部係止ピン53a,53bおよび下部係止ピン73a,73bはそれぞれマスト3に差し込まれて梁部材12に掛け止められている。また、第1の昇降シリンダ35および第2の昇降シリンダ36は、全縮みより若干伸びた状態にある(第0工程)。
【0050】
<第1〜第4工程の説明:図10(b)〜(e)参照>
図10(a)に示される初期状態において、同図(b)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を少しだけ縮ませると同時に、第2の昇降シリンダ36を少しだけ伸ばして、上部係止ピン53a,53bおよび下部係止ピン73aをそれぞれ梁部材12から少しだけ浮き上がらせ、これら係止ピン53a,53b,73aをマスト3から抜き出し可能な状態とする(第1工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、上部係止ピン53a,53bおよび下部係止ピン73aをそれぞれマスト3から抜き出す(第2工程)。
次いで、同図(d)に示されるように、第2の昇降シリンダ36を伸長させて全伸び状態とする(第3工程)。
そして、同図(e)に示されるように、下部係止ピン73aをマストに差し込む(第4工程)。
【0051】
<第5〜第9工程の説明:図11(a)〜(e)参照>
その後、図11(a)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を少しだけ伸ばして下部係止ピン73aを梁部材12に掛け止める(第5工程)。
次いで、同図(b)に示されるように、下部係止ピン73bをマスト3から抜き出す(第6工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、第2の昇降シリンダ36を全縮み状態となるように収縮させると同時に、第1の昇降シリンダ35を全伸び状態となるように伸長させる(第7工程)。
次いで、同図(d)に示されるように、下部係止ピン73bをマスト3に差し込む(第8工程)。
そして、同図(e)に示されるように、第2の昇降シリンダ36を少しだけ伸ばして下部係止ピン73bを梁部材12に掛け止めて、下部係止ピン73aを梁部材12から少しだけ浮き上がらせる(第9工程)。
【0052】
<第10〜第14工程の説明:図12(a)〜(e)参照>
その後、図12(a)に示されるように、下部係止ピン73aをマスト3から抜き出す(第10工程)。
次いで、同図(b)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を全縮み状態となるように収縮させると同時に、第2の昇降シリンダ36を全伸び状態となるように伸長させる(第11工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、下部係止ピン73aをマスト3に差し込む(第12工程)。
次いで、同図(d)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を少しだけ伸ばして下部係止ピン73aを梁部材12に掛け止めて、下部係止ピン73bを梁部材12から少しだけ浮き上がらせる(第13工程)。
そして、同図(e)に示されるように、下部係止ピン73bをマスト3から抜き出す(第14工程)。
【0053】
<第15〜第19工程の説明:図13(a)〜(e)参照>
その後、図13(a)に示されるように、第2の昇降シリンダ36を全縮み状態となるように収縮させると同時に、第1の昇降シリンダ35を全伸び状態となるように伸長させる(第15工程)。
次いで、同図(b)に示されるように、上部係止ピン53aおよび上部係止ピン53bをそれぞれマスト3に差し込む(第16工程)。
次いで、同図(c)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を少しだけ収縮させて下部係止ピン73aを梁部材12から少しだけ浮き上がらせる(第17工程)。
次いで、同図(d)に示されるように、下部係止ピン73aをマスト3から抜き出す(第18工程)。
そして、同図(e)に示されるように、第1の昇降シリンダ35を全縮み状態となるように収縮させる(第19工程)。
【0054】
<第20〜第21工程の説明:図14(a)〜(b)参照>
その後、図14(a)に示されるように、下部係止ピン73aおよび下部係止ピン73bをそれぞれマスト3に差し込む(第20工程)。
そして、同図(b)に示されるように、第1の昇降シリンダ35および第2の昇降シリンダ36をそれぞれ少しだけ伸ばして下部係止ピン73aおよび下部係止ピン73bをそれぞれ梁部材12に掛け止める(第21工程)。
【0055】
上記の第1工程から第21工程で示される1サイクルのクライミング動作を実施することにより、クレーン本体4を1マストセグメント分上昇させることができ、これら第1工程から第21工程を繰り返し実行することにより、クレーン本体4を所要の高さ位置まで上昇させることができる。
【0056】
<本実施形態の作用効果の説明>
本実施形態のクライミング装置5によるクライミング工法においては、次のクライミング動作の準備のために、第7工程(図11(c)参照)および第15工程(図13(a)参照)のそれぞれの工程で、第2の昇降シリンダ36の収縮操作が行われる際、この収縮操作と同時に、第1の昇降シリンダ35の伸長操作が行われる。また、同様の趣旨で、第11工程(図12(b)参照)において、第1の昇降シリンダ35の収縮操作が行われる際、この収縮操作と同時に、第2の昇降シリンダ36の伸長操作が行われる。
本実施形態のクライミング装置5によるクライミング工法によれば、一方の昇降シリンダ35,36の収縮操作が行われている間でも、他方の昇降シリンダ36,35の伸長操作によってクレーン本体4が上昇されるので、従来と比べてクライミング時間を短縮することができる。
より具体的には、従来のクライミング装置100によるクライミング工法では、図16(b)〜(e)および図17(a)〜(d)に示される第1工程から第8工程の合計8工程を実施することにより、クレーン本体をマストセグメントの梁部材107の1段階分だけしか上昇させることができない。これに対して、本実施形態のクライミング装置5によるクライミング工法においては、図10(b)〜(e)および図11(a)〜(d)に示される第1工程から第8工程の合計8工程を実施することにより、クレーン本体4をマストセグメント3bの梁部材12の2段階分も上昇させることができ、従来工法と比べてクライミング時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
以上、本発明のクライミング工法およびクライミング装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0058】
例えば、上記の実施形態で述べた角形断面形状の枠組み構造のマスト3に代えて、円筒形状のマストを採用することができる。この場合、係止ピン53a,53b,73a,73bを掛け止める梁部材12に代えて、係止ピン53a,53b,73a,73bが抜き差し可能な保持孔を上下方向に所要の間隔で配設するとともに、ガイドローラに摺接可能なガイドレールを軸方向に付設すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のクライミング工法およびクライミング装置は、クライミング時間の短縮化を図ることができるという特性を有していることから、クライミングクレーンを用いた建設工事の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 タワークレーン
3 マスト
4 クレーン本体
5 クライミング装置
31 第1の昇降支持体
32 第2の昇降支持体
33 第3の昇降支持体
35 第1の昇降シリンダ
36 第2の昇降シリンダ
37 油圧制御装置(昇降シリンダ制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立状態で設置されるマストにクレーン本体と共に昇降自在に設けられる第1の昇降支持体と、この第1の昇降支持体に対して相対変位可能に昇降自在に設けられる第2の昇降支持体および第3の昇降支持体との協働により、前記クレーン本体を昇降させるクライミング工法であって、
前記第1の昇降支持体と前記第2の昇降支持体とを連結する第1の昇降シリンダおよび前記第1の昇降支持体と前記第3の昇降支持体とを連結する第2の昇降シリンダのうち、いずれか一方の昇降シリンダを収縮させると同時に、いずれか他方の昇降シリンダを伸長させる工程を含むことを特徴とするクライミング工法。
【請求項2】
直立状態で設置されるマストにクレーン本体と共に昇降自在に設けられる第1の昇降支持体と、この第1の昇降支持体に対して相対変位可能に昇降自在に設けられる第2の昇降支持体および第3の昇降支持体との協働により、前記クレーン本体を昇降させるように構成されるクライミング装置であって、
前記第1の昇降支持体と前記第2の昇降支持体とを連結する第1の昇降シリンダと、
前記第1の昇降支持体と前記第3の昇降支持体とを連結する第2の昇降シリンダと、
前記第1の昇降シリンダおよび第2の昇降シリンダの伸縮動作を制御する昇降シリンダ制御手段とを備え、
前記昇降シリンダ制御手段は、前記第1の昇降シリンダおよび第2の昇降シリンダのうち、いずれか一方の昇降シリンダを収縮させると同時に、いずれか他方の昇降シリンダを伸長させることを特徴とするクライミング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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