説明

クランプ装置

【課題】電池本体上方にて積層方向に延設される第一クランプユニットと、前記積層方向且つ前記延出方向の両側方にて対向配置され、電池本体を挟持する挟持手段を有する第二クランプユニットとを備える電池パックのクランプ装置であって、大掛かりな改造を施すことなく、電池本体のクランプ位置を変更可能なクランプ装置を提供する。
【解決手段】各クランプアーム21の少なくとも一つは、電池本体51の側端部に当接可能な第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bとを有し、第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bは、互いに前記積層方向における反対側に突出して配設されるとともに、第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bの間にある回動軸14を中心として互いに回転移動し、回動軸14は、第一クランプ爪26A側に比べて、第二クランプ爪26B側に近接した位置に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車などの車両に搭載される電池パックの組付け工程において、電池パックの組付け作業を行う際に当該電池パックの電池本体を保持するためのクランプ装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド電気自動車や電気自動車などの車両において、走行用の電源として搭載される電池パックは、水平方向に積層された複数の二次電池や、該二次電池を積層方向両端から挟持するエンドプレートなどからなる電池本体、および該電池本体を載置する略矩形板状のロアケースなどを有して構成される(例えば、「特許文献1」を参照。)。
ここで、電池パックの組付け作業は、主に電池パックの構成部材を供給する供給工程や、該供給工程の後に行われる締付工程などを有する組付け工程にて行われる。
より具体的には、前記供給工程においては、上方に持ち上げられた電池本体がロアケース上に載置され、また、前記締付工程においては、これら電池本体およびロアケースが、ともに持ち上げられた後垂直方向に旋回させられ、ボルトなどを用いて互いに締結されるのである。
そして従来、このような供給工程や締付工程における電池パック(より具体的には、電池本体)の持ち上げ作業は、クランプ装置によって電池本体を保持しつつ行われていた。
【0003】
前記クランプ装置は、電池本体の上方において二次電池の積層方向に沿って延設される、第一のクランプユニットである短軸クランプユニットや、該短軸クランプユニットを間に挟んで対向配置されるとともに、電池本体における二次電池の積層方向の両側方に配設される、第二のクランプユニットである二基の長軸クランプユニットなどを有して構成される。
そして、短軸クランプユニットによって電池本体の上面を押圧し、且つ長軸クランプユニットによって積層方向の両側面を挟持することで、クランプ装置は電池本体を堅固に固定保持するのである。
【0004】
一方、電池パックにおいては、車種による搭載位置や要求性能の違い、あるいは安全基準に関する法規制などの理由から、積層される二次電池の数量が異なる様々な仕様のものが存在する。換言すると、電池本体の長さ寸法(積層方向の寸法)は、電池パックの仕様に応じて変化することになる。
そのため、長軸クランプユニットは、電池パックの仕様に応じて、電池本体に対するクランプ位置を、適宜変更可能な構成とする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−185815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長軸クランプユニットにおける、このようなクランプ位置の変更については、従来から、例えば一方(あるいは双方)の長軸クランプユニットの組付け装置全体に対する配設位置を、電池本体の積層方向に適宜移動させることによって対応してきた。
しかし、電池本体の長さ寸法によっては、長軸クランプユニットの配設位置を移動させる場合、例えば、短軸クランプユニットが障害となって、長軸クランプユニットの配設位置を、適切な位置にまで移動させることができないことがある。
その結果、クランプ装置全体の構成を見直すとともに、これら長軸クランプユニットや障害物(例えば、短軸クランプユニット)に対して大掛かりな改造を施すことが必要となり、電池パックの仕様に応じて、電池本体に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができなかった。
【0007】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の二次電池を積層して構成される電池パックの本体部に対し、該本体部における前記積層方向の両側方において互いに対向して配設され、前記本体部における前記積層方向の一側端面および他側端面をそれぞれ押圧することによって挟持する挟持手段を各々有する、二基のクランプユニットを備えるクランプ装置であって、大掛かりな改造を施す必要もなく、電池パックの仕様に応じて、前記電池本体に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができるクランプ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、複数の二次電池を積層して構成される電池パックの本体部に対し、該本体部における前記積層方向の両側方において互いに対向して配設され、前記本体部における前記積層方向の一側端面および他側端面をそれぞれ押圧することによって挟持する挟持手段を各々有する、二基のクランプユニットを備えるクランプ装置であって、前記各挟持手段の少なくとも一つは、前記本体部の側端部に当接可能な第一クランプ爪および第二クランプ爪とを有し、前記第一クランプ爪および第二クランプ爪は、互いに前記積層方向における反対側に突出して配設されるとともに、前記第一クランプ爪および第二クランプ爪の間にある回動軸を中心として互いに回転移動し、前記回動軸は、前記第一クランプ爪側に比べて、前記第二クランプ爪側に近接した位置に配設されるものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1に記載のクランプ装置であって、前記クランプ装置は、前記本体部の上方において配設されるとともに、前記本体部の上面を押圧する押圧手段を有する「他のクランプユニット」をさらに有し、前記二基のクランプユニットは、前記「他のクランプユニット」の前記積層方向両側において互いに対向して配設され、前記二基のクランプユニットにおける前記第一クランプ爪によって、前記本体部の両側端面を挟持する際、前記二基のクランプユニットにおける第一クランプ爪の間隙寸法は、前記「他のクランプユニット」の積層方向の寸法に比べて小さくなるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係るクランプ装置によれば、複数の二次電池を積層して構成される電池パックの本体部に対し、該本体部における前記積層方向の両側方において互いに対向して配設され、前記本体部における前記積層方向の一側端面および他側端面をそれぞれ押圧することによって挟持する挟持手段を各々有する、二基のクランプユニットを備えるクランプ装置であって、大掛かりな改造を施す必要もなく、電池パックの仕様に応じて、前記電池本体に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができるクランプ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係るクランプ装置の全体的な構成を示した側面図。
【図2】一方側に配設される長軸クランプユニットの、クランプアーム近傍を示した側面図。
【図3】同じく、クランプアーム近傍を示した図であって、(a)は第一の使用形態にクランプアームを設定した状態を示した底面図、(b)は第二の使用形態にクランプアームを設定した状態を示した底面図。
【図4】クランプ装置の全体的な構成を示した図であって、(a)は前後両側に配設される長軸クランプユニットのクランプアームを、第一の使用形態に設定した状態を示した側面図、(b)は前後両側に配設される長軸クランプユニットのクランプアームを、第二の使用形態に設定した状態を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0014】
[電池パック50]
先ず、電池パック50の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1における矢印Aの方向を前方と規定して記述する。また、図1においては、図面上の上下方向を電池パック50(およびクランプ装置1)の上下方向と規定して記述する。
【0015】
電池パック50は、例えばハイブリッド電気自動車や電気自動車などの車両において、走行用の電源として当該車両に搭載されるものである。
電池パック50は、主に電池本体51や、該電池本体51を載置する略矩形状のロアケース(図示せず)などを有して構成される。
【0016】
電池本体51は、電池パック50の電源機能を発現するために備えられるものである。
電池本体51は、二次電池52を積層している部分であり、本実施形態においては、該二次電池52の他に、該二次電池52を拘束するためのエンドプレート53や拘束バー54などを有して構成される。
【0017】
二次電池52は、電池本体51の蓄電素子として備えられる部品である。
二次電池52は、例えば既知のリチウムイオン電池やニッケル水素電池などからなり、略矩形状の平板形状(扁平形状)に構成される。
【0018】
そして、二次電池52・52・・・は、電池パック50が搭載される車両の要求性能に基づいて、一組の電池パック50(より具体的には、電池本体51)に対して、所定の個数分備えられ、一方向(本実施例においては、水平方向、且つ前後方向)に向かって積層される。
また、各二次電池52の一側部には、端子52aが突設されており、該端子52aを図示せぬバスバーなどによって連結することで、積層された複数の二次電池52・52・・・(以下、適宜「二次電池群60」と記載する)は、互いに電気的に接続される。
【0019】
エンドプレート53は、後述する拘束バー54とともに、二次電池群60の積層姿勢(より具体的には、二次電池52・52・・・の積層方向側の形状。以下同じ。)を保持するための部品である。
エンドプレート53・53は、略矩形状の平板形状(扁平形状)に構成され、一組の電池本体51に対して二個備えられる。
【0020】
そして、エンドプレート53・53は、二次電池群60の前後方向(二次電池52・52・・・の積層方向。以下同じ。)の両端面側(二次電池群60の最前面側、および最後面側)において、二次電池群60を挟持するようにして積層配置される。
【0021】
拘束バー54は、二個のエンドプレート53・53を堅固に連結するとともに、該エンドプレート53・53を介して、二次電池52・52・・・の積層姿勢を保持するための部品である。
拘束バー54・54・・・は、二次電池52・52・・・の積層方向に延出する棒状部材からなり、一組の電池本体51に対して複数本備えられる。
【0022】
そして、拘束バー54は、その両端部を各エンドプレート53・53の上端部、および下端部から突出する複数の突出部53a・53a・・・と連結することで、二次電池群60を前後方向に隙間なく拘束しており、これにより二次電池52・52・・・の積層姿勢が保持される。
【0023】
以上のような構成からなる電池本体51は、後述するクランプ装置1によって確実に保持されて上方へと持ち上げられ、ロアケース上に載置された後、ボルトなどを用いて当該ロアケースと締結されるのである。
【0024】
[クランプ装置1]
次に、本発明を具現化するクランプ装置1の構成について、図1および図2を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図2における矢印Aの方向を前方と規定して記述する。また、図2においては、図面上の上下方向をクランプ装置1(より具体的には、クランプアーム21)の上下方向と規定して記述する。
【0025】
クランプ装置1は、電池本体51を確実に保持するための装置であって、例えば、電池パック50の組付け工程に配設される、図示せぬ移載装置や締結装置などに各々備えられる。
より具体的には、電池パック50の組付け工程は、組付け作業が完了した電池本体51を、ロアケース上に移載(載置)する供給工程や、該供給工程の終了後、ボルトなどを用いて、これらの電池本体51およびロアケースを、互いに締結する締付工程などを有している。
また、これらの供給工程および締付工程には、クランプ装置1が備えられる移載装置および締結装置が各々配設されている。
【0026】
そして、供給工程においては、搬送パレット上に載置された電池本体51が、移載装置によってロアケース上に移載されるが、この際、電池本体51は、前記移載装置に備えられるクランプ装置1によって、確実に保持された状態を維持しつつ、前記搬送パレットから前記ロアケースへと移載される。
また、締結工程においては、ロアケース上に載置された電池本体51が、締結装置によって該ロアケースとともに持ち上げられて垂直方向に回動され、その後、ボルトなどを用いて、電池本体51およびロアケースが互いに締結されるが、この際、電池本体51は、前記締結装置に備えられるクランプ装置1によって、確実に保持された状態を維持しつつ、ロアケースとともに持ち上げられて垂直方向に回動されるのである。
【0027】
図1に示すように、クランプ装置1は、主に二基の長軸クランプユニット2・2や、一基の短軸クランプユニット3(本発明の請求項2における「他のクランプユニット」に相当)などを有して構成される。そして、長軸クランプユニット2・2は、短軸クランプユニット3を間に挟み、互いに前後方向に対向して配設される。
【0028】
先ず始めに、長軸クランプ2について説明する。
なお、前側に配設される長軸クランプユニット2(以下、「前側長軸クランプユニット2F」と記載する)、および後側に配設される長軸クランプユニット2(以下、「後側長軸クランプユニット2R」と記載する)は、略同等の構成を有する。
従って、以下の説明においては、前側長軸クランプユニット2Fについて記載し、後側長軸クランプユニット2Rの説明については、主に前側長軸クランプユニット2Fとの相異点のみを記載する。
【0029】
前側長軸クランプユニット2Fは、後側長軸クランプユニット2Rとともに、電池本体51を前後方向(電池本体51の長手方向)より挟持して、当該電池本体51を固定保持するために備えられる部位である。
前側長軸クランプユニット2Fは、クランプアーム21やアクチュエータ22などを有して構成される。
【0030】
前側長軸クランプユニット2Fのクランプアーム21は、電池本体51の前側端面(後側長軸クランプユニット2Rのクランプアーム21においては後側端面)を直接挟持して保持する、挟持手段として備えられる部位である。
クランプアーム21は、二個のクランプ爪26・26や、これらクランプ爪26・26を固定保持するクランプ爪切替機構部27などを有して構成される。
【0031】
クランプ爪26は、電池本体51に直接当接される部品である。
クランプ爪26は、板面を前後方向に向けた平板部材からなる基部26aと、該基部26aの一方側の平面より水平方向に突設される複数の爪部26b・26b・・・とを有して構成される。
【0032】
そして、二個のクランプ爪26・26は、基部26a・26aの他方側の平面(爪部26bが突設される側の面と反対側の面)を互いに向かい合せて、前後方向に並設される。
また、一方(前側)のクランプ爪26の爪部26b・26b・・・は前方に突出しており、他方(後側)のクランプ爪26の爪部26b・26b・・・は後方に突出している。
【0033】
クランプ爪切替機構部27は、前後方向に並設されるクランプ爪26・26の配設位置を互いに切替ることによって、前側長軸クランプユニット2Fの後側に位置するクランプ爪26と、後側長軸クランプユニット2Rの前側に位置するクランプ爪26との間隙寸法(図4における寸法Z1、あるいは寸法Z2を参照)を、容易に変更可能にするために備えられる部位である。
クランプ爪切替機構部27は、図2に示すように、サポートフレーム11やハウジング12やロック手段13などを有して構成される。
【0034】
サポートフレーム11は、クランプ爪切替機構部27の基部となる部品である。
サポートフレーム11は、例えば左右方向(平面視において、二次電池52・52・・・の積層方向に対する直交方向。以下同じ。)に延出する水平部材11aや、該水平部材11aの上面より上方に向かって延設される垂直部材11bなどを有して構成される。また、垂直部材11bの上端部には、後述するアクチュエータ22の伸縮ロッド22a(図1を参照)の先端部が嵌設される。
【0035】
水平部材11aの中央部には、上下方向に嵌通する貫通孔11cが設けられ、該貫通孔11cを介して、上下方向に延出する回動軸14の上端部が嵌設されている。
換言すると、回動軸14は、水平部材11aの下面中央部より、直下方向に向かって垂設される。
【0036】
また、水平部材11aの下面において、その左右両端部には、陥没部11d・11dが各々設けられ、後述するように、これら陥没部11d・11dの内のいずれか一方に、ロック手段13のプランジャー部13bの先端部が埋没することで、ハウジング12の回動動作が規制されるようになっている。
【0037】
ハウジング12は、クランプ爪切替機構部27の可動部本体となる部品である。
ハウジング12は、前後方向に各々対向配置される第一平面部12aおよび第二平面部12bを有した部材によって形成され、本実施例においては、例えば直方体形状からなる部材によって形成される。
【0038】
そして、第一平面部12aには、前側に配設されるクランプ爪26(以下、「第一クランプ爪26A」と記載する)が、ボルトなどを用いて着脱可能に固設される。
また、第二平面部12bには、後側に配設されるクランプ爪26(以下、「第二クランプ爪26B」と記載する)が、ボルトなどを用いて着脱可能に固設される。
【0039】
一方、ハウジング12には、上下方向に貫通する軸孔12cが形成される。
前記軸孔12cは、その軸心G1の位置が、ハウジング12の左右方向中央部、且つ、該ハウジング12本体の前後方向中央に位置する軸心G2に対して、前後方向の一方側(図2においては後方側)に寸法Xだけ偏心した位置となるように形成される。
【0040】
そして、ハウジング12は、サポートフレーム11(より具体的には、水平部材11a)の下方において、軸孔12cが、水平部材11aの貫通孔11cと同軸上となるように配設されるとともに、サポートフレーム11より直下方向に垂設される回動軸14が、既知の軸受部材15を介して軸孔12cに嵌設される。
【0041】
こうして、ハウジング12は、回動軸14を中心にして水平方向に回動可能に軸支される。
換言すると、回動軸14は、第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bの間であって、第一クランプ爪26A側に比べて、第二クランプ爪26B側に近接した位置に配設され、第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bは、回動軸14を中心にして、水平方向に回動可能に設けられる。
これにより、第一クランプ爪26Aの基部26a前面から回動軸14の軸心G1までの寸法X1は、クランプ爪26Bの基部26a後面から回動軸14の軸心G1までの寸法X2に比べて、大きくなっている(X1>X2となっている)。
【0042】
このようなことから、後述するように、例えば、図2におけるクランプアーム21の状態(第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bが、前側および後側に各々配設された状態)に対して、ハウジング12を水平方向に180°回動させると、クランプ爪26Aおよびクランプ爪26Bの位置は互いに切替り、クランプ爪26Aは後側に、またクランプ爪26Bは前側にそれぞれ配設されることとなる。
【0043】
その結果、前側長軸クランプユニット2Fにおいて、後方に位置するクランプ爪26の基部26aの後面から、回動軸14の軸心G1までの寸法(以下、「クランプ寸法」と記載する)は、寸法X2から寸法X1に切替られることとなり、クランプ爪切替機構部27によって、前側長軸クランプユニット2Fの後側に設けられるクランプ爪26と、後側長軸クランプユニット2Rの前側に設けられるクランプ爪26との間隙寸法が、容易に変更されるのである。
【0044】
ロック手段13は、回動軸14を中心とするハウジング12の回動動作を規制するための部品である。
ロック手段13は、所謂既知のインデックスプランジャーであって、外周面に雄螺子が螺刻された本体部13aと、本体部13aの内部に該本体部13aの軸心方向へ摺動可能に設けられ、その先端部(一端部)が前記本体部13aの一方の端部より突出されたプランジャー部13bと、前記本体部13aの他方の端部に配設され、プランジャー部13bの他端部と連結される取手部13cとを有して構成される。
【0045】
前記プランジャー部13bは、図示せぬ付勢手段によって、常に一端側(本体部13aから突出している先端部側)へと付勢されている。
そして、ロック手段13は、プランジャー部13bの一端部(先端部)が上方に位置するように、軸心方向を上下方向(側面視において、二次電池52・52・・・の積層方向に対する直交方向。以下同じ。)に向けた状態で、ハウジング12に固定保持される。
【0046】
より具体的には、ハウジング12の左右方向の一方側(本実施例においては、左側)の側面上部には、水平方向に突出する突出部12dが設けられ、該突出部12dの突出端部には、上下方向に貫通する螺子孔12eが形成されている。また、螺子孔12eは、サポートフレーム11の水平部材11a下面に設けられる一方側(本実施例においては、左側)の陥没部11dと、同軸上に形成されている。
そして、前記螺子孔12eに、ロック手段13の本体部13aが螺嵌されることで、該ロック手段13がハウジング12に固定保持されている。
【0047】
こうして、取手部13cを本体部13aの軸心方向に沿って引抜く(他端側へ摺動させる)ことで、プランジャー部13bが前記付勢手段に抗して取手部13c側へと摺動され、該プランジャー部13bの先端部が、本体部13a内に埋没するようになっている。
【0048】
このような構成からなるロック手段13において、プランジャー部13bの先端部が水平部材11aの陥没部11dに埋没されると、回動軸14を中心とするハウジング12の回動動作が規制されるのである。
【0049】
アクチュエータ22は、クランプアーム21全体を、前後方向に移動させるための駆動手段として備えられる機器である。
アクチュエータ22は、図1に示すように、例えば既知の空圧式シリンダーなどによって構成され、伸縮ロッド22aの軸心方向を前後方向としつつ、クランプアーム21の上方、且つサポートフレーム11の前方に配設される。
【0050】
そして、アクチュエータ22は、支持部材16を介して、前述した移載装置、あるいは締結装置に備えられる可動フレーム100に固定保持されるとともに、伸縮ロッド22aの先端部(本実施例においては、後側先端部)は、サポートフレーム11の垂直部材11bの上部に嵌設される。
【0051】
このような構成からなるアクチュエータ22において、伸縮ロッド22aが前後方向に摺動すると、クランプアーム21は、該伸縮ロッド22aの摺動動作に同調して、可動フレーム100に対して全体的に前後方向に移動されるのである。
【0052】
以上のような構成からなる前側長軸クランプユニット2F、および後側長軸クランプユニット2Rによって、電池本体51を挟持する際は、先ず、前側長軸クランプユニット2Fのクランプアーム21が、アクチュエータ22によって最前方側に移動され、且つ後側長軸クランプユニット2Rのクランプアーム21が、アクチュエータ22によって最後方側に移動された状態(以下、「開状態」と記載する)に設定される。
【0053】
前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rが開状態に設定されたクランプ装置1は、電池本体51が載置されている箇所へ移動し、当該電池本体51の前方および後方に、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rが位置する箇所まで移動すると停止する。
【0054】
その後、前側長軸クランプユニット2Fのクランプアーム21は後方に向かって、また後側長軸クランプユニット2Rのクランプアーム21は前方に向かって、それぞれ同時にアクチュエータ22・22によって移動される。
【0055】
そして、これらクランプアーム21・21に備えられるクランプ爪26・26によって、電池本体51の前後両側部に配設されるエンドプレート53・53は、押圧されることとなる。
【0056】
その結果、これらクランプ爪26・26の爪部26b・26b・・・が、エンドプレート53・53の平面部に設けられる、複数のリブ(図示せず)間に、それぞれ挿嵌された状態(以下「閉状態」と記載する)となり、電池本体51は、前側長軸クランプユニット2F、および後側長軸クランプユニット2Rによって挟持され、確実に保持されるのである。
【0057】
次に、短軸クランプユニット3について説明する。
短軸クランプユニット3は、電池本体51を上下方向(電池本体51の短手方向)の一方側(本実施例においては、上方側)より押圧して、当該電池本体51を固定保持するために備えられる部位である。
短軸クランプユニット3は、電池本体51の上方において、該電池本体51の積層方向に沿って延出して配設され、二次電池52の積層方向における電池本体51の中央部に位置している。
【0058】
短軸クランプユニット3は、例えば移動フレーム31や、複数(本実施例においては二本)の押圧ロッド32・32などを有して構成される。
なお、短軸クランプユニット3の構成については、一例を示すものであって、本発明を具現化するクランプ装置1に対して、特に限定されるものではない。
【0059】
移動フレーム31は、短軸クランプユニット3の基部となる部位である。
移動フレーム31は、フレーム部材31aや、該フレーム部材31aを左右方向に摺動可能に案内する案内ガイド31b・31bや、該フレーム部材31aの上面において前後方向に延設されるレール部材31cなどを有して構成される。
また、レール部材31cには、二個のボス部材31d・31dが、該レール部材31cに沿って摺動可能に備えられる。
【0060】
押圧ロッド32は、電池本体51を直接押圧して保持する、押圧手段として備えられる部位である。
押圧ロッド32は、棒状部材からなるロッド部32aや、該ロッド部32aの一方の端部に固設され、主として熱可塑性樹脂などからなる受け具32bなどを有して構成される。
【0061】
そして、押圧ロッド32は、受け具32bが下方に位置するようにロッド部32aの軸心方向を上下方向に向けた状態で配設され、ボス部材31dの内周部において、既知の軸受部材33を介して摺動可能に挿嵌される。
【0062】
以上のような構成からなる短軸クランプユニット3によって、電池本体51を押圧保持する際は、先ず、移動フレーム31が左右方向に移動され、二個の押圧ロッド32・32の受け具32b・32bが、平面視において、電池本体51の略軸心上の位置に到達する。
そして、各々の押圧ロッド32・32が下方に向かって同時に摺動され、受け具32b・32bの下面が電池本体51の上面に当接される。
これによって、電池本体51の上面は、押圧ロッド32・32によって押圧されることとなり、該電池本体51は、短軸クランプユニット3によって確実に押圧保持されるのである。
【0063】
なお、電池本体51に対する、各押圧ロッド32(より具体的には、受け具32b)の前後方向の位置は、積層される二次電池52の個数(即ち、電池本体51の長手方向の寸法)に応じて、適宜変更する必要がある。
このような場合、各押圧ロッド32の前後方向の位置は、レール部材31cに沿ってボス部材31dを摺動移動させることで、適切な箇所に移動可能な構成となっている。
【0064】
[クランプ爪26の切替え手順]
次に、本発明を具現化するクランプ装置1において、クランプ爪切替機構部27によるクランプ爪26の切替え手順について、図2乃至図4を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図3および図4における矢印Aの方向を前方と規定して記述する。また、図4においては、図面上の上下方向をクランプ装置1の上下方向と規定して記述する。
【0065】
図2に示すように、例えば、前側長軸クランプユニット2Fにおいて、クランプアーム21の状態が、第一クランプ爪26Aを前方に向け、且つ第二クランプ爪26Bを後方に向けた状態(以下、「短縮状態」と記載する)である場合、電池本体51の固定保持には、該電池本体51側(後方側)に位置する第二クランプ爪26Bが用いられる。
つまり、短縮状態における前側長軸クランプユニット2Fのクランプ寸法は、寸法X2である。
【0066】
このような状態からなる前側長軸クランプユニット2Fのクランプ寸法を変更するには、以下の手順に従って、クランプ爪切替機構部27を切替え操作することによって行われる。
即ち、先ず、ロック手段13の取手部13cが下方に向かって引抜き操作され、プランジャー部13bの先端部がサポートフレーム11(より具体的には、水平部材11a)の下面に設けられる左側の陥没部11dより離脱される。
これにより、ロック手段13によるハウジング12の回動規制が解除され、ハウジング12は、回動軸14を中心にして、水平方向に自由に回動可能な状態となる。
【0067】
次に、回動可能な状態となったハウジング12は、水平方向に180°回動され、短縮状態にあったクランプアーム21の状態が、第二クランプ爪26Bを前方に向け、且つ第一クランプ爪26Aを後方に向けた状態(以下、「延出状態」と記載する)へと切替えられる。
その結果、図3(a)に示すように、短縮状態においては寸法X2であった、前側長軸クランプユニット2Fのクランプ寸法は、図3(b)に示すように、寸法X1(X1>X2)へと切替えられることとなる。
【0068】
なお、ハウジング12が回動軸14を中心にして水平方向に回動されると、これに付随して、ロック手段13も、回動軸14を中心にして水平方向に回動されることとなる。
そして、図3(b)に示すように、クランプアーム21の状態が延出状態となれば、ロック手段13は、サポートフレーム11(より具体的には、水平部材11a)の下面に設けられる右側の陥没部11dと同軸上となる位置に配設されることとなる。
【0069】
その後、取手部13cに加えられていた下方への引抜力が開放されることで、プランジャー部13bは上方へ摺動し、プランジャー部13bの先端部が前記陥没部11dに埋没され、回動軸14を中心とするハウジング12の回動動作は、ロック手段13によって再び規制されるのである。
【0070】
このように、前側長軸クランプユニット2Fは、クランプ爪切替機構部27の切替え操作によって、クランプアーム21の状態(短縮状態および延出状態)を切替えることで、容易にクランプ寸法を変更することができる構成となっている。
【0071】
なお、以上においては、主に前側長軸クランプユニット2Fにおけるクランプ寸法の変更手順について言及したが、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rが略同等な構成を有することから、後側長軸クランプユニット2Rにおけるクランプ寸法の変更手順も、当然に同等な手順となる。
【0072】
ところで、例えば、図4(a)に示すように、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rにおける、各々のクランプアーム21の状態が、ともに短縮状態である場合、これら前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rのクランプ寸法は、各々寸法X2・X2となる一方、これら前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rに各々備えられる回動軸14・14の軸間寸法は、寸法X3にて固定されている。
【0073】
よって、前側長軸クランプユニット2Fにおける第二クランプ爪26Bの、基部26aの側面(爪部26bが突設される側の側面)と、後側長軸クランプユニット2Rにおける第二クランプ爪26Bの、基部26aの側面(爪部26bが突設される側の側面)との間隙寸法(以下、「第一間隙寸法」と記載する)は、寸法Z1(Z1=X3−2×X2)となる。
【0074】
一方、例えば、図4(b)に示すように、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rにおける、各々のクランプアーム21の状態が、ともに延出状態である場合、これら前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rのクランプ寸法は、各々寸法X1・X1(X1>X2)となる一方、これら前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rに各々備えられる回動軸14・14の軸間寸法は、寸法X3にて固定されている。
【0075】
よって、前側長軸クランプユニット2Fにおける第一クランプ爪26Aの、基部26aの側面(爪部26bが突設される側の側面)と、後側長軸クランプユニット2Rにおける第一クランプ爪26Aの、基部26aの側面(爪部26bが突設される側の側面)と間隙寸法(以下、「第二間隙寸法」と記載する)は、寸法Z2(Z2=X3−2×X1)となる。
【0076】
こうして、第二間隙寸法Z2は、第一間隙寸法Z1に比べて短く設定される(Z1>Z2)こととなり、この際の第一間隙寸法Z1と第二間隙寸法Z2との寸法差は、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rにおける、各クランプ寸法の差の合計(Z1−Z2=2×(X1−X2))となる。
【0077】
そして、本実施例におけるクランプ装置1においては、第二間隙寸法Z2が、短軸クランプユニット3における前後方向の寸法(以下、「延出寸法」と記載する)Yに比べて小さくなるように(Z2<Y)設定されている。
【0078】
このように、本実施例における電池パック50のクランプ装置1においては、例えば、電池本体51の長さ寸法(積層方向に関する寸法。以下同じ)が、短軸クランプユニット3の延出寸法に比べて小さい場合であっても、クランプ爪切替機構部27の切替え操作によって、容易に間隙寸法を変更し、対応することが可能な構成となっている。
【0079】
なお、これらの前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rにおいて、延出状態および短縮状態の各状態におけるクランプ寸法の寸法差(X1−X2)は、特に限定されるものではない。
しかし、例えば、前記クランプ寸法の寸法差について、予め二次電池52の厚み寸法(積層方向に関する寸法)の半分または整数倍に規定しておけば、延出状態および短縮状態への変更後に、アクチュエータ22によるこれらの前側長軸クランプユニット2F、および後側長軸クランプユニット2Rの移動距離の調整などを行うこともなく、さらに容易にクランプ爪切替機構部27の切替え操作が行えるため、より好ましい。
また、前側長軸クランプユニット2Fおよび後側長軸クランプユニット2Rにおけるクランプアーム21の状態は、一方が短縮状態となり、他方が延出状態となるように設定することも可能である。
【0080】
以上のように、本実施例における電池パック50のクランプ装置1は、複数の二次電池52・52・・・を積層して構成される電池パック50の電池本体(本体部)51に対し、該電池本体(本体部)51における前記積層方向の両側方において互いに対向して配設され、前記電池本体(本体部)51における前記積層方向の一側端面および他側端面をそれぞれ押圧することによって挟持するクランプアーム(挟持手段)21・21を各々有する、二基の長軸クランプユニット(クランプユニット)2・2を備えるクランプ装置1であって、前記各クランプアーム(挟持手段)21の少なくとも一つは、前記電池本体(本体部)51の側端部に当接可能な第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bとを有し、前記第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bは、互いに前記積層方向における反対側に突出して配設されるとともに、前記第一クランプ爪26Aおよび第二クランプ爪26Bの間にある回動軸14を中心として互いに回転移動し、前記回動軸14は、前記第一クランプ爪26A側に比べて、前記第二クランプ爪26B側に近接した位置に配設されることとしている。
【0081】
以上のような構成を有することで、本実施例におけるクランプ装置1によれば、長軸クランプユニット2などに対して大掛かりな改造を施す必要もなく、電池パック50の仕様に応じて、前記電池本体51に対するクランプ位置(より具体的には、前側長軸クランプユニット2Fと後側長軸クランプユニット2Rとの間における、第一間隙寸法、あるいは第二間隙寸法)を、適宜容易に変更することができる。
【0082】
即ち、このような構成を有することで、本実施例におけるクランプ装置1によれば、クランプアーム21の状態を、延出状態あるいは短縮状態へ変更した直後において、アクチュエータ22によるクランプユニット2の移動距離の調整などを行う必要もなく、容易にクランプ爪切替機構部27の切替え操作が行えるのである。
【0083】
また、本実施例におけるクランプ装置1において、前記クランプ装置1は、前記電池本体(本体部)51の上方において配設されるとともに、前記電池本体(本体部)51の上面を押圧する押圧ロッド(押圧手段)32を有する短軸クランプユニット(「他のクランプユニット」)3をさらに有し、前記二基の長軸クランプユニット(クランプユニット)2・2は、前記短軸クランプユニット(「他のクランプユニット」)3の前記積層方向両側において互いに対向して配設され、前記二基の長軸クランプユニット(クランプユニット)2・2における前記第一クランプ爪26Aによって、前記電池本体(本体部)51の両側端面を挟持する際、前記二基の長軸クランプユニット(クランプユニット)2・2における第一クランプ爪26Aの間隙寸法(即ち、第二間隙寸法Z2)は、前記短軸クランプユニット(「他のクランプユニット」)3の積層方向の寸法(即ち、延出寸法Y)に比べて小さくなる(Z2<Y)こととしている。
【0084】
このような構成を有することで、本実施例におけるクランプ装置1によれば、短軸クランプユニット3の延出寸法の如何に関わらず、前記電池本体51に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができるのである。
【0085】
即ち、従来のクランプ装置において、電池パック50の仕様に応じて異なる電池本体51の長さ寸法に対応するためには、例えば、移載装置、あるいは締結装置に備えられる可動フレーム100に対して、支持部材16が固定保持される位置を変更し、可動フレーム100に対する長軸クランプユニット2の配設位置を、電池本体51の積層方向に適宜移動させることとしていた。
よって、電池本体51の長さ寸法が、短軸クランプユニット3の延出寸法Yに比べて短くなる場合、短軸クランプユニット3が障害となって、長軸クランプユニット2の配設位置を、適切な位置にまで移動させることができず、クランプ装置1全体の構成を見直すとともに、これら長軸クランプユニット2や短軸クランプユニット3に対して大掛かりな改造を施すことが必要となり、電池パック50の仕様に応じて、電池本体51に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができなかった。
【0086】
これに対して、本実施例における電池パック50のクランプ装置1においては、例えば、電池本体51の長さ寸法が、短軸クランプユニット3の延出寸法に比べて小さい場合であっても、クランプ爪切替機構部27の切替え操作によって、容易に間隙寸法を変更し、電池パック50の仕様に応じて、前記電池本体51に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができるのである。
【0087】
なお、以上に示した本実施例におけるクランプ装置1においては、短軸クランプユニット3自身が、障害物となる場合がある。また、長軸クランプユニット2に突出部分がある場合などは、該長軸クランプユニット2自身の形状が障害物となる場合もある。
このような場合であっても、本発明を具現化するクランプ装置1によれば、大掛かりな改造を施すことなく、電池本体51に対するクランプ位置を、適宜容易に変更することができるのである。
【0088】
また、以上に示した本実施例におけるクランプ装置1においては、二基の長尺クランプユニット2・2の両方が、第一クランプ爪26Aと第二クランプ爪26Bとを有し、クランプ位置を変更できる構造としているが、何れか一方の長軸クランプユニット2のみを当該構造としてもよい。
何故ならば、何れか一方の長軸クランプユニット2のみを当該構造とするだけであっても、クランプ位置を容易に変更することができるからである。
【符号の説明】
【0089】
1 クランプ装置
2 長軸クランプユニット(第二クランプユニット)
3 短軸クランプユニット(第一クランプユニット)
14 回動軸
21 クランプアーム(挟持手段)
26A 第一クランプ爪
26B 第二クランプ爪
32 押圧ロッド(押圧手段)
50 電池パック
51 電池本体(本体部)
52 二次電池
53 エンドプレート
G1 軸心
X1 離間寸法
X2 離間寸法
Y 延出寸法
Z2 第二間隙寸法


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を積層して構成される電池パックの本体部に対し、該本体部における前記積層方向の両側方において互いに対向して配設され、前記本体部における前記積層方向の一側端面および他側端面をそれぞれ押圧することによって挟持する挟持手段を各々有する、二基のクランプユニットを備えるクランプ装置であって、
前記各挟持手段の少なくとも一つは、前記本体部の側端部に当接可能な第一クランプ爪および第二クランプ爪とを有し、
前記第一クランプ爪および第二クランプ爪は、互いに前記積層方向における反対側に突出して配設されるとともに、
前記第一クランプ爪および第二クランプ爪の間にある回動軸を中心として互いに回転移動し、
前記回動軸は、前記第一クランプ爪側に比べて、前記第二クランプ爪側に近接した位置に配設される、
ことを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
前記クランプ装置は、
前記本体部の上方において配設されるとともに、
前記本体部の上面を押圧する押圧手段を有する「他のクランプユニット」をさらに有し、
前記二基のクランプユニットは、前記「他のクランプユニット」の前記積層方向両側において互いに対向して配設され、
前記二基のクランプユニットにおける前記第一クランプ爪によって、前記本体部の両側端面を挟持する際、
前記二基のクランプユニットにおける第一クランプ爪の間隙寸法は、前記「他のクランプユニット」の積層方向の寸法に比べて小さくなる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のクランプ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−114750(P2013−114750A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256861(P2011−256861)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(399107063)プライムアースEVエナジー株式会社 (193)
【Fターム(参考)】